JP2013117178A - スクリュー圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スライドバルブ(2)を有するスクリュー圧縮機において、吐出時の圧力損失を小さくする。
【解決手段】スライドバルブ(2)を駆動する駆動部(6)と、駆動部(6)とスライドバルブ(2)とに接続された連結棒(1a)とを備え、連結棒(1a)をスライドバルブ(2)の外側面(4b)から突出するまで偏倚させた状態でスライドバルブ(2)に連結する。
【選択図】図1

Description

本発明は、スライドバルブを用いて運転容量を調整する機構を備えたスクリュー圧縮機に関するものである。
従来より、スライドバルブを用いて運転容量を調整する機構を備えたスクリュー圧縮機が知られている。このスライドバルブは、特許文献1に示すように、スクリューロータを収容するシリンダ室を区画する円筒壁の一部分を該円筒壁とは別体の部品として軸方向へ移動可能としたものである。
図16に示すように、この特許文献1に開示されたスクリュー圧縮機には、圧縮室となる複数の螺旋溝が形成されたスクリューロータ(50)と該スクリューロータ(50)を貫通する回転軸(51)と該回転軸(51)の一端を回転自在に支持するベアリングホルダ(52)とを有する圧縮機構が設けられている。そして、このスクリュー圧縮機は、更に、スライドバルブ(57)と該スライドバルブ(57)を駆動する駆動機構(59)を備えている。
上記スライドバルブ(57)は、図17に示すように、互いに連結体(57c)で接続された弁体部(57a)及びガイド部(57b)を備えている。この弁体部(57a)、連結体(57c)及びガイド部(57b)が一体的にスクリューロータ(50)の軸方向へスライドすることにより、スクリュー圧縮機の運転容量が調整される。この弁体部(57a)とシリンダ室(62)を形成するケーシング(63)に形成され該弁体部(57a)の外側面(60)を支持する隔壁(61)によって、低圧室(S1)と高圧室(S2)が仕切られている。このガイド部(57b)は、上記ベアリングホルダ(52)の外周面に当接してスライドバルブ(57)の軸まわりに弁体部(57a)が回転するのを抑えるためのものである。
上記駆動機構(59)は、上記圧縮機構のベアリングホルダ(52)に固定されたシリンダ(53)と、該シリンダ(53)内に装填されたピストン(54)と、該ピストン(54)から延びるピストンロッド(55)に連結されたアーム(56)と、アーム(56)とスライドバルブ(57)とを連結する連結ロッド(58)とを備えている。
この駆動機構(59)では、上記ピストン(54)の両端面に作用するシリンダ(53)内の圧力を調整することにより、上記ピストン(54)を軸方向へ移動させ、このピストン(54)の移動によってスライドバルブ(57)が軸方向へスライドするように構成されている。
特開2004−316586号公報
ところで、上記連結ロッド(58)は、上述したスクリュー圧縮機のケーシング(63)内に形成された吐出流路(64)に配置されている。この吐出流路(64)は、上記スクリューロータの螺旋溝から吐出された高圧の流体が高圧室(S2)へ向けて流通するためのものであり、この連結ロッドが高圧の流体の流動抵抗となって、上記スクリュー圧縮機における流体吐出時の圧力損失を増大させていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スライドバルブを用いて運転容量を調整するスクリュー圧縮機において、流体吐出時の圧力損失を小さくすることにある。
第1の発明は、流体を圧縮する圧縮室としての螺旋溝(26)が外周面に形成された円柱状のスクリューロータ(21)と、該スクリューロータ(21)を回転自在に収容する筒状のシリンダ壁(12)と、該シリンダ壁(12)の一部を構成し且つ該シリンダ壁(12)の軸方向へ移動可能なスライドバルブ(2)と、該スライドバルブ(2)に形成された吐出開口部(2e)に連通する吐出流路(16b)とを備え、上記スクリューロータ(21)の回転により上記螺旋溝(26)が上記吐出開口部(2e)に連通したときに、上記吐出開口部(2e)を通じて上記螺旋溝(26)の圧縮室で圧縮された流体が上記吐出流路(16b)へ流入するスクリュー圧縮機を前提としている。
そして、上記スクリュー圧縮機において、上記シリンダ壁(12)を有するケーシング(11)に形成されて、上記スライドバルブ(2)を収容する略円筒状の収容部(25)と、
上記収容部(25)内で上記スクリューロータ(21)の外周面(21a)に沿って軸方向へ上記スライドバルブ(2)をスライドさせる駆動力を発生する駆動部(6)と、上記駆動部(6)の駆動力を上記スライドバルブ(2)へ伝達するとともに、上記スクリューロータ(21)の軸方向に沿って延び且つ上記スライドバルブ(2)の外側面(4b)から突出するまで偏倚させた状態で該スライドバルブ(2)に取り付けられた連結棒(1a)とを備えていることを特徴としている。
第1の発明では、上記連結棒(1a)がスライドバルブ(2)の外側面から突出するまで、上記連結棒(1a)を上記スライドバルブ(2)の中心から外側へ向かって偏倚させている。これにより、上記連結棒(1a)の少なくとも一部を上記吐出流路(16b)の外側へ位置するようになる。このことから、この連結棒(1a)が全て吐出流路(16b)内に位置する場合に比べて、上記吐出流路(16b)を通過する流体の吐出圧損を低減できる。
第2の発明は、第1の発明において、上記連結棒(1a)は、上記ケーシング(11)に形成されて上記スクリューロータ(21)の軸方向へ延びる支持面(3)により、該軸方向に摺動自在に支持されていることを特徴としている。これにより、上記連結棒(1a)でスライドバルブ(2)の軸まわりに弁体部(2a)が回転するのを抑止することができる。このため、図17に示すように、ガイド部(57b)及び該ガイド部(57b)を弁体部(57a)に接続する連結体(57c)が不要となる。
第2の発明では、上述したように、上記連結棒(1a)をケーシング(11)の吐出流路(16b)内に形成された支持面(3)で支持することにより、上記連結棒(1a)が軸方向以外の方向へ動くことが規制される。これにより、スライドバルブ(2)の軸まわりに弁体部(2a)が回転するのを抑止することができる。このため、図17に示すように、ガイド部(57b)及び該ガイド部(57b)を弁体部(57a)に接続する連結体(57c)が不要となる。スライドバルブ(57)では、この連結体(57c)が上記吐出流路(16b)に配置されることになるので、この連結体(57c)をなくすことにより、吐出流体の流路面積を拡大することができ、さらに吐出圧損を低減することができる。
又、この連結棒(1a)をケーシング(11)内の支持面(3)に嵌め込むことにより、該連結棒(1a)を上記吐出流路(16b)の外側へ配置することができるようになり、吐出流体の流路面積を拡大することができ、さらに吐出圧損を低減することができる。また連結体が不要となるため、吐出開口部(2e)から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができ、さらに吐出圧損を低減できる。
第3の発明は、第1の発明において、上記シリンダ壁(12)の端部に取り付けられた筒状部材(27)を有し、上記連結棒(1a)には、該連結棒(1a)から延びて上記筒状部材(27)の外周面に当接してスライドバルブ(2)が軸回りに回転するのを抑止するガイド部(2b)が設けられていることを特徴としている。
第3の発明では、上記連結棒(1a)にガイド部(2b)が接続されている。これにより、従来のスライドバルブ(図17を参照)において、弁体部(57a)とガイド部(57b)を接続する連結体(57c)が不要となり、吐出流路(16b)内のガイド部(57b)を小さくすることもできる。この結果、吐出流体の流路面積を拡大することができ、吐出圧損を低減することができる。また連結体が不要となるため、吐出開口部(2e)から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができ、さらに吐出圧損を低減できる。
第4の発明は、第2の発明において、上記連結棒(1a)は、上記スクリューロータ(21)の軸中心線(A1)と上記スライドバルブ(2)の軸中心線(A2)とを含む仮想平面(H)から離れた位置に配置されていることを特徴としている。
第4の発明では、上記連結棒(1a)を上述した仮想平面(H)から離れた位置、例えば上記シリンダ壁(12)の背面(12a)に近い位置に配置されている。このように、上記連結棒(1a)を配置することにより、スライドバルブ(2)の軸まわりに弁体部(2a)が回転するのを抑止することができるため、ガイド部(2b)及び該ガイド部(2b)を弁体部(2a)と接続する連結体(図17の57cを参照)が不要となる。この結果、吐出流体の流路面積を拡大することができ、さらに吐出圧損を低減することができる。さらに連結体が不要であり、連結棒(1a)も吐出開口部の投影面上に配置しなくてよいため、吐出開口部から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができ、さらに吐出圧損を低減できる。
第5の発明は、第4の発明において、上記連結棒(1a)は、上記スライドバルブ(2)を挟んで両側に複数設けられ、該複数の連結棒(1a)は、各々が上記収容部(25)の外側且つ上記シリンダ壁(12)の径方向外側の背面(12a)で支持されていることを特徴としている。
第5の発明では、上記連結棒(1a)が上記吐出開口部(2e)の外側に位置しているので、上記吐出開口部(2e)から吐出された直後の流体が上記連結棒(1a)に直接的に衝突しなくなる。
第5の発明では、シリンダ壁(12)の半径方向外側の背面(12a)を支持面としているため、上記ケーシング(11)の吐出流路(16b)内に形成された支持面を設ける必要がなくなり、さらに吐出された流体の速度が最大となる吐出流路(16b)内の略中央部の面積を拡大することができ、吐出圧損を低減できる。
又、上述したように、上記連結棒(1a)はスライドバルブ(2)の中心から偏倚している。このため、上記連結棒(1a)が1本の場合、上記駆動部(6)の駆動力がスライドバルブ(2)の中心よりも外側の一箇所のみに作用する。この結果、該スライドバルブ(2)に回転モーメントが生じてしまい、軸方向へのスライド動作がスムーズに行い難くなる。
第5の発明では、複数の連結棒(1a)により、上記駆動部(6)の駆動力をスライドバルブ(2)を挟んで両側の複数箇所に作用させている。これにより、上記駆動部(6)がスライドバルブ(2)へ駆動力を伝達する際に、該スライドバルブ(2)に回転モーメントが生じにくくなる。
又、上記スライドバルブ(2)に連結棒(1a)が1本のみ連結されていると、上記スライドバルブ(2)が連結棒(1a)の軸回りに回転しやすくなる。しかし、第5の発明では、複数の連結棒(1a)で上記スライドバルブ(2)を挟んでいるので、上記スライドバルブ(2)の回転が抑えられる。
第6の発明は、第5の発明において、上記連結棒(1a)同士を該連結棒(1a)の軸直角方向で連結する連結部(35)を有し、上記駆動部(6)は、該駆動部(6)から上記スライドバルブ(2)の重心近傍(G)へ向かう軸方向の力を上記連結部(35)に作用させて該連結部(35)と共に上記スライドバルブ(2)を軸方向へ進退させることを特徴としている。
第6の発明では、上記駆動部(6)の駆動力が上記連結部(35)を介して複数の連結棒(1a)へ同時に作用し、スライドバルブ(2)を軸方向へスライドさせる。ここで、上記駆動部(6)は、上記スライドバルブ(2)の重心近傍(G)へ向かう軸方向の力を上記連結部(35)に作用させるため、スライドバルブ(2)に回転モーメントが、より一層かかりにくくなる。
第7の発明は、第1から第6の何れか1つの発明において、上記スライドバルブ(2)と上記連結棒(1a)とが一体に形成されていることを特徴としている。
第7の発明では、上記スライドバルブ(2)及び連結棒(1a)を一体成形しない場合に比べて、上記スライドバルブ(2)及び連結棒(1a)における接続部分の剛性が高くなる。
本発明によれば、上記連結棒(1a)を上記スライドバルブ(2)の中心から外側へ向かって偏倚させることにより、上記連結棒(1a)を上記吐出流路(16b)の略中央部から遠ざけることができる。これにより、吐出された流体の速度が最大となる吐出流路(16b)内の略中央部を該流体が流れることができるようになり、上記スクリュー圧縮機における流体吐出時の圧力損失を従来よりも小さくすることができる。
また、上記第2の発明によれば、上記ケーシング(11)の吐出流路(16b)内に形成され上記スクリューロータ(21)の軸方向へ延びる支持面(3)により、上記連結棒(1a)が軸方向以外の方向へ動くのを規制することができる。これにより、スクリューロータ(21)の回転運動に起因してスライドバルブ(2)の軸まわりに弁体部(2a)が回転するのを抑止することができる。この結果、ガイド部(2b)及び該ガイド部(2b)を弁体部(2a)と接続する連結体が不要となり、吐出流体の流路面積を拡大することができる。又、上記連結棒(1a)をケーシング(11)内の支持面(3)に嵌め込むことにより、該連結棒(1a)を上記吐出流路(16b)の外側へ配置することができるようになり、吐出流体の流路面積を拡大することができる。この結果、吐出流路(16b)を流れる流体の流動抵抗を小さくすることができる。
また、上記第3の発明によれば、従来のスライドバルブとは違い、上記連結棒(1a)にガイド部(2b)が接続されている。これにより、弁体部(2a)とガイド部(2b)を接続する連結体が不要となり、吐出流路(16b)内のガイド部(2b)を小さくすることもできる。この結果、吐出流体の流路面積を拡大することができる。また連結体が不要となるため、吐出開口部(2e)から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができる。
また、上記第4の発明によれば、上記連結棒(1a)により、上記スクリューロータ(21)の回転運動に起因して生じるスライドバルブ(2)の軸まわりに弁体部(2a)が回転するのを抑止することができるため、ガイド部(2b)及び該ガイド部(2b)を弁体部(2a)と接続する連結体が不要となる。この結果、吐出流体の流路面積を拡大することができる。さらに連結体が不要であり、連結棒(1a)も吐出開口部の投影面上に配置しなくてよいため、吐出開口部から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができる。
また、上記第5の発明によれば、シリンダ壁(12)の径方向外側の背面(12a)を支持面としているため、上記ケーシング(11)の吐出流路(16b)内に形成された支持面を設ける必要がなくなり、吐出された流体の速度が最大となる吐出流路(16b)内の略中央部の面積をさらに拡大することができる。
又、上記複数の連結棒(1a)を介して上記駆動部(6)の駆動力をスライドバルブ(2)を挟んで両側の複数箇所に作用させている。これにより、連結棒(1a)が1本の場合とは違い、上記スライドバルブ(2)に回転モーメントを作用させにくくしつつ、該スライドバルブ(2)を軸方向へスライドさせることができる。
また、上記第6の発明によれば、上記駆動部(6)が、上記スライドバルブ(2)の重心近傍(G)へ向かう軸方向の力を上記連結部(35)に作用させるため、スライドバルブ(2)に回転モーメントが、より一層かかりにくくなる。これにより、上記スライドバルブ(2)を軸方向へスムーズにスライドさせることができる。
また、上記第7の発明によれば、上記スライドバルブ(2)及び連結棒(1a)を一体成形しない場合に比べて、上記スライドバルブ(2)及び連結棒(1a)における接続部分の剛性を高くすることができる。これにより、上記駆動部(6)の駆動力を上記スライドバルブ(2)へ伝達する際に、上記スライドバルブ(2)及び連結棒(1a)の接続部分の破損を生じにくくすることができる。
図1は、スクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 図2は、図1のII−II線におけるケーシングとゲートロータの断面図である。 図3は、スクリュー圧縮機の要部を抜き出して示す斜視図である。 図4は、スライドバルブの斜視図である。 図5は、ケーシングに収容されたスライドバルブ付近を示す図である。 図6は、シングルスクリュー圧縮機の圧縮機構の動作を示す平面図であり、(A)は吸込行程を示し、(B)は圧縮行程を示し、(C)は吐出行程示す。 図7は、変形例1のスライドバルブの平面図である。 図8は、変形例1のスライドバルブの斜視図である。 図9は、ケーシングに収容された変形例1のスライドバルブ付近を示す図である。 図10は、変形例2のスライドバルブの斜視図である。 図11は、変形例2のスライドバルブの平面図である。 図12は、ケーシングに収容された変形例2のスライドバルブ付近を示す斜視図である。 図13は、変形例3のスライドバルブの斜視図である。 図14は、スライドバルブが図1の状態から右側へ移動したときのスクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 図15は、変形例3のスライドバルブにおける連結棒と仮想平面との位置関係を示す図である。 図16は、従来のスクリュー圧縮機の要部の構成を示す縦断面図である。 図17は、従来のスライドバルブの斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態のシングルスクリュー圧縮機(10)(以下、単にスクリュー圧縮機(10)と言う。)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路の冷媒を圧縮するためのものである。
上記スクリュー圧縮機(10)は、図1に示すケーシング(11)を備え、このケーシング(11)に圧縮機構(20)及び電動機(図示なし)が収容されている。このスクリュー圧縮機(10)には、上記圧縮機構(20)の運転容量を調整する調整機構(5)が設けられている。
〈ケーシング〉
ケーシング(11)は、横長の円筒状に形成されている。このケーシング(11)の一端側に低圧室(S1)が形成され、他端側に高圧室(S2)が形成されている。この低圧室(S1)の冷媒が上記圧縮機構(20)へ吸入されて圧縮され、この圧縮された冷媒が高圧室(S2)へ吐出される。
上記ケーシング(11)の内部には、この低圧室(S1)と高圧室(S2)との間に略円筒状のシリンダ壁(12)が設けられている。このシリンダ壁(12)の内部にシリンダ室(13)が区画されている。このシリンダ室(13)には後述するスクリューロータ(21)が配置される。
このシリンダ壁(12)には、該シリンダ壁(12)の軸方向で対向する開口部(14a)が形成されている(図2のシリンダ壁(12)の右上部と左下部)。このシリンダ壁(12)の開口部(14a)に面して収容室(14)が形成され、この収容室(14)には後述するゲートロータ(22)が配置される。
又、このシリンダ壁(12)には、上記開口部(14a)とは異なる位置で該シリンダ壁(12)の軸方向で対向するシリンダ開口部(15)(図2のシリンダ壁(12)の右下部と左上部)が形成されている。この軸直角断面で見ると略円筒状の収容部(25)に後述するスライドバルブ(2)が配置される。
この略円筒状の収容部(25)の断面の上記シリンダ開口部(15)以外の部分に形成された隔壁(19)と後述するスライドバルブ(2)の弁体部(2a)によって、上記低圧室(S1)と上記高圧室(S2)が区画されている。
この略円筒状の収容部(25)の半径方向外側に通路壁(17)が形成される。吐出流路(16b)は、上記隔壁(19)より高圧室(S2)側の通路壁(17b)と後述するスライドバルブ(2)の弁体部(2a)によって区画されている。この吐出流路(16b)を介して、後述するスライドバルブ(2)に形成された吐出開口部(2e)と高圧室(S2)が連通している。尚、この吐出流路(16b)には、後述する連結ロッド(1)が配置される。又、上記隔壁(19)より低圧室(S1)側の通路壁(17a)と後述するスライドバルブ(2)の弁体部(2a)、及びシリンダ壁(12)によってバイパス通路(16a)が形成されている(図1におけるスライドバルブ(2)の左側)。
又、従来の上記スクリュー圧縮機では、上記高圧室(S2)側の通路壁(図16の符号67を参照)には、上記シリンダ壁(図16の符号62を参照)の開口部(図16の符号65を参照)に向かい合う位置に凸部(図16の符号68を参照)が形成されていた。この凸部は、断面がスライドバルブ(図16の符号57を参照)の外側面(図17の符号60を参照)に沿うように形成されており、上記シリンダ壁の軸方向へ延び、該スライドバルブの外側面を支持していた。
本実施形態では、後述する連結ロッド(1)を介して、上記高圧室(S2)側の通路壁(17b)で直接スライドバルブ(2)の外側面(4b)を支持する構成となっている。
〈圧縮機構〉
上記圧縮機構(20)は、1つのスクリューロータ(21)と2つのゲートロータ(22)とを備えている。
スクリューロータ(21)は、円柱状に形成された金属製の部材であり、図1に示すように、上記ケーシング(11)のシリンダ室(13)に回転自在に収容されている。このスクリューロータ(21)の中心部には軸方向へ回転軸(24)が貫通しており、該スクリューロータ(21)と該回転軸(24)は実質的に同軸上を一体的に回転するよう構成されている。この回転軸(24)には、電動機の回転子(図示なし)も嵌合される。又、このスクリューロータ(21)の外周面(21a)には、図3に示すように、複数の螺旋溝(26)が形成されている。この螺旋溝(26)は、上記スクリューロータ(21)の一端側(図3の左下側)が始端(26a)となり、他端側(図3の右上側)が終端(26b)となって、始端(26a)から終端(26b)へ向かって螺旋状に延びている。
尚、図1に示すように、上記スクリューロータ(21)の端部(図1の右側)には、略円筒状のベアリングホルダ(27)が配置されている。このベアリングホルダ(27)の中空部に軸受(28)が収容され、この軸受(28)によって上記スクリューロータ(21)及び回転軸(24)が回転自在に支持されている。
図3に示すように、ゲートロータ(22)は、長方形板状に形成された複数のゲート(22a)が放射状に設けられた樹脂製の部材である。このゲートロータ(22)は、上記ケーシング(11)の収容室(14)に設けられたゲートロータ支持部材(29)に回転自在に取り付けられている。
このゲートロータ(22)の軸心は、スクリューロータ(21)の軸心と直交しており、該ゲートロータ(22)の各ゲート(22a)が上記スクリューロータ(21)の螺旋溝(26)に噛み合うように配置されている。
この圧縮機構(20)では、シリンダ壁(12)の内周面と、スクリューロータ(21)の螺旋溝(26)と、ゲートロータ(22)の各ゲート(22a)とによって囲まれた空間が圧縮室になる。
〈調整機構〉
上記調整機構(5)は、スライドバルブ(2)と駆動部(6)と連結ロッド(1)とを備えている。駆動部(6)は、スライドバルブ(2)を駆動するものであり、連結ロッド(1)はスライドバルブ(2)及び駆動部(6)を連結するものである。
−スライドバルブ−
上記スライドバルブ(2)は、上記ケーシング(11)のシリンダ壁(12)の一部分を該円筒壁とは別体の部品として軸方向へ移動可能となるようにしたものであり、図5に示すように、ケーシング(11)のシリンダ壁(12)外側に断面略円筒状に形成された収容部(25)に収容されている。このスライドバルブ(2)が軸方向へスライドすることにより、上記バイパス通路(16a)と圧縮室を連通する開口部の大きさと吐出開口部(2e)の開口位置が調整される。
上記スライドバルブ(2)は、図4に示すように弁体部(2a)とガイド部(2b)及び連結体(2f)とを備え、これらが一体に形成されている。
上記弁体部(2a)は、中実の円柱の一部を削ぎ落としたような形状であり、この削ぎ落とされた部分がスクリューロータ(21)側を向く姿勢でケーシング(11)に収容されている。ここで、上記弁体部(2a)において、上記スクリューロータ(21)と向かい合う側面が内側面(4a)であり、該内側面(4a)の反対側の側面が外側面(4b)となる(図5を参照)。
上記弁体部(2a)の内側面(4a)が上記シリンダ壁(12)における内周面の曲率半径と実質的に等しい。つまり、この弁体部(2a)の内側面(4a)が上記シリンダ壁(12)の一部を構成する。
尚、上記外側面(4b)と上記ケーシング(11)に形成された隔壁(19)との摺接面が、上記バイパス通路(16a)(低圧室(S1)、図1におけるスライドバルブ(2)の左側)と吐出流路(16b)(高圧室(S2)、図1におけるスライドバルブ(2)の右側)との間をシールするシール面となる。
又、上記弁体部(2a)における低圧室(S1)側の端面(図14のP2)と上記ケーシング(11)に形成されたスライドバルブ(2)の収容される収容部(25)の底面(図14のP1)とが圧縮室とバイパス通路(16a)との間をシールするシール面となる。この弁体部(2a)が軸方向へスライドすることにより、上記弁体部(2a)における低圧室(S1)側の端面(図14のP2)と上記ケーシング(11)に形成されたスライドバルブ(2)の収容される収容部(25)の底面(図14のP1)との間に形成される圧縮室と上記バイパス通路(16a)を連通する開口部の大きさが調節される。
又、上記弁体部(2a)と上記ガイド部(2b)との間が吐出開口部(2e)となる。この吐出開口部(2e)を通じて上記スクリューロータ(21)における螺旋溝(26)の圧縮室から冷媒が上記吐出流路(16b)へ吐出される。
又、上記連結体(2f)は、上記弁体部(2a)と上記ガイド部(2b)を接続しており、該弁体部(2a)と該ガイド部(2b)を一体的に軸方向へスライドさせている。
−駆動部−
上記駆動部(6)は、シリンダ(7)とピストン(8)とを有している。このシリンダ(7)は、図1に示すように、上記ベアリングホルダ(27)の端面に固定された固定部材(30)に形成されている。このシリンダ(7)内に上記ピストン(8)が進退可能に装填されている。上記シリンダ(7)内において、上記ピストン(8)を挟んで両側に形成される各空間部(7a,7b)の内圧を必要に応じて変更することによって、上記ピストン(8)の位置が軸方向へ変化する。
又、このピストン(8)の端面から延出するロッド(8a)は、上記シリンダ(7)を閉止するシリンダカバー(31)を厚さ方向に貫通している。そして、このロッド(8a)の先端にアーム部(9)が取り付けられている。このアーム部(9)の中央に上記ロッド(8a)が位置し、該アーム部(9)の両端部に連結ロッド(1)が取り付けられている。
−連結ロッド−
上記連結ロッド(1)は、軸方向へ延びる断面円形の連結棒(1a)である。この連結棒(1a)の一端側(図1の右側)は、上記アーム部(9)に固定されており、さらに、スプリング(32)が外嵌している。このスプリング(32)は上記アーム部(9)と固定部材(30)との間に位置し、上記アーム部(9)を図1の右方向(アームを固定板から引き離す方向)に付勢している。
この連結棒(1a)の他端部(図1の左側)に上記スライドバルブ(2)が連結されている。ここで、上記スライドバルブ(2)の外側面(4b)には、断面半円状の溝が軸方向に延びるように形成されている。そして、この外側面(4b)の溝に上記連結棒(1a)の他端部が嵌め込まれるように取り付けられている。これにより、上記連結棒(1a)の外周面の一部が上記スライドバルブ(2)の外側面(4b)から外方へ突出している。
上記連結棒(1a)と上記アーム部及び上記ピストンロッドにより、上記スライドバルブ(2)と上記ピストン(8)が接続され、該ピストン(8)の進退によってスライドバルブ(2)が軸方向にスライドする。
−運転動作−
まず、上記圧縮機構(20)の運転動作について説明した後に、上記調整機構(5)の調整動作について説明する。
〈圧縮機構〉
上記電動機を起動すると、該電動機における回転軸(24)の回転運動に伴ってスクリューロータ(21)が回転する。このスクリューロータ(21)の回転運動に伴ってゲートロータ(22)も回転し、上記圧縮機構(20)において、吸入行程、圧縮行程および吐出行程が繰り返し行われる。ここでは、図6においてドットを付した圧縮室に着目して説明する。
図6(A)において、ドットを付した圧縮室の一端(図6(A)の左側)が上記低圧室(S1)に連通している。また、この圧縮室が形成されている螺旋溝(26)は、同図の下側に位置するゲートロータ(22)のゲート(22a)と噛み合わされている。スクリューロータ(21)が回転すると、このゲート(22a)が螺旋溝(26)へ向かって相対的に移動し、それに伴って圧縮室の容積が拡大する。その結果、低圧室(S1)の低圧ガス冷媒が圧縮室へ吸い込まれる。
スクリューロータ(21)が更に回転すると、図6(B)の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室は、閉じきり状態となっている。つまり、この圧縮室が形成されている螺旋溝(26)は、同図の上側に位置するゲートロータ(22)のゲート(22a)と噛み合わされ、このゲート(22a)によって吸入室(S1)から仕切られている。そして、スクリューロータ(21)の回転に伴ってゲート(22a)が螺旋溝(26)の他端へ向かって移動すると、圧縮室の容積が次第に縮小する。その結果、圧縮室内のガス冷媒が圧縮される。
スクリューロータ(21)が更に回転すると、図6(C)の状態となる。同図において、ドットを付した圧縮室は、上記ケーシング(11)とスライドバルブ(2)の吐出開口部(2e)を通じて該ケーシング(11)の吐出流路(16b)と連通した状態となっている。その後、スクリューロータ(21)の回転に伴ってゲート(22a)が螺旋溝(26)の他端へ向かって移動すると、圧縮された冷媒ガスが圧縮室から吐出流路(16b)へ押し出されてゆく。そして、この冷媒ガスが吐出流路(16b)を通って高圧室(S2)に流入する。
〈調整機構〉
次に、上記調整機構(5)の調整動作について、図1及び図14を参照しながら説明する。なお、圧縮機構(20)の容量は、スクリュー圧縮機(10)の運転容量と同義であって、“単位時間当たりに圧縮機構(20)から高圧空間(S2)へ吐出される冷媒の量”を意味する。
上記弁体部(2a)が図14の位置から右側へ移動するに連れて、該弁体部(2a)の先端面(P2)と上記ケーシング(11)に形成されてスライドバルブ(2)の収容される収容部(25)の底面であるシート面(P1)との隙間が拡がる。すると、上記螺旋溝(26)で圧縮途中の冷媒の一部がこの隙間を通じてバイパス通路(16a)から低圧室(S1)へ戻る冷媒戻り量が増える。この結果、最後まで圧縮されて該螺旋溝(26)の終端(26b)から吐出され、上記弁体部(2a)と上記ガイド部(2b)との間を通過して吐出流路(16b)へ吐出されると冷媒の吐出量が減り、上記圧縮機構(20)の運転容量が減少する。
又、上記弁体部(2a)が図14の位置から右側へ移動するに連れて、上記スライドバルブ(2)の吐出開口部(2e)の開口位置が上記スクリューロータ(21)の吐出側へ移動する。これにより、上記スクリューロータ(21)の螺旋溝(26)から吐出される冷媒のタイミングが遅くなる。
逆に、上記弁体部(2a)が図14の位置から左側へ移動するに連れて、上記先端面(P2)と上記シート面(P1)との隙間が狭まる。この結果、上記冷媒戻り量が減少して上記冷媒吐出量が増え、上記圧縮機構(20)の運転容量が増加する。そして、図1に示すように、上記弁体部(2a)が最も図14の左側へ押し込まれて上記先端面(P2)とシート面(P1)との間に隙間がなくなると、上記バイパス通路(16a)と上記螺旋溝(26)とが完全に遮断され上記冷媒戻り量がゼロになり、上記冷媒吐出量が最大になる。このように、上記弁体部(2a)をスライドさせて上記バイパス通路(16a)に連通する開口部分(70)の開口面積を増減させ、冷媒の戻り量を調整することにより、上記圧縮機構(20)の運転容量を調整する。
又、上記弁体部(2a)が図14の位置から左側へ移動するに連れて、上記スライドバルブ(2)の吐出開口部(2e)の開口位置が上記スクリューロータ(21)の吸入側へ移動する。これにより、上記スクリューロータ(21)の螺旋溝(26)から吐出される冷媒のタイミングが早くなる。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記連結棒(1a)を通路壁(17)へ近づけているので、上記連結棒(1a)を上記吐出流路(16b)の略中央部から遠ざけることができる。これにより、吐出された流体の速度が最大となる吐出流路内の略中央部を該流体が流れることができるようになり、上記スクリュー圧縮機(10)における流体吐出時の圧力損失を従来よりも小さくすることができる。
本実施形態によれば、上記連結棒(1a)が上記弁体部(2a)の回転中心位置からずれた位置にあるので、スクリューロータ(21)の回転運動に伴う弁体部(2a)の回転を抑制できる。
本実施形態によれば、この連結棒(1a)と、上記高圧室(S2)側の通路壁(17b)でスライドバルブ(2)の外側面(4b)を支持する構成となっているので、従来の上記スクリュー圧縮機で、該スライドバルブの外側面を支持するよう上記高圧室側の通路壁(17b)に形成されていた上記シリンダ壁(12)の上記開口部に向かい合う位置の凸部をなくすことができる。これにより、上記凸部の分だけ吐出流路(16b)の流路面積が広がり、該吐出流路(16b)を流れる流体の流動抵抗を小さくすることができる。
−実施形態の変形例1−
図7、図8に示す変形例1の連結ロッド(1)は、上記実施形態とは違い、上記連結棒(1a)が上記実施形態のガイド部(2b)を兼ねている。従って、変形例1のスライドバルブ(2)には、上記実施形態のような形状のガイド部(2b)及び連結体(2f)は設けられていない。具体的に、上記連結棒(1a)は断面矩形状に形成され、この連結棒(1a)が弁体部(2a)の外側面(4b)に取り付けられている。
又、図9に示すように、上記高圧室(S2)側の通路壁(17b)にも上記連結棒(1a)に沿うような断面矩形凹状の支持面(3)が形成されている。この支持面(3)に上記連結棒(1a)が軸方向へスライド自在に嵌まり込んで、該連結棒(1a)が軸周りに回転しないように保持される。
これにより、上記スクリューロータ(21)の回転運動に伴って弁体部(2a)がスライドバルブ(2)の軸周りに回転しようとしても、上記連結棒(1a)と上記通路壁(17b)の支持面(3)により、確実に規制される。このため、上記弁体部(2a)が回転することがない。つまり、上述したように、上記連結棒(1a)が、上記実施形態のガイド部(2b)を兼ねることができる。
この結果、吐出流体の流路面積を拡大することができ、さらに吐出圧損を低減することができる。また連結体が不要となるため、吐出開口部から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができ、さらに吐出圧損を低減できる。
−実施形態の変形例2−
図13に示す変形例2の連結ロッド(1)は、従来のように、断面T字形の柱状のガイド部(2b)が弁体部(2a)から延びる連結体に取り付けられるのではなく、連結棒(1a)に取り付けられている。従来のスライドバルブの場合、ガイド部(2b)の端面に連結棒(1a)が接続されるため、ガイド部の断面形状を大きくとる必要があり、弁体部(2a)とガイド部(2b)とを接続する連結体も必要であった。しかしながら、変形例2では、ガイド部(2b)の断面を小さくすることができ、連結体も不要となる。
又、このガイド部(2b)のT字形の横棒に対応する側面(2d)は、その曲率半径が上記シリンダ壁(12)における内周面の曲率半径と実質的に等しい円弧面となっており、上記ベアリングホルダ(27)の外周面と摺接する(図1を参照)。これにより、上記スクリューロータ(21)の回転運動に伴って回転しようとする弁体部(2a)の回転を抑えることができる。
この結果、吐出流体の流路面積を拡大することができる。また連結体が不要となるため、吐出開口部から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができる。
−実施形態の変形例3−
図10、図11に示す変形例3の連結ロッド(1)は、上記連結棒(1a)が2本設けられている。これらの連結棒(1a)の一端部(図10、図11の左側)は、上記弁体部(2a)の外側面(4b)を挟むように取り付けられている。
そして、この2本の連結棒(1a)が、図12に示すように、それぞれ上記スライドバルブ(2)を収容するケーシング(11)の略円筒状の収容部(25)の外側かつ上記シリンダ壁(12)の半径方向外側の背面(12a)で支持され、スライドバルブ(2)の軸まわりに弁体部(2a)が回転するのを抑止するように配置されている。
又、これらの連結棒(1a)で上記弁体部(2a)の回転を抑制できるため、従来のスライドバルブに設けられているガイド部(57b(図17を参照))及び連結体(57c(図17を参照))を省くことができる。このガイド部を省くことにより、上記吐出流路(16b)の流路面積を広くすることができ、上記吐出流路(16b)を流れる流体の流動抵抗を小さくすることができる。さらに、上述した連結体が不要であり、連結棒(1a)も吐出開口部(2e)の投影面上に配置しなくてよいため、吐出開口部(2e)から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができる。
これにより、上記スクリュー圧縮機における冷媒吐出時の圧力損失を従来よりも小さくすることができる。
又、各連結棒(1a)を上記吐出開口部(2e)の外側に配置し、シリンダ壁(12)の半径方向外側の背面(12a)を支持面としているため、上述した実施形態における、上記ケーシング(11)の吐出流路(16b)内に形成された支持面を設ける必要がなく、連結棒(1a)が増えたことによる通路断面積の減少を相殺することができる。
ここで、上記実施形態のように、上記連結棒(1a)が1本の場合、上記駆動部材の駆動力がスライドバルブの中心よりも外側の一箇所のみに作用する。この結果、該スライドバルブに回転モーメントが生じてしまい、軸方向へのスライド動作がスムーズに行い難くなる。
変形例3では、2本の連結棒(1a)により、上記駆動部(6)の駆動力をスライドバルブ(2)の両側2箇所に作用させることができる。これにより、上記駆動部(6)がスライドバルブ(2)へ駆動力を伝達する際に、該スライドバルブ(2)に回転モーメントを生じにくくすることができる。
又、図10に示すように、連結棒(1a)の他端部には、2本の連結棒(1a)を軸直角方向で連結する連結部(35)が取り付けられている。そして、この連結部(35)から延出する棒状の延出部(36)がアーム部(9)に取り付けられている。上記駆動部(6)は、この延出部(36)を軸方向へ進退させることで上記弁体部(2a)をスライドさせるように構成されている。
ここで、上記延出部(36)は、図11に示すように、上記弁体部(2a)の重心近傍(G)を通る軸方向の仮想線(a)上に位置している、これにより、上記駆動部(6)で発生する力が、上記弁体部(2a)の重心近傍(G)へ向かって軸方向へ作用するため、該弁体部(2a)に、より一層回転モーメントが生じにくくすることができる。
又、図15に示すように、上記連結棒(1a)は、上記スクリューロータ(21)の軸中心線(A1)と上記スライドバルブ(2)の軸中心線(A2)とを含む仮想平面(H)から離れた位置に配置されている。仮に、上記連結棒(1a)を仮想平面(H)に配置すると、吐出開口部(2e)から流出した吐出直後の流体に正対する位置に上記連結棒(1a)があり、吐出流体の通路抵抗となる。しかし、上記連結棒(1a)を上述した仮想平面(H)から離れた位置に配置することにより、連結棒(1a)も吐出開口部(2e)の投影面上に配置しなくてよいため、吐出開口部(2e)から流出した吐出直後の通路抵抗を小さくすることができ、さらに吐出圧損を低減できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、図1に示すように、上記スライドバルブ(2)の外側面(4b)から上記連結棒(1a)の一部のみしか突出していなかったが、これに限定される必要はなく、上記連結棒(1a)の全体が突出していてもよい。
又、上記実施形態では、上記スライドバルブ(2)と上記連結ロッド(1)とが別体であったが、これに限定される必要はなく、これらが一体であってもよい。これにより、これらが別体の場合に比べて、これらの接続部分の剛性を高くすることができ、上記駆動部(6)の駆動力を上記スライドバルブ(2)へ伝達する際に、上記接続部分の破損を生じにくくすることができる。
又、上記実施形態の変形例3では、2本の連結棒(1a)が、図12に示すように、シリンダ壁(12)の半径方向外側の背面(12a)を支持面としていたが、これに限定されず、上記ケーシング(11)に形成された支持面に嵌り込んでいてもよい。この場合でも、上記スライドバルブ(2)の回転を抑えることができる。
又、上記実施形態では、図1に示すように、上記吐出流路(16b)における外周側の通路壁(17b)に支持面(3)を形成し、この支持面(3)で連結棒(1a)を支持していた。しかし、これに限定されず、例えば上記吐出流路(16b)における内周側の通路壁、つまりベアリングホルダ(27)の外周面に支持面(3)を形成し、この支持面(3)で連結棒(1a)を支持してもよい。この場合でも、上記連結棒(1a)を上記吐出流路(16b)の通路壁に近づけることができ、上記吐出流路(16b)を流れる流体の流速が抑制されることがないため、吐出圧損を小さく抑えることができる。
又、上記実施形態では、図1に示すように、通路壁(17b)に凹溝部(3)を形成し、この凹溝部(3)に連結棒(1a)を嵌め込んでいた。しかし、これに限定されず、通路壁(17b)に段差部を設け、その段差部の段差面に連結棒(1a)を摺動自在に当接させてもよい。この場合でも、上記スライドバルブ(2)における弁体部(2a)の回転を抑制することができる。
又、上記実施形態の変形例2では、図13に示すように、ガイド部(2b)がT字状であったが、これに限定されず、中空部を有する湾曲状のガイド部であってもよい。この場合には、ガイド部(2b)の両端面がベアリングホルダ(27)の外周面に摺動自在に当接する。こうすると、ガイド部の中空部に吐出冷媒を流すことができ、該ガイド部が流体の流動抵抗になりにくくなる。
又、上記実施形態では、主として冷媒の圧縮を前提としているが、他の流体の圧縮においても吐出圧損を低減することができる。
又、上記実施形態では、容量制御用のスライドバルブ(2)を例として説明しているが、類似した構造の可変圧縮比機構を備えたスクリュー圧縮機にも適用できる。この場合、バイパス通路(16a)に関係する部分は異なるが、本発明に関わる吐出流路(16b)内での吐出圧損については同様に考えることができ、吐出圧損を低減できる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、スライドバルブを有するスクリュー圧縮機について有用である。
1 連結ロッド
1a 連結棒
2 スライドバルブ
2a 弁体部
2b ガイド部
3 支持面
5 調整機構
7 シリンダ
8 ピストン
10 スクリュー圧縮機
11 ケーシング
12 シリンダ壁
17 通路壁
20 圧縮機構
21 スクリューロータ
22 ゲートロータ
S1 低圧室
S2 高圧室

Claims (7)

  1. 流体を圧縮する圧縮室としての螺旋溝(26)が外周面に形成された円柱状のスクリューロータ(21)と、該スクリューロータ(21)を回転自在に収容する筒状のシリンダ壁(12)と、該シリンダ壁(12)の一部を構成し且つ該シリンダ壁(12)の軸方向へ移動可能なスライドバルブ(2)と、該スライドバルブ(2)に形成された吐出開口部(2e)に連通する吐出流路(16b)とを備え、
    上記スクリューロータ(21)の回転により上記螺旋溝(26)が上記吐出開口部(2e)に連通したときに、上記吐出開口部(2e)を通じて上記螺旋溝(26)の圧縮室で圧縮された流体が上記吐出流路(16b)へ流入するスクリュー圧縮機であって、
    上記シリンダ壁(12)を有するケーシング(11)に形成されて、上記スライドバルブ(2)を収容する略円筒状の収容部(25)と、
    上記収容部(25)内で上記スクリューロータ(21)の外周面(21a)に沿って軸方向へ上記スライドバルブ(2)をスライドさせる駆動力を発生する駆動部(6)と、
    上記駆動部(6)の駆動力を上記スライドバルブ(2)へ伝達するとともに、上記スクリューロータ(21)の軸方向に沿って延び且つ上記スライドバルブ(2)の外側面(4b)から突出するまで偏倚させた状態で該スライドバルブ(2)に取り付けられた連結棒(1a)と、
    を備えていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、
    上記連結棒(1a)は、上記ケーシング(11)に形成されて上記スクリューロータ(21)の軸方向へ延びる支持面(3)により、該軸方向に摺動自在に支持されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  3. 請求項1において、
    上記シリンダ壁(12)の端部に取り付けられた筒状部材(27)を有し、
    上記連結棒(1a)には、該連結棒(1a)から延びて上記筒状部材(27)の外周面に当接してスライドバルブ(2)の軸回りに弁体部(2a)が回転するのを抑止するガイド部(2b)が設けられていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  4. 請求項2において、
    上記連結棒(1a)は、上記スクリューロータ(21)の軸中心線(A1)と上記スライドバルブ(2)の軸中心線(A2)とを含む仮想平面(H)から離れた位置に配置されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  5. 請求項4において、
    上記連結棒(1a)は、上記スライドバルブ(2)を挟んで両側に複数設けられ、
    上記複数の連結棒(1a)は、各々が上記収容部(25)の外側且つ上記シリンダ壁(12)の径方向外側の背面(12a)で支持されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  6. 請求項5において、
    上記各連結棒(1a)同士を該連結棒(1a)の軸直角方向で連結する連結部(35)を有し、
    上記駆動部(6)は、該駆動部(6)から上記スライドバルブ(2)の重心近傍(G)へ向かう軸方向の力を上記連結部(35)に作用させて上記スライドバルブ(2)を軸方向へ進退させることを特徴とするスクリュー圧縮機。
  7. 請求項1から6の何れか1つにおいて、
    上記スライドバルブ(2)と上記連結棒(1a)とが一体に形成されていることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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