JP5707874B2 - 駆動力伝達装置 - Google Patents
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Description
前記インナープレートは、前記第1軸と第2軸のうち一方の軸に設けたクラッチハブにスプライン嵌合され、前記クラッチハブとのスプライン嵌合部領域に、気流入口側である外部側から内部側へ向かって軸方向に連通する内周流入路を有する。
前記アウタープレートは、前記第1軸と第2軸のうち他方の軸に設けたクラッチドラムにスプライン嵌合され、前記クラッチドラムとのスプライン嵌合部領域に、内部側から気流出口側である外部側へ向かって軸方向に連通する外周流出路を有する。
前記複数の摩擦フェーシングは、前記インナープレートと前記アウタープレートの対向するプレート面のうち一方のプレート面に設けられ、内周側から外周側へ向かって径方向に連通するクラッチ溝を有する。
前記カバー部材は、前記インナープレートと前記アウタープレートの気流出入口側を覆って配置され、前記閉鎖空間内に外気を取り込む外気導入穴と前記閉鎖空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴を有する。
前記クラッチ溝は、前記外気導入穴から外気を取り込み前記外気排出穴から気流を外気へ排出する気流の流れが生成され、摩擦フェーシングから分離した摩耗粉が外部に排出されるときの気流出入口側である外部側に配置される摩擦フェーシングに有する溝の溝断面積合計より、内部側に配置される摩擦フェーシングに有する溝の溝断面積合計が大きくなるように設定した。
このように摩擦フェーシングから分離した摩耗粉が外部に排出されるときの気流出入口側である外部側から内部側までのクラッチ溝の溝断面積合計を全て同じにすると、流路抵抗が低い外部側は大流量が確保されるものの、内部側では外部側より流路抵抗が高くなり内部に向かうほど小流量になってしまうという流量分担になる。これに対し、クラッチ溝の溝断面積合計を、外部側より内部側を大きく設定することにより、内部側に向かうほど径方向気流に与える流路抵抗が小さく抑えられると共に、遠心力が作用する空気が増加するため、流量分担の平準化が図られる。この流量分担の平準化作用により、内部側に滞留する摩耗粉の排出が確保されるし、気流の流量(流速)が増加することで、摩耗粉の排出機能が高められる。
この結果、摩擦フェーシングを介して圧接するプレート間に滞留する摩耗粉による引き摺りを抑え、多板乾式クラッチが締結/開放不良になるのを防止することができる。
図1は、実施例1の前輪駆動車に適用されるハイブリッド駆動力伝達装置(駆動力伝達装置の一例)を示す全体概略図である。以下、図1に基づき装置の全体構成を説明する。
このとき、実施例1では、第1プレート71-1の溝数を12本とし、第2プレート71-2の溝数を18本とし、第3プレート71-3の溝数を24本とし、第4プレート71-4の溝数を36本としている。つまり、第1プレート71-1から第4プレート71-4までの溝数を、内部側(CVT側)に向かうほど増加させた溝数設定にする。そして、互いに隣接する内部側クラッチと外部側クラッチのクラッチ溝76の溝数の差は、36本−24本=12本、24本−18本=6本、18本−12本=6本というように、内部側クラッチが内側であるほど大きくなるように設定している。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における作用を、「スレーブシリンダーによるクラッチ締結/開放作用」、「多板乾式クラッチの摩耗粉排出作用」、「流量分担の平準化作用」に分けて説明する。
以下、図2を用いてスレーブシリンダー8により多板乾式クラッチ7を締結・開放するクラッチ締結/開放作用を説明する。
図9は、実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置における多板乾式クラッチ7からの摩耗粉排出作用を示す。以下、図9に基づき、多板乾式クラッチ7の摩耗粉排出作用を説明する。
上記多板乾式クラッチ7の摩耗粉排出作用においては、クラッチ溝76(プレート隙間)を径方向に流れる径方向気流Eの流線は、プレート枚数に応じて複数描かれる。しかし、内周流入路74,74…や外周流出路77,77…での空気の流動を考えると、気流出入口側である外部側(ENG側)ほど流路抵抗が小さく、内部側(CVT側)に向かうほど流路抵抗が大きくなる。
実施例1のハイブリッド駆動力伝達装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記多板乾式クラッチ7は、
前記第1軸(エンジン出力軸1)と第2軸(変速機入力軸5)のうち一方の軸に設けたクラッチハブ3にスプライン嵌合され、前記クラッチハブ3とのスプライン嵌合部領域に、気流入口側である外部側から内部側へ向かって軸方向に連通する内周流入路74,74…を有するインナープレート71と、
前記第1軸(エンジン出力軸1)と第2軸(変速機入力軸5)のうち他方の軸に設けたクラッチドラム6にスプライン嵌合され、前記クラッチドラム6とのスプライン嵌合部領域に、内部側から気流出口側である外部側へ向かって軸方向に連通する外周流出路77,77…を有するアウタープレート72と、
前記インナープレート71と前記アウタープレート72の対向するプレート面のうち一方のプレート面に設けられ、内周側から外周側へ向かって径方向に連通するクラッチ溝76を有する複数の摩擦フェーシング73と、
前記インナープレート71と前記アウタープレート72の気流出入口側を覆って配置され、前記閉鎖空間(クラッチ室64)内に外気を取り込む外気導入穴66と前記閉鎖空間(クラッチ室64)内からの気流を外気へ排出する外気排出穴67を有するカバー部材(ハウジングカバー60)と、を備え(図2)、
前記クラッチ溝76は、気流出入口側である外部側に配置される摩擦フェーシング73に有する溝の溝断面積合計より、内部側に配置される摩擦フェーシング73に有する溝の溝断面積合計が大きくなるように設定した(図8)。
このため、摩擦フェーシング73を介して圧接するプレート71,72間に滞留する摩耗粉による引き摺りを抑え、多板乾式クラッチ7が締結/開放不良になるのを防止することができる。
このため、上記(1)の効果に加え、内周流入路74,74…および外周流出路77,77…における内部側と外部側での流速のばらつきをより小さくすることで、流量分担のより一層の平準化を図ることができる。
前記クラッチ溝76は、気流出入口側である外部側に配置される摩擦フェーシング73に有する溝数より、内部側に配置される摩擦フェーシング73に有する溝数を多く設定した(図8)。
このため、上記(1)〜(3)の効果に加え、同じ断面形状のクラッチ溝76の溝数を異ならせるという製造的・コスト的に有利な設定手法により、外部側に有するクラッチ溝76の溝断面積合計と、内部側に有するクラッチ溝76の溝断面積合計と、に所望の差を与えることができる。
このため、上記(1)〜(3)の効果に加え、摩耗分に遠心力が作用せず、かつ、遠心ファン効果が得られるモードにより、効率的な摩耗粉排出作用を得ることができる。
図12は、実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置における多板乾式クラッチの要部を示し、図13は、実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置における多板乾式クラッチの背面板を有するアウタープレートを示す。以下、図12及び図13インナープレートを示す 実施例2の背面板79は、図12に示すように、多板乾式クラッチ7の最も内部側に配置されるアウタープレート72の背面位置に、内周側から外周側へ向かう径方向に立設される。詳しくは、図13に示すように、アウタープレート72の背面位置のうち、4箇所で突設させたアーム突条83bおよびアーム圧入プレート88を避けた位置に、径方向に複数枚(例えば、24枚)立設される。そして、実施例2の場合、アーム圧入プレート88は、図3に示すように、全周にわたってアーム突条83bに圧入されるプレートではなく、4箇所で突設させたアーム突条83bのみに圧入させるプレートに変更している。なお、他の構成については、実施例1と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
実施例2では、アウタープレート72が回転することで、最も内部側に配置されたアウタープレート72の背面に対して内部側(CVT側)に立設された背面板79の近傍の空気に対し、遠心力による空気流動が発生する。この空気流動により、閉鎖空間であるクラッチ室64内の最内部側空間の圧力が、最内部側空間に隣接する外周流出路77,77…の圧力よりも高くなるので、図12の径方向気流E’に示すように、最内部側空間から外周流出路77,77…に向かって空気流動が発生する。
したがって、最内部側(最CVT側)に滞留する摩耗粉を含め、内部側(CVT側)に滞留する摩耗粉の排出を確保できる。また、流量分担の平準化により、全体的に気流の流量(流速)が増加することで、摩耗粉の排出機能を実施例1より高めることができる。
なお、他の作用は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
実施例2のハイブリッド駆動力伝達装置にあっては、実施例1の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
このため、最内部側(最CVT側)に滞留する摩耗粉を含め、内部側(CVT側)に滞留する摩耗粉の排出を確保することができる。
図15は、実施例3の多板乾式クラッチにおいてクラッチ溝の溝数をステップ的に変更した4枚のインナープレートを示す。以下、図15に基づいて、クラッチ溝の溝数設定を説明する。
複数枚のインナープレート71を、図15に示すように、外部側(ENG側)から内部側(CVT側)に向かって第1プレート71-1、第2プレート71-2、第3プレート71-3、第4プレート71-4という。このとき、実施例3では、第1プレート71-1〜第3プレート71-3に有するクラッチ溝76の溝数を0本とし、第4プレート71-4に有するクラッチ溝76の溝数を48本としている。つまり、第1プレート71-1から第3プレート71-3までの溝ゼロに対し、第4プレート71-4に有するクラッチ溝76の溝数をステップ的に増加させた溝数設定としている。
なお、他の構成は、実施例1,2と同様であるので、図示並びに説明を省略する。
実施例3の流量分担の平準化作用は、基本的に、実施例1,2で述べた流量分担の平準化作用と同様である。しかし、実施例3では、インナープレート71-1からインナープレート71-3までの溝ゼロに対し、インナープレート71-4に有するクラッチ溝76の溝数をステップ的に増加させた溝数設定としたことで、高水準で流量分担の平準化を図ることができた。
なお、他の作用は、実施例1,2と同様であるので、説明を省略する。
3 クラッチハブ
5 変速機入力軸(第2軸)
6 クラッチドラム
60 ハウジングカバー(カバー部材)
64 クラッチ室(閉鎖空間)
66 外気導入穴
67 外気排出穴
7 多板乾式クラッチ
71 インナープレート
72 アウタープレート
73 摩擦フェーシング
74 通気穴
74,74… 内周流入路
76 クラッチ溝
77 通気開口
77,77…外周流出路
79 背面板
E 径方向気流
F 内周側軸方向気流
G 外周側軸方向気流
Claims (5)
- 第1軸と第2軸の間で駆動力の伝達を断接する多板乾式クラッチが閉鎖空間内に配置された駆動力伝達装置において、
前記多板乾式クラッチは、
前記第1軸と第2軸のうち一方の軸に設けたクラッチハブにスプライン嵌合され、前記クラッチハブとのスプライン嵌合部領域に、気流入口側である外部側から内部側へ向かって軸方向に連通する内周流入路を有するインナープレートと、
前記第1軸と第2軸のうち他方の軸に設けたクラッチドラムにスプライン嵌合され、前記クラッチドラムとのスプライン嵌合部領域に、内部側から気流出口側である外部側へ向かって軸方向に連通する外周流出路を有するアウタープレートと、
前記インナープレートと前記アウタープレートの対向するプレート面のうち一方のプレート面に設けられ、内周側から外周側へ向かって径方向に連通するクラッチ溝を有する複数の摩擦フェーシングと、
前記インナープレートと前記アウタープレートの気流出入口側を覆って配置され、前記閉鎖空間内に外気を取り込む外気導入穴と前記閉鎖空間内からの気流を外気へ排出する外気排出穴を有するカバー部材と、を備え、
前記クラッチ溝は、前記外気導入穴から外気を取り込み前記外気排出穴から気流を外気へ排出する気流の流れが生成され、摩擦フェーシングから分離した摩耗粉が外部に排出されるときの気流出入口側である外部側に配置される摩擦フェーシングに有する溝の溝断面積合計より、内部側に配置される摩擦フェーシングに有する溝の溝断面積合計が大きくなるように設定した
ことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1に記載された駆動力伝達装置において、
前記クラッチ溝は、互いに隣接する内部側クラッチと外部側クラッチに有する溝の溝断面積合計の差を、内部側クラッチが内側であるほど大きくなるように設定した
ことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1または請求項2に記載された駆動力伝達装置において、
前記複数の摩擦フェーシングは、それぞれに有するクラッチ溝の溝断面積を同一断面積とし、
前記クラッチ溝は、気流出入口側である外部側に配置される摩擦フェーシングに有する溝数より、内部側に配置される摩擦フェーシングに有する溝数を多く設定した
ことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された駆動力伝達装置において、
前記多板乾式クラッチは、最も内部側に配置されるプレートの背面位置に、内周側から外周側へ向かう径方向の背面板を立設した
ことを特徴とする駆動力伝達装置。 - 請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された駆動力伝達装置において、
前記多板乾式クラッチは、前記インナープレートのプレート面に前記クラッチ溝を有する摩擦フェーシングを設け、クラッチ開放状態であって、前記アウタープレートが静止状態のとき、前記インナープレートを回転させる
ことを特徴とする駆動力伝達装置。
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