JP2013117827A - 温度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】供給される流体の温度変動を高精度に安定化させて送出する温度制御装置を提供する。
【解決手段】温度制御装置は、第一の温度計11a、タンク12、ヒータ13、第二の温度計11b、第一の温度計11aで検知される温度に基づいてヒータ13の加熱量を計算するフィードフォワード制御部22、および、第二の温度計11bで検知される温度に基づいてヒータ13の加熱量を計算するフィードバック制御部21を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は流体の温度変動を安定させる温度制御装置に関する。
近年、半導体露光装置や超精密加工装置はナノメートルオーダーの位置決め精度あるいは加工精度が要求されており、それに伴って装置の温度安定性も±0.001℃まで求められるようになってきている。
装置の温度を一定に安定させるためには、恒温チャンバを用意して、温度が一定に管理された空気を循環させることが一般的に行われている。しかしながら、空気は液体に比べて熱伝導率や熱容量が小さいため、装置内部の発熱源を冷却する能力は低い。したがって、発熱源から十分に除熱するためには、空気に比べて熱伝導率や熱容量が大きい液体(熱媒体)を装置内に循環させて冷却を行うのが一般的である。一方、液体を循環させて熱交換能力を向上させるということは、逆に言うと液体の温度変動に装置が敏感に反応するため、大きな外乱として働く。このような理由から、循環流体を±0.001℃で安定させる技術が望まれていた。
従来から実施されている一般的な流体の温度制御装置を図4を用いて説明する。不図示のポンプで供給される流体を、所定の容積を持ったタンク12に通過させる。この際に流体はタンク12内部で対流するため攪拌のような作用が生じて、短い周期の温度変動が平均化されて安定する。一方、タンク12では周期が長いゆっくりした温度変動は改善されないため、タンクの後にサイリスタ14と接続されたヒータ13やペルチェ素子(不図示)などの加熱(冷却)手段を設けて、下流側の温度を温度計11で検知しながら、フィードバック演算部21により、加熱量(冷却量)のフィードバック制御を行うことが一般的である。
例えば、単に出口温度と設定温度(基準温度)との偏差による比例動作の制御のみでなく、ヒーター等の熱容量等に伴う残留偏差(または定常偏差)によって出口温度が不安定にならないようにするために、比例動作とともに積分動作が行われるPI動作(比例士積分動作)の制御が行われ、さらに、流量の変動やヒータ流入部への入口温度の変化等の外乱があった場合にも、応答遅れや出湯温度の変化を少なくするために、微分動作を組み合わせたPiD動作(比例+積分十微分動作)によって制御している。(特許文献1、特許文献2)
しかし、上記のフィードバック制御のみでは、加熱(冷却)フィードバック制御の応答性が精度向上を阻害し、精度よく温度をコントロールできない。これはヒータの加熱量をコントロールしても流体が温度変化するのに時間遅れが生じ、制御のゲインを大きくするとハンチングしてしまうからである。なお、温度計が温度を検知する際にも時間遅れが生じるが、温度計素子および保護材の小サイズ化で、ヒータの応答に比べて速い応答を実現できるため問題にはならない。
このように、近年の温度の高精度化が要求されてくると、フィードバック制御のみでは速い温度変動の改善が見込めないことから、タンクの容積を大型化してゆっくりした変動もタンクの平均化効果に期待せざるを得ない。但し、コストやスペースを考えると単純にタンクの容積を大きくして対応するのは好ましくないことは言うまでもない。
このような問題に対して、タンク形状を先細状の円錐状流路管とすると、流れの撹拌作用が効果的に行われ、小容量でもより温度変動を平均化できることが知られている(特許文献3)。
また、ヒータへ流入する温度を検知して、流量と温度に基づいて必要な加熱量を計算するフィードフォワード制御により応答性の良い温度制御が可能である(特許文献4)。特許文献4によれば、ヒータの直前の温度を検知して、ヒータを通過した後に目標温度となるような加熱量を計算してフィードフォワード制御を行う。これにより、フィードバック制御のみのシステムに比較して応答性の高い制御が可能となる。
特開昭61−21240号公報 特開昭63−83546号公報 特許第04059112号公報 特開2008−077165号公報
特許文献3によれば、小さいながらも温度の平均化効果の大きいタンクを実現できるため、タンクの小型化を実現できる。しかしながら、流体の目標温度を変更する場合にタンク内の温度がその温度に倣うまでに長い時間が必要となり、結果的にシステム全体としての応答性は悪化してしまうという問題がある。したがって、加熱(冷却)制御の応答性を向上して、タンクは必要最小限の容量とすることが望ましい。
そのような観点から、特許文献4のようなフィードフォワード制御を導入すれば、従来のフィードバック制御のみの制御に比較して応答性の高い制御が実現でき有効である。しかしながら、ヒータの応答性を考慮すると、早い温度変動には上記フィードフォワード制御が有効に働かないという問題があった。すなわち、ヒータの加熱量を変化させても流体の昇温量に変化が出るまでには時間遅れが避けられず、ヒータ直前で検知した流体の温度を基にヒータの加熱量を決定しても、その結果昇温量に変化が現れる時刻にはこの流体がヒータを通過してしまうこともある。このような理由から、特許文献4のように単純にヒータへ流入する温度を検知するフィードフォワード制御は、ヒータの応答性が制御応答性を決めてしまい、それよりも速く応答させることは原理的に不可能である。
上記のような事情に鑑みて、本発明の目的は、高い温度安定性を実現するため、ヒータ応答性で阻害される制御応答性を改善できる温度制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本出願に係る第1の発明は、最上流に配設された第一の温度計と、前記第一の温度計の下流に配設されたタンクと、前記タンクの下流に配設され流体を加熱するヒータと、前記ヒータの下流に配設された第二の温度計と、前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記ヒータの加熱量を計算するフィードフォワード制御部と、第二の温度計で検知される温度に基づいてヒータの加熱量を計算するフィードバック制御部とを備えることを特徴とする。
上記の構成において、タンクは短い周期の温度変動を平滑化させる作用を有し、第二の温度計に基づくフィードバック制御はゆっくりした温度変動が安定するようにヒータの加熱量をコントロールする作用を有する。さらに、本発明の大きな特徴であるフィードフォワード制御部は、タンクより上流に配置された第一の温度計で検知される温度に基づいてヒータ加熱量を計算する。ヒータ直前で温度を検知してヒータ加熱量を計算するという従来のフィードフォワード制御において、ヒータの応答遅れが速応性を阻害するという問題があったのに対し、本発明はそれを改善できる構成となっている。すなわち、タンクへ流入する温度の影響がタンクを通過してヒータ手前で現れるまでには時間的な遅れが生じることを利用して、ヒータ部の温度を実時間よりも早く予想できるため、流体が到達する前にヒータの加熱量を変更できる。これにより、ヒータの応答遅れを補償して制御性能の向上を実現できる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第2の発明は、第1の発明において、フィードフォワード制御部は、さらに、前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記ヒータへ流入する温度を推定する温度推定手段を有し、この温度推定手段で推定された温度に基づいてヒータの加熱量を計算することを特徴とする。
タンクへ流入する温度変動が、タンクを通過してヒータの流入部で影響が出るには時間差がある。これはタンクを通過するためには所定の時間が必要で、かつタンク内部での対流、攪拌による温度の平均化が行われる為である。さらに、タンクへ流入する温度変動とタンクを通過して出てくる温度変動には、タンクの持つ周波数特性で関係付けられる。
このことを利用して、上記の構成において、温度推定手段は、第一の温度計で検知される温度からヒータへ流入する温度を推定するモデルに基づき、タンク流入温度を検知してヒータ流入部の温度を推定する。流量が一定である場合には、上記の手段でヒータへ流入する推定温度と目標温度の差に所定の係数(ゲイン)を乗じてヒータで加熱すべき量を推定する。これにより、ヒータへ流入する温度を事前に予測できるため、早めにヒータの出力を制御することが可能で、制御の応答性が改善できる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第3の発明は、第1の発明において、(例えば、最上流側に)さらに流量計を備え、フィードフォワード制御部はこの流量計で検知される流量と第一の温度計で検知される温度に基づいてヒータの加熱量を計算することを特徴とする。
流量が変化する場合には、ヒータ加熱量と昇温温度の関係が変化するため、フィードフォワード制御部の適切な演算パラメータが変化してしまう。上記の構成によれば、そのような場合でも、流量変化に応じてフィードフォワード制御部の演算パラメータを最適に設定することができる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第4の発明は、第3の発明において、フィードフォワード制御部は、さらに、流量計で検知される流量と第一の温度計で検知される温度に基づいてヒータへ流入する温度を推定する温度推定手段を有し、前記温度推定手段で推定された温度に基づいてヒータの加熱量を計算することを特徴とする。
流量が変更される場合には、流量に応じて温度推定手段の推定モデルを変更する必要がある。上記の構成において、温度推定手段は流量計で検知される流量に基づいて流量に適当な推定モデルを用いて、流量変更があってもフィードフォワード制御が有効に機能する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第5の発明は、第2〜第4のいずれかの発明において、温度推定手段が1次遅れ要素とムダ時間要素の結合モデルを用いて温度を推定することを特徴とする。
温度推定手段は、タンクに流入する温度と、タンクを通過してヒータ部へ流入する温度との伝達特性を基に推定するのが適当である。上記構成において、タンクは速い温度変動が減衰するような特性を持つため、1次遅れ要素で、そして流体がヒータ部へ到達するまでの時間差をムダ時間要素で推定する。
上記目的を達成するため、本出願に係る第6の発明は、第1〜第5のいずれかの発明において、さらに、第二の温度計の下流に第二のタンクを具備することを特徴とする。
加熱されたヒータを通過する際に流体は昇温するが、ヒータの加熱量が一定であっても、脈動のように流量が変動する場合は、それに伴って昇温量も変動してしまう。この変動が十分にゆっくりであれば、フィードバック制御が改善できるが、フィードバック制御で改善できないほど速い変動の場合には最終的な温度変動となる。このような場合、上記の構成によれば、先の通りヒータで温度が変動しても、その後にタンクを通過させることでフィードバック制御では改善できない温度変動も改善することができる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第7の発明は、第1〜第6のいずれかの発明において、さらに、第二のタンクの下流に第三の温度計を備え、フィードバック制御部は、第三の温度計で検知される温度をマスターループ制御系の制御量とし、第二の温度で検知される温度をスレーブループ制御系の制御量としてヒータ加熱量を決定するカスケード制御を行うことを特徴とする。
一般的に、タンク周辺の温度が変動すると、タンクを通過する流体の温度にも影響する。したがって、第二のタンクを通過した後では周辺の温度外乱を排除できないが、上記の構成によれば、タンク後の第三の温度計が目標値となるようにカスケード制御を行うため、タンク周辺の温度外乱の影響を補償することが可能となる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第8の発明は、第1〜第7のいずれかの発明において、加熱手段のヒータの代わりに加熱冷却手段としてペルチェ素子を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、温度制御の加熱手段としてのヒータの変わりに、その他の構成はまったく同じで、加熱冷却手段のペルチェ素子を利用できる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第9の発明は、第1〜第8のいずれかの発明において、第一および/または第二のタンクの代わりに蓄熱体を用いることを特徴とする。
上記の構成によれば、温度平均化効果を持つタンクの変わりに蓄熱体を利用することができる。
上記目的を達成するため、本出願に係る第10の発明は、最上流に配設された、供給する流量を検知する流量計と、前記流量計の下流に配設された第一の温度計と、前記第一の温度計の下流に配設されたタンクと、前記タンクの下流に配設され流体を加熱するヒータと、前記ヒータの下流に配設された第二の温度計と、前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記タンクの温度伝達特性を計算するとともに、流量計に基づいて制御量をコントロールし、さらにヒータの逆特性を計算するフィードフォワード制御部と、第二の温度計で検知される温度に基づいてヒータの加熱量を計算するフィードバック制御部とを備えることを特徴とする。
上記のように構成された本発明の温度制御装置によれば、加熱制御するヒータ部の温度変動を実時間よりも前に推定できて、ヒータの応答遅れを補償するフィードフォワード制御ができるため、応答性の良い温度制御が可能となる。
また、フィードフォワード制御部に予め推定したヒータの動的特性の逆特性を用いた場合には、短い周期の温度変動を平滑化させるタンクを設け、タンク内部を通過する時間遅れを利用することにより、タンク温度応答の計算を実時間よりも前に推定できて、更にヒータの応答遅れを補償するフィードフォワード制御ができるため、応答性の良い温度制御が可能となる。
本発明の第一の実施形態に係る温度制御装置を説明する図である。 本発明の第二の実施形態に係る温度制御装置を説明する図である。 本発明の第三の実施形態に係る温度制御装置を説明する図である。 従来の温度制御装置を説明する図である。
本発明の第一の実施形態による温度制御装置の例を、図1を用いて説明する。本説明では流量が一定の場合を例に説明し、流量が変化する場合の好適な実施形態は後で述べる。
図1は左側から右側に向かって流体が通過する様子を示しており、この流体は不図示のポンプによって圧送されている。温度制御装置は最上流に温度計11aを配設し、以下順に、タンク12、ヒータ13、温度計11bを配設する。さらに、ヒータはサイリスタ14と接続され、フィードバック制御部21とフィードフォワード制御部22で計算された指令に基づいて加熱量を増減できるようになっている。
温度計11a、11bは、流れの抗力で損傷しない強度が確保される上で、寸法が小さい、つまり、熱容量が小さいことが好ましく、温度検知の応答が速く制御の応答を劣化させない。
一般的に、タンク12は通過する際に、流入する温度変動のうち短い周期の温度変動は平均化されて安定し、反対にゆっくりした温度変動に関しては平均化の効果が働かない。一方、ヒータ13による加熱制御は、一般にヒータの応答性が遅い為、ゆっくりした温度変動を安定させることは可能であるが、速い温度変動を改善させることは難しい。そのため上記のタンク12と併用することにより、各々の好ましい特性を活かして温度変動を安定化させることが可能となる。
フィードバック制御部21は、下流側の温度計11bで検知される温度が制御目標温度(SP値)に一致するようにヒータの加熱量を計算するフィードバック制御を行う。具体的なフィードバック演算はすでに公知となっている多くの演算を用いることが可能であり、例えば、ごく一般的な比例(P)積分(I)微分(D)演算によるPID制御を用いても良い。
フィードフォワード制御部22は、温度計11aで検知される温度に基づいてヒータが加熱すべき量を計算する。理論的に、ヒータで加熱すべき加熱量は、以下の式で計算できる。
Figure 2013117827
ここで、P(W):ヒータ加熱量、K:ゲイン(W/℃)、SP:目標温度(℃)、Tin:ヒータへ流入する温度(℃)であり、ゲインは、以下のように計算される。
Figure 2013117827
ここで、ρ:流体密度(kg/m3)、C:流体比熱(J/(kg・K))、q:体積流量(m3/s)である。
上記で説明したシステムにおいてヒータへ流入する温度は検知していないので、式1ではヒータの加熱量は求められない。それを解決するため、本発明においては、上流側の温度計11aで検知される温度を基に、温度推定手段で所定の推定モデルにしたがってヒータへ流入する温度を推定し、その推定温度を基にヒータで加熱すべき量を決定する。
温度計11aで検知された温度を有する流体は、その後にタンク12を通過してヒータ部へ流入する。つまり、温度計11aで検知する温度の影響は時間遅れを持ってヒータ流入部に現れ、このことから温度計11aの検知温度を基にヒータへ流入する温度を事前に予測することが可能となる。
タンクの形状や大きさ又は流量などの物理条件や推定したい精度によって温度推定手段で用いるべき推定モデルは変わるが、例えば、タンクを通過する前後の温度変動の関係を簡単にモデル化すれば、1次遅れ要素とムダ時間要素の結合が適当である。
Figure 2013117827
ここで、G(s):温度推定モデル、s:ラプラス演算子、τ:時定数(sec)、L:ムダ時間(sec)である。
上記の1次遅れ要素とムダ時間要素の結合モデルでは、時定数とムダ時間の二つのパラメータがある。温度推定するのに最適なパラメータは事前にタンクの前後温度の関係を計測しておけばおおよそ特定できる。
フィードフォワード部のゲインKは式2に示したとおり、流量に比例して大きくする必要があるため、検知される流量を基にゲインを決定する。
更に、ヒータの過渡応答を補償するためにヒータの逆特性を計算し、ヒータへの指令とする。ヒータの応答も一次遅れ要素でモデル化が可能であり、その逆特性は次式で表すことが出来る。
Figure 2013117827
ここで、Gp(s):ヒータ推定モデル、s:ラプラス演算子、τp:時定数(sec)である。
但し、最適なパラメータでフィードフォワード制御を行うには、時定数、ムダ時間ともに若干小さく設定する方が好ましく、実際には手動による微調整が必要となる。その理由は、ヒータの加熱量を変化させても、伝熱して流体の温度が変化するまでに時間遅れがあるためである。但し、ヒータの応答が十分に速い場合や、フィードフォワード制御が必ずしも最適である必要がない場合にはこの限りではない。
フィードフォワード制御におけるゲインは式2で計算できるが、流体の物性値や流量の確からしさを考えると、計算で得られたゲインが最適である保証は無く、最終的には手動による微調整を行うことが好ましい。
以上のように、フィードフォワード制御を行うと、ヒータの応答遅れを加熱制御するヒータ部の温度変動を実時間よりも前に推定して、応答性の高い制御を行うことが可能となる。また、流量計を設けて、検知される流量に基づいてフィードフォワード制御部の制御パラメータを決定することで、流量が変更されるようなシステムにおいても常にフィードフォワード制御が有効に動作させることが出来る。なお、フィードフォワード制御だけでは補償できない最終温度は、既述のフィードバック制御により補償され、全体として高精度な温度制御が可能となる。
本発明の第二の実施形態による温度制御装置の例を、図2を用いて説明する。ここではシステムの流量を変更する場合を想定しているが、構成や内容は既述の第一の実施形態と同じ部分が多い為、重複する部分の説明は割愛する。
図2は左側から右側に向かって流体が通過する様子を示しており、この流体は不図示のポンプによって圧送されている。温度制御装置は最上量に流量計15を配設し、以下順に、第一の温度計11a、タンク12、ヒータ13、第二の温度計11bを配設する。さらに、ヒータはサイリスタ14と接続され、フィードバック制御部21とフィードフォワード制御部22で計算された指令に基づいて加熱量を増減できるようになっている。
供給される流体の流量が変更されると、フィードフォワード制御部において以下のような対応が必要となる。
第一に、温度推定手段で推定モデルの変更が必要である。既述の通り、推定モデルの一例として1次遅れ要素とムダ時間要素の結合モデルが考えられるが、このモデルが持つ時定数とムダ時間の二つの最適パラメータは流量により変化する。したがって、予め最適パラメータと流量の関係を記憶しておき、流量計で検知される流量に基づいてパラメータを決定する。
第二に、フィードフォワード部のゲインの変更が必要である。フィードフォワード部のゲインは式2に示したとおり、流量に比例して大きくする必要があるため、検知される流量を基にゲインを決定する。
以上のように、流量計を設けて、検知される流量に基づいてフィードフォワード制御部の制御パラメータを決定することで、流量が変更されるようなシステムにおいても常にフィードフォワード制御が有効に動作させることが出来る。
次に、本発明の第三の実施形態による温度制御装置の例を図3を用いて説明する。なお、構成や内容が既述の第一又は第二の実施形態と同じものに関しては説明を割愛する。
既述の通り、ヒータは下流の温度計を用いたフィードバック制御により、所定の加熱をして流体を昇温させている。一方、ヒータ加熱量と昇温量の関係は式1および2で示されるように流量によって変化するので、流量が変動すればヒータ通過後の温度が変動してしまう。そうはいっても、流量の変動が十分にゆっくりであれば、フィードバック制御によりヒータの加熱量が適正にコントロールされるため、結果的に温度安定性の劣化は問題にならない。しかし、流量変動がフィードバック制御の応答に比べて速い場合は、ヒータを通過する時に生じる温度変動は結果としてそのまま送出されてしまう。
本実施形態は、上記のように脈動などの流量変動が温度安定性に影響を及ぼす場合を考慮して、温度制御を向上させたシステムである。
図3は左側から右側に向かって流体が通過する様子を示しており、この流体は不図示のポンプによって圧送されている。本温度制御装置は最上流に流量計15を配設し、以下順に、第一の温度計11a、第一のタンク12a、ヒータ13、第二の温度計11b、第二のタンク12b、第三の温度計11cから構成される。さらに、ヒータはサイリスタ14と接続され、フィードバック制御部21とフィードフォワード制御部22で計算された指令に基づいて加熱量を増減できるようになっている。
上記の構成において、流量変動によりヒータ部で生じる温度変動のうち、フィードバック制御では応答しきれないような速い温度変動はその下流に設けたタンク12b内で平均化されて緩和される。ゆっくりした温度変動はフィードバック制御で安定化できるので、フィードバック制御で応答できない短い周期の温度変動を所望の範囲で安定できるようにタンクは十分な容積を持つことが好ましい。
しかしながら、上記のようにフィードバック制御の下流で流体をタンクに通過させる場合、タンク周囲の温度変動の影響を受けやすく、最終温度が目標温度からずれてしまうという問題が生じる。もちろん、タンク周囲は断熱材で覆うなどの対策をすることが好ましいが、それだけでは±0.001℃の安定性を確保するのは困難である。
上記の問題を解決するため、本実施形態では、下流側タンク12bの後の温度計11cで検知される温度が目標温度に一致するようにカスケードフィードバック制御を行う。すなわち、最下流側の温度計11cで検知される温度をマスターループ制御系の制御量として、フィードバック制御用の温度計11bで検知される温度をスレーブループ系の制御量とする。そして、温度計11cの検出温度が目標値に一致するようにスレーブループ制御系の目標値を決定し、温度計11bの検出温度がスレーブループ制御系の目標値に一致するようにヒータ加熱量を決定する。
上記のようなカスケード制御を行えば、スレーブループ系のフィードバック制御の応答性は損なわず、最終温度を補償することが可能となる。
以上説明した本発明の実施形態は、説明のための例示であり、その本質を限定するものではない。たとえば、タンクの代替として蓄熱体を使用したり、サイリスタの代わりに半導体リレー(SSR)を使用したり、ヒータの代わりに、加熱冷却手段であるペルチェ素子を使用しても本発明を実施することは可能である。
11a、11b、11c:温度計
12a、12b:タンク
13:ヒータ
14:サイリスタ
15:流量計
21:フィードバック制御部
22:フィードフォワード制御部

Claims (10)

  1. 最上流に配設された第一の温度計と、前記第一の温度計の下流に配設されたタンクと、前記タンクの下流に配設され流体を加熱するヒータと、前記ヒータの下流に配設された第二の温度計と、前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記ヒータの加熱量を計算するフィードフォワード制御部と、第二の温度計で検知される温度に基づいてヒータの加熱量を計算するフィードバック制御部とを具備することを特徴とする温度制御装置。
  2. 前記フィードフォワード制御部は、さらに、前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記ヒータへ流入する温度を推定する温度推定手段を有し、前記温度推定手段で推定された温度に基づいてヒータの加熱量を計算することを特徴とする、請求項1に記載の温度制御装置。
  3. さらに、流量計を具備し、前記フィードフォワード制御部は前記流量計で検知される流量および前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記ヒータの加熱量を計算することを特徴とする、請求項1に記載の温度制御装置。
  4. 前記フィードフォワード制御部は、前記流量計で検知される流量および前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記ヒータへ流入する温度を推定する温度推定手段を有し、前記温度推定手段で推定された温度に基づいてヒータの加熱量を計算することを特徴とする、請求項3に記載の温度制御装置。
  5. 温度推定手段は、1次遅れ要素とムダ時間要素の結合モデルを用いて温度を推定することを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  6. さらに、前記第二の温度計の下流に第二のタンクを具備することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  7. さらに、前記第二のタンクの下流に第三の温度計を具備し、前記フィードバック制御部は第三の温度計で検知される温度をマスターループ制御系の制御量とし、第二の温度計で検知される温度をスレーブループ制御系の制御量としてヒータ加熱量を決定するカスケード制御を行うことを特徴とする、請求項6に記載の温度制御装置。
  8. 加熱手段のヒータの代わりに、加熱冷却手段としてペルチェ素子を用いることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  9. 第一および/または第二のタンクの代わりに蓄熱体を用いることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の温度制御装置。
  10. 最上流に配設された、供給する流量を検知する流量計と、前記流量計の下流に配設された第一の温度計と、前記第一の温度計の下流に配設されたタンクと、前記タンクの下流に配設され流体を加熱するヒータと、前記ヒータの下流に配設された第二の温度計と、前記第一の温度計で検知される温度に基づいて前記タンクの温度伝達特性を計算するとともに、流量計に基づいて制御量をコントロールし、さらにヒータの逆特性を計算するフィードフォワード制御部と、第二の温度計で検知される温度に基づいてヒータの加熱量を計算するフィードバック制御部とを備えることを特徴とする温度制御装置。
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