JP2013120766A - 温調器 - Google Patents

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浩生 植田
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Abstract

【課題】本発明は、温調媒体が円滑に流れない領域が挿入孔内に生じることを回避でき、温調効率を向上できる温調器を提供することを目的とするものである。
【解決手段】流路管1は、冷媒3が通される媒体流路10を形成する管体である。この流路管1には、媒体流路10に連通された挿入孔11が設けられている。挿入孔11には、媒体流路10側に位置する流路側開口面11aと、熱交換器本体20側に位置する熱交換器側開口面11bとが設けられている。挿入孔11は、流路側開口面11aの上流側の縁部と、熱交換器側開口面11bの上流側の縁部とを結ぶ仮想線13が冷媒3の流れ方向に対して鋭角で傾斜するように形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、被温調体の温度を調整する温調器に関する。
従来の温調器としては、例えば下記の特許文献1等に示されている構造を挙げることができる。すなわち、従来の温調器には、流路管及び熱交換器が設けられている。流路管は、冷媒が通される媒体流路を形成する管体である。この流路管には、媒体流路に連通された挿入孔が設けられている。熱交換器には、発熱体が取付けられた熱交換器本体と、この熱交換器本体に接合されたフィンとが含まれている。熱交換器本体は流路管の挿入孔を覆うように配置され、フィンは挿入孔を通して媒体流路内に挿入される。フィン及び熱交換器本体を介して、発熱体と冷媒との間で熱交換が行われることで、発熱体が冷却される。流路管の挿入孔は、流路管の板厚方向に直行する方向の断面積が一様となるように形成されている。
特開2010−27735号公報
上記のような従来の温調器では、流路管の板厚方向に直行する方向の断面積が一様となるように流路管に挿入孔が形成されているので、流路管の肉厚に起因して、冷媒(温調媒体)が円滑に流れない領域が挿入孔内に生じ、温調効率が低下している。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、温調媒体が円滑に流れない領域が挿入孔内に生じることを回避でき、温調効率を向上できる温調器を提供することである。
本発明に係る温調器は、温調媒体が通される媒体流路を形成する流路管と、熱交換器本体、及び熱交換器本体に接合されたフィンを有する熱交換器とを備え、流路管には、壁面に挿孔が設けられ、熱交換器は、熱交換器本体により挿入孔を覆うとともに、挿入孔を通して媒体流路内にフィンを挿入するように流路管上に配設され、挿入孔は、媒体流路側に位置する流路側開口面における温調媒体の上流側の縁部と、流路側開口面より熱交換器側の少なくとも一部の位置における温調媒体の上流側の縁部とを結ぶ仮想線が温調媒体の上流側から下流側への方向に対して鋭角で傾斜するように形成されている。
本発明の温調器によれば、挿入孔は、媒体流路側に位置する流路側開口面における温調媒体の上流側の縁部と、流路側開口面より熱交換器本体側の少なくとも一部の位置における温調媒体の上流側の縁部とを結ぶ仮想線が温調媒体の上流側から下流側への方向に対して鋭角で傾斜するように形成されているので、温調媒体が円滑に流れない領域が挿入孔内に生じることを回避でき、温調効率を向上できる。
本発明の実施の形態1による温調器を示す分解斜視図である。 図1の熱交換器が流路管に取付けられた状態での温調器の断面図である。 本発明の実施の形態2による温調器の断面図である。 本発明の実施の形態3による温調器の断面図である。 本発明の実施の形態4による温調器の断面図である。 本発明の実施の形態5による温調器の断面図である。 本発明の実施の形態6による温調器の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による温調器を示す分解斜視図である。図において、温調器には、流路管1及び熱交換器2が設けられている。流路管1は、例えば水又は空気等の冷媒3(温調媒体)が通される媒体流路10を形成する長手状の管体である。以下、媒体流路10を囲む流路管1の壁面を内壁面1a(流路側壁面)と呼び、この内壁面1aとは反対側の壁面を外壁面1b(反流路側壁面)と呼ぶこととする。流路管1には、挿入孔11と、外壁面1bにおいて挿入孔11の周囲に設けられたシール溝12とが設けられている。挿入孔11は、流路管1の板厚方向に直行する方向の断面が矩形となるように形成されている。
熱交換器2には、熱交換器本体20及びフィン21が含まれている。熱交換器本体20は、例えばアルミニウム又は銅等を素材とする平板部材により構成されており、流路管1の挿入孔11を覆うように外壁面1b上に配置される。フィン21は、熱交換器本体20の下面20a(第1端面)に接合された複数の平板部材により構成されており、熱交換器本体20が挿入孔11を覆うように配置された際に挿入孔11を通して媒体流路10内に挿入される。フィン21を構成する各平板部材は、媒体流路10内に挿入された際に冷媒3の流れ方向に延設するように配置されている。
フィン21が接合された下面20aとは反対側の熱交換器本体20の上面20b(第2端面)には、例えば複数のパワーモジュール等により構成された発熱体4(被温調体)が取付けられている。熱交換器2が流路管1に取付けられた後に、熱交換器本体20及びフィン21を介して発熱体4と冷媒3との間で熱交換が行われることで、発熱体4の冷却(温度調整)が行われる。
熱交換器2が流路管1に取付けられる際には、熱交換器本体20の下面20aと流路管1の外壁面1bとの間にシール部材5が挟み込まれる。流路管1の外壁面1bに設けられたシール溝12は、シール部材5の位置決めに用いられる。熱交換器本体20の下面20aと流路管1の外壁面1bとの間にシール部材5が挟み込まれることで、冷媒3の漏れが防止される。
次に、図2は、図1の熱交換器2が流路管1に取付けられた状態での温調器の断面図である。図において、挿入孔11には、媒体流路10側に位置する開口(挿入孔11内に向けて開かれた開口)の流路側開口面11aと、熱交換器本体20側に位置する開口(挿入孔11外に向けて開かれた開口)の熱交換器側開口面11bとが設けられている。挿入孔11は、流路側開口面11aにおける冷媒3の上流側の縁部と、流路側開口面11aより熱交換器本体20側の少なくとも一部の位置における冷媒3の上流側の縁部とを結ぶ仮想線13が冷媒3の上流側から下流側への方向(流れ方向)に対して鋭角で傾斜するように形成されている。
本実施の形態では、挿入孔11は、流路側開口面11aの上流側の縁部と、熱交換器側開口面11bの上流側の縁部とを結ぶ仮想線13が冷媒3の流れ方向に対して鋭角で傾斜するように形成されている。また、挿入孔11は、流路側開口面11aの面積が熱交換器側開口面11bの面積より大きくなるように形成されている。さらに、挿入孔11は、流路管1の板厚方向1cに直交する方向の断面積が流路側開口面11aから熱交換器側開口面11bに向けて連続的に小さくなるように形成されている。流路側開口面11aの上流側の縁部と、熱交換器側開口面11bの上流側の縁部との間には、冷媒3の流れ方向に対して例えば30°程度(流路管1の板厚方向1cに対して60°程度)傾斜した傾斜面15が形成されている。
流路管1には、冷媒3の流れ方向に沿う挿入孔11の上流側(冷媒3が挿入孔11に流れ込む側)に配置された第1桁部16と、冷媒3の流れ方向に沿う挿入孔11の下流側(挿入孔11から冷媒3が流れ出る側)に配置された第2桁部17とが含まれている。第1及び第2桁部16,17は、流路管1を構成する壁体であり、熱交換器本体20を支持している。
これら第1及び第2桁部16,17は、冷媒3の流れ方向に沿う挿入孔11の中央位置11cに向かうにつれて、流路管1の内壁面1aが流路管1の外壁面1bに近づくように薄肉化されている。このような薄肉化により、上述のような挿入孔11の形状(流路側開口面11aの上流側の縁部と、流路側開口面11よりも熱交換器本体20に近い少なくとも一部の位置の上流側の縁部とを結ぶ仮想線13が冷媒3の流れ方向に対して鋭角で傾斜された形状)が達成される。傾斜面15は、第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面を構成している。また、傾斜面15は、第1及び第2桁部16,17の流路側端部(流路側開口面11aの縁部)から延在されている。
次に、傾斜面15が形成されていることによる作用について説明する。従来構成のように、挿入孔11が、流路管1の板厚方向1cに直交する方向の断面積が一様となるように挿入孔11が形成されている場合には、第1及び第2桁部16,17の断面は矩形となる。この場合、第1及び第2桁部16,17の肉厚に応じて、冷媒3の流れ方向に沿う第1桁部16の下流側及び第2桁部17の上流側の領域において冷媒3が円滑に流れない。これに対して、本実施の形態のように、流路側開口面11aの縁部から傾斜面15を延在させることで、傾斜面15に沿って冷媒3を円滑に流すことができる。
なお、以上の説明では、第1及び第2桁部16,17の両方が薄肉化され、第1及び第2桁部16,17の両方の挿入孔11に接する面が傾斜面15とされるように説明しているが、挿入孔11の上流側のみで冷媒3の流れを円滑にすればよいときには、第1桁部16のみが薄肉化されて、第1桁部16側のみに傾斜面15が形成されてもよい。
このような温調器では、挿入孔11は、流路側開口面11aにおける冷媒3の上流側の縁部と、流路側開口面11aより熱交換器本体20側の少なくとも一部の位置における冷媒3の上流側の縁部とを結ぶ仮想線13が冷媒3の上流側から下流側への方向に対して鋭角で傾斜するように形成されているので、流路側開口面11aの縁部から傾斜面15を延在させることができ、この傾斜面15に沿って冷媒3を円滑に流すことができる。これにより、冷媒3が円滑に流れない領域が挿入孔11内に生じることを回避でき、温調効率を向上できる。
また、挿入孔11は、流路側開口面11aの面積が熱交換器側開口面11bの面積より大きくなるように形成されているので、より確実に傾斜面15を形成でき、冷媒3が円滑に流れない領域が挿入孔11内に生じることをより確実に回避できる。
実施の形態2.
図3は、本発明の実施の形態2による温調器の断面図である。実施の形態1では、実施の形態1では、挿入孔11は略台形の断面を有するように説明されているが、図3に示すように、挿入孔11は略平行四辺形の断面を有していてもよい。このような形状でも、仮想線13が冷媒3の流れ方向の方向に対して鋭角で傾斜していることにより、冷媒3が円滑に流れない領域が挿入孔11内に生じることを回避できる。すなわち、実施の形態1では、挿入孔11は、流路側開口面11aの面積が熱交換器側開口面11bの面積よりも大きくなるように形成されると説明しているが、仮想線13が冷媒3の流れ方向の方向に対して鋭角で傾斜していれば、流路側開口面11aの面積が熱交換器側開口面11bの面積よりも大きい必要はない。
実施の形態3.
図4は、本発明の実施の形態3による温調器の断面図である。実施の形態1では、流路側開口面11aの上流側の縁部から傾斜面15を延在させるように説明したが、図4に示すように、傾斜面15に代えて円弧面18を形成してもよい。換言すると、実施の形態1では、第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面を傾斜面15により構成すると説明したが、当該挿入孔11に接する面を円弧面18により構成してもよい。第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面は、仮想線13と一致していなくてもよい。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、傾斜面15に代えて円弧面18を採用した場合でも、傾斜面15の場合と同様に冷媒3を円滑に流すことができ、冷媒3が円滑に流れない領域が挿入孔11内に生じることを回避できる。
実施の形態4.
図5は、本発明の実施の形態4による温調器の断面図である。実施の形態1では、流路側開口面11aの上流側の縁部から傾斜面15を延在させるように説明したが、図5に示すように、傾斜面15に代えて階段状面19を形成してもよい。換言すると、実施の形態1では、第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面を傾斜面15により構成すると説明したが、当該挿入孔11に接する面を階段状面19により構成してもよい。なお、階段状面19の段数は、任意であり、1段でも2段以上でもよい。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、傾斜面15に代えて階段状面19を採用した場合でも、傾斜面15の場合と同様に冷媒3を円滑に流すことができ、冷媒3が円滑に流れない領域が挿入孔11内に生じることを回避できる。
実施の形態5.
図6は、本発明の実施の形態4による温調器の断面図である。実施の形態1では、挿入孔11は、流路側開口面11aの上流側の縁部と、熱交換器側開口面11bの上流側の縁部とを結ぶ仮想線13が冷媒3の流れ方向に対して鋭角で傾斜するように形成される説明したが、例えばシール溝12(図1参照)の位置等の要因により、このように形成できない場合もある。このような場合には、図5に示すように、流路側開口面11aの上流側の縁部と、流路側開口面11aよりも熱交換器本体20に近い途中位置11dの上流側縁部とを結ぶ仮想線13を冷媒3の流れ方向に対して鋭角で傾斜するように挿入孔11を形成してもよい。本実施の形態では、挿入孔11の断面積は、途中位置11dから熱交換器側開口面11bまで一様とされている。
換言すると、実施の形態1では、第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面の全体が傾斜面15により構成されるように説明したが、第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面の一部を傾斜面15としてもよい。
図6に示すように、途中位置11dと熱交換器側開口面11bとの間には、流路管1の板厚方向1cと平行な平面部30が形成されている。冷媒3の流れ方向に沿う平面部30の下流側及び上流側の領域においては、冷媒3が円滑に流れない可能性がある。このため、平面部30とフィン21との間に所定幅の空隙を形成し、冷媒3が円滑に流れる領域においてフィン21と冷媒3との熱交換が行われるように構成する。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、流路側開口面11aの縁部と途中位置11dとの間に傾斜面15を形成しても(第1及び第2桁部16,17の挿入孔11に接する面の一部を傾斜面15としても)、実施の形態1の構成と同様に、冷媒3が円滑に流れない領域が挿入孔11内に生じることを回避でき、温調効率を向上できる。
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6による温調器の断面図である。図において、本実施の形態の挿入孔11は、流路側開口面11aから途中位置11dに向けて挿入孔11の断面積が小さくなるとともに、途中位置11dから熱交換器側開口面11bに向けて挿入孔11の断面積が大きくなるように形成されている。熱交換器側開口面11bの面積は、流路側開口面11aの面積以上とされている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、流路側開口面11aよりも熱交換器本体20に近い位置での挿入孔11の断面積(熱交換器側開口面11bの面積)が流路側開口面11aの面積以上とされていても、途中位置11dのように、流路側開口面11aよりも熱交換器本体20に近い位置で流路側開口面11aの面積よりも小さな面積を有する位置があれば、流路側開口面11aの縁部から傾斜面15を延在させることができる。すなわち、必ずしも、実施の形態1のように、流路側開口面11aの面積が、該流路側開口面11aよりも熱交換器本体20に近いすべての位置での挿入孔11の断面積よりも大きい必要はない。
なお、実施の形態6では、途中位置11dの縁部と熱交換器側開口面11bの縁部との間は傾斜面により繋げられているが、これら縁部間の壁面の形状は任意であり、円弧面又は1段若しくは2段以上の階段状面でもよい。
また、実施の形態5,6では、流路側開口面11aと途中位置11dとの間に傾斜面15を形成するように説明しているが、実施の形態2,3と同様に、傾斜面15に代えて円弧面18又は1段若しくは2段以上の階段状面19でもよい。
さらに、実施の形態1〜6では、熱交換器本体20に発熱体4が取付けられて、冷媒3との熱交換により発熱体4の冷却が行われるように説明しているが、交換器本体に被加温体が取付けられて、流路管を通される温媒(温調媒体)との熱交換により被加温体が加温されてもよい。
さらにまた、実施の形態1〜6では、熱交換器本体20に取付けられた発熱体4の温度を調整することが主目的であるように説明しているが、冷媒3を加熱することを主目的としてもよい。これは、交換器本体に取付けられた被加温体と、流路管を通される温媒との間で熱交換が行われる場合でも同様である。すなわち、被温調体は、熱交換器本体に取付けられた発熱体又は被加温体であってもよいし、流路管を通される冷媒又は温媒であってもよい。
1 流路管、1a 内壁面、1b 外壁面、2 熱交換器、3 冷媒(温調媒体)、10 媒体流路、11 挿入孔、11a 流路側開口面、11b 熱交換器側開口面、11c 中央位置、15 傾斜面、16,17 第1及び第2桁部、18 円弧面、19 階段状面、20 熱交換器本体、21 フィン。

Claims (3)

  1. 温調媒体が通される媒体流路を形成する流路管と、
    熱交換器本体、及び前記熱交換器本体に接合されたフィンを有する熱交換器と
    を備え、
    前記流路管には、壁面に挿孔が設けられ、
    前記熱交換器は、前記熱交換器本体により前記挿入孔を覆うとともに、前記挿入孔を通して前記媒体流路内に前記フィンを挿入するように前記流路管上に配設され、
    前記挿入孔は、前記媒体流路側に位置する流路側開口面における前記温調媒体の上流側の縁部と、前記流路側開口面より前記熱交換器本体側の少なくとも一部の位置における前記温調媒体の上流側の縁部とを結ぶ仮想線が前記温調媒体の上流側から下流側への方向に対して鋭角で傾斜するように形成されていることを特徴とする温調器。
  2. 前記流路側開口面における前記温調媒体の上流側の縁部からは、傾斜面、円弧面、及び階段状面のいずれか一つが延在されていることを特徴とする請求項1記載の温調器。
  3. 前記挿入孔は、前記流路側開口面の面積が熱交換器側開口面の面積より大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の温調器。
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