JP2013125688A - 燃料電池用燃料タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料タンクの向き(傾き)に関わらず、また液体燃料の残存量が少ない場合であっても液体燃料を安定して供給することができる燃料電池用燃料タンクを提供する。
【解決手段】燃料電池に供給される液体燃料を収容するための燃料タンクであって、燃料タンク内の液体燃料を排出するための燃料排出口101と、燃料排出口101の外縁に接するように燃料タンク内に配置される、燃料タンク内の液体燃料を燃料排出口101まで誘導するための燃料誘導部材110とを備えており、燃料誘導部材110が、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%以上であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けた場合においても、燃料タンク内の液体燃料が燃料誘導部材110と接触するように配置されている燃料タンクである。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に供給する液体燃料を収容するための燃料タンク(燃料収容器)に関する。
燃料電池は、情報化社会を支える携帯用電子機器の新規電源として実用化の期待が高まっており、とりわけ、燃料として液体燃料(アルコールまたはアルコール水溶液)を使用するダイレクトアルコール型燃料電池は、常温で高い発電効率が得られるとともに、燃料タンクを比較的簡易に設計できるなどの理由から、燃料タンクを含めた燃料電池システムの簡略化、省スペース化が可能であり、携帯用電子機器搭載用の小型燃料電池としての期待が特に高い。
燃料電池と、これに接続された燃料タンクとを含む燃料電池システムを、たとえば携帯用電子機器に搭載した場合には、携帯用電子機器の使用時の向き(傾き)に応じて、燃料タンクは様々な向きを採り得るが、燃料タンクが傾く方向によっては、液体燃料を安定して燃料電池に供給することが難しく、燃料電池の出力が安定しないという問題があった。
特許文献1には、上記課題を解決すべく、一端が液体燃料流出口に挿入・接続され、他端が液体燃料流出口を有する面と対向する面まで延びる、たとえばL字形の吸液誘導部材を燃料タンクの内部に配置し、その毛管力で液体燃料を吸い上げて液体燃料流出口まで誘導する技術が提案されている。
特開2008−204852号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の燃料タンクによっても、燃料タンクの向き(傾き)によっては液体燃料を安定的に供給することができない場合がある。たとえば、特許文献1の図2を参照して、液体燃料Fが燃料タンク21内の左上の領域に位置する場合には、液体燃料Fは吸液誘導部材22に接触しないため、燃料供給を行なうことができなくなる。そしてこのような問題は、液体燃料の残存量が少ない場合に顕著である。
そこで本発明は、燃料タンクの向き(傾き)に関わらず、また液体燃料の残存量が少ない場合であっても液体燃料を安定して供給することができる、燃料供給性能が改善された燃料電池用燃料タンクを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく本発明は、燃料電池に供給される液体燃料を収容するための燃料タンクであって、燃料タンク内の液体燃料を排出するための燃料排出口と、該燃料排出口の外縁に接するように燃料タンク内に配置される、燃料タンク内の液体燃料を燃料排出口まで誘導するための燃料誘導部材とを備えており、燃料誘導部材が、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%以上であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けた場合においても、燃料タンク内の液体燃料が燃料誘導部材と接触するように配置されている燃料タンクを提供するものである。
本発明において燃料誘導部材は、好ましくは、燃料タンク内面における面の曲率が変化する箇所の少なくとも一部に接して配置される部分を含む。
本発明に係る1つの実施形態において、燃料タンク内面は2つの面が交わって形成される交線を含み、燃料誘導部材は該交線に沿って配置される部分を含む。また、他の実施形態において、燃料タンク内面は3つの面が交わって形成される交点を含み、燃料誘導部材は該交点に接して配置される部分を含む。
燃料誘導部材は多孔質体からなることが好ましい。また燃料誘導部材は、複数の多孔質片(多孔質体からなる部品)を組み合わせてなるものであってもよい。
本発明に係るさらに他の実施形態において燃料誘導部材は、その一端が燃料排出口の外縁に接するように燃料タンク内面に取り付けられた多孔質片と、該多孔質片の他端に取り付けられ、液体燃料よりも比重の大きい錘片とから構成することができる。
本発明の燃料タンクに収容される液体燃料は、たとえばアルコールまたはアルコール水溶液であることができる。すなわち本発明の燃料タンクは、ダイレクトアルコール型燃料電池用の燃料タンクであることができる。本発明の燃料タンクは、これに燃料電池を接続して燃料電池システムとすることができる。
本発明によれば、燃料タンクの向き(傾き)に関わらず、また液体燃料の残存量が少ない場合であっても液体燃料を安定して供給することができる、燃料供給性能に優れた燃料タンクを提供することができる。本発明の燃料タンクを用いた燃料電池システムは、燃料タンク(燃料電池システム)の向き(傾き)や液体燃料の残存量に関わらず、燃料電池への液体燃料の安定供給が可能であるため、良好な出力安定性を示す。
第1の実施形態に係る燃料タンクを示す概略斜視図である。 図1に示されるII−II線における概略断面図である。 第2の実施形態に係る燃料タンクを示す概略斜視図である。 第3の実施形態に係る燃料タンクを示す概略斜視図である。 第4の実施形態に係る燃料タンクを示す概略断面図である。
本発明は、燃料電池に供給される液体燃料を収容するための燃料タンクに関する。本発明の燃料タンクは、燃料タンク内の液体燃料を排出するための燃料排出口と、燃料タンク内のいずれかの位置にある液体燃料を燃料排出口まで誘導する燃料誘導部材とを少なくとも有する。燃料タンクは通常、液体燃料を燃料タンク内に導入するための燃料導入口をさらに備えている。本発明の燃料タンクは、上記燃料誘導部材を、燃料排出口の外縁と接触するように、かつ、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%以上であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けた場合においても、燃料タンク内の液体燃料が燃料誘導部材のいずれかの部分と接触するように、燃料タンク内に適切に配置したことを特徴とする。
本発明の燃料タンクによれば、燃料タンクの向き(傾き)に依存することなく(または大きく依存することなく)、また液体燃料の残存量が少ない場合(たとえば残存量が燃料タンク内容積の2%またはその近傍)であっても液体燃料を安定して供給することができる。
上記の「燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%以上である」における「燃料タンク内容積」とは、燃料タンク内部の空間容積であり、具体的には燃料タンク容器によって形成される空間の容積から、燃料タンク内部に配置されている燃料誘導部材の実体積を差し引いたものである。この「実体積」とは、燃料誘導部材の実質の体積を示し、液体燃料が吸収され得る燃料誘導部材内部の空間(たとえば多孔質体である場合における細孔容積)を差し引いたものである。また、「燃料タンク内の液体燃料の液量」とは、燃料タンク容器内に存在する液体燃料の液量であり、燃料タンク内部に配置されている燃料誘導部材に吸収されている液体燃料の液量を含んでいる。
なお、「2%」なる数値は、燃料タンク内の液体燃料の液量が極微量(たとえばゼロに近い)である場合には、燃料誘導部材は液体燃料と接触しなくてもよいことを明確するために定めたものであるが、このことは必ずしも、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%未満であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けても、燃料タンク内の液体燃料が燃料誘導部材と接触しないことを意味しない。本発明は、基本的には、燃料タンク内の液体燃料の残存量が少なくなったとき(たとえば、燃料タンク内容積の2%またはその近傍となったとき)には、液体燃料を補充することを想定している。
本発明の燃料タンクにおいて燃料誘導部材は、典型的には、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の5%以上、10%以上または20以上であるときに、また典型的には、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の90%以下、80%以下または70以下であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けた場合においても、燃料タンク内の液体燃料が燃料誘導部材と接触するように配置されている。
本発明の燃料タンクについて概説すると、燃料タンク(燃料タンク本体)の外形形状および燃料タンクの内部空間(液体燃料が収容されるスペース)の形状は特に制限されず、直方体、立方体などの六面体形状;六面体以外の角柱形状;円柱形状;その他、前記した形状において、面の一部が曲面(たとえば凸状や凹状に)となっているものなどを挙げることができる。
燃料タンク(燃料タンク本体)は、樹脂材料または金属材料などから構成することができる。樹脂材料としては、たとえば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などを挙げることができる。金属材料としては、たとえば、チタン、アルミニウムなどのほか、ステンレス、マグネシウム合金などの合金材料を用いることができる。なかでも、液体燃料の残量を視認できることから、透明樹脂材料から構成することが好ましい。
上記した燃料排出口および燃料導入口は、燃料タンク(燃料タンク本体)のいずれかの面に形成される燃料タンクの内部空間と燃料タンク外部を繋ぐ貫通口である。これらの貫通口の形成位置は特に限定されず、燃料タンクの同じ面上に形成してもよいし、異なる面上に形成してもよい。
燃料誘導部材は、燃料タンク内の液体燃料を燃料排出口まで誘導するための部材であり、これに接触した液体燃料を内部で浸透、拡散させ燃料排出口まで誘導できるような、液体燃料に対して毛細管作用を示す材料から構成することができる。このような材料としては多孔質材料を挙げることができ、なかでも、アクリル系樹脂;ABS樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタラート等のポリエステル系樹脂;ナイロン;ポリ塩化ビニル;ポリエーテルエーテルケトン;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;セルロースなどの高分子多孔質体を好適に用いることができる。
後述する実施形態から理解されるように、燃料誘導部材は、これを1つの部材として成形しようとする場合には形状が複雑であるために成形しにくいことがあり得る。このような場合にはとりわけ、燃料誘導部材を複数の部品(たとえば上で例示した材料からなる複数の多孔質片)を組み合わせて燃料誘導部材とすることができる。組み合わせの方法は特に制限されず、単にこれらの部品を接触させるだけでもよい。
燃料誘導部材の外形形状は特に制限されず、種々の形状を採り得るが、後述する実施形態においては短冊状(直方体形状のものなど)の部品(多孔質片)を複数組み合わせて燃料誘導部材としている。
燃料誘導部材の厚みは、0.1〜5mm程度であることができる。0.1mmより小さい場合には、燃料誘導部材の剛性が小さいために、燃料タンク内部で安定して固定するためには、接着剤などを用いる必要がある場合がある。また、厚みが5mmより大きい場合には、液体燃料の吸収量が多くなってしまい、供給のための圧損が大きくなり、併用する送液ポンプの吸引圧力を高める必要が生じ得る。
燃料誘導部材の幅は特に制限されず、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%以上であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けた場合においても、燃料タンク内の液体燃料が燃料誘導部材のいずれかの部分と接触する限り、任意の値を採り得る。
また、燃料誘導部材を構成する部品の数および形状は、その設置位置によるが、部品数が少なく、単純な形状である方が、製造コストを下げることができ、また、燃料誘導部材と燃料タンク内面との接触部分に、燃料誘導部材に吸収されない液体燃料が残る「燃料ダマリ」を少なくすることができる。ただし、表面積は大きい方が、燃料接触面積が大きくなり、誘導効率は向上する。
燃料誘導部材を燃料タンク内で固定する方法としては、たとえば、燃料タンク内面にリブ(突起)を設け、このリブと他の燃料タンク内面との間に燃料誘導部材を差し込む方法;燃料タンク内面に溝を設け、この溝に燃料誘導部材を差し込む方法;接着剤などを用いて燃料タンク内面に燃料誘導部材の少なくとも一部を接着させる方法などを挙げることができる。
本発明の燃料タンクに収容される液体燃料は、燃料電池がダイレクトアルコール型燃料電池である場合には、メタノール、エタノールなどのアルコールまたはその水溶液であるが、これに限定されず、ジメトキシメタンなどのアセタール類;ギ酸などのカルボン酸類;ギ酸メチルなどのエステル類;またはこれらの水溶液であることもできる。液体燃料は1種に限定されず、2種以上の混合物であってもよい。コストの低さや体積あたりのエネルギー密度の高さ、発電効率の高さなどの点から、メタノールまたはその水溶液が好ましく用いられる。
本発明の燃料タンクは、これに燃料電池を接続して燃料電池システムとすることができる。接続には、燃料タンクの燃料排出口と燃料電池のアノード極側とを接続する配管などを用いることができる。燃料電池は液体燃料を用いる燃料電池であれば特に制限されずダイレクトアルコール型燃料電池のほか、固体高分子型燃料電池などであることができる。
通常、燃料タンクと燃料電池との間には液体燃料を送液するための手段(送液ポンプなど)が介在され、燃料誘導部材によって燃料排出口まで到達した液体燃料を該手段を用いて燃料電池へ供給する。
以下、実施の形態を示して本発明の燃料タンクをより詳細に説明するが、本発明の燃料タンクは以下に示す実施の形態に限定されない。
<第1の実施形態>
図1は本実施形態に係る燃料タンクを示す概略斜視図であり、図2は図1に示されるII−II線における概略断面図である。図1では、燃料タンク内面に配置された燃料誘導部材110の配置状態を見やすくするために、燃料タンク内面のみを示しており、燃料タンク本体は図示していない。一方、図2では燃料タンク本体も図示している。本実施形態の燃料タンク100は、その外形形状および内部空間(液体燃料が収容されるスペース)の形状が直方体形状であり、上面(図1のような姿勢で置いたときの上面、他の図面についても同様。)に燃料排出口101を有し、側面の1つに燃料導入口102を有する。
本実施形態では、燃料タンク100がどのような向きに傾いても、燃料タンク100内部の液体燃料が燃料誘導部材110のいずれかの部分と接触し、これにより常時、液体燃料が燃料誘導部材110を介して燃料排出口101に誘導され、安定して燃料供給を行なうことができるようにするために、直方体形状である燃料タンク内面のうち、面の曲率が変化するすべての箇所、すなわち、2つの面が交わって形成されるすべての交線(この交線は3つの面が交わって形成されるすべての交点を含んでいる。)に沿って、該交線に接するように燃料誘導部材110の一部を配置している。また燃料誘導部材110は、上面の4つの角部(3つの面の交点)から燃料排出口101まで延び、燃料排出口101の外縁に接するように配置された4つの短冊状(より具体的には直方体形状)の部分を含む。
このような燃料誘導部材110の配置によれば、燃料タンク100がどのような向きに傾いても、また液体燃料の残存量が少ない場合であっても、液体燃料は面の曲率が変化している部分であって、燃料誘導部材110が配置されているいずれかの交線上に移動し、必然的に燃料誘導部材110と接触することになるため、常時、安定して燃料供給を行なうことができる。また、燃料タンク本体を透明樹脂材料から構成すれば、どの方向から燃料タンク100を見ても、液体燃料の残量を明瞭に視認できるという利点もある。
本実施形態からも理解できるように、燃料タンク100がどのような向きに傾いても、安定して燃料供給を行なえるためには、燃料タンク内面における面の曲率が変化する箇所の少なくとも一部(好ましくはすべての箇所)に接するように(本実施形態では、2つの面が交わって形成される交線(および3つの面が交わって形成される交点)に接するように)燃料誘導部材110の一部を配置することが1つの手段として有効である(後述する第2および第3の実施形態においてもこの手段を適用している。)。この場合において燃料誘導部材110は、本実施形態の燃料タンク100がそうであるように、液体燃料を燃料排出口101に誘導するために、面の曲率が変化する箇所に配置した部分と燃料排出口101とを結ぶ部分を含み、かつ、液体燃料が燃料誘導部材110のどの部分に接触した場合においても燃料排出口101に誘導されるように(すなわち、燃料誘導部材110のあらゆる部分が他の部分を介して燃料排出口101と接続されるように)配置される。
本実施形態において燃料誘導部材110は、短冊状(たとえば直方体形状)の多孔質片(高分子多孔質片など)の複数を組み合わせて構築することができる。2つの面が交わって形成される交線に沿って配置する部分においては、断面L字形の短冊状多孔質片(図2参照)や、交線における角部と一致するような断面三角形の短冊状多孔質片を用いることもできる。
本実施形態に係る燃料誘導部材110は種々の変形が可能である。たとえば、燃料誘導部材110は、2つの面が交わって形成される交線に接して配置される部分に加えて、燃料タンク内面上の他の領域に配置される部分を含んでもよい。より具体的には、たとえば、燃料タンク内部空間上面の4つの辺に沿って配置されている燃料誘導部材部分と、下面の4つの辺に沿って配置されている燃料誘導部材部分とを結ぶ1または2以上の燃料誘導部材部分などをさらに設けることができる。これにより、燃料供給性能(燃料タンクの傾きや液体燃料残存量に依存することなく、安定して燃料供給を行なうことができる性能)をより高めることができる。また、燃料タンク内部空間の上面や下面にもさらなる燃料誘導部材部分を設けてもよい。
上記のように2つの面が交わって形成される交線に接して配置される部分に加えて、燃料タンク内面上の他の領域にも燃料誘導部材部分を配置する場合には、燃料誘導部材部分は、燃料タンク内面においてできるだけ均等に配置することが好ましい。これにより、燃料タンク内面上のいずれかの位置から燃料誘導部材110を介して燃料排出口101に至る距離が、燃料タンク内面全体にわたってより均一化され得るため、燃料タンク100がどの向きに傾いても、より均一な流量で液体燃料を供給することが可能となる。
なお、燃料タンク内面に沿って配置する燃料誘導部材110の面積(燃料誘導部材110の占有体積)を大きくするほど燃料供給性能は高くなるといえるが、タンク容量が小さくなってしまう。したがって、できるだけ小さい面積(占有体積)の燃料誘導部材110を用いて燃料供給性能を向上させることが好ましい。本実施形態では、この点を考慮して、2つの面が交わって形成されるすべての交線上に沿う部分、および、燃料タンク内部空間上面の4つの角部から燃料排出口101まで延びる4つの短冊状部分のみから燃料誘導部材110を構成している。
燃料タンク内部空間上面の角部から燃料排出口101まで延びる短冊状部分は1つあればよいが、より多くの角部と燃料排出口101とを接続した方が、燃料タンクの傾きに依らずより均一な流量で液体燃料を供給するうえで有利である。このような観点から、燃料タンク内部空間下面の角部から燃料排出口101まで延びる短冊状部分をさらに設けることもできる。
<第2の実施形態>
図3は本実施形態に係る燃料タンクを示す概略斜視図であり、図1と同様、燃料タンク内面に配置された燃料誘導部材110の配置状態を見やすくするために、燃料タンク内面のみを示した図である。本実施形態の燃料タンク200は、その外形形状および内部空間(液体燃料が収容されるスペース)の形状が円柱形状であること以外は、基本的に上記第1の実施形態と同様であり、同様の効果を奏することができる。
本実施形態では、燃料タンク200がどのような向きに傾いても、常時、液体燃料が燃料誘導部材110を介して燃料排出口101に誘導され、安定して燃料供給を行なうことができるようにするために、燃料誘導部材110を次の3つの部分から構成している。
(1)燃料タンク内面のうち、面の曲率が変化するすべての箇所、すなわち、2つの面が交わって形成されるすべての交線(2つの円周)に沿って、該交線に接するように配置された燃料誘導部材部分(多孔質片)、
(2)上記2つの円周に沿って配置された部分同士を結ぶ、側面に沿って配置された縦方向に延びる、短冊状(より具体的には直方体形状)の燃料誘導部材部分(合計6つの多孔質片)、
(3)上面の円周に沿って配置された燃料誘導部材部分から燃料排出口101まで延び、燃料排出口101の外縁に接するように配置された2つの短冊状(より具体的には直方体形状)の燃料誘導部材部分(多孔質片)。
上記(2)の燃料誘導部材部分は、図3に示される例において合計6つの短冊状(より具体的には直方体形状)部分からなるが、配置数は特に限定されない。ただし、燃料供給性能をより高めるとともに、均一な流量で液体燃料を供給できるようにするために、複数の短冊状部分を設けることが好ましく、これらを燃料タンク内面の側面に均等に配置することがより好ましい。
<第3の実施形態>
図4は本実施形態に係る燃料タンクを示す概略斜視図であり、図1と同様、燃料タンク内面に配置された燃料誘導部材110の配置状態を見やすくするために、燃料タンク内面のみを示した図である。本実施形態の燃料タンク300は、その外形形状および内部空間(液体燃料が収容されるスペース)の形状が立方体形状である。
本実施形態では、燃料タンク200がどのような向きに傾いても、常時、液体燃料が燃料誘導部材110を介して燃料排出口101に誘導され、安定して燃料供給を行なうことができるようにするために、燃料誘導部材110を、その一端が燃料タンク内面のうち面の曲率が変化する箇所である、3つの面が交わって形成される各交点(角部)に接し、燃料排出口101まで延びる8つの短冊状(より具体的には直方体形状)の部分(多孔質片)から構成されている。これら8つの短冊状燃料誘導部材部分は、燃料排出口101の外縁に接するように配置されている。
本実施形態もまた、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。燃料供給性能に関し、本実施形態に係る燃料誘導部材110の配置によれば、燃料タンク300がどのような向きに傾いても、また液体燃料の残存量が少ない場合であっても、液体燃料は面の曲率が変化している部分であって、燃料誘導部材110が配置されているいずれかの交点上に移動し、必然的に燃料誘導部材110と接触することになるため、常時、安定して燃料供給を行なうことができる。
本実施形態は、六面体形状の内部空間を有する燃料タンクにおいて、最も少ない量(燃料タンク内部空間の占有体積)の燃料誘導部材110で、本願所定の効果を奏し得る形態であるといえる。ただし本実施形態においても、上記第1の実施形態のように、2つの面が交わって形成される交線沿って配置される燃料誘導部材部分など、付加的な燃料誘導部材部分を設置してもよい。
<第4の実施形態>
図5は本実施形態に係る燃料タンクを示す概略断面図である。本実施形態の燃料タンク400は、その外形形状および内部空間(液体燃料が収容されるスペース)の形状が直方体形状である。
本実施形態の燃料タンク400は、その一端が燃料排出口101の外縁に接するように燃料タンク内面に取り付けられた、剛性が比較的低い紐状の多孔質片120と、多孔質片120の他端に取り付けられ、液体燃料Aよりも比重の大きい錘片130とからなる燃料誘導部材110を備えることを特徴とする。多孔質片120は、上記第1〜3の実施形態における燃料誘導部材110と同様、上で例示したような高分子多孔質体から構成することができるが、燃料タンク400の姿勢(傾き)に応じて、錘片130を含む燃料誘導部材110が比較的自由に鉛直方向に向きを変えることができる程度に剛性が低いものである。多孔質片120の長さは、これに取り付けられた錘片130が、燃料排出口101から最も離れた燃料タンク内面に届く程度またはこれより若干短い程度であることができる。
本実施形態もまた、上記第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。燃料供給性能に関し、本実施形態に係る燃料誘導部材110によれば、燃料タンク400がどのような向きに傾いても、また液体燃料の残存量が少ない場合であっても、液体燃料Aの移動に追随して錘片130が液体燃料A内に沈んだ状態で移動し、これにより常時、多孔質片120の一部が液体燃料Aに浸漬された状態となるので、常時、安定して燃料供給を行なうことができる。また本実施形態は、燃料誘導部材110の占有体積が小さいことから、タンク容量を大きくできる点においてもとりわけ有利である。
本発明の燃料タンクを用いた燃料電池システムは、電子機器、特には、携帯電話、電子手帳、ノート型パソコンに代表される携帯機器などの小型電子機器用の電源として好適に用いることができる。
100,200,300,400 燃料タンク、101 燃料排出口、102 燃料導入口、110 燃料誘導部材、120 多孔質片、130 錘片。

Claims (9)

  1. 燃料電池に供給される液体燃料を収容するための燃料タンクであって、
    燃料タンク内の液体燃料を排出するための燃料排出口と、
    前記燃料排出口の外縁に接するように燃料タンク内に配置される、燃料タンク内の液体燃料を前記燃料排出口まで誘導するための燃料誘導部材と、
    を備え、
    前記燃料誘導部材は、燃料タンク内の液体燃料の液量が燃料タンク内容積の2%以上であるときに、燃料タンクをいずれの方向に傾けた場合においても、燃料タンク内の液体燃料が前記燃料誘導部材と接触するように配置されている燃料タンク。
  2. 前記燃料誘導部材は、燃料タンク内面における面の曲率が変化する箇所の少なくとも一部に接して配置される部分を含む請求項1に記載の燃料タンク。
  3. 前記燃料タンク内面は、2つの面が交わって形成される交線を含み、
    前記燃料誘導部材は、前記交線に沿って配置される部分を含む請求項2に記載の燃料タンク。
  4. 前記燃料タンク内面は、3つの面が交わって形成される交点を含み、
    前記燃料誘導部材は、前記交点に接して配置される部分を含む請求項2または3に記載の燃料タンク。
  5. 前記燃料誘導部材は多孔質体からなる請求項1〜4のいずれかに記載の燃料タンク。
  6. 前記燃料誘導部材は、複数の多孔質片を組み合わせてなるものである請求項5に記載の燃料タンク。
  7. 前記燃料誘導部材は、その一端が前記燃料排出口の外縁に接するように燃料タンク内面に取り付けられた多孔質片と、前記多孔質片の他端に取り付けられ、前記液体燃料よりも比重の大きい錘片とから構成される請求項1に記載の燃料タンク。
  8. 前記液体燃料は、アルコールまたはアルコール水溶液である請求項1〜7のいずれかに記載の燃料タンク。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の燃料タンクと、該燃料タンクに接続される燃料電池とを備える燃料電池システム。
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