JP2013120145A - 光学式力センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】感度の高い光学式力センサを提供すること。
【解決手段】光学式力センサ1は、表面プラズモン共鳴を利用して外力を検出するための力センサある。光学式力センサ1は、透光性の第1の多孔体からなる光導波路2と、光導波路2の1つの面側に設けられた金属層3と、金属層3の光導波路2がある側とは反対側の面に設けられた、前記第1の多孔体よりも屈折率の低い第2の多孔体からなる受力層4と、光導波路2および金属層3の界面で全反射が生じるように光ビームを前記界面に向けて出射することができる光源5と、前記界面からの反射光を検出するための受光器6とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、表面プラズモン共鳴を利用して物質に加えられた外力を検出する光学式力センサに関する。
近年、表面プラズモン共鳴を利用した力センサが提案されている(例えば、特許文献1、2)。特許文献1に開示された力センサは、カマボコ状の凹凸構造をもつ弾性体の変形による屈折率変化を計測することによって力の大きさを検出する。この力センサでは、変形に伴い、空気と弾性体との割合が変化することによる屈折率の変化が検知される。
一方、特許文献2に開示された光マイクロフォンは、受光器における受光量の変化から、力を受ける部分(受音部)の材料自体の屈折率変化を検知する。形状に影響を受けることがないため、力を受ける受音部を薄く形成することにより、変形がごく僅かな場合にも比較的大きい屈折率変化が生じる。そのため、接触の瞬間の検知が可能である。
特開2010−230599号公報 特開2010−245599号公報
特許文献1に開示された方式では、屈折率変化が、物体の比較的大きい変形によっているため、ある程度以上の大きい変形が生じなければ屈折率変化を検出できない。このため、接触の瞬間や、わずかに触れた程度の弱い力を検出することができない。
また、特許文献2に開示された方式では、屈折率変化自体がそれほど大きくないため、共鳴角の変化が小さいという課題がある。小さい共鳴角の変化を精度よく計測するためには、高感度の光学検出系が必要となるため、製造コストが増大する。
本発明の目的は、以上の課題を踏まえ、高感度の光学検出系を用いずに、より高感度の光学式力センサを実現することにある。
本発明の実施形態による光学式力センサは、表面プラズモン共鳴を利用して外力を検出するための光学式力センサであって、透光性の第1の多孔体からなる光導波路と、前記光導波路の1つの面側に設けられた金属層と、前記金属層の前記光導波路がある側とは反対側の面に設けられた、前記第1の多孔体よりも屈折率の低い第2の多孔体からなる受力層と、前記光導波路および前記金属層の界面で全反射が生じるように光ビームを前記界面に向けて出射することができる光源と、前記界面からの反射光を検出するための受光器と、を備える。
ある実施形態において、前記光学式力センサは、前記受光器の出力に基づいて、前記受力層に加えられた外力を検出する力検出部をさらに備えている。
ある実施形態において、前記光学式力センサは、前記受力層に外力が加えられたときに前記光導波路に生じる屈折率の変化を計測するための屈折率計測部をさらに備えている。
ある実施形態において、前記受光器の出力に基づいて、前記受力層に加えられた外力を検出する力検出部をさらに備え、前記力検出部は、前記受光器の出力および前記光導波路の屈折率の変化量に基づいて、前記受力層に加えられた外力を検出する。
ある実施形態において、前記屈折率計測部は、前記光導波路の、前記界面およびその反対側の面とは異なる1つの側面に配置された被写体と、前記光導波路を挟んで前記被写体と対向するように配置された撮像装置と、前記被写体と前記撮像装置との距離を調整するための移動部と、前記撮像装置によって取得される画像のフォーカスが合うように調整された前記被写体と前記撮像装置との距離に基づいて、前記受力層に外力が加えられたときに前記光導波路に生じる屈折率の変化を計測する計測部と、を有している。
ある実施形態において、前記屈折率計測部は、前記光導波路の、前記界面およびその反対側の面とは異なる1つの側面に配置された第1の被写体と、前記光導波路を挟んで前記第1の被写体と対向するように配置された第1の撮像装置と、前記光導波路の前記1つの側面とは異なる他の側面に配置された第2の被写体と、前記光導波路を挟んで前記第2の被写体と対向するように配置された第2の撮像装置と、前記第1の撮像装置および前記第2の撮像装置の出力に基づいて、前記光導波路における屈折率が変化した位置と前記屈折率の変化量を計測する計測部と、を有している。
ある実施形態において、前記光源は、前記金属層の法線と前記光ビームの進行方向を示す線とがなす角が臨界角以上となるように、前記光ビームを出射することによって、前記光導波路および前記金属層の界面で全反射を生じさせる。
ある実施形態において、前記力検出部は、前記受力層に外力が加えられる前後の前記受光器の出力の変化に基づいて、前記外力を検出する。
ある実施形態において、前記光源は、出射した前記光ビームを集束して前記界面に一定の入射角範囲で入射させる光学系を有し、前記受光器は、受光面に配列された複数の受光素子を有し、前記力検出部は、前記受力層に外力が加えられる前に特定の強度の光を受ける受光素子の位置と、前記受力層に外力が加えられた後に前記特定の強度の光を受ける受光素子の位置との差異に基づいて、前記外力を検出する。
ある実施形態において、前記光源は、出射した前記光ビームを一定の幅をもつ光束にして前記界面に特定の入射角で入射させる光学系を有し、前記受光器は、受光面に配列された複数の受光素子を有し、前記力検出部は、前記受力層に外力が加えられる前後で出力が変化した受光素子の位置に基づいて、前記外力が加えられた前記受力層における位置を特定する。
ある実施形態において、前記受光器は、受光面に配列された複数の受光素子を有している。
ある実施形態において、前記第1の多孔体および前記第2の多孔体は、無機酸化物または有機高分子の乾燥ゲルである。
ある実施形態において、前記第1の多孔体および前記第2の多孔体は、シリカ乾燥ゲルである。
ある実施形態において、前記乾燥ゲルの固体骨格部は疎水化されている。
ある実施形態において、前記第2の多孔体の屈折率変化率は、1.0×10-9Pa-1以上である。
ある実施形態において、前記第1の多孔体の屈折率変化率は、前記第2の多孔体の屈折率変化率よりも小さい。
ある実施形態において、前記光導波路は、各々が前記金属層に接して設けられた前記第1の多孔体からなる複数の透光性部材によって構成されている。
本発明の実施形態によれば、表面プラズモン共鳴を利用して外力を検出することができる。外力を受ける物質の材料として、力に対して屈折率が変化しやすい多孔体を用い、光導波路の材料として、表面プラズモン共鳴の共鳴角が変化しやすい多孔体を用いることにより、高感度の光学式力センサを実現できる。
実施形態1における光学式力センサを模式的に示す斜視図である。 実施形態1における光学式力センサのA−A´線断面図である。 実施形態1における光学式力センサの入射光の角度を説明するための部分拡大図である。 実施形態1における光学式力センサの一形態を示す断面図である。 実施形態1における光学式力センサの出力の例を示す図である。 実施形態1における光学式力センサの第1の変形例を模式的に示す断面図である。 実施形態1における光学式力センサの第1の変形例における出力を示す図である。 実施形態1における光学式力センサの第2の変形例を模式的に示す断面図である。 実施形態2における光学式力センサの一構成を示す斜視図である。 実施形態2における光学式力センサの一構成を示す断面図である。 光導波路の屈折率と共鳴角の変化を示す図である。 実施形態2における光学式力センサの他の構成例を示す上面図である。 実施形態3における光学式力センサを示す断面図である。 実施形態3における光学式力センサにおける出力を示す図である。 実施形態3における光学式力センサの変形例を示す断面図である。 シリカ乾燥ゲル5の構造を模式的に示す模式図である。 シリカ乾燥ゲル5の細孔の一部を模式的に示す模式的断面図である。
本発明の好ましい実施形態を説明する前に、まず、本発明の実施形態における基本概念を説明する。
本発明の実施形態による光学式力センサは、光が伝搬する光導波路と、外力を受ける受力層と、光導波路および受力層の間に設けられた金属層と、光導波路および金属層の界面(以下、単に「界面」と呼ぶ。)に向けて光ビームを出射する光源と、界面からの反射光を検出する受光器とを備えている。このような構成により、光導波路と金属層との界面で生じる表面プラズモン共鳴を利用して受力層に加えられた力を検出することができる。表面プラズモン共鳴を生じさせるためには、界面に光ビームを入射し、全反射を生じさせる必要がある。そのため、光源の位置および向きは、光源からの出射光が光導波路と金属層との界面で全反射するように設定される。受光器の位置および向きは、界面で全反射された反射光を受けるように設定される。
表面プラズモン共鳴は、光導波路と金属層との界面で光が全反射するときに生じるエバネッセント波によって金属層の表面プラズモン(表面における電子等の集団振動)が励起される現象である。表面プラズモン共鳴についての詳細は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1の開示内容全体を本願明細書に援用する。表面プラズモン共鳴は、入射光の位相速度が表面プラズモンの位相速度と一致する特定条件においてのみ発生する。この特定条件を満足するためには、光導波路と金属層との界面でエバネッセント波(近接場)を生じさせる必要がある。このエバネッセント波の発生には、界面で光が全反射することが必要であるため、本発明の実施形態における光源は、界面で全反射が生じる入射角で光ビームを出射できるように構成されている。
入射光の位相速度は、界面への光の入射角に依存する。このため、表面プラズモン共鳴は、光を特定の入射角で入射させたときにのみ生じる。表面プラズモン共鳴が生じるときの特定の入射角を、「共鳴角」と呼ぶ。表面プラズモン共鳴が生じると、表面プラズモンの励起エネルギーに相当する光のエネルギーが失われる。このため、界面で反射された光(反射光)の強度の変化を検出することにより、表面プラズモン共鳴の発生を検出することができる。
受力層に力が加えられると、力の向きや大きさに応じて受力層の屈折率が変化する。受力層の屈折率が変化すると、表面プラズモンの位相速度が変化するため、共鳴角も変化する。共鳴角が変化すると、受光器によって検出される反射光の強度が変化する。したがって、共鳴角の変化や反射光強度の変化などを検出することによって受力層に加えられた力を検出することができる。
本発明の実施形態では、光導波路および受力層の材料として、多孔体を用いることにより、高感度の力センサを実現することができる。本願発明者らは、受力層だけでなく、光導波路にも多孔体を用いることにより、力が加えられたときの表面プラズモン共鳴の共鳴角の変化を大きくできることを見出した。これにより、従来よりも高感度の光学式力センサを実現することができる。
ここで、「多孔体」とは、比較的低い屈折率をもち、力に対する屈折率変化(屈折率変化率)が適切な範囲に設定された多孔質の誘電体材料を指す。本明細書において、「多孔体」は、屈折率がおよそ1.01以上1.1以下の範囲にあり、圧力に対する屈折率変化率が1×10-9Pa-1以上1×10-6Pa-1以下の範囲にある誘電体材料と定義する。
光導波路を構成する第1の多孔体は、透光性の誘電体であり、例えば屈折率が1.02以上1.08以下、屈折率変化率が1×10-8Pa-1以下であることが好ましい。一方、受力層を構成する第2の多孔体は、第1の多孔体よりも屈折率が小さく、屈折率変化率が高く、弾性率が低いことが好ましい。第2の多孔体は、例えば屈折率変化率が1.0×10-9Pa-1以上の誘電体である。
第1の多孔体および第2の多孔体は、例えば上記の条件を満足する無機酸化物または有機高分子の乾燥ゲルから構成される。そのような乾燥ゲルの固体骨格部は疎水化(撥水化)されていることが好ましい。固体骨格部が撥水化されていると、吸湿などにより特性が変化することがないからである。
受力層における第2の多孔体として、例えばシリカ乾燥ゲルを用いることができる。シリカ乾燥ゲルは、ナノスケールの骨格と空孔をもつ。このシリカ乾燥ゲルで構成される多孔質体は、圧力に対する屈折率の変化が、通常の樹脂のような一般的な固体の屈折率の変化に比べて、2〜3桁程度高い。本発明の実施形態では、このように、通常の固体材料に比較して力に対する屈折率変化が大きい材料が受力層に用いられる。
上記の第2の多孔体のような低屈折率材料を受力層として用いた場合、共鳴角の変化を大きくして高感度化を達成するためには、通常の固体材料とは大きく異なる屈折率を持つ材料が光導波路として必要である。上記の第1の多孔体のような低い屈折率を持つ物質を光導波路に用いることにより、初めてその効果を得ることができる。
このように、通常の固体材料では実現できない低い屈折率と、高い光透過率を持つ多孔体を光導波路に適用することにより、力が加わる前後で、表面プラズモン共鳴の共鳴角を大きく変化させることができる。すなわち、感度の高い光学式力センサを実現できる。
表面プラズモン共鳴による検出方式は、微小領域の屈折率変化を直接検出しうるものであり、通常の光学式センサと異なり、物体がほとんど変形しなくても屈折率変化が発生していれば、検出が可能である。このため、力を受ける受力層を極めて薄くして、僅かな接触でも、屈折率変化が発生するように構成すれば、極めて高い感度を実現することができる。
また高感度化のために受力層を薄く形成すれば、力が印加され、解放された際に初期状態に戻る時間が短くなるため、高速に変化する力に対応可能な計測周期が高い力センサを実現することもできる。
また光導波路に多孔体を用いることにより、共鳴角を90°に近づけることが可能となる。その結果、光導波路を薄く形成することが可能となるため、光学式力センサ全体を薄くすることができるという効果もある。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の説明において、共通または対応する要素には同一の参照符号を付する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1における光学式力センサ1の本体部分の構成を模式的に示す斜視図である。以下、図1に示すように、XYZ方向を設定する。
<1.装置構成>
図1に示す光学式力センサ1は、レーザー光7a、7bが伝搬する光導波路2と、光導波路2の一面に接して配置されている金属層3と、金属層3の光導波路2に接する面と対向する面に配置されている受力層4とを備える。また、光導波路2の外側から金属層3と光導波路2との界面に向けてレーザー光7aを発射する光源5と、金属層3と光導波路2との界面で反射されたレーザー光7bを受光する受光器6とを備える。
図1に示す光学式力センサ1では、光導波路2、金属層3、受力層4は一体化されているが、必ずしも一体化されている必要はない。例えば、個別に作製された光導波路2、金属層3、受力層4が、不図示の固定部材によって互いにずれないように固定されていてもよい。また、本実施形態では光導波路2と金属層3とが接合されたクレッチマン(Kretschmann)配置を採用しているが、光導波路2と金属層3との間に一定のギャップが存在するオット(Otto)配置を採用することもできる。
図2Aは、図1のA−A´線断面図である。図2Aには、光源5に接続された光駆動回路21、受光器6に接続された検出回路22、および光源5および受光器6の位置および角度を調整するための移動ステージ23a、23bも示されている。図2Aに示すように、本実施形態では、光源5および受光器6は、界面20の中心を通る垂線に対して対称な位置に配置されている。レーザー光7aの入射角およびレーザー光7bの出射角は、界面20で全反射が生じるように、臨界角以上の角度θに設定される。本明細書において、「レーザー光7aの入射角」は、金属層3の法線とレーザー光7aの進行方向を示す線とがなす角を意味する。また、「レーザー光7bの出射角」は、金属層3の法線とレーザー光7bの進行方向を示す線とがなす角を意味する。
以下、各要素をより具体的に説明する。
<1.1.光源5>
光源5は、光導波路2に向けてレーザー光7aを発射するように配置されている。発射されたレーザー光7aは、光導波路2に入射して光導波路2内を伝搬し、金属層3と受力層4との界面20で全反射する。全反射したレーザー光7bは、光導波路2を伝搬して光導波路2から出た後、受光器6で受光される。以下の説明では、光源5から出射され、界面に到達するまでのレーザー光7aを「出射光」と表記し、界面20で反射されたレーザー光7bを「反射光」とも表記する。
光源5は、移動ステージ23aに固定されている。移動ステージ23aを調整することにより、光源5の位置および向きを変えることができる。これにより、出射光7aの入射角を調整できる。
光源5が出射する光は、単一の波長を有する光であることが好ましい。光源5には、ガスレーザー、又は半導体レーザー等を用いることができる。波長域の狭いレーザー光を用いた場合、表面プラズモン共鳴が励起される角度のばらつきが小さくなるため、測定精度が向上する。
光源5は、光駆動回路8に電気的に接続されている。光源5は、光駆動回路8の入力信号に応じたレーザー光7を出射する。
光源5から出射されるレーザー光7aは、金属層3と平行なXY平面に対して垂直な電界成分を有するs偏光である。XY平面に平行なp偏光では表面プラズモン共鳴は励起されない。光源5からの出射光にp偏光が含まれていると、表面プラズモン共鳴が励起されている状態でもp偏光の光がレーザーの反射光として観測されるため、光源5の出射光はp偏光を含まないことが好ましい。出射光がp偏光を含まないよう、光源5から金属層3までの間に偏光板を配置することが有効である。偏光板はPVAフィルムにヨウ素化合物を染色して内部に浸透させたフィルムを一軸延伸して得られる。また光源内部にこの機能を持たせる事も可能である。
<1.2.受光器6>
受光器6は、光導波路2から出射した反射光7bを受光する。受光器6は、移動ステージ23bに接続されている。移動ステージ23bの調整により、反射光7bを受光するように、受光器6の位置および反射光7aを受光する面の角度を任意に設定できる。
受光器6は、光導波路2および金属層3の界面で反射したレーザー光7bを検出可能なように構成されている。受光器6には、光源5が出射する光の周波数に感度を有する受光素子が用いられる。可視領域の光源を用いた場合には、シリコン系フォトダイオードなどを好適に用いることができる。受光器6は、金属層3の界面における反射光を検出し、検出回路22へと反射光量に応じた信号(受光データ)を送信する。
検出回路22は、受光器6から出力された信号に基づいて受力層4における屈折率の変化を算出する。更に、受力層4における屈折率変化と加えられた力との相関関係を示す情報に基づいて、受光データを、加えられた力の大きさを示す信号(力信号)に変換する。そのような相関関係を示す情報は、例えば不図示のメモリに格納されており、検出回路22は、当該情報を参照することによって力を検出する。検出回路9は、図示されていないコンピュータなどに接続され、そこで力信号を保存・解析してもよい。本実施形態では、上記の検出回路9およびコンピュータの組み合わせが、力検出部として機能する。
<1.3.光導波路2>
光源5から出射されたレーザー光7aは光導波路2に入射する。金属層3および光導波路2との界面で反射したレーザー光7bは光導波路2から出射する。
光導波路2は、レーザー光7a、7bに対して透過性を有する材料で構成されている。本実施形態の光導波路2の材料は、例えば、高い光透過性を有するシリカ乾燥ゲルである。
光導波路2は、レーザー光7aを受ける第1の面24と、レーザー光7bが出射する第2の面25と、金属層3と接する第3の面(界面20)とを備える。本実施形態では、第1の面24および第2の面25は曲面であり、第3の面は平面である。
図2Bは、図2Aの一部拡大図である。第1の面24は、レーザー光7aが、光導波路2と金属層3との界面20で全反射するように、臨界角以上の角度で入射するように形成されている。光導波路2の屈折率をn1、受力層4の屈折率をn2とすると、全反射が生じるため、以下の式1が満足される。
1sinθ≧n2 (式1)
また、光導波路2の外部の媒質の屈折率をn0、光導波路2の第1の面24へのレーザー光7aの入射角をθ0、屈折角をθ1とすると、以下の式2が成立する。
0sinθ0=n1sinθ1 (式2)
さらに、レーザー光7aが入射する第1の面24上の点における接平面と界面20との角度をαとすると、以下の式3が成立する。
θ=α+θ1 (式3)
したがって、光源5は、角度θが上記の式1を満足するように、式2、3から求められる入射角θ0で第1の面24にレーザー光7aを入射するように配置されていればよい。
光源5および受光器6の位置の調整を容易にするため、第1の面24および第2の面25は、界面20の中央20cを通るZ−Y平面に対して、対称に形成されていることが好ましい。また、界面20の中心にレーザー光7aが入射することが好ましい。さらに、図2Aに示す光導波路2の断面において、第1の面24および第2の面25の部分は、界面20の中央20cを中心とする円弧の一部であることが好ましい。このような構成により、光源5および受光器6を、界面20の中央20cを中心とする円の円周上の点の延長線上に対称的な角度で配置すればよいため、調整が容易になる。しかし、上記構成に限らず、レーザー光7aが光導波路2と金属層3との界面20に臨界角以上の角度で入射し、かつ、受光器6によって反射光が検出できれば任意の形状で良い。
光導波路2は、上記の第1の多孔体によって構成される。例えば、屈折率が1.056、密度が224kg/m3、音速が160m/sec、光透過率が波長800nmのレーザー光に対して97%/cmであるシリカ乾燥ゲルから構成され得る。
以上の構成により、光導波路2の内部をレーザー光7a、7bが通過する。受光器6が受光するレーザー光の光量が少なくなるとSN比が低下するため、光導波路2は高い光透過率を有することが望ましい。例えば、レーザー光7aの波長に対する光透過率が90%/cm以上であることが好ましい。
<1.4.金属層3>
金属層3の一面は、光導波路2の第3の面(界面20)に接して配置されている。また、その反対側の面は、受力層4と接している。
金属層3が所定以上の厚さを有する場合、表面プラズモン共鳴現象が発生しにくくなる。よって、金属層3は所定より小さい厚さを有することが好ましい。例えば、本実施形態の金属層3は、約50nmの厚さを有する。
金属層3の材料は、表面プラズモンが励起される金属又はその金属の合金である。金属層3の材料は、例えば、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、白金(Pt)、又は、これらの少なくとも1つを含む合金である。本実施形態の金属層3の材料は金である。
<1.5.受力層4>
受力層4は、光学式力センサ1が測定する力を受ける。受力層4の一面は、金属層3と接している。受力層4は、金属層3に接する面と対向する面(受力面)で力を受ける。受力面で直接力を受ける必要は無く、受力面の上部に上部層を形成してもよく、上部層に加えられた力を受力面で受けることができればよい。
受力層4は、受けた力に対応して、その屈折率が変化する。受力層4の好適な材料は、力に対する屈折率変化が大きいシリカ乾燥ゲルである。受力層4の材料は、シリカ乾燥ゲルに限らず、有機系の乾燥ゲルなどでも良い。
シリカ乾燥ゲルは、製造方法によって、様々に特性を変化させることができる。
本実施形態における受力層4を構成するシリカ乾燥ゲルの有する特性の一例は、以下の通りである。屈折率は、1.028であり、力に対する屈折率変化量は1.0×10-7Pa-1、密度は112kg/m3、音速は40m/sである。光学式力センサ1が感度よく力を測定するために、単位圧力に対する屈折率変化が大きいシリカ乾燥ゲルで受力層4を構成することが好適である。
本実施形態のシリカ乾燥ゲルは、シリカ(SiO2)と所定の割合の有機成分とを含んでいる。有機成分は、例えば、メチル基や、エチル基、カルボキシル基等である。所定の割合とは、例えば、0.1%以上10%以下である。シリカ乾燥ゲルは、少量の有機成分を含むことにより、可視領域において、白濁した状態を有する。
図12Aは、シリカ乾燥ゲル50の構造の例を示す模式図である。図12Aに示すシリカ乾燥ゲル50は、3次元的に結合した複数のシリカ粒子110を有する。各シリカ粒子110は、所定の結合エネルギーで結合していると考えられる。シリカ粒子110は、数nm以上数十nm以下の粒子径を有する。シリカ乾燥ゲル50は、複数のシリカ粒子110の間に空隙55を有している。
図12Bは、図12Aに示すシリカ乾燥ゲル50の細孔の一部を示す模式的断面図である。空隙55を構成する細孔は、複数の空洞部111と、複数の空洞部111の間に位置するくびれ部112とを含む。くびれ部112は細孔の平均的な内径よりも相対的に狭い部分であり、図12Bに示すように、くびれ部112の内径L2は、空洞部1の内径L1よりも小さい。
シリカ乾燥ゲル50の中を伝搬する音速を、空気中を伝搬する音速より小さくするためには、2nm以下の微細な粒子のみから構成されるシリカ乾燥ゲルより、3.5nm以上の粒子径を有するシリカ粒子110を含むシリカ乾燥ゲルを用いることが好ましい。また、シリカ乾燥ゲル50の中を伝搬する音速を100m/s以下にするためには、更に8nm以上の粒子径を有するシリカ粒子110を含むシリカ乾燥ゲルを用いることが好ましい。ただし、粒子径が大きすぎると、粒子間の結合エネルギーが大きくなる傾向にあるため、粒子間の結合が強くなることによる音速の上昇の効果が現れる。例えば、50nm以上の粒子がシリカ乾燥ゲル中に含まれると、粒子が大きくなって音速が低下する効果よりも、粒子間の結合が強くなることによる音速の上昇の効果の方が強くなるため、粒子サイズを適切な範囲にコントロールする必要がある。
本明細書において、「粒子径」は、X線小角散乱(株式会社リガク製 試料水平型強力X線回折装置 RINT−TTR III)を用いて透過法により測定し、解析ソフトウェアNANO−Solverを用いて求めた平均サイズを意味する。解析ソフトウェアNANO−Solverでは、散乱体モデルを球とし、粒子をSiO2とし、マトリックスをAirとして用いた。
受力層4は、所定の範囲内に含まれる厚さを有する。受力層4の厚さを一定以下にすれば、受力層4に触れただけのような小さい力でも検出できる。例えば、受力層4に加わる力が小さく、受力層4の形状が変形しない場合でも、その力を検出することができる。すなわち、受力層4に加わる力を感度よく検出することができる。受力層4の厚さは、例えば10μm程度に設定される。
さらに、所定以下の厚さの受力層4を有する光学式力センサ1は、受力層4に加わる力を高速に検出できる。受力層4を構成するシリカ乾燥ゲルの縦波音速が40m/sであるため、受力層4のZ方向の共振は、その厚さが波長の1/4である時に強く発生する。具体的には、そのときの共振周波数は約1MHzとなる。よって、この場合、1MHzよりも低い計測周期には十分追随できるため、高速に力を計測できる。
表面プラズモン共鳴による計測法の限界により、受力層4は、一定以下の厚さであることが必要である。表面プラズモン共鳴の検出は、受力層4と金属層3との界面20から、レーザー光の1波長程度の変化を検出する。この変化を十分に得るために、少なくとも1波長の屈折率が変化する部分を確保する必要がある。
可視領域のレーザー光を出射する光源4を用いる場合、受力層4は、約800nm以上の膜厚を有することが好ましい。可視領域以外の波長のレーザー光源を用いる場合には、その波長に応じた厚さに受力層4を設計することが望ましい。
また、受力層4の屈折率を適切に選択することにより、力を受けた際の表面プラズモン共鳴角の変化を大きくすることができる。その結果、小さい力であっても感度良く検出することができる。具体的には、光学式力センサ1の動作説明とともに後述する。
本実施形態では、受力層4としてシリカ乾燥ゲルを用いたが、そのほかにも、チタニア、チタン酸バリウム、アルミナなどの無機酸化物系の乾燥ゲル、あるいは一般的な熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いてもよい。例えば、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール硬化樹脂、ポリアクリルアミド、又は、ポリメタクリル酸メチルなどの有機乾燥ゲルを用いることもできる。
<2.製造方法>
次に、本実施形態の光学式力センサ1の製造方法の一例を説明する。
<2.1.光導波路2>
まず、光導波路2を構成するシリカ乾燥ゲルを作製する。このシリカ乾燥ゲルは、光透過性を有し、受力層4の屈折率より大きい所定の屈折率を有する。本実施形態では、屈折率1.056を有する乾燥ゲルを作製する。
最初に、10×10mm角の大きさを有し、かつ、5mmの深さを有する容器を準備する。この容器の材料は、例えばフッ素樹脂である。容器を構成する複数の側面のうち対向する一組の側面は、XY面(天板側の面)の中央を中心とする円弧の一部をなすように構成されている。次に、トリメチルメトキシシラン又はテトラエトキシシランなどの4配位型のアルコキシシラン原料と、エタノールおよびアンモニア水を一定の割合で調合した混合液とを容器に注ぐ。容器を密閉し、約40度の恒温槽中で約1日放置することにより、原料および混合液をゲル化させ、湿潤ゲルを生成する。その後、湿潤ゲルを容器から取り出し、アセトン又はエタノールで、湿潤ゲルに残った原料液又は水を洗浄して、除去する。この際、湿潤ゲルを乾燥させないことが好ましい。さらに、高圧かつ低温の液化炭酸ガスと、湿潤ゲルに含まれるアセトン又はエタノールとを置換する。そして、超臨界状態を利用し、湿潤ゲルにかかる表面張力を低減した条件のもとで、置換した液化炭酸ガスを除去する。その結果、容器の内部形状と同じ形状のシリカ乾燥ゲルを得ることができる。
上記工程において、原料液と所定の閾値より高い濃度のアンモニア水とを用いて、急速にゲル化させることが好ましい。このような条件で製造したシリカ乾燥ゲルの弾性率は、高くなる傾向にある。これは高感度な光学式力センサ1を構築するうえで有利な効果を得ることができる。その理由は、受力層4が力を受けて変形、屈折率変化を生じる際に、光導波路2にも変形、屈折率変化が発生することを防ぐことができるからである。受力層4の変形、屈折率変化に伴って、光導波路2の変形、屈折率変化が生じると、共鳴角の変化が小さくなり、測定誤差が生じ得る。
<2.2.金属層3>
続いて、得られた乾燥ゲルの天板側の面に金属層3を形成する。本実施形態の金属層3の材料は金である。例えば、蒸着又はスパッタ法によって、50nm程度の厚さを有する金属層3が形成される。また、予め50nmの厚さを有する金属層3を準備しても良い。本実施形態では、予め50nmの厚さを有する金の膜を予め準備して用いた。この時点では金属膜とシリカ乾燥ゲルとは密着していない。
<2.3.受力層4>
次に、ガラス基板などの基材上に受力層4となる乾燥ゲル層を形成する。受力層4となる乾燥ゲルは、光を透過させる必要がなく、一定圧力に対する屈折率変化を大きくするため、柔軟で、かつポアソン比が低くなるように形成することが望ましい。
受力層4となる乾燥ゲルの原料であるゾル溶液は、テトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランと、有機鎖を有するメトキシシラン、例えばジイソブチルジメトキシシランなどのアルコキシシランとを一定の割合で混合した原料液を用意し、更にエタノール、水を添加した混合液を用意する。
この混合液をガラス基板上にスピンコートにより均一に薄い膜状に形成する。こうして形成した液膜を、エタノールと、アンモニア水の蒸気とを満たした容器に蓋をして封入し、同様に約40℃でゲル化させる。この際、ゲル化速度を遅くすると圧力に対する屈折率変化が大きくなる傾向があるため、触媒となるアンモニア水の濃度は低めに設定することが好ましい。
受力層となる乾燥ゲルには高い光透過率は必要なく、またアンモニア水の濃度を薄めにし、ゆっくりとゲル化するような条件を設定している。このため、シリカ粒子がある程度大きくなってから結合してゲル化するようなメカニズムとなる。その結果、粒子径、および空孔が比較的大きくなる。よって、超臨界乾燥法の代わりに、密閉容器にピンホールを設けた容器などを用いてゆっくりと乾燥させることによって、毛管力を抑え収縮が少ない乾燥ゲル膜を得ることも可能である。
<2.4.接合>
このようにして形成したガラス基板上のシリカ乾燥ゲルからなる受力層4を、先に形成しておいた光導波路2、および金属層3(金箔)と接合する。接合は、光導波路2の上面に金属箔を配置し、更にその上面にガラス基板上の乾燥ゲルが金箔側に位置するようにして両者の面を合わせ、一定の圧力で加圧することによって行われる。このようにして形成された複合体から、ガラス基板を取り外せば、図1、および2に示す光学式力センサの本体部分を形成することができる。なお、ガラス基板を取り外さずに光学式力センサ1を構成してもよい。その場合、力が受力層4に伝達されるようにガラス基板が十分硬く形成されていれば良い。
本実施形態では、光導波路2と、受力層4とをそれぞれ溶媒を除去した乾燥ゲル状態とした後に金属層3の形成、接合を行ったが、乾燥前の湿潤ゲルの状態で接合しても良い。この場合には、初めに光導波路2となる湿潤ゲルを形成した後、金を含むコロイド溶液などを、光導波路2の天面部分に導入し、表面に金を含むコロイドが配列した層を形成すればよい。
この配列を硬化剤等により固定したのち、受力層4となる湿潤ゲルをコロイド層の上に形成することにより、一体化した湿潤ゲルを作製できる。この一体化した湿潤ゲルから超臨界乾燥を利用して毛管力が働かないように溶媒を除去することによっても光学式力センサの本体部分が得られる。
<3.光学式力センサの動作>
次に、光学式力センサ1の動作について説明する。上記のように、光学式力センサ1は、800nmの波長の光を出射する光源5と、1.056の屈折率を有するシリカ乾燥ゲルで構成される光導波路2と、50nmの厚さを有する金で構成される金属層3と、1.028の屈折率を有するシリカ乾燥ゲルで構成される受力層4とを有する。
<3.1.光源5および受光器6の位置調整>
まず、受力層4に力が加えられていない状態で、光源5および受光器6の角度を調整する。具体的には、光導波路2と金属膜3との界面からの反射光が、受光器6によって殆ど検出されないように、光源5および受光器6の角度を調整する。例えば、光源5および受光器6の角度を少しずつ変化させて、受光素子6からの受光信号強度が極小(ほぼ0)となる位置で、光源5および受光器6を固定する。受光信号強度が極小ということは、表面プラズモン共鳴が励起されていることを意味する。光源5および受光器6の角度が予め共鳴角に設定されている場合には、必ずしも調整は必要としない。
上記の調整により、図2Aに示すθは、表面プラズモン共鳴の励起される角度θSPRに設定される。本実施形態におけるθSPRは84.65度である。このように、レーザー光7aは、光導波路2および金属層3の界面20に、平行に近い角度で入射する。
本実施形態において、光源5および受光器6は、レーザー光7aの入射角と、レーザー光7bの反射角とが、角度θSPRに一致するように、位置および向きが調整される。例えば、移動ステージ23a、23bとして、いわゆるθ−2θステージが用いられる。θ−2θステージを用いることにより、光源5および受光器6の調整が容易になる。
光導波路2の入射光および反射光が透過する第1の面および第2の面は、前述のように、Y軸方向に見たとき、光導波路2と金属層3との界面20の中央部を中心とした円弧の一部になるように形成されている。そのため、光源5から光導波路2へ入射する際、および光導波路2から外部へ出ていく際にレーザー光の屈折は生じない。よって、光源5からの出射角度を、界面20への入射角度と同一として調整することができる。
なお、光導波路2、金属層3、受力層4を有する光学式力センサ1の本体部分は、図示していないホルダによって位置が固定されている。光源5および受光器6の移動に伴って本体部分が移動しないように構成されている。
<3.2.力が加えられたときの動作>
受力層4の上面部分に加わる力の印加方法として、本実施形態の光学式力センサ1は、様々な方法に対応可能である。例えば、物体を接触、衝突させる、凹凸のある物体を押し付ける、あるいは指で押すなどの方法に対応可能である。
また固体物体の接触だけでなく、例えば図3に示すように液体や気体などの流体を封入した配管等を接続し、その圧力を印加することも可能である。図3に示す例では、受力層4上に、液体または気体が流れる流路9、および封入された流体が漏れないようにするためのOリングなどのシール材8が設けられている。このような構成により、流体の圧力を検出することが可能である。なお、図3に示す構成に限らず、液体や気体を封入する機構を持たない構成でも、流体の圧力を検出することが可能である。例えば、空中や水中を伝搬する振動波の伝搬経路上に光学式力センサ1を配置すれば、当該振動波を検出することができる。
上記のいずれかの態様で受力層4に力が加わると、受力層4の屈折率に変化が生じる。受力層4の屈折率が変化すると、表面プラズモンの共鳴条件が変化するため、それまでの入射角では共鳴が生じなくなる。その結果、受光器6によって検出される反射光量が増加する。初期設定時には受光強度がほぼ0であったものが、受力層4に力が加わることにより、加えられた力に応じて受光器6での受光強度が増加する。
このように、受光器6によって検出される受光強度の変化に基づいて、受力層4であるシリカ乾燥ゲルの屈折率変化が算出できる。更に、予め実験またはシミュレーション等によって得られた受力層4の屈折率変化と力との関係から、受けた力の計測が可能となる。以上のような原理により、本実施形態の光学式力センサ1は外力を検出する力センサとして機能する。
<3.3.具体例>
以下、受力層4に一様な力を受けた場合を例に取り、具体的な数値を用いて光学式力センサの動作を説明する。ここでは受力層4の上面に10kPaの一様な圧力がかかった場合を例に説明する。これは図3に示すような液体や気体の圧力を計測する場合、あるいは受力層4の力を受ける面(XY方向における平面)より大きな平面で平行に力を加えられた場合に相当する。
受力層4のシリカ乾燥ゲルの屈折率変化率が例えば3.0×10-7Pa-1である場合、屈折率は1.028から0.003だけ変化し、1.031となる。この時、同時に光導波路2の部分も圧力を受けることになる。本実施形態における光導波路2のシリカ乾燥ゲルの屈折率変化率は1.0×10-8Pa-1程度であり、受力層4を構成する乾燥ゲルより1桁以上小さい。光導波路2は受力層4と同じ圧力を受けた場合、屈折率が0.0001だけ変化し、屈折率が1.0561となる。
受力層4が力を受ける前の共鳴角は、レーザー光の波長を800nmとし、金属層3に金を用いた場合には84.65度である。これに対して、10kPaの圧力を受け、受音層の屈折率が1.028から1.031に変化すると、光導波路の屈折率は1.056から1.0561へと変化し、共鳴角は86.96度へと変化する。すなわち約2.3度の共鳴角の変化が起こり、受光器6の光量が変化することにより、受力層4に印加されている力を検知することが可能となる。
<4.効果>
本実施形態の光学式力センサ1について、次の二つの場合と比較して、受力層4、および光導波路2にシリカ乾燥ゲルを導入した高感度化の効果を説明する。一つ目は、受力層4に樹脂製のフィルムを用い、光導波路2にガラスを用いた場合の例であり、二つ目は受力層4に乾燥ゲルを用い、光導波路2にガラスを用いた場合の例である。
一つ目の例では、樹脂製フィルムとしてシリコンゴムを用いた場合を考える。ゴム系材料はポアソン比がほぼ0.5であるため、力が加わって変形してもほとんど体積変化が生じない。このため、殆ど屈折率の変化は生じないと考えて良い。したがって、圧力を受けても共鳴角には変化がないため、力センサとして使用することはできない。
二つ目の例では、受力層4を本実施形態と同様の乾燥ゲルで構成し、光導波路2を屈折率1.51のガラスで構成した場合を考える。この場合、初期の圧力を受けていない際の共鳴角は44.13°である。受力層4の乾燥ゲルに10kPa圧力が加わり、屈折率が1.028から1.031に変化すると、共鳴角が44.13°から44.30°に変化する。すなわち、圧力を受けることによって約0.17°の角度変化が生じる。このように、乾燥ゲルを受力層4に用いることによって観測可能な共鳴角の変化を発生させることができ、圧力センサとしての利用が可能となる。この際、光導波路2として用いられるガラスは弾性率が高く、またポアソン比が高いため圧力を受けても屈折率の変化はない。
乾燥ゲルを受力層4に用いるのみでは、例えば10kPaの力を受けた際の角度変化は0.17°に過ぎない。先に述べたように、光導波路2に乾燥ゲルを用いれば、力を受けた際の角度変化は2.3°となり、光導波路2にガラスを用いた場合に比べて10倍以上の大きな共鳴角の変化が得られる。これはすなわち、10倍以上の感度をもつ力センサが実現できることを意味している。
以上のように、受力層4および光導波路2に、屈折率および弾性率を好適に設定した乾燥ゲルを用いることにより、高感度な光学式力センサを実現することができる。これにより、従来の光学式力センサの課題であった、弱い力に対しても高い感度の光学式力センサを提供することができる。
また、本実施形態における光学式力センサは、周波数応答の高い計測が可能であることも特徴である。従来の光学式力センサは、変形を直接観測する方式であるため、変形自体を大きくしないと観測が不可能であった。このため、比較的大型の柔軟な接触子を用いて、ある程度以上の変形を発生させる構成が用いられ、このことは計測の時間的な応答特性を低下させる要因となっていた。これに対して、本実施形態における光学式力センサ1は、局所的な屈折率変化を検出する表面プラズモン共鳴を用いているため、受力層4を薄く形成した場合のように、変形が極めて小さくなる場合でも感度が低下しないという有利な効果がある。このため、応答速度の向上を目的として、受力層4を薄く構成したとしても、感度が低下しないという有利な効果を有する。
また、受力層4と光導波路2に、所定の屈折率の乾燥ゲルを用いることにより、表1に示すように、共鳴角が光導波路2と金属層3との界面に対して平行に近い85度程度になる。このため、光導波路2を薄くすることが可能となる。
Figure 2013120145
従来は、ガラスを光導波路2に用いており、表1に示すように共鳴角が45度程度になる。このため、光導波路2にある程度の厚さが必要となり、薄型化が困難であった。これに対し、本実施形態の光学式力センサ1によれば、薄型化が容易になるという有利な効果が得られる。なお、上記の効果は、シリカ乾燥ゲルに限らず、同様の特性を有する多孔体を用いた場合でも同様に得られる。本実施形態では、一例としてシリカ乾燥ゲルを用いたが、光導波路2および受力層4の材料はこれに限られない。
<5.変形例>
以下、本実施形態の変形例を説明する。
<5.1.正方向および負方向の力を検出する構成>
上記の実施形態では、初期状態として、表面プラズモン共鳴が励起されている状態を選択したが、初期状態として、角度θを共鳴角θSPRよりわずかに大きい角度、またはわずかに小さい角度に設定しても良い。上記の実施形態のように、受光信号の強度が0になる位置を初期設定とすると、原点の安定性はよい(初期設定角の調整がし易い)ものの、力の方向を一意に定めることができない。例えば、図4(a)に示すように、力の方向が押しこみ方向(正方向)でも、引っ張り方向(負方向)のいずれの場合にも、受光信号強度は増加する。
物体の接触を検知する場合、受力層4には、基本的に押しこみ方向の力のみが働く。しかし、物体に粘着性がある場合や、液体や気体の圧力を計測する場合、あるいは空気中や液体中を伝搬する振動波を検出する場合などは、引張方向、すなわち負方向の力が発生することがある。
そのような負方向の力を計測することが必要な場合、図4(b)に示すように、初期設定角θを共鳴角θSPRからずらした角度に設定すればよい。このようにすれば、例えば押し込み方向の力がかかった場合は反射光が増加し、引張方向の力がかかった場合には反射光が減少する。このため、原点が安定しにくい(初期設定角の調整が困難)という課題はあるものの、力の方向も検知可能である。
<5.2.時間的に変動する力を検出する構成>
また、力が時間的に変化する場合には、力の変化に応じて光源5および受光器6を移動させることによって受光量が極小となる角度θSPRを検出するように構成してもよい。この場合、光源5と受光器6とを力の変化に追従して物理的に移動させる必要があるため、高速に変化する力への対応は困難な場合がある。しかし、この方式では共鳴角を直接検出できるため、力の方向を含め、高精度な計測が可能である。よって、力の時間変動が比較的小さい静的な力を正確に計測する場合に好適である。
<5.3.局所的な力を検出する構成>
以上の実施形態では、受力層4が均一な力を受ける理想的な場合を想定したが、一般には受力層4の一部に局所的な力が加わることも多い。そのような局所的な力の位置と大きさを検出する場合、例えば図5に示すように光学式力センサを構成すればよい。
図5は、局所的な力を検出できる光学式力センサの構成例を模式的に示す断面図である。受力層4の一部に加えられた力の大きさと位置とを検知するために、第1の面および第2の面を台形形状にした光導波路2が用いられる。光源5からのレーザー光が、ビームエキスパンダー12およびシリンドリカルレンズ13によって、光導波路2の第1の面の幅と同程度の幅を持つ平行光に変換される。この平行光を光導波路2の第1の面に導入することにより、受力層4の面全体に一定の角度でレーザー光が照射される。
また、この例では、受光器6は、複数の受光素子が受光面に配列された構造を有している。図6は、力が加えられたときの受光素子ごとの受光量の例を示す図である。図6に示される例では、受力層4に印加された力のX方向の位置と、配列された受光素子の位置(受光素子番号)とが対応している。複数の受光素子のうち、受光量が変化した受光素子の位置によって受力層4上で力が加えられているx座標が特定でき、受光量の変化量から力の大きさを検知することができる。
この例では、力が加えられていない状態では、表面プラズモン共鳴条件が満足されているため、全ての受光素子番号において受光量はほぼ0である。しかし、力が加えられると、その位置に対応する光ビームだけが共鳴条件を満たさなくなるため、反射光量が増加する。このため、受光量が増加した受光素子を特定すれば、力の位置を特定できる。
図5に示すY方向に関しても、同様に複数の受光素子を配列し、光源5からY方向にも幅をもつ平行光を入射させれば、受力層4の2次元平面上に加わる力の位置と大きさを検知することができる。
なお、図5に示す例において、光源5と、ビームエキスパンダー12と、シリンドリカルレンズ13とは、一体化された光源として構成されていてもよい。そのような光源は、出射した光ビームを一定の幅を持つ光束にして界面20に特定の入射角で入射させる光学系を有していれば、どのように構成されていてもよい。また、上記の例では、拡大された光ビームが受力層4の全面に照射するように構成されているが、力が印加される領域を含む一部の範囲を照射するように構成されていればよい。
図5に示す構成でも、図4を参照しながら説明したように、力を受けていない状態における光源5からの光の入射角を、共鳴角から僅かにずらしてもよい。そのように設定することにより、印加される力の位置だけでなく、方向まで検出することができる。
<5.4.保護層を備えた構成>
以上の実施形態では、受力層4は外部に露出しているが、例えば図7に示すように、弾性率の高い保護層14で受力層4を覆ってもよい。このように構成することにより、比較的脆い特性を持つ乾燥ゲルの破損を防止し、信頼性の高い光学式力センサ1を提供することができる。
また、保護層14は、受力層4となる乾燥ゲルを製造する際の基板としても使用することができるため、基板を除去する工程が不要になるという有利な効果も得られる。
保護層14としては力を減衰させることなく、受力層4に伝達する機能を持つ材料であればよく、例えばガラス、金属、樹脂が好適に用いられる。また、局所的な力を検知するためには、保護層14を分割して形成することが望ましい。保護層14の高い弾性率によって一点に加えられた力が分散し、力の印加点が不明瞭になることを防ぐためである。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態の光学式力センサは、実施形態1における構成要素に加え、光導波路2における屈折率の変化を検出する屈折率計測部をさらに備えている。本実施形態では、屈折率計測部の出力を利用して受力層4に印加された力をより高い精度で検出できる点が実施形態1とは異なっている。以下、実施形態1と異なる点を中心に説明し、重複する事項についての説明は省略する。
本願発明者らは、実施形態1の構成によって高感度化が達成できるものの、同時に、光導波路2の材料としてシリカ乾燥ゲルのような多孔体を用いることに起因して、従来のセンサでは発生しない新たな課題が生じることを発見した。それは、光導波路2として多孔体を用いることにより、光導波路2の屈折率がわずかに変化し、その結果として計測値に誤差が生じることである。
光導波路2として用いられる多孔体は、従来のガラスプリズム等とは異なり、圧力に対して変形しやすいため、受力層4に加えられた力によって、その直下の光導波路2がわずかに変形することがある。光導波路2が変形すると、屈折率が変化するため、共鳴プラズモン共鳴条件もわずかに変化する。その結果、受光器6によって検出された受光信号から計測される力と、実際の力との間に誤差が生じる。
この課題は、表面プラズモン共鳴を力センサに応用する際に発生する特有の課題である。また、液体などの屈折率変化を検知するための表面プラズモン素子では、圧力に対する屈折率変化が極めて微小であるため、屈折率変化は無視でき、この課題は発生しない。
本実施形態では、上記の課題に対応するため、光導波路2の金属層3の近傍の屈折率あるいは屈折率変化を直接計測する屈折率計測部を付加することにより、より正確な力の計測が可能となる。以下、本実施形態の構成を説明する。
図8Aは、本実施形態における光学式力センサ80を示す図である。本実施形態における光学式力センサ80は、図1に示した構成に加え、光導波路2の屈折率を計測する屈折率計測部14を備えていることが主な特徴である。屈折率計測部14は、光導波路2を挟んでY方向に相対して配置されたパターン画像14aおよびカメラ(撮像装置)14bと、パターン画像14aの位置を変化させるための移動ステージ14cとを有している。パターン画像14aは、所定の静止画であり、カメラ14bによって撮影される。
図8Bは、図8Aに示した光学式力センサ80のB−B’線における断面図である。当該断面図は、図8Aにおける光学式力センサ80の中心部分を通り、YZ面に平行な面で光学式力センサ80を切断したときの断面を示す図である。屈折率計測部14は、カメラ14bから出力される画像信号を処理する画像処理部15と、画像処理部15および移動ステージ14cの動作を制御する制御部16とをさらに備えている。図8Bに示されているように、移動ステージ14cは、パターン画像14aを、図8BにおけるY方向に移動させることができる。カメラ14bは、固定フォーカスのレンズを有している。
本実施形態における屈折率計測部14は、空気中における屈折率と、光導波路2中の屈折率の違いによる画像のフォーカス位置のズレから、光導波路2における屈折率を計測する。このため、パターン画像14aは、ストライプなどフォーカスのズレが認知しやすい画像であることが望ましい。なお、パターン画像14aの代わりにフォーカスのズレが認知しやすいパターン変化をもつ3次元物体を被写体として用いてもよい。
カメラ14bおよびパターン画像14aは、光導波路2とZ座標が重なる部分と、光導波路2の外側とZ座標が重なる部分を有するように配置されている。このような配置により、カメラ14bは、パターン画像14aから光導波路2の外側の媒質(本実施形態では空気)を通って入射する光による画像と、パターン画像14aから光導波路2を通って入射する光による画像とを取得することができる。カメラ14bは、取得画像のフォーカス状態を判定可能な画像処理部15に接続され、画像処理部15は制御部16に接続されている。制御部16は更に移動ステージ14cに接続されている。
ここで、光導波路2の屈折率をnv、光導波路2の外側の空気の屈折率をnaとする。はじめに、光導波路2とZ座標が重なっていないパターン画像14aの部分にカメラ14bのレンズのフォーカスが合うよう、移動ステージ14cはパターン画像14aをY方向に移動させる。この移動後の位置におけるカメラ14bとパターン画像14aとの距離をLaとする。次に、光導波路2とZ座標が重なっているパターン画像14aの部分にカメラ14bのレンズのフォーカスが合うように、移動ステージ14cはパターン画像をY方向に移動させる。この移動後の位置におけるカメラ14bとパターン画像14aとの距離をLvとする。ここで、na、nv、La、Lvの間には、(式4)の関係が成り立つ。
na/nv=Lv/La (式4)
空気中の屈折率naはおよそ1.0003であり、温度や、気圧、湿度が変化しても、ほぼ一定であるので、定数として考えても特段の問題はない。よってLv、Laを計測することによって、空気の屈折率から光導波路の屈折率nvを算出することができる。
本実施形態では、上記の屈折率計算は制御部16によって行われる。制御部16は、移動ステージ14cの移動量から求められる距離La、Lbに基づいて、式4に示す演算を実行し、屈折率nvを求める。なお、制御部16ではなく、不図示のコンピュータを計測部として同様の処理を実行させてもよい。制御部16または不図示のコンピュータなどの計測部によって計測された屈折率情報は、図2Aに示す検出回路22に送出される。検出回路22は、入力された屈折率情報を考慮して、受力層4に加えられた力を計測する。
本実施形態では、空気中のフォーカス位置を計測する機構を設けたが、距離Laを既知として光導波路2とZ座標が重なる位置のみにパターン画像14a、およびカメラ14bを配置する構成としても良い。またカメラ14b内にレンズを移動させるオートフォーカス機能を持たせ、パターン画像14aでなく、レンズ位置の変動から、Lvに相当する距離を求めてもよい。
また、通常の白色光の下では、僅かではあるが光の波長によって空気の屈折率に多少の差があるため、フォーカス位置が変動する可能性がある。このような場合には単色光の照明装置を用いて、更に精度を向上させることも可能である。
このように、圧力に伴う光導波路2の屈折率を計測することにより、光導波路2に加えられた圧力値をより正確に計測することが可能である。図8Cは、光導波路2に加えられた圧力による屈折率変動を考慮した場合に算出される共鳴角と、考慮しない場合に算出される共鳴角とを比較するためのグラフである。図8Cにおいて、点線は光導波路2に加えられた圧力による屈折率変化を考慮しない場合の共鳴角の圧力依存性を示し、実線は圧力による屈折率変化を考慮した場合の共鳴角の圧力依存性を示している。
図8Cから分かるように、圧力が大きいほど、算出される共鳴角が真の値からずれていく傾向がある。圧力算出に用いる光導波路2の屈折率の値を補正しないと、正しい圧力を計測することができず、正確な力センサを実現することができない。本実施形態では、上記の屈折率計測部14によって受力層4に外力が加えられたときの光導波路2の屈折率変化を検出し、その結果を用いて、より正確に圧力を求めることができる。
以上では、図3に示したような受力層4、および光導波路2全体に同一の力がかかる場合について説明した。しかし、本実施形態における屈折率計測部14は、受力層4に局所的に力が加わった場合にも適用可能である。以下、図8Dを参照しながら、受力層4および光導波路2に局所的に力が加わった場合において、力の算出に用いる光導波路2の屈折率を補正し、正確な力を計測する構成を説明する。
受力層4に局所的な力が加わった場合には、光導波路2内に力の分布が生じるため、屈折率分布が発生する。その結果、受力層が受けた力に応じた共鳴角の変化を正確に得ることができない場合がある。
この原因は、実際に力を受けた受力層4の部分のZ方向の直下にある光導波路2が同一の力を受けていないことに起因する。局所的に大きい力を受けた場合にその誤差が大きくなる傾向がある。
本実施形態における光学式力センサ80では、受力層4の屈折率変化を高精度に計測することが、すなわち力計測の精度に直結している。受力層4の屈折率変化を高精度に計測するためには、光導波路2の正確な屈折率と、正確な共鳴角の値を求めることが必要である。
上記の構成では、光導波路2の材料として、圧力に対する屈折率変化が小さい乾燥ゲル材料を適用し、また、別の測定から得られた、乾燥ゲルの圧力に対する屈折率変化を示すデータを考慮した力の計測が行われる。しかし、局所的に比較的大きな力が加わる場合には計測精度の点で不十分な場合がある。
図8Dは、局所的な力を検出する場合における屈折率計測部14の構成例を示す平面図である。図8Dは、光導波路2および屈折率計測部14を+Z方向から見たときの様子を表している。この例では、屈折率計測部14は、2組のパターン画像14aおよびカメラ14bと、2つのカメラ14bに接続された画像処理部15と、画像処理部15の出力に基づいて屈折率を計測する計測部18を有している。計測部18の出力は、図2Aに示す検出回路22に送出される。図8Dにおいては、図8Bと同様の構成には同じ符号を付している。図8Dに示す構成においては、局所的な屈折率変化を計測するために、X方向、およびY方向の各々について、光導波路2の一方の端面にパターン画像14aを配置し、他方の端面にカメラ14bを配置している。図のX方向には点線で示した光源5、および受光器6があるが、それらのZ座標はパターン画像14a、カメラ14bのZ座標とは異なって配置されているため、光が干渉することはない。
以下、図8Dにおいて、円形の斜線部分に局所的な圧力が印加されたとして屈折率検出処理を説明する。屈折率計測部14は、図8Bに示す例と同様にして、カメラ14bのフォーカスを利用して光導波路2の屈折率を計測する。ただしこの場合、カメラ14bの正面に対向する部分のパターン画像にフォーカスが合うように、カメラレンズの位置を調整して、図の点線で示した複数のライン上の屈折率を計測する。
カメラ14bは複数の撮像素子を有しており、X方向、およびY方向のそれぞれについて、複数の位置で、経路上の複数の光導波路の屈折率を計測することができる。X方向、Y方向の両方で屈折率の変化を検出した素子のクロスする位置から、圧力を受けている光導波路2上の位置を特定することができる。図8Dに示す例では、X=X0に位置する撮像素子と、Y=Y0に位置する撮像素子から、圧力の変化している位置が判定できる。更に、それぞれの両側に位置する撮像素子によって検出される屈折率変化から、屈折率が変化している領域の大きさを判定することができる。
(X,Y)=(X0,Y0)の位置における局所的な屈折率nx0y0は、次のように算出可能である。力の加わっていない状態における光導波路2の屈折率をn0、X=X0の位置における平均屈折率をnx0、Y=Y0の位置における平均屈折率をny0、屈折率変化領域のX方向の幅をWx0、屈折率変化領域のY方向の幅をWy0とする。また、X方向およびY方向におけるパターン画像14aとカメラ14bとの距離をそれぞれLx0、Ly0とする。すると、(X,Y)=(X0,Y0)における局所的な屈折率nx0y0は、以下の(式5)または(式6)で記述することができる。
nx0y0=Lx0/Wx0{nx0−n0(1−Wx0/Lx0)} ・・・ (式5)
nx0y0=Ly0/Wy0{nx0−n0(1−Wy0/Ly0)} ・・・ (式6)
このように、2方向の屈折率変化の値と、変化している部分の範囲から、局所的な屈折率変化を計測することにより、光導波路2の屈折率変化を考慮した圧力計測が可能となり、より正確な圧力計測が可能となる。
図8Dに示す例では、上記の屈折率計算は、計測部18によって行われる。計測部18は、画像処理部15によって求められた屈折率変化領域のX方向およびY方向のサイズに基づいて、式5または式6に示す計算を実行し、屈折率nx0y0を求める。求められた屈折率nx0y0の情報は、図2Aに示す検出回路22に送出される。検出回路22は、入力された屈折率情報を考慮して、受力層4に加えられた力を求める。
以上のように、本実施形態における光学式力センサ80によれば、屈折率計測部14によって光導波路2の屈折率変化を直接計測することにより、計測した光導波路2の屈折率変化量から共鳴角の変化量が求められる。そのようにして求めた共鳴角の変化量に基づいて、受力層4の屈折率変化を正確に算出することが可能となる。その結果、正確な力計測が可能となる。
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
図9は、本実施形態における光学式力センサ90を模式的に示す断面図である。図9に示す光学式力センサ90は、実施形態1の光学式力センサ90と以下の点で異なっている。すなわち、実施形態1においては、光導波路2と金属層3との界面20に対して、一定の角度で光源5からの光を照射するが、本実施形態では、所定の角度範囲の光を界面20に照射する。この所定の角度範囲に含まれる複数の入射角をもつ光束を、複数の受光素子が受光面に配列された受光器6を用いて観測する。これにより、光源5および受光器6を機械的に移動させることなく、共鳴角を正確に同定することが可能となる。このため、本実施形態では、実施形態1に比べ、より高速、かつ正確な計測が可能となる。
以下、図9を参照して、本実施形態における光学式力センサ90の構成および動作を説明する。以下の説明において、実施形態1と重複する事項についての説明は省略する。
図9に示すように、光学式力センサ90は、図1に示す構成要素の他、光源5からの光を拡大するビームエキスパンダー12と、ビームエキスパンダー12から出射された光を平行光にするシリンドリカルレンズ13aと、平行光を界面20に集束させるシリンドリカルレンズ13bと、界面20からの反射光を平行光にして、受光器6に導入させるシリンドリカルレンズ13cとを備えている。
以下、受力層4に一様な力が加えられた場合の光学式力センサ90の動作を説明する。まず、初期設定、すなわち力を受けていない状態での設定方法を説明する。
図9に示すように、光源5から出射されたレーザー光は、ビームエキスパンダー12、シリンドリカルレンズ13a、13bを通過すると、一定の入射角範囲(θ1〜θ2、θ1<θ2)をもつレーザー光として光導波路2と金属層3との界面20に入射する。
この際、角度θ1、θ2が、表面プラズモン共鳴を励起する角度θSPRとの間で、θ1<θSPR<θ2の関係を満たすように、光源5の位置、ビームエキスパンダー12、シリンドリカルレンズ13a、13bの曲率が設定されている。
このように、レーザー光は、光導波路2と金属層3との界面20へ、ある幅を持った入射角で入射する。レーザー光は、界面20で入射角と同じ角度で反射されるため、反射光も一定の範囲の反射角をもつ光束となる。この光束は、シリンドリカルレンズ13cによって平行光に変換され、受光器6の受光面に配列された複数の受光素子のうち、反射光の角度に対応する受光素子で検出される。
本実施形態では、受光素子の位置はレーザー光の入射角に対応しており、受光素子のうち反射光強度が低くなる受光素子の位置が共鳴角と対応している。図10に示すように、受光量の低下した素子の位置の変化を検知することで、正確に共鳴角を検知することができる。これは、力が印加されることによって共鳴角が変化すると、共鳴角と一致する反射角をもつ光が変化するためである。共鳴角は、すなわち力の大きさと相関しているので、本実施形態の構成により、力の大きさを正確に検知できる精度の高い光学式力センサを構成することができる。
本実施形態の光学式力センサ90においては、初期設定、すなわち力を加えていない状態において、受光強度がほぼ0となる受光素子が、配列した複数の受光器の中央となるように、光源5、光学系(ビームエキスパンダー12、シリンドリカルレンズ13a、13b、13c)、受光器6の位置を調整することが好ましい。このように設定することにより、計測が可能な力の大きさの範囲を最大にできる。
以上のように、本実施形態では、受力層4が力を受けると、実施形態1と同様、受力層4に屈折率変化が生じて、表面プラズモン共鳴角が変化する。これは受光強度が相対的に低い受光素子の位置が変わることを意味する。その位置の変化に基づいて、力を検知することが可能である。具体的には、位置の変化の方向によって力の方向が検出でき、位置の変化量によって力の大きさを検出できる。このように、本実施形態によれば、光源5および受光器6を移動させることなく、高速かつ正確に力を検知することが可能になる。
更に、複数の受光素子が1次元状に配列された受光器6と光導波路2との距離を変化させることにより、分解能および感度を調整することができる。すなわち、受光器6を光導波路2から遠ざけることによって分解能を向上することができ、光導波路2に近づけることによって受光量を高くすることができる。このように、本実施形態の光学式力センサは、測定の自由度が高いという効果も有する。
また、本実施形態では、金属層3で反射し、光導波路2を通過した光を、再度シリンドリカルレンズ13cで平行光にして、受光器6に導入する。このシリンドリカルレンズ13cの光導波路2からの位置によって共鳴角の角度検出の分解能を調整することができる。シリンドリカルレンズ13cを光導波路2に近い位置に配置すると、光束の直径が小さい状態で平行光になる。このため、共鳴角の分解能を向上するために、受光器6として微細な素子構造が必要となるが、受光器6を含む装置全体を小型化できるという利点がある。一方、シリンドリカルレンズ13cを光導波路2から離れた位置に配置すると、反射光束の幅が広くなる。このため、比較的大型の受光素子でも高い分解能を得ることができる一方で、全体構成が大型になるという課題がある。このため、目標とする力センサの角度に対する分解能や、全体サイズの要求スペックに応じてシリンドリカルレンズ13cの位置や受光素子のサイズを決定すればよい。
以上のように、ある角度範囲をもつレーザー光を用い、複数の受光素子が配列した受光器6を用いることにより、高速かつ高精度に、かつ力の向きを検知可能な光学式力センサを提供することが可能となる。
以上の説明では、受力層4に対して一様な力が加えられる場合を想定したが、例えば図11に示すように、光導波路2を分割し、複数の光源および複数の受光器を配置するようにすれば、X方向における力の位置と、大きさを検知することが可能である。この構成では、複数の光源と受光器が必要になるため、素子が大型化するという課題があるが、要求スペックによっては、コストと性能とを勘案してこのような構成を選択することも可能である。
なお、図9に示す構成において、光源5と、ビームエキスパンダー12と、シリンドリカルレンズ13a、13bとは、一体化された光源として構成されていてもよい。そのような光源は、出射した光ビームを集束して界面20に一定の入射角範囲で入射させる光学系を有していれば、どのように構成されていてもよい。また、本実施形態においては、受光量が最小になる受光素子の位置の変化に基づいて力を検出するが、基準とする受光素子は、受光量が最小のものである必要はない。言い換えれば、受力層4に外力が加えられる前に特定の強度の光を受けた受光素子の位置と、外力が加えられた後に同強度の光を受けた受光素子の位置との差異に基づいて外力を検出してもよい。
(応用例)
以上の各実施形態における光学式力センサは、力を検出する種々の用途に応用することができる。例えば、図3に示すように、受力層4に流体が流れるように構成すれば、流体用圧力センサとして利用することができる。また、受力層4の上部にスクリーンを設ければ、タッチパネルとして利用することができる。さらに、受力層4が音波を受けるように構成すれば、音響センサとして利用することができる。
本発明による光学式力センサは、例えばタッチパネルなどの入力インタフェース、力を測るフォースセンサ、液体や気体の圧力を計測する圧力計、音響マイクロフォン、超音波受波器に用いることができる。特に、配線が少ないことや、電磁ノイズに強いという特徴を生かした特殊環境(MRI環境など)に適している。
1 光学式力センサ
2 光導波路
3 金属層
4 受力層
5 光源
6 受光器
7 レーザー光
8 光源駆動回路
9 検出回路
10 シール材
11 流路
12 ビームエキスパンダー
13、13a、13b、13c シリンドリカルレンズ
14 屈折率計測部
14A パターン画像
14B カメラ
14C 移動ステージ
15 画像処理部
16 制御部
18 計測部
20 光導波路と金属層との界面
21 光駆動回路
22 検出回路
23a、23b 移動ステージ
50 シリカ乾燥ゲル
55 空隙
80 光学式力センサ
90 光学式力センサ
110 シリカ粒子
111 空洞部
112 くびれ部

Claims (17)

  1. 表面プラズモン共鳴を利用して外力を検出するための光学式力センサであって、
    透光性の第1の多孔体からなる光導波路と、
    前記光導波路の1つの面側に設けられた金属層と、
    前記金属層の前記光導波路がある側とは反対側の面に設けられた、前記第1の多孔体よりも屈折率の低い第2の多孔体からなる受力層と、
    前記光導波路および前記金属層の界面で全反射が生じるように光ビームを前記界面に向けて出射することができる光源と、
    前記界面からの反射光を検出するための受光器と、
    を備える光学式力センサ。
  2. 前記受光器の出力に基づいて、前記受力層に加えられた外力を検出する力検出部をさらに備えている、請求項1に記載の光学式力センサ。
  3. 前記受力層に外力が加えられたときに前記光導波路に生じる屈折率の変化を計測するための屈折率計測部をさらに備えている、請求項1に記載の光学式力センサ。
  4. 前記受光器の出力に基づいて、前記受力層に加えられた外力を検出する力検出部をさらに備え、
    前記力検出部は、前記受光器の出力および前記光導波路の屈折率の変化量に基づいて、前記受力層に加えられた外力を検出する、請求項3に記載の光学式力センサ。
  5. 前記屈折率計測部は、
    前記光導波路の、前記界面およびその反対側の面とは異なる1つの側面に配置された被写体と、
    前記光導波路を挟んで前記被写体と対向するように配置された撮像装置と、
    前記被写体と前記撮像装置との距離を調整するための移動部と、
    前記撮像装置によって取得される画像のフォーカスが合うように調整された前記被写体と前記撮像装置との距離に基づいて、前記受力層に外力が加えられたときに前記光導波路に生じる屈折率の変化を計測する計測部と、
    を有している、請求項3または4に記載の光学式力センサ。
  6. 前記屈折率計測部は、
    前記光導波路の、前記界面およびその反対側の面とは異なる1つの側面に配置された第1の被写体と、
    前記光導波路を挟んで前記第1の被写体と対向するように配置された第1の撮像装置と、
    前記光導波路の前記1つの側面とは異なる他の側面に配置された第2の被写体と、
    前記光導波路を挟んで前記第2の被写体と対向するように配置された第2の撮像装置と、
    前記第1の撮像装置および前記第2の撮像装置の出力に基づいて、前記光導波路における屈折率が変化した位置と前記屈折率の変化量を計測する計測部と、
    を有している、請求項3または4に記載の光学式力センサ。
  7. 前記光源は、前記金属層の法線と前記光ビームの進行方向を示す線とがなす角が臨界角以上となるように、前記光ビームを出射することによって、前記光導波路および前記金属層の界面で全反射を生じさせる、請求項1から6のいずれかに記載の光学式力センサ。
  8. 前記力検出部は、前記受力層に外力が加えられる前後の前記受光器の出力の変化に基づいて、前記外力を検出する、請求項2または4に記載の光学式力センサ。
  9. 前記光源は、出射した前記光ビームを集束して前記界面に一定の入射角範囲で入射させる光学系を有し、
    前記受光器は、受光面に配列された複数の受光素子を有し、
    前記力検出部は、前記受力層に外力が加えられる前に特定の強度の光を受ける受光素子の位置と、前記受力層に外力が加えられた後に前記特定の強度の光を受ける受光素子の位置との差異に基づいて、前記外力を検出する、請求項2または4に記載の光学式力センサ。
  10. 前記光源は、出射した前記光ビームを一定の幅をもつ光束にして前記界面に特定の入射角で入射させる光学系を有し、
    前記受光器は、受光面に配列された複数の受光素子を有し、
    前記力検出部は、前記受力層に外力が加えられる前後で出力が変化した受光素子の位置に基づいて、前記外力が加えられた前記受力層における位置を特定する、請求項2または4に記載の光学式力センサ。
  11. 前記受光器は、受光面に配列された複数の受光素子を有している、請求項1から8のいずれかに記載の光学式力センサ。
  12. 前記第1の多孔体および前記第2の多孔体は、無機酸化物または有機高分子の乾燥ゲルである、請求項1から11のいずれかに記載の光学式力センサ。
  13. 前記第1の多孔体および前記第2の多孔体は、シリカ乾燥ゲルである、請求項12に記載の光学式力センサ。
  14. 前記乾燥ゲルの固体骨格部は疎水化されている、請求項12または13に記載の光学式力センサ。
  15. 前記第2の多孔体の屈折率変化率は、1.0×10-9Pa-1以上である、請求項1から14のいずれかに記載の光学式力センサ。
  16. 前記第1の多孔体の屈折率変化率は、前記第2の多孔体の屈折率変化率よりも小さい、請求項1から15のいずれかに記載の光学式力センサ。
  17. 前記光導波路は、各々が前記金属層に接して設けられた前記第1の多孔体からなる複数の透光性部材によって構成されている、請求項1から16のいずれかに記載の光学式力センサ
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