JP2013122239A - 熱電供給システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】需要家に熱と電力とを供給する熱電供給システムSが、温熱及び電力を発生する熱電発生装置1と、他所から供給される温熱を集める一台又は複数台の集熱装置2と、熱電発生装置1で発生した温熱及び集熱装置2で集熱した温熱を熱媒に保持させて流通させる温熱流通系統5と、需要家の熱需要を賄うために温熱流通系統5から受け取る温熱を利用可能な熱利用装置3と、温熱流通系統5から受け取る温熱を利用して低沸点流体の蒸気を生成し、当該低沸点流体の蒸気をタービン発電機に供給して発電を行うバイナリー発電装置10と、熱電発生装置1及び集熱装置2から温熱流通系統5を流通する熱媒へ与えられる熱量から、熱利用装置3が温熱流通系統5から受け取る温熱の熱量を減算して得られる残余熱量をバイナリー発電装置10へ供給する制御装置Cとを備える。
【選択図】図1
Description
燃料を消費して温熱及び電力を発生する熱電発生装置と、
他所から供給される温熱を集める一台又は複数台の集熱装置と、
前記熱電発生装置で発生した温熱及び前記集熱装置で集熱した温熱を熱媒に保持させて流通させる温熱流通系統と、
前記需要家の熱需要を賄うために前記温熱流通系統から受け取る温熱を利用可能な熱利用装置と、
前記温熱流通系統から受け取る温熱を利用して低沸点流体の蒸気を生成し、当該低沸点流体の蒸気をタービン発電機に供給して発電を行うバイナリー発電装置と、
前記熱電発生装置及び前記集熱装置から前記温熱流通系統を流通する熱媒へ与えられる熱量から、前記熱利用装置が前記温熱流通系統から受け取る温熱の熱量を減算して得られる残余熱量を前記バイナリー発電装置へ供給する制御装置とを備える点にある。
尚、バイナリー発電装置が、例えば需要家の熱需要が大きいタイミングで温熱流通系統を流通する熱媒の温熱を利用すると、需要家が利用できる熱量が減少して、その熱需要を賄うことができなくなる可能性がある。ところが、本特徴構成では、制御装置が、熱電発生装置及び集熱装置から温熱流通系統を流通する熱媒へ与えられる熱量から、熱利用装置が温熱流通系統から受け取る温熱の熱量を減算して得られる残余熱量をバイナリー発電装置へ供給する。つまり、制御装置が、バイナリー発電装置が上記残余熱量のみを利用して発電するように制御することで、需要家の熱需要を賄うための熱量をバイナリー発電装置が奪うことがないようにできる。
従って、余剰の温熱を有効に利用できる熱電供給システムを提供できる。
再生可能エネルギーから温熱を集める装置、即ち、再生可能エネルギー由来の熱を集める装置としては、太陽熱、地熱(地中熱、地下水熱を含む)、大気中の熱その他の自然界に存する熱、バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの)を燃焼等させて得られる熱を集める装置などがある。
未利用エネルギーから温熱を集める装置、即ち、未利用エネルギー由来の熱を集める装置としては、これまでほとんど利用されていなかった、生活排水や中・下水の熱、清掃工場(例えばごみ焼却場)の排熱、地中送電線からの排熱、変電所の排熱、河川水・海水の熱、工場の排熱、地下鉄や地下街の排熱を集める装置などがある。本発明では、これまでほとんど利用されていなかった相対的に低温の温熱であっても、後述するバイナリー発電装置10で有効に利用できる。
次に、図2を参照して第1実施形態の熱電供給システムS1(S)の構成を具体的に説明する。図2に示すように、熱電供給システムS1は、熱電発生装置1と、集熱装置2の一例としての太陽熱集熱装置2Aと、熱利用装置3としての冷熱消費装置9及び吸収式冷凍機18及び温熱消費装置19と、電力消費装置4と、温熱流通系統5と、バイナリー発電装置10と、制御装置Cとを備える。太陽熱集熱装置2Aは、例えば、集熱板を太陽光の照射を受けるように設置し、その集熱板に熱媒を通流させて集熱板で集めた太陽熱(温熱)を回収するような装置である。以下の説明では、集熱装置2として太陽熱集熱装置2Aを用いた例を挙げるが、太陽熱集熱装置2Aの代わりに、上述した再生可能エネルギーから温熱を集める装置又は未利用エネルギーから温熱を集める装置を集熱装置2として用いてもよい。
例えば、制御装置Cは、太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量を、温熱流通系統5の復路5bから取り出した温熱流体の温度を計測する温度センサT3の計測値と温熱流通系統5の往路5aへ戻す温熱流体の温度を計測する温度センサT2の計測値との温度差、及び、熱交換器20を流通する温熱流体の流速を計測する流量計M1の計測値に基づいて導出できる。
制御装置Cは、熱電発生装置1から温熱流通系統5に対する温熱の供給量を、温熱流通系統5の復路5bから取り出した温熱流体の温度を計測する温度センサT5の計測値と温熱流通系統5の往路5aへ戻す温熱流体の温度を計測する温度センサT4の計測値との温度差、及び、熱交換器17を流通する温熱流体の流速を計測する流量計M2の計測値に基づいて導出できる。
このとき、制御装置Cは、温熱流通系統5の往路5aから取り出した温熱流体の温度を計測する温度センサT8の計測値と温熱流通系統5の復路5bへ戻す温熱流体の温度を計測する温度センサT9の計測値との温度差、及び、吸収式冷凍機18を流通する温熱流体の流速を計測する流量計M4の計測値に基づいて、温熱流通系統5から吸収式冷凍機18への温熱の供給量を導出できる。
このとき、制御装置Cは、温熱流通系統5の往路5aから取り出した温熱流体の温度を計測する温度センサT10の計測値と温熱流通系統5の復路5bへ戻す温熱流体の温度を計測する温度センサT11の計測値との温度差、及び、温熱消費装置19を流通する温熱流体の流速を計測する流量計M5の計測値に基づいて、温熱消費装置19による温熱流通系統5からの温熱の取得量を導出できる。
制御装置Cは、熱電発生装置1及び太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5を流通する温熱流体へ与えられる熱量から、熱利用装置3(温熱消費装置19及び吸収式冷凍機18)が温熱流通系統5から受け取る温熱の熱量を減算して得られる残余熱量をバイナリー発電装置10へ供給するような制御を行う。上述したように、制御装置Cは、熱電発生装置1から温熱流通系統5に対する温熱の供給量と太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量との合計を導出できる。更に、上述したように、制御装置Cは、需要家の温熱需要に応じてポンプP5の動作を制御しており、その結果として、温熱消費装置19による温熱流通系統5からの温熱の取得量を導出できる。同様に、制御装置Cは、需要家の冷熱需要に応じてポンプP4及び吸収式冷凍機18の動作を制御しており、その結果として、吸収式冷凍機18による温熱流通系統5からの温熱の取得量を導出できる。従って、制御装置Cは、上記残余熱量を導出でき、その残余熱量がバイナリー発電装置10で消費されるように、ポンプP3の動作及びバイナリー発電装置10の動作を制御すればよい。
制御装置Cは、電力消費装置4による電力需要と、温熱消費装置19による温熱需要と、冷熱消費装置9による冷熱需要とを計測する。そして、制御装置Cは、それら電力需要と温熱需要と冷熱需要とを賄えるように、太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量を考慮した上で、熱電発生装置1とバイナリー発電装置10と吸収式冷凍機18との動作内容を決定し、及び、電力会社からの受電量を決定する。このとき、制御装置Cは、上述した電力需要と温熱需要と冷熱需要とを賄うための一次エネルギー消費量が最も小さくなるように、熱電発生装置1とバイナリー発電装置10と吸収式冷凍機18との動作内容を決定し、及び、電力会社からの電力の供給量を決定する。
或いは、制御装置Cは、上述した電力需要と温熱需要と冷熱需要とを賄うためのコスト又は環境負荷量(例えば、CO2排出量)が最も小さくなるように、熱電発生装置1とバイナリー発電装置10と吸収式冷凍機18との動作内容を決定し、及び、電力会社からの電力の供給量を決定してもよい。
図3に示すように、太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量は50kWであり、熱電発生装置1から温熱流通系統5に対する温熱の供給量は75kWであるので、合計125kWの熱量が温熱流通系統5を流通する温熱流体に与えられていることになる。これに対して、制御装置Cは、需要家の冷熱需要(50kW)を賄うべく、吸収式冷凍機18が75kWの温熱を受け取るようにポンプP4及び吸収式冷凍機18の動作を制御する。以上の結果、熱電供給システムS1における残余熱量は50kWとなるので、制御装置Cは、バイナリー発電装置10がその50kWの残余熱量を受け取るようにポンプP3の動作を制御し、且つ、その残余熱量でバイナリー発電装置10が発電運転するようにバイナリー発電装置10の動作を制御する。この例では、バイナリー発電装置10は、50kWの温熱を25kWの電力に変換して電力系統6への電力供給を行っている。
但し、需要家の電力需要は100kWであるので、制御装置Cは、熱電発生装置1の発電電力(38kW)及びバイナリー発電装置10の発電電力(25kW)では不足する不足電力(37kW)を電力会社から調達させる。
図4に示すように、雨天のために太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量は0kWであり、熱電発生装置1から温熱流通系統5に対する温熱の供給量は100kWであるので、合計100kWの熱量が温熱流通系統5を流通する温熱流体に与えられていることになる。これに対して、制御装置Cは、需要家の冷熱需要(40kW)を賄うべく、吸収式冷凍機18が53kWの温熱を受け取るようにポンプP4及び吸収式冷凍機18の動作を制御する。以上の結果、熱電供給システムS1における残余熱量は47kWとなるので、制御装置Cは、バイナリー発電装置10がその47kWの残余熱量を受け取るようにポンプP3の動作を制御し、且つ、その残余熱量でバイナリー発電装置10が発電運転するようにバイナリー発電装置10の動作を制御する。この例では、バイナリー発電装置10は、47kWの温熱を23kWの電力に変換して電力系統6への電力供給を行っている。
但し、需要家の電力需要は100kWであるので、制御装置Cは、熱電発生装置1の発電電力(50kW)及びバイナリー発電装置10の発電電力(23kW)では不足する不足電力(27kW)を電力会社から調達させる。
図5に示すように、太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量は40kWであり、熱電発生装置1から温熱流通系統5に対する温熱の供給量は10kWであるので、合計50kWの熱量が温熱流通系統5を流通する温熱流体に与えられていることになる。これに対して、制御装置Cは、需要家の冷熱需要(10kW)を賄うべく、吸収式冷凍機18が13kWの温熱を受け取るようにポンプP4及び吸収式冷凍機18の動作を制御する。以上の結果、熱電供給システムS1における残余熱量は37kWとなるので、制御装置Cは、バイナリー発電装置10がその37kWの残余熱量を受け取るようにポンプP3の動作を制御し、且つ、その残余熱量でバイナリー発電装置10が発電運転するようにバイナリー発電装置10の動作を制御する。この例では、バイナリー発電装置10は、37kWの温熱を19kWの電力に変換して電力系統6への電力供給を行っている。
但し、需要家の電力需要は100kWであるので、制御装置Cは、熱電発生装置1の発電電力(5kW)及びバイナリー発電装置10の発電電力(19kW)では不足する不足電力(76kW)を電力会社から調達させる。
図6に示すように、太陽熱集熱装置2Aから温熱流通系統5に対する温熱の供給量は40kWであり、熱電発生装置1から温熱流通系統5に対する温熱の供給量は70kWであるので、合計110kWの熱量が温熱流通系統5を流通する温熱流体に与えられていることになる。これに対して、制御装置Cは、需要家の温熱需要(100kW)を賄うべく、温熱消費装置19が100kWの温熱を受け取るようにポンプP5の動作を制御する。以上の結果、熱電供給システムS1における残余熱量は10kWとなるので、制御装置Cは、バイナリー発電装置10がその10kWの残余熱量を受け取るようにポンプP3の動作を制御し、且つ、その残余熱量でバイナリー発電装置10が発電運転するようにバイナリー発電装置10の動作を制御する。この例では、バイナリー発電装置10は、10kWの温熱を5kWの電力に変換して電力系統6への電力供給を行っている。
但し、需要家の電力需要は100kWであるので、制御装置Cは、熱電発生装置1の発電電力(35kW)及びバイナリー発電装置10の発電電力(5kW)では不足する不足電力(60kW)を電力会社から調達させる。
第2実施形態の熱電供給システムS2(S)は、温熱消費装置19の設置形態が第1実施形態の熱電供給システムS1と異なっている。また、第2実施形態の熱電供給システムS2(S)は、蓄電装置30と太陽光発電装置31とを追加で備えている。以下に、第2実施形態の熱電供給システムS2について説明するが、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
図7は、第2実施形態の熱電供給システムの構成を具体的に説明する図であり、図8は、夏季の晴天時における第2実施形態の熱電供給システムの運用例を示す図である。
図7に示すように、第2実施形態の熱電供給システムS2では、熱媒循環路21の途中に、その熱媒循環路21を流れる熱媒が通過する熱交換器25を設けている。具体的には、バイパス路22と熱媒循環路21との合流部位に設けられる三方弁V2よりも下流側、即ち、三方弁V2とバッファータンク23との間に、熱交換器25を設けている。加えて、熱交換器25には、温熱流通系統26を流通する温熱流体が流れる構成となっている。その結果、熱交換器25において、熱媒循環路21を流れる熱媒と、温熱流通系統26を流れる温熱流体とが熱交換を行うことが可能となっている。
このとき、制御装置Cは、温熱流通系統26の往路26aから取り出した温熱流体の温度を計測する温度センサT10の計測値と温熱流通系統26の復路26bへ戻す温熱流体の温度を計測する温度センサT11の計測値との温度差、及び、温熱消費装置19を流通する温熱流体の流速を計測する流量計M5の計測値に基づいて、温熱消費装置19による温熱流通系統26からの温熱の取得量を導出できる。
例えば、上記第1実施形態で説明したように、制御装置Cは、温度センサT1が計測した熱媒の温度、即ち、太陽熱集熱装置2Aから熱交換器20へと向かう熱媒の温度が設定温度未満のとき、熱媒循環路21を流通する熱媒が熱交換器20をバイパスしてバイパス路22を流通するように開閉弁V1及び三方弁V2の動作を制御する。従って、第1実施形態の熱電供給システムS1では、太陽熱集熱装置2Aで集めた熱は、熱媒の温度が上記設定温度未満であれば温熱流通系統5側には供給されることなく、その結果として利用されないことになる。また、熱交換器20をバイパスせず、太陽熱集熱装置2Aで集めた熱を熱交換器20において温熱流通系統5側に供給した場合であっても、温熱流通系統5を流通する温熱流体に熱を渡した後に熱媒循環路21を流通する熱媒(即ち、熱交換器20から流出した相対的に低温の熱媒)は一定以上の温度を保っているため、その熱媒の熱を利用できれば好ましい。そして、熱交換器20での熱回収を終えた後に熱交換器20から流出する熱媒が有する熱の利用、即ち、熱交換器20では回収できなかった温度域の熱の利用を図ることが可能となる。
また、制御装置Cは、温度センサT1が計測した熱媒の温度が88℃以上であれば熱媒が熱交換器20を流通して温熱流通系統5への熱供給が行われるように開閉弁V1及び三方弁V2を動作させる。この場合、88℃以上で熱交換器20に流入した熱媒は例えば83℃で熱交換器20から流出するため、その83℃の熱媒を更に利用できれば好ましい。
制御装置Cは、熱交換器20よりも下流側の熱媒循環路21に設けられる温度センサT12が計測した熱媒の温度、即ち、熱交換器20の側から熱交換器25へと向かう熱媒の温度が設定温度以上のとき、熱媒が熱交換器25を流通するように開閉弁V3及び三方弁V4の動作を制御する。その結果、熱媒循環路21を流れる熱媒の熱が、熱交換器25を介して温熱流通系統26を流通する温熱流体に供給され、その後、温熱消費装置19へと供給されることになる。これに対して、制御装置Cは、温度センサT12が計測した熱媒の温度が上記所定温度未満のとき、熱媒循環路21を流通する熱媒が熱交換器25をバイパスしてバイパス路24を流通するように開閉弁V3及び三方弁V4の動作を制御する。従って、熱媒循環路21を流れる熱媒の温度が、温熱消費装置19でも利用できないほどの低温であれば、温熱流通系統26にも供給されず、利用されない。
第2実施形態の熱電供給システムS2は、電力系統6に接続される蓄電装置30及び太陽光発電装置31を備える。つまり、熱電供給システムS2は、熱電発生装置1が発生した電力とバイナリー発電装置10で発生した電力とが供給される電力系統6と、電力系統6に接続される蓄電装置30及び自然エネルギー発電装置としての太陽光発電装置31と備え、電力系統6から需要家への電力供給が可能に構成されている。尚、蓄電装置30及び自然エネルギー発電装置(太陽光発電装置31)については何れか一方を備えているだけでもよいし、両方、更には複数台備えていてもよい。尚、自然エネルギー発電装置としては、太陽光発電装置31だけでなく、他の自然エネルギーを利用して発電する装置を用いることもできる。例えば、本実施形態の自然エネルギー発電装置として、風力発電装置を用いることもできる。
蓄電装置30は、例えば、電気を蓄えることのできる蓄電部(図示せず)と、その蓄電部から電力系統6への放電電力及び電力系統6から蓄電部への充電電力を制御可能な電力変換部(図示せず)とを備える。蓄電部は、蓄電池(化学電池)や電気二重層キャパシタなど、蓄電機能を有する各種機器で構成することができる。
<1>
上記実施形態では、熱電供給システムの構成例及び電力需要や熱需要の数値例を具体的に説明したが、それらは例示目的で示したものであり適宜変更可能である。
例えば、図2には、温熱流通系統5が、相対的に高温の温熱流体が流通する往路5aと、相対的に低温の温熱流体が流通する復路5bとで構成される例を説明したが、別の構成の温熱流通系統を用いてもよい。例えば、温熱流体が、太陽熱集熱装置2A(集熱装置2)及び熱電発生装置1及び吸収式冷凍機18及びバイナリー発電装置10及び温熱消費装置19を順に流通するような構成の温熱流通系統を用いてもよい。
他には、上記実施形態では、熱利用装置3として、温熱を消費することで暖房機能などを発揮する温熱消費装置19、及び、冷熱を消費することで冷房機能などを発揮する冷熱消費装置9の両方を備えた例を説明したが、何れか一方のみを備えているシステムにも適用できる。
上記実施形態では、制御装置Cが熱電発生装置1とバイナリー発電装置10と吸収式冷凍機18とをどのように運転制御するのかについて例を挙げて説明したが、制御装置Cによる熱電発生装置1とバイナリー発電装置10と吸収式冷凍機18との運転制御手法は上述した例に限定されない。
例えば、制御装置Cは、熱電発生装置1を一定出力で又は所定の運転スケジュールで出力を変えながら運転してもよい。この場合、制御装置Cは、熱電発生装置1を一定出力運転又は所定の運転スケジュールで出力を変えながら運転し、冷熱消費装置9に対して供給する冷熱を発生させるために吸収式冷凍機18が必要とする温熱が不足すると、ガス系統8から供給されるガスを燃焼させて得た熱を利用して吸収式冷凍サイクルを作動させる。逆に、制御装置Cは、温熱の余剰があればバイナリー発電装置10で発電することで、電力会社からの受電量を減少させることができる。
他にも、制御装置Cが、集熱装置2から温熱流通系統5に対する温熱の供給量を考慮した上で、温熱需要と冷熱需要とを賄えるように熱電発生装置1からの熱供給量を追従させる熱主運転を行ってもよい。この場合、制御装置Cは、熱電発生装置1で発電された電力で電力需要を賄えない場合、電力会社からの受電によってその不足電力分を賄えばよい。
上記実施形態において、制御装置Cが、バイナリー発電装置10が温熱流通系統5から受け取る温熱の量、及び、吸収式冷凍機18が温熱流通系統5から受け取る温熱の量を適宜調整してもよい。例えば、バイナリー発電装置10が温熱流通系統5の温熱を優先して利用し、残された温熱を吸収式冷凍機18が利用するような運用形態や、吸収式冷凍機18がガス系統8から供給されるガスを燃焼させて得た熱を利用することを極力行わずに温熱流通系統5の温熱を優先して利用し、残された温熱をバイナリー発電装置10が利用するような運用形態などがある。これらの運用形態を選択して実行可能である場合、制御装置Cが、双方の運用形態でのエネルギー効率を比較した上でその選択を行うことも可能である。
2 集熱装置
2A 太陽熱集熱装置(集熱装置 2)
3 熱利用装置
4 電力消費装置
5 温熱流通系統
9 冷熱消費装置(熱利用装置 3)
10 バイナリー発電装置
18 吸収式冷凍機(熱利用装置 3)
19 温熱消費装置(熱利用装置 3)
30 蓄電装置
31 太陽光発電装置(自然エネルギー発電装置)
C 制御装置
G タービン発電機
S(S1、S2) 熱電供給システム
Claims (8)
- 需要家に熱と電力とを供給する熱電供給システムであって、
燃料を消費して温熱及び電力を発生する熱電発生装置と、
他所から供給される温熱を集める一台又は複数台の集熱装置と、
前記熱電発生装置で発生した温熱及び前記集熱装置で集熱した温熱を熱媒に保持させて流通させる温熱流通系統と、
前記需要家の熱需要を賄うために前記温熱流通系統から受け取る温熱を利用可能な熱利用装置と、
前記温熱流通系統から受け取る温熱を利用して低沸点流体の蒸気を生成し、当該低沸点流体の蒸気をタービン発電機に供給して発電を行うバイナリー発電装置と、
前記熱電発生装置及び前記集熱装置から前記温熱流通系統を流通する熱媒へ与えられる熱量から、前記熱利用装置が前記温熱流通系統から受け取る温熱の熱量を減算して得られる残余熱量を前記バイナリー発電装置へ供給する制御装置とを備える熱電供給システム。 - 前記熱利用装置が、前記需要家の温熱需要を賄うために前記温熱流通系統から受け取る温熱を利用可能な温熱消費装置と、燃料を消費して発生させる温熱及び前記温熱流通系統から受け取る温熱のうちの少なくとも一方を利用して前記需要家の冷熱需要に応じた冷熱を発生させる吸収式冷凍機とを有する請求項1に記載の熱電供給システム。
- 前記制御装置が、前記需要家の熱需要を賄うべく前記熱電発生装置及び前記熱利用装置の動作を制御し、前記需要家の電力需要のうち、前記熱電発生装置及び前記バイナリー発電装置の発電電力では不足する不足電力を商用電力系統から調達する請求項1又は2に記載の熱電供給システム。
- 前記熱電発生装置が発生した電力と前記バイナリー発電装置で発生した電力とが供給される電力系統と、前記電力系統に接続される蓄電装置及び自然エネルギー発電装置の少なくとも何れか一方とを備え、前記電力系統から前記需要家への電力供給が可能に構成されている請求項1又は2に記載の熱電供給システム。
- 前記集熱装置の少なくとも一台は、再生可能エネルギーから温熱を集める装置である請求項1〜4の何れか一項に記載の熱電供給システム。
- 前記集熱装置の少なくとも一台は、太陽熱を集める装置である請求項5に記載の熱電供給システム。
- 前記集熱装置の少なくとも一台は、未利用エネルギーから温熱を集める装置である請求項1〜6の何れか一項に記載の熱電供給システム。
- 前記集熱装置の少なくとも一台は、清掃工場の排熱を集める装置である請求項7に記載の熱電供給システム。
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