JP2013129821A - 酸素吸収性樹脂組成物及び酸素吸収性接着剤樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、酸成分(A)に由来する構造単位を含むポリエステルと有機過酸化物を含有する酸素吸収性樹脂組成物を提供する。
酸成分(A):(i)及び(ii)からなる群より選ばれる構造を有する酸成分;
(i)下記構造(a)及び(b)の両方の基に結合し、かつ、1個の水素原子と結合した炭素原子を有し、該炭素原子が脂環構造に含まれているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物;
(a)炭素−炭素二重結合基、
(b)カルボニル基;
(ii)不飽和脂環構造内の炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子が電子供与性置換基及び水素原子と結合し、かつ、該炭素原子に隣接する別の炭素原子がカルボニル基と結合しており、該電子供与性置換基と該カルボニル基とがシス位に位置しているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物
【選択図】なし
Description
また、特許文献4にはアリル水素や3級炭素に結合した水素を分子中に有する熱可塑性樹脂に酸素吸収反応開始剤として有機過酸化物を添加した酸素吸収組成物が提案されているが、機能発現のために高温長時間の熱処理が必要であり、実用性のあるものではなかった。
酸成分(A):(i)及び(ii)からなる群より選ばれる構造を有する酸成分;
(i)下記構造(a)及び(b)の両方の基に結合し、かつ、1個の水素原子と結合した炭素原子を有し、該炭素原子が脂環構造に含まれているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物;
(a)炭素−炭素二重結合基、
(b)カルボニル基;
(ii)不飽和脂環構造内の炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子が電子供与性置換基及び水素原子と結合し、かつ、該炭素原子に隣接する別の炭素原子がカルボニル基と結合しており、該電子供与性置換基と該カルボニル基とがシス位に位置しているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物
また、本発明は、前記酸素吸収性樹脂組成物と、硬化剤として脂肪族及び/又は脂環族イソシアネート系硬化剤、及び溶媒として酢酸エチルを含有する酸素吸収性接着剤樹脂組成物を提供する。
酸成分(A)は、(i)及び(ii)からなる群より選ばれる構造を有する。
(i)下記構造(a)及び(b)の両方の基に結合し、かつ、1個の水素原子と結合した炭素原子を有し、該炭素原子が脂環構造に含まれているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物;
(a)炭素−炭素二重結合基、
(b)カルボニル基;
(ii)不飽和脂環構造内の炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子が電子供与性置換基及び水素原子と結合し、かつ、該炭素原子に隣接する別の炭素原子がカルボニル基と結合しており、該電子供与性置換基と該カルボニル基とがシス位に位置しているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物
(i)の構造を有する酸成分として、Δ2−テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体、Δ3−テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体、Δ2−テトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体、Δ3−テトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体を挙げることが出来る。好ましくは、Δ3−テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はΔ3−テトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体であり、特に好ましくは4−メチル−Δ3−テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又は4−メチル−Δ3−テトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体である。4−メチル−Δ3−テトラヒドロ無水フタル酸は、例えば、イソプレンを主成分とするナフサのC5留分を無水マレイン酸と反応させた、4−メチル−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸を含む異性体混合物を、構造異性化することにより得ることが出来、工業的に製造されている。
本発明で使用するポリエステルを重合する際、ジカルボン酸及びジカルボン酸無水物はメチルエステル等にエステル化されていてもよい。
芳香族ジカルボン酸及びその誘導体としては、テレフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸などのベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、スルホイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でもベンゼンジカルボン酸が好ましく、特に好ましくはテレフタル酸である。
脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタン二酸、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、アジピン酸、コハク酸が好ましく、特にコハク酸が好ましい。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘキサン酸、又はこれらの誘導体が挙げられる。
これらの酸成分は、例えばテレフタル酸ジメチルやビス−2−ヒドロキシジエチルテレフタレートのようにエステル化されていても良い。また、無水コハク酸のように酸無水物であっても良い。これらは、単独、又は、2種類以上を組み合わせて使用できる。前記酸成分を共重合させることによって、得られるポリエステルのガラス転移温度を容易に制御することができ、酸素吸収性能を向上させることが出来る。さらには、有機溶剤への溶解性を制御することも出来る。
また、酸成分(A)は重合中の熱によりラジカル架橋反応を起こしやすいため、酸成分(B)によってポリエステル中に含まれる酸成分(A)の組成比が減少すると、重合中のゲル化が抑制され高分子量の樹脂を安定的に得ることが出来る。
酸成分(B)に由来する構造単位の全酸成分に対する割合は1〜30モル%である場合が好ましく、より好ましくは5〜20モル%である。
本発明で使用するポリエステルのガラス転移温度は、十分な酸素吸収性能を得るために、好ましくは−20〜2℃であり、より好ましくは−15〜2℃の範囲であり、さらに好ましくは−12〜2℃の範囲である。また、ガラス転移温度が上記の範囲より低い場合は樹脂の凝集力すなわち耐クリープ性が低下し、高い場合は他の材料への密着力すなわち接着強度が低下するため、接着剤として本発明の2液硬化型酸素吸収性樹脂組成物を適用する場合は好ましくない。
本発明で使用するポリエステルの酸価は、十分な酸素吸収性能を得るために、好ましくは5mgKOH/g以下であり、より好ましくは1mgKOH/g以下である。ポリエステルの酸価が5mgKOH/gを超える場合には、速やかな自動酸化反応が妨げられ、安定した酸素吸収性能が得られない場合がある。
多価アルコール及びその誘導体としては、1,2,3−プロパントリオール、ソルビトール、1,3,5−ペンタントリオール、1,5,8−ヘプタントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、グリセリン又はこれらの誘導体が挙げられる。
多価カルボン酸及びその誘導体としては、1,2,3−プロパントリカルボン酸、メソ−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はこれらの誘導体が挙げられる。
また、多価アルコールや多価カルボン酸等の3官能以上の官能基を有する成分を共重合させる場合は全酸成分に対し5モル%以内にすることが好ましい。
本発明で使用するポリエステルを合成する場合に、重合触媒は必ずとも必要としないが、例えばチタン系、ゲルマニウム系、アンチモン系、スズ系、アルミニウム系等の通常のポリエステル重合触媒が使用可能である。また、含窒素塩基性化合物、ホウ酸及びホウ酸エステル、有機スルホン酸系化合物等の公知の重合触媒を使用することもできる。
さらに、重合の際にはリン化合物等の着色防止剤や酸化防止剤等の各種添加剤を添加することもできる。酸化防止剤を添加することにより、重合中やその後の加工中の酸素吸収を抑制できるため、酸素吸収性樹脂の性能低下やゲル化を抑えることができる。
本発明で使用するポリエステルの数平均分子量は、好ましくは500〜100000であり、より好ましくは2000〜10000である。また好ましい重量平均分子量は5000〜200000、より好ましくは10000〜100000であり、さらに好ましくは20000〜70000である。分子量が上記の範囲より低い場合は樹脂の凝集力すなわち耐クリープ性が低下し、高い場合は有機溶剤への溶解性の低下や溶液粘度の上昇による塗工性の低下が生じるため、接着剤として本発明の2液硬化型酸素吸収性樹脂組成物を適用する場合に好ましくない。上記範囲内の分子量の場合には、凝集力、接着性及び有機溶剤への溶解性に優れ、接着剤溶液として好適な粘度特性を有する酸素吸収性接着剤樹脂組成物を得ることが出来る。
本発明で使用するポリエステルは、合成の際、重縮合反応とラジカルによる熱重合反応の両反応により分子量が増大し、その結果比較的分子量分布の広い樹脂となる。特に重縮合反応効率が悪い重合条件においては、分子量分布の広がりが増し、この場合該ポリエステルの酸素吸収性能、特に初期酸素吸収性能が低下する傾向にある。本発明の酸素吸収性樹脂組成物および酸素吸収性接着剤樹脂組成物においては、有機過酸化物による酸素吸収反応促進効果により、重合条件によってばらついた該ポリエステルの酸素吸収性能を安定化させ、実用的で安定的な酸素吸収性能を発現するのである。
有機過酸化物としては、好ましくは10時間半減期温度が90℃以下のものである。このような有機過酸化物としては、例えばジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどが挙げられる。ジアシルパーオキサイドとしては、具体的にはジイソノナノイルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられ、10時間半減期温度はそれぞれ61℃、64℃、73℃である。アルキルパーオキシエステルとしては、具体的には 3−ヒドロキシ−1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−アミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシピバレート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどが挙げられ、10時間半減期温度はそれぞれ37℃、38℃、44℃、66℃、48℃、53℃、58℃、77℃、82℃、46℃、55℃、75℃である。パーオキシジカーボネートとしては、具体的にはジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(セカンダリーブチル)パーオキシジカーボネートなどが挙げられ、10時間半減期温度はそれぞれ49℃、51℃である。
これらの有機過酸化物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
有機過酸化物は、前記ポリエステルに対して、固形分重量部で0.01〜20phr(parts per hundred resin)添加することが好ましく、より好ましくは0.1〜10phr、さらに好ましくは0.5〜5phrである。添加量が少なすぎると、実用性が高く安定的した酸素吸収性能を発揮することが困難であり、多すぎると、ブリードアウトが発生するため好ましくない。
これらの脂肪族及び/又は脂環族イソシアネート系硬化剤は、アダクトやイソシアヌレート、ビュレット体等、分子量を増大させたポリイソシアネート化合物として使用されることが好ましい。
また、これらの脂肪族及び/又は脂環族イソシアネート系硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記の脂肪族及び/又は脂環族イソシアネート系硬化剤は、鎖延長剤として主剤であるポリエステルを高分子量化する目的で使用することも出来る。これらのイソシアネート系硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の酸素吸収性接着剤樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じてシランカップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防カビ剤、硬化触媒、増粘剤、可塑剤、顔料、充填剤、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の各種添加剤を添加することができる。
酸素バリア性を有するフィルム基材及びシーラントフィルムはそれぞれ単層でも積層体でもよい。酸素バリア性を有するフィルム基材としては、バリア層としてシリカ、アルミナ等の金属酸化物或いは金属の蒸着薄膜や、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリル酸系樹脂或いは塩化ビニリデン系樹脂等のガスバリア性有機材料を主剤とするバリアコーティング層を有する、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム或いは二軸延伸ポリプロピレンフィルム等を好適に使用できる。また、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、ポリメタキシリレンアジパミドフィルム、ポリ塩化ビニリデン系フィルムやアルミ箔等の金属箔も好ましい。これらの酸素バリア性を有するフィルム基材は、同種基材や2種以上の異種基材を積層して使用することも出来、また、二軸延伸PETフィルム、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、セロファン、紙等を積層して使用することも好ましい。
また、本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、溶剤に溶解させることなく、無溶剤型接着剤として使用することもできる。この場合、公知のノンソルラミネーターを用いて酸素吸収性積層フィルムを得ることが出来る。
さらに、本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、接着剤用途に限らず塗料用途にも使用することができ、各種フィルム等のコーティング膜として塗工することができる。
本発明の酸素吸収性樹脂組成物は、熱履歴により有機過酸化物が分解、すなわちラジカルが発生し、そのラジカルが本発明で使用するポリエステルの水素引き抜きに伴うラジカル発生を促進することにより、安定したラジカル自動酸化反応が生じ、実用的かつ安定的な酸素吸収性能を発揮する。本発明の酸素吸収性接着剤樹脂組成物においては、ラミネート工程中の乾燥オーブンやニップロールの熱、およびキュア中の熱により有機過酸化物からのラジカル発生が起こる。特に、10時間半減期温度が90℃以下の比較的分解しやすい有機過酸化物を使用することにより、通常のラミネート条件での有機過酸化物の分解とそれに伴う安定的な酸素吸収性能の発現が可能である。通常のラミネート条件で熱量が不十分の場合は、さらに熱処理工程を加えることも好ましい。
酸素吸収性積層フィルムを少なくとも一部に用いた酸素吸収性容器は、容器外部から透過する酸素を有効に遮断し、容器内に残存した酸素を吸収する。そのため、容器内の酸素濃度を長期間低いレベルに保ち、内容物の酸素が係わる品質低下を防止し、シェルフライフを向上させる容器として有用である。
特に、酸素存在下で劣化しやすい内容品として、例えば、食品ではコーヒー豆、茶葉、スナック類、米菓、生・半生菓子、果物、ナッツ、野菜、魚・肉製品、練り製品、干物、薫製、佃煮、生米、米飯類、幼児食品、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、乳製品等、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、緑茶、コーヒー等、その他では医薬品、化粧品、電子部品等が挙げられるが、これらの例に限定されない。
(1)数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー社製;HLC−8120型GPC)により、ポリスチレン換算で測定した。溶媒にはクロロホルムを使用した。
(2)酸成分(A)に由来する構造単位を含むポリエステル中の各モノマー単位の組成比。
核磁気共鳴分光法(1H−NMR、日本電子データム社製;EX270)により、コハク酸由来のメチレンプロトン(2.6ppm)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸及びコハク酸から誘導されたエステル基に隣接するメチレンプロトン(4.1〜4.2ppm)のシグナルの面積比から樹脂中の酸成分の組成比をそれぞれ算出した。溶媒には基準物質としてテトラメチルシランを含む重クロロホルムを使用した。
このとき、樹脂中の酸成分の組成比は、重合に使用した各モノマーの仕込み量(モル比)とほぼ同等であった。
(3)ガラス転移温度;Tg
示差走査熱量測定器(セイコーインスツルメンツ社製DSC6220)を用いて、窒素気流中、昇温速度10℃/分で測定した。
(4)酸価
JISK0070:1992に準じて測定した。
(5)酸素吸収量
2cm×10cmに切り出した積層フィルム試験片を、内容積85cm3の酸素不透過性のスチール箔積層カップに仕込んでアルミ箔積層フィルム蓋でヒートシール密封し、22℃雰囲気下にて保存した。3日及び14日間保存後のカップ内酸素濃度をマイクロガスクロマトグラフ装置(アジレント・テクノロジー社製;M200)にて測定し、フィルム1m2当たりの酸素吸収量を算出した。3日区で50ml/m2以上且つ14日区で300ml/m2以上の酸素吸収量を満足するものを良好(○)、それ以外を不良(×)とした。
攪拌装置、窒素導入管、Dean−Stark型水分離器を備えた3Lのセパラブルフラスコに、酸成分(A)として4−メチル−Δ3−テトラヒドロ無水フタル酸を45モル%及びcis−3−メチル−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸を21モル%含有するメチルテトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成社製;HN−2200)を898g、その他の酸成分として無水コハク酸(和光純薬社製)を60g、ジオール成分として1,4−ブタンジオール(和光純薬社製)を702g、重合触媒としてイソプロピルチタナート(キシダ化学社製)を300ppm、及びトルエン20mlを仕込み、窒素雰囲気中150℃〜200℃で生成する水を除きながら約5時間反応させた。引き続いて反応系よりトルエンを除いた後、0.7kPaの減圧下、200〜220℃で約6時間重合を行い、酸素吸収性接着剤用樹脂を得た。このときMnは約3400、Mwは27100、Tgは−6.8℃、酸価は0.5mgKOH/gであった。
得られた酸素吸収性接着剤用樹脂を酢酸エチルに20wt%の濃度で溶解した(以下、この溶液を基本溶液Aとする)。この基本溶液Aに対して、硬化剤(三井化学社製;A−50、脂環族・脂肪族混合イソシアネート系硬化剤、固形分濃度75%)及び有機過酸化物としてジラウロイルパーオキサイドを固形分換算で、それぞれ10phr及び3phrを添加、振騰し、酸素吸収性接着剤溶液を調製した。調製した接着剤溶液を、12μm透明蒸着PETフィルム(凸版印刷社製GL−AE)の蒸着面側に、#18のバーコーターにて塗布した。100℃の電気オーブンにて1分間処理して接着剤に含まれる溶剤を飛ばした後、透明蒸着PETフィルムの接着剤塗布面と、30μmLDPEフィルム(タマポリ製;AJ−3)のコロナ処理面を対向させて70℃の熱ロールで圧着し、透明蒸着PETフィルム/酸素吸収性樹脂組成物(接着剤)(膜厚4μm)/LDPEからなる酸素吸収性積層フィルムを得た。
得られた酸素吸収性積層フィルムを、35℃窒素雰囲気下で5日間キュアした後、酸素吸収性能評価に供した。結果を表1に示す。
ジラウロイルパーオキサイドの添加量を0.8phrとした以外は実施例1と同様にして酸素吸収性積層フィルムを作製し、酸素吸収性能評価に供した。結果を表1に示す。
ジラウロイルパーオキサイドの添加量を0.3phrとした以外は実施例1と同様にして酸素吸収性積層フィルムを作製し、酸素吸収性能評価に供した。結果を表1に示す。
ジラウロイルパーオキサイドの代わりにt−ブチルパーオキシピバレートを用いた以外は実施例1と同様にして酸素吸収性積層フィルムを作製し、酸素吸収性能評価に供した。
結果を表1に示す。
ジラウロイルパーオキサイドの代わりにジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネートを用いた以外は実施例1と同様にして酸素吸収性積層フィルムを作製し、酸素吸収性能評価に供した。結果を表1に示す。
ジラウロイルパーオキサイドを添加しなかった以外は実施例1と同様にして酸素吸収性積層フィルムを作製し、酸素吸収性能評価に供した。結果を表1に示す。
Claims (7)
- 酸成分(A)に由来する構造単位を含むポリエステルと有機過酸化物を含有する酸素吸収性樹脂組成物。
酸成分(A):(i)及び(ii)からなる群より選ばれる構造を有する酸成分;
(i)下記構造(a)及び(b)の両方の基に結合し、かつ、1個の水素原子と結合した炭素原子を有し、該炭素原子が脂環構造に含まれているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物;
(a)炭素−炭素二重結合基、
(b)カルボニル基;
(ii)不飽和脂環構造内の炭素−炭素二重結合に隣接する炭素原子が電子供与性置換基及び水素原子と結合し、かつ、該炭素原子に隣接する別の炭素原子がカルボニル基と結合しており、該電子供与性置換基と該カルボニル基とがシス位に位置しているジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物 - (i)の構造を有する酸成分が4−メチル−Δ3−テトラヒドロフタル酸又はその誘導体であり、(ii)の構造を有する酸成分がcis−3−メチル−Δ4−テトラヒドロフタル酸又はその誘導体である、請求項1に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
- ポリエステルのガラス転移温度が−20〜2℃である、請求項1又は2に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
- ポリエステルの酸価が5mgKOH/g以下である、請求項1〜3に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
- 有機過酸化物の10時間半減期温度が90℃以下である、請求項1〜4に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
- 有機過酸化物がジアシルパーオキサイド、アルキルパーオキシエステル及びパーオキシジカーボネートからなる群より選ばれる構造を有する、請求項1〜5に記載の酸素吸収性樹脂組成物。
- 請求項1〜6の酸素吸収性樹脂組成物と、硬化剤として脂肪族及び/又は脂環族イソシアネート系硬化剤、及び溶媒として酢酸エチルを含有する酸素吸収性接着剤樹脂組成物。
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