JP2013129108A

JP2013129108A - フレキソ印刷用インキ供給装置

Info

Publication number: JP2013129108A
Application number: JP2011279716A
Authority: JP
Inventors: Masakazu Tsuchiya; 賢和土屋
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 2011-12-21
Filing date: 2011-12-21
Publication date: 2013-07-04
Anticipated expiration: 2031-12-21
Also published as: JP5903876B2

Abstract

【課題】フレキソ印刷機では、印刷速度の増速によりインキ供給装置のファーニッシャーロールの回転速度が増加し、回転速度の増加につれアニロックスロールへのインキの供給量が増加し、版へのインキ供給が過多となる現象が見られる。これに対し、印刷速度が増大しても、アニロックスロールへのインキの供給量が過多となることなく、版に適正量のインキを供給するフレキソ印刷用インキ供給装置を提供することを課題とする。
【解決手段】インキ供給装置のファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２の間に回転数調整手段として無段変速機構３を設け、両ロール間の回転速度の差を調整可能とすることにより、アニロックスロール１２へのインキの供給量を適正なものとする。
【選択図】図４

Description

本発明は、不特定の図柄が印刷された印刷物に、追加して図柄を印刷する際に、不特定の図柄に応じて追加する図柄を生成するプリントデータ生成装置に関する。

フレキソ印刷は、印刷方式の一つであり、弾性を持つ樹脂からなる印刷版（単に版とも呼ぶ）の凸部にインキを塗布し、これを紙等の媒体に転写する印刷方式であるが、グラビア、オフセットなど他の印刷方式に比べて版の作成が簡便かつ安価、また、版が弾性を持ちフィルムのような平滑面から段ボールのような粗面まで印刷が可能、などの特徴があるため、特に高画質を要さない印刷分野で重用されている。
印刷技術の中で、版へのインキの供給（インキングと呼ばれる）は、印刷品質や効率を左右する要素であり、印刷機運転中にも注意を払う部分であるが、フレキソ印刷は、また、インキングの面でも機構が簡便であることが特徴となっている。

フレキソ印刷のインキ供給装置は、例えば図１に示すように、インキパン（インキ溜め）１５からファーニッシャーロール１１と呼ばれるロールでインキ１６を掻き上げ、アニロックスロール１２と呼ばれる中継の役割を持つロールにインキ１６を移し、さらに版胴１３に設けられた版１４の凸部にインキを転移させる。
なお、アニロックスロール１２と版１４が接する際にインキの転移が円滑に行われるよう、版胴１３とアニロックスロール１２は反対方向に回転し（すなわち表面の移動方向は同一）、版１４とアニロックスロール１２は表面の移動速度が等しくなるよう構成されている。また、アニロックスロール１２とファーニッシャーロール１１の間では、表面の移動方向は同一（すなわち回転方向は反対）ながら、余分なインキを掻き落とすため回転速度には差が設けられ、ファーニッシャーロール１１がより低速とされる。
また、図１に示すようなインキ供給装置では、多くの場合、印刷機と動力を共用（同期）しており、印刷機の印刷速度に応じて上記各ロールの回転速度が変化する。

特許文献１は、フレキソ印刷機のインキ供給システムに関する発明であり、フレキソ印刷のインキ供給に関する基本的な仕組、機器構成などに言及している。

特開昭６２−１４９４４７号公報

フレキソ印刷に限らず、インキングでは、版にいかに安定的、かつ均一にインキを供給するかが肝要な点であるが、フレキソ印刷方式においては、ファーニッシャーロールからアニロックスロールへインキを受け渡す部分がこれを担っている。
図１のインキ供給装置において、ファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２は、軽く接触するか、微小な間隔をもって配置されており、インキ１６はファーニッシャーロール１１の回転につれ同ロールの表面に沿って掻き上げられるが、ファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２の隙間で掻き落とされ、アニロックスロール１２上で均一なインキ層となり、これが版１４と接したときにインキが版の凸部に転移する。

通常、アニロックスロールの表面にはセルと呼ばれるポケットが形成されており、セルにより溜まるインキの量が規定されることにより、安定的なインキの量が版に供給される。
図２は、アニロックスロールの模式図であり、図２（ａ）にセルの態様を表わし、図２（ｂ）は、セルの断面図である。
図２（ａ）に示すように、アニロックスロール２１の表面には格子状のセル２５が設けられており、セルパターン（２５ａ、２５ｂ、２５ｃ）に示すように、セル形状、格子角度など様々なパターンを持つ。セルパターンやセルの深さを適切に設定することにより、アニロックスロール２１は、所望の量のインキを安定的に版１４に供給する役割を果たす。

ところが、上記のようにインキ供給機構が印刷機と同期して動くインキ供給装置の場合、印刷速度の増大（すなわち回転数の増加）とともに、ファーニッシャーロールの回転速度が増加するが、回転速度の増加につれアニロックスロールへのインキの供給量が増加し、版へのインキ供給が過多となる現象がしばしば発生し、印刷機の能率を阻害する要因となっている。
そこで、本発明は、印刷速度が増大しても、アニロックスロールへのインキの供給量が過多となることなく、版に適正量のインキを供給するフレキソ印刷用インキ供給装置を提供することを課題とする。

本発明のフレキソ印刷用インキ供給装置は、インキが貯留されたインキパンからインキを掻き上げるファーニッシャーロールと、前記ファーニッシャーロールによって掻き上げられたインキを移し取り、さらに前記インキを印刷版に転写するアニロックスロールとからなるフレキソ印刷用インキ供給装置であって、
前記ファーニッシャーロールと前記アニロックスロールとの間に相互の回転数を変化させる回転数調整手段によってインキ供給量を調整するようにしたことを特徴とする。
また、前記回転数変更手段は、無段変速機構であることを特徴とする。
また、前記回転数変更手段は、ファーニッシャーロールとアニロックスロールを駆動する歯車の歯車比を変化させる機構からなることを特徴とする。

本発明のフレキソ印刷用インキ供給装置によれば、ファーニッシャーロールの回転速度がアニロックスロールの回転速度に対して適正に設定することにより、アニロックスロールの回転速度の回転速度が増大した際にも、アニロックスロールへのインキ供給が過多になることなく、よって版へのインキ供給が適正となる。これにより、印刷機はより高速な運転が可能となり、能率向上に繋がる。

従来のインキ供給装置の構成を示す図アニロックスロールの模式図インキ転移の態様を示す図本発明のインキ供給装置の実施例を示す図無段変速機構を示す図本発明のインキ供給装置の他の実施例を示す図

本発明の説明にあたり、まず、フレキソ印刷用インキ供給装置（以降、単にインキ供給装置と呼ぶ）におけるインキの転移について説明する。
図３は、図１に示したインキ供給装置１におけるインキ転移を説明する図であり、図３（ａ）はインキ供給装置１のファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２にかかわる機構を表わし、図３（ｂ）はファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２の当接（あるいは近接）部分の拡大図、図３（ｃ）はセル２５にインキ１６が移行した状態を表わす。

図３（ａ）に示すように、ファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２は、Ａ歯車３１とＢ歯車３２が噛み合った状態で駆動されており、印刷機の印刷速度の増加とともにファーニッシャーロール１１の回転速度が増大する。

図３（ｂ）はファーニッシャーロール１１とアニロックスロール１２の当接部でインキ１６が絞られる様子を示すが、このとき両ロールの表面の速度が増大すると、インキ１６に粘性につられ、前記当接部を通過するインキ量が増加するため、アニロックスロール１２に移行するインキ量が過多となる。このため、印刷速度を充分に上げられない、などの事態を来たす。

図３（ｃ）は、正常な状態のインキ１６ａと、供給過多となった状態のインキ１６ｂの対比を表わす。特に、インキ１６ｂの状態は、掻き落としが不十分なため、セルの周囲までインキ１６が溢れた態様を表わす。

このようなインキの供給過多に対しては、アニロックスロール１２に対するファーニッシャーロール１１の相対速度を下げることで、アニロックスロール１２による掻き落としを強めることが効果的である。

図４は、本発明のフレキソ印刷用インキ供給装置におけるファーニッシャーロールとアニロックスロールの駆動機構を表わし、図４（ａ）は従来の駆動機構、図４（ｂ）は本発明の駆動機構を表わす。
図４（ｂ）本発明の駆動機構では、Ａ歯車３１とＢ歯車３２の噛み合いを解き、新たなＡ歯車３３、Ｂ歯車３４を設け、両歯車の間に回転数調整手段として無段変速機構３を設けている。これにより、アニロックスロール１２に対して、ファーニッシャーロール１１を所望の回転速度とすることが可能となる。
なお、図４（ｂ）の構成では、無段変速機構３の歯車３６とＢ歯車３４との間には中継のための画車３７を設けている。これはＢ歯車３４の回転方向を、図４（ａ）におけるＢ歯車３２と合わせるためである。

図５は、無段変速機構３の構成の一例を表わす図である。
無段変速機構３は、Ｖベルト式無断変速機として知られる変速機構であり、Ｖ型のベルト５３と２つの可変径プーリー（５１、５２）からなる。同変速機構は、可変径プーリーの一方の巾を変化させると、他方のプーリーの巾が変わり、ベルトがそれぞれのプーリーと接する径が変化することにより変速比が変化する。
図５（ａ）、（ｂ）は、それぞれ変速比が変化する様子を表わす。すなわち、図５（ａ）では、Ｐ軸の回転速度に対しＱ軸の回転速度が低く、図５（ｂ）では、Ｐ軸の回転速度に対しＱ軸の回転速度が高くなる。

なお、Ｖベルト式無断変速機は、２軸が平行した入出力軸を持つため、図４（ｂ）のような構成には好適であるが、無段変速機構３としては、Ｖベルト式無断変速機に限らず、コーンとディスクによる変速装置、遊星歯車による変速装置なども利用可能である。

図６は、歯車比の変更を回転数調整手段とした実施例である。
図６の例では、Ａ歯車とＢ歯車は噛み合った状態で、（ａ）のＡ：Ｂ＝１：２から、（ｂ）のＡ：Ｂ＝１：３に変化させている。
ただし、この場合、Ａ歯車とＢ歯車の軸間距離は変わらないので、Ａ歯車、Ｂ歯車の組合せには制約があり、
Ａ歯車の歯数＋Ｂ歯車の歯数＝一定
の関係にある。

図６（ａ）では歯数が１６枚と３２枚の組合せで変速比１：２であり、図６（ｂ）では歯数が１２枚と３６枚の組合せで変速比１：３となっており、このとき歯数の和は何れも４８であるため、軸間距離は変化しない。

以上、説明したように、本発明のインキ供給装置によれば、フレキソ印刷において、印刷速度の増加に伴うインキの供給過多が防止できるため、インキ供給に制約されることなく印刷速度を上げることが可能となり、印刷機の能率向上に繋がる。

１インキ供給装置
３無段変速機構
１１ファーニッシャーロール
１２アニロックスロール
１３版胴
１４版
１５インキパン
１６インキ
１８圧胴

Claims

インキが貯留されたインキパンからインキを掻き上げるファーニッシャーロールと、前記ファーニッシャーロールによって掻き上げられたインキを移し取り、さらに前記インキを印刷版に転写するアニロックスロールとからなるフレキソ印刷用インキ供給装置であって、
前記ファーニッシャーロールと前記アニロックスロールとの間に相互の回転数を変化させる回転数調整手段によってインキ供給量を調整するようにしたことを特徴とするフレキソ印刷用インキ供給装置。
前記回転数変更手段は、無段変速機構であることを特徴とする請求項１記載のフレキソ印刷用インキ供給装置。
前記回転数変更手段は、ファーニッシャーロールとアニロックスロールを駆動する歯車の歯車比を変化させる機構からなることを特徴とする請求項１記載のフレキソ印刷用インキ供給装置。