JP2013127526A - レジストパターン形成方法及びレジスト組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細パターンを形成するのに有用なレジストパターン形成方法、及びこれに用いるレジスト組成物の提供。
【解決手段】支持体1上に、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を有するレジスト膜2を形成する工程と、レジスト膜2を露光し、前記会合構造を破壊して前記酸性基を露出させる工程と、レジスト膜2を、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程とを含むレジストパターン形成方法、及びこれに用いるレジスト組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、レジストパターン形成方法、及びこれに用いるレジスト組成物に関する。
基板の上に微細なパターンを形成し、これをマスクとしてエッチングを行うことによって該パターンの下層を加工する技術(パターン形成技術)は、半導体素子や液晶表示素子の製造において広く採用されている。微細パターンは、通常、有機材料からなり、例えばリソグラフィー法やナノインプリント法等の技術によって形成される。たとえばリソグラフィー法においては、基板等の支持体の上に、樹脂等の基材成分を含むレジスト材料を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。そして、上記レジストパターンをマスクとして、基板をエッチングにより加工する工程を経て半導体素子等が製造される。
前記レジスト材料はポジ型とネガ型とに分けられ、露光した部分の現像液に対する溶解性が増大するレジスト材料をポジ型、露光した部分の現像液に対する溶解性が低下するレジスト材料をネガ型という。
前記現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液等のアルカリ水溶液(アルカリ現像液)が用いられている。また、芳香族系溶剤、脂肪族炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アミド系溶剤、アルコール系溶剤等の有機溶剤を現像液として用いることも行われている(たとえば特許文献1、2参照)。
近年、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEB(電子線)、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として化学増幅型レジストが知られている。
化学増幅型レジストとしては、一般的に、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する組成物が用いられている。たとえば現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、基材成分として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものが用いられている。
従来、化学増幅型レジスト組成物の基材成分としては主に樹脂(ベース樹脂)が用いられている。現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主流である。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
該ベース樹脂は、一般的に、リソグラフィー特性等の向上のために、複数の構成単位を含有している。たとえば、酸発生剤から発生した酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる酸分解性基を有する構成単位とともに、ラクトン構造を有する構成単位、水酸基等の極性基を有する構成単位等が用いられている(たとえば特許文献3参照)。ベース樹脂がアクリル系樹脂である場合、前記酸分解性基としては、一般的に、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基を第三級アルキル基、アセタール基等の酸解離性基で保護したものが用いられている。
解像性の更なる向上のための手法の1つとして、露光機の対物レンズと試料との間に、空気よりも高屈折率の液体(液浸媒体)を介在させて露光(浸漬露光)を行うリソグラフィー法、所謂、液浸リソグラフィー(Liquid Immersion Lithography。以下「液浸露光」ということがある。)が知られている(たとえば非特許文献1参照)。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は、既存の露光装置を応用して行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光は、あらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
最近提案されているリソグラフィー技術の1つとして、パターニングを2回以上行ってレジストパターンを形成するダブルパターニングプロセスがある(たとえば非特許文献2、3参照)。ダブルパターニングプロセスにはいくつかの方法があり、たとえば、(1)リソグラフィー工程(レジスト組成物の塗布から露光、現像まで)およびエッチング工程を2回以上繰り返してパターンを形成する方法、(2)リソグラフィー工程を続けて2回以上繰り返す方法等がある。ダブルパターニングプロセスによれば、同じ露光波長の光源を用いても、また、同じレジスト組成物を用いても、1回のリソグラフィー工程で形成する場合(シングルパターニング)よりも高解像性のレジストパターンを形成することが可能である。また、ダブルパターニングプロセスは、既存の露光装置を用いて行うことができる。
また、レジスト膜を形成後、該レジスト膜に対して露光を2回以上行い、現像してレジストパターンを形成する二重露光法も提案されている(たとえば特許文献4参照)。この二重露光法によれば、上述したダブルパターニングプロセスと同様、高解像性のレジストパターンを形成することが可能であり、また、ダブルパターニングに比べて工程数が少ないという利点がある。
ポジ型の化学増幅型レジスト組成物、つまり露光によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する化学増幅型レジスト組成物と、アルカリ現像液と、を組み合わせたポジ型現像プロセスは、ネガ型の化学増幅型レジスト組成物とアルカリ現像液とを組み合わせたネガ型現像プロセスに比べて、フォトマスクの構造を単純にできる、形成されるパターンの特性が優れる等の利点がある。そのため、現在、微細なレジストパターンの形成には、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物とアルカリ現像液とを組み合わせたポジ型現像プロセスが主に用いられている。
特開平06−194847号公報 特開2009−025723号公報 特開2003−241385号公報 特開2010−040849号公報
プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE),第5754巻,第119−128頁(2005年). プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE),第5256巻,第985〜994頁(2003年). プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE),第6153巻,第615301−1〜19頁(2006年).
近年、リソグラフィー技術のさらなる進歩、応用分野の拡大等が進むなか、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物とアルカリ現像液とを組み合わせたポジ型現像プロセスにも、種々のリソグラフィー特性の改善がよりいっそう求められる。
当該ポジ型現像プロセスを適用する場合、化学増幅型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、レジスト膜の露光部は、ベース樹脂中の酸分解性基が酸発生剤等から発生した酸の作用により分解して、アルカリ現像液に対して難溶性から可溶性へ転じる一方で、レジスト膜の未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間で溶解コントラストをつけることができ、ポジ型レジストパターンを形成できる。
しかしながら、当該ポジ型現像プロセスを適用して、より微細なパターン(孤立トレンチパターン、微細かつ密集したコンタクトホールパターン等)を形成しようとすると、レジスト膜の露光部の、特に膜厚方向で、光学強度の弱い領域が生じてレジストパターンの解像性が低下しやすい。
上記のような微細パターン形成には、光学強度の弱い領域が選択的に溶解除去されて形成するレジストパターン(ネガ型パターン)形成方法が有用である。主流であるポジ型現像プロセスで用いられる化学増幅型レジスト組成物を用いてネガ型パターンを形成する方法としては、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)と組み合わせたネガ型現像プロセスが知られている。
当該ネガ型現像プロセスを適用する場合、化学増幅型レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、レジスト膜の露光部は、ベース樹脂中の酸分解性基が酸発生剤等から発生した酸の作用により分解して、有機系現像液に対して可溶性から難溶性へ転じる一方で、レジスト膜の未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間で溶解コントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンを形成できる。
しかしながら、当該ネガ型現像プロセスでは、露光によってレジスト膜の露光部を充分に難溶化させることが難しい。
これに対し、レジスト膜の露光部と未露光部との間で良好な溶解コントラストが得られやすく、微細なパターンを形成できる新規なレジストパターン形成方法が求められる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微細パターンを形成するのに有用なレジストパターン形成方法、及びこれに用いるレジスト組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、これまでの、酸分解性基を有する構成単位を有するベース樹脂を用いてレジスト膜を成膜し、該酸分解性基の分解反応を経ることによってレジストパターンを形成する代わりに、基材成分中の酸性基と会合構造を形成させることでレジスト膜を成膜し、該会合構造を露光によって破壊することでレジスト膜露光部の有機系現像液に対する溶解性をコントロールすることによってレジストパターンを形成し得る方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の態様は、支持体上に、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を有するレジスト膜を形成する工程(1)と、前記レジスト膜を露光し、前記会合構造を破壊して前記酸性基を露出させる工程(2)と、前記レジスト膜を、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程(3)とを含むことを特徴とするレジストパターン形成方法である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様のレジストパターン形成方法に用いられるレジスト組成物であって、酸性基を有する基材成分と、光吸収性を有するカチオンを有し、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物とを含有し、前記酸性基と前記光吸収性を有するカチオンとが会合構造を形成し得ることを特徴とするレジスト組成物である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。「フッ素化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
「ヒドロキシアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部が水酸基で置換された基である。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明によれば、微細パターンを形成するのに有用なレジストパターン形成方法、及びこれに用いるレジスト組成物を提供できる。
ポジ型レジストパターンが形成される、本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態例を説明する概略工程図である。 図1に示す実施形態についての、露光前後におけるレジスト膜中の「酸性基としてフェノール性水酸基を有する基材成分」と「光吸収性を有するカチオンとアニオンとからなり該酸性基(フェノール性水酸基)と会合構造を形成し得るイオン性化合物」の存在状態を示す模式図である。 実施例1のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例2のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例3のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例4のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 比較例1のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 比較例2のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 比較例3のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例1のレジスト組成物と、現像液として4−メチル−2−ペンタノールとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例2のレジスト組成物と、現像液として4−メチル−2−ペンタノールとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例3のレジスト組成物と、現像液として4−メチル−2−ペンタノールとを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例1のレジスト組成物と、現像液としてアルカリ現像液とを用いた場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例1のレジスト組成物と、現像液として酢酸ブチルとを用い、PEB処理を施さない場合における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフである。 実施例1のレジスト組成物を用いた際の、露光前後におけるレジスト膜中の(A)成分と(C)成分の存在状態を示す模式図である。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を有するレジスト膜を形成する工程(1)と、前記レジスト膜を露光し、前記会合構造を破壊して前記酸性基を露出させる工程(2)と、前記レジスト膜を、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程(3)とを含む。
本発明のレジストパターン形成方法においては、レジスト組成物を支持体上に塗布し、酸性基と、光吸収性を有するカチオンと、の会合構造を形成させてレジスト膜を成膜する。該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、該レジスト膜の露光部にて、前記会合構造を形成していた前記カチオンが光吸収により分解し、前記会合構造を形成していた前記酸性基が露出し、レジスト膜露光部の有機系現像液に対する溶解性が変化する。一方、該レジスト膜の未露光部は、有機系現像液に対する溶解性が変化しない。これにより、レジスト膜の露光部と未露光部との間で有機系現像液に対する溶解性の差が生じる。そのため、有機系現像液を用いた現像により、前記レジスト組成物がポジ型の場合、レジスト膜の露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンが形成され;前記レジスト組成物がネガ型の場合、レジスト膜の未露光部が溶解除去されてネガ型レジストパターンが形成される。
なお、本明細書においては、レジスト膜の露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、レジスト膜の未露光部が溶解除去されてネガ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。前記工程(1)で用いられるレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
本発明において、「酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造」とは、酸性基と該カチオンとが相互に作用し合うことで形成する塩(複合体)を意味する。
本発明のレジストパターン形成方法においては、前記工程(1)で、前記酸性基を有する基材成分と、前記光吸収性を有するカチオンを有し、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物とを含有するレジスト組成物を用いて、支持体上にレジスト膜を形成することが好ましい。さらに、前記基材成分が、酸の作用により分解する構造を含まないことが好ましい。
かかるレジスト組成物の詳細については後述する。
以下、本発明のレジストパターン形成方法について、図面を参照しながら説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、ポジ型レジストパターンが形成される、本発明のレジストパターン形成方法の一実施形態例を示す。
本実施形態では、酸性基としてフェノール性水酸基を有する基材成分と、該酸性基(フェノール性水酸基)と会合構造を形成し得る、光吸収性を有するカチオンとアニオンとからなるイオン性化合物と、を含有するレジスト組成物が用いられている。
まず、図1(a)に示すように、前記レジスト組成物を支持体1上に塗布して成膜する。該レジスト組成物を支持体1上に塗布すると、基材成分中の酸性基とイオン性化合物中のカチオンとの会合構造が形成されてレジスト膜2が成膜する(工程(1);図1(a))。
次に、前記で形成されたレジスト膜2を、図1(b)に示すように、所定のパターンが形成されたフォトマスク3を介して露光する(工程(2);図1(b))。
該露光により、レジスト膜2のうち、露光された領域(露光部2a)では、前記会合構造を形成していた前記カチオンが露光光を吸収して分解し、前記会合構造を形成していた前記酸性基が露出する。この結果、露光部2aの有機系現像液に対する溶解性が増大する。一方、未露光部2bの有機系現像液に対する溶解性は変化しないか、変化してもその変化量がわずかである。これにより、露光部2aと未露光部2bとの間に有機系現像液に対する溶解速度の差(溶解コントラスト)が生じる(工程(2);図1(c))。
その後、有機系現像液による現像を行う。これにより、レジスト膜2の露光部2aが有機系現像液に溶解除去され、未露光部2bが残膜し、その結果、図1(d)に示すように、支持体1上に、離間配置された複数のレジストパターン2b、2bから構成されるポジ型レジストパターンが形成される(工程(3);図1(d))。
[工程(1)]
工程(1)では、支持体1上に、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を有するレジスト膜2を形成する。
図2は、図1に示す実施形態についての、露光前後におけるレジスト膜中の「酸性基としてフェノール性水酸基を有する基材成分」と「光吸収性を有するカチオンとアニオンとからなり該酸性基(フェノール性水酸基)と会合構造を形成し得るイオン性化合物」の存在状態を示す模式図である。図2(a)は露光前のレジスト膜中の各成分の存在状態、図2(b)は露光後のレジスト膜中の各成分の存在状態をそれぞれ示す。図2中、Rは置換基を示し、tは0〜4の整数である。
図2(a)に示すように、本実施形態では、レジスト組成物を支持体1上に塗布して乾燥すると、基材成分中の酸性基(フェノール性水酸基)と、イオン性化合物(Y)との間で相互作用が働き、塩に近い形態の会合構造が形成されてレジスト膜2が成膜する。この会合構造は、有機系現像液に対して難溶性を示す。
支持体1としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体1としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよく、有機系の膜が設けられたものが好ましい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層膜が挙げられる。特に、有機膜が設けられていると、基板上に、高アスペクト比のパターンを容易に形成でき、半導体の製造等において有用である。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層膜)と、少なくとも一層のレジスト膜とを設け、上層のレジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。多層レジスト法には、基本的に、上層のレジスト膜と下層膜との二層構造とする方法と、これらのレジスト膜と下層膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法と、に分けられる。多層レジスト法によれば、下層膜により所要の厚みを確保することにより、レジスト膜を薄膜化し、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
無機系の膜は、たとえばシリコン系材料などの無機系の反射防止膜組成物を基板上に塗工し、焼成等することにより形成できる。
有機系の膜は、たとえば、当該膜を構成する樹脂成分等を有機溶剤に溶解した有機膜形成用材料を、基板上にスピンナー等で塗布し、好ましくは200〜300℃、好ましくは30〜300秒間、より好ましくは60〜180秒間の加熱条件でベーク処理することにより形成できる。このとき用いられる有機膜形成用材料は、レジスト膜のような、光や電子線に対する感受性を必ずしも必要とするものではなく、該感受性を有するものであってもよく、有さないものであってもよい。具体的には、半導体素子や液晶表示素子の製造において一般的に用いられているレジストや樹脂を用いることができる。
また、レジストパターンを用いて有機膜をエッチングすることにより、レジストパターンを有機膜へ転写し、有機膜パターンを形成できるように、有機膜形成用材料は、エッチング、特にドライエッチング可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。中でも、酸素プラズマエッチング等のエッチングが可能な有機膜を形成できる材料であることが好ましい。このような有機膜形成用材料としては、従来、有機BARCなどの有機膜を形成するために用いられている材料であってよい。例えば、ブリューワサイエンス社製のARCシリーズ、ロームアンドハース社製のARシリーズ、東京応化工業社製のSWKシリーズなどが挙げられる。
レジスト組成物を、支持体1上に塗布してレジスト膜2を成膜する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法により成膜できる。
たとえば、レジスト組成物を、スピンコーターを用いたスピンコート法、バーコーターを用いたバーコート法等の従来公知の方法を用いて支持体1上に塗布し、クーリングプレート上等での常温での乾燥、又はプレベーク(PAB)を行うことにより、レジスト膜2を成膜できる。
プレベーク処理を行う場合、温度条件は80〜150℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。ベーク処理の時間は40〜120秒間が好ましく、より好ましくは60〜90秒間である。プレベークを行うことにより、レジスト膜厚が厚膜に設定される場合でも有機溶剤を揮発させやすい。
レジスト組成物の乾燥を常温で行い、プレベークを行わないことにより、レジストパターン形成の工程数を削減することができる。
プレベークの有無については、用いるレジスト組成物の材料や、形成するパターンのターゲットから、上記利点等を鑑みて、適宜決定すればよい。
工程(1)で成膜されるレジスト膜2の膜厚は、好ましくは50〜500nm、より好ましくは50〜450nmである。この範囲内とすることにより、レジストパターンを高解像度で形成できる、エッチングに対する充分な耐性が得られる等の効果がある。
また、プレベークを行わない場合であれば、工程(1)で形成されるレジスト膜2の膜厚は、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは200nm以下である。レジスト膜2の膜厚が好ましい上限値以下であれば、常温下でのスピンコート等による塗布方法によっても、有機溶剤が残存しにくく乾燥しやすくなり、レジスト膜2の膜厚均一性(支持体1の面内均一性)が高まる。
[工程(2)]
工程(2)では、レジスト膜2を露光し、前記会合構造(酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造)を破壊して前記酸性基を露出させる。
本実施形態では、レジスト膜2を所定のパターンが形成されたフォトマスク3を介して露光すると、露光部2aにおいて、イオン性化合物(Y)のカチオン部(Y)が光吸収により分解する。そして、図2(b)に示すように、前記会合構造(酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造)を形成していた酸性基(フェノール性水酸基)が露出する。この酸性基(フェノール性水酸基)が露出したレジスト膜2は、有機系現像液に対して可溶性を示す。一方、未露光部2bは、前記会合構造(酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造)が維持されており、有機系現像液に対して難溶性を示す。すなわち、露光により、露光部2aの有機系現像液に対する溶解性が増大する一方、未露光部2bの有機系現像液に対する溶解性は変化しないか、変化してもその変化量はわずかである。これにより、露光部2aと未露光部2bとの間で、有機系現像液に対する溶解コントラストが得られる。
露光量は、露光部2aに存在するイオン性化合物(Y)のカチオン部(Y)が光吸収により分解し得る程度であればよい。
露光に用いる波長は、特に限定されず、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。微細なレジストパターンを形成しやすいことから、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーが好ましい。
フォトマスク3としては、特に限定されず、公知のものを利用でき、たとえば、遮光部の透過率が0%のバイナリーマスク(Binary−Mask)や、遮光部の透過率が6%のハーフトーン型位相シフトマスク(HT−Mask)を用いることができる。なお、ハーフトーン型位相シフトマスクにより選択的に未露光部を形成してもよい。
バイナリーマスクは、一般的には石英ガラス基板上に、遮光部としてクロム膜、酸化クロム膜等が形成されたものが用いられる。
位相シフトマスクは、光の位相を変化させる部分(シフタ)が設けられたフォトマスクである。そのため、位相シフトマスクを用いることにより、未露光部への光の入射を抑制でき、未露光部と露光部との間の対現像液溶解コントラストが向上する。位相シフトマスクとしては、ハーフトーン型位相シフトマスクの他に、レベンソン型位相シフトマスク等も挙げられる。これらの位相シフトマスクはそれぞれ市販のものが利用できる。ハーフトーン型位相シフトマスクとして、具体的には、一般的には石英ガラス基板上に、透過率が数〜10%程度(一般的には6%)の遮光部(シフタ膜)としてMoSi(モリブデン・シリサイド)膜、クロム膜、酸化クロム膜、酸窒化シリコン膜等が形成されたものが挙げられる。
なお、本実施形態では、フォトマスク3を介して露光を行っているが、本発明はこれに限定されず、フォトマスク3を介さない露光を行ってもよい。
レジスト膜2の露光は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)により行ってもよく、液浸媒体を介しての露光(液浸露光)により行ってもよい。なかでも、本工程(2)は、より高解像性のレジストパターンを形成できることから、液浸媒体を介して露光する工程であることが好ましい。
液浸露光では、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズと支持体1上のレジスト膜2との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光を行う。
より具体的には、液浸露光は、上記のようにして得られたレジスト膜2と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で、所望のフォトマスク3を介して露光(浸漬露光)することによって実施できる。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ、当該浸漬露光によって露光されるレジスト膜2の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ、レジスト膜2の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体を、簡便な方法で除去できることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物として具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
本実施形態では、これまでのような基材成分中の酸分解性基の分解反応を経ることがなく、露光のみで露光部2aの有機系現像液に対する溶解性が変化し得ることから、レジスト膜2を露光した後のベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を必ずしも行う必要がない(後述の実施例におけるコントラスト評価(4)、図14)。PEB処理を行わない場合、レジスト膜2を成膜した後、工程(2)以降の操作をそれぞれ常温(好ましくは23℃付近)に温調して行うことが好ましい。
PEB処理を行う場合、ベークの温度条件は50〜200℃程度が好ましく、80〜150℃程度がより好ましく、90〜130℃程度がさらに好ましい。ベーク処理の時間は10〜300秒間が好ましく、より好ましくは40〜120秒間、さらに好ましくは60〜90秒間である。
工程(2)での露光後、工程(3)で現像するまで、常温(好ましくは23℃付近)での引き置き時間を任意に設けてもよい。
[工程(3)]
工程(3)では、レジスト膜2を、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)を用いて現像する。
本実施形態では、有機系現像液による現像により、露光部2aが有機系現像液に溶解除去され、未露光部2bが残膜してポジ型レジストパターンが形成する。
現像に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができ、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤が好ましい。エステル系溶剤のなかでは、アセテート系溶剤が特に好ましい。
本実施形態のように、酸性基としてフェノール性水酸基を有する基材成分を含有するレジスト組成物を用いてポジ型レジストパターンを形成する場合、有機系現像液が含有する有機溶剤としては、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及び2−ヘプタノンからなる群より選択される1種以上が好適なものとして挙げられる。
なお、酸性基としてフェノール性水酸基を有する基材成分を含有するレジスト組成物を用いてネガ型レジストパターンを形成する場合、有機系現像液が含有する有機溶剤としては、n−ヘプタン、ジブチルエーテル等が好適なものとして挙げられる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコーン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法により実施でき、該方法としてはたとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出し続ける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。リンス液が含有する有機溶剤としては、たとえば前記有機系現像液が含有する有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。該方法としては、たとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
前記現像処理またはリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
現像処理後またはリンス処理後、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。
本発明のレジストパターン形成方法は、図1に示す実施形態(ポジ型レジストパターンを形成する態様)以外の方法でもよく、ネガ型レジストパターンを形成する態様なども包含する。
たとえば、酸性基としてカルボキシ基を有する基材成分を含有するレジスト組成物を用い、前述した工程(1)〜(3)の操作と同様にしてネガ型レジストパターンを形成する態様が挙げられる。この態様において、有機系現像液が含有する有機溶剤としては、酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、及び2−ヘプタノンからなる群より選択される1種以上が好適なものとして挙げられる。
なお、酸性基としてカルボキシ基を有する基材成分を含有するレジスト組成物を用いてポジ型レジストパターンを形成する場合、有機系現像液が含有する有機溶剤としては、プロピレングリコールメチルエーテル、乳酸エチル等が好適なものとして挙げられる。
以上説明したように、支持体1上に、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を有するレジスト膜2を形成し、露光し、該会合構造を破壊して前記酸性基を露出させ、有機系現像液で現像する、というレジストパターン形成方法によれば、レジスト膜の露光部と未露光部との間で良好な溶解コントラストが得られやすく、微細なパターンを形成できる。
かかる本発明のレジストパターン形成方法では、従来の方法と異なり、基材成分中の酸分解性基の露光による分解反応を経ることなく、つまり、露光により基材成分の極性は変化せず、有機系現像液に対して溶解コントラストが得られる。
具体的には、本発明のレジストパターン形成方法によれば、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を形成させることでレジスト膜を成膜し、露光により該会合構造を形成している前記カチオンを分解することによって、レジスト膜露光部の有機系現像液に対する溶解性がコントロールされ、レジスト膜の露光部と未露光部との間の有機系現像液に対する溶解性の差を大きく生じさせることができる。
このように、本発明のレジストパターン形成方法においては、新規なレジストパターン形成機構によって良好な溶解コントラストが得られ、微細なパターンを形成できる。
≪レジスト組成物≫
本発明のレジスト組成物は、前述した本発明のレジストパターン形成方法に用いられるレジスト組成物として好適なものであって、酸性基を有する基材成分と、光吸収性を有するカチオンを有し、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物とを含有し、前記酸性基と前記光吸収性を有するカチオンとが会合構造を形成し得るものである。
以下、該基材成分を(A)成分、該イオン性化合物を(C)成分ともいう。
本発明においては、(A)成分中の酸性基と有機系現像液との組合せにより、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンのどちらが形成されるのか、ということが決定される。
前述の図1に示した実施形態において用いられるレジスト組成物は、(A)成分としてフェノール性水酸基を有する基材成分と、(C)成分として前記フェノール性水酸基と会合構造を形成し得る、光吸収性を有するカチオンとアニオンとからなるイオン性化合物とを含有する。このレジスト組成物と有機系現像液との組合せによりポジ型レジストパターンが形成されている。すなわち、図1に示す実施形態において、かかるレジスト組成物はポジ型レジスト組成物である。なお、前述したように、かかるレジスト組成物は有機系現像液の種類によってネガ型レジスト組成物にもなり得る。
[基材成分;(A)成分]
本発明における(A)成分は、酸性基を有する基材成分である。
本発明において、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
「膜形成能」とは、その成分それ自体で、又は他の成分と会合構造を形成することで、膜を形成し得る特性をいう。
基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、「低分子化合物」という場合は、分子量が500以上4000未満の非重合体を示す。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。
本明細書及び本特許請求の範囲において「樹脂」という場合、分子量が1000以上の重合体を示す。
重合体の分子量としては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
本発明において、「酸性基」とは、Hを放出しやすい基を意味し、フェノール性水酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基;カルボキシ基などが例示される。
酸性基を有する基材成分(A)は、膜形成能を有し、(C)成分と会合構造を形成し得るものであればよく、樹脂成分であってもよく低分子化合物成分であってもよく、又はこれらの混合物であってもよい。
なかでも、レジスト膜が安定に形成されやすいことから、(A)成分としては、膜形成能を有し、(C)成分と会合構造を形成し得る樹脂成分であることが好ましい。
加えて、該樹脂成分は、酸性基を含む構成単位(以下この構成単位を「構成単位(a5)」という。)を有する高分子化合物(A1)(以下「(A1)成分」という。)を含有するものが好ましい。
・構成単位(a5)
本明細書において、構成単位(a5)は、酸性基を含む構成単位である。
酸性基としては、フェノール性水酸基(−OH)、スルホンアミド基(−SO−NH)、スルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)、電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基、カルボキシ基(−COOH)等が挙げられる。
酸性基としてカルボキシ基(−COOH)を含む構成単位としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基(炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等)で置換されていてもよいアクリル酸から誘導される構成単位を含む。該置換基であるハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基における、電子吸引性基としてはフッ素原子、酸素原子などが挙げられる。ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基が好ましく、このヒドロキシアルキル基として具体的には、炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部がヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。
構成単位(a5)は、水素原子の一部が酸性基で置換された炭化水素基を含む構成単位であることが好ましい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく芳香族炭化水素基であってもよい。
当該炭化水素基における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が挙げられる。
該脂肪族環式基(単環式基、多環式基)としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該脂肪族環式基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。
当該炭化水素基における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
当該炭化水素基における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基やヘテロアリールアルキル基)における芳香環から水素原子をさらに1つ除いた基等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環又は芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
構成単位(a5)としては、下記一般式(a5−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013127526
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Pは−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。Wは置換基としてカルボキシ基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、スルホンアミド基(−SO−NH)、スルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)及び電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の酸性基を有する炭化水素基、又は−COOHである。]
前記式(a5−1)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a5−1)中、Pは、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
前記式(a5−1)中、Wは、置換基としてカルボキシ基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、スルホンアミド基(−SO−NH)、スルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)及び電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の酸性基を有する炭化水素基、又は−COOHである。
「置換基として酸性基を有する炭化水素基」とは、炭化水素基に結合した水素原子の少なくとも一部が酸性基で置換されていることを意味する。
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
の炭化水素基における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)、脂肪族環式基(単環式基、多環式基;置換基を有していてもよい)が好適に挙げられ、これらの説明は上記と同様である。
の炭化水素基における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基(置換基を有していてもよい)であり、この説明は上記と同様である。
構成単位(a5)のなかで好適なものとして、より具体的には、
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基(炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等)で置換されていてもよいアクリル酸から誘導される構成単位、
下記一般式(a5−11)で表される構成単位、
下記一般式(a5−12)で表される構成単位等が挙げられる。
・・アクリル酸から誘導される構成単位
前記のアクリル酸から誘導される構成単位としては、前記式(a5−1)中のPが単結合であり、Wが−COOHである構成単位が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
01は置換基としてカルボキシ基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、スルホンアミド基(−SO−NH)、スルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)及び電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の酸性基を有する芳香族炭化水素基である。
02は−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。
02は置換基としてカルボキシ基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、スルホンアミド基(−SO−NH)、スルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)及び電子吸引性基で置換されたヒドロキシアルキル基からなる群より選択される少なくとも一種の酸性基を有する環状の炭化水素基である。]
・・一般式(a5−11)で表される構成単位
前記式(a5−11)中、Rは、前記式(a5−1)中のRの説明と同様である。
01における芳香族炭化水素基は、前記式(a5−1)中のWの炭化水素基における芳香族炭化水素基の説明と同様である。
以下に、一般式(a5−11)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013127526
・・一般式(a5−12)で表される構成単位
前記式(a5−12)中、Rは、前記式(a5−1)中のRの説明と同様である。
02は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
02における環状の炭化水素基は、前記式(a5−1)中のWについての説明の中で例示した脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、芳香族炭化水素基とそれぞれ同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(a5−12)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013127526
(A1)成分が有する構成単位(a5)は、1種単独であっても2種以上であってもよい。
上記の中でも、構成単位(a5)としては、(C)成分と会合構造を容易に形成しやすいことから、酸性基としてフェノール性水酸基(−OH)を含む構成単位が好ましい。
(A1)成分中、構成単位(a5)の割合は100モル%であってもよい。すなわち、(A1)成分として、構成単位(a5)の繰り返し単位からなるホモポリマーを用いることができる。
また、(A1)成分が構成単位(a5)とこれ以外の構成単位とからなる共重合体である場合、(A1)成分中、構成単位(a5)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位に対して5モル%以上であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましく、15〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a5)の割合が下限値以上であることにより、(C)成分との会合構造が形成されやすくなり、レジスト膜がより安定に成膜される。一方、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
・その他の構成単位
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、用途に応じ、上記の構成単位(a5)以外のその他の構成単位を有してもよい。
かかるその他の構成単位は、上述の構成単位に分類されない構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
かかるその他の構成単位としては、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)、−SO−含有環式基又はラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)、酸非解離性環式基を含む構成単位(a4)等が挙げられる。
・・構成単位(a1)
本明細書において、構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
本発明のレジスト組成物において、(A1)成分は、構成単位(a5)に加えて、さらに構成単位(a1)を有してもよい。
本発明においては、従来と異なり、基材成分中の酸分解性基の露光による分解反応を経ずにレジストパターンを形成できることから、ベース樹脂中に構成単位(a1)を有している必要はないが、要求されるリソグラフィー特性に応じて、構成単位(a5)に加えて、さらに構成単位(a1)を有する高分子化合物を用いてもよい。
構成単位(a1)における「酸分解性基」は、酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を酸解離性基で保護した基(たとえばOH含有極性基の水素原子を酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
「酸解離性基」は、酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、(A1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、有機系現像液に対する溶解性の変化が大きくなる。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記鎖状又は環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性基、脂肪族環式基を含有する酸解離性基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基又は多環式基であることを示す。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性基としては、たとえば、
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R14はアルキル基であり、gは0〜8の整数である。]
Figure 2013127526
[式中、R15およびR16は、それぞれ独立してアルキル基である。]
式(1−1)〜(1−9)中、R14のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−6)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
「アセタール型酸解離性基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基が形成される。
アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基または脂肪族環式基を表す。]
式(p1)中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013127526
[式中、R’、n、Yは上記と同じである。]
Yのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
アセタール型酸解離性基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり;R19は直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、酸分解性基を有するものであれば他の部位の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸分解性基を含む構成単位(a11)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a12)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a13)等が好適に挙げられる。
なかでも、ラフネス改善(ラインワイズラフネス、ラインエッジラフネスの低減)の点では構成単位(a11)が好ましく、露光光の吸収制御の点では構成単位(a12)又は構成単位(a13)が好ましい。
ここで、本明細書において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸、アクリル酸エステルをそれぞれα置換アクリル酸、α置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸とα置換アクリル酸とを包括して「(α置換)アクリル酸」、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
α置換アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
ヒドロキシスチレンは、ベンゼン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ベンゼン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ベンゼン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。水酸基の数が1つである場合は、ビニル基の結合位置のパラ4位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
「ビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位」とは、ビニル(ヒドロキシナフタレン)のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
・・・構成単位(a11):
構成単位(a11)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸分解性基を含む構成単位である。
構成単位(a11)としては、たとえば、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Xは酸解離性基であり;Yは2価の連結基であり;Xは酸解離性基である。]
一般式(a1−0−1)において、Rの炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
Rの炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基としては、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
は、酸解離性基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の基または原子)で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
前記Yにおける2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜6がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、脂環式炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、脂環式炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
前記脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記脂環式炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記Yにおける2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。
該芳香族炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香族炭化水素環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記Yの「ヘテロ原子を含む2価の連結基」におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−NH−C(=O)−、=N−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21及びY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記でYにおける「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。
としては、上記のなかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がさらに好ましい。
構成単位(a11)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R、R’、R’、n、YおよびYはそれぞれ前記と同じであり、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性基を表す。]’
式中、X’は、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
は、上述の一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
本発明においては、構成単位(a11)として、
下記の一般式(a1−0−11)〜(a1−0−15)でそれぞれ表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましく、
下記一般式(a1−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−13)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがより好ましい。
なかでも、式(a1−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが特に好ましい。
Figure 2013127526
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R21はアルキル基であり、R22は、当該R22が結合した炭素原子と共に脂肪族単環式基を形成する基であり、R23は分岐鎖状のアルキル基であり、R24は、当該R24が結合した炭素原子と共に脂肪族多環式基を形成する基であり、R25は炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。R15およびR16は、それぞれ独立してアルキル基である。Yは2価の連結基であり、Xは酸解離性基である。]
各式中、R、Y、Xについての説明は前記と同じである。
式(a1−0−11)中、R21のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
22が、当該R22が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、単環式基であるものと同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR22としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
式(a1−0−11)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−16)〜(a1−1−23)、(a1−1−27)、(a1−1−31)〜(a1−1−33)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、(a1−1−27)、(a1−1−31)〜(a1−1−33)で表される構成単位を包括する下記(a1−1−02)で表される構成単位が好ましい。また、下記(a1−1−02’)で表される構成単位も好ましい。
各式中、hは、1または2が好ましい。
Figure 2013127526
[式中、R、R21はそれぞれ前記と同じであり、hは1〜4の整数である。]
式(a1−0−12)中、R23の分岐鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた分岐鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、イソプロピル基が最も好ましい。
24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、多環式基であるものと同様のものが挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−26)、(a1−1−28)〜(a1−1−30)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−26)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−13)中、RおよびR24はそれぞれ前記と同様である。
25の直鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた直鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式(a1−0−13)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−1)〜(a1−1−3)、(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−13)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−1)、(a1−1−2)または(a1−1−9)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−14)中、RおよびR22はそれぞれ前記と同様である。R15およびR16は、それぞれ前記一般式(2−1)〜(2−6)におけるR15およびR16と同様である。
式(a1−0−14)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−35)、(a1−1−36)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−15)中、RおよびR24はそれぞれ前記と同様である。R15およびR16は、それぞれ前記一般式(2−1)〜(2−6)におけるR15およびR16と同様である。
式(a1−0−15)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−4)〜(a1−1−6)、(a1−1−34)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−2)で表される構成単位としては、前記式(a1−3)または(a1−4)で表される構成単位が挙げられ、特に式(a1−3)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−2)で表される構成単位としては、特に、式中のYが前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基であるものが好ましい。
かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a1−3−01)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−02)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−03)で表される構成単位などが挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、Rは前記と同じであり、R13は水素原子またはメチル基であり、R14はアルキル基であり、yは1〜10の整数であり、n’は0〜3の整数である。]
Figure 2013127526
[式中、Rは前記と同じであり、Y’およびY”はそれぞれ独立して2価の連結基であり、X’は酸解離性基であり、wは0〜3の整数である。]
式(a1−3−01)〜(a1−3−02)中、R13は、水素原子が好ましい。
14は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様である。
yは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a1−3−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−02)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−03)中、Y’、Y” における2価の連結基としては、前記一般式(a1−3)におけるYと同様のものが挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a1−3−03)で表される構成単位としては、下記一般式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位が好ましく、中でも、式(a1−3−03−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013127526
[式中、RおよびR14はそれぞれ前記と同じであり、a’は1〜10の整数であり、b’は1〜10の整数であり、n’は0〜3の整数である。]
式(a1−3−03−1)〜(a1−3−03−2)中、a’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が特に好ましい。
b’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
n’は1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−29)〜(a1−3−32)で表される構成単位が挙げられる。
・・・構成単位(a12):
構成単位(a12)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
水酸基の水素原子を置換する酸解離性基としては、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましく、アセタール型酸解離性基がより好ましい。
酸解離性基を含む置換基としては、酸解離性基と2価の連結基とから構成される基が挙げられる。2価の連結基としては、前記式(a1−0−2)中のYにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、特に、酸解離性基側の末端構造がカルボニルオキシ基である基が好ましい。この場合、該カルボニルオキシ基の酸素原子(−O−)に酸解離性基が結合していることが好ましい。
酸解離性基を含む置換基としては、R11’−O−C(=O)−で表される基、R11’−O−C(=O)−R12’−で表される基が好ましい。式中、R11’は酸解離性基であり、R12’は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。
11’における酸解離性基は、第3級アルキルエステル型酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましく、第3級アルキルエステル型酸解離性基がより好ましい。該第3級アルキルエステル型酸解離性基の好ましい例として、前述した−C(R71)(R72)(R73)で表される脂肪族分岐鎖状酸解離性基、式(1−1)〜(1−9)で表される基、式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
12’におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。R12’としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
・・・構成単位(a13):
構成単位(a13)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
構成単位(a13)において、水酸基の水素原子を置換する酸解離性基、酸解離性基を含む置換基としては、それぞれ、前記構成単位(a12)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
(A1)成分が構成単位(a1)を有する場合、構成単位(a1)は、1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対して10〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、パターン形状等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
中でも、構成単位(a5)における酸性基がフェノール性水酸基の場合、構成単位(a1)の割合は0〜10モル%であることが好ましく、0モル%であることがより好ましい。構成単位(a1)の割合が少ないほど、溶解コントラストが良好になる。
・・構成単位(a2)
(A1)成分は、構成単位(a5)、又は、構成単位(a5)と(a1)とに加えて、−SO−含有環式基又はラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)をさらに有することが好ましい。
構成単位(a2)における−SO−含有環式基又はラクトン含有環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高める上で有効なものである。
なお、前記構成単位(a5)又は(a1)がその構造中に−SO−含有環式基又はラクトン含有環式基を含むものである場合、該構成単位は構成単位(a2)にも該当するが、このような構成単位は構成単位(a5)又は(a1)に該当し、構成単位(a2)には該当しないものとする。
ここで、「−SO−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。−SO−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
−SO−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、4〜15であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO−含有環式基は、−SO−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO−含有脂肪族環式基である。
−SO−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO−または−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH−が−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH−CH−が−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素環は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素環は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素環としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
−SO−含有環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、A’は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、zは0〜2の整数であり、R27はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基である。]
前記一般式(3−1)〜(3−4)中、A’は、酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子である。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR27は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
27におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
−SO−含有環式基としては、上記の中でも、前記一般式(3−1)で表される基が好ましく、前記化学式(3−1−1)、(3−1−18)、(3−3−1)および(3−4−1)のいずれかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種を用いることがより好ましく、前記化学式(3−1−1)で表される基が最も好ましい。
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(a2)におけるラクトン含有環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)としては、−SO−含有環式基又はラクトン含有環式基を有するものであれば他の部分の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって−SO−含有環式基を含む構成単位(a2)、及びα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位が好ましい。
・・・構成単位(a2):
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−0)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R26は−O−又は−NH−であり、R28は−SO−含有環式基であり、R29は単結合または2価の連結基である。]
式(a2−0)中、Rは前記と同様である。
26は、−O−又は−NH−である。
28は、前記で挙げた−SO−含有環式基と同様である。
29は、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
29における2価の連結基としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a1−0−2)中のYにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、またはエステル結合(−C(=O)−O−)を含むものが好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記式(a1−0−2)中のYにおける脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R30−C(=O)−O−[式中、R30は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a2)は、下記一般式(a2−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2013127526
[式中、R、R26およびR28はそれぞれ前記と同様であり、R30は2価の連結基である。]
30としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a1−0−2)中のYにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
30の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CHCH−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述した、−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、m’は0〜3の整数である。なかでも、−Y21−O−C(=O)−Y22−が好ましく、−(CH−O−C(=O)−(CH−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。dは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。
構成単位(a2)としては、特に、下記一般式(a2−0−11)または(a2−0−12)で表される構成単位が好ましく、式(a2−0−12)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2013127526
[式中、R、A’、R26、R27、zおよびR30はそれぞれ前記と同じである。]
式(a2−0−11)中、A’はメチレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましい。
30としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R30における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a2−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a2−0−12a)または(a2−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013127526
[式中、R、R26およびA’はそれぞれ前記と同じであり、c〜eはそれぞれ独立に1〜3の整数である。]
・・・構成単位(a2):
構成単位(a2)の例としては、たとえば前記一般式(a2−0)中のR28をラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基であり;R29は単結合または2価の連結基であり、s”は0〜2の整数であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;mは0または1である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記同様である。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、前記一般式(3−1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
29は、前記一般式(a2−0)中のR29と同様である。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(a2−1)または(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なかでも、前記式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−2−12)、(a2−2−13)、(a2−2−15)、(a2−3−1)及び(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、構成単位(a2)としては、下記式(a2−6)又は(a2−7)で表される構成単位も好ましい。
Figure 2013127526
[式中、R、R29は前記同様である。]
(A1)成分が構成単位(a2)を有する場合、構成単位(a2)は1種でも2種以上でもよい。たとえば構成単位(a2)として、構成単位(a2)のみを用いてもよく、構成単位(a2)のみを用いてもよく、これらを併用してもよい。また、構成単位(a2)または構成単位(a2)として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a2)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位に対して1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、10〜65モル%であることがさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
構成単位(a2)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができ、種々のリソグラフィー特性及びパターン形状が良好となる。
・・構成単位(a4)
(A1)成分は、さらに、必要に応じて、酸非解離性環式基を含む構成単位(a4)を有してもよい。(A1)成分が構成単位(a4)を有することにより、形成されるレジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。また、(A1)成分の疎水性が高まる。疎水性の向上は、特に有機系現像液による現像の場合に、解像性、レジストパターン形状等の向上に寄与する。
構成単位(a4)における「酸非解離性環式基」は、露光により後述の(B)成分等から酸が発生した際に、該酸が作用しても解離することなくそのまま当該構成単位中に残る環式基である。
構成単位(a4)としては、前記構成単位(a1)における酸解離性基を酸非解離性環式基で置換した構成単位が挙げられる。なかでも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族環式基を含む構成単位(a41)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンから誘導される構成単位(a42)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニルナフタレンから誘導される構成単位(a43)等が好ましい。
構成単位(a41)における酸非解離性の脂肪族環式基としては、たとえば、当該脂肪族環式基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合していない1価の脂肪族環式基、1級または2級のアルキル基の水素原子の1つを1価の脂肪族環式基で置換した基等が挙げられる。
1価の脂肪族環式基としては、酸非解離性であれば特に限定されず、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。該脂肪族環式基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、飽和であることが好ましい。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、炭素数が3〜30であるものが好ましく、5〜30であるものがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
該脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。また、これらの脂肪族環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
該脂肪族環式基は、上記効果に優れることから、多環式であることが好ましい。特に、2〜4環式のものが好ましく、中でも、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基およびノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種が、工業上入手し易いなどの点で好ましい。
酸非解離性の脂肪族環式基としての1価の脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、当該脂肪族環式基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合していない1価の脂肪族環式基が挙げられる。具体的には、前記酸解離性基の説明で挙げた式(1−1)〜(1−9)で表される基におけるR14を水素原子で置換した基;環骨格を構成する炭素原子のみによって形成された第3級炭素原子を有するシクロアルカンの前記第3級炭素原子から水素原子を除いた基等が挙げられる。
1級または2級のアルキル基の水素原子の1つを1価の脂肪族環式基で置換した基としては、上記酸解離性基の説明で挙げた式(2−1)〜(2−6)のR15またはR16の少なくともひとつが水素原子となる基等が挙げられる。
・・・構成単位(a41):
構成単位(a41)としては、前記構成単位(a11)における酸解離性基を酸非解離性の脂肪族環式基で置換した構成単位が挙げられ、前記一般式(a1−0−1)におけるXを酸非解離性の脂肪族多環式基で置換した構成単位、すなわち下記一般式(a4−1−1)で表される構成単位が好ましく、特に、下記一般式(a4−1−11)〜(a4−1−15)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013127526
[式中、Rは前記と同じであり、R40は酸非解離性の脂肪族多環式基である。]
Figure 2013127526
・・・構成単位(a42)、構成単位(a43):
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンから誘導される構成単位(a42)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニルナフタレンから誘導される構成単位(a43)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはいずれも、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
(A1)成分が構成単位(a4)を有する場合、構成単位(a4)は、1種単独でも2種以上でもよい。
(A1)成分中、構成単位(a4)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位に対し、1〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。
構成単位(a4)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a4)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、酸性基としてフェノール性水酸基を有するものが好ましい。
かかる場合、(A)成分の好適なものとしては、酸性基としてフェノール性水酸基を含む構成単位(a5)を有する高分子化合物(以下この高分子化合物を「(A1−1)成分」という)が挙げられる。
(A1−1)成分として、具体的には、構成単位(a5)からなる重合体(ホモポリマー)が挙げられる。
また、本発明のレジスト組成物においては、酸の作用により分解する構造を含まない(A)成分を用いることができる。すなわち、本発明のレジスト組成物によれば、従来と異なり、基材成分中の酸分解性基の露光による分解反応を経ることなく、つまり、露光により基材成分の極性が変化せずにレジストパターンを形成できる。かかる(A)成分としては、(A1−1)成分を用いることが好ましい。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成したものを用いてもよい。
(A)成分中、(A1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が50質量%以上であれば、(C)成分との会合構造が容易に形成され、レジスト膜をより安定に成膜できる。
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A1)成分以外の基材成分(以下「(A2)成分」という。)を含有してもよい。(A2)成分としては、特に限定されず、従来提案されている樹脂、低分子化合物が利用できる。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
[イオン性化合物;(C)成分]
本発明における(C)成分は、前記(A)成分中の酸性基と会合構造を形成し得るもので、かつ、光吸収性を有するカチオンを有し、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「光吸収性」とは、露光光源の波長の光を吸収する特性をいう。
「酸解離定数(pKa)」は、対象物質の酸強度を示す指標である。露光により(C)成分、後述の(B)成分等からそれぞれ発生する酸のpKaは、常法により、又は「ACD/Labs」(商品名、Advanced Chemistry Development社製)等の公知のソフトウェアを用いた計算により、求めることができる。
(C)成分のなかで好適なものとしては、カチオン部とアニオン部とからなる塩基性化合物が挙げられる。
ここでいう「塩基性化合物」とは、前記(A)成分及び後述の(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物をいう。
該塩基性化合物としては、これまで化学増幅型レジスト用の酸拡散制御剤として提案されているもの、すなわち露光により後述の(B)成分等から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するもの、を用いることができる。
(カチオン部:光吸収性を有するカチオン)
(C)成分におけるカチオンは、光の吸収により分解し得るものが用いられる。
(C)成分のカチオン部としては、たとえば下記の一般式(b−c1)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R”〜R”はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。R”〜R”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。但し、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基である。]
式(b−c1)中、R”〜R”のアリール基としては、炭素数6〜20の無置換のアリール基;該無置換のアリール基の水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R’、−O−C(=O)−R’、−O−R’等で置換された置換アリール基等が挙げられる。R’、R’、R’は、それぞれ、炭素数1〜25の直鎖状、分岐鎖状若しくは炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基、又は、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基である。
”〜R”において、無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
”〜R”の置換アリール基における置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアリール基としては、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
置換アリール基におけるアルコキシアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]で表される基が挙げられる。
47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、後述の式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子が酸素原子(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
−C(=O)−O−R’、−O−C(=O)−R’、−O−R’におけるR’、R’、R’は、それぞれ、炭素数1〜25の直鎖状、分岐鎖状若しくは炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基、又は、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基である。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基は、炭素数1〜25であり、炭素数1〜15であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、第3級アルキル基を除き、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
’、R’、R’における炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、低級アルキル基等が挙げられる。
また、R’、R’、R’は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
’、R’、R’における直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
’、R’、R’における分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
’、R’においては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、たとえば、炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。なかでも、解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
”〜R”のアルケニル基としては、たとえば、炭素数2〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
”〜R”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
但し、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基である。そのなかでも、光吸収性が高まり、有機系現像液に対して溶解コントラストがより得られやすく、感度も高まることから、R”〜R”のうち、2つ以上がアリール基であることがより好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが特に好ましい。
前記式(b−c1)で表されるカチオンのなかで好適なものとして、具体的には以下に示すものが挙げられる。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
[式中、g1は繰返し数を示し、1〜5の整数である。]
Figure 2013127526
Figure 2013127526
[式中、g2、g3は繰返し数を示し、g2は0〜20の整数であり、g3は0〜20の整数である。]
Figure 2013127526
Figure 2013127526
Figure 2013127526
また、(C)成分のカチオン部としては、下記一般式(b−5)又は(b−6)で表されるカチオンも挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R81〜R86はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
81〜R86において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
81〜R86に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR81〜R86はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
前記式(b−5)又は式(b−6)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 2013127526
さらに、(C)成分のカチオン部としては、下記一般式(b−7)で表されるカチオンも挙げられる。
Figure 2013127526
式(b−7)中、Rは、置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。この置換基としては、上記R”〜R”のアリール基についての説明のなかで例示した置換アリール基における置換基(アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、−C(=O)−O−R’、−O−C(=O)−R’、−O−R’、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56中のR56をR56’で置き換えた基等)と同様である。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
前記式(b−7)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
以下に示す式中、Rは、上記置換アリール基についての説明のなかで例示した置換基(アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、−C(=O)−O−R’、−O−C(=O)−R’、−O−R’)である。
Figure 2013127526
また、(C)成分のカチオン部としては、たとえば下記の一般式(b−c2)で表されるカチオンも挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、R”〜R”はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。但し、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基である。]
前記式(b−c2)中、R”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルケニル基としては、R”〜R”のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
前記式(b−c2)で表される化合物におけるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
(C)成分としては、下記一般式(c1−1)で表される化合物(c1−1)(以下「(c1−1)成分」という。)、下記一般式(c1−2)で表される化合物(c1−2)(以下「(c1−2)成分」という。)及び下記一般式(c1−3)で表される化合物(c1−3)(以下「(c1−3)成分」という。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 2013127526
[式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z2cは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ただし、Sに隣接する炭素にはフッ素原子は置換されていないものとする)であり、Rは有機基であり、Yは直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基またはアリーレン基であり、Rfはフッ素原子を含む炭化水素基であり、Mはそれぞれ独立に光吸収性を有するスルホニウム又はヨードニウムカチオンである。]
・(c1−1)成分。
・・アニオン部
式(c1−1)中、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基である。
の置換基を有していてもよい炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく脂肪族炭化水素基であってもよい。
の炭化水素基における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。
における芳香族炭化水素基は、該芳香族炭化水素基を構成する炭素原子又は水素原子が置換基で置換されていてもよい。ただし、前記の好適な「芳香環の炭素数」には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;該芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基や、ヘテロアリールアルキル基)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
の炭化水素基における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
Figure 2013127526
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94−または−S−R95−であり、R94およびR95はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94およびR95におけるアルキレン基としては、それぞれ、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
また、前記の脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
なかでもRの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基やナフチル基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
また、Rの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は、フッ素化アルキル基であることも好ましい。
の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
のフッ素化アルキル基は、鎖状であっても環状であってもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜11が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基や、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基等の分岐鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基が挙げられる。
また、Rのフッ素化アルキル基は、フッ素原子以外の原子を含有してもよい。フッ素原子以外の原子としては、たとえば酸素原子、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
なかでも、Rのフッ素化アルキル基としては、直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基を構成する水素原子の全てがフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であることが好ましい。
以下に(c1−1)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。具体例と共に示すpKaは、式(c1−1−1)で表されるアニオン(実測)を除き、前記のソフトウェア「ACD/Labs」を用い、シミュレーションを行うことにより算出した値である。
なお、該アニオン部の具体例と共に示すpKaについて、下記式(c1−1−1)〜(c1−1−3)で表されるアニオンの場合のように、電子吸引部位(トリフルオロメチル基)の導入部位がα、β、γと繰り下がると、pKaの値が小さくなる(酸強度は高くなる)傾向にある;下記式(c1−1−2)、(c1−1−4)で表されるアニオンの場合のように、β位に酸素原子を導入すれば、pKaの値が小さくなる傾向にある;下記式(c1−1−1)、(c1−1−5)等で表されるアニオンの場合のように、電子吸引部位がなければ、pKaの値が大きくなる傾向にある。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
・・カチオン部
式(c1−1)中、Mは、光吸収性を有するスルホニウム又はヨードニウムカチオンである。かかるMとしては、上記の一般式(b−c1)、(b−5)〜(b−7)又は一般式(b−c2)で表されるカチオンが挙げられる。
(c1−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・(c1−2)成分。
・・アニオン部
式(c1−2)中、Z2cは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
2cの置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(c1−1)中のRと同様のものが挙げられる。
なかでもZ2cの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)であることがより好ましい。
2cの炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては、前記式(c1−1)中のRの炭化水素基における置換基と同様のものが挙げられる。但し、Z2cにおいて、SO におけるS原子に隣接する炭素は、フッ素置換されていないものとする。SO とフッ素原子とが隣接しないことにより、当該(c1−2)成分のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、(C)成分のクエンチング能が向上する。
以下に(c1−2)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。具体例と共に示すpKaは、前記のソフトウェア「ACD/Labs」を用い、シミュレーションを行うことにより算出した値である。
Figure 2013127526
・・カチオン部
式(c1−2)中、Mは、前記式(c1−1)中のMと同様である。
(c1−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・(c1−3)成分。
・・アニオン部
式(c1−3)中、Rは有機基である。
の有機基は、特に限定されるものではないが、アルキル基、アルコキシ基、−O−C(=O)−C(RC2)=CH(RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である)、または−O−C(=O)−RC3(RC3は炭化水素基である)である。
のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。Rのアルキル基の水素原子の一部が水酸基、シアノ基等で置換されていてもよい。
のアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
が−O−C(=O)−C(RC2)=CHである場合、RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
C2における炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
C2におけるハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
C2としては、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
が−O−C(=O)−RC3である場合、RC3は炭化水素基である。
C3の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族炭化水素基であってもよい。RC3の炭化水素基として具体的には、前記式(c1−1)中のRと同様のものが挙げられる。
なかでも、RC3の炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた脂環式基、又は、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基が好ましい。RC3が脂環式基である場合、レジスト組成物が有機溶剤に良好に溶解することによりリソグラフィー特性が良好となる。また、RC3が芳香族基である場合、EUV等を露光光源とするリソグラフィーにおいて、該レジスト組成物が光吸収効率に優れ、感度やリソグラフィー特性が良好となる。
なかでも、Rとしては、−O−C(=O)−C(RC2’)=CH(RC2’は水素原子又はメチル基である。)、又は、−O−C(=O)−RC3’(RC3’は脂肪族環式基である。)であることが好ましい。
式(c1−3)中、Yは、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基である。
の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基としては、上記式(a1−0−2)中のYの2価の連結基のうち、「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」、「環状の脂肪族炭化水素基」、「芳香族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
なかでも、Yとしては、アルキレン基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがさらに好ましい。
式(c1−3)中、Rfはフッ素原子を含む炭化水素基である。
Rfのフッ素原子を含む炭化水素基は、フッ素化アルキル基であることが好ましく、上記Rのフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
以下に(c1−3)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。具体例と共に示すpKaは、前記のソフトウェア「ACD/Labs」を用い、シミュレーションを行うことにより算出した値である。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
・・カチオン部
式(c1−3)中、Mは、前記式(c1−1)中のMと同様である。
(c1−3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分は、上記(c1−1)〜(c1−3)成分のいずれか1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。なかでも、(c1−2)成分、(c1−3)成分を含有することがより好ましく、(c1−3)成分を含有することが特に好ましい。
また、(C)成分は、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物であり、好ましくはpKaが0〜15、より好ましくはpKaが0〜10、特に好ましくはpKaが0〜5の酸を発生するイオン性化合物であることが好ましい。
pKaが0以上の酸を発生するイオン性化合物を用いると、(A)成分との会合構造が形成されやすく、レジスト膜が安定に形成される。また、後述の(B)成分を併用した場合、露光により(B)成分との塩交換反応が良好に進行して、有機系現像液に対して溶解コントラストが得られやすくなる。
なお、上記(c1−1)〜(c1−3)成分におけるアニオン部の好ましい具体例として示した、カルボキシラートアニオン基(−C(=O)O)、電子吸引部位を有さないアルキルスルホネート基、電子吸引部位を有さないアリールスルホネート基およびスルホニルアミドアニオン基(−N−SO−)は、後述の(B)成分についての説明の中で例示する、電子吸引部位を有するスルホネート基(−SO )やスルホニルイミドアニオン基(−SO−N−SO−)よりも酸強度が弱いため、一部の例示アニオンに併記したpKaと同様、他の例示アニオンを有する化合物もpKaが0以上の酸を発生するといえる。
レジスト組成物中、(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましく、2〜45質量部であることがより好ましく、3〜40質量部であることがさらに好ましく、5〜30質量部であることが特に好ましい。
(C)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A)成分との会合構造が容易に形成され、レジスト膜をより安定に成膜できる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
((c1−1)〜(c1−3)成分の製造方法)
(c1−1)成分、(c1−2)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。
(c1−3)成分の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前記式(c1−3)中のRが、Yと結合する末端に酸素原子を有する基である場合、下記一般式(i−1)で表される化合物(i−1)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(i−2)とを反応させることにより、下記一般式(i−3)で表される化合物(i−3)を得、化合物(i−3)と、所望のカチオンMを有するZ(i−4)とを反応させることにより、一般式(c1−3)で表される化合物(c1−3)が製造される。
Figure 2013127526
[式中、R、Y、Rf、Mは、それぞれ、前記一般式(c1−3)中のR、Y、Rf、Mと同じである。R5aはRから末端の酸素原子を除いた基であり、Zは対アニオンである。]
まず、化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る。
式(i−1)中、R5aは前記Rから末端の酸素原子を除いた基である。式(i−2)中、Y、Rfは前記同様である。
化合物(i−1)、化合物(i−2)としては、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当な酸触媒の存在下で、化合物(i−2)と化合物(i−1)とを有機溶媒中で反応させた後に、反応混合物を洗浄、回収することにより、実施できる。
上記反応における酸触媒は、特に限定されるものではなく、例えばトルエンスルホン酸等が挙げられ、その使用量は化合物(i−2)1モルに対して0.05〜5モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、原料である化合物(i−1)及び化合物(i−2)を溶解できるものであればよく、具体的には、トルエン等が挙げられ、その使用量は、化合物(i−1)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−2)の使用量は、通常、化合物(i−1)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−1)と化合物(i−2)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20〜200℃が好ましく、20〜150℃程度がより好ましい。
次いで、得られた化合物(i−3)と、化合物(i−4)とを反応させ、化合物(c1−3)を得る。
式(i−4)中、Mは前記同様であり、Zは対アニオンである。
化合物(i−3)と化合物(i−4)とを反応させ、化合物(c1−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当なアルカリ金属水酸化物の存在下で、化合物(i−3)を適当な有機溶媒及び水に溶解し、化合物(i−4)を添加して攪拌により反応させることにより実施できる。
上記反応におけるアルカリ金属水酸化物は、特に限定されるものではなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、その使用量は化合物(i−3)1モルに対して0.3〜3モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル等の溶媒が挙げられ、その使用量は、化合物(i−3)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−4)の使用量は、通常、化合物(i−3)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−3)と化合物(i−4)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(c1−3)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られる化合物(c1−3)の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
[その他の成分]
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
・酸発生剤成分;(B)成分
本発明のレジスト組成物においては、前記(A)成分中の酸性基よりも強度の高い酸を露光により発生する酸発生剤成分(B)を含有することが好ましい。
(B)成分を含有することで、露光部で、露光により(C)成分のカチオン部の光吸収による分解とともに、(C)成分のカチオン部と(B)成分との間で塩交換反応が進行して、(A)成分中の酸性基がより露出しやすくなり、有機系現像液に対する溶解コントラストが得られやすくなる。
(B)成分としては、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されている、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが挙げられる。
かかるオニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記一般式(b−1)又は(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2013127526
[式中、R”〜R”,R”〜R”はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表す。]
前記式(b−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。R”〜R”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
”〜R”は、前記式(b−c1)中のR”〜R”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基と同様である。
前記式(b−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
”〜R”は、前記式(b−c2)中のR”〜R”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基と同様である。
式(b−1)〜(b−2)中、R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表す。
”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
”における置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、水酸基、式:X−Q−[式中、Qは酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q−で表される基において、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。
は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
−Q−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。
における芳香族炭化水素基は、該芳香族炭化水素基を構成する炭素原子又は水素原子が置換基で置換されていてもよい。ただし、前記の好適な「芳香環の炭素数」には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;該芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基や、ヘテロアリールアルキル基)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば前述した式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
−Q−で表される基におけるXは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前述した式(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)でそれぞれ表される基等が好ましい。
式(b−1)〜(b−2)中、R”は、置換基としてX−Q−を有することが好ましい。この場合、R”としては、X−Q−Y10−[式中、QおよびXは前記と同じであり、Y10は置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q−Y10−で表される基において、Y10のアルキレン基としては、前記Qで挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
10として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
10としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネート(pKa−3.9)またはノナフルオロブタンスルホネート(pKa−3.9)、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネート(pKa−3.7)またはそのノナフルオロブタンスルホネート(pKa−3.9)、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部を下記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオンに置き換えたオニウム塩を用いることも好ましく、これらのなかでも、アニオン部を下記式(b3)〜(b6)及び(b9)のいずれかで表されるアニオンに置き換えたオニウム塩を用いることがより好ましい。
Figure 2013127526
Figure 2013127526
[式中、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、t3は1〜3の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、iは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、m1〜m6はそれぞれ独立に0または1であり、v0〜v6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記Xにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、オニウム塩系酸発生剤としては、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2013127526
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、オニウム塩系酸発生剤として、前述した一般式(b−5)又は(b−6)で表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩を用いることもできる。
さらに、前述した一般式(b−7)又は一般式(b−8)で表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩を用いることもできる。
式(b−5)〜(b−8)でそれぞれ表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン、前記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2013127526
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013127526
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
Figure 2013127526
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2013127526
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分は、上述した酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のなかでも、(B)成分は、露光により酸解離定数(pKa)が0未満の酸を発生するイオン性化合物であることが好ましく、pKaが−1以下の酸を発生するイオン性化合物であることがより好ましい。pKaが0未満の酸を発生するイオン性化合物を用いると、露光により(C)成分との塩交換反応が良好に進行して、有機系現像液に対して溶解コントラストが得られやすくなる。
pKaの下限値は特に制限されないが、pKaが−15以上の酸を発生するイオン性化合物であることが好ましく、pKaが−13以上の酸を発生するイオン性化合物であることがより好ましい。
なお、上記オニウム塩におけるアニオン部の好ましい具体例として示した、スルホネート基(−SO )やスルホニルイミドアニオン基(−SO−N−SO−)には、電子吸引部位となるフッ素化アルキル基が隣接しているので、一部の例示アニオンに併記したpKaと同様、他の例示化合物もpKaが負の値の酸を発生するといえる。
レジスト組成物中、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜50質量部であることが好ましく、0.5〜45質量部であることがより好ましく、1〜40質量部であることがさらに好ましく、2〜35質量部であることが特に好ましい。
(B)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、露光により(C)成分との塩交換反応が充分に進行する。前記範囲の上限値以下であると、有機溶剤に溶解した際に、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
・塩基性化合物;(C’)成分
本発明のレジスト組成物においては、前記の(C)成分に該当しない塩基性化合物を含有させることができる。ここでいう「塩基性化合物」とは、前記の(A)成分及び(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物をいう。
(C’)成分としては、前記の(C)成分に該当しない塩基性化合物であれば特に限定されず、たとえば、前記(C)成分のカチオン部が光吸収性のないカチオンであるもの、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミンが挙げられ、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
・・前記(C)成分のカチオン部が光吸収性のないカチオンであるイオン性化合物
光吸収性のないカチオンを有するイオン性化合物としては、前記(C)成分のカチオン部が、前述の一般式(b−c1)におけるR”〜R”が全てアルキル基であるカチオンであるもの、が挙げられる。このようなカチオンとして具体的には、トリメチルスルホニウムカチオン、トリブチルスルホニウムカチオン等が挙げられる。
・・脂肪族アミン
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、たとえば、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)、環式アミン、その他の脂肪族アミン等が挙げられる。
前記アルキルアミンが有するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状である場合、その炭素数は2〜20であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
該アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30であることが好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。該アルキル基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。前記モノシクロアルカンとして、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ポリシクロアルカンとして、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンが有するヒドロキシアルキル基におけるアルキル基としては、前記アルキルアミンが有するアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記アルキルアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミンが挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンの具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられる。
・・芳香族アミン
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(C’)成分はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
レジスト組成物中、(C’)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜25質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることがさらに好ましい。
(C’)成分の含有量が上記範囲の下限値以上であると、(A)成分との会合構造が容易に形成され、レジスト膜をより安定に成膜できる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
・有機溶剤;(S)成分
本発明のレジスト組成物は、レジスト材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、乳酸エチル(EL)が好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
本実施例において「pKa(酸解離定数)」は、ソフトウェア「ACD/Labs」(商品名、Advanced Chemistry Development社製)を用い、シミュレーションを行うことにより算出した。
[レジスト組成物の調製]
(実施例1〜6、比較例1〜3)
表1に示す各成分を混合して溶解することによりレジスト組成物を調製した。
Figure 2013127526
表1中、[ ]内の数値は配合量(質量部)であり、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。
(A)−1:下記化学式(A)−1で表されるホモポリマー。Mw7000,Mw/Mn1.12,pKa9.86。該化学式中、構成単位( )の右下の数値はその構成単位の割合(モル%)を示す。
(C)−1:下記化学式(C)−1で表される化合物、pKa4.51。
(C)−2:下記化学式(C)−2で表される化合物、pKa4.79。
(C)−3:下記化学式(C)−3で表される化合物、pKa1.17。
(C)−4:下記化学式(C)−4で表される化合物、pKa1.17。
(C)−5:下記化学式(C)−5で表される化合物、pKa1.17。
(C’)−1:下記化学式(C’)−1で表される化合物、pKa1.17。
(C’)−2:トリ−n−オクチルアミン。
(B)−1:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、pKa−3.9。
(S)−1:PGMEA/PGME/シクロヘキサノン=45/30/25(質量比)の混合溶剤。
Figure 2013127526
[PGMEA/PGME混合溶剤に対する溶解性評価]
表1に示す各例の(A)成分と(C)成分との混合物、(A)成分と(B)成分との混合物、(A)成分と(C’)成分との混合物、又は(A)成分と(C)成分と(B)成分との混合物を、PGMEAとPGMEとの混合溶剤(PGMEA/PGME(質量比)=6/4)に加え、該混合物の溶解性について評価した。
その結果、実施例1〜3、5、6における混合物の場合は白濁物を生じ、実施例4、比較例1〜2における混合物の場合は溶解した。
実施例1〜3、5、6における混合物の場合に生じた白濁物は、シクロヘキサノンをさらに加えてPGMEAとPGMEとシクロヘキサノンとの混合溶剤とすることにより溶解した。
これより、白濁物は、樹脂と化合物(C)とによる会合構造体であると考えられ、シクロヘキサノンを加えて溶解した状態は、会合構造体が溶液中で溶解している状態であると考えられる。
[コントラスト評価(1)]
表1に示す実施例1〜4、比較例1〜3のレジスト組成物を用い、以下のようにしてコントラスト評価を行った。
工程(1):
90℃で36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、各例のレジスト組成物を、スピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、ベーク温度90℃で60秒間のベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚200nm)を成膜した。
工程(2):
次いで、該レジスト膜に対し、露光装置VUVES−4500(リソテックジャパン株式会社製)を用い、0.1〜60.0mJ/cmの範囲で露光量をそれぞれ変えて、KrFエキシマレーザー(248nm)の全面露光を行った。
工程(3):
次に、露光後のレジスト膜に対し、ベーク温度90℃で60秒間のベーク処理(PEB)を行い、その後、23℃にて酢酸ブチルを用いて16秒間の現像を行った。
現像後のレジスト膜の膜厚をNanospec 6100A(ナノメトリクス社製)を用いて測定した。この結果を図3〜9に示す。
図3〜9は、各実施例と比較例における、露光量を変化させた際のレジスト膜厚の変化を示すグラフ(コントラストカーブ)である。各図において、縦軸は現像後のレジスト膜の膜厚(Å)を、横軸は露光量(mJ/cm)を示す。
図3〜6より、実施例1〜4のレジスト組成物を用いたコントラスト評価においては、或る露光量の範囲で、大きく膜厚が減少していることが確認できる。すなわち、現像液に対するレジスト膜露光部の溶解性が大きく増大していることが分かる。これより、実施例1〜4のレジスト組成物を用いた工程(1)〜(3)のプロセスによれば、有機系現像液に対して溶解コントラストが得られることが分かる。
図7、9より、比較例1、3のレジスト組成物を用いたコントラスト評価においては、露光量に関係なく、膜厚がほぼゼロを示していることが分かる。これは、会合構造が形成されず、レジスト膜を成膜できなかったこと、又は、レジスト膜が現像液に可溶であったこと、が考えられる。
図8より、比較例2のレジスト組成物を用いたコントラスト評価においては、露光量が増えても膜厚は露光前に比べて変化しないことから、レジスト膜が現像液に不溶であったことが分かる。これは、式(C’)−1で表される化合物のカチオン部が光を吸収しない性質を有しているために露光により分解せず、酸性基が露出しなかったため、と考えられる。
比較例1〜3のレジスト組成物を用いたコントラスト評価では、露光前後で、現像液に対するレジスト膜の溶解性は変化していないこと、が分かる。
[コントラスト評価(2)]
前記実施例1〜3のレジスト組成物を用い、前記コントラスト評価(1)における工程(3)で、現像液として酢酸ブチルの代わりに「4−メチル−2−ペンタノール」を用いた以外は、前記コントラスト評価(1)と同様にしてコントラスト評価を行った。この結果を図10〜12に示す。
図10〜12より、コントラスト評価(2)においては、いずれの例においても、或る露光量の範囲で、大きく膜厚が減少していることが確認できる。すなわち、現像液に対するレジスト膜露光部の溶解性が大きく増大していることが分かる。
[コントラスト評価(3)]
前記実施例1のレジスト組成物を用い、前記コントラスト評価(1)における工程(3)で、現像液として酢酸ブチルの代わりに、アルカリ現像液である2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(商品名、東京応化工業社製)を用いた以外は、前記コントラスト評価(1)と同様にしてコントラスト評価を行った。この結果を図13に示す。
図13より、コントラスト評価(3)においては、露光量に関係なく、膜厚がほぼゼロを示していることが分かる。これは、レジスト膜がアルカリ現像液に可溶であったため、と考えられる。
[コントラスト評価(4)]
前記実施例1のレジスト組成物を用い、前記コントラスト評価(1)における工程(3)で、ベーク温度90℃で60秒間のベーク処理(PEB)を施さない以外は、前記コントラスト評価(1)と同様にしてコントラスト評価を行った。この結果を図14に示す。
図14より、コントラスト評価(4)においては、或る露光量の範囲で、大きく膜厚が減少していることが確認できる。すなわち、現像液に対するレジスト膜露光部の溶解性が大きく増大していることが分かる。これより、工程(1)〜(3)のプロセスにおいては、露光後のベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を必ずしも行う必要がない、と云える。
図15は、実施例1のレジスト組成物を用いた際の、露光前後におけるレジスト膜中の(A)成分と(C)成分の存在状態を示す模式図である。図15(a)は露光前のレジスト膜中の各成分の存在状態、図15(b)は露光後のレジスト膜中の各成分の存在状態をそれぞれ示す。
図15(a)に示すように、実施例1のレジスト組成物を、HMDS処理を施した8インチシリコン基板上に塗布してベーク処理(PAB)を行うと、(A)成分中の酸性基(フェノール性水酸基)と、(C)成分におけるカチオン部と、の間で相互作用が働き、塩に近い形態の会合構造が形成されてレジスト膜が成膜する。この会合構造は、有機系現像液である酢酸ブチル、4−メチル−2−ペンタノールに対してそれぞれ難溶性を示す。
その後、全面露光すると、図15(b)に示すように、前記会合構造(フェノール性水酸基と(C)成分におけるカチオン部との会合構造)を形成していたフェノール性水酸基が露出する。このフェノール性水酸基が露出したレジスト膜は、有機系現像液に対して可溶性を示す。
以上により、或る露光量の範囲で、現像液に対するレジスト膜露光部の溶解性が大きく増大する、と考えられる。
[レジストパターンの形成]
表1に示す実施例5、6のレジスト組成物を用い、以下のようにしてレジストパターンを形成した。
工程(1):
90℃で36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、レジスト組成物を、スピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、ベーク温度90℃で60秒間のベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚200nm)を成膜した。
工程(2):
次いで、該レジスト膜に対し、KrF露光装置NSR−S203(ニコン社製;NA(開口数)=0.68,OFF LINE)を用い、KrFエキシマレーザー(248nm)を、マスクパターン(ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
工程(3):
次に、露光後のレジスト膜に対し、ベーク温度90℃で60秒間のベーク処理(PEB)を行い、その後、23℃にて酢酸ブチルを用いて16秒間の現像を行った。
その結果、実施例5のレジスト組成物を用いた場合、レジストパターンを形成することができた(その際の最適露光量は50mJ/cmであった)。
実施例6のレジスト組成物を用いた場合には、ライン幅200nm/ピッチ400nmのラインアンドスペースのポジ型レジストパターンを解像できた(その際の最適露光量は42mJ/cmであった)。
1 支持体、2 レジスト膜、2a 露光部、2b 未露光部、3 フォトマスク

Claims (5)

  1. 支持体上に、酸性基と光吸収性を有するカチオンとの会合構造を有するレジスト膜を形成する工程(1)と、
    前記レジスト膜を露光し、前記会合構造を破壊して前記酸性基を露出させる工程(2)と、
    前記レジスト膜を、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程(3)と
    を含むレジストパターン形成方法。
  2. 前記工程(1)で、前記酸性基を有する基材成分と、前記光吸収性を有するカチオンを有し、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物とを含有するレジスト組成物を用いて、支持体上にレジスト膜を形成する、請求項1記載のレジストパターン形成方法。
  3. 前記基材成分が、酸の作用により分解する構造を含まない、請求項2記載のレジストパターン形成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストパターン形成方法に用いられるレジスト組成物であって、
    酸性基を有する基材成分と、
    光吸収性を有するカチオンを有し、露光により酸解離定数(pKa)が0以上の酸を発生するイオン性化合物とを含有し、
    前記酸性基と前記光吸収性を有するカチオンとが会合構造を形成し得るレジスト組成物。
  5. 前記基材成分が、酸の作用により分解する構造を含まない、請求項4記載のレジスト組成物。
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