JP2013121973A - 7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法を提案する。
【解決手段】7−ヒドロキシフラボン誘導体は、下記の工程を経て調製することができる:1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒を用いて抽出した後、濃縮する、2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取して粗結晶を得る、必要に応じて4)粗結晶を有機溶媒で再結晶して、上記7−ヒドロキシフラボン誘導体を得る。
【選択図】なし
【解決手段】7−ヒドロキシフラボン誘導体は、下記の工程を経て調製することができる:1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒を用いて抽出した後、濃縮する、2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取して粗結晶を得る、必要に応じて4)粗結晶を有機溶媒で再結晶して、上記7−ヒドロキシフラボン誘導体を得る。
【選択図】なし
Description
本発明は、呈味改善剤及び経口組成物に関する。より詳細には、本発明は、有効成分として、特定のフラボン誘導体を含有することを特徴とする呈味改善剤、及びその呈味改善剤を含む経口組成物に関する。また本発明は、上記フラボン誘導体の調製方法に関する。
従来より、食品、化粧品、医薬部外品及び医薬品等における酸味、塩味、甘味または香味等や、これらが複合してもたらされるこく味、うま味または風味等を改善するために、種々の検討がなされている。
例えば、酸味改善のための柑橘系飲料へのプロリン、アスパラギン酸及びグルタミン酸等のアミノ酸の添加(特許文献1)、塩味改善のための加工食品へのグリチルリチンやジヒドロカルコン類等の甘味料の添加(特許文献2)、甘味改善のため、使用する糖の種類の変更、ステビア抽出物やアスパルテーム等の高甘味度甘味料の添加等が提案されている。
これらの方法は、いずれも様々な問題点を有する。例えば、アミノ酸を添加した場合には、アミノ酸に起因して不快な後味が残ること、添加する対象物にブドウ糖、果糖又はその他の還元糖が存在する場合にはメイラード反応が生じて、調製した製品が黄色〜褐色に変色すること、及び経時変化によって不快な臭いを生じること等の問題がある。
さらに、甘味改善のために使用されるステビア抽出物やアスパルテーム等の高甘味度甘味料には、甘味質が砂糖と異なる、雑味がある、および甘味が口の中に残る(甘味の後引き)等の問題点がある。ここで「甘味質」とは甘味そのものの質を意味し、甘味のコク、厚み、まろやかさおよびクセの少なさを総合的に評価して、一般に砂糖に近いものほど甘味質が良好とされている。また「雑味」とは、甘味以外の味であって、苦味、渋味、酸味または刺激味等をいう。
食品の風味を増強させるために、従来より、調味料や果汁等が用いられている。しかしながら、調味料及び果汁等を用いる場合には、それらが本来有している味や香りが、異味、異臭として感じられるという問題がある。
また、従来より香味、例えば清涼な香味を増強させるために、チューインガムや清涼飲料水等に、メントール、又は和種ハッカ油やペパーミント精油のようなメントールを含む精油を添加する方法が用いられている。しかしながら、このようなメントール及び/又はメントールを含む精油の添加は、清涼な香味を増強するために添加量を多くすると、苦味や刺激臭が強くなるという問題がある。
上記のような問題点を解決するための技術として、本発明者の一人である湯川らの研究により、柑橘系果物の果実、果皮及び葉等の抽出物に含まれ、従来から苦味を有する化合物として知られている下記一般式(I)で表されるフラボン誘導体:
[式中、R1、R3、R4、R6及びR8はメトキシ基又は水素原子を、R2およびR7はメトキシ基を、R5はメトキシ基又は水酸基を示す。]
が、各種の味(酸味、塩味、甘味、香味、こく味、うま味、風味)の改善に有効であることが見出されている(特許文献3)。
が、各種の味(酸味、塩味、甘味、香味、こく味、うま味、風味)の改善に有効であることが見出されている(特許文献3)。
かかるフラボン誘導体(I)には、3’,4’,5,6,7−ペンタメトキシフラボン、3’,4’,5,6,7,8−ヘキサメトキシフラボン、4’,5,6,7,8−ペンタメトキシフラボン、3’,4’,5,7,8−ペンタメトキシフラボン、3’,4’,5,7−テトラメトキシフラボン、5,7,8,4’−テトラメトキシフラボン、3,3’,4’,5,7,8−ヘキサメトキシフラボン、4’,5,7−トリメトキシフラボン、5−ヒドロキシ−4’,6,7,8−テトラメトキシフラボン、5−ヒドロキシ−3’,4’,6,7,8−ペンタメトキシフラボン、および3,3’,4’,5,5’,6,7,8−オクタメトキシフラボンなどが含まれおり、これらのポリメトキシフラボン誘導体が上記呈味改善の有効成分であるとされている。
なお、当該特許文献3には、これらのポリメトキシフラボン誘導体の調製方法として、柑橘類の果皮をエタノールやメタノール等の有機溶媒で熱時抽出した後、溶媒を減圧留去し、次いで得られた抽出物に水を加えてエーテル抽出し、その後、エーテル可溶部をシリカゲルなどを用いたカラムクロマトグラフィー(分取HPLCなど)に付す方法が記載されている。
J. Agric. Food Chem.1997, 45, 364-368
本発明の目的は、呈味改善効果、特に高甘味度甘味料の呈味改善効果に優れた新規の呈味改善剤を提供することである。また本発明の目的は、上記呈味改善剤の有効成分として用いるフラボン誘導体の効率的な調製方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねていたところ、上記特許文献3に記載されたフラボン誘導体(I)とは異なる化合物である7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンが、優れた呈味改善効果、特に、高甘味度甘味料の甘味質の向上、甘味の後引きの抑制、または雑味の抑制において優れた効果を発揮することを見出した。当該7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンは、柑橘類の果皮に含まれる公知のフラボン誘導体であるが(非特許文献1)、これが上記呈味改善効果を有することは知られていない。
また、本発明者らは、上記7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンは、柑橘類の果皮の有機溶媒抽出物を、水酸化ナトリウム水溶液などを用いてアルカリ処理した後、当該溶液のpHを酸性に調整することで、選択的に析出し、採取できることを見出した。かかる方法によれば、上記フラボン誘導体を、従来法であるカラムクロマトグラフィーを用いなくても(非特許文献1参照)、高い純度でしかも収率良く調製することができることから、当該方法は、上記フラボン誘導体の工業的製造において極めて有用であると考えられる。
本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本願は、以下の発明を提供するものである:
(I)呈味改善剤
(I-1).有効成分として、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(以下、「7−ヒドロキシフラボン誘導体」ともいう。)を含有することを特徴とする呈味改善剤。
(I)呈味改善剤
(I-1).有効成分として、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(以下、「7−ヒドロキシフラボン誘導体」ともいう。)を含有することを特徴とする呈味改善剤。
(I-2).前記呈味改善が、高甘味度甘味料の味質の向上、甘味の後引きの抑制、及び雑味の抑制からなる群より選択される少なくとも1つである、(I-1)に記載の呈味改善剤。
(I-3).高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1つである、(I-2)に記載の呈味改善剤。
(I-4).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム及びラカンカ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の甘味質の向上である、(I-1)に記載の呈味改善剤。
(I-5).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の甘味の後引きの抑制である、(I-1)に記載の呈味改善剤。
(I-6).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム及びステビア抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の雑味の抑制である、(I-1)に記載の呈味改善剤。
(I-7).食品添加剤である、(I-1)〜(I-6)のいずれかに記載される呈味改善剤。
(II)経口組成物
(II-1).(I-1)〜(I-7)のいずれかに記載の呈味改善剤を有効量含有する、経口組成物。
(II-1).(I-1)〜(I-7)のいずれかに記載の呈味改善剤を有効量含有する、経口組成物。
(II-2).さらに高甘味度甘味料を含有する、(II-1)に記載の経口組成物。
(II-3).高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1つである、(II-2)に記載の経口組成物。
(III)呈味改善方法
(III-1).口腔内で使用される製品又は経口的に摂取可能な製品に、(I-1)〜(I-7)のいずれかに記載の呈味改善剤を、有効量添加する工程を含む、呈味改善方法。
(III-1).口腔内で使用される製品又は経口的に摂取可能な製品に、(I-1)〜(I-7)のいずれかに記載の呈味改善剤を、有効量添加する工程を含む、呈味改善方法。
(III-2).上記製品が高甘味度甘味料を含有するものである、(III-1)に記載の方法。
(III-3).上記高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1つである、(III-2)に記載の方法。
(III-4).前記呈味改善が、高甘味度甘味料の味質の向上、甘味の後引きの抑制、及び雑味の抑制からなる群より選択される少なくとも1つである、(III-2)または(III-3)に記載の方法。
(III-5).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム及びラカンカ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の甘味質の向上である、(III-2)に記載の方法。
(III-6).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の甘味の後引きの抑制である、(III-2)に記載の方法。
(III-7).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム及びステビア抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の雑味の抑制である、(III-2)に記載の方法。
(IV)7−ヒドロキシフラボン誘導体の用途
(IV-1).7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)の呈味改善剤の製造のための使用。
(IV-1).7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)の呈味改善剤の製造のための使用。
(IV-2).7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)の、高甘味度甘味料の呈味を改善するための使用。
(IV-3).上記高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1つである、(IV-2)に記載する使用。
(IV-4).前記呈味改善が、高甘味度甘味料の味質の向上、甘味の後引きの抑制、及び雑味の抑制からなる群より選択される少なくとも1つである、(IV-1)乃至(IV-3)のいずれかに記載する使用。
(IV-5).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム及びラカンカ抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の甘味質の向上である、(IV-1)または(IV-2)に記載する使用。
(IV-6).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンからなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の甘味の後引きの抑制である、(IV-1)または(IV-2)に記載する使用。
(IV-7).前記呈味改善が、スクラロース、アスパルテーム及びステビア抽出物からなる群より選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料の雑味の抑制である、(IV-1)または(IV-2)に記載する使用。
(V)7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法
(V-1).以下の工程を行なうことを特徴とする7−ヒドロキシ−3,3’ ,4’ ,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)の調製方法:
1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒または含水親水性有機溶媒で抽出した後、濃縮する、
2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、
3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する。
(V-1).以下の工程を行なうことを特徴とする7−ヒドロキシ−3,3’ ,4’ ,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)の調製方法:
1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒または含水親水性有機溶媒で抽出した後、濃縮する、
2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、
3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する。
(V-2).さらに下記の工程を有する、(V-1)に記載する調製方法:
4)工程3)で濾取した析出結晶を、有機溶媒を用いて再結晶する。
4)工程3)で濾取した析出結晶を、有機溶媒を用いて再結晶する。
(V-3).上記アルカリ水溶液が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ金属炭酸水素塩からなる群から選択されるいずれかの無機アルカリ塩の水溶液である(V-1)または(V-2)に記載する調製方法。
(V-4).上記親水性有機溶媒が、炭素数1〜4のアルコールである(V-1)乃至(V-3)のいずれかに記載する調製方法。
(V-5).上記疎水性有機溶媒が、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、およびn−ブタノールから選択されるいずれかの有機溶媒である(V-1)乃至(V-4)のいずれかに記載する調製方法。
(V-6)工程2)において、濃縮物に添加する疎水性有機溶媒とアルカリ水溶液の配合割合が、疎水性有機溶媒:アルカリ水溶液=1:99〜90:10(容量比)である、(V-1)乃至(V-5)のいずれかに記載する調製方法。
(V-7)工程2)において、抽出に用いるアルカリ水溶液の濃度が0.1〜30重量%である、(V-1)乃至(V-6)のいずれかに記載する調製方法。
(V-8)工程3)において、酸性に調整したアルカリ抽出液のpHが1〜4である、(V-1)乃至(V-7)のいずれかに記載する調製方法。
本発明の呈味改善剤は、有効成分として、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)を含有することに基づいて、呈味改善効果、特に、高甘味度甘味料の甘味質の向上、甘味の後引きの抑制、雑味の抑制における効果に優れている。従って、本発明の呈味改善剤は、高甘味度甘味料の甘味質の向上、甘味の後引きの抑制、または雑味の抑制を目的として高甘味度甘味料、または高甘味度甘味料を含有する食品若しくは食品加工品に有効に用いることができる。すなわち、本発明の呈味改善剤は、高甘味度甘味料の添加剤、または高甘味度甘味料を含有する食品若しくは食品加工品の添加剤として有用である。
さらに本発明の7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法によれば、柑橘類の果皮を原料として、簡単に、高純度の7−ヒドロキシフラボン誘導体を収率良く取得することができる。ゆえに本発明の方法は、7−ヒドロキシフラボン誘導体の工業的製造方法として有用である。
(I)呈味改善剤
本発明の呈味改善剤は、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)を有効成分とすることを特徴とする。
本発明の呈味改善剤は、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)を有効成分とすることを特徴とする。
本発明に用いる7−ヒドロキシフラボン誘導体は公知の物質であって(非特許文献1)、癌の予防・治療に効果があることが知られている(特表2003−509447号公報)が、呈味の改善効果を有することは知られていない。
当該7−ヒドロキシフラボン誘導体は、従来、呈味改善効果が知られているフラボン誘導体(I)(特許文献3)とはその構造が異なる。具体的には、7−ヒドロキシフラボン誘導体は7位の水素がヒドロキシ基で置換された構造を有するのに対して、特許文献3に記載のフラボン誘導体(I)は7位にメトキシ基を有しており、両者は、構造的にも化学的性質も相違する。
本発明に用いる7−ヒドロキシフラボン誘導体は、当該フラボン誘導体を含む原料から、既知の方法(例えば、特表2003-509447号公報;Journal of Agricultural and Food Chemistry 1997, Vol.45(2), p364-368;Fitoterapia 1994, Vol.65(5), p467, 470及び471;Tetrahedron 1975, Vol.31(13-14), p1577-1588等)に従い、抽出、分離、精製等の操作により得ることができる。ここで7−ヒドロキシフラボン誘導体を含む原料としては、ミカン科植物等の柑橘類の果実、果皮、葉等の部位が挙げられる。好ましくは柑橘類の果皮である。これらの部位は、生鮮物でも乾燥物でもよい。
柑橘類の果皮などから7−ヒドロキシフラボン誘導体を調製する方法としては、上記の方法以外に、後記(IV)において説明する方法を挙げることができる。この方法は、柑橘類の果皮などから7−ヒドロキシフラボン誘導体を簡単に収率よく抽出調製する方法であり、7−ヒドロキシフラボン誘導体の工業的製造方法として有用である。
本発明の呈味改善剤は、7−ヒドロキシフラボン誘導体のみからなるものであってもよいが、本発明の効果を妨げない限り、当該分野において通常用いられる溶媒、他の成分等を含んでいてもよい。また本発明の呈味改善剤は、7−ヒドロキシフラボン誘導体を精製状態で含むものに限らず、本発明の効果を妨げない限り、粗精製の状態で含むものであってもよい。
本発明の呈味改善剤に含まれる溶媒としては、アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されない。
また、本発明の呈味改善剤に含まれる他の成分としては、原料として使用する柑橘類の果実、果皮または葉に含まれる成分を挙げることができる。例えば、かかる成分としては、特許文献3に記載される一般式(I)で示される各種のポリメトキシフラボン誘導体を挙げることができる。
本発明の呈味改善剤には、本発明の効果を妨げない限り、香料成分を配合することもできる。かかる香料成分としては、オレンジ精油、レモン精油等の精油や、例えば、"香りの百科" (日本香料協会編 1989.6.25発行)、"食品香料ハンドブック・改訂増補版 天然香料起源物質の解説" (厚生省生活衛生局食品化学課 監修 日本香料工業会編 平成11年8月25日発行)、FLAVOURING SUBSTANCES AND NATURAL SOURCES OF FLAVOURINGS(COUNCIL OF EUROPE 1981)に記載の天然香料が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の呈味改善剤は、その形状を特に制限するものではなく、液状であっても、また粉末状または顆粒状などの固体状であってもよい。粉末化または顆粒化する方法としては、当該分野で公知の方法を適用することができる。かかる粉末または顆粒状の呈味改善剤は、使用時にエタノール、グリセリン、プロピレングリコール等の溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明の呈味改善剤が、7−ヒドロキシフラボン誘導体以外に溶媒や他の成分を含む場合、当該呈味改善剤中の7−ヒドロキシフラボン誘導体の好ましい濃度としては、0.001〜50重量%、より好ましくは0.01〜30重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%である。
呈味改善剤が改善の対象とする味としては、例えば、酸味、塩味、甘味、香味等や、これらが複合してもたらされるこく味、うま味、風味等が挙げられる。本発明の呈味改善剤は、これらの中でも、特に甘味、より好ましくは高甘味度甘味料の甘味を改善の対象とする。
本発明の呈味改善剤がもたらす高甘味度甘味料の甘味の改善効果としては、例えば、高甘味度甘味料の甘味質の向上、甘味の後引きの抑制、雑味の抑制等の効果が挙げられる。
甘味が改善される高甘味度甘味料としては、例えば、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ(羅漢果)抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム、ソーマチン、アリテーム、アマチャ抽出物、サイクラミン酸ナトリウム、ズルチン、ネオヘスペリジン・ジヒドロカルコン等が挙げられるが、本発明の呈味改善剤は、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム、およびソーマチンに適用した場合に、特にその効果を奏する。
特に本発明の呈味改善剤の甘味質の向上効果は、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテームおよびラカンカ抽出物の少なくとも一つに、本発明の呈味改善剤を適用したときにより有効にその効果を得ることができる。
また本発明の呈味改善剤の甘味の後引き抑制効果は、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム、およびソーマチンの少なくとも一つに、本発明の呈味改善剤を適用したときにより有効にその効果を得ることができる。
さらに本発明の呈味改善剤の雑味の抑制効果は、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテーム、およびステビア抽出物の少なくとも一つに、本発明の呈味改善剤を適用したときにより有効にその効果を得ることができる。
高甘味度甘味料に対して用いられる本発明の呈味改善剤の量としては、高甘味度甘味料の種類によっても異なるが、高甘味度甘味料100重量%に対して、7−ヒドロキシフラボン誘導体の量に換算して通常0.0001〜20重量%、好ましくは0.001〜10重量%の割合を挙げることができる。
(II)経口組成物
前述する本発明の呈味改善剤は、口腔内で使用される製品または経口的に摂取可能な製品(以下、これらを総称して経口組成物という)に添加することによって用いられる。
前述する本発明の呈味改善剤は、口腔内で使用される製品または経口的に摂取可能な製品(以下、これらを総称して経口組成物という)に添加することによって用いられる。
本発明の呈味改善剤の添加量は、経口組成物の種類や使用目的により異なるが、経口組成物中の7−ヒドロキシフラボン誘導体の濃度が、0.05ppb〜50ppm、好ましくは0.1ppb〜10ppm、さらに好ましくは1ppb〜1ppm、特に好ましくは10ppb〜0.5ppmとなるような割合を挙げることができる。
本発明において口腔内で使用される製品とは、口腔内で使用され、使用後口中から排出されるような人体に無毒の固形、液状又は半固形状の製品を意味する。その限りにおいて、口腔内で使用された一部が経口的に摂取されるようなものも当該製品の中に包含される。
口腔内で使用される製品の例としては、歯磨、薬用歯磨、マウスウォッシュ、口中清涼剤、うがい薬及び口腔錠等の化粧品、医薬部外品、医薬品等があげられる。また、本発明において経口的に摂取可能な製品とは、経口的に摂取することができる人体に無毒の固形、液状又は半固形状の製品を意味する。なお、例えばチューインガムのような、その一部を口中から排出させるようなものも経口的に摂取可能な製品の中に包含される。
経口的に摂取可能な製品の例としては、炭酸飲料、果汁飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、乳酸飲料、その他種々の清涼飲料、乳飲料、種々のアルコール飲料などの飲料;おかき、センベイ、おこし、まんじゅう、飴、その他種々の和菓子;クッキー、ビスケット、クラッカー、パイ、スポンジケーキ、カステラ、ドーナッツ、ワッフル、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、チョコレート、チョコレート菓子、キャラメルキャンディー、チューインガム、ゼリー、ホットケーキ、パンその他種々の洋菓子;ポテトチップス、その他種々のスナック菓子;アイスクリーム、アイスキャンディー、シャーベット、その他種々の氷菓;フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、その他種々のペースト類;漬物等;ハム、ソーセージ、ベーコン、ドライソーセージ、ビーフジャーキー、その他種々の畜肉製品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、チクワ、ハンペン、てんぷら、その他種々の魚介類製品;即席カレー、レトルトカレー、缶詰カレー、その他種々のカレー類;みそ、粉末みそ、醤油、粉末醤油、もろみ、魚醤、ソース、ケチャップ、マヨネーズ、固形ブイヨン、焼き肉のタレ、カレールー、シチューの素、スープの素、ダシの素、その他種々の調味料類;ヨーグルト、乳酸菌飲料等の乳製品等の食品や、トローチ、ドリンク剤、顆粒剤、散剤、錠剤等の医薬部外品または医薬品等があげられる。
本発明の経口組成物は、さらに、前述するような高甘味度甘味料を含んでいることが好ましい。好ましくはスクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物、ネオテーム、ステビア抽出物、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム、およびソーマチンからなる群から選択される少なくとも一つの高甘味度甘味料である。かかる高甘味度甘味料を含む経口組成物に本発明の呈味改善剤を配合することにより、高甘味度甘味料に起因する甘味質が向上し、良質な甘味を有する経口組成物を得ることができる。また高甘味度甘味料を含む経口組成物に本発明の呈味改善剤を配合することにより、高甘味度甘味料の問題である甘味の後引きまたは雑味が抑制され、この点からも良質な甘味を有する経口組成物を得ることができる。
中でも甘味質の向上効果は、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテームおよびラカンカ抽出物の少なくとも一つを含む経口組成物に、本発明の呈味改善剤を適用したときにより有効にその効果を得ることができる。また甘味の後引き抑制効果は、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム、およびソーマチンの少なくとも一つを含む経口組成物に、本発明の呈味改善剤を適用したときにより有効にその効果を得ることができる。さらに雑味の抑制効果は、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテーム、およびステビア抽出物の少なくとも一つを含む経口組成物に、本発明の呈味改善剤を適用したときにより有効にその効果を得ることができる。
経口組成物中の高甘味度甘味料の含有量は、0.0001〜1重量%、好ましくは0.0002〜0.5重量%、より好ましくは0.0003〜0.25重量%である。経口組成物中の高甘味度甘味料に対する本発明の呈味改善剤の量としては、高甘味度甘味料の種類によっても異なるが、高甘味度甘味料100重量部に対して、7−ヒドロキシフラボン誘導体の量に換算して通常0.0001〜20重量部、好ましくは0.001〜10重量部の割合を挙げることができる。
(III)呈味改善方法
1つの実施形態において、本発明は、口腔内で使用される製品又は経口的に摂取可能な製品(以下、「経口組成物」ともいう)に、前記呈味改善剤を有効量添加する工程を含む、呈味改善方法を提供する。
1つの実施形態において、本発明は、口腔内で使用される製品又は経口的に摂取可能な製品(以下、「経口組成物」ともいう)に、前記呈味改善剤を有効量添加する工程を含む、呈味改善方法を提供する。
ここで、口腔内で使用される製品又は経口的に摂取可能な製品(経口組成物)、および呈味改善剤については、前記の通りである。
経口組成物として好ましくは、前述する高甘味度甘味料を含むものである。すなわち、本発明が対象とする呈味改善方法は、好適には、高甘味度甘味料を含有する経口組成物について、その甘味を改善する方法である。当該甘味の改善には、高甘味度甘味料の甘味質の向上、甘味の後引きの抑制、雑味の抑制等が挙げられる。
呈味改善方法において、甘味質の向上効果を得るためには、高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテームおよびラカンカ抽出物の少なくとも一つを含む経口組成物に、本発明の呈味改善剤を有効量添加することが好ましい。また甘味の後引き抑制効果を得るためには、高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム、およびソーマチンの少なくとも一つを含む経口組成物に、本発明の呈味改善剤を有効量添加することが好ましい。さら雑味の抑制効果を得るためには、上記高甘味度甘味料の中でも特にスクラロース、アスパルテーム、およびステビア抽出物の少なくとも一つを含む経口組成物に、本発明の呈味改善剤を有効量添加することが好ましい。
ここで有効量とは、経口組成物において呈味を改善し得る量、好ましくは経口組成物に含まれる高甘味度甘味料の甘味質を改善し得る量を意味し、製品の種類、製品中に含まれる呈味改善の対象となる物質(高甘味度甘味料)の種類やその含有量に応じて適宜選択される。一般的には、本発明の呈味改善剤の添加量は、経口組成物中の7−ヒドロキシフラボン誘導体の濃度として、0.05ppb〜50ppm、好ましくは0.1ppb〜10ppm、さらに好ましくは1ppb〜1ppm、特に好ましくは10ppb〜0.5ppmである。また経口組成物中に含まれる高甘味度甘味料に対する呈味改善剤の量としては、高甘味度甘味料の種類によっても異なるが、高甘味度甘味料100重量部に対して、7−ヒドロキシフラボン誘導体の量に換算して通常0.0001〜20重量部、好ましくは0.001〜10重量部の割合を挙げることができる。
(IV)7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法
本発明が提供する7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法は、下記の1〜3の工程を有する方法である:
1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒または含水親水性有機溶媒で抽出した後、濃縮する、
2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、
3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する。
本発明が提供する7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製方法は、下記の1〜3の工程を有する方法である:
1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒または含水親水性有機溶媒で抽出した後、濃縮する、
2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、
3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する。
さらに必要に応じて、工程3)で濾取した析出結晶を、下記の再結晶工程に供してもよい。
4)上記で濾取した析出結晶を、親水性有機溶媒を用いて再結晶する。
4)上記で濾取した析出結晶を、親水性有機溶媒を用いて再結晶する。
以下、かかる方法を工程毎に詳細に説明する。
(工程1)抽出および濃縮工程
原料として使用される柑橘類としては、オレンジ、レモン、ミカン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、タンジェリン、およびイヨカンなどが挙げられ、主としてこれらの柑橘類の果皮を用いる。
原料として使用される柑橘類としては、オレンジ、レモン、ミカン、グレープフルーツ、ライム、マンダリン、タンジェリン、およびイヨカンなどが挙げられ、主としてこれらの柑橘類の果皮を用いる。
柑橘類の果皮はそのまま、または乾燥若しくは粉砕した後、抽出工程に供することができる。また柑橘類の果皮から一旦精油を採取し、当該採取した精油を抽出工程に供してもよい。なお、柑橘類の果皮から精油を得るには、圧搾するなど通常の方法が用いられる。
抽出に使用される親水性有機溶媒としては、エタノール、メタノールまたはプロパノールなどの炭素数1〜4の低級アルコールが挙げられる。好ましくはエタノールである。またかかる親水性有機溶媒は、水を配合して含水親水性有機溶媒として用いることもできる。かかる含水親水性有機溶媒を用いる場合の含水率としては、制限されないが、通常5〜95容量%、好ましくは10〜80容量%である。
抽出は1回のみならず2回以上の複数回行ってもよい。抽出時間は制限されないものの、1回につき1〜10時間が適切である。抽出温度は特に制限されず、抽出に使用する溶媒が凍結しない条件で、通常−10℃〜80℃の範囲から適宜選択使用することができる。好ましくは0℃〜50℃の範囲である。
斯くして調製される抽出物は、必要に応じて定法に従って固液分離した後、液相を濃縮する。濃縮方法は、特に制限されず、減圧下あるいは常圧下による濃縮などの定法に従って行うことができる。濃縮温度は、20〜100℃の範囲を挙げることができるが、これに制限されない。
(工程2)アルカリ水溶液による抽出
この工程は、上記工程で得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する工程である。
この工程は、上記工程で得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する工程である。
ここで用いられる疎水性有機溶媒としては、トルエン、オルトキシレン、パラキシレン、ベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノールなどが挙げられる。好ましくはトルエン、ベンゼン、クロロホルム、n-ブタノールである。これらは2以上を任意に混合して使用してもよい。
また、抽出に用いるアルカリ水溶液に使用されるアルカリ塩は、無機のアルカリ塩が好ましく、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩;および炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩を使用することができる。かかるアルカリ水溶液の濃度としては、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%を挙げることができる。
ここで濃縮物に添加する疎水性有機溶媒とアルカリ水溶液の配合割合(容量比)としては、有機溶媒:アルカリ水溶液=1:99〜90:10、好ましくは5:95〜80:20を挙げることができる。
なお、アルカリ水溶液での抽出は、工程1と同様、1回のみならず2回以上の複数回行ってもよい。抽出時間は制限されないものの、1回につき1〜10時間が適切である。また抽出温度も特に制限されず、抽出に使用する溶媒が凍結しない条件で、通常−10℃〜80℃の範囲から適宜選択使用することができる。好ましくは0℃〜50℃の範囲である。
(工程3)酸性化および粗結晶の取得
この工程は、上記工程で得られた抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する工程である。
この工程は、上記工程で得られた抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する工程である。
抽出液のpHを酸性にするには、通常、塩酸、硫酸または硝酸などの無機酸が使用される。かかる無機酸を用いて、抽出液のpHが1〜4、好ましくはpH1〜2の強酸性になるように調整することが好ましい。pHを酸性に調整した後、必要に応じて静置することにより、結晶を析出させる。静置条件は、特に制限されないが、温度を室温、好ましくは30℃以下に調整することが好ましい。
斯くして析出した結晶は、濾過などの通常用いられる固液分離手段により濾取して、粗結晶を得る。
(工程4)再結晶
この工程は、上記で採取した粗結晶を、有機溶媒を用いて再結晶する工程であり、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを精製した状態で採取するために採用される任意の工程である。
この工程は、上記で採取した粗結晶を、有機溶媒を用いて再結晶する工程であり、7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを精製した状態で採取するために採用される任意の工程である。
再結晶に使用する有機溶媒としてはベンゼン、クロロホルム、トルエン、およびn−ブタノールなどの疎水性有機溶媒、およびエタノール、メタノール、プロパノール、およびアセトンなどの親水性有機溶媒を挙げることができる。好ましくはエタノール、メタノール、プロパノール、およびアセトンなどの親水性有機溶媒である。これらは一種単独で使用しても、また二種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
再結晶の方法としては、粗結晶をこれらの有機溶媒に入れて加温するなどして溶解した後、50℃以下、好ましくは−20〜10℃程度に冷却する方法を挙げることができる。
これらの工程1から工程3、好ましくはさらに工程4を行なうことにより、柑橘類の果皮から7−ヒドロキシフラボン誘導体を選択的に抽出し析出させることができる。このため、本発明の方法によれば、カラムクロマトグラフィーを使用しなくても、高純度の7−ヒドロキシフラボン誘導体を効率よく抽出調製することができる。よって本発明の方法は7−ヒドロキシフラボン誘導体の工業的な製造方法として有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
実施例1:7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製(その1)
オレンジ精油(約0.11重量%の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを含む。ブラジル産)0.3kgを、80容量%の割合でエタノールを含む含水エタノールで、25℃の条件下で2回分配抽出を行い、得られた抽出物(含水エタノール層)を、ロータリーエバポレーター(50℃/35mmHg)を用いて濃縮して、濃縮物55.5gを得た。この濃縮物にトルエン1.67kgを加え、この溶液に1重量%水酸化ナトリウム水溶液1.67kgを添加して、25℃で抽出を行った。
オレンジ精油(約0.11重量%の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを含む。ブラジル産)0.3kgを、80容量%の割合でエタノールを含む含水エタノールで、25℃の条件下で2回分配抽出を行い、得られた抽出物(含水エタノール層)を、ロータリーエバポレーター(50℃/35mmHg)を用いて濃縮して、濃縮物55.5gを得た。この濃縮物にトルエン1.67kgを加え、この溶液に1重量%水酸化ナトリウム水溶液1.67kgを添加して、25℃で抽出を行った。
次いで、この抽出溶液を2N塩酸水溶液でpH1とした。静置して結晶を析出させた後に、得られたスラリー液を濾過して粗結晶を採取し、次いでこの粗結晶を純度99%のエタノールを用いて再結晶して、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.31g得た(収率91%)。
得られた化合物のプロトン核磁気共鳴スペクトルの結果を以下に示す。
1H-NMR δ3.91(3H,s), 3.95(3H,s), 3.98(3H,s), 3.99(3H,s), 4.02(3H,s), 6.77(1H,s),
6.99(1H,d,J=8.9), 7.79(1H,d,J=2.0) , 7.79(1H,dd,J=2.0,J=8.9)。
1H-NMR δ3.91(3H,s), 3.95(3H,s), 3.98(3H,s), 3.99(3H,s), 4.02(3H,s), 6.77(1H,s),
6.99(1H,d,J=8.9), 7.79(1H,d,J=2.0) , 7.79(1H,dd,J=2.0,J=8.9)。
実施例2:7−ヒドロキシフラボン誘導体の調製(その2)
上記実施例1の方法に従って、アルカリ水溶液で抽出した溶液を2N塩酸水溶液でpH1とした後、この溶液をODSカラム(オクタデシルシリルカラム)に吸着させて水洗し、アセトンで脱着させた。次いで脱着したアセトン溶液を濃縮し、純度99%エタノールで再結晶して、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.31g得た(収率91%)。
上記実施例1の方法に従って、アルカリ水溶液で抽出した溶液を2N塩酸水溶液でpH1とした後、この溶液をODSカラム(オクタデシルシリルカラム)に吸着させて水洗し、アセトンで脱着させた。次いで脱着したアセトン溶液を濃縮し、純度99%エタノールで再結晶して、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.31g得た(収率91%)。
実施例3
実施例1のトルエン1.67kgをベンゼン1.67kgに替える以外は、実施例1に記載する方法と同様にして、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.29g得た(収率85%)。
実施例1のトルエン1.67kgをベンゼン1.67kgに替える以外は、実施例1に記載する方法と同様にして、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.29g得た(収率85%)。
実施例4
実施例1のトルエン1.67kgをクロロホルム1.67kgに替える以外は、実施例1に記載する方法と同様にして、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.27g得た(収率79%)。
実施例1のトルエン1.67kgをクロロホルム1.67kgに替える以外は、実施例1に記載する方法と同様にして、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.27g得た(収率79%)。
実施例5
実施例1のトルエン1.67kgをn-ブタノール1.67kgに替える以外は、実施例1に記載する方法と同様にして、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.30g得た(収率88%)。
実施例1のトルエン1.67kgをn-ブタノール1.67kgに替える以外は、実施例1に記載する方法と同様にして、純度90%以上の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボンを0.30g得た(収率88%)。
実施例6:甘味質の向上
(1)試験液の調製
高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物及びネオテームを、夫々、ショ糖6%相当の甘味になるよう添加した水溶液を調製し、これらに7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(以下の実施例において「化合物1」と示す)をそれぞれ10ppb濃度で添加した。
(1)試験液の調製
高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物及びネオテームを、夫々、ショ糖6%相当の甘味になるよう添加した水溶液を調製し、これらに7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(以下の実施例において「化合物1」と示す)をそれぞれ10ppb濃度で添加した。
比較例として、上記と同様にして、ショ糖6%相当の6種類の高甘味度甘味料及び10ppbの3,3’,4’,5,6,7−ヘキサメトキシフラボン(特許文献3に記載されたメトキシフラボン誘導体。以下の実施例において「化合物2」と示す)を含む試験液を調製した。
そして、コントロールとして、ショ糖6%相当の上記6種類の高甘味度甘味料を含み、フラボン誘導体を含まない試験液を調製した。
(2)甘味質の嗜好性の評価
パネル20名で、表1の評価法により、上記水溶液の官能評価を行なった。
パネル20名で、表1の評価法により、上記水溶液の官能評価を行なった。
(3)実験結果
各試験液について、パネル20名の評価の平均値を表2に示す。
各試験液について、パネル20名の評価の平均値を表2に示す。
上記高甘味度甘味料の全てにおいて、化合物1は化合物2に比べて優れた甘味の改質効果を示した。化合物1は、特に、スクラロース、アスパルテーム及びラカンカ抽出物の甘味の改質において、優れた効果を奏した。
実施例7:甘味の後引き抑制
(1)試験液の調製
高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンを、夫々、ショ糖6%相当の甘味になるよう添加した水溶液を調製し、これらに化合物1をそれぞれ10ppb濃度で添加した。
(1)試験液の調製
高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、カンゾウ抽出物、サッカリンナトリウム及びソーマチンを、夫々、ショ糖6%相当の甘味になるよう添加した水溶液を調製し、これらに化合物1をそれぞれ10ppb濃度で添加した。
次に、上記と同様にして、ショ糖6%相当の上記6種類の高甘味度甘味料及び10ppbの化合物2を含む試験液を調製した。
(2)甘味の後引きの官能評価
パネル20名で、上記水溶液における甘味の後引きの官能評価を実施した。評価は、化合物1の甘味の後引きの程度として「化合物2より良好」、「化合物2と同等」、「化合物2より悪い」の3段階で評価した。
パネル20名で、上記水溶液における甘味の後引きの官能評価を実施した。評価は、化合物1の甘味の後引きの程度として「化合物2より良好」、「化合物2と同等」、「化合物2より悪い」の3段階で評価した。
(3)実験結果
上記全ての高甘味度甘味料について、化合物1を含む試験液は、化合物2を含む試験液と比較して、甘味の後引き改善が良好であった。このことから、化合物1が化合物2と比べて高甘味度甘味料の甘味の後引き抑制効果が高いことが分かる。
実施例8:雑味の抑制
(1)試験液の調製
高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物及びステビア抽出物を、夫々、ショ糖6%相当の甘味になるよう添加した水溶液を調製し、これらに化合物1をそれぞれ10ppb濃度で添加した。次に、上記と同様にして、ショ糖6%相当の7種類の高甘味度甘味料及び10ppbの化合物2を含む試験液を調製した。そして、コントロールとして、ショ糖6%相当の上記7種類の高甘味度甘味料を含み、フラボン誘導体を含まない試験液を調製した。
(1)試験液の調製
高甘味度甘味料として、スクラロース、アスパルテーム、ラカンカ抽出物及びステビア抽出物を、夫々、ショ糖6%相当の甘味になるよう添加した水溶液を調製し、これらに化合物1をそれぞれ10ppb濃度で添加した。次に、上記と同様にして、ショ糖6%相当の7種類の高甘味度甘味料及び10ppbの化合物2を含む試験液を調製した。そして、コントロールとして、ショ糖6%相当の上記7種類の高甘味度甘味料を含み、フラボン誘導体を含まない試験液を調製した。
(2)各試験液の雑味の官能評価
パネル20名で、表4の評価法により、各試験液の官能評価を行なった。
パネル20名で、表4の評価法により、各試験液の官能評価を行なった。
(3)実験結果
各試験液について、パネル20名の評価の平均値を表5に示す。
各試験液について、パネル20名の評価の平均値を表5に示す。
上記全ての高甘味度甘味料について、化合物1は、化合物2と比較して、高い雑味抑制効果を示した。特に、スクラロース、アスパルテーム及びステビア抽出物に対して、化合物1は化合物2に比べて優れた雑味抑制効果を奏する。
実施例9
7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン0.1gを、99%エタノール9.9gで溶解して、本発明の呈味改善剤を調製した。
7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン0.1gを、99%エタノール9.9gで溶解して、本発明の呈味改善剤を調製した。
実施例10〜14
下記原料を混合して攪拌溶解した。溶解後93℃まで加熱し、直ちに瓶詰めして密栓した。その後、水冷することによって、清涼飲料水を調製した。
下記原料を混合して攪拌溶解した。溶解後93℃まで加熱し、直ちに瓶詰めして密栓した。その後、水冷することによって、清涼飲料水を調製した。
実施例10及び11により甘味質が向上し、雑味が抑制され、さらに甘味の後引きが抑制された清涼飲料水が得られた。また、実施例12及び13により甘味質が向上した清涼飲料水が、実施例14により雑味が抑制された清涼飲料水がそれぞれ得られた。
実施例15〜18
下記原料を混合して攪拌溶解した。溶解後93℃まで加熱し、直ちに瓶詰めして密栓した。その後、水冷することによって、清涼飲料水を調製した。
下記原料を混合して攪拌溶解した。溶解後93℃まで加熱し、直ちに瓶詰めして密栓した。その後、水冷することによって、清涼飲料水を調製した。
実施例15〜18により甘味の後引きが抑制された清涼飲料水が得られた。
本発明の呈味改善剤は、高甘味度甘味料の甘味質の向上、甘味の後引きの抑制、または雑味の抑制を目的として高甘味度甘味料、または高甘味度甘味料を含有する食品若しくは食品加工品に有効に用いることができる。すなわち、本発明の呈味改善剤は、高甘味度甘味料の添加剤、または高甘味度甘味料を含有する食品若しくは食品加工品の添加剤として有用である。また本発明の7−ヒドロキシ−3,3’,4’,5,6−ペンタメトキシフラボン(7−ヒドロキシフラボン誘導体)の調製方法によれば、柑橘類の果皮を原料として、簡単に、高純度の当該7−ヒドロキシフラボン誘導体を収率良く取得することができる。ゆえに本発明の方法は、上記7−ヒドロキシフラボン誘導体の工業的製造方法として有用である。
Claims (5)
- 以下の工程を行なうことを特徴とする7−ヒドロキシ−3,3’ ,4’ ,5,6−ペンタメトキシフラボンの調製方法:
1)柑橘類の果皮またはそれから得られる精油を、親水性有機溶媒または含水親水性有機溶媒で抽出した後、濃縮する、
2)得られた濃縮物に疎水性有機溶媒を加え、アルカリ水溶液で抽出する、
3)アルカリ抽出液のpHを酸性に調整した後、析出結晶を濾取する。 - さらに下記の工程を有する、請求項1に記載する調製方法:
4)工程3)で濾取した析出結晶を、有機溶媒を用いて再結晶する。 - 工程2)において、濃縮物に添加する疎水性有機溶媒とアルカリ水溶液の配合割合が、疎水性有機溶媒:アルカリ水溶液=1:99〜90:10(容量比)である、請求項1または2に記載する調製方法。
- 工程2)において、抽出に用いるアルカリ水溶液の濃度が0.1〜30重量%である、請求項1乃至3のいずれかに記載する調製方法。
- 工程3)において、酸性に調整したアルカリ抽出液のpHが1〜4である、請求項1乃至4のいずれかに記載する調製方法。
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