JP2013119899A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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剛 青柳
Hideki Fujisawa
英樹 藤澤
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Abstract

【課題】軸方向の寸法増大を抑えながら、乾式クラッチからの摩耗粉を外部に排出する外気排出穴から密閉空間内への水浸入を防止すること。
【解決手段】ハイブリッド駆動力伝達装置において、密閉空間内に配置され、駆動力の伝達を断接する乾式多板クラッチ7は、ドライブプレート71と、ドリブンプレート72と、摩擦フェーシング73と、フロントカバー60と、カエリプレート68と、を備える。ドライブプレート71は、クラッチハブ3にスプライン結合される。ドリブンプレート72は、クラッチドラム6にスプライン結合される。フロントカバー60は、密閉空間内に外気を取り込む外気吸入穴66と、密閉空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴67と、を有する。カエリプレート68は、フロントカバー60の外気排出穴67に設けられ、外気排出穴67の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げるカエリ部67bを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両駆動系に適用され、駆動力の伝達を断接する乾式クラッチが密閉空間内に配置された駆動力伝達装置に関する。
従来、ハイブリッド駆動力伝達装置としては、エンジンとモータ&クラッチユニットと変速機ユニットとが連結接続されたものが知られている。このうちモータ&クラッチユニットは、電動モータの内側に乾式多板クラッチを配置している。すなわち、エンジンの出力軸に連結したクラッチハブと、電動モータのロータが固定されると共に変速機の入力軸に連結したクラッチドラムと、クラッチハブとクラッチドラムの間に介装した乾式多板クラッチと、を備えている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−151313号公報
しかしながら、従来のハイブリッド駆動力伝達装置にあっては、ユニットハウジングにより覆われ、シール部材により密閉されたドライ空間に乾式多板クラッチが収納されている。このため、クラッチ締結とクラッチ開放を繰り返すことで生じる摩擦フェーシングからの摩耗粉による引き摺りを防止するため、密閉されたドライ空間から摩耗粉を排出しなければならない。このとき、乾式多板クラッチのカバー部材に穴を設けることが考えられるが、ダンパー室に水が浸入した場合には、ダンパー回転によって巻き上げられた水がカバー部材に設けられた穴からクラッチ室内に浸入するという問題が生じる。かといって、穴を完全に覆ってしまうと摩耗粉を排出することができない。
摩耗粉を排出しつつ、水の浸入を防ぐように穴を覆うスプラッシュガードを設けることも考えられるが、排出流路の形成が必要であり、排出機能を損なわないためには流路抵抗の低減が必要となる。そのため、スプラッシュガードを追加した分、軸方向寸法が増大してしまい、ダンパー等の部品が密集しているスペースにレイアウトすることは困難であり適用できない、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、軸方向の寸法増大を抑えながら、乾式クラッチからの摩耗粉を外部に排出する外気排出穴から密閉空間内への水浸入を防止することができる駆動力伝達装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、駆動力の伝達を断接する乾式クラッチが密閉空間内に配置された駆動力伝達装置において、
前記乾式クラッチは、第1クラッチプレートと、第2クラッチプレートと、摩擦フェーシングと、カバー部材と、カエリと、を備える手段とした。
前記第1クラッチプレートは、クラッチハブにスプライン結合される。
前記第2クラッチプレートは、クラッチドラムにスプライン結合される。
前記摩擦フェーシングは、前記第1クラッチプレートと前記第2クラッチプレートのうち一方のプレートに設けられ、クラッチ締結時に摩擦面が他方のプレート面に圧接する。
前記カバー部材は、前記密閉空間内に外気を取り込む外気吸入穴と、前記密閉空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴と、を有する。
前記カエリは、前記カバー部材の前記外気排出穴に設けられ、前記外気排出穴の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げる。
上記のように、乾式クラッチの側面に配置されたカバー部材に、密閉空間内に外気を取り込む外気吸入穴と、密閉空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴と、を有する。そして、カバー部材の外気排出穴は、外気排出穴の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げたカエリを持たせた構成とされる。
このため、カバー部材からの突出量は、カエリによる立ち上げ高さ分だけとなり、例えば、外気吸入穴と外気排出穴の全体を覆うスプラッシュガードを追加する場合に比べ、軸方向の寸法増大が抑えられる。
そして、外部からの水が、カバー部材に設けられた外気排出穴から乾式クラッチが配置された密閉空間内に浸入しようとしても、カエリにより外気排出穴から密閉空間内へ水が浸入するのが防止される。
この結果、軸方向の寸法増大を抑えながら、乾式クラッチからの摩耗粉を外部に排出する外気排出穴から密閉空間内への水浸入を防止することができる。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置(駆動力伝達装置の一例)を示す全体概略図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの構成を示す要部断面図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのピストン組立体を示す分解斜視図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのドライブプレートを示す正面図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのドリブンプレートを示すA−A線断面図(a)と正面図(b)である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリプレートが設けられたフロントカバーを示すエンジン側から視た側面図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリプレートが設けられたフロントカバーを示す拡大斜視図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリプレートが設けられたフロントカバーを示す拡大断面図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリプレートのカエリ必要範囲を示す概念図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における摩耗粉排出作用を示す作用説明図である。 実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置におけるカエリプレートによる水浸入防止作用を示す作用説明図である。 上方から落下してくる水に対する水浸入防止作用を示す作用説明図である。 ダンパー回転方向に沿って飛散する水に対する水浸入防止作用を示す作用説明図である。 実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリ部が設けられたフロントカバーを示す拡大斜視図である。 実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリ部が設けられたフロントカバーを示す拡大断面図である。
以下、本発明の駆動力伝達装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置の構成を、「全体構成」、「モータ&クラッチユニットの構成」、「乾式多板クラッチの構成」、「気流効果による摩耗粉排出構成」に分けて説明する。
[全体構成]
図1は、実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置(駆動力伝達装置の一例)を示す全体概略図である。以下、図1に基づき装置の全体構成を説明する。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置は、図1に示すように、エンジンEngと、モータ&クラッチユニットM/Cと、変速機ユニットT/Mと、エンジン出力軸1と、クラッチハブ軸2と、クラッチハブ3と、クラッチドラム軸4と、変速機入力軸5と、クラッチドラム6と、乾式多板クラッチ7(乾式クラッチ)と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を備えている。なお、乾式多板クラッチ7の締結・開放を油圧制御するスレーブシリンダー8は、一般に「CSC(Concentric Slave Cylinderの略)」と呼ばれる。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置は、ノーマルオープンである乾式多板クラッチ7を開放したとき、モータ/ジェネレータ9と変速機入力軸5を、クラッチドラム6とクラッチドラム軸4を介して連結する。これにより、モータ/ジェネレータ9を駆動源とする「電気自動車走行モード」とする。そして、乾式多板クラッチ7を油圧締結したとき、エンジンEngとモータ/ジェネレータ9と変速機入力軸5を、乾式多板クラッチ7を介して連結する。これにより、エンジンEngとモータ/ジェネレータ9を駆動源とする「ハイブリッド車走行モード」とする。なお、エンジン出力軸1とクラッチハブ軸2は、ダンパー21を介して連結される。
前記モータ&クラッチユニットM/Cは、乾式多板クラッチ7と、スレーブシリンダー8と、モータ/ジェネレータ9と、を有する。乾式多板クラッチ7は、エンジンEngに連結接続され、エンジンEngからの駆動力伝達を断接する。スレーブシリンダー8は、乾式多板クラッチ7の締結・開放を油圧制御する。モータ/ジェネレータ9は、乾式多板クラッチ7のクラッチドラム6の外周位置に配置され、変速機入力軸5との間で動力の伝達をする。このモータ&クラッチユニットM/Cには、スレーブシリンダー8への第1クラッチ圧油路85を有するシリンダーハウジング81が、O−リング10によりシール性を保ちながら設けられている。
前記モータ/ジェネレータ9は、同期型交流電動機であり、クラッチドラム6と一体に設けたロータ支持フレーム91と、ロータ支持フレーム91に支持固定され、永久磁石が埋め込まれたロータ92と、を有する。そして、ロータ92にエアギャップ93を介して配置され、シリンダーハウジング81に固定されたステータ94と、ステータ94に巻き付けられたステータコイル95と、を有する。なお、シリンダーハウジング81には、冷却水を流通させるウォータジャケット96が形成されている。
前記変速機ユニットT/Mは、モータ&クラッチユニットM/Cに連結接続され、変速機ハウジング41と、Vベルト式無段変速機機構42と、オイルポンプO/Pと、を有する。Vベルト式無段変速機機構42は、変速機ハウジング41に内蔵され、2つのプーリ間にVベルトを掛け渡し、ベルト接触径を変化させることにより無段階の変速比を得る。オイルポンプO/Pは、必要部位への油圧を作る油圧源であり、オイルポンプ圧を元圧とし、プーリ室への変速油圧やクラッチ・ブレーキ油圧、等を調圧する図外のコントロールバルブからの油圧を必要部位へ導く。この変速機ユニットT/Mには、さらに前後進切換機構43と、オイルタンク44と、エンドプレート45と、が設けられている。エンドプレート45は、第2クラッチ圧油路47(図2)を有する。
前記オイルポンプO/Pは、変速機入力軸5の回転駆動トルクを、チェーン駆動機構を介して伝達することでポンプ駆動する。チェーン駆動機構は、変速機入力軸5の回転駆動に伴って回転する駆動側スプロケット51と、ポンプ軸57を回転駆動させる被動側スプロケット52と、両スプロケット51,52に掛け渡されたチェーン53と、を有する。駆動側スプロケット51は、変速機入力軸5とエンドプレート45との間に介装され、変速機ハウジング41に固定されたステータシャフト54に対し、ブッシュ55を介して回転可能に支持されている。そして、変速機入力軸5にスプライン嵌合すると共に、駆動側スプロケット51に対して爪嵌合する第1アダプタ56を介し、変速機入力軸5からの回転駆動トルクを伝達する。
[モータ&クラッチユニットの構成]
図2は、実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置におけるモータ&クラッチユニットの構成を示す要部断面図であり、図3は、実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのピストン組立体を示す分解斜視図である。以下、図2及び図3に基づき、モータ&クラッチユニットM/Cの構成を説明する。
前記クラッチハブ3は、エンジンEngのエンジン出力軸1に連結される。このクラッチハブ3には、図2に示すように、乾式多板クラッチ7のドライブプレート71(第1クラッチプレート)がスプライン結合により保持される。
前記クラッチドラム6は、変速機ユニットT/Mの変速機入力軸5に連結される。このクラッチドラム6には、図2に示すように、乾式多板クラッチ7のドリブンプレート72(第2クラッチプレート)がスプライン結合により保持される。
前記乾式多板クラッチ7は、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に、両面に摩擦フェーシング73,73を貼り付けたドライブプレート71と、ドリブンプレート72と、を交互に複数枚配列することで介装される。つまり、乾式多板クラッチ7を締結することで、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間でトルク伝達可能とし、乾式多板クラッチ7を開放することで、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間でのトルク伝達を遮断する。
前記スレーブシリンダー8は、乾式多板クラッチ7の締結・開放を制御する油圧アクチュエータであり、変速機ユニットT/M側とクラッチドラム6の間の位置に配置される。このスレーブシリンダー8は、図2に示すように、シリンダーハウジング81のシリンダー孔80に摺動可能に設けたピストン82と、シリンダーハウジング81に形成し、変速機ユニットT/Mにより作り出したクラッチ圧を導く第1クラッチ圧油路85と、第1クラッチ圧油路85に連通するシリンダー油室86と、を有する。ピストン82と乾式多板クラッチ7との間には、図2に示すように、ニードルベアリング87と、ピストンアーム83と、リターンスプリング84と、アーム圧入プレート88と、が介装されている。
前記ピストンアーム83は、スレーブシリンダー8からの押圧力により乾式多板クラッチ7の押し付け力を発生させるもので、クラッチドラム6に形成した貫通孔61に摺動可能に設けている。リターンスプリング84は、ピストンアーム83とクラッチドラム6の間に介装されている。ニードルベアリング87は、ピストン82とピストンアーム83との間に介装され、ピストン82がピストンアーム83の回転に伴って連れ回るのを抑えている。アーム圧入プレート88は、蛇腹弾性支持部材89,89と一体に設けられ、蛇腹弾性支持部材89,89の内周部と外周部がクラッチドラム6に圧入固定されている。このアーム圧入プレート88と蛇腹弾性支持部材89,89により、ピストンアーム83側からのリーク油が乾式多板クラッチ7へ流れ込むのを遮断する。つまり、クラッチドラム6のピストンアーム取り付け位置に密封固定されたアーム圧入プレート88及び蛇腹弾性支持部材89により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間と、乾式多板クラッチ7を配置したドライ空間を分ける仕切り機能を持たせている。
前記ピストンアーム83は、図3に示すように、リング状に形成したアームボディ83aと、該アームボディ83aから4箇所で突設させたアーム突条83bと、によって構成されている。
前記リターンスプリング84は、図3に示すように、リング状に形成したスプリング支持プレート84aと、該スプリング支持プレート84aに固定した複数個のコイルスプリング84bと、により構成されている。
前記アーム圧入プレート88は、図2に示すように、ピストンアーム83のアーム突条83bに圧入固定される。そして、図3に示すように、アーム圧入プレート88の内側と外側に蛇腹弾性支持部材89,89を一体に有する。
実施例1のリーク油回収油路は、図2に示すように、第1ベアリング12と、第1シール部材31と、リーク油路32と、第1回収油路33と、第2回収油路34と、を備えている。すなわち、ピストン82の摺動部からのリーク油を、第1シール部材31により密封された第1回収油路33及び第2回収油路34を経過し、変速機ユニットT/Mに戻す回路である。これに加えて、ピストンアーム83の摺動部からのリーク油を、仕切り弾性部材(アーム圧入プレート88、蛇腹弾性支持部材89,89)により密封されたリーク油路32と、第1シール部材31により密封された第1回収油路33及び第2回収油路34を経過し、変速機ユニットT/Mに戻す回路である。
実施例1のベアリング潤滑油路は、図2に示すように、ニードルベアリング20と、第2シール部材14と、第1軸心油路19と、第2軸心油路18と、潤滑油路16と、隙間17と、を備えている。このベアリング潤滑油路は、変速機ユニットT/Mからのベアリング潤滑油を、ニードルベアリング20と、シリンダーハウジング81に対しクラッチドラム6を回転可能に支持する第1ベアリング12と、ピストン82とピストンアーム83との間に介装されたニードルベアリング87と、を通過し、変速機ユニットT/Mへ戻す経路によりベアリング潤滑を行う。
前記第2シール部材14は、図2に示すように、クラッチハブ3とクラッチドラム6の間に介装している。この第2シール部材14により、スレーブシリンダー8を配置したウェット空間から、乾式多板クラッチ7を配置したドライ空間へとベアリング潤滑油が流れ込むのをシールしている。
[乾式多板クラッチの構成]
図4及び図5は、乾式多板クラッチ7の各構成部材を示す図である。以下、図2及び図4及び図5に基づき、乾式多板クラッチ7の構成を説明する。
前記乾式多板クラッチ7は、エンジンEngからの駆動力の伝達を断接するクラッチであり、図2に示すように、クラッチハブ軸2とクラッチハブ3とクラッチカバー6とフロントカバー60により囲まれた密閉空間によるクラッチ室64内に配置されている。そして、乾式多板クラッチ7の構成部材として、ドライブプレート71(第1クラッチプレート)と、ドリブンプレート72(第2クラッチプレート)と、摩擦フェーシング73と、フロントカバー60(カバー部材)と、を備える。
前記ドライブプレート71は、クラッチハブ3にスプライン結合され、クラッチハブ3とのスプライン結合部に、軸方向に流れる気流を通す通気穴74を有する。このドライブプレート71は、図4に示すように、クラッチハブ3のスプライン部に噛み合うスプライン歯のうち、内径側に突出するスプライン歯突部75の位置であり、かつ、摩擦フェーシング73に形成されたフェーシング溝76の内側位置に、通気穴74を有する。そして、ドライブプレート71は、図2に示すように、複数枚(実施例1では4枚)の通気穴74が軸方向に連通する設定としている。
前記ドリブンプレート72は、クラッチドラム6にスプライン結合され、クラッチドラム6とのスプライン結合部に、軸方向に流れる気流を通す通気隙間77を有する。この通気隙間77は、図5に示すように、外径側に突出するスプライン歯突部の中央位置に凹部78を形成し、クラッチドラム6のスプライン歯と結合させたときに開口する隙間空間により設定している。
前記摩擦フェーシング73は、ドライブプレート71の両面に設けられ、クラッチ締結時に摩擦面がドリブンプレート72のプレート面に圧接する。この摩擦フェーシング73は、図4に示すように、環状のプレート部材であり、内径位置から外径位置に向かう径方向の放射直線にて形成されたフェーシング溝76を有する。このフェーシング溝76は、フェーシング摩耗がある程度進行しても凹溝形状を保つ深さを持たせている。
前記フロントカバー60は、クラッチドラム軸4に対し第1ベアリング12により支持された静止部材のシリンダーハウジング81に対して一体に固定され、モータ/ジェネレータ9と乾式多板クラッチ7を覆う。つまり、フロントカバー60は、クラッチハブ軸2に対し第2ベアリング13により支持されると共に、カバーシール15により密封された静止部材である。このフロントカバー60及びシリンダーハウジング81を覆うことにより形成される内部空間のうち、クラッチ回転軸CL(=ロータ軸)側空間を、乾式多板クラッチ7を収容するクラッチ室64とし、クラッチ室64の外側空間を、モータ/ジェネレータ9を収容するモータ室65とする。そして、ダストシール部材62により分割されるクラッチ室64とモータ室65は、油が入り込むのを遮断したドライ空間である。
[気流効果による摩耗粉排出構成]
図6〜図9は、フロントカバー60に設けられたカエリプレート68を示す図である。以下、図2及び図4〜図9に基づき、乾式多板クラッチ7からの気流効果による摩耗粉排出構成を説明する。
前記乾式多板クラッチ7からの気流効果による摩耗粉排出構成としては、図2及び図4〜図9に示すように、通気穴74と、通気隙間77と、フェーシング溝76と、外気吸入穴66と、外気排出穴67と、カエリプレート68と、を有する。
前記通気穴74は、ドライブプレート71とクラッチハブ3とのスプライン結合部に形成され、軸方向に流れる気流を通す(図4)。
前記通気隙間77は、ドリブンプレート72とクラッチドラム6とのスプライン結合部に形成され、軸方向に流れる気流を通す(図5)。
前記フェーシング溝76は、摩擦フェーシング73の内径位置から外径位置に向かう径方向の放射直線にて形成され、径方向に流れる気流を通す(図4)。
前記外気吸入穴66は、密閉空間によるクラッチ室64内に外気を取り込む穴で、図2に示すように、乾式多板クラッチ7の側面に配置されたフロントカバー60のうち、両クラッチプレート71,72の内径側に軸方向に貫通して設けられる。具体的な外気吸入穴66の径方向設定位置は、軸方向に流れる気流を通す通気穴74を設定した乾式多板クラッチ7の径方向位置に合わせている。そして、外気吸入穴66は、図6及び図7に示すように、2個の円形穴によるもので、フロントカバー60の車両冠水時における水面位置WLより上方に設けている。
前記外気排出穴67は、密閉空間によるクラッチ室64内からの気流を外気へ排出する穴で、図2に示すように、乾式多板クラッチ7の側面に配置されたフロントカバー60のうち、両クラッチプレート71,72の外径側に軸方向に貫通して設けられる。具体的な外気排出穴67の径方向設定位置は、軸方向に流れる気流を通す通気隙間77を設定した乾式多板クラッチ7の径方向位置に合わせている。そして、外気排出穴67は、図6及び図7に示すように、2個の円形穴によるもので、外気吸入穴66より外側であって、フロントカバー60の車両冠水時における水面位置WLより上方に設けている。
前記カエリプレート68は、図2に示すように、フロントカバー60の2つの外気排出穴67の位置に設けられ、クラッチ室64内への水浸入を防止するため、2つの外気排出穴67の開口端67aの周囲を外気排出方向に向かって立ち上げるプレート部材である。このカエリプレート68は、図6及び図7に示すように、扇形のプレート材をプレス成形し、2つの外気排出穴67に対応する位置を打ち抜きにより開口させると共に、打ち抜き開口部の全周囲を傾斜面により立ち上げてカエリ部68a(カエリ)を形成したものとしている。そして、別体にてプレス成形したカエリプレート68を、フロントカバー60に溶接等により固定することで構成されている。
前記カエリプレート68によるカエリ部68aの詳細構成は、下記の通りとしている。
(a) カエリ部68aの高さαは、2mm程度に設定する(図8)。
すなわち、カエリプレート68の外側位置には、エンジンEngからの駆動力変動を減衰するダンパー21(図1参照)が配置される。このため、少なくともカエリプレート68とダンパー21との干渉を避けるようにカエリ部68aの高さαを設定している。
(b) カエリ部68aの角度βは、30°以上に設定する(図8)。
すなわち、カエリ部68aは外気排出穴67への浸入しようとする水に対して防波堤の役目をするものである。このため、水浸入に対する防波堤の役目を果たすようにカエリ部68aの角度βを設定している。
(c) カエリ部68aの円周上範囲は、全周とする(図9)。
すなわち、ダンパー21が巻き上げる水の方向(ダンパー回転方向)に対して水浸入を防止する必要があると共に、巻き上げられた水がフロントカバー60を伝わって上側から落ちてくる水に対して水浸入を防止する必要がある。このため、カエリ必要範囲は、少なくとも図9のハッチングに示す円周上範囲(270°範囲)であるが、確実な水浸入の防止を狙ってカエリ部68aの円周上範囲を全周(360°範囲)としている。
次に、作用を説明する。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における作用を、「スレーブシリンダーによるクラッチ締結/開放作用」、「気流効果による摩耗粉排出作用」、「カエリプレートによる水浸入防止作用」に分けて説明する。
[スレーブシリンダーによるクラッチ締結/開放作用]
以下、図2を用いてスレーブシリンダー8により乾式多板クラッチ7を締結・開放するクラッチ締結/開放作用を説明する。
スレーブシリンダー8による乾式多板クラッチ7を締結するときには、変速機ユニットT/Mにて作り出したクラッチ油圧を、シリンダーハウジング81に形成した第1クラッチ圧油路85を経過してシリンダー油室86に供給する。これにより、油圧と受圧面積を掛け合わせた油圧力がピストン82に作用し、ピストンアーム83とクラッチドラム6の間に介装されたリターンスプリング84による付勢力に抗して、ピストン82を図2の右方向にストロークさせる。そして、油圧力と付勢力の差による締結力は、ピストン82→ニードルベアリング87→ピストンアーム83→アーム圧入プレート88へと伝達され、ドライブプレート71とドリブンプレート72を押し付け、乾式多板クラッチ7が締結される。
締結状態の乾式多板クラッチ7を開放するときは、シリンダー油室86に供給されている作動油を、クラッチ圧油路85を経過して変速機ユニットT/Mへ抜き、ピストン82に作用する油圧力を低下させると、リターンスプリング84による付勢力が油圧力を上回り、一体に構成されたピストンアーム83とアーム圧入プレート88を図2の左方向にストロークさせる。これによりアーム圧入プレート88へ伝達されていた締結力が解除され、乾式多板クラッチ7が開放される。
[気流効果による摩耗粉排出作用]
上記のように、乾式多板クラッチ7の締結と開放が繰り返されると、摩擦フェーシング材の表面が剥離して脱落し、これが摩耗粉となって両クラッチプレート71,72間に堆積するため、この摩耗粉を外部に排出することが必要である。以下、図10に基づき、これを反映する気流効果による摩耗粉排出作用を説明する。
クラッチハブ3とクラッチドラム6のうち、少なくとも一方が、クラッチ回転軸CLを中心とする回転すると、摩擦フェーシング73にフェーシング溝76を有するため、両面に摩擦フェーシング73を有するクラッチハブ3を翼とする遠心ファン効果が生じる。
この遠心ファン効果により、図10に示すように、クラッチハブ3側のB領域からクラッチドラム6側のC領域へ径方向に空気が送られ、クラッチドラム6側の気圧が高まり(正圧)、クラッチハブ3側の気圧が低下する(負圧)。この気圧差により、クラッチハブ3側からクラッチドラム6側へと径方向に空気が移動する径方向気流Eが発生する。すなわち、乾式多板クラッチ7の内径側の圧力は大気圧より低下し(負圧)、乾式多板クラッチ7の外径側の圧力は大気圧より上昇し(正圧)、「クラッチ外径側の気圧>大気圧>クラッチ内径側の気圧」という圧力関係を示す。
この径方向気流Eの発生により、大気圧である外気と、負圧であるクラッチ内径側と、の間で気圧差を生じる。したがって、図10に示すように、外気吸入穴66から取り込まれる外気が、各通気穴74を経過し、気圧が低下しているクラッチハブ3側に流れ込む内径側軸方向気流Fが発生する。
さらに、ドリブンプレート72のスプライン結合部は、プレート移動を確保するために隙間余裕を持つことで通気抵抗が低い。加えて、ドリブンプレート72とクラッチドラム6とのスプライン結合部には、軸方向に流れる気流を通す通気隙間77を有するため、通気抵抗はさらに低くなる。そして、径方向気流Eの発生により、正圧であるクラッチ外径側と、大気圧である外気と、の間で気圧差を生じる。したがって、図10に示すように、内径側軸方向から径方向に向きを変えてクラッチドラム6側に流れ込んできた気流を、スプライン結合部の通気隙間77から外気排出穴67を経過して外気へ排出する外径側軸方向気流Gが発生する。
この気流発生作用により、図10の矢印に示すように、外気→外気吸入穴66→クラッチ内径側軸方向隙間(通気穴74等)→クラッチ径方向隙間(フェーシング溝76等)→クラッチ外径側軸方向隙間(通気隙間77等)→外気排出穴67→外気へと繋がった流線を描く気流の流れ(F→E→G)が生成される。ここで、図10には、最もピストン側となる径方向気流Eだけを記載しているが、各フェーシング溝76を有する箇所で複数の径方向気流Eが生じる。このため、クラッチ断接の繰り返しにより摩擦フェーシング73の表面から剥がれた摩耗粉が、この気流の流れ(F→E→G)に乗って移動し、外部に排出される。
[カエリプレートによる水浸入防止作用]
上記のように、フロントカバー60に外気吸入穴66と外気排出穴67を設けたことに伴いクラッチ室64への水浸入対策を検討しなければならない。このうち、外気吸入穴66については、その開口端が外気排出穴67の開口端より軸方向内側位置にあるため、外気吸入穴66への水浸入の可能性が低い。しかし、外気排出穴67に関しては、水浸入防止対策を施す必要がある。以下、これを反映するカエリプレート68による水浸入防止作用を説明する。
乾式多板クラッチ7の側面に配置されたフロントカバー60には、密閉空間であるクラッチ室64内に外気を取り込む外気吸入穴66と、クラッチ室64内からの気流を外気へ排出する外気排出穴67と、を有する。そして、フロントカバー60の外気排出穴67には、カエリプレート68が設けられ、外気排出穴67の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げたカエリ部68aを持たせた構成とされる。
このため、フロントカバー60からの突出量は、図2に示すように、カエリ部68aによる立ち上げ高さ分だけとなり、例えば、外気吸入穴と外気排出穴の全体を覆うスプラッシュガードを追加する場合に比べ、軸方向の寸法増大が抑えられる。
そして、ダンパー21が配置されたダンパー室内に入り込んできた水が、外気排出穴67からクラッチ室64内に浸入しようとしても、カエリプレート68のカエリ部68aにより外気排出穴67からクラッチ室64内へ水が浸入するのが防止される。ここで、外気排出穴67への水浸入経路としては、冠水による第1パターンと、上方から水が落ちる第2パターンと、巻き上げ水による第3パターンと、がある。以下、各パターンでの水浸入防止作用を説明する。
・第1パターンでの水浸入防止作用
車両冠水時には、ダンパー21が配置されたダンパー室の水位が、図11の水面位置WLの位置までになる。これに対し、外気吸入穴66と外気排出穴67の設定位置は、図11に示すように、フロントカバー60の車両冠水時における水面位置WLより予め上方位置としている。したがって、車両冠水時にダンパー21が配置されたダンパー室の水位が上昇しても、外気吸入穴66や外気排出穴67への水浸入が防止される。
・第2パターンでの水浸入防止作用
ダンパー室内に水が溜まり、溜まった水がダンパー21の回転により、外気排出穴67より高い位置まで水が巻き上げられると、図11の矢印Hに示すように、巻き上げられた水が上方から落下してくる。この落下水は、図12に示すように、フロントカバー60を伝わってカエリプレート68に到達し、その後、カエリプレート68のカエリ部68aによって外気排出穴67の開口端67aから離れるように飛散しながら落下する。つまり、カエリ部68aは、上方からカエリプレート68へ落下してきた水を、外気排出穴67の開口端67aから引き離すという落下水案内機能を発揮する。したがって、ダンパー21の回転により巻き上げられた水が上方からカエリプレート68へ落下してきても、外気排出穴67からクラッチ室64内へ水が浸入するのが防止される。
・第3パターンでの水浸入防止作用
ダンパー室内に水が溜まり、溜まった水がダンパー21の回転により巻き上げられると、図11の矢印Iに示すように、ダンパー21の回転力と遠心力の影響を受けながら斜め外向きに飛散する。この巻き上げ飛散水は、図13に示すように、カエリプレート68に対しダンパー回転方向から向かってきて当たるが、カエリプレート68のカエリ部68aによって外気排出穴67の開口端67aから離れるように方向が変えられる。つまり、カエリ部68aは、ダンパー回転方向からカエリプレート68へ向かってきた飛散水を、外気排出穴67の開口端67aから引き離すという巻き上げ水案内機能を発揮する。したがって、ダンパー21の回転により巻き上げられた飛散水がカエリプレート68へ向かってきても、外気排出穴67からクラッチ室64内へ水が浸入するのが防止される。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動力の伝達を断接する乾式クラッチ(乾式多板クラッチ7)が密閉空間(クラッチ室64)内に配置された駆動力伝達装置において、
前記乾式クラッチ(乾式多板クラッチ7)は、
クラッチハブ3にスプライン結合される第1クラッチプレート(ドライブプレート71)と、
クラッチドラム6にスプライン結合される第2クラッチプレート(ドリブンプレート72)と、
前記第1クラッチプレート(ドライブプレート71)と前記第2クラッチプレート(ドリブンプレート72)のうち一方のプレートに設けられ、クラッチ締結時に摩擦面が他方のプレート面に圧接する摩擦フェーシング73と、
前記密閉空間(クラッチ室64)内に外気を取り込む外気吸入穴66と、前記密閉空間(クラッチ室64)内からの気流を外気へ排出する外気排出穴67と、を有するカバー部材(フロントカバー60)と、
前記カバー部材(フロントカバー60)の前記外気排出穴67に設けられ、前記外気排出穴67の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げるカエリ(カエリ部68a)と、
を備える。
このため、軸方向の寸法増大を抑えながら、乾式クラッチ(乾式多板クラッチ7)からの摩耗粉を外部に排出する外気排出穴67から密閉空間(クラッチ室64)内への水浸入を防止することができる。
実施例2は、フロントカバー60に外気排出穴67をプレス成形加工により開口する際のプレス成形ダレを利用してカエリを設けた例である。
まず、構成を説明する。
図14及び図15は、実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置における乾式多板クラッチのカエリ部が設けられたフロントカバーを示す拡大斜視図及び拡大断面図である。以下、図14及び図15に基づき、実施例2のカエリ構成を説明する。
実施例2のフロントカバー60(カバー部材)は、密閉空間(クラッチ室64)内からの気流を外気へ排出する外気排出穴67を、内側からの打ち抜きプレス成形により形成するものとしている。そして、図14及び図15に示すように、打ち抜きプレス成形により外気排出穴67の開口端部に隆起して生成される成形ダレをカエリ部67bとしている。
前記カエリ部67bの詳細構成は、実施例1と同様としている。
(a) カエリ部67bの高さαは、2mm程度に設定する(図15)。
(b) カエリ部67bの角度βは、30°以上に設定する(図15)。
(c) カエリ部67bの円周上範囲は、全周とする(図9参照)。
なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、対応する構成に同一符号を付して説明を省略する。また、作用についても、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
次に、効果を説明する。
実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置にあっては、上記(1)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(2) 前記カバー部材(フロントカバー60)は、密閉空間(クラッチ室64)内からの気流を外気へ排出する外気排出穴67を、内側からの打ち抜きプレス成形により形成するものであり、
前記カエリ(カエリ部67b)は、前記打ち抜きプレス成形により前記外気排出穴67の開口端部に隆起して生成される成形ダレである。
このため、実施例1のカエリプレート68を廃止することができ、部品点数及びコストの削減と、組み立て作業性の向上を図ることができる。
以上、本発明の駆動力伝達装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2では、乾式クラッチとして、乾式多板クラッチを用いた例を示したが、単板乾式クラッチ等を用いた例であっても良い。
実施例1,2では、ノーマルオープンによる乾式クラッチの例を示した。しかし、ダイアフラムスプリング等を用いたノーマルクローズによる乾式クラッチの例としても良い。
実施例1,2では、ドライブプレート71をクラッチハブ3にスプライン結合し、ドリブンプレート72をクラッチドラム6にスプライン結合する例を示した。しかし、ドライブプレートをクラッチドラムにスプライン結合し、ドリブンプレートをクラッチハブにスプライン結合するような例としても良い。
実施例1,2では、ドライブプレート71に摩擦フェーシング73を有する例を示した。しかし、ドリブンプレートに摩擦フェーシングを有する例としても良い。
実施例1,2では、乾式多板クラッチ7内で気流通路を確保するため、通気穴74や通気隙間77やフェーシング溝76、等を設定する例を示した。しかし、通気穴74や通気隙間77が無くとも、スプライン結合部に有する嵌合隙間が軸方向の気流通路になるし、プレート間隙間が径方向の気流通路になる。このため、必ずしも通気穴74や通気隙間77やフェーシング溝76、等の設定を要しない。
実施例1では、カエリとして、カエリ部68aを有するカエリプレート68による例を示した。実施例2では、カエリとして、外気排出穴67の成形ダレによるカエリ部67bの例を示した。しかし、カエリとしては、外気排出穴の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げる構成を有するものであれば、具体的な構成は、実施例1,2の構成に限られない。また、実施例1,2では、外気排出穴67のみにカエリを設けた例を示したが、外気吸入穴66からの水浸入対策が必要な構成の場合、外気吸入穴66と外気排出穴67にカエリを設けるような例としても良い。
実施例1,2では、エンジンとモータ/ジェネレータを搭載し、乾式多板クラッチを走行モード遷移クラッチとするハイブリッド駆動力伝達装置への適用例を示した。しかし、エンジン車のように、駆動源としてエンジンのみを搭載し、乾式クラッチを発進クラッチとするエンジン駆動力伝達装置に対しても適用することができる。さらに、電気自動車や燃料電池車、等のように、駆動源としてモータ/ジェネレータのみを搭載し、乾式クラッチを発進クラッチとするモータ駆動力伝達装置に対しても適用することができる。
Eng エンジン
3 クラッチハブ
6 クラッチドラム
21 ダンパー
60 フロントカバー(カバー部材)
64 クラッチ室(密閉空間)
66 外気吸入穴
67 外気排出穴
67a 開口端
67b カエリ部(カエリ)
68 カエリプレート
68a カエリ部(カエリ)
9 モータ/ジェネレータ(モータ)
7 乾式多板クラッチ(乾式クラッチ)
71 ドライブプレート(第1クラッチプレート)
72 ドリブンプレート(第2クラッチプレート)
73 摩擦フェーシング
E 径方向気流
F 内径側軸方向気流
G 外径側軸方向気流

Claims (2)

  1. 駆動力の伝達を断接する乾式クラッチが密閉空間内に配置された駆動力伝達装置において、
    前記乾式クラッチは、
    クラッチハブにスプライン結合される第1クラッチプレートと、
    クラッチドラムにスプライン結合される第2クラッチプレートと、
    前記第1クラッチプレートと前記第2クラッチプレートのうち一方のプレートに設けられ、クラッチ締結時に摩擦面が他方のプレート面に圧接する摩擦フェーシングと、
    前記密閉空間内に外気を取り込む外気吸入穴と、前記密閉空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴と、を有するカバー部材と、
    前記カバー部材の前記外気排出穴に設けられ、前記外気排出穴の周囲を外気排出方向に向かって立ち上げるカエリと、
    を備えることを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載された駆動力伝達装置において、
    前記カバー部材は、密閉空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴を、内側からの打ち抜きプレス成形により形成するものであり、
    前記カエリは、前記打ち抜きプレス成形により前記外気排出穴の開口端部に隆起して生成される成形ダレである
    ことを特徴とする駆動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015034033A1 (ja) 2013-09-09 2015-03-12 株式会社エクセディ クラッチ用摩擦材

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