JP6115708B2 - 酸素吸収性フィルム - Google Patents
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Description
前記酸素吸収性接着剤樹脂組成物は、酸素との反応性を有する接着剤樹脂を含む樹脂組成物である。例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、エチレン−酢酸ビニル系接着剤、塩化ビニル系接着剤、シリコーン系接着剤、ゴム系接着剤等に酸素吸収機能を付与したものが挙げられる。特に、ドライラミネート用接着剤として用いる場合にはウレタン系接着剤が好ましく、酸素吸収性ポリエステル系主剤とイソシアネート系硬化剤を組み合わせた2液硬化型ウレタン系接着剤がより好ましい。
酸素吸収性接着剤層のガラス転移温度が最も低い0℃未満の成分は、好ましくは−70〜−5℃のガラス転移温度を有し、より好ましくは−40〜−10℃のガラス転移温度を有する。ガラス転移温度が最も低い成分以外の成分は、好ましくは−20〜60℃のガラス転移温度を有し、より好ましくは0〜40℃のガラス転移温度を有する。
酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)は、酸素吸収反応(酸化硬化反応)に伴って発生する内部応力によってラミネート強度を低下させる。一方、飽和ポリエステル樹脂(B)を主成分とガラス転移温度0℃未満の成分は、酸化硬化反応に伴って発生する内部応力を、その柔軟性により緩和することができる。この2成分が終始十分に相溶した状態でガラス転移温度が単一であっても比較的強いラミネート強度を維持することができるが、酸化硬化反応によるガラス転移温度の上昇に伴い、柔軟性が失われ内部応力が発生するために、その効果は限定的である。少なくとも2成分が相溶せず相分離している状態、すなわち少なくとも2成分のガラス転移温度を有する状態を実現することにより、酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の酸化硬化に伴い該成分のガラス転移温度が上昇して強い内部応力が発生したとしても、ガラス転移温度0℃未満の成分が内部応力を効果的に緩和するために、酸素吸収開始時から酸素吸収後にわたって強いラミネート強度を維持することができるのである。
なお、酸素吸収開始前から非相溶系により2成分以上のガラス転移温度を有してもよいが、酸素吸収開始時は相溶系の単一相であり、酸素吸収反応に伴う反応誘起相分離により2成分以上のガラス転移温度に分かれるといった材料設計をした方が、フィルム外観や塗膜厚みの均一性の観点で好ましい。
テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体として特に好ましくは、4−メチル−Δ3−テトラヒドロフタル酸若しくは4−メチル−Δ3−テトラヒドロ無水フタル酸、cis−3−メチル−Δ4−テトラヒドロフタル酸若しくはcis−3−メチル−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸である。これらのテトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体は、酸素との反応性が非常に高いため、本発明の酸素吸収性接着剤用樹脂の原料として好適に使用できる。また、これらのテトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体は、イソプレンおよびトランス−ピペリレンを主成分とするナフサのC5留分を無水マレイン酸と反応させた4−メチル−Δ4−テトラヒドロ無水フタル酸を含む異性体混合物を、構造異性化することにより得ることが出来、工業的に製造されている。
テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体を原料として酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)を重合する際、ジカルボン酸およびジカルボン酸無水物はメチルエステル等にエステル化されていてもよい。
これらは、単独、又は、2種類以上を組み合わせて使用できる。
芳香族ジカルボン酸及びその誘導体としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのベンゼンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、スルホイソフタル酸、スルホイソフタル酸ナトリウム、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でもフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、3,3−ジメチルペンタン二酸、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらの中でも、アジピン酸、コハク酸が好ましく、特にコハク酸が好ましい。
また、脂環構造を有するヘキサヒドロフタル酸やダイマー酸およびその誘導体も挙げられる。
脂肪族ヒドロキシカルボン酸及びその誘導体としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシピバリン酸、ヒドロキシカプロン酸、ヒドロキシヘキサン酸、又はこれらの誘導体が挙げられる。
これらの酸成分は、例えばテレフタル酸ジメチルやビス−2−ヒドロキシジエチルテレフタレートのようにエステル化されていてもよい。また、無水フタル酸や無水コハク酸のように酸無水物であってもよい。これらは、単独、又は、2種類以上を組み合わせて使用できる。前記他の酸成分を共重合させることによって、得られるポリエステルのガラス転移温度を容易に制御することができ、酸素吸収性能を向上させることが出来る。さらにはポリエステル樹脂の結晶性を制御することにより有機溶剤への溶解性を向上させることも出来る。
また、テトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体は重合中の熱によりラジカル架橋反応を起こしやすいため、前記他の酸成分によってポリエステル中に含まれるテトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体の組成比が減少すると、重合中のゲル化が抑制され高分子量の樹脂を安定的に得ることが出来る。
多価アルコール及びその誘導体としては、1,2,3−プロパントリオール、ソルビトール、1,3,5−ペンタントリオール、1,5,8−ヘプタントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、グリセリン又はこれらの誘導体が挙げられる。
多価カルボン酸及びその誘導体としては、1,2,3−プロパントリカルボン酸、メソ−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、クエン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はこれらの誘導体が挙げられる。
また、多価アルコールや多価カルボン酸等の3官能以上の官能基を有する成分を共重合させる場合は全酸成分に対し5モル%以内にすることが好ましい。
この場合、酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)中に含まれるテトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体に由来する構造単位は、全酸成分に対する割合の70〜95モル%であり、好ましくは75〜95モル%、より好ましくは80〜95モル%である。また、コハク酸又は無水コハク酸に由来する構造単位は、全酸成分に対する割合の0〜15モル%であり、好ましくは0〜12.5モル%、より好ましくは0〜10モル%である。このような組成比にすることにより、酸素吸収性能および接着性に優れ、かつ有機溶剤への溶解性に優れた酸素吸収性接着剤用樹脂を得ることが出来る。
酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の酸価は、十分な酸素吸収性能を得るために、好ましくは5mgKOH/g以下であり、より好ましくは1mgKOH/g以下である。ポリエステルの酸価が5mgKOH/gを超える場合には、速やかな自動酸化反応が妨げられ、安定した酸素吸収性能が得られない場合がある。なお、酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の酸価の測定方法はJIS K 0070に準ずる。
酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)は、単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
ジカルボン酸成分としては、上述の酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の成分として記載した脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸、又はこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、単独、又は、2種類以上を組み合わせて使用できる。
ジオール成分としては、上述の酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の成分として記載したジオールが挙げられる。これらは、単独、又は、2種類以上を組み合わせて使用できる。
ヒドロキシカルボン酸成分としては、酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の成分として記載した脂肪族ヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
飽和ポリエステル樹脂(B)の末端官能基が水酸基である場合には、イソシアネート系硬化剤等の硬化剤により酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)とともに硬化が進行し、接着剤の凝集力が高くなるため好ましい。また、n−ブタノールや2−エチルヘキサノール等のモノアルコール、脂肪酸等により飽和ポリエステル樹脂(B)をアルキル基末端変性することも好ましい。
飽和ポリエステル樹脂(B)のガラス転移温度は0℃未満であり、好ましくは−70℃〜−15℃であり、より好ましくは−60℃〜−20℃である。ガラス転移温度をこのような範囲とすることで、酸素吸収に伴う酸化硬化反応によって生ずる内部応力を効果的に緩和することができる。
本発明で使用する酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)及び飽和ポリエステル樹脂(B)を合成する場合に、重合触媒は必ずしも必要としないが、例えばチタン系、ゲルマニウム系、アンチモン系、スズ系、アルミニウム系等の通常のポリエステル重合触媒が使用可能である。また、含窒素塩基性化合物、ホウ酸及びホウ酸エステル、有機スルホン酸系化合物等の公知の重合触媒を使用することもできる。
さらに、重合の際には、リン化合物等の着色防止剤や酸化防止剤等の各種添加剤を添加することもできる。酸化防止剤を添加することにより、重合中やその後の加工中の酸素吸収を抑制できるため、酸素吸収性樹脂の性能低下やゲル化を抑えることができる。
本発明で使用する酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)の数平均分子量は、好ましくは500〜100000であり、より好ましくは2000〜10000である。また、好ましい重量平均分子量は5000〜200000、より好ましくは10000〜100000であり、さらに好ましくは20000〜70000である。分子量が上記の範囲より低い場合は樹脂の凝集力すなわち耐クリープ性が低下し、高い場合は有機溶剤への溶解性の低下や溶液粘度の上昇による塗工性の低下が生じるため好ましくない。
飽和ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量は、好ましくは500〜100000であり、より好ましくは500〜10000である。また、好ましい重量平均分子量は1000〜100000、より好ましくは1000〜70000であり、さらに好ましくは1000〜50000である。分子量が上記の範囲より低い場合は凝集力が著しく低下し、高い場合は酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)との相溶性低下や溶液粘度上昇による塗工性の低下が生じるため好ましくない。酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)及び飽和ポリエステル樹脂(B)がそれぞれ上記範囲内の分子量の場合には、凝集力、接着性及び有機溶剤への溶解性に優れ、接着剤溶液として好適な粘度特性を有する酸素吸収性接着剤樹脂組成物を得ることが出来る。
また、本発明の酸素吸収性フィルムの酸素吸収性接着剤層には、酸素吸収反応を促進させるために遷移金属触媒を添加してもよい。遷移金属触媒としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅の遷移金属と有機酸からなる遷移金属塩が挙げられる。本発明の酸素吸収性フィルムの酸素吸収性接着剤層中の遷移金属触媒の量は金属換算量で、好ましくは1ppm〜1000ppmであり、より好ましくは10ppm〜500ppmであり、さらに好ましくは50ppm〜200ppmである。
これらのイソシアネート系硬化剤は、アダクトやイソシアヌレート、ビュレット体等、分子量を増大させたポリイソシアネート化合物として使用されることが好ましい。
また、これらのイソシアネート系硬化剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イソシアネート系硬化剤成分は、主剤である酸素吸収性接着剤樹脂組成物に対して、固形分重量部で3phr〜30phr添加することが好ましく、より好ましくは3phr〜20phr、さらに好ましくは3phr〜15phrである。添加量が少なすぎると、接着性及び凝集力が不十分となり、多すぎると、樹脂組成物単位重量中に含まれる酸素吸収成分の配合量が少なくなり、酸素吸収性能が不十分となる。また、硬化により樹脂の運動性が著しく低下した場合、酸素吸収反応が進行しにくくなり、酸素吸収性能は低下する。
本発明の酸素吸収性フィルムの酸素吸収性接着剤層を構成する酸素吸収性接着剤樹脂組成物は、通常のドライラミネート用接着剤と同様に複数のフィルムを積層する目的で使用することが出来る。特に、酸素バリア性を有するフィルム基材と、ヒートシール性及び酸素ガス透過性を有するシーラントフィルムの積層に好適に使用できる。この場合、外層側から酸素バリア基材層/酸素吸収性接着剤層/シーラント層の積層構成となり、外部から透過進入する酸素を酸素バリア基材により遮断することにより、容器外酸素による酸素吸収性能の低下を抑えると共に、酸素吸収性接着剤が酸素透過性シーラントフィルムを介して容器内部の酸素を速やかに吸収できるため好ましい。
酸素吸収性フィルムを少なくとも一部に用いた酸素吸収性容器は、容器外部から透過する酸素を有効に遮断し、容器内に残存した酸素を吸収する。そのため、容器内の酸素濃度を長期間低いレベルに保ち、内容物の酸素が係わる品質低下を防止し、シェルフライフを向上させる容器として有用である。
特に、酸素存在下で劣化しやすい内容品として、例えば、食品ではコーヒー豆、茶葉、スナック類、米菓、生・半生菓子、果物、ナッツ、野菜、魚・肉製品、練り製品、干物、薫製、佃煮、生米、米飯類、幼児食品、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、乳製品等、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、緑茶、コーヒー等、その他では医薬品、化粧品、電子部品等が挙げられるが、これらの例に限定されない。
(1)数平均分子量(Mn)及び分子量分布指数(Mw/Mn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC、東ソー社製;HLC−8120型GPC)により、ポリスチレン換算で測定した。溶媒にはクロロホルムを使用した。
(2)酸素吸収量
2cm×15cmに切り出した積層フィルム試験片を、内容積85cm3の酸素不透過性のスチール箔積層カップに仕込んでアルミ箔積層フィルム蓋でヒートシール密封し、22℃雰囲気下にて保存した。7日間保存後のカップ内酸素濃度をマイクロガスクロマトグラフ装置(INFICON社製MicroGC 3000A)にて測定し、フィルム1cm2当たりの酸素吸収量を算出した。0.01ml/cm2以上を良好、0.01ml/cm2未満を不良とした。
(3)ラミネート強度
JIS K 6854−3に従って、23℃、50%RHの雰囲気下において、T型剥離試験により、幅15mm、長さ200mm(非接着部50mmを含む)の試験片を用いて、剥離速度300mm/minの測定条件で酸素吸収性接着剤(膜厚4μm)によるアルミ箔−LDPE間のラミネート強度(単位:N/15mm)を測定した。このとき1N/15mm以上を良好、1N/15mm未満を不良とした。
(4)ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に従って、示差走査熱量測定器(セイコーインスツルメント社製DSC6220)を用いて窒素気流中、−70℃で10分間保持後に昇温速度10℃/分の条件にて、酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)、飽和ポリエステル樹脂(B及びC)、及び酸素吸収性接着剤樹脂組成物のTgを測定した。
酸成分としてメチルテトラヒドロ無水フタル酸異性体混合物(日立化成;HN−2200)をモル比0.9、その他酸成分として無水コハク酸をモル比0.1、ジオール成分として1,4−ブタンジオールをモル比1.3、重合触媒としてイソプロピルチタナートを300ppm仕込み、窒素雰囲気中150℃〜200℃で生成する水を除きながら約6時間反応させた。引き続いて0.1kPaの減圧下、200〜220℃で約3時間重合を行い、酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)を得た。このときMnは3400で、Mwは52600、Tgは−5.0℃であった。
得られた酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)に、Tg−24℃の飽和ポリエステル樹脂(B1)(テスラック2506−63 日立化成ポリマー社製 Mn:9700 Mw:26000)を固形分重量比A/B1が1.0となるように混合し、その混合物の固形分に対してイソシアネート系硬化剤として、固形分換算で7phr(parts per hundred resin)となるようにHDI/IPDI系硬化剤(KL−75 DICグラフィックス社製)を混合し、さらに触媒として、ネオデカン酸コバルトを全固形分に対する金属換算量で80ppmになるように添加し、酢酸エチルに溶解して、固形分濃度20wt%の酸素吸収性接着剤樹脂組成物(a)の酢酸エチル溶液を調製した。この酸素吸収性接着剤樹脂組成物(a)溶液を、二軸延伸PETフィルム(膜厚12μm)/ウレタン系接着剤(膜厚4μm)/アルミ箔(膜厚7μm)から成る積層フィルムのアルミ箔面に、#16のバーコーターで塗布した。ヘアドライヤーの温風にて溶剤を揮発させた後、積層フィルムの接着剤塗布面と、30μmLDPEフィルムのコロナ処理面を対向させて70℃の熱ロールに通し、二軸延伸PETフィルム(膜厚12μm)/ウレタン系接着剤(膜厚4μm)/アルミ箔(膜厚7μm)/酸素吸収性接着剤(a)(膜厚4μm)/LDPE(膜厚30μm)からなる酸素吸収性積層フィルムを得た。
得られた酸素吸収性積層フィルムを、35℃窒素雰囲気下で5日間キュアした後、酸素吸収量の評価、酸素吸収前及び促進条件として40℃2ヶ月酸素吸収後のラミネート強度の評価、酸素吸収性接着剤樹脂組成物の40℃2ヶ月酸素吸収後のTg測定、に供した。結果を表1に示す。
酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)に、Tg−26℃の飽和ポリエステル樹脂(B2)(ポリサイザーW4010 DIC社製 Mn:3600 Mw:9500)を固形分重量比A/B2が2.3となるように混合した以外は実施例1と同様に酸素吸収性接着剤樹脂組成物(b)溶液を調製し、酸素吸収性フィルムを作製し、キュア後、各評価に供した。結果を表1に示す。
酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)に、Tg−21℃の飽和ポリエステル樹脂(B3)(ディックドライLX−75A DIC社製 Mn:7400 Mw:23000)を固形分重量比A/B3が1.0となるように混合した以外は実施例1と同様に酸素吸収性接着剤樹脂組成物(c)溶液を調製し、酸素吸収性フィルムを作製し、キュア後、各評価に供した。結果を表1に示す。
飽和ポリエステル樹脂を混合しないこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性接着剤樹脂組成物(d)溶液を調製し、酸素吸収性フィルムを作製し、キュア後、各評価に供した。結果を表1に示す。
酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)に、Tg4℃の飽和ポリエステル樹脂(C1)(ディックドライLX−520 DICグラフィックス社製 Mn:8200 Mw:20000)を固形分重量比A/C1が2.3となるように混合したこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性接着剤樹脂組成物(e)溶液を調製し、酸素吸収性フィルムを作製し、キュア後、各評価に供した。結果を表1に示す。
酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)に、Tg−9℃の飽和ポリエステル樹脂(C2)(ディックドライLX−703VL DICグラフィックス社製 Mn:7500 Mw:17500)を固形分重量比A/C2が2.3となるように混合したこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性接着剤樹脂組成物(f)溶液を調製し、酸素吸収性フィルムを作製し、キュア後、各評価に供した。結果を表1に示す。
酸素吸収性ポリエステル樹脂(A)に、Tg−52℃の飽和ポリエステル樹脂(C3)(テスラックTA22−781 日立化成ポリマー社製 Mn:1000 Mw:4500)を固形分重量比A/C3が2.3となるように混合したこと以外は実施例1と同様に酸素吸収性接着剤樹脂組成物(g)溶液を調製し、酸素吸収性フィルムを作製し、キュア後、各評価に供した。結果を表1に示す。
Claims (4)
- 酸素吸収性接着剤樹脂組成物からなる酸素吸収性接着剤層を有するフィルムであって、該酸素吸収性接着剤層が少なくとも2つのガラス転移温度を有し、そのうち最も低いガラス転移温度が0℃未満であり、該酸素吸収性接着剤層に含まれる酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)がテトラヒドロフタル酸若しくはその誘導体又はテトラヒドロ無水フタル酸若しくはその誘導体を原料とする酸素吸収性フィルム。
- 該酸素吸収性接着剤層が、さらに飽和ポリエステル樹脂(B)を主成分とするガラス転移温度0℃未満の成分を含む、請求項1に記載の酸素吸収性フィルム。
- 該酸素吸収性接着剤層が、酸素吸収性ポリエステル系樹脂(A)と飽和ポリエステル樹脂(B)からなる主剤にイソシアネート系硬化剤を配合した酸素吸収性接着剤樹脂組成物を含む、請求項1又は2に記載の酸素吸収性フィルム。
- 少なくとも酸素バリアフィルム層、該酸素吸収性接着剤層、及びシーラントフィルム層から構成される請求項1〜3いずれか1項記載の酸素吸収性フィルム。
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