JP2013127098A - 加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または合金化溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板であって、鋼板が、mass%で、C:0.10以上0.18以下、Si:0.5超え1.5以下、Mn:0.5以上1.5以下、P:0.05以下、S:0.005以下、Al:0.05以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ミクロ組織がフェライトとパーライトを有し、フェライトの体積率が70%以上97%以下、パーライトの体積率が3%以上、フェライト粒界に存在するセメンタイトの体積率が2%以下、フェライト、パーライト、セメンタイト以外の相の体積率が合計で3%未満であり、フェライトの平均粒径が7μm以下である加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
【選択図】なし
Description
以下、成分元素の含有量の単位である%は、mass%を意味するものとする。
Cはパーライトなどのフェライト以外の第二相を形成し、鋼板の強度上昇に寄与する。590MPa以上のTSを得るためには、0.10%以上のC量が必要である。しかし、0.18%を超えるとパーライトなどの第二相が多くなり過ぎてフェライトが少なくなりすぎるため、Elやλが低下する。以上より、C量は0.10%以上0.18%以下とする。好ましくは0.12%以上0.16%以下である。
Siは固溶強化に寄与する元素である。590MPa以上のTSを得るためには、0.5%超えのSi量が必要である。しかし、1.5%を超えるとスケールの生成により鋼板の表面性状が悪化する。以上より、Si量は0.5%超え1.5%以下とする。好ましくは0.7%以上1.2%以下である。
Mnは固溶強化に寄与する元素である。590MPa以上のTSを得るためには、0.5%以上のMn量が必要である。しかし、1.5%を超えると偏析によりλの低下が生じる。以上より、Mn量は0.5%以上1.5%以下とする。好ましくは1.1%以上1.5%以下である。
Pは固溶強化に寄与する元素である。しかし、0.05%を超えると偏析によるElの低下が生じる。以上より、P量は0.05%以下とする。好ましくは0.03%以下である。
S量が0.005%を超えると旧オーステナイト粒界へS偏析が起きたり、鋼板中にMnSが析出し、λの低下を招く。以上より、S量は0.005%以下とするが、少ないほど好ましい。
Alは鋼の脱酸剤として添加され、鋼の清浄度を向上させるのに有効な元素である。しかし、0.05%を超えると介在物が多量に発生し、鋼板の表面欠陥の原因となる。以上より、Al量は0.05%以下とする。好ましくは0.03%以下である。
鋼板の高強度化と加工性の向上を図るため、フェライトとパーライトを有し、フェライト粒界に存在するセメンタイト量を制限したミクロ組織にする。
フェライトの組織全体に占める体積率が70%未満では80%以上のλが得られない。一方、体積率が97%を超えるとパーライトの量が減少するため、590MPa以上のTSが得られない。以上より、フェライトの体積率は70%以上97%以下とする。好ましくは95%以下であり、80%以上90%以下とすることがより好ましい。
パーライトの体積率を3%以上とするとλが向上する。好ましくは5%以上である。これは、セメンタイト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトに比べ、パーライトは軟質であるため、加工後にフェライトとマルテンサイトとの界面やフェライトと残留オーステナイトとの界面で発生するボイド数に比べて、フェライトとパーライトとの界面で発生するボイド数が少ないためと考えられる。
本発明の鋼板には、フェライト、パーライトの他に、セメンタイト、マルテンサイトなどが含まれる場合がある。セメンタイトの中でもフェライト粒界に存在するセメンタイトの組織全体に占める体積率が2%を超えると、穴広げ加工時にフェライトとセメンタイト界面で発生するボイド数が増加するためにλの低下を招く。よって、フェライト粒界に存在するセメンタイトの体積率は2%以下とする。なお、0%であってもよい。
フェライト、パーライト、フェライト粒界に存在するセメンタイト以外のその他の相としては、マルテンサイトや残留オーステナイトなどを挙げられるが、こうした相の量は、組織全体に占める合計の体積率で3%未満であれば、要求される鋼板特性に大きな影響を与えることはないため、フェライト、パーライト、フェライト粒界に存在するセメンタイト以外の相の体積率は、合計で3%未満とする。好ましくは2.5%以下であり、0%であってもよい。
フェライトの平均粒径が7μmを超えると強度低下が生じるため、590MPa以上のTSが得られない。以上より、フェライトの平均粒径は7μm以下とする。好ましくは5μm以下である。
d=1.13×L
また、フェライト粒界に存在するセメンタイトの組織全体に占める体積率は、走査型電子顕微鏡で倍率3000倍で3視野撮影し、画像処理によりフェライト粒界に存在するセメンタイトを抽出して求めた。
鋼スラブ:使用する鋼スラブは、転炉等の公知の方法により上記の成分組成に溶製した溶鋼を成分のマクロ偏析を防止するために連続鋳造法で製造することが好ましいが、造塊法で製造することもできる。
溶融亜鉛めっき処理:連続焼鈍後の熱延板は、引き続き溶融亜鉛めっき処理が施される。通常は、450℃近傍の温度に保持された溶融亜鉛めっき浴に浸漬され、鋼板表面に所望の厚さの溶融亜鉛めっき層が形成される。溶融亜鉛めっき処理条件は、所望の溶融亜鉛めっき層厚さに応じて、常用の条件を適用できるが、溶融亜鉛めっき浴の浴温を420℃〜520℃とすることが好ましい。これは、420℃未満では亜鉛が凝固するため、表面性状が悪化し、520℃を超えるとめっき層の密着性が低下する場合があるためである。溶融亜鉛めっき処理後は、必要に応じて、溶融亜鉛めっき層を合金化して鋼板表面に合金化溶融亜鉛めっき層を形成するため480℃〜550℃の温度範囲で合金化処理を施すこともできる。
Ac1変態点(℃)=723+29.1(%Si)-10.7(%Mn)+16.9(%Cr)
Ac3変態点(℃)=910-203(%C)1/2+44.7(%Si)-30(%Mn)+700(%P)+400(%Al)-11(%Cr)
+104(%V)+400(%Ti)
ただし、(%M)は元素Mのmass%を表す。
Claims (3)
- 鋼板表面に溶融亜鉛めっき層または合金化溶融亜鉛めっき層を有する溶融亜鉛めっき鋼板であって、前記鋼板が、mass%で、C:0.10%以上0.18%以下、Si:0.5%超え1.5%以下、Mn:0.5%以上1.5%以下、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Al:0.05%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、ミクロ組織がフェライトとパーライトを有し、前記フェライトの体積率が70%以上97%以下、前記パーライトの体積率が3%以上であり、前記フェライト粒界に存在するセメンタイトの体積率が2%以下で、前記フェライト、パーライト、セメンタイト以外の相の体積率が合計で3%未満であり、前記フェライトの平均粒径が7μm以下であることを特徴とする加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
- さらに、mass%で、Cr:0.01%以上1.0%以下、Ti:0.01%以上0.1%以下、V:0.01%以上0.1%以下のうちから選ばれた少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項1に記載の加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
- 請求項1または2に記載の化学組成を有する鋼スラブに、熱間圧延を施し熱延板とする工程と、該熱延板に、Ac1変態点とAc3変態点の間の二相温度域に加熱後、450℃以上600℃以下の温度域に平均冷却速度5℃/s以上30℃/s以下で冷却し、該温度域に100s以上滞在させる連続焼鈍を施す工程と、該連続焼鈍を施した後の熱延板に、溶融亜鉛めっき処理を施す工程とを有することを特徴とする加工性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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