JP2013126084A - 立体像撮影装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】劣化のない良好な立体像を撮影できる立体像撮影装置を提供する。
【解決手段】同一被写体からの視差画像の2つの入射光を偏光方向が異なる2つの偏光に変換して、2つの偏光を合成する偏光合成部(109L,109R,P101,111,112)と、偏光合成部(109L,109R,P101,111,112)で合成された2つの偏光を複数のレンズを介して結像させるカメラ光学系(L2〜L8)と、2つの偏光が異なる像面に結像するように、カメラ光学系(L2〜L8)を透過した2つの偏光を分離する偏光分離部(P102)とを備える。上記偏光合成部(109L,109R,P101,111,112)は、2つの入射光のうちの一方をλ/4シート111(偏光変換素子)と反射ミラー112の反射面を用いて偏光方向を変換してカメラ光学系(L2〜L8)に導く。
【選択図】図2

Description

この発明は、立体像撮影装置およびその立体像撮影装置を備えた電子機器に関する。
近年、携帯電話、スマートフォンやPDA(Personal Digital Assistant:パーソナル・デジタル・アシスタント)に代表される携帯型の電子機器等が普及し、それらの多くに小型カメラが搭載されている。このようなカメラは、小型のCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:コンプリメンタリ・メタル・オキサイド・セミコンダクタ)の撮像センサを用いることにより小型化を実現している。さらに、カメラの高解像度化、高性能化、多機能化が求められている。
また、近年、3次元(3D)ディスプレイが普及してきており、ユーザーの立体視への興味が高まっている。例えば、小型カメラを備えた電子機器で自分が撮影した写真(静止画)や動画等をディスプレイに立体表示することが可能であり、自分の撮影した好みの静止画や動画等をディスプレイ上に立体表示させたいという要望が強まっている。
これらの観点から、例えば、電子機器に搭載されているような高画素やズーム機能のみを備えたカメラでは、ユーザーの期待に応えることができず、立体像をも撮影可能にするカメラへの期待が高まっている。
従来の立体像を撮影できるカメラとして、特許文献1(特開昭64−54438号公報)に記載されたものがある。このカメラでは、右と左の2つの偏光を合成して1つの光学系を通した後、2つの偏光を分離して、異なる撮像素子に結像させる。
しかしながら、上記従来の立体像を撮影できるカメラでは、一方の偏光の一部が他方の偏光に変換されてしまって、光学系の通過後に2つの偏光を正しく分離できないため、像のうつり込み等により良好な立体像を得ることができないという問題がある。
特開昭64−54438号公報
そこで、この発明の課題は、劣化のない良好な立体像を撮影できる立体像撮影装置および電子機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の立体像撮影装置は、
同一被写体からの視差画像の2つの入射光を偏光方向が異なる2つの偏光に変換して、上記2つの偏光を合成する偏光合成部と、
上記偏光合成部で合成された上記2つの偏光を複数のレンズを介して結像させるカメラ光学系と、
上記2つの偏光が異なる像面に結像するように、上記カメラ光学系を透過した上記2つの偏光を分離する偏光分離部と
を備え、
上記偏光合成部は、上記2つの入射光のうちの一方を偏光変換素子と反射部材を用いて偏光方向を変換して上記カメラ光学系に導くことを特徴とする。
上記構成によれば、偏光合成部は、2つの入射光のうちの一方を偏光変換素子と反射部材を用いて偏光方向を変換してカメラ光学系に導くことによって、上記反射部材による反射に起因する反射波面収差を小さくでき、光学特性の低下を抑制して、劣化のない良好な立体画像を撮影することができる。
また、一実施形態の立体像撮影装置では、
上記偏光合成部は、偏光プリズムを含み、
上記偏光プリズムにより上記同一被写体からの視差画像の2つの入射光から上記2つの偏光を生成して合成するとき、上記2つの偏光のうちの一方を上記偏光変換素子により偏光方向を変換する。
上記実施形態によれば、偏光合成部の偏光プリズムにより同一被写体からの視差画像の2つの入射光から2つの偏光を生成して合成するとき、上記2つの偏光のうちの一方を偏光変換素子により偏光方向を変換することによって、簡単かつコンパクトな構成で反射波面収差を小さくできる。
また、一実施形態の立体像撮影装置では、
上記偏光合成部は、上記偏光プリズムの出射面に、上記偏光変換素子と上記反射部材とが順に重ね合わさるように固定されており、
上記2つの偏光のうちの一方が上記偏光プリズムの出射面から出射された後、上記偏光変換素子を通過して上記反射部材の反射面で反射して、再び上記偏光変換素子を介して上記偏光プリズムの出射面に入射する。
上記実施形態によれば、2つの偏光のうちの一方が偏光プリズムの出射面から出射された後、偏光変換素子を通過して反射部材の反射面で反射して、再び偏光変換素子を介して偏光プリズムの出射面に入射することによって、短い経路で偏光方向を変換することができ、小型化が容易にできる。
また、この発明の電子機器では、
上記のいずれか1つの立体像撮影装置を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、劣化のない良好な立体像を撮影できる立体像撮影装置を携帯電話等の小型の電子機器に搭載することで、高機能かつ付加価値の高い小型の電子機器を提供することができる。
以上より明らかなように、この発明の立体像撮影装置によれば、劣化のない良好な立体像を撮影できる立体像撮影装置を提供することにある。
また、この発明の電子機器によれば、劣化のない良好な立体像を撮影できる電子機器を提供することにある。
図1はこの発明の第1実施形態の偏光合成式の立体像撮影装置の概略模式図である。 図2は上記偏光合成式の立体像撮影装置の構成図である。 図3は上記立体像撮影装置の斜視図である。 図4は上記立体像撮影装置の偏光プリズムの被写体側から見た正面図である。 図5は上記立体像撮影装置の偏光プリズムの側面図である。 図6は上記立体像撮影装置の偏光プリズムの斜視図である。 図7は反射ミラーとλ/4シートおよび偏光プリズムの比較例の模式図である。 図8は上記立体像撮影装置の反射ミラーとλ/4シートおよび偏光プリズムの模式図である。 図9は図7に示す比較例の反射波面収差を示す図である。 図10は図8に示す立体像撮影装置の反射ミラーとλ/4シートおよび偏光プリズムの反射波面収差を示す図である。 図11は上記偏光合成式の立体像撮影装置の画像処理装置の構造を説明するブロック図である。 図12はこの発明の第2実施形態の立体像撮影装置を用いた電子機器の一例としての携帯電話の正面図である。
以下、この発明の立体像撮影装置および電子機器を図示の実施の形態により詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
この発明の第1実施形態として、偏光合成方式を用いた立体像撮影装置に関して、図1〜図11を用いて説明する。この第1実施形態に係る偏光合成式の立体像撮影装置は、左右から見た被写体を偏光の違いを利用して合成し、1つのカメラ光学系で結像し、再び偏光の違いにより2つの像に分離し、それぞれに対応した撮像素子に結像させ、両眼(左右2枚)の画像を形成するものである。この立体像撮影装置では、異なった方向から光線を取り込むために、2つの光取込部101,102が配置されている。また、撮像素子において、2つの分離した像として取り込むために、2つの撮像素子106,107が配置されている。以下、その構成について具体的に説明する。
図1は、上記第1実施形態に係る偏光合成式の立体像撮影装置100を示す概念図である。この偏光合成式の立体像撮影装置100は、図1に示すように、概略的には被写体Aの像を取り込む2か所の光取込部101(L1),102(L1)と、光取込部102から入射した入射光と、光取込部101から入射した偏光成分の異なる(p偏光成分とs偏光成分)入射光を合成して、カメラ光学系104に導く偏光合成部103と、被写体Aの像を所望の倍率で撮像素子106,107上に結像するカメラ光学系104(L2〜L8)と、カメラ光学系104を出射した結像光を偏光成分の違いにより、2つの撮像素子106,107方向に分離する偏光分離部105と、撮像素子106,107で得られた被写体像を撮像(光電変換)した後に、A/D変換して得たデジタル画像データから画像を形成する画像処理装置108とを備えている。撮像素子106,107には、偏光成分の異なる光が入射し、撮像イメージIMG1とIMG2は一定量ずれた映像(視差画像)となる。このずれ量は、光取込部101,102の配置によって決まる数値である。この第1実施形態では、光取込部102と光取込部101の中心間隔は、20[mm]離れている。
上記偏光合成部103は、同一被写体Aからの視差画像の2つの入射光を偏光方向が異なる2つの偏光に変換して、2つの偏光を合成する。また、上記カメラ光学系104は、偏光合成部103で合成された2つの偏光を複数のレンズを介して結像させる。また、上記偏光分離部105は、2つの偏光が異なる像面に結像するように、カメラ光学系104を透過した2つの偏光を分離する。
以下、光取込部101,102から取り込まれた被写体Aの像が、撮像素子106,107上に結像される過程を図2〜図6を用いて説明する。
図2は、上記第1実施形態の偏光合成式の立体像撮影装置100を被写体側から見た図であり、図3は立体像撮影装置100の斜視図である。図2において偏光合成部103は、光の入射側から見て、光取込部101(L1),102(L1)の裏面に夫々配置された45度プリズム109L,109Rと、光路変換素子P101と、偏光変換素子の一例としてのλ/4シート111と、反射部材の一例としての反射ミラー112で構成されている。上記45度プリズム109L,109Rと、光路変換素子P101と、λ/4シート111と、反射ミラー112で偏光プリズムを構成している。
光取込部101,102から入射した光線は、45度プリズム109L,109Rによって、光路を90度折り曲げられ、光路変換素子P101に到達する。図2には、左側の光取込部101から取り込んだ光が撮像素子106に到達する経路をLLとして点線で示し、右側の光取込部102から取り込んだ光が撮像素子107に到達する経路をLRとして実線で示してある。
図2に示されるように、この第1実施形態の立体像撮影装置100は、像面からの距離が固定された負の屈折力を有する第1レンズ群G1と、変倍時に光軸方向に沿って移動する正の屈折力を有する第2レンズ群G2と、変倍時や合焦時に光軸方向に沿って移動する負の屈折力を有する第3レンズ群G3と、像面からの距離が固定された正の屈折力を有する第4レンズ群G4でズームレンズが構成されている。上記第1レンズ群と第2レンズ群と第3レンズ群と第4レンズ群を物体側から像面側に向かって順に配置している。また、第1レンズ群G1内に光路合成部の光路変換素子P101を配置し、第4レンズ群G4の像面側に偏光分離部の一例としての光路変換素子P102を配置している。
図2において、第1レンズ群G1において、物体側から順に、物体側に凸面を備えた負のメニスカスレンズ形状の第1レンズL1と、第1レンズL1を介して入射した光線の光路を略90度X方向に折り曲げる光路変換素子P101と、物体側と像面側に対して共に凹面を備えた第2レンズL2と、物体側が凸面でかつ像面側が略平面の第3レンズL3を配置している。この第1レンズ群G1は負の屈折力を有している。
また、第2レンズ群G2は、物体側から像面側に向かって順に、絞りSTO(図示せず)と、物体側および像面側に凸面を備えた第4レンズL4と、物体側に凸面を備えたメニスカスレンズ形状の第5レンズL5と物体側に凸面を備えたメニスカスレンズ形状の第6レンズL6との貼り合わせからなる接合レンズを配置している。この第2レンズ群G2は正の屈折力を有している。
更に、第3レンズ群G3は、物体側に凸面を備えた負のメニスカスレンズ形状の第7レンズL7の1枚だけで構成されている。この第3レンズ群G3は負の屈折力を有している。
また、第4レンズ群G4は、物体側に凹面および像面側に凸面を備えたメニスカスレンズ形状の第8レンズL8の1枚だけで構成されている。この第4レンズ群G4は正の屈折力を有している。第4レンズ群G4の像面側には、光路を略90度折り曲げたり分離したりすることを目的として配置された光路変換素子P102が配置されている。
図4は上記立体像撮影装置100の偏光プリズムを被写体側から見た正面図を示し、図5は上記立体像撮影装置100の偏光プリズムの側面図を示し、図6は上記立体像撮影装置100の偏光プリズムの斜視図を示している。
図4に示す光路変換素子P101は、s偏光成分を反射し、p偏光成分を透過する広帯域PBS膜P101aを有し、この広帯域PBS膜P101aにおいてs偏光成分を反射するのが光路変換面である。光路変換素子P101は、光取込部102から取り込んだ光LRの中で、s偏光成分は図4の−Y方向に反射し、光取込部101から取り込んだ光LLの中で、s偏光成分は図4の+Y方向に反射する。一方、光取込部101および102から取り込んだ光LL,LRの中で、p偏光成分は広帯域PBS膜P101aを透過し、光軸方向であるY軸の方向に反射されない。また、光取込部101から取り込んだ光LLのs偏光成分は、+Y方向に反射された後、λ/4シート111を透過することで、例えば右回り円偏光に変換され、さらに反射ミラー112で反射することで左回り円偏光になり、再びλ/4シート111を透過することでp偏光成分になる。反射ミラー112は、アルミニウムなどの金属を表面に蒸着し、反射面として用いられる。反射ミラー112によって反射された光LLは、円偏光の成分を有しているが、再びλ/4シート111を通過し、直線偏光であるp偏光成分に変換され、広帯域PBS膜P101aを透過する。
図5において、θ1とθ2は、135°±0.05°としている。
広帯域PBS膜P101aには、偏光ビームスプリッタ(PBS)が用いられているが、その特性としては、可視光波長帯域(400(nm)〜700(nm))、膜面への入射角45±10(度)の範囲でp偏光成分の透過率が90(%)以上で、s偏光成分の反射率が90(%)以上であることが望ましく、理想的には、膜面への入射角45±20(度)の範囲で、p偏光成分の透過率が100(%)で、s偏光成分の反射率が100(%)であるのが望ましい。
次に、この第1実施形態における数値例について、図2,図3および表1〜表3を用いて詳細に説明する。
表1は面データを示し、表2は、表1の面データのうち非球面レンズの形状に関するデータを示し、表3は、各ズームポジションにおける焦点距離f、Fナンバー、移動群の面間隔2w等を示している。面間隔Riおよび曲率半径Diの値の単位はmm(ミリメートル)である。屈折率およびアッベ数の欄には、レンズ要素のd線(587.6nm)に対する屈折率およびアッベ数の値を示している。
また、非球面形状に関して、光軸方向にZ軸、光軸と直交する方向にY軸をとるとき、非球面式である次式を用いて表される。
表1において、第1レンズL1はS1からS2、光路変換素子P101はS3からS4、第2レンズL2はS5からS6、第3レンズL3はS7からS8、絞りSTOがS9、第4レンズL4はS10からS11、第5レンズL5はS12からS13、第6レンズL6はS13からS14(貼り合せ)、第7レンズL7はS15からS16、第8レンズL8がS17からS18、光路変換素子P102がS19からS20に対応している。また、撮像素子のL9がS21からS22に対応しており、S23は像面に対応している。
次に、上記第1実施形態の立体像撮影装置のλ/4シート111と反射ミラー112で構成される偏光変換部の構成について説明する。
まず、図7は反射ミラー112とλ/4シート111および偏光プリズムの比較例の模式図を示している。
図7に示すように、粘着フィルム121が一方の面に接着されたλ/4シート111と、UV接着剤122が一方の面に塗布された反射ミラー112とを夫々作成する。この粘着フィルム121およびUV接着剤122の材料としては、アクリル系、シリコーン系、エポキシ系などの材料を用いることができる。また、可視領域の光の高い透過特性を備えていれば、この他の材料も粘着フィルム121およびUV接着剤122の材料として用いることができる。また、上記粘着フィルム121およびUV接着剤122の厚さは、例えば1〜50μm程度の厚みを想定、左右示唆画像の収差の違いや光路長変化への影響を考えるとより薄い方がよく、30μm以下が望ましい。
次に、上記反射ミラー112のUV接着剤122が塗布された面に、λ/4シート111の他方の面を接着する。
そして、UV接着剤122を介して接着された反射ミラー112,λ/4シート111を、偏光プリズムの光路変換素子P101の出射面に粘着フィルム121を介して接着させる。
このように、光路変換素子P101の出射面に、粘着フィルム121,λ/4シート111,UV接着剤122,反射ミラー112を順に積層して偏光変換部を構成する。このような偏光変換部の射波面収差を図9に示す。図9は平面座標[画素(任意ピッチ)]における収差を示している。
これに対して、図8は上記立体像撮影装置100の反射ミラー112とλ/4シート111および偏光プリズムの模式図を示している。
図8に示すように、粘着フィルム121が一方の面に接着されたλ/4シート111を作成する。
次に、上記λ/4シート111の粘着フィルム121が接着された面に、反射ミラー112の一方の面を接着させる。
次に、粘着フィルム121を介して接着された反射ミラー112,λ/4シート111を、偏光プリズムの光路変換素子P101の出射面にUV接着剤122を介して接着する。
このように、光路変換素子P101の出射面に、UV接着剤122,λ/4シート111,粘着フィルム121,反射ミラー112を順に積層して偏光変換部を構成する。このような偏光変換部の射波面収差を図10に示す。図10は平面座標[画素(任意ピッチ)]における収差を示している。
図9に示す比較例の反射波面収差が大きく乱れているのに対して、図10に示す第1実施形態の立体像撮影装置の反射波面収差は平坦で良好な特性を示している。
この第1実施形態において、カメラ光学系104は、図2に示した様に、複数のレンズ群から構成されており、これらのレンズ群を駆動することにより焦点距離を変更できるズームレンズとなっている。上記説明の通り、光取込部101,102には2つの同一のレンズL1を配置しているが、偏光合成部103を通して、2つの入射光が一つに合成されるため、カメラ光学系104は共有化することができる。このため、光取込部101,102から取り込まれた2種類の偏光像は、この1組のカメラ光学系104で同時にズーミング、フォーカシングが行われると共に、光学系のもつ収差の影響は2つの像に対して同じように働くため、2つの像間の画像の違いが発生しないし、撮像系として最もコストがかかり、サイズアップの影響があるカメラ光学系104部分に対して、コストダウンを図ることができるだけでなく、偏光合成式の立体像撮影装置の小型化にも大きく貢献できる。
また、取り込んだ像を撮像するための撮像素子は、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の撮像素子(センサ)、サンプルホールド回路、A/D変換器等を備えており、上記p偏光成分およびs偏光成分の分離画像に基づく撮像素子の出力に基づいて画像データを生成する。また、一般的にカメラは、自分で撮影した画像に関する情報を記録する内蔵メモリを有し、双方向パラレルインターフェースやSCSIインターフェース等の高速で画像転送可能な汎用インターフェースやUSB(Universal Series Bus)によって画像処理装置のコンピュータに接続される。
図11は、一般的なカメラに用いられる画像処理装置108の構造を説明するブロック図である。画像処理装置108は、演算処理を実行し、命令を出力する等の機能を備えたCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)207と、画像処理のための手順をCPU207に実行させるためのプログラム等を格納したROM(Read Only Memory:リード・オンリー・メモリー)208と、CPUの処理動作のために、ROM208から読み出した上記プログラムや、CPUの処理のために必要なデータ等を一時的に格納しておくRAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリー)209からなるコンピュータ210と、データやコマンド等を入力するための入力部211と、CPUの出力を表示するための表示部212と、更に必要に応じて画像データを収納するための記憶手段(図示せず)を備えている。
画像は撮像素子で電気信号に変換されて、A/D変換した後、内蔵の画像信号処理回路に入りシェーディング補正やγ補正等の処理を行った後、その内蔵メモリに記録される。画像処理装置108に入力された画像データは、コンピュータ210で画像2枚のステレオ画像に形成される。画像処理装置108のコンピュータ210はこのようにして得られた2つの画像から立体画像を生成し、例えばディスプレイなどの出力手段(図示せず)等に表示することができる。
以上、光取込部101および光取込部102からの入射光の夫々が、偏光合成部103、カメラ光学系104、偏光分離部105を通して、撮像素子106,107上にそれぞれp偏光成分およびs偏光成分に分離した画像を結像する手段について詳細に説明した。p偏光成分の画像とs偏光成分の画像は、光取込部101および光取込部102の視差に応じてそれぞれ互いに僅かにずれている。
上記構成の立体像撮影装置によれば、2つの第1レンズL1,L1より取り込んだ入射光を、光路変換素子P101を含む偏光合成部103によって合成し、共通の第2,第3レンズL2,L3と第2〜第4レンズ群G2〜G4を介して集光させ、撮像素子の直前で再び光路を、光路変換素子P102を含む偏光分離部105により分割し、別々の撮像素子上に結像させることで、被写体を複数の異なった角度から撮影することが可能となり、立体像を得ることができる。
上記立体像撮影装置によれば、偏光合成部103は、2つの入射光のうちの一方をλ/4シート111(偏光変換素子)と反射ミラー112を用いて偏光方向を変換してカメラ光学系104に導くことによって、反射ミラー112による反射に起因する反射波面収差を小さくでき、光学特性の低下を抑制して、劣化のない良好な立体画像を撮影することができる。
また、上記偏光合成部103のλ/4シート111(偏光変換素子)と反射面が、合成した上記2つの偏光をカメラ光学系104に導く方向に対応した位置に設けられていることによって、λ/4シート111(偏光変換素子)により偏光方向が変換された偏光を反射ミラー112でカメラ光学系104に向けて反射するので、反射波面収差を小さくできる。
また、上記偏光合成部103の偏光プリズム(109L,109R,P101,111,112)により同一被写体からの視差画像の2つの入射光から2つの偏光を生成して合成するとき、上記2つの偏光のうちの一方をλ/4シート111(偏光変換素子)により変換することによって、簡単かつコンパクトな構成で反射波面収差を小さくできる。
また、2つの偏光のうちの一方が偏光プリズム(109L,109R,P101,111,112)の出射面から出射された後、λ/4シート111(偏光変換素子)を通過して反射ミラー112の反射面で反射して、再びλ/4シート111(偏光変換素子)を介して偏光プリズム(109L,109R,P101,111,112)の出射面に入射することによって、短い経路で偏光方向を変換することができ、小型化が容易にできる。
また、上記第1実施形態において、カメラ光学系104の平均複屈折量を30nm以下にすることによって、視差画像のクロストーク量を3%以下にすることが可能になる。
〔第2実施形態〕
また、この発明の第2実施形態として、この発明の立体像撮影装置を搭載した電子機器の一例としての携帯型情報端末に関して図12を用いて説明する。図12は、この発明の偏光合成式の立体像撮影装置を搭載した携帯電話300の外観を示す図である。図12(A)は携帯電話300の正面図であり、図12(B)は携帯電話300の背面図であり、図12(C)は携帯電話300の側面図である。図12では、電子機器として携帯電話である例を示しているが、この第2実施形態の電子機器は、これに限定されるものではない。電子機器としては、例えば、PC(特にモバイルPC)、PDA、ゲーム機、テレビ等のリモートコントローラ等が挙げられる。
図12(A)〜図12(C)に示されるように、携帯電話300は、モニター側筐体301および操作側筐体302を備えている。モニター側筐体301は、モニター部305およびスピーカー部306を含み、操作側筐体302は、マイク部303、テンキー304を含み、その裏面にこの発明の偏光合成式の立体像撮影装置307が配置されている。例えば、偏光合成式の立体像撮影装置307に第1実施形態の偏光合成式の立体像撮影装置100を用いてもよい。
図12(B)では、偏光合成式の立体像撮影装置307の光取込部が横一列になるように配置されているが、この配置だけに限定される訳ではなく、偏光合成式の立体像撮影装置307の光取込部は、携帯電話300の筐体に対して縦方向に配置されても良い。また、この第2実施形態のズームレンズの配置方法およびその向きについては、携帯電話300のモニター側筐体301の裏面に限定されるわけではない。
図12(A)において、スピーカー部306は、音声情報を外部に出力するものであり、マイク部303は音声情報を携帯電話300に入力するものである。モニター部305は、映像情報を出力するものであり、例えば、偏光合成式の立体像撮影装置307で撮像した被写体の像をモニター部305に出力させることも可能である。
なお、この第2実施形態の携帯電話300は、図12に示されるように、上部の筐体(モニター側筐体301)と下部の筐体(操作側筐体302)とがヒンジを介して接続されている、いわゆる折りたたみ式の携帯電話300を例として挙げている。携帯電話300として、折りたたみ式が主流であるため、本実施形態では折りたたみ式の携帯電話を一例として挙げているのであって偏光合成式の立体像撮影装置307を搭載することができる携帯電話300は、折りたたみ式に限るものではない。近年、折りたたみ式の携帯電話300において、折りたたんだ状態で厚みが10mm以下のものも登場してきている。携帯電話300の携帯性を考慮するならば、その厚みは極めて重要な要素となっている。
図12に示す操作側筐体302において、図示されない内部の回路基板等を除いて、その厚みを決定する部品は、マイク部303、テンキー304、偏光合成式の立体像撮影装置307である。この中で、偏光合成式の立体像撮影装置307の厚さが最も厚く、偏光合成式の立体像撮影装置307の薄型化は、携帯電話300の薄型化に直接繋がる。よって、上述のように薄型化可能なこの発明の偏光合成式の立体像撮影装置307は、携帯電話の様な薄型化を必要とする電子機器に対して好適な発明である。
上記構成によれば、偏光合成式の立体像撮影装置307を携帯電話300に搭載することで、劣化のない良好な立体像を撮影することが可能となり、高機能かつ付加価値の高い小型の携帯電話300を実現することができる。
上記第2実施形態では、偏光合成式の立体像撮影装置を備えた電子機器としての携帯電話について説明したが、電子機器はこれに限らず、他の携帯情報端末などの電子機器にこの発明を適用してもよい。
この発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についてもこの発明の技術的範囲に含まれる。
100…立体像撮影装置
101,102…光取込部
103…偏光合成部
104…カメラ光学系
105…偏光分離部
106,107…撮像素子
108…画像処理装置
109L,109R…光路変換素子
111…λ/4シート
112…反射ミラー
114…位相差板
115…反射ミラー
200…撮像素子
201…偏光板
202…偏光板
203…撮像素子の画素
207…CPU
208…ROM
209…RAM
210…コンピュータ
211…入力部
212…表示部
300…携帯電話
301…モニター側筐体
302…操作側筐体
303…マイク部
304…テンキー
305…モニター部
306…スピーカー部
307…偏光合成式の立体像撮影装置
L1…第1レンズ
L2…第2レンズ
L3…第3レンズ
L4…第4レンズ
L5…第5レンズ
L6…第6レンズ
L7…第7レンズ
L8…第8レンズ
L9…第9レンズ
IMG1,IMG2…像面
P101…光路変換素子
P101a…広帯域PBS膜
P102…偏光分離素子
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
A…被写体
LR…光取込部102から取り込まれた光
LL…光取込部101から取り込まれた光

Claims (4)

  1. 同一被写体からの視差画像の2つの入射光を偏光方向が異なる2つの偏光に変換して、上記2つの偏光を合成する偏光合成部と、
    上記偏光合成部で合成された上記2つの偏光を複数のレンズを介して結像させるカメラ光学系と、
    上記2つの偏光が異なる像面に結像するように、上記カメラ光学系を透過した上記2つの偏光を分離する偏光分離部と
    を備え、
    上記偏光合成部は、上記2つの入射光のうちの一方を偏光変換素子と反射部材を用いて偏光方向を変換して上記カメラ光学系に導くことを特徴とする立体像撮影装置。
  2. 請求項1に記載の立体像撮影装置において、
    上記偏光合成部は、偏光プリズムを含み、
    上記偏光プリズムにより上記同一被写体からの視差画像の2つの入射光から上記2つの偏光を生成して合成するとき、上記2つの偏光のうちの一方を上記偏光変換素子により偏光方向を変換することを特徴とする立体像撮影装置。
  3. 請求項2に記載の立体像撮影装置において、
    上記偏光合成部は、上記偏光プリズムの出射面に、上記偏光変換素子と上記反射部材とが順に重ね合わさるように固定されており、
    上記2つの偏光のうちの一方が上記偏光プリズムの出射面から出射された後、上記偏光変換素子を通過して上記反射部材の反射面で反射して、再び上記偏光変換素子を介して上記偏光プリズムの出射面に入射することを特徴とする立体像撮影装置。
  4. 請求項1から3までのいずれか1つに記載の立体像撮影装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015230444A (ja) * 2014-06-06 2015-12-21 株式会社リコー 撮像装置
CN110579202A (zh) * 2018-06-08 2019-12-17 发那科株式会社 具备偏振滤镜的测距装置

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