JP2013123645A - 骨固着装置 - Google Patents

Abstract

【課題】用途の種類が増大し快適な操作をもたらす、向上した骨固着装置を提供する。
【解決手段】骨固着装置１０は、ロッド７を受けるための受け部５を含み、受け部は、長手軸と、長手軸と同軸の第１のボアと、第２のボアとを有し、さらに、骨への挿入のための第１の端部２と、第２のボア内に位置決めすることができる第２の端部とを有する固着要素１を含み、第２の端部は頭部３を含み、固着要素１は、限定された角度範囲内で長手軸を中心として受け部５に対して移動可能であり、角度範囲は単一面内にあり、さらに、第１のボア内で回転するように構成された案内部材４を含み、固着要素の頭部３は案内部材４に接続され、形状嵌め接続が固着要素１の移動を単一面に限定し、さらに、案内部材４に作用して案内部材の回転位置を固定する第１のロック要素８と、頭部に作用して頭部３を固定する第２のロック要素９とを含むロック装置１０を含む。
【選択図】図１

Description

本発明は、骨固着装置、特に選択可能な旋回面を有する単一面骨固着装置に関する。骨固着装置は、ロッドを受けるための受け部と、骨または椎骨への挿入のための第１の端部および頭部を含む第２の端部を有する固着要素とを含み、固着要素は、限定された角度範囲内で長手軸を中心として受け部に対して移動可能であり、角度範囲は単一面内にある。骨固着装置はさらに、受け部内で回転するように構成された案内部材を含み、案内部材と固着要素との形状嵌め（form-fit）接続が固着要素の移動を単一面に限定し、単一面は、案内部材を回転させることによって選択することができる。旋回面の向きは、案内部材に作用する第１のロック要素によって固定され、骨固着要素の角度位置は、ロッドも固定する第２のロック要素によってロックされる。

米国特許第７，７４９，２５８号は、骨固着装置であって、ロッドを受けるための受け部と、限定された角度範囲内で長手軸を中心として受け部に対して移動可能な固着要素とを含み、当該角度が単一面内にある骨固着装置について記載している。

米国特許第７，９５１，１７２号は、骨ねじアセンブリであって、固着部分と、ロッド受け部分のような頭部部分とを含み、頭部部分は、固着部分と頭部部分との間で制御された屈曲を可能とするように固着部分に移動可能に搭載される骨ねじアセンブリについて記載している。固着部分は、頭部部分に対して軸を中心として１つ以上の選択される方向に旋回可能である。制限部材は、頭部部分および／または頭部部分内に受けられた脊椎固定要素に対して別の軸を中心として１つ以上の異なる方向に固着部分が旋回するのを防ぐ。制限部材は、骨ねじアセンブリに連結された脊椎ロッドを着座させるための圧縮部材および／またはロッドシートとしても機能し得る。

上記の骨固着装置はすべて、ロッドに対して、シャンクが単一面内で旋回することができる１つ以上の規定された位置を有する。

米国特許第７，７６６，９４４号は、ヒトの脊柱を調整するための装置のロッドを椎骨に締結するための固着要素であって、ロッドを受けるための保持装置、保持装置に取付け可能であってロッドに作用する留め要素、椎体への取付けのための締結要素、およびリング形状の台座と部分的に球状の軸受と台座に埋込まれ軸受を包囲する中間要素とを含む、保持装置と締結要素との間のクランプ装置を有する固着要素について記載している。軸受は、対向する側に水平な案内面を含む。中間要素は、締結要素に対してある軸方向にのみ保持装置が移動することを可能にする噛合い対向面を有する。

米国特許第７，７４９，２５８号 米国特許第７，９５１，１７２号 米国特許第７，７６６，９４４号 米国特許公開第２０１１／０１７８５５９号 米国特許公開第２０１０／０３０５６２１号 米国特許公開第２００８／０３０６５２６号 米国特許公開第２００９／０２１６２８０号 米国特許公開第２０１１／００４０３３５号

本発明は、用途の種類が増大し快適な操作をもたらす、向上した骨固着装置を提供することを目的とする。

当該目的は、請求項１に記載の骨固着装置によって解決される。さらなる展開が従属クレームに示される。

骨固着装置によれば、長手軸を中心として３６０°の範囲内で単一旋回面の位置を選択することができる。したがって、単一面がロッド軸を含むか、たとえばロッド軸に垂直であるか、またはロッド軸に対していずれかの他の特定の角度を含むかに関わらず、選択することができる。当該面は、受け部を骨ねじに関して回転させることによって調整可能である。旋回面が固定されると、骨固着要素は、受け部に対して当該面内でのみ旋回することができる。

案内部材および骨固着要素は、個別にロックされることができる。
特定の実施例では、選択された旋回面内の骨固着要素の旋回角度は、受け部の長手軸を基準とする反対側と比較して、一方側に拡大される。これにより、骨固着装置は、たとえば頸椎について外側塊を固定する用途に特に好適となる。

添付図面による実施例の記載から、さらなる特徴および利点が明白となるであろう。

第１の実施例に係る骨固着装置の斜視分解図である。 組立てられた状態の図１の骨固着装置の斜視図である。 図２の骨固着装置の、ロッド軸に垂直な断面図である。 ロッドを受けるための溝の長手軸に垂直な、第１の実施例に係る骨固着装置の受け部の断面図である。 骨固着要素の側面図である。 骨固着要素の上面図である。 骨固着要素に接続可能な案内部材の斜視図である。 案内部材の上面図である。 図８の線Ａ−Ａに沿った案内部材の断面図である。 骨固着装置の圧力部材の斜視図である。 圧力部材の別の斜視図である。 圧力部材の上面図である。 図１２の線Ｂ−Ｂに沿った圧力部材の断面図である。 変形された案内部材を有する骨固着要素の斜視図である。 変形された案内部材の斜視図である。 骨固着要素および別の変形された案内部材の斜視分解図である。 中心軸に沿った図１６の案内部材の断面図である。 骨固着装置の第２の実施例の斜視分解図である。 骨固着装置の第２の実施例の斜視図である。 第２の実施例に係る骨固着装置の、ロッド軸に垂直な断面図である。 第３の実施例に係る骨固着装置の斜視分解図である。 組立てられた状態の図２１の骨固着装置の斜視図である。 図２１の骨固着装置のシート部材の斜視図である。 図２３のシート部材の、図２３の線Ｃ−Ｃに沿った断面図である。 図２２に係る骨固着装置の、ロッド軸に垂直な断面図である。 図２２の骨固着装置の、ロッド軸に垂直な断面図である。 骨固着装置にロッドを搭載する工程の、ロッド軸に垂直な断面図である。 図２７に示されたロッドを搭載する工程の斜視図である。 第３の実施例の骨固着装置の旋回面をロックする工程の、ロッド軸に垂直な断面図である。 図２９の旋回面をロックする工程の斜視図である。

図１〜図３に示されるように、第１の実施例に係る骨固着装置は、ねじ切りされた部分を有するシャンク２と頭部３とを有する骨ねじの形態の骨固着要素１を含む。頭部３は、受け部５に設けられた案内部材４内に案内される。受け部５は、骨固着要素を安定化ロッド７に連結する。圧力部材６は、案内部材４とロッド７との間に配置される。さらに、案内部材４を固定するための第１のロック要素８と、ロッド７を留めて固定するための、かつ頭部３をロックするための第２のロック要素９とを含むロック装置１０が設けられる。

図５および図６に示されるように、骨固着要素の頭部３は、実質的に球体の一セグメントとして形作られ、球体の最大直径を含み、該セグメントはその回転軸がシャンク軸Ｓに対して垂直に方向付けられる。したがって、実質的に互いに平行に、かつシャンク軸Ｓおよび球状部分３ｃに平行に延在する２つの対向する平坦な表面３ａ，３ｂを含む。

図３および図４に示されるように、受け部５は、第１の端部５ａと対向する第２の端部５ｂとを有する。第１のボア５１は、第１の端部５ａから、第２の端部５ｂからある距離のところまで延在する。第１のボア５１は、第１の端部５ａおよび第２の端部５ｂを通って延在する対称軸Ｃを規定する。第２の端部５ｂには、第１のボア５１の直径より小さい直径の第２のボア５２がある。第２のボア５２は第１のボア５１と連通している。第１の端部５ａに隣接して、ロッド７を受けるための溝を形成する実質的にＵ形状の凹部５３が設けられる。凹部５３によって、第１のロック要素８と協働する雌ねじ５４が設けられた２本の自由脚部が形成される。図示される実施例に示される受け部５は、伸長された脚部を有し、第１の端部と所定のブレイキングポイント（breaking point）５５との間の部分を中断する（break off）ことを可能にする所定のブレイキングポイント５５を、第１の端部から所定の距離のところに含む長頭の骨固着装置用の受け部として機能する。そのような長頭の受け部は、たとえば低侵襲手術に使用され得る。なお、受け部５を長頭なしで設計してもよく、その場合第１の端部５ａはほぼ所定のブレイキングポイント５５にある。

図３および図７〜図９に示されるように、案内部材４は、第１のボアに導入されることを可能にし、かつ図２に示されるように第１のボア５１と第２のボア５２との間の移行部で停止する外径を有する実質的に円筒状の部品である。案内部材４は、第１の端部４ａと、対向する第２の端部４ｂと、案内部材を通って第１の端部４ａから第２の端部４ｂまで延在する実質的に矩形の凹部４１とを含む。凹部４１は、頭部３の球状セクションの直径に実質的に対応するかまたは若干大きい長さの長辺壁４１ａ，４１ｂを有する。短辺壁４１ｃ，４１ｄは、対向する平坦な表面３ａ，３ｂの間の頭部３の厚みに実質的に対応するかまたは若干大きい幅を有する。したがって、頭部３は凹部４１内に嵌合する。頭部が凹部に挿入されると、凹部の長辺壁は頭部の平坦な表面に沿って延在する。長辺壁４１ａ，４１ｂの実質的に中心には、頭部３が挿入されるときに頭部３と案内部材４との間に空間があるように円筒状の案内部材４の軸方向に延在する２つの対向する円筒状または湾曲した凹部４２ａ，４２ｂが設けられる。これにより、頭部３の平坦な表面３ａ，３ｂを係合して骨固着要素１を回転させる工具との係合が可能となる。

図３に示されるように、案内部材４は、頭部３が挿入されると頭部３の一部分が案内部材４の第１の端部４ａから突出するような高さである。

図１０〜図１３を参照して、圧力部材６は、第１の端部６ａと対向する第２の端部６ｂとを有する実質的に円筒状の部品である。圧力部材６は、圧力部材６を受け部５に挿入し、その中で軸方向に移動させることができるような寸法である。第１の端部６ａは受け部の第１の端部５ａに面し、第２の端部６ｂは案内部材４に面する。ロッド７が凹部６１の底部で停止すると第１の端部６ａがロッド表面の上方の位置で終端するような深さを有する実質的にＵ形状の凹部６１が第１の端部６ａに隣接して設けられる。図３および図１３に見られるように、第１の端部６ａは、圧力部材の高さが外周に向かって若干減少するように傾斜を有する面取りされた表面を有する。貫通孔６２は、凹部６１の底部から第２の端部６ｂまで延在する。貫通孔６２の直径は、ロッドの直径より小さい。また、特に図１２および図１３に見られるように、外側に湾曲した２つの対向する側面６３ａ，６３ｂを有する実質的に矩形の凹部６３がＵ形状の凹部６１の底部に設けられ、矩形の長辺はロッド軸に沿って方向付けられている。実質的に矩形の凹部６３の長さは、貫通孔６２の直径より長い。これによって、ロッド７の一部分が凹部６３内に延在することができる。第２の端部６ｂには、図３に示されるように骨固着装置が組立てられると頭部３の一部分が穴６５内に延在することを可能にする穴６５が設けられる。その結果、ロッド７はその下側によって頭部３を直接押圧する。圧力部材６は、骨固着要素の頭部３に触れることなく、その第２の端部６ｂによって案内部材４に直接作用する。

圧力部材６はさらに、第２のロック要素９の直径より直径が大きい同軸の凹部６４を第１の端部６ａにおいて含む。

図１〜図３を参照して、ロック装置について説明する。ロック装置１０の第１のロック要素８は、第１の端部８ａと対向する第２の端部８ｂとを有するねじであり、雄ねじが受け部の雌ねじ５４と協働する。ねじ山は、受け部５内の溝によって形成される脚部が広がるのを防ぐためのねじ山形態を有し得る。そのようなねじ山形態は、たとえば、図３に示されるように平坦なねじ山であり得る。第１の端部８ａにおいて、ねじ回しとの係合のための係合構造があり得る。第１のロック要素の第２の端部８ｂは、図３に示されるように圧力部材６の第１の端部６ａの面取りされた部分に対応して面取りされ得る。第１のロック要素８は、第２のロック要素９を受けるためのねじ切りされた貫通孔８１をさらに含む。ねじ山形態は、いずれかのねじ山形態、たとえばメートルねじであり得る。第２のロック要素９は、第１の端部９ａと第２の端部９ｂとを有する取付けねじとして示される。第２の端部９ｂは、ロッド７に作用するように構成される。ロック装置１０は、第１のロック要素８と第２のロック要素９とが締められると第１のロック要素８および第２のロック要素９が受け部５の所定のブレイキングポイント５５より上に実質的に突出しないような寸法である。

図２および図３に示される組立てられた状態において、第１のロック要素８は圧力部材６のみに作用するように構成される。圧力部材６は、案内部材４のみに作用するように構成される。第２のロック要素９は、第２の端部９ｂが圧力部材６に設けられた同軸の凹部６４内にある状態で延在する。これによって、第２のロック要素９は圧力部材６に接触しない。

組立てられた状態では、圧力部材６は整列された位置に配置され、実質的にＵ形状の凹部６１が受け部の実質的にＵ形状の凹部５３と整列されている。圧力部材６は、たとえばかしめることによって、この位置に一時的に保持され得る。

骨固着装置は全体としてまたは部分的に、生体適合性金属、たとえばチタン、ステンレススチール、ニチノール（登録商標）などの生体適合性合金といった生体適合性材料、またはたとえばポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ（登録商標））といった生体適合性プラスチック材料からなる。

使用の際、骨固着装置は、案内部材４とともに骨固着要素１が受け部５内に保持され、圧力部材６が挿入されて整列されるように、あらかじめ組立てられ得る。次いで骨固着要素は、頭部の平坦な表面３ａ，３ｂを工具と係合させることによって、骨または椎骨にねじ込まれる。頭部３が形状嵌め法で案内部材４に接続されるため、案内部材４はねじ込み動作中に回転する。案内部材４を回転させることによって、骨固着要素が受け部に対して旋回することができる面が規定される。受け部５と案内部材４との間の相対地位を保持するバイアス力を圧力部材が案内部材４にかけることができるようにかしめることによって圧力部材６が予備的な位置に保持される場合、旋回面を規定する、受け部５に対する案内部材４の位置を維持することができる。

少なくとも２つの骨固着装置が骨部分または隣接する椎骨に挿入された後、案内部材４の位置によって規定された単一面内で受け部５が旋回され、それによりロッド７の挿入が可能となるように整列される。その後、ロック装置１０が挿入される。第１のロック要素８を締めることによって、圧力部材の第１の端部６ａに、および圧力部材６によって案内部材４に、圧力がかけられる。これによって、骨固着要素１のための旋回面が固定される。次いで第２の端部９ｂがロッド７を押圧し、ひいては図３に示されるように頭部３を押圧するまで、旋回面内の骨固着要素１の角度位置がロックされるまで第２のロック要素９が締められる。第２のロック要素を緩めることによって、旋回面の向きを固定しつつ、ロッドの、および旋回面内の骨固着要素の角度位置の、さらなる調整を行うことができる。

さらなる変更例が考えられる。たとえば、図１４および図１５に示されるように、球状部分３ｄおよび中心円筒状部分（図示せず）を有する頭部３′がねじ軸に垂直な円筒軸と協働することによって、単一の旋回面が規定され得る。頭部３′は、対応する球状部分４３と対応する円筒状部分４４と頭部３′の一部分を通過するための凹部４ａ′とを有する案内部材４′と協働する。

図１６および図１７に示されるさらなる変更例において、頭部３″は、第１の実施例よりも小さい２つの対向する平坦な表面３ａ′，３ｂ′を有する。案内部材４″は、ピン４６を受けるためのリングの対向する側面にある２つのボア４５ａ，４５ｂを有する実質的に円筒状のリングである。リングの内部は、中心穴４８のある実質的にドーム状の表面４７を有する。ピン４６がボア４５ａ，４５ｂにそれぞれ挿入されると、それらは、骨固着要素がある単一面内でのみ旋回することができるように、ねじ頭部３″の回転を案内部材４″内に限定する。

図１８〜図２０は、骨固着装置の第２の実施例を示す。受け部の設計のみが第１の実施例に係る骨固着装置とは異なる。他のすべての部品および部分は同じであり、その説明は繰り返さない。骨固着装置は、旋回面のための優先的な向きを有する。

受け部５′はその第２の端部５ｂに皿領域５６を有し、皿領域５６は、旋回面が皿領域５６を通って延在するように方向付けられると、骨固着要素１がより大きな角度で旋回されることを可能にする。したがって、第２の端部５ｂは、単一の旋回面において非対称である第２のボア５２に隣接するエッジを形成する。図２０に示されるように、骨固着要素が皿領域５６へ旋回されると、最大旋回角度は、皿領域５６と反対の方向におけるよりも大きい。

案内部材４の矩形凹部４１が皿領域５６と整列されない場合、第２の実施例に係る骨固着装置は、拡大された旋回角度が特定の位置にない骨固着装置として使用されることができる。旋回面が皿領域５６と整列される場合は、拡大された旋回角度を有する骨固着装置として使用することもできる。

第２の実施例に係る骨固着装置も変更され得る。たとえば、骨固着要素および案内部材は、図１４〜図１７に係る骨固着要素および案内部材として設計され得る。

図２１および図２２を参照して、骨固着装置の第３の実施例について説明する。第３の実施例に係る骨固着装置は、案内部材および付加的なシート部材が第１の実施例に係る骨固着装置と異なる。他のすべての部品は第１の実施例と同じであり、その説明は繰り返さない。第３の実施例に係る案内部材４００は案内部材４と実質的に同一であるが、軸方向の高さが低い。

第１の端部１４０ａと第２の端部１４０ｂと第１の端部１４０ａに隣接する実質的に中空の円筒状部分１４１とを有するシート部材１４０が設けられる。中空の円筒状部分１４１は、第１のボアの内径より若干外径が小さく、それにより第１の部分１４１が第１のボア５１と第２のボア５２との間の移行部で停止し得る。第１の部分の内径は、頭部３の最大直径より小さい。シート部材１４０は、頭部３にシートを提供するための実質的に球状の内面１４３を有する第２の部分１４２をさらに含む。外面も球状であるが、別の形状を有することもできる。第２の部分は、第２の部分１４３が少なくとも部分的に第２のボア５２を通って延在することができるような寸法である。図２３および図２４に示されるように、第２の部分１４２は、受け部５の第２の端部５ｂによって規定される面に対して傾斜した第２の端部１４０ｂを形成する傾斜した下側エッジを有する。シート部材１４０が受け部に挿入されると、第２の端部１４０ｂは第２のボア５２に隣接するエッジを形成する。傾斜した下側エッジによって規定される開口部の直径は、頭部３の直径より小さく、シャンク２の直径より大きい。第１の部分１４１に最も近い位置には、頭部３の球状部分に対応して形作られたエッジの領域における凹部１４４がある。頭部３はしたがって凹部１４４内に延在して、最大旋回角度をさらに拡大することができる。シート部材の凹部１４４は、頭部３との形状嵌め接続ももたらす。

シート部材１４０が受け部に挿入されると、第２の部分１４２は第２のボア５２を通って延在する。骨固着要素１がシート部材１４０内に保持され、案内部材４００に連結されると、シート部材１４０および案内部材４００は受け部５に対して骨固着要素１とともに回転可能である。シート部材１４０は、図２５に示されるように、凹部１４４が配置されている第１の位置において、長手軸Ｃに対するエッジの別の位置よりも大きい角度で骨固着要素を旋回させることを可能にするように非対称である第２のボア５２に隣接するエッジを規定する。図２６に示されるように、頭部３の平坦な表面３ａ，３ｂにより、骨固着要素は単一面内でのみ旋回することが可能である。単一面は、受け部５に対して骨固着要素、案内部材４００およびシート部材１４０をともに回転させることによって選択することができる。

第３の実施例に係る骨固着装置を使用する工程を図２７〜図３０に示す。図２７および図２８に示されるように、骨固着要素が骨に挿入されておりロッド７がまだ挿入されていないときに、固着要素を案内部材４００およびシート部材とともに回転させることによって、単一の旋回面の向きが選択される。次いで、図２９および図３０に示されるように、ロッドの挿入後、第１のロック要素８が締められ、圧力部材６に作用し、ひいては案内部材４００およびシート部材１４０に作用して、単一の旋回面を固定する。そうすれば骨固着要素は、凹部１４４を含む一方側へ、反対側と比較してより大きい最大旋回角度で単一面内において旋回することができる。第２のロック要素９を締めることにより、頭部３およびアセンブリ全体がロックされる。

第３の実施例についても変更が可能である。ねじ頭部および案内部材の設計を図１４〜図１７に示した例のように修正することができる。骨固着要素の旋回を単一面に限定するような、骨固着要素の頭部と案内部材との接続が可能であり得る。特に、当該限定は、頭部と案内部材との形状嵌め接続によって実現することができる。

圧力部材６は省略することができる。圧力部材の代わりに、案内部材に直接作用するようにロック装置を変更しなければならない。

ねじ頭部は、工具との係合のための付加的な係合構造を有し得る。
旋回面の向きの選択は、特定の工具を使用して、ねじを挿入する前に行うことができる。

１ 骨固着要素、２ シャンク、３ 頭部、３ａ 平坦な表面、４ 案内部材、４１ 凹部、５ 受け部、５３ 凹部、５４ 雌ねじ、５５ ブレイキングポイント、６ 圧力部材、６１ 凹部、７ ロッド、８ 第１のロック要素、８ａ 第１の端部、８ｂ 第２の端部、８１ 貫通孔、９ 第２のロック要素、１０ ロック装置。

Claims (14)

1. 骨固着装置であって、
   ロッド（７）を受けるための受け部（５，５′）を備え、前記受け部は、長手軸（Ｃ）と、長手軸と同軸の第１のボア（５１）と、第２のボア（５２）とを有し、さらに、
   骨への挿入のための第１の端部（２）と、第２のボア内に位置決めすることができる第２の端部とを有する固着要素（１）を備え、前記第２の端部は頭部（３，３′，３″）を含み、
   前記固着要素（１）は、限定された角度範囲内で長手軸を中心として受け部（５，５′）に対して移動可能であり、前記角度範囲は単一面内にあり、さらに、
   前記第１のボア（５１）内で回転するように構成された案内部材（４，４′，４″，４００）を備え、前記固着要素の前記頭部（３，３′，３″）は前記案内部材（４，４′，４″，４００）によって案内され、形状嵌め接続が前記固着要素の移動を単一面に限定し、さらに、
   前記案内部材（４，４′，４″，４００）に作用して前記案内部材の回転位置を固定する第１のロック要素（８）と、前記頭部に作用して前記頭部（３，３″）を固定する第２のロック要素（９）とを含むロック装置（１０）を備える、骨固着装置。
2. 前記受け部（５，５′）は前記ロッド（７）を挿入するためのＵ形状の凹部（５３）を含み、それによって２つの開いた脚部が形成され、前記開いた脚部に雌ねじ（５４）が設けられる、請求項１に記載の骨固着装置。
3. 前記第１のロック要素（８）は、前記脚部の前記雌ねじ（５４）と協働する雄ねじを含み、同軸のねじ切りされたボア（５１）をさらに圧迫し、前記第２のロック要素（９）は、前記ねじ切りされたボアと協働する部分を有する、請求項２に記載の骨固着装置。
4. 前記ロッドを支持するように形作られ、かつ前記案内部材と前記ロック装置との間に配置されるように構成された凹部（６１）を有する圧力要素（６）をさらに備える、請求項１〜３のうち１項に記載の骨固着装置。
5. 前記圧力要素（６）は、前記頭部（３）ではなく前記案内部材（４′，４″，４００）に圧力をかけるように構成される、請求項４に記載の骨固着装置。
6. 前記圧力要素（６）は実質的に円筒状であり、前記ロック装置（１０）に面する第１の端部（６ａ）と前記頭部（３）に面する第２の端部（６ｂ）とを有し、前記頭部（３′，３″）のための凹部（６３）が前記第２の端部（６ｂ）に設けられ、前記凹部（６３）は、前記圧力要素に触れることなく前記頭部（３，３′，３″）の一部分がその中に収容されるように寸法決めされる、請求項４または５に記載の骨固着装置。
7. 前記圧力要素（６）は、その第１の端部（６ａ）に凹部（６４）を有し、前記第２のロック要素（９）は、前記圧力部材に触れることなく前記凹部（６４）内に延在することができる、請求項４〜６のうち１項に記載の骨固着装置。
8. 前記第２のボア（５２）に隣接するエッジ（５ｂ）は、前記エッジの第１の位置において、長手軸に対する前記エッジの別の位置よりも大きい角度で前記骨固着要素（８）が旋回することを可能にするように非対称である、請求項１〜７のうち１項に記載の骨固着装置。
9. 前記受け部は、前記第２のボア（５２）に隣接する前記エッジ（５ｂ）に皿領域（５６）を有する、請求項８に記載の骨固着装置。
10. シート部材（１４０）が設けられ、前記シート部材（１４０）は、前記頭部のためのシート（１４３）を有し、かつ前記受け部（５）に組付けられ搭載されて、前記エッジの第１の位置において、長手軸に対する前記エッジの別の位置よりも大きい角度で前記骨固着要素が旋回することを可能にするように非対称である前記第２のボア（５２）に隣接するエッジ（１４０ｂ）を規定することができる、請求項８に記載の骨固着装置。
11. 前記シート部材（１４０）は、ロック前に前記第２のボア内で回転するように構成される、請求項１０に記載の骨固着装置。
12. 前記シート部材中の前記頭部のための前記シート（１４３）は球状である、請求項１０または１１に記載の骨固着装置。
13. 前記シート部材（１４０）は、前記頭部との形状嵌め接続のためにそのエッジ（１４０ｂ）に凹部（１４４）を有する、請求項１０〜１２のうち１項に記載の骨固着装置。
14. 前記頭部（３，３′，３″）は実質的に球状の円弧形状であり、球体の回転軸はシャンク軸に対して垂直に延在する、請求項１〜１２のうち１項に記載の骨固着装置。