JP2013128227A - 情報処理端末、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム - Google Patents

情報処理端末、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】相互に無線通信可能な複数の端末によって構成されるネットワークにおいて、端末間の距離の推定に用いることが可能な電界強度を効果的に収集することを課題とする。
【解決手段】情報処理端末3、5に、他端末との間の無線通信によって所定のパケットを受信する受信部41、61と、無線通信に係る電界強度を取得する電界強度取得部42、62と、所定のパケットが受信されると、電界強度および電界強度に係る端末の端末識別子を含む送信用パケットを生成するパケット生成部45、65と、生成された送信用パケットを送信する送信部46、66と、を備えた。
【選択図】図5

Description

本開示は、電界強度の収集を行うための技術に関する。
従来、無線通信における電界強度を用いて距離測定を行う技術がある(例えば、特許文献1を参照)。
また、位置情報が分かっている端末を起点としてパケットがリレーされ、パケットを受け取った移動端末が、ホップ数とリレー起点の端末の位置情報とを用いて、自端末の位置を算出する技術が提案されている(特許文献2を参照)。また、隣接する端末がより精度の高い位置情報を持っている場合に、この位置情報と隣接する端末からの距離とを用いて自端末の位置を算出する技術が提案されている(特許文献3を参照)。
更に、位置が分かっている3点と、3点からの電波強度を用いて位置を算出する技術や、移動端末間の相互中継(リレー)による通信網において、冗長経路を構築するための技術が提案されている(特許文献4および特許文献5を参照)。
特開2009−141928号公報 特開2008−167440号公報 特開2010−112869号公報 特開2009−210408号公報 特開2006−101497号公報
従来、移動体の位置情報を特定するシステムとして、GPSを利用した測位システムが存在する。しかし、GPSの受信機は消費電力量が大きく、長時間のバッテリー駆動が困難であるという問題や、衛星と受信機との間に障害物が存在するような環境(例えば、屋内)では正確な位置の検出が困難であるという問題があった。
また、上記のようなGPSの問題を補完する技術として、他の端末の位置情報と、電界強度を用いて推定した端末間の推定距離とを組み合わせて自端末の測位を行う技術が存在するが、このような技術は、自端末から直接通信可能な端末と自端末との間の距離を推定して自端末の位置を算出するものに過ぎなかった。
本開示は、上記した問題に鑑み、相互に無線通信可能な複数の端末によって構成されるネットワークにおいて、端末間の距離の推定に用いることが可能な電界強度を効果的に収集することを課題とする。
本開示に係る情報処理端末は、他端末との間の無線通信によって所定のパケットを受信する受信手段と、前記無線通信に係る電界強度を取得する電界強度取得手段と、前記所定のパケットが受信されると、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を含む送信用パケットを生成するパケット生成手段と、生成された送信用パケットを送信する送信手段と、を備える情報処理端末である。
また、本開示に係る情報処理システムは、他の端末との間の無線通信に係る電界強度を含むパケットを生成して送信する機能を有する端末によって送信されたパケットから、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を取得し、蓄積する蓄積手段と、蓄積された電界強度および端末識別子を用いて、端末識別子に係る端末間の推定距離を算出する距離算出手段と、を備える情報処理システムである。
また、本開示は、コンピュータによって実行される方法、またはコンピュータに実行させるプログラムとしても把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本開示によれば、相互に無線通信可能な複数の端末によって構成されるネットワークにおいて、端末間の距離の推定に用いることが可能な電界強度を効果的に収集することが可能となる。
実施形態に係るシステムの構成の概略を示す図である。 実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の概略を示す図である。 実施形態に係るKIOSK端末のハードウェア構成の概略を示す図である。 実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成の概略を示す図である。 実施形態に係るユーザ端末、KIOSK端末および管理サーバの機能構成の概略を示す図である。 実施形態に係る、電界強度の問合せによる電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図である。 実施形態に係る、電界強度の通知要求による電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図である。 実施形態に係る、電界強度を追記しながらパケットをリレーする方法による電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図(前半)である。 実施形態に係る、電界強度を追記しながらパケットをリレーする方法による電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図(後半)である。 実施形態において、ユーザ端末が、通信可能圏内にいる他の端末の端末識別子および電界強度を収集する処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態に係る電界強度関連情報データベースの構成を示す図である。 実施形態における地図情報生成処理の流れを示すフローチャートである。 実施形態において端末間の相対的な位置関係を算出する際の概念を示す図である。 実施形態において端末間の相対的な位置関係を算出する方法のバリエーションを示す図である。
以下、本開示に係る情報処理端末、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る情報処理端末、情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の形態に応じた具体的構成が適宜採用されてよい。
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係るシステムの構成の概略を示す図である。本実施形態に係るシステムは、LANやインターネット等を用いた第一のネットワーク91と、相互に無線通信可能な複数の端末によって構成されるメッシュ状ネットワークである第二のネットワーク92と、を備える。第一のネットワーク91には、管理サーバ1と、電界強度関連情報データベース2と、KIOSK端末3と、が接続されている。また、第二のネットワーク92には、ユーザ端末5と、KIOSK端末3と、が接続されている。
本実施形態において、ユーザ端末5およびKIOSK端末3は、所定の距離の範囲内にある他のユーザ端末5またはKIOSK端末3との間で無線通信を行うことが可能であり、このような端末間の相互接続によって、第二のネットワーク92が構成される。具体的には、本実施形態において、ユーザ端末5およびKIOSK端末3は、短距離無線通信規格の一つであるZigBee(登録商標)の通信モジュールを備えることで、通信のために十分な電界強度が確保できる距離の範囲内において端末間通信を行う。但し、ユーザ端末5およびKIOSK端末3間における通信には、ZigBee(登録商標)以外の通信方式が採用されてもよい。以下、ユーザ端末5およびKIOSK端末3が、所定の距離の範囲内にある他のユーザ端末5またはKIOSK端末3との間で無線通信を行うための通信モジュールを、「短距離無線通信モジュール」と称する。
短距離無線通信モジュールによって送信されるパケットの到達範囲は、例えば、30メートル程度である。但し、到達範囲は、具体的に採用される短距離無線通信方式や、短距離無線通信モジュールの出力の大きさによって異なる。特にブロードキャストパケットについては、到達範囲の広さが、ユーザ端末5の処理負荷やネットワークの輻輳に影響する。このため、到達範囲の広さは、ユーザ端末5の密度や処理能力等、本実施形態に係るシステムが用いられる状況に応じて設定されてよい。
なお、電界強度は、受信信号強度、RSSI(Received Signal Strength Indicator)とも称される。
本実施形態において、管理サーバ1と電界強度関連情報データベース2とは、別個の装置として構成されてもよいし、単一の装置として構成されてもよい。また、KIOSK端末3は管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2としての役割を兼ねてもよい。KIOSK端末3が管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2としての役割を兼ねる場合には、指定された何れかのKIOSK端末3が管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2としての機能を果たしてもよいし、複数のKIOSK端末3が分散的に管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2としての機能を果たしてもよい。
図2は、本実施形態に係るユーザ端末5のハードウェア構成の概略を示す図である。ユーザ端末5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)等からなる制御部51と、短距離無線通信モジュール52と、内蔵された非接触式ICカード53と、ボタン等の入力装置54と、ディスプレイ55やLED56、スピーカ57等の出力装置と、磁気センサー/加速度センサー58と、を備える情報処理端末である。
但し、本発明の実施にあたって、本発明に係る情報処理端末は、上記した構成を全て備える必要はない。情報処理端末の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。例えば、非接触式ICカード53、ボタン、ディスプレイ55、LED56、スピーカ57、磁気センサー/加速度センサー
58等のうち、本システムを用いたサービスにおいて用いられない構成は省略されてよい。また、例えば、システムによって提供されるサービス専用に設計された端末の他、PC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、携帯ゲーム機等を、ユーザ端末5として用いることが出来る。例えば、ユーザ端末5は、スリープ可能で小電力で動作する、ユーザの腕に装着可能な腕時計型の端末とすることが出来る。
図3は、本実施形態に係るKIOSK端末3のハードウェア構成の概略を示す図である。KIOSK端末3は、CPU、RAMおよびROM等からなる制御部31と、短距離無線通信モジュール32と、補助記憶装置33と、タッチパネルディスプレイ34と、スピーカ35と、第一のネットワーク91を介した外部との通信を行うためのネットワークインターフェース36と、非接触式ICカードリーダライタ37と、プリンタ38と、二次元バーコードとして記録された情報を読み取るための二次元バーコードリーダ39と、が電気的に接続された情報処理端末である。
但し、本発明の実施にあたって、本発明に係るKIOSK端末3は、上記した構成を全て備える必要はない。KIOSK端末3の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が可能である。例えば、非接触式ICカードリーダライタ37、プリンタ38、二次元バーコードリーダ39等のうち、入出力装置として用いられない構成は省略されてよい。また、KIOSK端末3には、入力装置として更にマウスやキーボード等が接続されてもよい。
本実施形態に係るKIOSK端末3では、入出力装置として、主にタッチパネルディスプレイ34やスピーカ35等が用いられ、CPUによって制御され、データを出力し、ユーザによる操作を受け付けることで、ユーザの五感を通じて情報を提供し、ユーザによるタッチ操作やボタン押下操作等を介してユーザによる入力を受け付ける。入出力装置から入力された内容はRAMに記録され、CPUによって処理される。ユーザインターフェースとしては、タッチパネルディスプレイ34等の画面表示を介した入出力の他、マイク(図示は省略する)およびスピーカ35を用いた音声による入出力、カメラ(図示は省略する)を用いたジェスチャによる入力等を用いることが出来る。
また、本実施形態において、KIOSK端末3は、所定の位置に固定的に設置されており、その位置情報(緯度および経度)は、予め位置情報データベースに登録されている(図示は省略する)。
図4は、本実施形態に係る管理サーバ1のハードウェア構成の概略を示す図である。管理サーバ1は、CPU、RAMおよびROM等からなる制御部11と、補助記憶装置12と、第一のネットワーク91を介した外部との通信を行うためのネットワークインターフェース13と、が電気的に接続されたコンピュータである。管理サーバ1の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の形態に応じて適宜構成要素の省略や置換、追加が行われてよい。
また、電界強度関連情報データベース2は、管理サーバ1と同じく、一般的なコンピュータとしての構成であるCPU、RAMおよびROMからなる制御部、補助記憶装置、ネットワークインターフェース等を備えるコンピュータシステムである(図示は省略する)。
管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2等は、第一のネットワーク91上にクラウドサービスとして実装されてもよい。この場合、処理の主体は、ネットワーク上に分散した複数のマシンとなるが、本実施形態では、サーバまたはデータベースとしての機能を果たすための複数のマシンをまとめて単一の装置として扱う。
次に、本システムを構成する各端末が備える機能について説明する。図5は、本実施形態に係るユーザ端末5、KIOSK端末3および管理サーバ1の機能構成の概略を示す図である。
本実施形態に係るユーザ端末5は、CPUが、RAMに展開された各種プログラムを解釈および実行して、ユーザ端末5に備えられた各種ハードウェアを制御することで、受信部61、電界強度取得部62、経由端末数取得部63、収集部64、パケット生成部65および送信部66を備える情報処理端末として機能する。また、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実行される例について説明しているが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。
本実施形態に係るKIOSK端末3は、CPUが、RAMに展開された各種プログラムを解釈および実行して、KIOSK端末3に備えられた各種ハードウェアを制御することで、受信部41、電界強度取得部42、経由端末数取得部43、収集部44、パケット生成部45および送信部46を備える情報処理端末として機能する。また、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実行される例について説明しているが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。
本実施形態に係る管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2は、CPUが、RAMに展開された各種プログラムを解釈および実行して、管理サーバ1および電界強度関連情報データベース2に備えられた各種ハードウェアを制御することで、蓄積部21、距離算出部22、相対位置関係特定部23および地図情報生成部24を備える情報処理システムとして機能する。また、本実施形態では、これらの機能がいずれも汎用のCPUによって実行される例について説明しているが、これらの機能は、その一部または全部が、1または複数の専用のプロセッサによって実現されてもよい。なお、管理サーバ1は、例えば、クラウド上、KIOSK端末3上、ユーザ端末5上等に実装されてよい。
<処理の流れ>
次に、図6から図8Bを用いて、本実施形態に係る処理の詳細を説明する。なお、本実施形態において説明される処理の具体的な内容および順序等は、実施する上での一例である。具体的な処理内容および順序等は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
図6は、本実施形態に係る、電界強度の問合せによる電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図である。本シーケンス図に示された処理は、何れかのユーザ端末5(本実施形態では、ユーザ端末5A)において、一定時間毎に、近傍の他のユーザ端末5に対して電界強度を問い合わせる機能(本実施形態では、「tellRSSI()」と称される)が実行されることによって開始される。
ステップS101では、ユーザ端末5Aによって、電界強度問合せパケットがブロードキャストされる。以下、本実施形態において、電界強度問合せパケットは、当該パケットを受信する他の端末に対して電界強度を問い合わせるパケットであり、tellRSSIパケットとも称される。ユーザ端末5Aは、tellRSSIパケットを、短距離無線通信モジュール52を介してブロードキャストする。以下、本実施形態において、パケットのブロードキャストとは、一意の宛先を指定せずにパケットを送信することを示す。このため、tellRSSIパケットは、短距離無線通信モジュール52によって送信されるパケットが到達可能な圏内(例えば、ユーザ端末5から約30メートルの範囲内)に存在する不特定の他の端末によって受信される。
ステップS102からステップS105では、tellRSSIパケットを受信したユーザ端末5Bによって、電界強度関連情報が取得・送信される。ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から送信されたパケットの到達圏内に存在するユーザ端末5Bの受信部61は、ブロードキャストパケットであるtellRSSIパケットを受信する(ステップS102)。そして、ユーザ端末5Bの電界強度取得部62は、ユーザ端末5Bが、ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から送信されたtellRSSIパケットを受信した際の電界強度を、ユーザ端末5Bの短距離無線通信モジュール52から取得する(ステップS103)。ユーザ端末5Bのパケット生成部65は、取得された電界強度、電界強度が取得された日時、および電界強度を取得したユーザ端末5(ここではユーザ端末5B)の端末識別子を含む応答パケットを生成する(ステップS104)。そして、ユーザ端末5Bの送信部66は、生成された応答パケットを、ユーザ端末5A宛に送信する(ステップS105)。
ステップS106およびステップS107では、ユーザ端末5Aによって、電界強度を含む応答パケットが受信され、ユーザ端末5A−B間の電界強度がKIOSK端末3に通知される。ユーザ端末5Aは、ステップS101において送信したtellRSSIパケットへの応答として、電界強度を含む応答パケットをユーザ端末5Bから受信する(ステップS106)。そして、受信した応答パケットから得られる情報は、管理サーバ1を介して電界強度関連情報データベース2に蓄積される。
但し、本実施形態では、管理サーバ1は、第二のネットワーク92に属しており、ユーザ端末5に備えられた短距離無線通信モジュール52を介して通信可能なものではない。このため、本実施形態において、ユーザ端末5Aは、ユーザ端末5が備える短距離無線通信モジュール52と通信可能な短距離無線通信モジュール32を備えるKIOSK端末3に対して、応答パケットから得られる情報を通知する(ステップS107)。ここで、応答パケットから得られる情報とは、ユーザ端末5Aから送信されたtellRSSIパケットをユーザ端末5Bが受信した際の電界強度、電界強度が取得された日時、電界強度を取得したユーザ端末5(ここではユーザ端末5B)の端末識別子、および相手方のユーザ端末5(ここではユーザ端末5A)の端末識別子、である。以下、これらの情報を「電界強度関連情報」と称する。
なお、先述の通り、短距離無線通信モジュール52、32を用いた無線通信には、通信可能な範囲に制限がある。このため、ステップS107においてユーザ端末5AからKIOSK端末3に対して通知パケットを送信する際の通信が問題となるが、ユーザ端末5AからKIOSK端末3に対して通知パケットを送信する方法には、様々な方法が採用されてよい。例えば、宛先をKIOSK端末3とする通知パケットを、短距離無線通信モジュール52による通信可能圏内の端末に送信し、通知パケットを受信した端末が、KIOSK端末3にパケットが到達するまで順次リレーすることで、通知パケットをKIOSK端末3に送信する方法がある。また、ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52による通信可能圏内にKIOSK端末3が入った際に、このKIOSK端末3に通知パケットを送信することとしてもよい。ユーザ端末5Aが、通信可能圏内にKIOSK端末3が存在するか否かを知る方法としては、ユーザ端末5Aが定期的にポーリング(問い合わせ)を行ってKIOSK端末3からの応答を待つ方法や、KIOSK端末3から送信されるビーコン(存在通知)を受信する方法等がある。
ステップS108からステップS111では、電界強度を含む情報がKIOSK端末3によって管理サーバ1に送信され、データベースに蓄積される。KIOSK端末3は、電界強度関連情報を含む通知を受信し(ステップS108)、第一のネットワーク91を介して、電界強度関連情報を管理サーバ1に送信する(ステップS109)。管理サーバ1
は、KIOSK端末3から送信された電界強度関連情報を受信し(ステップS110)、電界強度関連情報データベース2に蓄積する(ステップS111)。
図7は、本実施形態に係る、電界強度の通知要求による電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図である。本シーケンス図に示された処理は、何れかのユーザ端末5(本実施形態では、ユーザ端末5A)において、一定時間毎に、近傍の他のユーザ端末5に対して、電界強度をKIOSK端末3に通知するよう要求する機能(本実施形態では、「noticeRSSI()」と称される)が実行されることによって開始される。
ステップS201では、ユーザ端末5Aによって、電界強度通知要求パケットがブロードキャストされる。以下、本実施形態において、電界強度通知要求パケットは、当該パケットを受信する他の端末に対して、電界強度をKIOSK端末3に通知するよう要求するパケットであり、noticeRSSIパケットとも称される。ユーザ端末5Aは、noticeRSSIパケットを、短距離無線通信モジュール52を介してブロードキャストする。noticeRSSIパケットは、短距離無線通信モジュール52によって送信されるパケットが到達可能な圏内に存在する不特定の他の端末によって受信される。
ステップS202からステップS205では、noticeRSSIパケットを受信したユーザ端末5Bによって、電界強度関連情報が取得・送信される。ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から送信されたパケットの到達圏内に存在するユーザ端末5Bの受信部61は、ブロードキャストパケットであるnoticeRSSIパケットを受信する(ステップS202)。そして、ユーザ端末5Bの電界強度取得部62は、ユーザ端末5Bが、ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から送信されたnoticeRSSIパケットを受信した際の電界強度を、ユーザ端末5Bの短距離無線通信モジュール52から取得する(ステップS203)。そして、取得された電界強度を含む電界強度関連情報は、管理サーバ1を介して電界強度関連情報データベース2に蓄積される。
但し、図6に関連して既述の通り、本実施形態では、管理サーバ1は、ユーザ端末5に備えられた短距離無線通信モジュール52を介して通信可能なものではない。このため、本実施形態において、ユーザ端末5Bは、ユーザ端末5が備える短距離無線通信モジュール52と通信可能な短距離無線通信モジュール32を備えるKIOSK端末3に対して、電界強度関連情報を通知する。具体的には、ユーザ端末5Bのパケット生成部65は、取得された電界強度、電界強度が取得された日時、電界強度を取得したユーザ端末5(ここではユーザ端末5B)の端末識別子、および相手方のユーザ端末5(ここではユーザ端末5A)の端末識別子を含む通知パケットを生成する(ステップS204)。そして、ユーザ端末5Bの送信部66は、生成された通知パケットを、KIOSK端末3宛に送信する(ステップS205)。
なお、ユーザ端末5BからKIOSK端末3に対して通知パケットを送信する方法としては、図6に関連して既述の通り、端末間のリレーによってパケットをKIOSK端末3に送信する方法や、KIOSK端末3との通信可能圏内に入った際にパケットをKIOSK端末3に送信する方法等、様々な方法が採用されてよい。
ステップS206からステップS209では、電界強度を含む情報がKIOSK端末3によって管理サーバ1に送信され、データベースに蓄積される。KIOSK端末3は、電界強度関連情報を含む通知を受信し(ステップS206)、第一のネットワーク91を介して、電界強度関連情報を管理サーバ1に送信する(ステップS207)。管理サーバ1は、KIOSK端末3から送信された電界強度関連情報を受信し(ステップS208)、電界強度関連情報データベース2に蓄積する(ステップS209)。
図8Aおよび図8Bは、本実施形態に係る、電界強度を追記しながらパケットをリレーする方法による電界強度蓄積処理の流れを示すシーケンス図である。本シーケンス図に示された処理は、何れかのユーザ端末5(本実施形態では、ユーザ端末5A)において、一定時間毎に、近傍の他のユーザ端末5に対して、電界強度を追記しながらパケットをリレーするよう要求する機能(本実施形態では、「relayRSSI()」と称される)が実行されることによって開始される。
ステップS301では、ユーザ端末5Aによって、電界強度リレー要求パケットがブロードキャストされる。以下、本実施形態において、電界強度リレー要求パケットは、当該パケットを受信する他の端末に対して、電界強度を追記しながらパケットをリレーするよう要求するパケットであり、relayRSSIパケットとも称される。relayRSSIパケットには、リレーの起点となるユーザ端末5(ここでは、ユーザ端末5A)の端末識別子と、リレーにおいて経由した端末数を示すホップ数(ここでは、「ホップ数:1」が設定される)が含まれる。ユーザ端末5Aは、relayRSSIパケットを、短距離無線通信モジュール52を介してブロードキャストする。relayRSSIパケットは、短距離無線通信モジュール52によって送信されるパケットが到達可能な圏内に存在する不特定の他の端末によって受信される。
ステップS302からステップS307では、relayRSSIパケットを受信したユーザ端末5Bによって、電界強度関連情報が取得・追記される。ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から送信されたパケットの到達圏内に存在するユーザ端末5Bの受信部61は、ブロードキャストパケットであるrelayRSSIパケットを受信する(ステップS302)。ここで、ユーザ端末5Bの経由端末数取得部63は、relayRSSIパケットに設定されているホップ数(即ち、受信部61によってパケットが受信されるまでの経由端末数)を参照し、ホップ数が所定の閾値に達しているか否かを判定する(ステップS303)。ホップ数が所定の閾値に達していると判定された場合、relayRSSIパケットは破棄され、パケットのリレーは終了する(ステップS304)。このような判定を行うことで、本実施形態に係るシステムでは、短距離無線通信モジュール52、32を備えた端末によって構成されるメッシュ状ネットワーク(第二のネットワーク)92において、輻輳が発生することを防止している。
なお、本実施形態では、ホップ数を参照することで、所定数以上の端末を経由したrelayRSSIパケットを破棄することとしているが、ホップ数に代えて、TTL(Time To Live)を用いてもよい。即ち、ユーザ端末5Aは、relayRSSIパケットの生成時に、パケット内にTTLとして経由端末数の上限値を設定する。そして、端末を経由する毎に各端末によってTTLが1ずつ減算され、TTLが0になった端末によって、パケットが廃棄されることとしてもよい。
一方、ホップ数が所定の閾値に達していないと判定された場合、ユーザ端末5Bの電界強度取得部62は、ユーザ端末5Bが、ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から送信されたrelayRSSIパケットを受信した際の電界強度を、ユーザ端末5Bの短距離無線通信モジュール52から取得する(ステップS305)。そして、ユーザ端末5Bのパケット生成部65は、ステップS305で取得された電界強度、電界強度が取得された日時、および電界強度を取得したユーザ端末5(ここではユーザ端末5B)の端末識別子を、受信されたrelayRSSIパケットに追記することで、更新されたrelayRSSIパケットを生成する(ステップS306)。また、この際、relayRSSIパケットに設定されているホップ数がインクリメント(1加算)される。そして、ユーザ端末5Bの送信部66は、生成されたrelayRSSIパケットを、短距離無線通信モジュール52を介してブロードキャストする(ステップS307)。ここで送信されるrelayRSSIパケットは、ステップS301において送信されたrelayR
SSIパケット同様、パケットを受信する他の端末に対して電界強度を追記しながらパケットをリレーするよう要求するものである。
ステップS308からステップS313では、ユーザ端末5CによってrelayRSSIパケットが受信され、ユーザ端末5Cが、ユーザ端末5Bの短距離無線通信モジュール52から送信されたrelayRSSIパケットを受信した際の電界強度が追記される。ステップS308からステップS313におけるユーザ端末5Cの処理は、ステップS302からステップS307において説明したユーザ端末5Bの処理と概略同様であるため、説明を省略する。
このようにして、relayRSSIパケットは、当該パケットを受信するユーザ端末5によって、受信時の電界強度を追記されながら、ホップ数が所定の閾値に達するか、またはKIOSK端末3に到達するまでリレーされる。
ステップS314からステップS318では、relayRSSIパケットがKIOSK端末3によって受信され、電界強度関連情報が管理サーバ1に通知される。KIOSK端末3の受信部41は、通信可能圏内にいるユーザ端末5から、relayRSSIパケットを受信する(ステップS314)。そして、KIOSK端末3の電界強度取得部42は、KIOSK端末3がrelayRSSIパケットを受信した際の電界強度を、KIOSK端末3の短距離無線通信モジュール32から取得する(ステップS315)。以降、ステップS315において取得された電界強度、電界強度が取得された日時、電界強度を取得したKIOSK端末3の端末識別子、および相手方のユーザ端末5の端末識別子を、「KIOSK端末3の電界強度関連情報」と称する。
KIOSK端末3のパケット生成部45は、relayRSSIパケットに含まれる、relayRSSIパケットが経由してきた端末に係る電界強度関連情報と、ステップS315において取得された、KIOSK端末3の電界強度関連情報とを含む通知パケットを生成し、KIOSK端末3の送信部46は、生成されたパケットを、第一のネットワーク91を介して、管理サーバ1に送信する(ステップS316)。管理サーバ1は、KIOSK端末3から送信された電界強度関連情報を受信し(ステップS317)、電界強度関連情報データベース2に蓄積する(ステップS318)。
上記説明の通り、図6から図8Bに示された処理において説明した電界強度の測定では、問合せや通知要求、リレー要求の起点となるユーザ端末5からは、電界強度等の情報が含まれないパケットが送信される。しかし、このような方法に代えて、問合せや通知要求、リレー要求の起点となるユーザ端末5が通信可能圏内の他の端末からパケットを受信する際の電界強度を測定し、この測定結果を、管理サーバ1を介して電界強度関連情報データベース2に蓄積することとしてもよい。
図9は、本実施形態において、ユーザ端末5が、通信可能圏内にいる他の端末の端末識別子および電界強度を収集する処理の流れを示すフローチャートである。本シーケンス図に示された処理は、何れかのユーザ端末5において、一定時間毎に実行される。
ステップS401およびステップS402では、一定時間毎に、端末識別子問合せパケットがブロードキャストされる。端末識別子問合せパケットは、当該パケットを受信する他の端末に対して端末識別子を問い合わせるパケットである。ユーザ端末5Aの収集部64は、一定時間毎に(ステップS401)、端末識別子問合せパケットを、短距離無線通信モジュール52を介してブロードキャストする(ステップS402)。このため、端末識別子問合せパケットは、短距離無線通信モジュール52によって送信されるパケットが到達可能な圏内(換言すれば、1ホップ圏内)に存在する不特定の他の端末(例えば、ユ
ーザ端末5B)によって受信される。
ステップS403およびステップS404では、1ホップ圏内の他の端末から返信された端末識別子が受信され、電界強度関連情報が取得される。ユーザ端末5Aの受信部61は、ステップS402で送信された端末識別子問合せパケット受信した他の端末(例えば、ユーザ端末5B)によって送信された、当該他の端末の端末識別子を含む応答パケットを受信する(ステップS403)。そして、収集部64は、応答パケットに含まれる当該他の端末の端末識別子を取得し、ユーザ端末5Aの電界強度取得部62は、ユーザ端末5Aが、当該応答パケットを受信した際の電界強度を、ユーザ端末5Aの短距離無線通信モジュール52から取得する(ステップS404)。
ステップS405およびステップS406では、取得された1ホップ圏内の電界強度関連情報がKIOSK端末3に送信される。ユーザ端末5Aのパケット生成部65は、取得された電界強度、電界強度が取得された日時、電界強度を取得したユーザ端末5(ここではユーザ端末5A)の端末識別子、および相手方の端末(例えば、ユーザ端末5B)の端末識別子、即ち、電界強度関連情報を含む通知パケットを生成する(ステップS405)。ここで、通知パケットには、ユーザ端末5Aから1ホップ圏内に存在する複数の端末に係る電界強度関連情報が含まれてよい。そして、ユーザ端末5Aの送信部66は、生成された通知パケットを、KIOSK端末3宛に送信する(ステップS406)。KIOSK端末3は、通知パケットを受信し、通知パケットに含まれる電界強度関連情報を管理サーバ1に送信する。管理サーバ1は、KIOSK端末3から送信された電界強度関連情報を受信し、電界強度関連情報データベース2に蓄積する。その後、処理はステップS401へ進む。
なお、図9を用いて説明した処理によって収集された1ホップ圏内の電界強度関連情報は、図6のステップS107において説明した通知パケットや、図7のステップ201において説明したnoticeRSSIパケット、図8AのステップS301において説明したrelayRSSIパケット等に含めて送信され、各端末を経由してKIOSK端末3に通知されるようにしてもよい。
また、図6から図9を用いて説明した処理は、例えば、一定時間毎に実行されるが、特にブロードキャストパケットについては、送信の時間間隔が、ユーザ端末5の処理負荷やネットワークの輻輳に影響する。このため、送信の時間間隔は、ユーザ端末5の密度や処理能力等、本実施形態に係るシステムが用いられる状況に応じて設定されてよい。
本実施形態に示されるシステムでは、上記図6から図9に示された電界強度蓄積処理の何れかが実行されることによって、KIOSK端末3が配置されたエリア近傍においてメッシュ状ネットワーク92に参加している端末(ユーザ端末5およびKIOSK端末3)の電界強度関連情報が、電界強度関連情報データベース2に蓄積される。ここで、KIOSK端末3もメッシュ状ネットワーク92を構成する端末の一種であるため、KIOSK端末3の端末識別子も、KIOSK端末3に係る電界強度関連情報と併せて、電界強度関連情報データベース2に蓄積される。
図10は、本実施形態に係る電界強度関連情報データベース2の構成を示す図である。電界強度関連情報データベース2には、端末間の電界強度、電界強度が取得された日時(即ち、電界強度の取得に係る通信が行われた日時)、電界強度を取得した端末(即ち、電界強度を測定した側の端末)の端末識別子、相手方の端末(即ち、電界強度の測定対象となった端末)の端末識別子、電界強度関連情報の通知を受けたKIOSK端末3の端末識別子、相手方の端末までのKIOSK端末3からのホップ数、が蓄積される。
本実施形態では、シーケンス図を用いて説明した上記方法によって、メッシュ状ネットワーク92に参加している端末に係る電界強度関連情報が蓄積されることで、蓄積された情報を用いて端末間の推定距離を算出し、更に、算出された端末間の推定距離を用いて、端末の相対的な位置関係、または端末の位置が示された地図情報を生成することが可能となる。電界強度を用いた端末間の推定距離の算出については、従来提案されている様々な方法が採用可能であるため、説明を省略する。以下、図11から図13を参照して、短距離無線通信モジュール52、32を備えた端末によって構成されるメッシュ状ネットワーク92において、端末の地図情報を生成する方法について説明する。
<地図情報生成>
図11は、本実施形態における地図情報生成処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、例えば、電界強度関連情報データベース2に蓄積されている最新の電界強度関連情報を用いて定期的に実行される。但し、本フローチャートに示された処理が実行されるタイミングは、定期的なものに限定されない。本フローチャートに示された処理は、例えば、ユーザや管理者からの指示に従って実行されることとしてもよい。
ステップS501およびステップS502では、基準端末が指定され、基準端末から所定のホップ数以内にある端末が抽出される。管理サーバ1は、電界強度関連情報データベース2に蓄積された端末識別子から、1の端末識別子を指定することで、端末同士の相対位置関係を算出するための基準となる端末(以下、「基準端末」)を指定する(ステップS501)。そして、管理サーバ1は、電界強度関連情報データベース2に蓄積されたホップ数の情報を用いて、各端末の基準端末からの最小ホップ数を算出し、基準端末から所定のホップ数(例えば、1ホップ)以内にある端末の端末識別子を抽出する(ステップS502)。
なお、ステップS501において指定される基準端末は、KIOSK端末3であってもよいし、ユーザ端末5であってもよい。但し、本実施形態では、KIOSK端末3を介して電界強度関連情報が収集されており、電界強度関連情報データベース2に蓄積されているホップ数もKIOSK端末3からのホップ数である。このため、KIOSK端末3を基準端末とすることで、より少ない処理量で端末の抽出を行うことが出来る。
ステップS503およびステップS504では、各端末間の推定距離が算出され、各端末の相対的な位置関係が算出される。管理サーバ1の距離算出部22は、基準端末と、ステップS502において抽出された端末とを含む各端末の夫々の間の推定距離を、電界強度関連情報データベース2に蓄積された、各端末間の電界強度を用いて算出する(ステップS503)。そして、管理サーバ1の相対位置関係特定部23は、算出された端末間の推定距離を用いて、端末間の相対的な位置関係を算出する(ステップS504)。
図12は、本実施形態において端末間の相対的な位置関係を算出する際の概念を示す図である。図12に示した例では、例えば、端末A−B間、端末B−C間、端末C−A間の推定距離を適用することで、端末A、BおよびCからなる三角形を特定可能であることが分かる。三角形を特定したのみでは、ある端末から見て他の2つの端末のどちらが左側でどちらが右側なのかまでは特定出来ないが、更に、端末A−D間、端末B−D間、端末C−D間の推定距離を適用することで、ある端末から見た他の端末の左右の関係も含めて、端末間の相対的な位置関係が特定出来る。即ち、基準端末と抽出された端末とが合わせて4つ以上存在し、これらの端末間の推定距離が全て判明すれば、端末間の相対的な位置関係を特定することが出来る。
なお、図12に示された端末を示す円は、その大きさによってその端末の位置の確度を
示している。これは、ユーザ端末5が位置を移動する端末であり、相対的な位置関係が時間の経過によって変化することによる。端末を示す円は、その端末に係る電界強度が取得された日時からの経過時間が長くなるほど大きくなり、所定以上の大きさになった場合(即ち、電界強度の取得日時から所定以上の時間が経過した場合)、相対位置関係特定部23は、当該端末に係る電界強度関連情報を、相対的な位置関係の特定に用いない。
図13は、本実施形態において端末間の相対的な位置関係を算出する方法のバリエーションを示す図である。図12を用いて説明した通り、例えば、端末A−B間、端末B−C間、端末C−A間の推定距離を適用して、端末A、BおよびCからなる三角形を特定したとしても、三角形を特定したのみでは、ある端末から見た他の端末の左右の関係は特定出来ない。ここで、4つ目の端末に係る推定距離を適用する図12の方法に代えて、ホップ数を参照して端末の位置関係を推定する方法が採用されてもよい。例えば、図13に示した例において、端末BからKIOSK端末3までのホップ数と、端末CからKIOSK端末3までのホップ数とを比較することで、KIOSK端末3までのホップ数の少ない端末がよりKIOSK端末3に近い側に位置していると推定することが出来る。即ち、このような推定をおこなうことで、基準端末と抽出された端末とが合わせて4つ以上存在しない場合にも、端末の左右の関係も含めて、端末間の相対的な位置関係を特定することが出来る。
但し、電界強度関連情報データベース2に蓄積された、各端末間の電界強度を用いて相対距離を算出し、算出された相対距離を用いて端末間の相対的な位置関係を算出するための手法には、その他の様々な手法が採用されてよい。
ステップS505およびステップS506では、相対的な位置関係の算出が完了したか否かが判定され、完了していない場合には、基準端末が変更される。管理サーバ1は、所定の基準に基づいて、相対的な位置関係の算出が完了したか否かを判定する(ステップS505)。算出が完了していないと判定された場合、更に別の端末群における相対的な位置関係を算出するため、基準端末が変更される(ステップS506)。基準端末が変更されると、その後、処理はステップS502へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、相対的な位置関係の算出が完了したと判定されるまで、基準端末を変更しながら、電界強度関連情報データベース2に蓄積された端末の相対的な位置関係が算出される。なお、ステップS502において抽出された端末の何れか(即ち、変更前の基準端末から1ホップの位置にある端末)を、ステップS506において新たに指定される基準端末とすることで、徐々に範囲を広げながら、相対的な位置関係を算出することが出来る。
一方、相対的な位置関係の算出が完了したと判定された場合、処理はステップS507へ進む。算出が完了したと判定するための基準は、実施の形態に応じて適宜設定されてよい。例えば、電界強度関連情報データベース2に蓄積された全ての端末についての相対的な位置関係の算出が完了したことを、算出完了を判定するための基準としてもよいし、KIOSK端末3等の所定の端末から所定のホップ数までの端末についての相対的な位置関係の算出が完了したことを、算出完了を判定するための基準としてもよい。
ステップS507およびステップS508では、各端末の位置情報を含む地図情報が生成される。管理サーバ1は、ステップS501からS506に示した処理で算出された、各端末の相対的な位置関係に含まれる端末のうち、位置(本実施形態では、緯度および経度)が把握されている端末について、これらの端末の位置情報(緯度経度)を位置情報データベースから取得する(ステップS507)。上述の通り、本実施形態では、KIOSK端末3が位置に対して固定的に設置されており、その位置情報が、位置情報データベースに予め登録されている。そして、管理サーバ1の地図情報生成部24は、取得された位置情報を、ステップS501からS506の処理によって得られた相対的な位置関係に代
入することによって、位置関係が判明している各端末の位置(緯度経度)を算出する。そして、地図情報生成部24は、算出された各端末の位置情報(緯度および経度)を、対応する端末識別子と関連付けることで、地図情報を生成する(ステップS508)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
なお、上記説明した実施形態では、KIOSK端末3が位置に対して固定的に設置されており、その位置情報を用いて地図情報を生成することとしているが、ユーザ端末5の一部にGPS等を用いた測位機能を持たせ、この測位機能によって測定された位置情報を用いて、地図情報を生成することとしてもよい。このような方法は、ユーザ端末5として、測位機能を持たない上述の腕時計型のユーザ端末5と、測位機能を有するスマートフォン等のユーザ端末5とが混在する場合に有用である。
<効果>
本実施形態に係るシステムによれば、相互に短距離無線通信が可能な複数の端末によって構成されるメッシュ状ネットワーク92において、端末間の距離の推定に用いることが可能な電界強度を効果的に収集することが可能となり、また、このようにして収集された電界強度に係る情報を用いて、ネットワークを構成する複数の端末の相対的な位置関係を特定することや、地図情報を生成すること(絶対位置を特定すること)が可能となる。
1 管理サーバ
2 電界強度関連情報データベース
3 KIOSK端末
5 ユーザ端末

Claims (12)

  1. 他端末との間の無線通信によって所定のパケットを受信する受信手段と、
    前記無線通信に係る電界強度を取得する電界強度取得手段と、
    前記所定のパケットが受信されると、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を含む送信用パケットを生成するパケット生成手段と、
    生成された送信用パケットを送信する送信手段と、
    を備える情報処理端末。
  2. 前記受信手段は、第一の端末によって送信された前記所定のパケットを受信し、
    前記送信手段は、前記送信用パケットを、前記第一の端末と異なる第二の端末に対して送信する、
    請求項1に記載の情報処理端末。
  3. 前記パケット生成手段は、前記受信手段によって受信された前記所定のパケットに、前記電界強度および端末識別子を追記することで、前記送信用パケットを生成する、
    請求項1または2に記載の情報処理端末。
  4. 前記受信手段によって前記所定のパケットが受信されるまでの経由端末数を取得する経由端末数取得手段を更に備え、
    前記送信手段は、前記経由端末数が予め設定された上限未満である場合に、前記送信用パケットを送信する、
    請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理端末。
  5. 該情報処理端末との間で直接無線通信可能な通信可能圏内に存在する端末の端末識別子を収集する収集手段を更に備え、
    前記パケット生成手段は、前記収集手段によって収集された端末識別子を更に含む前記送信用パケットを生成する、
    請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理端末。
  6. 他の端末との間の無線通信に係る電界強度を含むパケットを生成して送信する機能を有する端末によって送信されたパケットから、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を取得し、蓄積する蓄積手段と、
    蓄積された電界強度および端末識別子を用いて、端末識別子に係る端末間の推定距離を算出する距離算出手段と、
    を備える情報処理システム。
  7. 前記距離算出手段によって算出された、4以上の端末に係る夫々の端末間の推定距離を用いて、前記4以上の端末同士の相対的な位置関係を特定する相対位置関係特定手段を更に備える、
    請求項6に記載の情報処理システム。
  8. 位置情報を取得可能な端末の位置情報と、前記相対位置関係特定手段によって特定された端末同士の相対的な位置関係とを用いて、相対的な位置関係が特定された端末の位置を算出し、地図情報を生成する地図情報生成手段を更に備える、
    請求項7に記載の情報処理システム。
  9. 無線通信モジュールを備えるコンピュータが、
    前記無線通信モジュールを用いた、他端末との間の無線通信によって所定のパケットを受信する受信ステップと、
    前記無線通信に係る電界強度を取得する電界強度取得ステップと、
    前記所定のパケットが受信されると、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を含む送信用パケットを生成するパケット生成ステップと、
    生成された送信用パケットを送信する送信ステップと、
    を実行する情報処理方法。
  10. コンピュータが、
    他の端末との間の無線通信に係る電界強度を含むパケットを生成して送信する機能を有する端末によって送信されたパケットから、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を取得し、蓄積する蓄積ステップと、
    蓄積された電界強度および端末識別子を用いて、端末識別子に係る端末間の推定距離を算出する距離算出ステップと、
    を実行する情報処理方法。
  11. 無線通信モジュールを備えるコンピュータを、
    前記無線通信モジュールを用いた、他端末との間の無線通信によって所定のパケットを受信する受信手段と、
    前記無線通信に係る電界強度を取得する電界強度取得手段と、
    前記所定のパケットが受信されると、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を含む送信用パケットを生成するパケット生成手段と、
    生成された送信用パケットを送信する送信手段と、
    として機能させるためのプログラム。
  12. コンピュータを、
    他の端末との間の無線通信に係る電界強度を含むパケットを生成して送信する機能を有する端末によって送信されたパケットから、前記電界強度および該電界強度に係る端末の端末識別子を取得し、蓄積する蓄積手段と、
    蓄積された電界強度および端末識別子を用いて、端末識別子に係る端末間の推定距離を算出する距離算出手段と、
    として機能させるためのプログラム。
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