JP2013122466A - レーダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】設定された距離範囲の反射物を検出するレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーザの反射光の強度に応じて受光回路が出力する受信信号は、AD変換器でデジタル信号に変換される。ピーク抽出手段44は、ピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをピーク領域として抽出し、0以外のピーク番号を付す。マップ比較手段60は、0以外のピーク番号を有するピーク領域を構成するデジタル信号の1個でも、その信号値がマップDPRAM56にサンプリング番号毎に記憶されているマップデータよりも大きいと、そのピーク領域を有効ピーク領域と判断し、有効ピーク領域を構成する全デジタル信号を有効信号として選択する。距離算出手段64は、有効ピーク領域を構成するデジタル信号に基づいて有効ピーク領域のピーク位置を推定し、反射物までの距離を算出する。
【選択図】図2
【解決手段】レーザの反射光の強度に応じて受光回路が出力する受信信号は、AD変換器でデジタル信号に変換される。ピーク抽出手段44は、ピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをピーク領域として抽出し、0以外のピーク番号を付す。マップ比較手段60は、0以外のピーク番号を有するピーク領域を構成するデジタル信号の1個でも、その信号値がマップDPRAM56にサンプリング番号毎に記憶されているマップデータよりも大きいと、そのピーク領域を有効ピーク領域と判断し、有効ピーク領域を構成する全デジタル信号を有効信号として選択する。距離算出手段64は、有効ピーク領域を構成するデジタル信号に基づいて有効ピーク領域のピーク位置を推定し、反射物までの距離を算出する。
【選択図】図2
Description
本発明は、送信波に対する反射波に基づいて反射物を検出するレーダ装置に関する。
従来、例えば送信波としてレーザを照射して反射波を受信し、送信波を照射してから反射波を受信するまでの時間に基づき、反射物との距離を測定するレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、太陽光、蛍光灯等の外光の影響を受けずに反射物からの反射光を受光したことを判断するために、外光の受光値に応じてスレッシュ値を可変に調整している。
ところで、レーザに限らず反射物を検出するために送信した送信波に対する反射波は、あらゆる距離から反射されて受信される。このような反射波の中には、以下に示すような不要な物も含まれている。
(1)送信波を照射するときに発生するノイズ。
(2)車両にレーダ装置が搭載される場合に、すぐ前の車両が跳ね上げる水しぶきの反射波。
(3)検出したい距離範囲が決まっている場合に、それ以外の距離範囲の反射物からの反射波。
(1)送信波を照射するときに発生するノイズ。
(2)車両にレーダ装置が搭載される場合に、すぐ前の車両が跳ね上げる水しぶきの反射波。
(3)検出したい距離範囲が決まっている場合に、それ以外の距離範囲の反射物からの反射波。
しかしながら、前述した特許文献1では、外光の受光値に応じてスレッシュ値を可変に調整するものの、スレッシュ値を一律に調整している。その結果、上記のような不要な反射波と、検出したい有効な反射波との選別ができないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、設定された距離範囲の反射物を検出するレーダ装置を提供することを目的とする。
請求項1から4に記載の発明によると、送信波に対して反射物が反射する反射波を受信部が受信し、AD変換手段は反射波の強度に応じて受信部が出力する受信信号をデジタル信号に変換する。
さらに、ピーク抽出手段は、AD変換手段が出力するデジタル信号のうち所定のピーク閾値よりも連続して大きい信号グループをピーク領域として抽出し、有効信号値記憶手段は、AD変換手段がAD変換するサンプリングポイント毎に、設定された距離範囲に応じて設定された有効信号値を記憶している。そして、信号選択手段は、ピーク抽出手段により抽出されたピーク領域のうち有効信号値よりも大きいデジタル信号を有するピーク領域の全デジタル信号を有効信号として選択し、信号選択手段が選択する有効信号に基づいて検出手段は反射物を検出する。
この構成によれば、設定された距離範囲からの有効信号に基づいて反射物を検出できるので、設定された距離範囲の外からの受信信号に対して、検出手段は反射物の検出処理を実施する必要がない。その結果、反射物の検出処理に要する時間を短縮できる。また、設定された距離範囲の外からの受信信号を処理して反射物を誤検出することを防止できる。
さらに、受信信号をデジタル信号に変換することにより、受信信号に対する信号処理が容易になる。
さらに、受信信号をデジタル信号に変換することにより、受信信号に対する信号処理が容易になる。
ところで、受信信号をデジタル信号に変換するサンプリングポイント毎にデジタル信号と有効信号値とを比較し、有効信号値よりも大きいデジタル信号を有効信号として選択する場合、有効信号値以下のデジタル信号は無効信号となる。その結果、反射物に相当するピーク領域を形成するデジタル信号のうち有効信号値以下の部分は除去される。すると、有効信号値以下の部分を除去された有効信号が形成するピーク領域の形状が、有効信号値以下の部分を除去される前のピーク領域の形状と大きく異なる場合がある。このようにピーク領域の形状が変化すると、ピーク領域のピーク位置が正しい元の位置からずれことがある。ピーク位置は反射物の位置に相当するので、ピーク位置がずれると反射物の位置を高精度に検出できない恐れがある。
そこで、請求項1から4に記載の発明によると、ピーク抽出手段により抽出されたピーク領域のうち有効信号値よりも大きいデジタル信号を有するピーク領域のデジタル信号は、有効信号値以下の部分も含めて有効信号として選択される。その結果、信号選択手段により選択されたピーク領域の形状は、ピーク抽出手段により選択されたときの形状と同じである。したがって、ピーク領域のピーク位置に基づいて反射物の位置を高精度に検出できる。
請求項2に記載の発明によると、検出手段は、送信部が送信波を照射してから有効信号において反射物に相当する箇所までの時間に基づいて反射物までの距離を算出する。
これにより、設定された距離範囲の外からの受信信号に対して、検出手段は反射物までの距離の算出処理を実施する必要がない。その結果、反射物までの距離の算出処理に要する時間を短縮できる。
これにより、設定された距離範囲の外からの受信信号に対して、検出手段は反射物までの距離の算出処理を実施する必要がない。その結果、反射物までの距離の算出処理に要する時間を短縮できる。
請求項3に記載の発明によると、信号選択手段により有効信号として選択されたピーク領域のピーク位置をピーク位置推定手段が推定し、検出手段は、送信部が送信波を照射してからピーク位置までの時間に基づいて反射物までの距離を算出する。
これにより、高精度に推定されたピーク位置に基づき、送信波を照射してからピーク位置までの時間に基づいて反射物までの距離を高精度に検出できる。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
尚、本発明に備わる複数の手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、またはそれらの組み合わせにより実現される。また、これら複数の手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。図1に、本実施形態のレーダ装置10を示す。
(レーダ装置10)
レーダ装置10は、CPU20、発光回路22、受光回路24、外部情報出力回路26、AD変換器30、距離計測手段40等から構成されている。
(レーダ装置10)
レーダ装置10は、CPU20、発光回路22、受光回路24、外部情報出力回路26、AD変換器30、距離計測手段40等から構成されている。
CPU20は、図示しない記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することにより、発光回路22および受光回路24を制御するとともに、距離計測手段40から出力される反射物までの距離情報を外部情報出力回路26から外部の他のECU等に出力する。
送信部としての発光回路22は、レーザダイオード、発光レンズ、スキャナ等から構成されている。レーザダイオードはCPU20からの駆動信号により駆動され、発光レンズおよびスキャナを介して送信波としてレーザを照射する。スキャナは例えばポリゴンミラーにより構成されている。ポリゴンミラーがCPU20からの駆動信号に応じて回転することにより、レーザダイオードが照射するレーザは所定の角度範囲を走査する。
受信部としての受光回路24は、集光レンズとフォトダイオード等の受光素子とから構成されている。集光レンズは、反射物が反射する反射波であるレーザを集光する。受光素子は、集光されたレーザの強度に応じた電圧信号を受信信号として出力する。
AD変換手段としてのAD変換器30は、受光回路24から出力される受信信号を、一定のサンプリング周波数、例えば160[MHz]でサンプリングしてデジタル信号に変換する。160[MHz]のサンプリング周波数では、サンプリング周期は6.25[ns]、サンプリング距離単位は0.9375[m]となる。このように短い周期でサンプリングするため、AD変換器30として、高速で動作するパイプライン方式のAD変換器が使用されている。
また、AD変換器30によるサンプリング数は、レーダ装置10が計測する最大距離によって決定される。計測最大距離をX[m]とすると、前述したようにサンプリング周波数が160[MHz]でサンプリング距離単位が0.9375[m]の場合、X/0.9375回のサンプリング数になる。
AD変換器30は、発光回路22からレーザ照射を開始してからX/0.9375回サンプリングするとAD変換を停止し、次回のレーザ照射でAD変換を開始する。あるいは、AD変換器30はサンプリングを停止せずにAD変換を継続し、距離計測手段40は、1回の計測処理毎にX/0.9375個のデータをAD変換器30から読み出すとデータの読み出しを停止してもよい。
図3に、受光回路24から出力される受信信号をAD変換したデジタル信号列100の一例を示す。AD変換器30がサンプリング周期毎に出力するデジタル信号には、サンプリングの順番にしたがい、つまりレーザを照射してからの時間経過にしたがいサンプリング番号が付される。
距離計測手段40は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)で実現され
ている。図2に、距離計測手段40の構成をブロック図で示す。
ピーク閾値算出手段42は、後述するピーク抽出手段44がピーク領域を抽出するときにピーク領域か否かを判定するためのピーク閾値を算出する。
ている。図2に、距離計測手段40の構成をブロック図で示す。
ピーク閾値算出手段42は、後述するピーク抽出手段44がピーク領域を抽出するときにピーク領域か否かを判定するためのピーク閾値を算出する。
ところで、受光回路24からAD変換器30が入力する受信信号がACカップリングされている場合、受光回路24が反射波を受光しない場合にはAD変換器30の出力は理想的には0になる。しかしながら、実際には、0を中心としたランダムノイズが発生する。このランダムノイズを除去するために、(ランダムノイズの平均値×係数)を閾値とすることが考えられる。ランダムノイズの平均値は、発光回路22がレーザを照射していない状態で、AD変換器30がサンプリングして出力するデジタル信号の出力値を所定数加算し、所定数で割った値を使用する。ピーク閾値算出手段42は、発光回路22がレーザを照射していない状態でランダムノイズの平均値の算出を、例えば数秒毎の一定周期で実施し、(ランダムノイズの平均値×係数)をピーク閾値として出力する。ピーク閾値は、次の算出周期になるまでの間は変化せず、同じ値が出力される。そして、算出周期においてランダムノイズの大きさが変化すると、ピーク閾値の大きさも変化する。
ランダムノイズの平均値を算出するときのデジタル信号の出力値を加算する所定数、ならびにランダムノイズの平均値との積を求める係数をCPU20により適切な値に変更できる構成であることが望ましい。
ピーク抽出手段44は、AD変換器30でAD変換されたデジタル信号から、ピーク閾値算出手段42で算出されたピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをそれぞれピーク領域として抽出する。ピーク領域抽出前の図4の上段のデジタル信号列100と、ピーク領域抽出後の図4の下段のデジタル信号列110とが示すように、ピーク抽出手段44は、ピーク領域として抽出されたデジタル信号の信号値はそのままにし、ピーク閾値以下のデジタル信号の信号値は0にする。
ピーク抽出手段44は、図4の下段に示すように、抽出したピーク領域にピーク番号をそれぞれ付す。ピーク番号は、ピーク領域を構成するデジタル信号のサンプリング番号に対してそれぞれ付されている。例えば、図5に示すように、ピーク番号1のピーク領域を構成する1点鎖線で囲まれた3個のデジタル信号、ピーク番号2のピーク領域を構成する1点鎖線で囲まれた4個のデジタル信号、ピーク番号3のピーク領域を構成する1点鎖線で囲まれた5個のデジタル信号、ピーク番号4のピーク領域を構成する1点鎖線で囲まれた1個のデジタル信号、ピーク番号5のピーク領域を構成する1点鎖線で囲まれた11個のデジタル信号のサンプリング番号に対して、それぞれピーク番号1、2、3、4、5が付される。一方、ピーク抽出手段44は、ピーク閾値以下のデジタル信号の信号値を0にするとともに、各デジタル信号のサンプリング番号に対してピーク番号として0を付す。
ピーク領域として抽出されたデジタル信号の信号値はそのままにし、ピーク閾値以下のデジタル信号の信号値は0にしたピーク波形結果と、AD変換器30でAD変換されたデジタル信号のサンプリング番号毎にピーク番号を付したピーク番号結果とは、ピーク抽出手段44から同期して出力される。そして、ピーク波形結果はサンプリング番号毎にピーク波形記録RAM52に記録され、ピーク番号結果はサンプリング番号毎にピーク番号記録RAM54に記録される。
ここで、ピーク抽出手段44の出力データ例を図6に示す。図6の6列はそれぞれ3段で構成されている。各列の上段は0から始まるサンプリング番号を表している。尚、図6では、サンプリング番号を一部省略している。各列の中段は、ピーク領域として抽出されたデジタル信号の信号値はそのままにし、ピーク閾値以下のデジタル信号の信号値は0にした結果を示している。中段の括弧内は0にする前の信号値を表している。図6では、ピーク閾値の値を200にしている。各列の下段は、ピーク領域のピーク番号を示している。ピーク波形記録RAM52には各列の上段(サンプリング番号)と中段(信号値)とが対応づけて記録されており、ピーク番号記録RAM54には各列の上段(サンプリング番号)と下段(ピーク番号)とが対応づけて記録されている。
RAM出力制御手段50は、ピーク波形記録RAM52およびピーク番号記録RAM54への記録が終了すると、ピーク波形記録RAM52とピーク番号記録RAM54とマップDPRAM56とに記録されているデータを同期して出力させる。
有効信号値記憶手段としてのマップDPRAM56には、サンプリング番号毎に有効信号値としてマップデータが記録されている。マップDPRAM56に記録されているマップデータは、外部書換え手段としてのパーソナルコンピュータ(PC)等で自由に変更できる。
信号選択手段としてのマップ比較手段60は、ピーク波形記録RAM52とピーク番号記録RAM54とマップDPRAM56から同期して出力されるデータを入力する。そして、マップ比較手段60は、ピーク波形記録RAM52およびピーク番号記録RAM54に記録されているデータのうち、0以外のピーク番号を有するピーク領域を構成するデジタル信号の信号値と、このデジタル信号のサンプル番号に対応するマップDPRAM56のフィルタリング用のマップデータとを比較する。
マップ比較手段60は、各ピーク領域を構成するデジタル信号の1個でも信号値が対応するサンプリング番号のマップデータよりも大きいと、そのピーク領域を有効ピーク領域と判断し、有効ピーク領域を構成する全デジタル信号を有効信号として選択する。そして、マップ比較手段60は、有効信号として選択したデジタル信号のサンプリング番号とピーク番号とを有効ピーク番号記録RAM62に記録する。
一方、マップ比較手段60は、各ピーク領域を構成する全てのデジタル信号の信号値が対応するサンプリング番号のマップデータ以下の場合には、そのピーク領域を無効ピーク領域と判断し、無効ピーク領域を構成する全デジタル信号のサンプリング番号に対してピーク番号として0を付す。そして、マップ比較手段60は、無効ピーク領域を構成する全デジタル信号のサンプリング番号とピーク番号0とを有効ピーク番号記録RAM62に記録する。
また、マップ比較手段60は、マップデータと比較する前に信号値が0であり、ピーク番号として0が付されているデジタル信号に対しては、対応するサンプリング番号とピーク番号0とを有効ピーク番号記録RAM62に記録する。
例えば、図7では、マップ比較手段60は、サンプリング番号毎に設定されたマップデータ120と、ピーク領域として抽出されたデジタル信号列110のピーク領域を構成するデジタル信号とを比較する。そして、マップ比較手段60は、ピーク番号1〜4のピーク領域を削除し、ピーク番号5〜12のピーク領域を有効ピーク領域とする。図7のマップデータ120は、レーダ装置10から近い受信信号を除去するように設定されている。したがって、例えば、発光回路22からレーザを照射するときに発生するノイズ、ならびにすぐ前の車両が跳ね上げる水しぶきからの反射波の受信信号を除去できる。
図8では、マップ比較手段60は、サンプリング番号毎に設定された他のマップデータ130と、ピーク領域として抽出されたデジタル信号列110のピーク領域を構成するデジタル信号とを比較する。そして、ピーク番号1〜5およびピーク番号10〜12のピーク領域を削除し、ピーク番号6〜9のピーク領域を有効ピーク領域とする。図8のマップデータ130は、レーダ装置10から近い受信信号および遠い受信信号を除去し、その間の中間距離範囲の受信信号を有効とするように設定されている。
本実施形態では、サンプリング番号毎にマップデータが設定されているので、有効信号から構成される有効ピーク領域を選択するための距離範囲および有効信号値の設定自由度が高い。
計測最大距離内の全てのサンプリング要素に対してマップ比較手段60の処理が終了し、有効ピーク番号記録RAM62にサンプリング番号と有効ピーク領域のピーク番号とが記録されると、RAM出力制御手段50は、ピーク波形記録RAM52と有効ピーク番号記録RAM62とに対して記録データを同期して出力させる。ピーク波形記録RAM52は、マップ比較手段60に対して出力したデータと同じデータを出力する。
ここで、本実施形態では、AD変換器30から出力されたデジタル信号からピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをそれぞれピーク領域として抽出してから、フィルタリング用のマップデータでピーク領域から有効ピーク領域を抽出した。AD変換器30が出力するデジタル信号から直接有効ピーク領域を抽出しない理由を次に説明する。
図9の(A)に示すように、ピーク領域が抽出されていないデジタル信号列140の信号値とマップデータ150とをサンプリング番号毎に比較する場合、マップデータ150よりも大きい信号値のデジタル信号は有効であり、マップデータ150以下の信号値のデジタル信号は無効であると判定される。つまり、図9の(A)のデジタル信号列140において、マップデータ150よりも大きい3個のデジタル信号だけが有効ピーク領域を構成する有効信号として抽出され、他のデジタル信号は無効信号として信号値を0に設定される。
すると、図9の(B)に示すように3個のデジタル信号で有効ピーク領域を構成することになるので、図9の(A)においてピーク領域に相当する形状と大きく異なるピーク領域を抽出することになる。このような図9の(B)に示すピーク領域からピーク位置を推定すると、図9の(A)のピーク領域から推定されるピーク位置からずれる恐れがある。
ピーク位置がずれると、発光回路22からレーザ照射を開始してからピーク位置までに要する時間がずれる。そして、反射物までの距離は、レーザ照射を開始してから反射物に相当するピーク位置までの時間と光速とから次式(1)で算出される。これにより、ピーク位置がずれると、レーザ照射を開始してからピーク位置までの時間がずれるので、反射物までの距離に誤差が生じる。
距離=光速×時間/2 ・・・(1)
これに対し、本実施形態のように、AD変換器30が出力するデジタル信号からピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをそれぞれピーク領域として抽出しておけば、ピーク領域単位で処理ができる。これにより、抽出されたピーク領域からマップデータよりも大きい有効ピーク領域を抽出するときに、デジタル信号単位ではなくピーク領域単位で有効ピーク領域を抽出できる。ピーク領域単位で抽出された有効ピーク領域の形状は、有効ピーク領域として抽出される前のピーク領域の形状と同一である。その結果、反射物に相当するピーク位置を有効ピーク領域から高精度に推定し、レーザ照射を開始してからピーク位置までの時間を高精度に推定できるので、反射物までの距離を高精度に算出できる。
これに対し、本実施形態のように、AD変換器30が出力するデジタル信号からピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをそれぞれピーク領域として抽出しておけば、ピーク領域単位で処理ができる。これにより、抽出されたピーク領域からマップデータよりも大きい有効ピーク領域を抽出するときに、デジタル信号単位ではなくピーク領域単位で有効ピーク領域を抽出できる。ピーク領域単位で抽出された有効ピーク領域の形状は、有効ピーク領域として抽出される前のピーク領域の形状と同一である。その結果、反射物に相当するピーク位置を有効ピーク領域から高精度に推定し、レーザ照射を開始してからピーク位置までの時間を高精度に推定できるので、反射物までの距離を高精度に算出できる。
検出手段およびピーク位置推定手段としての距離算出手段64は、ピーク波形記録RAM52および有効ピーク番号記録RAM62から出力されるデータに基づいて有効ピーク領域のピーク位置を推定し、反射物までの距離を式(1)から算出して計測する。まず、距離算出手段64によるピーク位置の推定方法について図10に基づいて説明する。
図10に示す有効ピーク領域160においてデジタル信号の最大信号値をamaxとすると、次式(2)で算出されるAの値を上下に挟むデジタル信号は、有効ピーク領域160のピーク位置の前後にそれぞれ一組存在する。距離算出手段64は、有効ピーク領域160を構成するデジタル信号と式(2)で算出したAを順次比較して該当するデジタル信号の組を求める。尚、ピーク領域の波形の特性から、式(2)の係数kは、例えば0.5≦k≦0.7の範囲に設定される。
A=amax×k(0<k<1) ・・・(2)
図10において、(t1、a1)と(t2、a2)、(t3、a3)と(t4、a4)が、Aの値を上下に挟むデジタル信号の組である。tx(x=1、2、3、4)は発光回路22がレーザを照射してからAD変換器30によるサンプリングポイントまでの時間であり、サンプリング周期の整数倍の値である。ax(x=1、2、3、4)は、時間txにおけるデジタル信号の信号値を表している。
図10において、(t1、a1)と(t2、a2)、(t3、a3)と(t4、a4)が、Aの値を上下に挟むデジタル信号の組である。tx(x=1、2、3、4)は発光回路22がレーザを照射してからAD変換器30によるサンプリングポイントまでの時間であり、サンプリング周期の整数倍の値である。ax(x=1、2、3、4)は、時間txにおけるデジタル信号の信号値を表している。
各組の2点を結ぶ直線がA=amax×kで表す信号値と交わる時間をそれぞれT1、T2とし、サンプリング周期をΔtとすると、直線の交点を求める方程式から、T1、T2は次式(3)、(4)で算出される。
T1=(A−a1)×Δt/(a2−a1)+t1 ・・・(3)
T2=(a3−A)×Δt/(a3−a4)+t3 ・・・(4)
そして、有効ピーク領域160のピーク位置に相当する時間Tpは、次式(5)で算出される。
T2=(a3−A)×Δt/(a3−a4)+t3 ・・・(4)
そして、有効ピーク領域160のピーク位置に相当する時間Tpは、次式(5)で算出される。
Tp=(T1+T2)/2 ・・・(5)
距離算出手段64は、このように各有効ピーク領域のピーク位置に相当する時間Tpを算出し、反射物までの距離を式(1)から算出する。このように時間Tpを算出し有効ピーク領域のピーク位置を推定するのは、サンプリングポイントが必ずしも有効ピーク領域のピーク位置にならないからである。
距離算出手段64は、このように各有効ピーク領域のピーク位置に相当する時間Tpを算出し、反射物までの距離を式(1)から算出する。このように時間Tpを算出し有効ピーク領域のピーク位置を推定するのは、サンプリングポイントが必ずしも有効ピーク領域のピーク位置にならないからである。
尚、ピーク領域のピーク位置の推定は上記方法に限るものではない。例えば、ピーク領域を構成するデジタル信号の重心位置をピーク位置と推定してもよい。
距離算出手段64が算出した反射物までの距離は、バス経由でCPU20に出力される。CPU20は、反射物までの距離を外部情報出力回路26を介してレーダ装置10の外部に出力する。
距離算出手段64が算出した反射物までの距離は、バス経由でCPU20に出力される。CPU20は、反射物までの距離を外部情報出力回路26を介してレーダ装置10の外部に出力する。
CPU20は、距離算出手段64が算出した反射物までの距離をレーダ装置10の外部に出力すると、発光回路22を制御して次のレーザを照射させる。そして、距離計測手段40は、上記と同一の処理により、受光回路24が出力しAD変換器30がAD変換した受信信号のデジタル信号に基づいて、設定された距離範囲に存在する反射物までの距離を計測する。
以上説明した上記実施形態では、設定された距離範囲に基づいてサンプリングポイント毎にマップデータを設定し、ピーク抽出手段44により抽出されたピーク領域から、マップデータよりも大きいデジタルデータを有するピーク領域を有効ピーク領域として選択した。これにより、設定された距離範囲の外のデジタルデータに対して反射物までの距離の計測処理を実施せず、設定された距離範囲の反射物までの距離の計測処理だけを実施する。その結果、不要な反射物に対する距離の計測処理を排除できるので、距離の計測処理に要する時間を短縮できる。また、設定された距離範囲の外のデジタル信号を処理して反射物を誤検出することを防止できる。
[他の実施形態]
レーダ装置の送信波としては、上記実施形態で使用したレーザに限るものではなく、例えば音波を使用してもよい。
レーダ装置の送信波としては、上記実施形態で使用したレーザに限るものではなく、例えば音波を使用してもよい。
また上記実施形態では、受光回路24が出力する受信信号をAD変換器30によりデジタル信号に変換し、デジタル信号を処理して反射物までの距離を測定した。これに対し、参考例として、受光回路24が出力する受信信号をAD変換せず、アナログ信号のまま信号処理をして反射物までの距離を測定してもよい。
また、上記実施形態では、ピーク閾値よりも連続して大きいデジタル信号のグループをピーク領域として抽出してから、マップデータよりも大きいデジタル信号を有するピーク領域を有効信号から構成される有効ピーク領域として選択した。これに対し、参考例として、ピーク閾値に基づいてピーク領域を抽出する処理を省略し、マップデータよりも大きいデジタル信号を有効信号として選択してもよい。
また、上記実施形態では、設定された距離範囲に存在する反射物までの距離を測定した。これに対し、反射物までの距離は測定せず、設定された距離範囲における反射物の存在を検出するだけでもよい。
また上記実施形態では、外部のパーソナルコンピュータからマップDPRAM56のマップデータを書換え可能な構成とした。これに対し、レーダ装置10が反射物を検出する周囲の状況、例えば走行道路種別、照度等に応じて、CPU20がマップDPRAM56のマップデータを自動的に書換え可能な構成としてもよい。
また、上記実施形態では、特許請求の範囲に記載した信号選択手段、検出手段、ピーク抽出手段およびピーク位置推定手段に相当する手段の機能を、回路構成自体で機能が特定されるFPGA(Field Programmable Gate Array)によるハードウェアにより実現している。これに対し、上記手段の機能の少なくとも一部を、制御プログラム等のソフトウェアにより機能が特定される電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)で実現してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
10:レーダ装置、20:CPU、22:発光回路(送信部)、24:受光回路(受信部)、30:AD変換器(AD変換手段)、40:距離計測手段、44:ピーク抽出手段、56:マップDPRAM(有効信号値記憶手段)、60:マップ比較手段(信号選択手段)、64:距離算出手段(検出手段、ピーク位置推定手段)
Claims (4)
- 送信波を照射し、反射物からの反射波に基づいて前記反射物を検出するレーダ装置において、
前記送信波を照射する送信部と、
前記送信波に対して前記反射物が反射する前記反射波を受信し、前記反射波の強度に応じた受信信号を出力する受信部と、
前記受信部が出力する受信信号をデジタル信号に変換するAD変換手段と、
前記AD変換手段が出力するデジタル信号のうち所定のピーク閾値よりも連続して大きい信号グループをピーク領域として抽出するピーク抽出手段と、
前記AD変換手段がAD変換するサンプリングポイント毎に、設定された距離範囲に応じて設定された有効信号値を記憶する有効信号値記憶手段と、
前記ピーク抽出手段により抽出された前記ピーク領域のうち前記有効信号値よりも大きいデジタル信号を有する前記ピーク領域の全デジタル信号を、前記距離範囲から反射された前記反射波の有効信号として選択する信号選択手段と、
前記有効信号に基づいて前記反射物を検出する検出手段と、
を備えることを特徴とするレーダ装置。 - 前記検出手段は、前記送信部が前記送信波を照射してから前記有効信号において前記反射物に相当する箇所までの時間に基づいて前記反射物までの距離を算出することを特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
- 前記信号選択手段により選択された前記ピーク領域のピーク位置を推定するピーク位置推定手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記送信部が前記送信波を照射してから前記ピーク位置までの時間に基づいて前記反射物までの距離を算出する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のレーダ装置。 - 前記有効信号値は、前記サンプリングポイントの距離が遠くなるにしたがい階段状に減少して設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のレーダ装置。
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