JP2013125063A - パターン描画装置 - Google Patents

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Toshiaki Inoue
俊明 井上
Jun Aketo
純 明渡
Akihito Endo
聡人 遠藤
Hiroki Tsuda
弘樹 津田
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Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】レーザー光照射を行いつつインクジェットでパターンを描画する際に、レーザー光が照射される絶縁性基材1の変更の度にかかるレーザーヘッドの管理作業工程を低減する。
【解決手段】絶縁性基材1の一方主面側に配置され、絶縁性基材1の一方主面の所定領域に導電性材料を含むインクの液滴7を吐出するインクジェットヘッド2と、絶縁性基材1の他方主面側に配置され、絶縁性基材1の他方主面側からレーザー光を照射するレーザーヘッドとを備え、絶縁性基材1の他方主面側に、レーザー光を吸収する吸収層8を配置する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、配線用のパターンを描画するパターン描画装置に関するものである。
着弾後のインクの液滴を迅速に加熱し、着弾した液滴の濡れ広がりを防止して、高アスペクト比の配線パターンを形成する観点から、プリント配線板の一方主面側に、配線用のパターンを形成するインクジェット装置のインクジェットヘッドと、インクの着弾予定領域を局所的に加熱する加熱装置のレーザーヘッドとが配置されたパターン描画装置が知られている(特許文献1)。
国際公開第WO2009/072603号
しかしながら、従来のパターン描画装置においては、インクの着弾予定領域を局所的に加熱する際に、プリント配線板の基材の材質に適したレーザー光を選択し、基材の特性や厚さに応じてレーザー光の照射条件を変更する必要がある。このため、パターンを描画する対象が変わる度に、レーザー光の光源及び照射条件を変更する手間がかかるという不都合がある。
本発明が解決しようとする課題は、パターンを描画する対象が変わっても、レーザー光の光源及び照射条件を変更する手間をかけることなく、レーザー光を照射することによりインクの液滴を迅速に加熱することができるパターン描画装置を提供することである。
[1]本発明は、絶縁性基材の一方主面側に配置され、前記絶縁性基材の一方主面の所定領域に導電性材料を含むインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、前記絶縁性基材の他方主面側に配置され、前記絶縁性基材の他方主面側からレーザー光を照射するレーザーヘッドと、を備え、前記絶縁性基材の他方主面側に、前記レーザー光を吸収する吸収層が配置されていることを特徴とするパターン描画装置を提供することにより、上記課題を解決する。
[2]上記発明において、前記吸収層の前記絶縁性基材側の主面には、前記絶縁性基材の熱容量よりも大きい熱容量を有する熱伝層を設けることができる。
[3]上記発明において、前記吸収層を多孔質の材料で構成することができる。
[4]上記発明において、前記吸収層を蛍光剤が添加された材料で構成することができる。
本発明によれば、絶縁性基材の一方主面側に配線パターンを描画する際に、絶縁性基材の他方主面にレーザー光を局所的に照射することにより、インクの液滴が絶縁性基材に着弾した後に濡れ広がることを防止して高アスペクト比の配線パターンを形成することができるとともに、パターンを描画する対象が変わっても、レーザー光の光源及び照射条件を変更する手間が不要なパターン描画装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るパターン描画装置の概要を示す全体構成図である。 図1のA部分の拡大図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、プリント配線板の配線パターンを形成する回路形成装置に、本発明に係るパターン描画装置100を適用した例を説明する。
なお、本発明の実施形態に係るパターン描画装置100は、プリント配線板の配線パターンの形成のほか、チップとメイン基板との間に介在させるインターポーザの配線パターン(ワイヤボンディングに相当するものを含む)の形成、フレキシブルプリント配線板の配線パターンの形成、多層配線基板や部分多層配線基板の各層の配線パターン及び各絶縁層の形成などにも用いることができる。
図1は、本実施形態におけるパターン描画装置100の概要を示す全体構成図、図2は、図1に示すA領域を含む部分の拡大図である。
図1に示すように、本実施形態のパターン描画装置100は、図中のxy面に沿う一方主面(図中上側の面)がx軸方向に沿って移動が可能なステージ5と、このステージ5の一方主面上に形成された吸収層8と、この吸収層8の一方主面(図中上側面)に形成された熱伝層9と、この熱伝層9の一方主面(図中上側面)上にセットされたプリント配線板10の絶縁性基材1の一方主面側(図中上側)に設けられたインクジェットヘッド2と、絶縁性基材1の他方主面側(図中下側)に設けられたレーザーヘッド3と、を備えている。
本実施形態のパターン描画装置100は、インクジェットヘッド2のノズル21の先端から、形成する配線のパターンに応じた絶縁性基材1上の所定領域に向けて微小なインクの液滴7を吐出し、着弾した液滴7を乾燥・焼結させて配線パターン11を描画(形成)し、プリント配線板10を製造する。
ステージ5は、レーザーヘッド3から照射されるレーザー光32に対して透明な材質で構成することができる。また、本実施形態のステージ5は、熱伝導性に優れる材質で構成されることが好ましい。例えば、本実施形態において、ステージ5は、可視光域のレーザー光32に対してはケイ酸ガラス(石英ガラスを含む)又はアクリルガラスで構成することができ、赤外域(波長2〜6μm)のレーザー光32に対してはシリコンで構成することができる。
本実施形態のインクジェットヘッド2は、後述する制御装置6の指令に従い、絶縁性基材1の一方主面の配線パターン11が形成される所定領域に向かってインクの液滴7を吐出する。本実施形態のインクジェットヘッド2の態様は特に限定されず、ピエゾ方式であってもバブル方式であっても静電吸引方式であってもよい。また、その構成も特に限定されず、出願時に知られている回路形成用のインクジェット印刷装置を用いることができる。
特に限定されないが、本実施形態において、インクジェットヘッド2の開口サイズは5μm〜50μm程度、インクジェットヘッド2から吐出される液滴7の径は10μm〜150μm、好ましくは20μm〜100μmとすることができる。図1に示すように、インクジェットヘッド2のノズル21から吐出された液滴7は、ノズル21と絶縁性基材1との間の空間を飛翔してノズル21と対向する配線パターン11が形成される所定領域の位置Q(着弾予定位置)に着弾する。着弾後のインクの液滴7は、照射されるレーザー光32による熱で加熱され、インクに含まれる分散材料(溶媒など)が蒸発することにより導電性の機能膜が成膜される。その後、必要に応じて焼成処理を行うことにより、導電性を備える配線パターン11が形成される。なお、絶縁性基材1の一方主面上に着弾した液滴7は、インクの表面張力と絶縁性基材1とインクとの界面自由エネルギーによって絶縁性基材1の主面上を流動するので、インクに含まれる分散材料(溶媒など)が蒸発するまでの間に絶縁性基材1の主面に沿って濡れ広がる傾向がある。
本実施形態で用いられるインクは、有機・無機・金属などの導電性材料、半導体材料、絶縁性材料などの機能性材料を含み、インクジェットヘッド2の態様に応じた吐出特性を有する。本実施形態では、粒子径が1μm以下の導電性材料の微粒子や、粒子径が数nm〜数十nmの導電性材料のナノ粒子が有機溶媒中に分散されたものを用いることができる。導電性材料が金属の場合は、金属無機塩や有機金属錯体を有機溶媒中に分散させたものであっても構わない。導電性材料としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、鉛、インジウム、錫、亜鉛、チタン及びアルミニウムの群からなる金属種群のうちの何れか一種若しくは二種以上の金属若しくは二種以上の金属からなる合金を用いることができる。又、上記金属種群から選択された一種若しくは二種以上の金属の酸化物を含む無機物を用いることもできる。あるいは、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールをはじめとする導電性ポリマーのモノマーやオリゴマーも導電性材料として用いることもできる。
また、本実施形態のパターン描画装置100は、絶縁性基材1の他方主面にレーザー光32を照射し、非接触で絶縁性基材1の所定領域を局所的に加熱することにより、絶縁性基材1の一方主面上に着弾した液滴7の溶媒等の蒸発を促進させ、導電性の配線パターン11を形成させる加熱装置300を備えている。
本実施形態の加熱装置300は、絶縁性基材1の他方主面側(図中下側)に配置され、絶縁性基材1の他方主面にレーザー光32を照射する一つ又は複数のレーザーヘッド3と、複数のレーザー光32i〜32nを集光するレンズ31とを備え、複数のレーザー光32i〜32nをレンズ31により集光して所定の照射方向及び照射スポット径のレーザー光32を絶縁性基材1に向けて照射する。本実施形態において照射方向とは、レーザー光32又はレーザー光群32i〜32nの中心と照射スポットの中心とを結ぶ方向である。一つのレーザー光32の光軸を照射方向にセットして絶縁性基材1に向けて照射することもできる。この場合は、光源と照射スポットの中心を結ぶ線の方向が照射方向でありかつ光軸に沿う方向である。なお、加熱装置300において、レンズ31の他に反射鏡などの光調整部材を設けることも可能である。
本実施形態のレーザー光32としては、COレーザー、YAGレーザー、又は近赤外〜紫外線域の半導体レーザーなどのレーザー光32を用いることができる。レーザーの種別は、絶縁性基材1の材質に応じて選択することができる。例えば、絶縁性基材1がPET(Polyethylene Terephthalate)やPEN(Polyethylene naphthalate)などの透明材料である場合には、COレーザー、YAGレーザー(第3高調波)を用いることができる。また、絶縁性基材1がポリイミド(polyimide)である場合には、YAGレーザー(基本波、第2高調波)、又は近赤外〜紫外域の半導体レーザーを用いることができる。さらに、絶縁性基材1がガラス基板である場合には、YAGレーザー(第3高調波)、又は紫外域のエキシマレーザーを用いることができる。なお、加熱装置300として、絶縁性基材1を局所的に加熱する機能を備えていればよく、ランプ光源を備えるものを用いることができる。ランプ光源としては赤外線ランプやキセノンランプ、キセノンフラッシュランプを用いることができる。
本実施形態のパターン描画装置100は、絶縁性基材1を適温に加熱する観点から、絶縁性基材1の温度を計測するサーモグラフィなどの温度センサ4を備えている。温度センサ4は、制御装置6の指令に従い、所定点又は所定領域の温度を計測する。計測された温度は、計測対象点の位置情報(座標)とともに後述する制御装置6へ出力される。制御装置6は温度センサ4の計測結果に基づいて加熱レーザーヘッド3のレーザー光32の出力強度を制御する。なお、温度センサ4の配置場所は特に限定されず、図1に示すように、絶縁性基材1の一方主面側(図中上側)に配置してもよいし、絶縁性基材1の他方主面側(図中下側)に配置してもよい。
また、図1及び図2に示すように、ステージ5の一方主面(図中上面)上には、吸収層8が積層されている。さらに、本実施形態の吸収層8の一方主面(図中上面)上には絶縁性基材1の熱容量よりも大きい熱容量を有する熱伝層9が設けられている。そして、熱伝層9の一方主面(図中上面)上には、プリント配線板10がセットされている。すなわち、図中下から、ステージ5、吸収層8、熱伝層9が積層され、その最上層となる熱伝層9の一方主面(図中上面)上にプリント配線板10がセットされている。ステージ5、吸収層8、熱伝層9の間には、接着層を介在させることができる。
このように、レーザー光32を吸収する吸収層8がレーザーヘッド3と絶縁性基材1との間に配置されているので、レーザー光32が照射されて吸収層8が加熱されると、絶縁性基材1は吸収層8から熱伝層9を介して間接的に加熱される。絶縁性基材は、レーザー光32の照射によって直接加熱されないので、絶縁性基材1を含むプリント配線板10の材料に応じてレーザー光32の光源及び照射条件を変更する必要がなく、パターンを描画する対象が変わる度に、レーザー光32の光源及び照射条件を変更する手間が発生しない。また、本実施形態のパターン描画装置100におけるレーザー光32は吸収層8を照射し、絶縁性基材1又はこの主面に着弾したインクの液滴7を直接照射することが無い。このため、インクの突沸の発生を防止し、配線パターン11の表面が荒れることを防止し、平滑かつ緻密な配線パターン11を形成することができる。
なお、本例では、熱伝層9を備える態様を説明するが、熱伝層9を設けることなく、ステージ5の一方主面上に吸収層8のみを配置することができる。この場合は、レーザー光32が照射されて吸収層8が加熱されると、絶縁性基材1は吸収層8を介して間接的に加熱される。
本実施形態の吸収層8は、レーザー光32から熱エネルギーを効率良く得ることができるように、レーザー光32を吸収する光吸収率の高い材料から形成されている。さらに、熱エネルギーを効率良く伝達できるように、熱伝導性に優れる材料を用いることが好ましい。なお、赤外線ランプや紫外線ランプを用いる場合には、光源に応じて光吸収率の高い材料を選択することができる。
本実施形態の吸収層8の熱容量は、絶縁性基材の熱容量よりも大きいことが好ましい。これにより、吸収層8がレーザー光32から得た熱エネルギーを効率良く蓄熱することができるので、レーザー光32の出力強度を低減させ、エネルギーコストを節減することができる。また、レーザー光32の光量を低く抑えることができることにより、インクジェットヘッド2に当たるレーザー光32及びその反射光の量も低減できるので、インクジェットヘッド2のノズル21内のインクが加熱されて固まるという不都合の発生をも防止することができる。さらに、インクジェットヘッド2のノズル21内のインクが固まらない程度にレーザー光32の出力強度を低減させることができれば、レーザー光32の経路(照射方向)上にインクジェットヘッド2を配置することが可能となり、各装置の配置の制限が減り、設計の自由度を向上させることができる。
特に限定されないが、本実施形態の吸収層8としては、ガラス、シリコン、シリコンカーバイドや、カーボンブラックを用いることができる。さらに、吸収層8として、カーボンブラックや金、銀、鉛、銅などの金属粒子を含むガラス、シリコン、シリコンカーバイド、アルミナを用いることができる。
また、本実施形態の吸収層8は、図2に示すように、複数の孔81を離散的に有する多孔質の材料から構成することが好ましい。多孔質内の孔81は互いに連通しており、吸収層8の一方主面から吸気すると、他方主面側に空気を排気する。特に限定されないが、本実施形態の多孔質の吸収層8としては、アルミナやシリコンカーバイドなどのセラミックス、カーボン、ステンレス鋼、ポリスチレンやフッ素樹脂などの樹脂材料を用いることができる。吸収層8を多孔質にすることにより、吸収層8をポーラスチャック(真空吸着テーブル)として機能させることができ、プリント配線板10をその主面全体でしっかり固定することができる。厚さが薄いプリント配線板10にパターンを描画する際にも、プリント配線板10を主面全体で、かつ均等な力で支持できるので、絶縁性基材1の加熱条件及びインクの液滴7の着弾条件を安定させることができる。
さらに、本実施形態の吸収層8には、蛍光剤を添加することができる。蛍光剤が添加された吸収層8にレーザー光32を照射すると、レーザー光32の照射位置が蛍光を発して光るので、レーザー光32の照射位置を知ることができる。本実施形態のパターン描画装置100では、発光位置を目視で確認しながら、液滴7の着弾位置に応じてレーザー光32の照射方向(照射位置)を目視により調整することができる。特に、レーザー光32が可視光でない場合であっても、目視にてレーザー光32の照射方向及び照射位置の調整が容易にできる。
また、特に限定されないが、熱伝層9は、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、クロムなどの金属を含む材料、又はステンレス鋼(SUS:Steel Use Stainless)などを用いることができる。熱伝層9の形成手法は限定されず、吸収層8に上記金属を含む箔状又は薄板状の熱伝層9を積層してもよいし、吸収層8に上記金属を蒸着させて箔層の熱伝層9を形成してもよい。このように、吸収層8と絶縁性基材1との間に熱容量の大きな熱伝層9を設けることにより、絶縁性基材1の加熱を効率的に行うことができ、加熱条件を安定させることができる。吸収層8をポーラスチャックとして機能させる場合は、熱伝層を多孔質にするか、あるいは微細な開口を設けておくのが好ましい。
本実施形態のパターン描画装置100において、レーザーヘッド3は、絶縁性基材1の他方主面側(図中下側)であって、レーザー光32の照射方向32が絶縁性基材1の主面に対して直交するように配置されている。本実施形態のレーザーヘッド3は、インクの液滴7の着弾が予定されている着弾予定位置Qに応じた加熱領域に向けてレーザー光32を照射する。特に限定されないが、本実施形態のレーザーヘッド3は、インクの液滴7の着弾予定位置Qとxy座標値が共通する、吸収層8の他方主面(図中下面)上の位置P(基準点P)を基準とする所定の加熱領域を照射するように設定されている。
吸収層8に設定される加熱領域の基準点は任意に設定することができる。たとえば、液滴7が着弾する位置とxy座標が共通する位置Pから上流側(図中−x方向)又は下流側(図中+x方向)に所定距離だけシフトさせた点を基準点とすることもできる。
本実施形態のパターン描画装置100は、インクの液滴7の着弾予定位置に応じた基準点に基づく加熱領域に局所的にレーザー光32を照射するので、絶縁性基材1に着弾したインクの液滴7を迅速に加熱することができる。先述したように、インクジェットヘッド2から吐出され、絶縁性基材1の一方主面上に着弾した液滴7は、絶縁性基材1に着弾後に濡れ広がる傾向があるが、本実施形態のパターン描画装置100によれば、インクの液滴7が絶縁性基材1上で濡れ広がる前に液滴7に含まれる分散材料(溶媒など)を蒸発させることができるので、アスペクト比(パターンの配線厚/パターンの線幅)が0.1以上、線幅5〜50μm以下程度、厚さ0.5〜10μm以下、比抵抗値が10μΩ・cm以下程度の、微細で高アスペクト比で低抵抗な配線パターン11を描画することができる。
また、本実施形態のパターン描画装置100では、吸収層8がレーザー光32を吸収し、この吸収層8を透過してインクジェットヘッド2に当たるレーザー光32を少なくできるので、レーザー光32の経路上にインクジェットヘッド2を配置しても、ノズル21内のインクの加熱及び固化を抑制することができる。このため、インクジェットヘッド2の配置の制限が緩和され、設計の自由度が向上する。
特に、絶縁性基材1の厚さが薄い場合には、レーザー光32の吸収率が小さくなり、透過率が大きくなるため、レーザー光32の出力強度を高くする必要がある。そのため、インクジェットヘッド2に当たる透過光が多くなり、ノズル21内のインクが加熱され固まる傾向がある。これに対し、本実施形態のパターン描画装置100は、絶縁性基材1のレーザーヘッド3側に配置された吸収層8にレーザー光32を照射し、吸収層8がレーザー光32を吸収するので、透過光によるインクジェットヘッド2のノズル21内のインクの加熱及び固化を防止することができる。
続いて、本実施形態のパターン描画装置100の制御装置6について説明する。制御装置6は、パターン描画装置100のインクジェットヘッド2、加熱装置300、温度センサ4、及びステージ5の駆動装置と情報の授受が可能なように接続され、これら各部材の動作を制御する。制御装置6は、配線パターン11を描画するプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行することで、パターン描画装置100としての機能を実行する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えている。このRAMには、絶縁性基材1に形成する配線パターン11の形状(座標情報)が予め格納されている。
制御装置6は、パターン描画工程の動作を制御するにあたり、配線パターン11の形状、ステージ5の移動速度に基づいて、インクが吐出される所定領域のうち、インクの液滴7が次に着弾する絶縁性基材1の一方主面上の着弾予定位置Qの座標値(x,y,z)を取得する。
制御装置6は、取得した着弾予定位置に基づいて、予め定義された規則に従い、吸収層8の加熱領域の基準点を設定する。図2に示すように、本実施形態の制御手段6は、着弾予定位置Qとxy座標が同じで吸収層8の一方主面(図中上面)上の位置を加熱領域の基準点P1として設定する。この場合において、制御装置6は、レーザーヘッド3に設定された基準点P1を中心とする所定半径の加熱領域にレーザー光32を照射させる。つまり、基準点P1はレーザー光32の照射中心に相当する。
インクの液滴7を効率的に加熱する観点からは、上述したように、絶縁性基材1に近い吸収層8の一方主面上に基準点P1を設定することが好ましいが、レーザー光32に対する吸収層8の光吸収率が高い場合には、吸収層8の他方主面上に基準点P2を設定することができる。なお、加熱領域の基準点は上述したP1、P2に限定されず、吸収層8の一方主面と他方主面の間(P1とP2の間)の任意の点を基準点とすることもできる。
なお、パターンが描画される絶縁性基材1の高さを考慮してレーザー光32の照射方向を設定する場合には、絶縁性基材1の高さを計測するための表面形状測定器を設ける必要があるが、本実施形態のパターン描画装置100では、ステージ5の上に配置された平坦な吸収層8にレーザー光32を照射するので、インクの液滴7が着弾する絶縁性基材1の表面の凹凸(z座標値)を考慮する必要がない。
制御装置6は、温度センサ4に液滴7の着弾予定位置の温度を測定させ、測定された温度に基づいて加熱領域に照射するレーザー光32の強度を制御する。着弾予定位置の設定温度は、インクの特性、インクの吐出量、液滴7の半径、配線パターン11の線幅、高さに応じて予め決定される。特に限定されないが、絶縁性基材1の一方主面側に着弾するインクの乾燥を行いつつ突沸を防止する観点から、吸収層8及び熱伝層9を介して加熱される絶縁性基材1の着弾予定位置の設定温度は、50℃〜250℃程度とすることができる。なお、吸収層8の加熱領域の設定温度を高く設定し、インクの焼成までを同時に行うことも可能である。
本実施形態の制御装置6は、着弾予定位置の測定温度と、着弾予定位置の設定温度とに基づいて、吸収層8に照射するレーザー光32の周波数、スポットサイズ、照射距離を制御する。制御の具体的な手法は特に限定されないが、着弾予定位置の測定温度が設定温度よりも高い場合は、周波数を下げ、スポットサイズを大きくし、レーザー光32の照射位置を着弾予定位置から遠ざける。他方、着弾予定位置の測定温度が設定温度以下である場合は、周波数を上げ、スポットサイズを小さくし、レーザー光32の照射位置を着弾予定位置に近づける。
レーザー光32の照射スポット径は、特に限定されないが、インクの液滴7の径に応じて5μm〜500μm程度とすることができる。レーザー光32の照射スポット径をインクの液滴7の大きさに応じて絞り込むことによって、インクの液滴7の着弾予定位置に応じる吸収層8の加熱領域にレーザー光32を局所的に照射することができる。本実施形態では、吸収層8をレーザー光32で照射し、吸収層8に生じた熱を、熱伝層9を介して絶縁性基材1に伝えるので、レーザー光32の照射スポット径の制御精度がそれほど高くなくても、熱を絶縁性基材1の加熱領域に伝えることができる。
従来技術のように、インクの液滴7が着弾する絶縁性基材1にレーザー光32を照射する場合には、絶縁性基材1の材料に応じてレーザー光32の光源、ステージ5の材質を変更し、絶縁性基材の性質や厚さに応じてレーザー光32の照射条件を変更する必要があったが、本実施形態のパターン描画装置100は、吸収層8又は吸収層8及び熱伝層9を介して絶縁性基材1を加熱するので、絶縁性基材1への影響を考慮することなくレーザー光32の照射を行うことができる。つまり、パターンを描画する対象(絶縁性基材1)が変わっても、レーザー光32の光源及び照射条件を変更する必要が無い。
この結果、製造コストを低減しつつ、絶縁性基材の一方主面側に配線パターン11を描画する際に、絶縁性基材の他方主面にレーザー光32を局所的に照射することにより、インクの液滴7が絶縁性基材に着弾した後に濡れ広がることを防止して高アスペクト比の配線パターン11を形成することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
100…パターン描画装置
10…プリント配線板
1…絶縁性基材
11…配線パターン
2…インクジェットヘッド
21…ノズル
300…加熱装置
3…レーザーヘッド
31…レンズ
32…レーザー光、レーザー光の照射方向
4…温度センサ
5…ステージ
6…制御装置
7…(インクの)液滴
8…吸収層
81…空孔
9…熱伝層

Claims (4)

  1. 絶縁性基材の一方主面側に配置され、前記絶縁性基材の一方主面の所定領域に導電性材料を含むインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドと、
    前記絶縁性基材の他方主面側に配置され、前記絶縁性基材の他方主面側からレーザー光を照射するレーザーヘッドと、を備え、
    前記絶縁性基材の他方主面側に、前記レーザー光を吸収する吸収層が配置されていることを特徴とするパターン描画装置。
  2. 前記吸収層の前記絶縁性基材側の主面には、前記絶縁性基材の熱容量よりも大きい熱容量を有する熱伝層が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のパターン描画装置。
  3. 前記吸収層は、多孔質であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン描画装置。
  4. 前記吸収層は、蛍光剤が添加されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のパターン描画装置。
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