JP2013128475A - 網膜組織の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高効率な網膜組織の製造方法を提供する。
【解決手段】下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする網膜組織の製造方法。
(1)多能性幹細胞を、Wntシグナル経路阻害物質を含む無血清培地中で浮遊培養することにより多能性幹細胞の凝集体を形成させる第一工程
(2)第一工程で形成された凝集体を、基底膜標品を含む無血清培地中で浮遊培養する第二工程
(3)第二工程で培養された凝集体を、血清培地中で浮遊培養する第三工程
【選択図】なし

Description

本発明は、網膜組織の製造方法等に関するものである。
多能性幹細胞から網膜組織を製造する方法として、非特許文献1及び特許文献1には、無血清培地中で均一な多能性幹細胞の凝集体を形成させ、これを基底膜標品の存在下において浮遊培養することで、網膜組織を試験管内で製造できることが記載されている。
国際公開第2011/055855号
Mototsugu Eiraku, Nozomu Takata, Hiroki Ishibashi, Masako Kawada, Eriko Sakakura, Satoru Okuda, Kiyotoshi Sekiguchi, Taiji Adachi & Yoshiki Sasai (2011) Self-organizing optic-cup morphogenesis in three-dimensional culture. Nature Volume: 472, Pages: 51-56
さらに高効率に網膜組織を製造する方法が切望されていた。
本発明者らは、このような状況を鑑み鋭意検討した結果、本発明に至った。
即ち、本発明は
[1]下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする網膜組織の製造方法。
(1)多能性幹細胞を、Wntシグナル経路阻害物質を含む無血清培地中で浮遊培養することにより多能性幹細胞の凝集体を形成させる第一工程
(2)第一工程で形成された凝集体を、基底膜標品を含む無血清培地中で浮遊培養する第二工程
(3)第二工程で培養された凝集体を、血清培地中で浮遊培養する第三工程
[2] 前記多能性幹細胞が、霊長類多能性幹細胞であることを特徴とする前記[1]記載の網膜組織の製造方法。
[3] 前記多能性幹細胞がヒト多能性幹細胞であることを特徴とする前記[1]記載の網膜組織の製造方法。
[4] 前記基底膜標品が、ラミニン、IV型コラーゲン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンおよびエンタクチンからなる群から選ばれる少なくとも1つの細胞外マトリックス分子であることを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれか記載の網膜組織の製造方法。
[5] 前記第一工程乃至第三工程が、ノックアウト血清代替物(以下、「KSR」という場合がある)存在下で行われることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれか記載の網膜組織の製造方法。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれか記載の製造方法により製造される網膜組織の毒性・薬効評価用試薬としての使用。
[7] 前記[1]〜[5]のいずれか記載の製造方法により製造される網膜組織の移植用生体材料としての使用。
本発明製造方法によれば、高効率に網膜組織を製造することが可能である。さらに、本発明製造方法は、化学物質等の毒性・薬効評価や細胞治療などを目的として、網膜組織を構成する細胞群(視細胞、視神経など)を効率よく製造することや、組織構造を有する網膜組織を用いた毒性・薬効評価や網膜組織移植治療用移植材料への応用を目的として、試験や治療に使用するための「試薬」となる網膜組織を効率よく製造することができる。
図1はWntシグナル経路阻害物質を添加せず、Matrigel(以下、マトリゲルという場合もある)のみを添加して製造されたヒト多能性幹細胞由来凝集体の浮遊培養開始25日目の明視野像(A)と蛍光像(B)、Nodalシグナル経路阻害物質及びマトリゲルを添加して製造されたヒト多能性幹細胞由来凝集体の浮遊培養開始25日目の明視野像(C)と蛍光像(D)、Wntシグナル経路阻害物質及びマトリゲルを添加して製造されたヒト多能性幹細胞由来凝集体の浮遊培養開始25日目の明視野像(E)と蛍光像(F)を示す図である。 図2はWntシグナル経路阻害物質を添加してヒト多能性幹細胞を浮遊培養した後、マトリゲル存在下で浮遊培養し、さらに牛胎児血清非存在下で浮遊培養した凝集体の浮遊培養開始18日目の明視野像(A)と蛍光像(B)、Wntシグナル経路阻害物質を添加してヒト多能性幹細胞を浮遊培養した後、マトリゲル存在下で浮遊培養し、さらに牛胎児血清存在下で浮遊培養した凝集体の浮遊培養開始18日目の明視野像(C)と蛍光像(D)、Wntシグナル経路阻害物質を添加してヒト多能性幹細胞を浮遊培養した後、マトリゲル存在下で浮遊培養し、さらに牛胎児血清及びソニック・ヘッジホッグ(以下、「Shh」という場合がある)シグナル経路作用物質存在下で浮遊培養した凝集体の浮遊培養開始18日目の明視野像(E)と蛍光像(F)を示す図である。 図3はWntシグナル経路阻害物質を添加してヒト多能性幹細胞を浮遊培養した後、マトリゲル存在下で浮遊培養し、さらに牛胎児血清非存在下で浮遊培養した浮遊培養開始18日目の凝集体を構成するGFP発現細胞のFACSヒストグラム(A)、Wntシグナル経路阻害物質を添加してヒト多能性幹細胞を浮遊培養した後、マトリゲル存在下で浮遊培養し、さらに牛胎児血清存在下で浮遊培養した浮遊培養開始18日目の凝集体を構成するGFP発現細胞のFACSヒストグラム(B)、Wntシグナル経路阻害物質を添加してヒト多能性幹細胞を浮遊培養した後、マトリゲル存在下で浮遊培養し、さらに牛胎児血清及びShhシグナル経路作用物質存在下で浮遊培養した浮遊培養開始18日目の凝集体を構成するGFPは発現細胞のFACSヒストグラム(C)及び、網膜前駆細胞であるGFP強陽性細胞の割合のグラフ(D)である。 図4は本発明製造方法により製造した浮遊培養開始60日目の網膜組織(A,B,C)及び浮遊培養開始126日目の網膜組織(D,E,F,G,H,I)の免疫染色結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明における「ベクター」とは、目的のポリヌクレオチド配列を目的の細胞へと移入させることができるベクターを意味する。このようなベクターとしては、例えば、原核細胞、酵母、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞、動物個体及び植物個体等の宿主細胞において自立複製が可能であり、又は、染色体中への組込みが可能である、ポリヌクレオチドの転写に適した位置にプロモーターを含有しているもの等を挙げることができる。
このようなベクターのうち、クローニングに適したベクターを「クローニングベクター」と記すこともある。このようなクローニングベクターは、通常、制限酵素部位を複数含むマルチプルクローニング部位を含む。現在、遺伝子のクローニングに使用可能なベクターは、当該技術分野において多数存在しており、販売元により、微妙な違い(例えば、マルチクローニングサイトの制限酵素の種類や配列)から名前を代えて販売されている。例えば、「Molecular Cloning(3rd edition)」 by Sambrook, J and Russell, D.W., Appendix 3 (Volume 3), Vectors and Bacterial strains. A3.2 (Cold Spring Harbor USA, 2001)) に代表的なものが記載(発売元も記載)されており、このようなものを当業者は適宜目的に応じて使用することができる。
本発明における「ベクター」は、「発現ベクター」、「レポーターベクター」、「組換えベクター」も含む。尚、「発現ベクター」とは、構造遺伝子及びその発現を調節するプロモーターに加えて種々の調節エレメントが宿主細胞の中で作動し得る状態で連結されている核酸配列を意味する。「調節エレメント」としては、例えば、ターミネーター、薬剤耐性遺伝子のような選択マーカー、及び、エンハンサーを含むもの等を挙げることができる。生物(例えば、動物)の発現ベクターのタイプ及び使用される調節エレメントの種類が宿主細胞に応じて変わり得ることは、当業者に周知の事項である。
本発明における「組換えベクター」としては、例えば、(a)ゲノムライブラリーのスクリーニングのためには、ラムダFIXベクター(ファージベクター)、(b)cDNAのスクリーニングのためには、ラムダZAPベクター(ファージベクター)、(c)ゲノムDNAのクローニングするためには、例えば、pBluescript II SK+/−, pGEM,pCR2.1ベクター(プラスミドベクター)等を挙げることができる。また「発現ベクター」としては、例えば、pSV2/neoベクター、pcDNAベクター、pUC18ベクター、pUC19ベクター、pRc/RSVベクター、pLenti6/V5-Destベクター、pAd/CMV/V5-DESTベクター、pDON-AI-2/neoベクター、pMEI-5/neoベクター等(プラスミドベクター)等を挙げることができる。また「レポーターベクター」としては、例えば、pGL2ベクター、pGL3ベクター、pGL4.10ベクター、pGL4.11ベクター、pGL4.12ベクター、pGL4.70ベクター、pGL4.71ベクター、pGL4.72ベクター、pSLGベクター、pSLOベクター、pSLRベクター、pEGFPベクター、pAcGFPベクター、pDsRedベクター等を挙げることができる。このようなベクターは、前述のMolecular Cloning誌を参考にして適宜利用すればよい。
本発明における核酸分子を細胞内に導入する技術としては、例えば、形質転換、形質導入、トランスフェクション等を挙げることができる。このような導入技術としては、具体的には例えば、Ausubel F. A.ら編(1988)、Current Protocols in Molecular Biology, Wiley, New York, NY; Sambrook J.ら(1987)Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed.及びその第三版,Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY、別冊実験医学「遺伝子導入&発現解析実験法」羊土社、1997等に記載される方法等を挙げることができる。遺伝子が細胞内に導入されたことを確認する技術としては、例えば、ノーザンブロット分析、ウェスタンブロット分析又は他の周知慣用技術等を挙げることができる。
本発明における「幹細胞」とは、細胞分裂を経ても同じ分化能を維持する細胞のことであり、組織が傷害を受けたときにその組織を再生することができる。ここで幹細胞は、胚性幹細胞(ES細胞)又は組織幹細胞(組織性幹細胞、組織特異的幹細胞又は体性幹細胞ともいう)、又は人工多能性幹細胞(iPS細胞:induced pluripotent stem cell細胞)であり得るがそれらに限定されない。上記の幹細胞由来の組織細胞は組織再生が可能なことから分かるように生体に近い正常な細胞を分化できることが知られている。
幹細胞は、所定の機関より入手でき、また、市販品を購入することもできる。例えば、ヒト胚性幹細胞であるKhES−1、KhES−2及びKhES−3は、京都大学再生医科学研究所より入手可能である。マウス胚性幹細胞であるEB5細胞は、独立行政法人理化学研究所より、D3株は、ATCCより入手可能である。
幹細胞は、自体公知の方法により維持培養できる。例えば、幹細胞は、ウシ胎児血清(FCS)、Knockout Serum Replacement(KSR)、LIFを添加した無フィーダー細胞による培養により維持できる。
本発明における「多能性幹細胞」とは、インビトロにおいて培養することが可能で、かつ、胎盤を除く生体を構成するすべての細胞(三胚葉(外胚葉、中胚葉、内胚葉)由来の組織)に分化しうる能力(分化多能性(pluripotency))を有する幹細胞をいい、胚性幹細胞(ES細胞)もこれに含まれる。「多能性幹細胞」は、受精卵、クローン胚、生殖幹細胞、組織内幹細胞から得られる。また、体細胞に数種類の遺伝子を導入することにより、胚性幹細胞に似た分化多能性を人工的に持たせた細胞(人工多能性幹細胞ともいう)も含む。多能性幹細胞は、自体公知の方法で作成することが可能である。作成方法としては、例えばCell 131(5)pp.861−872や、Cell 126(4)pp.663−676に記載の方法などが挙げられる。
本発明における「胚性幹細胞(ES細胞)」とは、自己複製能を有し、多分化能(すなわち多能性「pluripotency」)を有する幹細胞であり、初期胚に由来する多能性幹細胞をいう。胚性幹細胞は、1981年に初めて樹立され、1989年以降ノックアウトマウス作製にも応用されている。1998年にはヒト胚性幹細胞が樹立されており、再生医学にも利用されつつある。
本発明における「人工多能性幹細胞」とは、繊維芽細胞等分化した細胞をOct3/4、Sox2、Klf4、Myc等数種類の遺伝子の発現により直接初期化して多分化能を誘導した細胞であり、2006年、山中らによりマウス細胞で樹立された(Takahashi K, Yamanaka S.Cell. 2006, 126(4), p663-676)。2007年、ヒト繊維芽細胞でも樹立され、胚性幹細胞と同様に多分化能を有する(Takahashi K, Tanabe K, Ohnuki M, Narita M, Ichisaka T, Tomoda K, Yamanaka S. Cell.2007, 131(5),p861-872. 、Yu J, Vodyanik MA, Smuga-Otto K, Antosiewicz-Bourget J, Frane JL, Tian S, Nie J, Jonsdottir GA, Ruotti V, Stewart R, Slukvin II, Thomson JA.,Science. 2007, 318(5858), p1917-1920. 、Nakagawa M, Koyanagi M, Tanabe K, Takahashi K, Ichisaka T, Aoi T, Okita K, Mochiduki Y, Takizawa N, Yamanaka S. Nat Biotechnol., 2008, 26(1), p101-106)。
本発明における「組織」とは、形態や性質が異なる複数種類の細胞が一定のパターンで立体的に配置した構造を有する細胞集団の構造体をさす。
本発明における「網膜組織」とは生体網膜において各網膜層を構成する視細胞、水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、網膜節細胞、またはこれらの前駆細胞などの細胞が、少なくとも複数種類、層状で立体的に配列した網膜組織を意味する。それぞれの細胞がいずれの網膜層を構成する細胞であるかは、公知の方法、例えば細胞マーカー(Chx10(双極細胞)、L7(双極細胞)、Tuj1(節細胞)、Brn3(節細胞)、Calretinin(アマクリン細胞)、Calbindin(水平細胞)、Recoverin(視細胞)、Rhodopsin(視細胞)、RPE65(色素上皮細胞)、Mitf(色素上皮細胞)など)の発現により確認できる。
遺伝子改変した多能性幹細胞は、例えば、相同組換え技術を用いることにより作製できる。改変多能性幹細胞の作製に際して改変される染色体上の遺伝子としては、例えば、組織適合性抗原の遺伝子、神経系細胞の障害に基づく疾患関連遺伝子などがあげられる。染色体上の標的遺伝子の改変は、Manipulating the Mouse Embryo A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1994);Gene Targeting,A Practical Approach,IRL Press at Oxford University Press(1993);バイオマニュアルシリーズ8ジーンターゲッティング,ES細胞を用いた変異マウスの作製,羊土社(1995)等に記載の方法を用い、行うことができる。
具体的には、例えば、改変する標的遺伝子(例えば、組織適合性抗原の遺伝子や疾患関連遺伝子など)のゲノム遺伝子を単離し、単離したゲノム遺伝子を用いて標的遺伝子を相同組換えするためのターゲットベクターを作製する。作製したターゲットベクターを幹細胞に導入し、標的遺伝子とターゲットベクターの間で相同組換えを起こした細胞を選択することにより、染色体上の遺伝子を改変した幹細胞を作製することができる。
標的遺伝子のゲノム遺伝子を単離する方法としては、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)やCurrent Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons(1987−1997)等に記載された公知の方法があげられる。また、ゲノムDNAライブラリースクリーニングシステム(Genome Systems製)やUniversal GenomeWalker Kits(CLONTECH製)などを用いることにより、標的遺伝子のゲノム遺伝子を単離することができる。
標的遺伝子を相同組換えするためのターゲットベクターの作製、及び相同組換え体の効率的な選別は、Gene Targeting,A Practical Approach,IRL Press at Oxford University Press(1993);バイオマニュアルシリーズ8ジーンターゲッティング,ES細胞を用いた変異マウスの作製,羊土社(1995)等に記載の方法にしたがって作製することができる。なお、ターゲットベクターは、リプレースメント型、インサーション型いずれでも用いることができ、また、選別方法としては、ポジティブ選択、プロモーター選択、ネガティブ選択、ポリA選択などの方法を用いることができる。
選別した細胞株の中から目的とする相同組換え体を選択する方法としては、ゲノムDNAに対するサザンハイブリダイゼーション法やPCR法等があげられる。
本発明により、ヒト多能性幹細胞から高効率で網膜組織を得ることができる。また、本発明の方法により作製される網膜組織には、網膜層のそれぞれに特異的なニューロンが含まれることから、視細胞、水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、神経節細胞または、これらの前駆細胞など網膜組織を構成する細胞を入手することも可能である。本発明の方法により得られた網膜組織から入手した細胞がいずれの細胞であるかは、自体公知の方法、例えば細胞マーカーの発現により確認できる。
網膜細胞マーカーとしては、Rax(網膜の前駆細胞)、PAX6(前駆細胞),nestin(視床下部ニューロンの前駆細胞では発現されるが網膜前駆細胞では発現されない)、Sox1(視床下部神経上皮で発現され、網膜では発現されない)、Crx(視細胞の前駆細胞)、などが挙げられるが、これらに限定されない。また特に、上記網膜層特異的ニューロンのマーカーとしては、Chx10(双極細胞)、L7(双極細胞)、 Tuj1(節細胞)、Brn3 (節細胞)、Calretinin(アマクリン細胞)、Calbindin(水平細胞)、Rhodopsin(視細胞)、Recoverin(視細胞)、RPE65(色素上皮細胞)、Mitf (色素上皮細胞)Nrl(杆体細胞)、Rxr-gamma(錐体細胞)などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明において用いられる培地は、動物細胞の培養に用いられる培地を基礎培地として調製することができる。基礎培地としては、例えば、BME培地、BGJb培地、CMRL 1066培地、Glasgow MEM培地、Improved MEM Zinc Option培地、IMDM培地、Medium 199培地、Eagle MEM培地、αMEM培地、DMEM培地、ハム培地、RPMI 1640培地、Fischer’s培地、およびこれらの混合培地など、動物細胞の培養に用いることのできる培地であれば特に限定されない。
本発明における「無血清培地」とは、無調整又は未精製の血清を含まない培地を意味する。精製された血液由来成分や動物組織由来成分(例えば、増殖因子)が混入している培地は無調整又は未精製の血清を含まない限り無血清培地に該当するものとする。
培地は、上述したようなものである限り特に限定されない。しかしながら、調製の煩雑さを回避するという観点からは、かかる無血清培地として、市販のKSRを適量(例えば、1−20%)添加した無血清培地(GMEM又はDMEM、0.1mM 2−メルカプトエタノール、0.1mM 非必須アミノ酸Mix、1mM ピルビン酸ナトリウム)を使用できる。
また、無血清培地は、血清代替物を含有していてもよい。血清代替物は、例えば、アルブミン、トランスフェリン、脂肪酸、コラーゲン前駆体、微量元素、2−メルカプトエタノール又は3’チオールグリセロール、あるいはこれらの均等物などを適宜含有するものであり得る。かかる血清代替物は、例えば、WO98/30679記載の方法により調製できる。また、本発明の方法をより簡便に実施するために、血清代替物は市販のものを利用できる。かかる市販の血清代替物としては、例えば、Chemically−defined Lipid concentrated(Gibco社製)、Glutamax(Gibco社製)が挙げられる。
また、浮遊培養で用いる無血清培地は、脂肪酸又は脂質、アミノ酸(例えば、非必須アミノ酸)、ビタミン、増殖因子、サイトカイン、抗酸化剤、2−メルカプトエタノール、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類等を含有できる。
本発明における「血清培地」とは、無調整又は未精製の血清を含む培地を意味する。培地は、上述したようなものである限り特に限定されない。また、脂肪酸又は脂質、アミノ酸(例えば、非必須アミノ酸)、ビタミン、増殖因子、サイトカイン、抗酸化剤、2−メルカプトエタノール、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類等を含有できる。
本発明における「浮遊培養」とは、細胞または細胞塊を培養器材等に接着させない条件で培養することをいう。
浮遊培養を行う際に用いられる培養器は、「浮遊培養する」ことが可能なものであれば特に限定されず、当業者であれば適宜決定することが可能である。このような培養器としては、例えば、フラスコ、組織培養用フラスコ、ディッシュ、ペトリデッシュ、組織培養用ディッシュ、マルチディッシュ、マイクロプレート、マイクロウェルプレート、マイクロポア、マルチプレート、マルチウェルプレート、チャンバースライド、シャーレ、チューブ、トレイ、培養バック、ローラーボトルが挙げられる。そしてこれらの培養器は、浮遊培養する観点から、細胞非接着性であることが好ましい。細胞非接着性の培養器としては、培養器の表面が、細胞との接着性を向上させる目的で人工的に処理(例えば、細胞外マトリクス等によるコーティング処理)されていないものなどを使用できる。
本発明における「霊長類」とは、霊長目に属するほ乳類動物をいい、霊長類としては、キツネザルやロリス、ツバイなどの原猿亜目と、サル、類人猿、ヒトなどの真猿亜目が挙げられる。
本発明は、下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする網膜組織の製造方法である。
(1)多能性幹細胞を、Wntシグナル経路阻害物質を含む無血清培地中で浮遊培養することにより多能性幹細胞の凝集体を形成させる第一工程
(2)第一工程で形成された凝集体を、基底膜標品を含む無血清培地中で浮遊培養する第二工程、及び
(3)第二工程で培養された凝集体を、血清培地中で浮遊培養する第三工程
(1)第一工程
多能性幹細胞を、Wntシグナル経路阻害物質を含む無血清培地中で浮遊培養することにより多能性幹細胞の凝集体を形成させる第一工程について説明する。
Wntシグナル経路阻害物質は、Wntにより媒介されるシグナル伝達を抑制し得るものである限り特に限定されない。Wntシグナル経路阻害物質としては、例えば、Dkk1、Cerberus蛋白、Wnt受容体阻害剤、可溶型Wnt受容体、Wnt抗体、カゼインキナーゼ阻害剤、ドミナントネガティブWnt蛋白、CKI−7(N−(2−アミノエチル)−5−クロロ−イソキノリン−8−スルホンアミド)、D4476(4−{4−(2,3−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−5−ピリジン−2−イル−1H−イミイダゾール−2−イル}ベンズアミド)、IWR-1-endo(IWR1e)、IWP-2などが挙げられる。
本発明製造方法に用いられるWntシグナル経路阻害物質の濃度は、多能性幹細胞の凝集体が形成する濃度であればよい。例えばIWR1e等の通常のWntシグナル経路阻害物質の場合は、約0.1μM 〜100μM、好ましくは約1μM〜10μM、より好ましくは3μM前後の濃度で添加する。
Wntシグナル経路阻害物質は、浮遊培養開始前に無血清培地に添加されていてもよく、また、浮遊培養開始後数日以内(例えば、5日以内)に無血清培地に添加してもよい。好ましくは、Wntシグナル経路阻害物質は、浮遊培養開始後5日以内、より好ましくは3日以内、最も好ましくは浮遊培養開始と同時に無血清培地に添加する。また、Wntシグナル経路阻害物質を添加した状態で、浮遊培養開始後18日目まで、より好ましくは12日目まで浮遊培養する。
第一工程における培養温度、CO濃度等の培養条件は適宜設定できる。培養温度は特に限定されるものではないが、例えば約30〜40℃、好ましくは約37℃前後である。またCO濃度は、例えば約1〜10%、好ましくは約5%前後である。
本発明における「凝集体」とは、培地中に分散していた細胞が集合して形成した塊をいうが、本発明における「凝集体」には、浮遊培養開始時に分散していた細胞が形成した凝集体と浮遊培養開始時に既に形成されていた凝集体とが含まれるものとする。
「凝集体を形成させる」とは、細胞を集合させて細胞の凝集体を形成させて浮遊培養させる際に、「一定数の分散した幹細胞を迅速に凝集」させることで質的に均一な細胞の凝集体を形成させることをいう。
凝集体を形成させる実験的な操作としては、例えば、ウェルの小さなプレート(96穴プレート)やマイクロポアなどを用いて小さいスペースに細胞を閉じ込める方法、小さな遠心チューブを用いて短時間遠心することで細胞を凝集させる方法などが挙げられる。
第一工程における多能性幹細胞の濃度は、多能性幹細胞の凝集体をより均一に、効率的に形成させるように当業者であれば適宜設定することができる。凝集体形成時の多能性幹細胞の濃度は、幹細胞の均一な凝集体を形成可能な濃度である限り特に限定されないが、例えば96穴マイクロウェルプレートを用いてヒトES細胞を浮遊培養する場合、1ウェルあたり約1×10の3乗〜約5×10の4乗細胞、好ましくは約3×10の3乗〜約3×10の4乗細胞、より好ましくは約5×10の3乗〜約2×10の4乗細胞、最も好ましくは9×10の3乗細胞前後となるように調製した液を添加し、プレートを静置して凝集体を形成させる。
多能性幹細胞の凝集体が形成されたことは、凝集体のサイズおよび細胞数、巨視的形態、組織染色解析による微視的形態およびその均一性、分化および未分化マーカーの発現およびその均一性、分化マーカーの発現制御およびその同期性、分化効率の凝集体間の再現性などに基づき、当業者であれば判断することが可能である。
(2)第二工程
第一工程で形成された凝集体を、基底膜標品を含む無血清培地中で浮遊培養する第二工程について説明する。
「基底膜標品」としては、その上に基底膜形成能を有する所望の細胞を播腫して培養した場合に、上皮細胞様の細胞形態、分化、増殖、運動、機能発現などを制御する機能を有するような基底膜構成成分を含むものをいう。ここで、「基底膜構成成分」とは、動物の組織において、上皮細胞層と間質細胞層などとの間に存在する薄い膜状をした細胞外マトリックス分子をいう。基底膜標品は、例えば基底膜を介して支持体上に接着している基底膜形成能を有する細胞を、該細胞の脂質溶解能を有する溶液やアルカリ溶液などを用いて除去することで作成することができる。好ましい基底膜標品としては、基底膜成分として市販されている商品(例えばMatrigel(以下、マトリゲルという場合もある))や、基底膜成分として公知の細胞外マトリックス分子(例えばラミニン、IV型コラーゲン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクチンなど)を含むものが挙げられる。
Matrigelは、Engelbreth Holm Swarn(EHS)マウス肉腫由来の基底膜調製物である。Matrigelの主成分はIV型コラーゲン、ラミニン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクチンであるが、これらに加えてTGF−β、線維芽細胞増殖因子(FGF)、組織プラスミノゲン活性化因子、EHS腫瘍が天然に産生する増殖因子が含まれる。Matrigelの「growth factor reduced製品」は、通常のMatrigelよりも増殖因子の濃度が低く、その標準的な濃度はEGFが<0.5ng/ml、NGFが<0.2ng/ml、PDGFが<5pg/ml、IGF−1が5ng/ml、TGF−βが1.7ng/mlである。本発明の方法では、「growth factor reduced製品」の使用が好ましい。
第二工程における浮遊培養で無血清培地に添加される基底膜標品の濃度としては、神経組織(例えば網膜組織)の上皮構造が安定に維持される限り特に限定されないが、例えばMartigelを用いる場合には、好ましくは培養液の1/20〜1/200の容量、より好ましくは1/100前後の容積を挙げることができる。基底膜標品は幹細胞の培養開始時に既に培地に添加されていてもよいが、好ましくは、浮遊培養開始後5日以内、より好ましくは浮遊培養開始後2日以内に無血清培地に添加される。
第二工程で用いられる無血清培地は、第一工程で用いた無血清培地をそのまま用いることもできるし、新たな無血清培地に置き換えることもできる。
第一工程で用いた無血清培地をそのまま本工程に用いる場合、「基底膜標品」を培地中に添加すればよい。
第一工程及び第二工程における浮遊培養に用いられる無血清培地は、上述したようなものである限り特に限定されない。しかしながら、調製の煩雑さを回避観点から、かかる無血清培地として、市販のKSR(Knockout Serum Replacement)を適量添加した無血清培地(GMEM又はDMEM、0.1mM 2−メルカプトエタノール、0.1mM 非必須アミノ酸Mix、1mM ピルビン酸ナトリウム)を使用することが好ましい。無血清培地へのKSRの投与量としては特に限定されず、例えばヒトES細胞の場合は、通常1〜20%であり、好ましくは2〜20%である。
第二工程における培養温度、CO濃度等の培養条件は適宜設定できる。培養温度は特に限定されるものではないが、例えば約30〜40℃、好ましくは約37℃前後である。またCO濃度は、例えば約1〜10%、好ましくは約5%前後である。
(3)第三工程
第二工程で培養された凝集体を、血清培地中で浮遊培養する第三工程について説明する。
第三工程で用いられる血清培地は、第二工程で培養に用いた無血清培地に血清を直接添加したものを用いてもよいし、新たな血清培地におきかえたものを用いてもよい。
第三工程で培地に添加される血清として、例えば、牛血清、仔牛血清、牛胎児血清、馬血清、仔馬血清、馬胎児血清、ウサギ血清。仔ウサギ血清、ウサギ胎児血清、ヒト血清など哺乳動物の血清などを用いることが出来る。
血清の添加は、浮遊培養開始後7日目以降、より好ましくは9日目以降、最も好ましくは12日目に行う。血清濃度については、約1〜30%、好ましくは約3〜20%、より好ましくは10%前後で添加する。
第三工程で用いられる血清培地は、上述したようなものである限り特に限定されないが、前記無血清培地(GMEM又はDMEM、0.1mM 2−メルカプトエタノール、0.1mM 非必須アミノ酸Mix、1mM ピルビン酸ナトリウム)に血清を添加したものを用いることが好ましい。
また、かかる血清培地として、市販のKSR(Knockout Serum Replacement)を適量添加したものを用いてもよい。
第三工程において、血清に加えてShhシグナル経路作用物質を添加することで網膜組織の製造効率を上昇させることが出来る。
Shhシグナル経路作用物質としては、Shhにより媒介されるシグナル伝達を増強し得るものである限り特に限定されない。Shhシグナル経路作用物質としては、例えば、Hedgehogファミリーに属する蛋白(例えば、Shh)、Shh受容体、Shh受容体アゴニスト、Purmorphamine、SAGなどが挙げられる。
本製造方法に用いられるShhシグナル経路作用物質の濃度は、例えばSAG等の通常のShhシグナル経路作用物質の場合は、約0.1nM 〜10μM、好ましくは約10nM〜1μM、より好ましくは100nM前後の濃度で添加する。
このようにして製造された網膜組織は、凝集体の表面を覆うように存在する。本発明製造方法により、網膜組織が製造されたことの確認は、以下の(4)記載の免疫染色法等により確認することができる。
また、凝集体の表面に存在する網膜組織をピンセット等を用いて、凝集体から物理的に切り出すことも可能である。この場合、各凝集体の表面には、網膜組織以外の神経組織が形成される場合もあるため、凝集体から切り出した神経組織の一部を切り取り、これを用いて(4)記載の免疫染色法等により確認することで、その組織が網膜組織であることを確認することが出来る。
(4)網膜組織の確認方法
以上の第一工程乃至第三工程を経ることにより、網膜組織を製造することができる。さらに、以下の方法により、第一工程乃至第三工程により網膜組織が製造されたことを確認することができる。
第三工程で培養された凝集体を、血清培地中で浮遊培養する。浮遊培養で用いられる培養器としては、上述のものが挙げられる。浮遊培養における培養温度、CO濃度、O濃度等の他の培養条件は適宜設定できる。培養温度は、特に限定されるものではないが、例えば約30〜40℃、好ましくは約37℃である。また、CO濃度は、例えば約1〜10%、好ましくは約5%である。一方O濃度については、例えば20〜70%、好ましくは20〜60%、より好ましくは30〜50%である。
本工程の培養時間は特に限定されないが、通常48時間以上であり、好ましくは7日以上である。
網膜組織の確認は、浮遊培養終了後、凝集体をパラホルムアルデヒド溶液等の固定液を用いて固定し、凍結切片を作製後、層構造が形成されていることを免疫染色法などにより確認すればよい。網膜組織は、各層を構成する網膜前駆細胞(視細胞、水平細胞、双極細胞、アマクリン細胞、網膜節細胞)がそれぞれ異なるため、これらの細胞に発現している上述のマーカーに対する抗体を用いて、免疫染色法により、層構造が形成されていることを確認することができる。
(5)網膜組織の毒性・薬効評価用試薬としての使用
本発明製造方法により製造された網膜組織は、網膜組織の障害に基づく疾患の治療薬のスクリーニング、その他の原因による細胞損傷状態における治療薬に対しての細胞治療用移植用材料や疾患研究材料、創薬材料として利用可能である。また化学物質等の毒性・薬効評価においても、光毒性等の毒性研究、毒性試験等に活用可能である。
網膜組織の障害に基づく疾患としては、例えば、有機水銀中毒、クロロキン網膜症、網膜色素変性症、加齢黄斑変性症、緑内障、糖尿病性網膜症、新生児網膜症、などが挙げられる。
(6)網膜組織の移植用生体材料としての使用
本発明製造方法により製造された網膜組織は、細胞損傷状態において、当該細胞や、障害を受けた組織自体を補充する(例えば、移植手術に用いる)ためなどに用いる移植用生体材料として用いることができる。
以下の比較例および実施例により本発明製造方法をより具体的に説明するが、実施例は本発明の単なる例示を示すものにすぎず、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
(RAXノックインヒトES細胞の樹立)
網膜前駆細胞のマーカー遺伝子の1つであるRAX遺伝子座にGFPをノックインしたヒトES細胞株の作製を実施した。
ヒトES細胞株(KhES-1:京都大学が樹立したヒトES細胞株)のゲノムDNA上RAX遺伝子を特異的に切断するZinc Finger Nuclease(ZFN)をSigmaAldrich社から購入した。単一細胞化したヒトES細胞を用いて、エレクトロポレーション法により、ZFNをコードするmRNAとGFP及び薬剤選択遺伝子であるネオマイシン耐性遺伝子が搭載されたノックインベクターを共導入し、マイトマイシンC処理したネオマイシン耐性マウス線維芽細胞上へ播種した。播種翌日から培地中にG418を添加し、薬剤選択を行った。得られた耐性クローンのコロニーをピックアップして培養を続け、PCR法やサザンブロット法により、ノックイン細胞を選別し、RAX::GFPノックインヒトES細胞株を樹立した。
比較例1:ヒトES細胞を用いた網膜組織の製造(Matrigel添加条件)
RAX::GFPノックインヒトES細胞(KhES-1由来)を「Ueno, M. et al. PNAS 2006」 「Watanabe, K. et al. Nat Biotech 2007」に記載の方法に倣って培養し、実験に用いた。培地にはDMEM/F12 培地(Invitrogen)に20%KSR(Knockout Serum Replacement;Invitrogen)、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、5〜10ng/ml bFGFを添加したものを用いた。0.25%trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いてES細胞を単一分散し、非細胞接着性の96穴培養プレート(スミロン スフェロイド プレート,住友ベークライト社)の1ウェルあたり9×10^3細胞になるように100μlの無血清培地で37℃、5%COで浮遊培養した。その際の無血清培地には、G−MEM培地に20%KSR、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、20μM Y27632を添加した無血清培地を用いた。また、浮遊培養開始2日目から容積あたり1/100量のマトリゲルを添加して浮遊培養した。その後浮遊培養を継続しながら、定期的に蛍光顕微鏡観察を実施した。
その結果、浮遊培養開始25日目まで蛍光顕微鏡観察を実施したところ、網膜前駆細胞が誘導されたことを示すGFP発現細胞が多少認められた(図1A,B)。
比較例2:ヒトES細胞を用いた網膜組織の製造(Nodalシグナル経路阻害剤及びMatrigel添加条件)
RAX::GFPノックインヒトES細胞(KhES-1由来)を「Ueno, M. et al. PNAS 2006」 「Watanabe, K. et al. Nat Biotech 2007」に記載の方法に倣って培養し、実験に用いた。培地にはDMEM/F12 培地(Invitrogen)に20%KSR(Knockout Serum Replacement;Invitrogen)、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、5〜10ng/ml bFGFを添加したものを用いた。浮遊培養による網膜組織の製造には、0.25%trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いてES細胞を単一分散し、非細胞接着性の96穴培養プレート(スミロン スフェロイド プレート,住友ベークライト社)の1ウェルあたり9×10^3細胞になるように100μlの無血清培地で37℃、5%COで浮遊培養した。その際の無血清培地には、G−MEM培地に20%KSR、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、20μM Y27632、Nodalシグナル経路阻害物質(10μM SB431542)を添加した無血清培地を用いた。また、浮遊培養開始2日目から容積あたり1/100量のマトリゲルを添加して浮遊培養した。その後浮遊培養を継続し、浮遊培養開始18日目に蛍光顕微鏡観察及びFACSを用いたGFP発現細胞の割合確認を実施した。
その結果、GFP発現細胞が多少認められた(図1C,D)。
比較例3:ヒトES細胞を用いた網膜組織の製造(Wntシグナル経路阻害剤及びMatrigel添加条件)
RAX::GFPノックインヒトES細胞(KhES-1由来)を「Ueno, M. et al. PNAS 2006」 「Watanabe, K. et al. Nat Biotech 2007」に記載の方法に倣って培養し、実験に用いた。培地にはDMEM/F12 培地(Invitrogen)に20%KSR(Knockout Serum Replacement;Invitrogen)、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、5〜10ng/ml bFGFを添加したものを用いた。浮遊培養による網膜組織の製造には、0.25%trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いてES細胞を単一分散し、非細胞接着性の96穴培養プレート(スミロン スフェロイド プレート,住友ベークライト社)の1ウェルあたり9×10^3細胞になるように100μlの無血清培地で37℃、5%COで浮遊培養した。その際の無血清培地には、G−MEM培地に20%KSR、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、20μM Y27632、Wntシグナル経路阻害物質(3μM IWR1e)を添加した無血清培地を用いた。また、浮遊培養開始2日目から容積あたり1/100量のマトリゲルを添加して浮遊培養した。その後浮遊培養を継続し、浮遊培養開始18日目に蛍光顕微鏡観察及びFACSを用いたGFP発現細胞の割合確認を実施した。
その結果、比較例1及び2に比べ、明らかにGFP発現細胞が増加した(図1E,F)。
実施例1:ヒトES細胞を用いた網膜組織の製造(Wntシグナル経路阻害剤及びMatrigel、血清添加条件)
RAX::GFPノックインヒトES細胞(KhES-1由来)を「Ueno, M. et al. PNAS 2006」 「Watanabe, K. et al. Nat Biotech 2007」に記載の方法に倣って培養し、実験に用いた。培地にはDMEM/F12 培地(Invitrogen)に20%KSR(Knockout Serum Replacement;Invitrogen)、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、5〜10ng/ml bFGFを添加したものを用いた。浮遊培養による網膜組織の製造には、0.25%trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いてES細胞を単一分散し、非細胞接着性の96穴培養プレート(スミロン スフェロイド プレート,住友ベークライト社)の1ウェルあたり9×10^3細胞になるように100μlの無血清培地で、37℃、5%COで浮遊培養した。その際の無血清培地には、G−MEM培地に20%KSR、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、20μM Y27632、Wntシグナル経路阻害物質(3μM IWR1e)を添加した無血清培地を用いた。また、浮遊培養開始2日目から容積あたり1/100量のマトリゲルを添加して浮遊培養した。さらに、浮遊培養開始12日目に容積あたり1/10量の牛胎児血清を添加した。その後浮遊培養を継続し、浮遊培養開始18日目に蛍光顕微鏡観察及びFACSを用いたGFP発現細胞の割合確認を実施した。同時に血清を添加しない比較例3の条件でも実験を実施した。
比較例3の条件ではGFP発現細胞の割合は3.2%(図2A,B、図3A)であったのに対し、血清を添加した条件では多数のGFP発現細胞が出現した(図2C,D)。FACSを用いた解析からGFP陽性細胞の割合は30%強であった(図3B)。
実施例2:ヒトES細胞を用いた網膜組織の製造(Wntシグナル経路阻害剤及びMatrigel、血清及びShhシグナル作用物質添加条件)
RAX::GFPノックインヒトES細胞(KhES-1由来)を「Ueno, M. et al. PNAS 2006」 「Watanabe, K. et al. Nat Biotech 2007」に記載の方法に倣って培養し、実験に用いた。培地にはDMEM/F12 培地(Invitrogen)に20%KSR(Knockout Serum Replacement;Invitrogen)、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、5〜10ng/ml bFGFを添加したものを用いた。浮遊培養による網膜組織の製造には、0.25%trypsin−EDTA(Invitrogen)を用いてES細胞を単一分散し、非細胞接着性の96穴培養プレート(スミロン スフェロイド プレート,住友ベークライト社)の1ウェルあたり9×10^3細胞になるように100μlの無血清培地で、37℃、5%COで浮遊培養した。その際の無血清培地には、G−MEM培地に20%KSR、0.1mM 2−メルカプトエタノール、1mM ピルビン酸、20μM Y27632、Wntシグナル経路阻害物質(3μM IWR1e)を添加した無血清培地を用いた。また、浮遊培養開始2日目から容積あたり1/100量のマトリゲルを添加して浮遊培養した。浮遊培養開始12日目に容積あたり1/10量の牛胎児血清及びShhシグナル経路作用物質(100nM SAG)を添加し浮遊培養した。浮遊培養開始18日目にFACSを用いてGFP発現細胞の割合を調べた。
血清と同時にShhシグナル経路作用物質を添加することで非常に多くのGFP発現細胞が出現した(図2E,F)。FACSを用いた解析からGFP発現細胞の割合は70%以上に達していた。
比較例3に比べ、血清を添加する実施例1の条件ではGFP発現細胞の割合が約10倍に、さらに血清とShhシグナル経路作用物質を同時に添加する実施例2の条件ではGFP発現細胞の割合が24倍程度上昇することがわかった(図3D)。
実施例3:網膜組織の形成確認
(方法)
実施例2及び3で製造したGFP発現細胞をもつ凝集体について、網膜組織形成の確認を実施した。浮遊培養開始18日目からDMEM/F12培地にN2 supplement、10%(v/v)牛胎児血清、0.5μM レチノイン酸を添加した血清培地を用いて、40% O2条件下で浮遊培養を行った。その後、凝集塊を4%パラホルムアルデヒド溶液で固定し、凍結切片を作製後、免疫染色法により組織構造の確認を行った。
その結果、浮遊培養開始60日目において、最下層にはBrn3及びTuJ1陽性の神経節細胞、最外層及び中間層にCrx及びRecoverin陽性の視細胞前駆細胞、最外層のBrn3陽性細胞と最下層のBrn3陽性細胞の間にChx10陽性の双極細胞等のインターニューロン前駆細胞が整然と層をなして配列していることが明らかとなった(図4A,B,C)。さらに、126日目まで浮遊培養を継続すると、Crx及びRecoverin陽性の視細胞前駆細胞は最外層へ集積し、杆体細胞で特異的に発現するNrlを発現する細胞や錐体細胞で特異的に発現するRxr-gammaを発現する細胞が観察された。また、中間層において水平細胞やアマクリン細胞の前駆細胞マーカーであるPtf1aを発現する細胞が観察された(図4D,E,F,G,H,I)。この結果から、ヒトES細胞から、高効率に網膜組織が製造可能であることが示された。
実施例4:ヒトES細胞から製造した網膜組織の眼への移植
眼球の強膜切開後、強膜切開創から硝子体中に注射針を挿入し、眼圧を低下させる。強膜切開創から網膜下腔に細胞移植針を用いて眼内灌流液を注入し、人工的に浅い網膜剥離の状態を形成する。形成した空間に細胞移植針または細胞シート移植デバイスを用いて網膜組織を移植する。
本発明方法によれば、高効率に網膜組織を製造することが可能である。本発明製造方法は、化学物質等の毒性・薬効評価や細胞治療などを目的として、網膜組織を構成する細胞群(視細胞、視神経など)を効率よく製造することや、組織構造を有する網膜組織を用いた毒性・薬効評価や網膜組織移植治療用移植材料への応用を目的として、試験や治療に使用するための「組織材料」となる網膜組織を効率よく製造するという観点から非常に有用である。

Claims (7)

  1. 下記(1)〜(3)の工程を含むことを特徴とする網膜組織の製造方法。
    (1)多能性幹細胞を、Wntシグナル経路阻害物質を含む無血清培地中で浮遊培養することにより多能性幹細胞の凝集体を形成させる第一工程
    (2)第一工程で形成された凝集体を、基底膜標品を含む無血清培地中で浮遊培養する第二工程
    (3)第二工程で培養された凝集体を、血清培地中で浮遊培養する第三工程
  2. 前記多能性幹細胞が、霊長類多能性幹細胞であることを特徴とする請求項1記載の網膜組織の製造方法。
  3. 前記多能性幹細胞が、ヒト多能性幹細胞であることを特徴とする請求項1または2記載の網膜組織の製造方法。
  4. 前記基底膜標品が、ラミニン、IV型コラーゲン、ヘパラン硫酸プロテオグリカンおよびエンタクチンからなる群から選ばれる少なくとも1つの細胞外マトリックス分子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の網膜組織の製造方法。
  5. 前記第一工程乃至第三工程が、ノックアウト血清代替物存在下で行われる請求項1〜4のいずれか記載の網膜組織の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により製造される網膜組織の毒性・薬効評価用試薬としての使用。
  7. 請求項1〜5のいずれか記載の製造方法により製造される網膜組織の移植用生体材料としての使用。
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