JP2013126744A - 封口装置及びハニカム構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】封口長さを均一にしやすい封口装置及び方法を提供する。
【解決手段】柱状の凹部10d及び凹部10dの内面に開口する連通路10eを有する本体部10と、凹部10dを覆うように本体部10に固定された弾性板20と、凹部10d内に配置され、凹部10dの軸方向に移動可能なピストン66と、を備えた封口装置100である。
【選択図】図1
【解決手段】柱状の凹部10d及び凹部10dの内面に開口する連通路10eを有する本体部10と、凹部10dを覆うように本体部10に固定された弾性板20と、凹部10d内に配置され、凹部10dの軸方向に移動可能なピストン66と、を備えた封口装置100である。
【選択図】図1
Description
本発明は封口装置及び封口方法に関する。
従来より、ハニカムフィルタ構造体が、DPF(Diesel particulate filter)用等として広く知られている。このハニカムフィルタ構造体は、多数の貫通孔を有するハニカム構造体の一部の貫通孔の一端側を封口材で封じると共に、残りの貫通孔の他端側を封口材で封じた構造を有する。そして、特許文献1、2には、このようなハニカムフィルタ構造体を製造する装置及び方法が開示されている。
しかしながら、従来の方法では、封口長さの均一性が必ずしも十分ではない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、封口長さを均一にしやすい封口装置及びハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る封口装置は、柱状の凹部及び前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、凹部を覆うように前記本体部に固定された弾性板と、前記凹部内に配置され、前記凹部の軸方向に移動可能なピストンと、を備えた封口装置である。
本発明によれば、次の手順によりハニカム構造体の貫通孔に封口材を供給することが出来る。まず、ポンプで本体部の凹部内の流体を排出することにより、ピストンを凹部の底部に移動させると共に弾性板をピストンの上面及び本体部の凹部の側面に沿うように変形させ、弾性板の凹部を形成する。次に、弾性板の凹部内に封口材を供給し、さらに凹部上にハニカム構造体を保持する。続いて、連通路から本体部の凹部内に流体を供給することにより、ピストン及び変形した弾性板をハニカム構造体に向かって押圧し、ピストンを移動させると共に弾性板の変形を解消させる。これにより、弾性板の凹部内の封口材がハニカム構造体の貫通孔内に供給される。そして、ピストン及び弾性板の移動により封口材がハニカム構造体に供給される際に、ピストンによって弾性板が支持される。これにより、弾性板の凹部の表面の平面性を維持しやすく、封口長さの均一性を高めやすい。
ここで、前記本体部は、前記ピストンに接触することにより、所定の位置を超えて前記ピストンが前記凹部の底面から離れる方向に移動することを規制する接触部を有することが好ましい。これによれば、接触部によってピストンの移動が規制された状態からさらに連通路を介して凹部内に流体を供給することにより、ピストンと弾性板との間に流体を供給し、弾性板を凸状に突出させることができる。こうすると、弾性板におけるハニカム構造体の一端面と対向する部分の周辺部とハニカム構造体の一端面とが引き離されるため、本体部から容易にハニカム構造体を引き離すことが出来る。
接触部を有する場合、ピストンは、厚み方向に流体を透過可能な孔を有することが好ましく、例えば、単孔板、多孔板、多孔質板が挙げられるが、中でも多孔質板が好ましい。
また、弾性板は、ゴム板であることが好ましい。これにより、弾性板の変形が容易に行なえる。
また、弾性板上に配置され、複数の貫通孔を有するマスクをさらに備えることが好ましい。これにより、ハニカム構造体の所望の貫通孔群に対して封口材を供給することが容易となる。
また、弾性板上において本体部に対してハニカム構造体を固定する状態と、本体部から離れる方向にハニカム構造体を移動可能とする状態と、を切替える、保持部をさらに備えることが好ましい。
本発明にかかる端部が封口されたハニカム構造体の製造方法は、柱状の凹部及び前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、前記凹部を覆うように前記本体部に固定された弾性板と、前記凹部内に配置されたピストンと、を準備する工程と、
前記連通路を介して前記凹部内の流体を排出することにより前記弾性板の凹部を形成する工程と、
前記弾性板の凹部内に封口材を供給する工程と、
前記凹部と対向する位置に、複数の貫通孔を有するハニカム構造体の一端面を配置する工程と、
前記連通路を介して前記凹部内に流体を供給することにより、前記ハニカム構造体の一端面に向かって前記ピストン及び前記弾性板を移動させる工程と、を備える。
前記連通路を介して前記凹部内の流体を排出することにより前記弾性板の凹部を形成する工程と、
前記弾性板の凹部内に封口材を供給する工程と、
前記凹部と対向する位置に、複数の貫通孔を有するハニカム構造体の一端面を配置する工程と、
前記連通路を介して前記凹部内に流体を供給することにより、前記ハニカム構造体の一端面に向かって前記ピストン及び前記弾性板を移動させる工程と、を備える。
ここで、前記ハニカム構造体の一端面に向かって前記ピストン及び前記弾性板を移動させた後に、前記ピストンの移動を止めた状態で前記連通路を介して前記凹部内にさらに流体を供給し、前記弾性板を凸状に突出させる工程をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、封口長さの均一性に優れたハニカム構造体の製造方法及び封口装置が提供される。
本発明に係る封口装置の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は、本実施形態の一例に係る封口装置100の概略断面図である。本実施形態に係る封口装置100は、主として、本体部10、弾性板20、ポンプ50、保持部80、及び、ピストン66を備える。
本体部10は、剛性材料から形成されている。剛性材料としては、ステンレス等の金属や、繊維強化プラスチック等のポリマー材料が挙げられる。本体部10の上面10aには、柱状の凹部10dが形成されている。本実施形態では、凹部10dの形状は、図1及び図2に示すように、円柱状とされている。そして、本実施形態では、本体部10の上面10aにおける凹部10dの周りの部分10aaに対して、凹部10dの側面10bが垂直、かつ、底面10cが平行とされている。凹部10dの直径は、例えば、100〜320mmとすることができる。凹部10dの深さは、例えば、0.2〜20mmとすることができる。
凹部10dの側面10bの上端には、図2に示すように、円周方向に離間して配置された複数の突起10bb(接触部)が設けられている。
図1に戻って、ピストン66は、凹部10d内に設けられており、柱状の凹部10dの軸方向に移動可能となっている。ピストン66の平面形状は、柱状の凹部10dのその軸に直交する断面形状と同じ、すなわち円形とされている。ピストン66は、後述する流体FLをその厚み方向に透過可能とする孔を有する。ピストン66は、いわゆる単孔板や多孔板でもよいが、多孔質板であることが好ましい。多孔質板としては、例えば焼結金属板が挙げられる。ピストン66の厚みは、後述する「弾性板の凹部」を形成できる厚みであれば特に限定されないが、例えば、2〜20mmとすることができる。
ピストン66の上面の端部には、凹部10dの突起10bbを収容可能な切り欠き66aが形成されている。弾性板20が後述するマスク170に接触するまでピストン66が上方へ移動すると、突起10bb及び切り欠き66aが互いに接触し、それを超えてピストン66が底面10cから離れる方向に移動しないように、突起10bb及び切り欠き66aの位置及び大きさが設定されている。
ピストン66の孔の大きさや数は、ピストン66の移動が突起10bbにより規制されていない場合には、連通路10eから流体FLが供給されるとピストン66が底面10cから離れる方向に移動して弾性板20を押し上げるように、ピストン66の移動が突起10bbにより規制されている場合には、連通路10eから供給された流体FLがピストン66を通過してピストン66と弾性板20との間に供給されるように、流体の密度や粘度などを考慮して定められる。
弾性板20は、凹部10dの開口面を覆うように、本体部10における、上面10a上に、配置されている。弾性板20は、弾性を有し、容易に変形しうる。弾性板20としては、ゴム板が好ましい。ゴムとしては、天然ゴムや、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ふっ素ゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム等の合成ゴムが挙げられる。弾性板20の厚みは特に限定されないが、例えば、0.3〜3.0mmとすることができる。
弾性板20は、リング部材25、及び、ボルト31により本体部10に固定されている。リング部材25は、本体部10の凹部10dに対応する位置に開口25aを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材25は、弾性板20における中央部(凹部10dとの対向部)が露出するように弾性板20上に配置されている。これにより、弾性板20の周辺部が、本体部10とリング部材25とにより挟まれている。リング部材25及び弾性板20には貫通孔hがそれぞれ形成され、本体部10には、これら貫通孔hに対応するねじ孔jが形成されており、ボルト31がこれらの貫通孔hを貫通して配置され、ねじ孔jにねじ込まれて固定されることにより、本体部10の上面10aにおける凹部10dの周りの部分10aaに、弾性板20の周辺部が密着して固定されている。
図1及び図2に示すように、リング部材25の開口25aの内径は、本体部10の凹部10dの内径よりも大きくされていることが好ましい。
本体部10は、さらに、凹部10dの底面10cに開口する連通路10eを有している。
連通路10eには、接続パイプ14を介してポンプ50が接続されている。
ポンプ50は、シリンダ51、シリンダ51内に配置されたピストン53、及び、ピストン53に接続されたピストンロッド54を備える。ピストンロッド54には、ピストンロッド54を軸方向に往復移動させるモータ55が接続されている。なお、ピストンロッド54を手動で動かしてもよい。
本実施形態では、弾性板20と、ピストン53と、の間には、本体部10、接続パイプ14、及び、シリンダ51により形成される閉鎖空間Vが形成され、閉鎖空間V内には、流体FLが充填されている。流体FLは、特に限定されないが、空気等の気体が好ましい。流体は、スピンドルオイル等の液体でもよい。そして、ピストン53を移動させることにより、本体部10の凹部10d内から流体FLを排出することができ、また、凹部10d内に流体FLを供給することが出来る。
本体部10の上には、保持部80が設けられている。保持部80は、ハニカム構造体70を保持する保持具81、及び保持具81が接続された空気圧シリンダ82を有する。
保持具81は、ハニカム構造体70を、図1に示すように、貫通孔70aの一方側の開口面が弾性板20及び凹部10dと対向するように保持する。
空気圧シリンダ82は、上下方向に延びるシリンダ82aと、シリンダ82a内に設けられたピストン82bとを有し、外部からの供給する圧力を調整することによりピストン82bの上下両側での圧力を調節可能となっている。そして、これにより空気圧シリンダ82は、保持具81を、ハニカム構造体70と弾性板20とが近づく方向及びこれらが互いに離れる方向にそれぞれ移動可能である。また、空気圧シリンダ82は、ピストン82bの前後のガスの供給圧力に応じて保持具81を下方に所定の力で押圧することにより、ハニカム構造体70を後述するマスク170に対して密着させることができる。さらに、空気圧シリンダ82は、ピストンの前後の圧力を開放することにより、保持具81が上下方向に自由に移動することを許可することもできる。すなわち、保持部80は、保持具81が保持したハニカム構造体70を上方向に自由に移動可能とする状態と、ハニカム構造体70を本体部10に対して固定する状態とを切替え可能である。
本実施形態で用いる一例のハニカム構造体70は、図3の(a)に示すように、多数の貫通孔70aが略平行に配置された円柱体である。貫通孔70aの断面形状は、図3の(b)に示すように六角形である。これらの複数の貫通孔70aは、ハニカム構造体70において、端面から見て、正三角形配置、すなわち、貫通孔70aの中心軸が、正三角形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている。貫通孔70aの断面の六角形のサイズは、例えば、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。
また、ハニカム構造体70の貫通孔70aが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、ハニカム構造体70の外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。
ハニカム構造体70の材料は特に限定されないが、高温耐性の観点から、セラミクス材料が好ましい。例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。このような、ハニカム構造体70は通常多孔質である。
また、ハニカム構造体70は、後で焼成することにより上述のようなセラミック材料となるグリーン成形体(未焼成成形体)であってもよい。グリーン成形体は、セラミクス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、及び、必要に応じて添加される添加剤を含む。
例えば、チタン酸アルミニウムのグリーン成形体の場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩を例示できる。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤および可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;およびドライアイス等などが挙げられる。
潤滑剤および可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩;ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。
図1に示すマスク170は、弾性板20上におけるリング部材25の開口25a内に配置されるものである。マスク170の材料は特に限定されず、例えば、金属や樹脂が挙げられる。
図4の(a)に、本実施形態で用いるマスク170の一例を示す。マスク170は、円形の板状部材であり、厚み方向に伸びる多数の貫通孔170aを有する。貫通孔170aの断面形状は、図4の(b)に示すように、ハニカム構造体70の貫通孔70a(図3の(b)参照)に対応する六角形又は円形である。これらの複数の貫通孔170aは、図4の(b)に示すように、図3の(b)の正三角形配置された複数の貫通孔70aのうち、一部の貫通孔のみと対向するように配置される。なお、マスク170の貫通孔170aの位置決めを容易にすべく、マスク170には、オリエンテーションフラット170bが形成され、これに対応してリング部材25にもオリエンテーションフラットに対応する突起25bを設けてもよい。図1に示すように、マスク170の外径は、本体部10の凹部10dの内径よりも大きくされていることが好ましい。
なお、本体部10には、本体部10に超音波振動を与える機構、本体部を鉛直軸周りに回転させる機構等の、封口材130の液面を平坦にするレベリング機構140が設けられていることが好ましい。
(ハニカム構造体の製造方法)
つづいて、上述の封口装置100を用いたハニカム構造体の製造方法について説明する。まず、図1の状態から、予め、空気圧シリンダ82を駆動して、ハニカム構造体70を保持する保持具81上方に引き上げておくと共に、マスク170を弾性板20上から外しておく。次に、ポンプ50のピストン53を下方に引くことにより、本体部10の凹部10dから流体FLを下方に排出させる。これにより、図5の(a)に示すように、ピストン66が凹部10dの底面10cに接触すると共に弾性板20が変形してピストン66の上面及び凹部10dの側面10bに密着し、これによって、弾性板20の凹部20dが形成する。
つづいて、上述の封口装置100を用いたハニカム構造体の製造方法について説明する。まず、図1の状態から、予め、空気圧シリンダ82を駆動して、ハニカム構造体70を保持する保持具81上方に引き上げておくと共に、マスク170を弾性板20上から外しておく。次に、ポンプ50のピストン53を下方に引くことにより、本体部10の凹部10dから流体FLを下方に排出させる。これにより、図5の(a)に示すように、ピストン66が凹部10dの底面10cに接触すると共に弾性板20が変形してピストン66の上面及び凹部10dの側面10bに密着し、これによって、弾性板20の凹部20dが形成する。
続いて、図5の(b)に示すように、弾性板20の凹部20d内に封口材130を供給する。必要に応じて、レベリング機構を駆動することにより、封口材130の表面の平坦化、脱泡を促す。
(封口材)
封口材130は、ハニカム構造体70の貫通孔70aの端部を閉鎖できるものであれば特に限定されないが、液状であることが好ましい。例えば、封口材として、セラミクス材料又はセラミクス原料と、バインダと、溶媒とを含むスラリーが例示できる。
封口材130は、ハニカム構造体70の貫通孔70aの端部を閉鎖できるものであれば特に限定されないが、液状であることが好ましい。例えば、封口材として、セラミクス材料又はセラミクス原料と、バインダと、溶媒とを含むスラリーが例示できる。
セラミクス材料としては、上述のハニカム構造体の構成材料や、その原料が挙げられる。
バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の有機バインダを例示できる。
バインダの使用量は、例えば、3〜5000mLとすることができる。
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;および水などを用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。
溶媒の使用量は、15〜40重量%とすることができる。
続いて、図6の(a)に示すように、本体部10の凹部10dを覆うように弾性板20上にマスク170をセットし、次いで、空気圧シリンダ82により保持具81を下方に移動させてハニカム構造体70をマスク170に接触させることにより、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70aと、マスク170の貫通孔170aとを連通させ、さらに、空気圧シリンダ82により保持具81を下方に押圧し、ハニカム構造体70の下端面(一端面)がマスク170を介して弾性板20の凹部20dと対向するように、ハニカム構造体70をマスク170及び本体部10に対して固定する。
次いで、ポンプ50のピストンを上方に移動させることにより、凹部10d内に流体FLを供給し、これによって、図6の(b)に示すように、ピストン66及び弾性板20をマスク170に向かって移動させる。この工程は、図7の(a)に示すように、弾性板20がマスク170に接触し、弾性板20の変形が解消して平面状態となるまで行なう。この移動が終わったときに、ピストン66の切り欠き66aと凹部10dの突起10bbとが接触する。
これにより、封口材130がマスク170の貫通孔170aを介して、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に供給され、封口部70pが形成する。そして、弾性板20により封口材130がハニカム構造体70の貫通孔70aに供給される際に、ピストン66が弾性板20の凹部20dを上方に押し上げ、弾性板20が平坦なピストン66に支持されるので、弾性板20の凹部20dの底面の平面性を維持しやすい。したがって、封口部70pの封口長さの均一性を高めやすい。
続いて、空気圧シリンダ82によるハニカム構造体70の下方向への押圧を停止してハニカム構造体70が上方に自由に移動できるようした後、ピストン53をさらに上昇させる。このとき、ピストン66の切り欠き66aと凹部10dの突起10bbとが接触しているので、ピストン66は上昇できない。したがって、流入した流体FLは、ピストン66を透過して、弾性板20と本体部10との間に供給される。これにより、図7の(b)に示すように、弾性板20におけるハニカム構造体の一端面と対向する部分は上方向に凸状(ドーム状)に変形する。これにより、マスク170の中央部に荷重が印加され、マスク170及びハニカム構造体70が上方に移動する。このとき、凸状に変形する弾性板20の周辺部はマスク170から離れるので、これにより、マスク170及びハニカム構造体70を、本体部10から容易に引き離すことが出来る。
続いて、ハニカム構造体70を保持具81から外した後、天地をひっくり返したうえで再びハニカム構造体70を保持具81に保持する。次いで、マスク170とは貫通孔170aの配置が正反対の配置、すなわち、マスク170で貫通孔が形成されていない場所に貫通孔が配置されたマスク170’を用いて、同様の操作を行なう。これにより、図8の(a)に示すように、残りの貫通孔70aの他端側が封口材で封口され、封口部70pが形成する。続いて、上述と同様にして弾性板20におけるハニカム構造体の一端面と対向する部分を上に凸状に変形させることにより、マスク170’及びハニカム構造体70を容易に本体部10及び弾性板20から引き離すことが出来る。
そしてこのようにして、貫通孔70aの両端が封口されたハニカム構造体70を乾燥、焼成等することにより、ハニカムフィルタ構造体を製造することが出来る。
本実施形態によれば、弾性板20により封口材130がハニカム構造体70に供給される際に、ピストン66によって弾性板22が支持される。これにより、弾性板の表面の平面性が維持しやすく、封口長さの均一性を高めやすい。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。
例えば、上記実施形態では、弾性板20が、リング部材25、及び、ボルト31により、本体部10に対して固定されているが、固定方法は特に限定されない。例えば、弾性板20が接着剤によって、凹部10dの上面10aにおける凹部10d周りの部分10aaに固定されていてもよい。
また、上述では、連通路10eが、本体部10及び接続パイプ14により形成されているが、接続パイプ14を有さずに本体部10に直接ポンプ50が接続されていてもよい。
また、上記実施形態では、ポンプ50として、シリンダ51、ピストン53、及び、ピストンロッド54を備えたピストンポンプを採用しているが、流体を供給及び排出できるものであれば特に限定されない。
また、柱状の凹部10dの形状は、ピストンが66が軸方向に移動できる形状であれば特に限定されず、封口対象となるハニカム構造体70にあわせて適宜設定できる。
例えば、柱状の凹部10dの断面形状は、円形以外に楕円形、矩形、正方形等とすることもできる。この場合、矩形や正方形の場合の大きさは、例えば、一辺50〜300mmとすることができる。また、柱状の凹部10d内を軸方向に移動できるように、ピストン66の平面形状も、円形以外に楕円形、矩形、正方形等の種々の形状を有することができる。
また、本体部10の上面10aにおける凹部10dの周りの部分10aaに対して、底面10cが平面である必要は無く、例えば、斜面であったり曲面であってもよい。
例えば、柱状の凹部10dの断面形状は、円形以外に楕円形、矩形、正方形等とすることもできる。この場合、矩形や正方形の場合の大きさは、例えば、一辺50〜300mmとすることができる。また、柱状の凹部10d内を軸方向に移動できるように、ピストン66の平面形状も、円形以外に楕円形、矩形、正方形等の種々の形状を有することができる。
また、本体部10の上面10aにおける凹部10dの周りの部分10aaに対して、底面10cが平面である必要は無く、例えば、斜面であったり曲面であってもよい。
また、上記実施形態では、保持部80は空気圧シリンダ82を備えるがこれに限られず、たとえば、歯車機構等の種々の機構に代替することが出来る。
また、保持部80は必ずしも必須ではない。例えば、封口材を供給するときには錘をハニカム構造体70の上に載せることによりハニカム構造体を本体部10に対して固定し、ハニカム構造体70を本体部から離れさせる際には、錘を除去してハニカム構造体を移動可能としてもよい。また、ハニカム構造体がある程度の重量を有する場合には、自重によって固定されるので特段の固定手段を有さない態様も可能である。
ハニカム構造体70の形状や構造も上述に限定されない。例えば、ハニカム構造体70の外形形状も円柱でなくてもよく、例えば、四角柱等の角柱でもよい。また、ハニカム構造体70の貫通孔70aの断面形状は、六角形でなくてもよく、例えば、正方形、長方形、三角形、六角形以外の多角形、円形等でも構わない。さらに、貫通孔70aの配置も、三角形配置でなくてもよく、例えば、正方形配置、千鳥配置等でも構わない。また、この場合、マスクの貫通孔の形状や配置も、ハニカム構造体70の貫通孔70aの形状や配置に応じて適宜変更でき、貫通孔の形状と異なっていてもよい。
また、マスクの貫通孔の位置も任意の位置に設定できる。さらに、このようなマスク170を用いなくても実施可能である。例えば、封口処理の前に、ハニカム構造体70の一部の貫通孔70a内に加熱すると分解する材料により栓をしておき、封口後に栓を熱分解等すればよい。本発明では、マスクを使用しない場合であっても、封口処理後に凸状に変形する弾性板20によって、ハニカム構造体70を本体部10や弾性板20から容易に引き離すことが出来るという効果がある。
なお、本実施形態では、連通路10eは凹部10dの底面10cに開口しているが、凹部10dの内面に開口していれば良く、例えば、凹部10dの側面10bに開口していてもよい。また、連通路10eの開口の形状や数も特に限定されない。連通路10eが側面10bのみに開口している場合には、当該開口位置よりも上の部分でピストン66を移動させることが好ましい。
また、上記実施形態では、所定の位置(例えば、封口を終了する位置)を超えてピストンが底面から離れる方向に移動することを規制する接触部として、突起10bbを備えているが他の構成、例えば、柱状の凹部10dの径を上に行くほど狭くなるようなテーパ形状にする等にしてもよい。所定の位置も特に限定されず、上記実施形態のように、弾性板20の凹部20dが解消する位置としてもよいが、それよりも下、あるいは、上としても実施は可能である。また、接触部が無くても封口の実施は可能である。この場合、封口後に、弾性板20を凸状に突出させて弾性板20からハニカム構造体70を引き離すかわりに、本体部10に対してハニカム構造体70に水平方向の力や軸回転の力を与えることができ、これにより弾性板20からハニカム構造体を引き離すことができる。
また、上記実施形態では、ピストン66が流体を流通可能な孔を有するが、弾性板を凸状に突出させない場合や、ピストン66と筒状の凹部10dとの間に十分な隙間がある場合には孔がないソリッドな板でも実施は可能である。
10…本体部、10b…凹部、10bb…突起(接触部)、10e…連通路、20…弾性板、30…凹部、50…ポンプ、66…ピストン、66a…切り欠き、70…ハニカム構造体、80…保持部、100…封口装置、170…マスク。
Claims (8)
- 柱状の凹部及び前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、
前記凹部を覆うように前記本体部に固定された弾性板と、
前記凹部内に配置され、前記凹部の軸方向に移動可能なピストンと、を備えた封口装置。 - 前記本体部は、前記ピストンに接触することにより、所定の位置を超えて前記ピストンが前記凹部の底面から離れる方向に移動することを規制する接触部を有する請求項1記載の封口装置。
- 前記ピストンは、厚み方向に流体が透過可能な孔を有する請求項2記載の封口装置。
- 前記ピストンは、多孔質板である請求項2又は3記載の封口装置。
- 前記弾性板は、ゴム板である請求項1〜4のいずれか一項記載の封口装置。
- 前記連通路に接続されたポンプをさらに備える請求項1〜5のいずれか一項記載の封口装置。
- 柱状の凹部及び前記凹部の内面に開口する連通路を有する本体部と、前記凹部を覆うように前記本体部に固定された弾性板と、前記凹部内に配置されたピストンと、を準備する工程と、
前記連通路を介して前記凹部内の流体を排出することにより前記弾性板の凹部を形成する工程と、
前記弾性板の凹部内に封口材を供給する工程と、
前記凹部と対向する位置に、複数の貫通孔を有するハニカム構造体の一端面を配置する工程と、
前記連通路を介して前記凹部内に流体を供給することにより、前記ハニカム構造体の一端面に向かって前記ピストン及び前記弾性板を移動させる工程と、を備える、端部が封口されたハニカム構造体の製造方法。 - 前記ハニカム構造体の一端面に向かって前記ピストン及び前記弾性板を移動させた後に、前記ピストンの移動を止めた状態で前記連通路を介して前記凹部内にさらに流体を供給し、前記弾性板を凸状に突出させる工程をさらに備える請求項7記載の方法。
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JP2011277243A JP2013126744A (ja) | 2011-12-19 | 2011-12-19 | 封口装置及びハニカム構造体の製造方法 |
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2011
- 2011-12-19 JP JP2011277243A patent/JP2013126744A/ja active Pending
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