JP2013117177A - 風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】風車が強風時に過剰に回転しない安全な風力発電装置を提供することにある。
【解決手段】支柱上端部110Uに取り付けられ、回転軸線2xの方向からの風力を受けて該回転軸線2xの周りを回転する風車3の回転により発電する風力発電装置1において、支柱上端部110Uを、そこに取り付けられている風車3と共に、その下部に位置する支柱本体110Dに対し傾倒させる傾倒機構140と、傾倒する支柱上端部110Uが、支柱本体110Dに対し直角な傾倒状態となったことを条件に、支柱上部110Uを下降可能とし、かつ下降した支柱上部110Uを上昇可能とする昇降機構150を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、風力発電装置に関する。
近年、地球環境の保全のため、再生可能エネルギーを用いた発電方法として、二酸化炭素等の温室効果ガスを排出しない風力発電に注目が集まっている(例えば特許文献1等)。
特開2004−239113号公報
ところが、風力発電装置の風車は、風力に応じて翼(ブレード)の回転速度が可変するものであるから、強風時には回転速度が速くなりすぎて破損する恐れがあり、対策が必要である。そして、その対策はより確実になされることが必要であり、翼の回転速度が速くなりすぎる可能性がより少ない形とならなければならない。一方で、そうした対策は、コスト高とならないようよりシンプルな形で実現されなければならない。
本発明の課題は、風車が強風時に過剰に回転しない安全な風力発電装置を提供することにある。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の風力発電装置は、
支柱上部に取り付けられ、回転軸線方向からの風力を受けて該回転軸線周りを回転する風車の回転により発電する風力発電装置であって、
支柱の軸線に対し、風車が取り付けられた支柱上部を該風車ごと傾倒させる傾倒機構と、
傾倒可能な支柱上部を支柱本体に対し昇降可能とする昇降機構と、
を備えることを特徴とする。
上記本発明の構成によれば、支柱の上方に取り付けられる風車を、その支柱の上方の部位ごと傾けることができるため、傾けることで風車位置を風の弱い地表に向けて下げて、受ける風力を軽減させることができるし、傾けることで風車の向きが風を受け易い向きからずらし、受ける風力を軽減することもできるから、風車の回転を大きく抑制することができる。さらに上記本発明の構成によれば、傾いた状態の風車を降下させることが可能であるから、風車位置をより一層地表に近づけることができ、受ける風力をより一層軽減させることができる。単純に、風車を傾けるだけの構成の場合、風車位置をより下方にしようとするほど、支柱の折り曲げ位置を支柱下方としなければならず、その結果、傾く支柱上部の長さの分だけ余計に、風力発電装置の設置面積(土地)を広く確保しなければならないため、風車設置時のコストが増してしまうし、他方、風車を下方に下げるだけの構成の場合、重量物である風車を地表に近い位置に下げることによる安全性は得られるものの、風車は依然として風力を受け易い向きに保持されるため、回転を抑制する面で不足する。
本発明における昇降機構は、傾倒する支柱上部が、支柱の軸線に対し予め定められた傾斜角度をなす所定傾倒状態となったことを条件に、該支柱上部を下降可能とし、かつ下降した該支柱上部を上昇可能とするものとできる。この構成によれば、支柱上部は決まった角度まで傾斜しなければ降下できなくないので、安全性が高い。
また、本発明における傾倒機構は、支柱上部を、支柱の軸線に対し略直角に傾倒した直角傾倒状態とすることを可能に構成できる。また、その直角傾倒状態を上記所定傾倒状態とすることができる。この構成によれば、地表に対し垂直に延出する支柱の上部を略直角に傾けた横転状態とすることができるから、風車の向きを、風を最も受け難い向きとすることができ、回転を抑制することができる。そして、この状態で支柱上部を風車ごと降下させることができる。
なお、本発明において、軸線に対し略直角に傾倒した直角傾倒状態とは、軸線に対しなす角度が90度±20度の範囲内に傾倒した状態をいうものとする。
本発明における傾倒機構は、風車において翼を除く風車本体の重心位置に対し該翼が下方に位置する形で、支柱上部を傾倒させるものとできる。この構成によれば、重量のある翼が、風車の重心位置よりも下に位置するため、傾倒状態の風車が安定する。
本発明における支柱上部は、下部の支柱本体に対し傾倒可能に取り付けられる一方、自身の軸線周りに回転自在となる形で風車が取り付けられており、傾倒時には、その風車が自重により、翼が風車本体の重心位置よりも下方に位置する姿勢となるよう構成できる。この構成によれば、傾倒時に、風車が自らの自重によって自動的に安定した姿勢をとるよう構成できる。
本発明における支柱上部は、傾倒機構による傾倒する際の傾倒中心部から、風車とは逆側に延出する延出部に錘部を設けることができる。この構成によれば、錘部があることで、傾倒時に、重量体である風車とのバランスをとることができ、安全に傾倒動作を行うことができる。
本発明においては、支柱上部を、傾倒機構により傾倒しないよう非傾倒状態にロック保持するとともに、傾倒機構による傾倒の際にはアンロックできるロック機構を備えて構成できる。この構成によれば、傾倒可能な支柱の傾倒部分に風車が取り付けられた風力発電装置であっても、使用時には傾倒部分が傾倒せず安定して風車を回転させることができる。
本発明における風車は、支柱上部の非傾倒状態において、翼を、風力を受けて回転を生じさせる受風面の幅方向が風平行寄りから風直交寄りとの間で角度可変可能な形で、回転軸に固定する翼固定部と、その角度を、風力に応じて可変させる翼角度調整機構と、を有するとともに、所定傾倒状態においては、翼が自らの自重により翼固定部の軸線周りを回転し、受風面の幅方向が上記風平行寄りとなる位置に保持されるよう構成できる。つまり、所定傾倒状態において、翼の自重を利用して、該翼の角度を、非傾倒状態における風平行寄りとなる位置に保持する傾倒時角度保持機構を有して構成できる。この構成によると、所定傾倒状態となると、翼がその自重により自動的にったときに、支柱上部の非傾倒状態における風平行寄りの位置をとり、翼固定部の軸にぶら下がった安定した状態とされる。具体的に言えば、翼固定部は、翼の延出方向に延びる軸(回転支軸)と、その軸の軸線周りにおいて互いのなす角度を可変可能とされた2つの固定部とを有した蝶番部材であり、一方の固定部が翼に固定され、他方の固定部が風車の回転軸側と一体回転可能に固定されるように構成できる。
本発明における風車は、回転軸の回転軸線方向からの風力を受けて一定回転方向に回転するよう該回転軸周りに2以上設けられ、該回転軸に対し径方向外向きに延出する翼を有するとともに、
翼を、風力を受けた場合にその受風面の幅方向が風平行寄りとなるよう押圧力を受ける形で、なおかつその受風面の幅方向と回転軸の回転軸線方向とのなす角度が可変可能となる形で、回転軸に対し固定される翼固定部と、
風力が所定の微風レベルを下回る場合に、その風力を受ける翼を幅方向が最も風平行寄りとなる所定の初期回転用角度位置側へと付勢する付勢手段と、風力が微風レベルを上回った場合に、遠心力が翼に加わるその風力による押圧力と付勢手段の付勢力とに打ち勝つことにより自らを外方に変位させつつ翼が風直交寄りに可変するようリンク機構を介して翼に連結する錘部材と、を備え、風力が所定の強風レベルに達した場合には、翼を幅方向が初期回転用角度位置よりも風直交寄りとなる所定の高速回転用角度位置に到達させるとともに、風力がその強風レベルをさらに上回った場合には、その風力による押圧力と付勢手段の付勢力とが遠心力に打ち勝って錘部材を内方に押し戻すことにより、翼を幅方向が風平行寄りとなるよう押し戻す翼角度調整機構と、
を備えて構成することができる。この構成によれば、翼の受風面の幅方向と回転軸の回転軸線方向とのなす角度変化を、モーター等の電動機の動力を用いることなく、翼の回転速度に応じて自律的に制御することができるため、例えば停電時等においても安全に発電を継続できる。
また、この構成によれば、風車の回転速度が増すほどブレーキがかかって過剰回転が防止されるような簡易な自立的制御ではなく、風力に応じた最適な回転状態を得ることができる。即ち、風力が微風レベルの場合に風車が回転しやすいように翼の受風面の幅方向が風平行寄りとなって高トルク・低速回転状態となる第一段階(ローギア段階)と、そこから風力が増して錘部材が遠心力によって外方に変位することによって、リンク部材を介して付勢手段の付勢力に逆らい翼の受風面の幅方向が風直交寄りとなって、低トルク・高速回転状態となる第二段階(トップギア段階)と、さらに風力が増して各翼が受ける風圧が錘部材の遠心力に打ち勝ち、その風力がウエイト部材をある程度押し戻すことにより、翼の受風面の幅方向を風平行寄りに復帰させる第三段階とが存在する。これにより、第一段階の微風時には加速回転性能が高く、さらに微風時から強風時に至るまでの第二段階の時には、より回転しやすい状態、より回転速度を増すことができる状態へと変化していき、さらに所定の強風レベルを超えた第三段階の時には、翼の過剰回転を風量に応じて抑制していくことができる。なお、第三段階は、ウエイト部材に作用する遠心力により翼の受風面の幅方向を風直交寄りとする力と、風力により翼の受風面の幅方向を風平行寄りとする力とが釣り合った状態であり、その釣り合いにより、翼の受風面の幅方向と回転軸の回転軸線方向とのなす角度が自動的に決まる。
なお、本発明において、翼の受風面の幅方向が風平行寄りであるとは、翼の受風面の幅方向と、受風方向(即ち回転軸の軸線方向)とのなす角が小さい側に寄るという意味であり、翼の受風面の幅方向が風直交寄りであるとは、翼の受風面の幅方向と、受風方向に直交する面(即ち回転軸の軸線方向に対する直交面)とのなす角が小さい側に寄るという意味である。
本発明の翼角度調整機構は、その翼を受風面が風平行寄りとなるよう付勢する付勢手段を有し、該付勢部材は、所定傾倒状態において非付勢状態に保持されるよう構成できる。これにより、未使用時となる風車の傾倒降下状態において付勢手段に負担がかからない。
本発明の翼角度調整機構は、翼角度調整機構は、付勢手段としてばね部材を有し、該ばね部材を、所定傾倒状態において、そのばね力(復元力)の作用方向が上下方向(重力方向)となるよう配置することができる。具体的には、本発明における翼角度調整機構は、その翼を、受風面が風平行寄りとなるよう引っ張る形で付勢するばね部材を有し、該ばね部材は、所定傾倒状態において非引張状態(ばねの最短状態)とされるよう構成できる。この構成によれば、風力発電装置の使用時に引張力を生じさせるばね部材が、使用されない時には引張力を生じない状態に保持されるので、ばね部材への負荷を解除した状態で保持できる。
本発明の翼角度調整機構は、付勢手段として互いが反発する極性(磁極)の同じ磁性部材を有し、それら磁性部材を、所定傾倒状態において、その反発力が作用しないよう(所定レベル以下となるよう)離間した状態となるよう配置することができる。具体的には、本発明における翼角度調整機構は、その翼を、受風面が風平行寄りとなるよう反発力を作用させる極性を同じくする磁性部材を有し、該磁性部材は、所定傾倒状態においては互いが近接対向しない離間状態に保持されるよう構成できる。この構成によれば、風力発電装置の使用時に反発力を生じさせる磁性部材が、使用されない時には反発力を生じない離間状態に保持されるので、磁性部材の負担が軽減された状態で保持できる。
本発明においては、風車は、支柱上部に対し支柱本体の延出方向に延びる中心軸線に対し平行な軸線周りに回転自在となるよう固定されるとともに、その軸線が、中心軸線に対し当該風車の翼側にずれて位置するように構成できる。この構成によれば、支柱上部の傾倒時に、風車の翼が下側に位置するポジションとなり易い。
本発明の一実施形態である風力発電装置の非傾倒状態を示す正面図。 図1の風力発電装置の非傾倒状態を示す側面図。 図1の風力発電装置の傾倒状態を示す側面図。 図1の風力発電装置の傾倒降下状態を示す側面図。 図1の風力発電装置の下端部を右側面−左側面間の中央位置で切断した断面図。 図1の風力発電装置の下端部を背面−正面間の中央位置で切断した断面図。 図1の風力発電装置(ロック状態)の上端部を左側面−右側面間の中央位置で切断した断面図。 図1の風力発電装置(ロック状態)の上端部を正面−背面間の中央位置で切断した断面図。 図1の風力発電装置(アンロック状態)の上端部を右側面−左側面間の中央位置で切断した断面図。 図7のA断面矢視図。 図1の風力発電装置のブレード及びハブを受風方向下流側から見た図。 図11の部分拡大図と、それを平面視した図。 図11の風車を有した風力発電装置の部分断面図であって、錘部材が径方向内側に位置した状態を示す図。 図13の部分拡大図。 図11の風車を有した風力発電装置の部分断面図であって、錘部材が径方向外側に位置した状態を示す図。 図15の部分拡大図。 図14の状態を簡略的に示した模式図。 図14を平面視した状態を簡略的に示した模式図。 図16の状態を簡略的に示した模式図。 図16を平面視した状態を簡略的に示した模式図。 図11の実施形態におけるブレードの回転動作を簡略的に説明する模式図。 図1の風力発電装置の電気的構成を簡略的に示すブロック図。 図1の風力発電装置の風車部分の側面断面図(側面透視図)。 図1の風力発電装置における支柱と風車回転軸との連結部分を示す拡大断面図。 図1の風力発電装置における発電ケース体内部を拡大した拡大断面図。 図1の風力発電装置の出力部の電気的構成の一例を簡略的に示すブロック図。 図26Aの変形例を簡略的に示すブロック図。 図1の風力発電装置を簡略的に示した斜視図。 図27の風車のブレードの斜視図。 図28のブレードの背面図。 図28のブレードの正面図。 図29のブレードの左側面図。 図29のブレードの右側面図。 図29のブレードの平面図。 図29のブレードの底面図。 図27の風力発電装置の風車部分の側面図。 図27の正面図。 図27の背面図。 図27の後方側斜視図。 図27の前方側斜視図。 図35の風導ケース部分の底面透視図。 図1の風力発電装置とは異なる実施形態であり、その実施形態における発電ケース体内部を拡大した拡大断面図。 図1の風力発電装置とは異なる実施形態であり、その実施形態におけるブレード及びハブを受風方向下流側から見た図。 図42の部分拡大図と、それを平面視した図。 図42の風車を有した風力発電装置の部分断面図であって、錘部材が径方向内側に位置した状態を簡略的に示した模式図。 図44を平面視した状態を簡略的に示した模式図。 図42の風車を有した風力発電装置の部分断面図であって、錘部材が径方向外側に位置した状態を簡略的に示した模式図。 図46を平面視した状態を簡略的に示した模式図。 図42に示す実施形態におけるブレードの回転動作を簡略的に説明する模式図。 図48に続く図。 図28のブレードの変形例を示す平面図。 図50の底面図。 図12及び図43とは異なる角度変更機構を説明する図。 図12、図43及び図52とは異なる角度変更機構を説明する図。 図11とは異なる実施形態の風力発電装置の側面図。 図54の正面図。 図54の背面図。 図54の後方側斜視図。 図54の前方側斜視図。 図1の風力発電装置とは異なる実施形態であり、その外観を簡易に示した斜視図。 図59の風力発電装置における風車部分を簡略的に示す拡大断面図。 本発明の風力発電装置において、ケースの一部を取り外して内部を示した斜視図。 図61のコイルリングの斜視図。 図62のコイルリングの正面図。 図62のコイルリングの側面図。 図63のA−A断面図。 図65の部分拡大図。 図62のコイルリングを切断した状態の斜視図。 図62のコイルリングを構成するリング部材の正面図。 図68のB−B断面図。 図69の部分拡大図。 図69のC−C断面図。 図62のコイルリングを構成するコイル部材の斜視図。 図72のコイル部材の上面視図。 図73のD−D断面図。 図62のコイルリングの製造方法を示す第一の図。 図75の第一側金型の構成を説明する図。 図62のコイルリングの製造方法を示す第二の図。
以下、本発明の風力発電装置の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態の風力発電装置1は、図1及び図2に示すように、回転軸線2xの方向からの風力を受けることにより該回転軸線2xの周りを回転する風車3が、支柱110の上端部(本発明の支柱上部:以下、支柱上端部と称する)110Uに取り付けられ、その風車3の回転により発電する発電装置であり、支柱110に対し、風車3が取り付けられた支柱上端部110Uを該風車3が取り付けられた状態のまま図3のように傾倒させる傾倒機構140と、傾倒した支柱上端部110Uが、自身の軸線110Uxが支柱110の軸線110xに対し予め定められた傾斜角度をなす所定傾倒状態となったことを条件に、該支柱上端部110Uを図4のように下降可能とし、かつ下降した該支柱上端部110Uの上昇をも可能とする昇降機構150と、を備えて構成される。
支柱上端部110Uは、その下部の支柱本体110Dの上端に傾倒可能な形で固定される。本実施形態の支柱上端部110Uは、その上端側が支柱110の軸線110xから離間するよう回転可能に固定されており、強風時や使用しない場合には、図3に示すように傾倒機構140により傾倒し、図4に示すように昇降機構150により降下させ、地表1900の近くの安全な位置に保持できる。一方、支柱上端部110Uは、図1及び図2に示すような非傾倒状態においては、その軸線110Uxを、支柱(支柱本体110D)110の軸線110x(110Dx)と同じくする形で、かつその軸線110xの周りに非回転となる形で支柱本体110Dの上端部110DTに固定され、支柱本体110Dと共に直線状の支柱110を形成し、その頂上部の風車3が風力を受けて回転しやすい状態となる。
風車3は、支柱上端部110Uに対しその軸線110Uxと平行をなす軸線3xの周りに回転自在となる形で取り付けられている。このため、風車3は、傾倒機構140による支柱上端部110Uの傾倒時に、風車3自身の自重により、図3に示すように、ブレード30を除く風車3本体の重心位置及び支柱上端部110Uとの連結位置に対しブレード(翼)30が下方に位置する姿勢となるよう、軸線3xの周りを自動的に回転し、回転軸線2xが上下方向(重力方向)と一致した時に姿勢(図3の姿勢)が安定し、昇降機構150により昇降する際には、この姿勢で降下するよう構成されている。
本実施形態においては、傾倒機構140により支柱上端部110Uを、その軸線110Uxが支柱本体110Dの軸線110Dx(支柱110の軸線110x)に対しなす角度θが略直角となるよう傾倒した直角傾倒状態(図3参照)とすることができ、この直角傾倒状態(所定傾倒状態)となったことを条件に、昇降機構150により支柱上端部110Uを下降可能とする(図4参照)。つまり、支柱上端部110Uは傾倒しなければ、物理的に下降できない構成となっている。これにより、例えば図1のように地表1900に対し垂直に延出する支柱上端部110Uを、図3に示すように略直角に横転させた横転状態とすることができるから、風車3の向きを、風を最も受け難い向きとすることができ、強風環境下においても回転を抑制することができる。さらにその横転状態で、支柱上端部110Uを風車3と共に風の弱い地表1900に向けて下降させることができるので、より一層の回転の抑制が可能となる。
なお、本発明において、支柱上端部110Uを傾倒させる条件は上記直角傾倒状態に限らず別の角度状態であってもよいが、上記直角傾倒状態のように、風車3が地表1900と対面するような角度状態とすると、風車3の回転抑制効果が増し、後の下降動作を安定して行うことができる。
また、本発明において、軸線110xに対し略直角に傾倒した直角傾倒状態とは、軸線110xに対しなす角度が90度±20度の範囲内に傾倒した状態をいうものとする。なお、本実施形態においては、軸線110xに対しなす角度θが90度±10度の範囲内、より望ましくは90度±5度の範囲内、より望ましくは90度±3度の範囲内に傾倒した直角傾倒状態が実現されるよう構成するものとする。また、この傾倒可能範囲を、非傾倒状態から直角傾倒状態までの角度範囲を越えて傾倒するように構成してもよいが、直角傾倒状態を90度±5度以下とする場合には特に、非傾倒状態と直角傾倒状態との間の角度範囲を越える傾倒が物理的に阻止されるよう規制する傾倒規制手段を設けるとよい。
本実施形態の支柱上端部110Uは、図7〜図9に示すように、傾倒機構140による傾倒の際の傾倒中心部110U0から、第一側(非傾倒状態における上方延出部)に向かって延出する第一側延出部110U1を有し、該第一側延出部110U1に上記のように風車3が取り付けられる一方、第一側とは逆の第二側に向かって延出する、第二側延出部(非傾倒状態における下方延出部)110U2を有し、該第二側延出部110U2にはその先端に錘部(ウエイト部)110UKが設けられている。これにより、傾倒時に、重量体である風車3とのバランスをとることができるから、傾倒動作時に急加速が生じ難く、安全に行うことができる。
本実施形態の支柱上端部110Uは、図7〜図9に示すように、傾倒中心部110U0から第二側延出部110U2にかけてが、支柱本体110Dの上端部110DTを両側から挟む板材110UI,110UIとして構成されており、全体がコの字状の形状をなす。上記錘部110UKは、板材110UI,110UIのそれぞれの第二側端部に設けられており、逆側の風車との重量バランス(回転モーメントのつり合い)をとっている。完全につりあう状態でもよいが、やや錘部(ウエイト部)110UK側に偏るようにしてもよい。一方、それら板材110UI,110UIにはそれぞれに、支柱上端部110Uを傾倒させる回転軸110UJ,110UJが内側に突出する形で一体に設けられている。一方で、支柱上端部110Uは、支柱本体110Dに対し、その上端部110DTを挟圧する形で固定されているため、下方への一定以上の押し下げ力(引っ張り力等)が作用することにより、下方へのスライド移動も可能となっている。下方(さらには上方)へのスライド移動は、支柱本体110Dを取り囲む筒状の筒状ガイド部154Sによりガイドされる。支柱上端部110Uを傾倒させる回転軸110UJ,110UJは、この筒状ガイド部154Sに対し、内外を貫通する形で回転自在に取り付けられる。これにより、支柱上端部110Uが支柱本体110Dに対し径方向外向きに離脱不能に対し取り付けられ、さらに、支柱上端部110Uが支柱本体110Dに対し、それら回転軸110UJ,110UJの共通の軸線110UJxの周りに回転可能とされている。つまり、支柱上端部110Uは、支柱本体110Dの上端部110DTに対し、これら回転軸110UJ,110UJの軸線110UJxの周りに回転可能であり、この回転により傾倒可能とされる。なお、回転軸110UJ,110UJを、その内側先端部が支柱本体110Dの上端部110DTの外周面を両側から挟圧した状態としてもよい。
支柱上端部110Uと、支柱本体110Dの上端部110DTとの双方には、図7〜図10に示すように、傾倒機構140により支柱上端部110Uが支柱本体110Dに対し傾倒しないよう非傾倒状態に互いをロック保持するためのロック機構160が設けられている。このロック機構160により、支柱上端部110Uは、風車使用時には当該ロック機構160によりロックすることができ、支柱本体110Dに対し傾倒不可状態に固定される一方、傾倒機構140による傾倒の際にはアンロックすることができ、ロック状態を解除して傾倒可能(回転自在)な状態とすることができる。つまり、支柱上端部110Uの傾倒は、ロック機構160がアンロック状態となることを条件に可能となる。なお、このロック状態は同時に、支柱上端部110Uが支柱本体110Dに対し下方へ移動しないようロック保持した状態でもある。
なお、図10は、図7のA断面矢視図であるが、その図7においてロック機構160を示している図の上部は、図の左側の断面が、ロック機構160を切断されるよう図10を斜め45度に切断した切断面であり、他方、図の右側の断面が、図10を左右に切断した断面である。
本実施形態における傾倒機構140について説明する。
本実施形態の傾倒機構140は、支柱上端部110Uに一体に設けられる傾倒力伝達部140T,140Tと、それら傾倒力伝達部140T,140Tに固定される線材140W,140W(ここでは可撓性を有する金属製のワイヤー)と、それら線材140W,140Wの引き込み及び送り出しを行う引込/送出機構140Sとを有して構成される。傾倒力伝達部140T,140Tは、図7〜図9に示すように、支柱上端部110Uから突出する突出部位であり、それぞれが傾倒中心(傾倒軸線110UJx)から径方向外向きに突出し、かつそれぞれが支柱110の軸線110xを中心に互いが離れる向きに離間する形で突出する。線材140W,140Wは、図7〜図9に示すように、それぞれの一端が傾倒力伝達部140T,140Tの先端部140t,140tに固定される一方、図5及び図6に示すように、他端が引込/送出機構140Sに取り付けられ、引込み、送出しが可能とされる。引込/送出機構140Sは、支柱本体110Dの下方に位置しており、一方の線材140Wが引き込まれた際には、他方の線材140Wを送り出すように構成される。
即ち、引込/送出機構140Sは、図5及び図6に示すように、一方の線材140Wを引き込んで他方の線材140Wを引き込んだ長さと同じ長さだけ送り出すことで、引き込まれる側の線材140Wが固定する傾倒力伝達部140Tを下方に引き込み,かつ送出される側の線材140Wが固定する傾倒力伝達部140Tを上方に押し上げる。その結果、支柱上端部110Uは、傾倒中心周りを引き込まれた側が下方に回転する形で傾倒していく。ただし、引込/送出機構140Sは、線材140Wを引き込んだ長さの分だけ、送り出した長さの分だけ、支柱上端部110Uの傾倒中心周りの回転を生じさせるものであり、引き込んだ長さの分だけ、送り出した長さ以上の回転変位は生じないため、支柱上端部110Uは、傾倒後、その引込/送出機構140Sによって、その傾倒角度位置に保持されることになる。他方、支柱上端部110Uの傾倒状態において、引込/送出機構140Sの引き込みと送り出しを上記と逆に行えば、支柱上端部110Uは上記の回転方向とは逆向きに回転し、非傾倒状態に戻ることができる。
なお、本実施形態においては、支柱110の外部に取り付けられる引込/送出機構140Sによる線材140W,140Wの引き込み、送り出しは、ユーザー操作により可能とされている。本実施形態の引込/送出機構140Sは、図5及び図6に示すように、支柱上端部110Uの傾倒平面(傾倒軸線110UJxと直交する面)に対し直交する形で回転軸(巻取軸)の軸線が突出する線材巻取部141Sと、ユーザーにより回転操作される回転操作部(ここでは取り外し可能なトルクレンチ:図示なし)と、回転入力部142Sと、ウォーム減速機143Sとを有して構成されており、ユーザーによる回転操作を受け付ける回転操作部(ここでは取り外し可能なトルクレンチ:図示なし)への回転操作(ここではトルクレンチによる回転入力部142Sへの回転入力)がなされると、その回転操作力がウォーム減速機(入力回転方向に対し出力回転方向を変換する回転方向変換手段及び入力トルクに対し出力トルクを増大させる回転操作力軽減手段(減速手段))143Sの入力軸を介して線材巻取部141Sに伝達され、線材巻取部141Sが、上記回転操作の回転操作方向に応じた向きに巻き取り回転(引き込む方の線材140Wを巻き取って送り出す方の線材140Wを巻き出す回転)されるよう構成されている。このため、ユーザー操作により、支柱上端部110Uの傾倒位置を、非傾倒状態から所定傾倒状態(直角傾倒状態)までの間で任意に変更することができる。
なお、風車3は、図2に示すように、支柱上端部110Uに対し支柱本体110Dの延出方向に延びる中心軸線110Dx(110x)に対し平行となる軸線3xの周りに回転自在となるよう固定される。その軸線3xは、支柱110の中心軸線110xと一致するように構成されていてもよいが、本実施形態においては、支柱110の中心軸線110xに対し風車3のブレード30側にずれて位置するように、さらにいえばブレード30を含む風車の重心側にずれて位置するように構成されている。これにより、支柱上端部110Uの傾倒時に、風車3のブレード30側が下側に位置する安定位置となり易い。
本実施形態における昇降機構150について説明する。
本実施形態の昇降機構150は、支柱上端部110Uに取り付けられる固定される線材150W(ここでは可撓性を有する金属製のワイヤー)と、その線材150Wの引き込み及び送り出しを行う引込/送出機構150Sとを有して構成される。支柱本体110Dは内部が中空の筒状に形成され、引込/送出機構150Sはその内部下側に配置されるとともに、線材150も、支柱本体110D内を挿通され、下側の引込/送出機構150Sから、支柱上端部110Uに向かって上方に延びる形で取り付けられる。引込/送出機構150Sにより線材150Wが上側に送り出されると、支柱上端部110Uは、風車3を含む自重によって支柱本体110Dに沿って降下する。他方、降下した支柱上端部110Uは、引込/送出機構150Sにより線材150Wが下側に引き込まれると、支柱本体110Dに沿って上昇する。ただし、支柱上端部110Uの昇降はいずれも、上記所定傾倒状態にあることが前提となる。
なお、本実施形態においては、引込/送出機構150Sによる線材150Wの引き込み、送り出しは、ユーザー操作により可能とされている。本実施形態の引込/送出機構150Sは、図5及び図6に示すように、支柱上端部110Uの傾倒平面に対し直交する形で回転軸(巻取軸)の軸線が突出する線材巻取部151Sと、ユーザーにより回転操作される回転操作部(ここでは取り外し可能なトルクレンチ:図示なし)と、回転入力部152Sと、ウォーム減速機153Sとを有して構成されており、ユーザーによる回転操作部への回転操作(ここではトルクレンチによる回転入力部152Sへの回転入力)がなされると、その回転操作力がウォーム減速機153Sを介して線材巻取部151Sに伝達され、線材巻取部151Sが、上記回転操作の回転操作方向に応じた向きに巻き取り回転、もしくは巻き出し回転されるよう構成されている。このため、ユーザー操作により、支柱上端部110Uの上下位置を、支柱本体110Dの上端位置から予め定められた地表側位置までの間で任意に変更することができる。
さらに、本実施形態の昇降機構150について具体的に説明する。本実施形態の昇降機構150は、図7〜図9に示すように、支柱上端部110Uにおいて傾倒中心部110U0から第二側延出部110U2をなす、支柱本体110Dの上端部110DTを両側から挟む板材110UI,110UIの内側に配置され、支柱本体110Dの上端外周側を取り囲む形で、支柱上端部110Uの支柱本体110Dに沿った昇降をガイドする筒状ガイド部154Sを有する。第二側延出部110U2をなす板材110UI,110UIから内側に突出する回転軸110UJ,110UJは、この筒状ガイド部154Sを内外に貫通し、筒状ガイド部154Sに対し回転自在となる形で配置される。一方、所定傾倒状態の支柱上端部110Uに対し上下方向に力が作用した場合には、その力は回転軸110UJ,110UJの先端が、それら先端により挟み込まれる支柱本体110Dの上端部110DTに対し摺動する形で、その力の作用方向に昇降する。また、その力は、回転軸110UJ,110UJを介して筒状ガイド部154Sにも伝達され、筒状ガイド部154Sは、支柱上端部110Uと共に作用した力の方向へと昇降し、支柱上端部110Uの昇降が支柱本体110Dに沿った移動となるようガイドする。
なお、支柱本体110Dの外周面において、回転軸110UJ,110UJの先端が摺動する摺動面を、支柱延出方向に直線状に形成される、支柱内径側に窪んだ直線溝部の底面として構成することで、当該直線溝部の溝側面が回転軸110UJ,110UJの先端の移動方向が支柱延出方向(ここでは上下方向)のみとなるよう規制し、支柱本体110Dの外周周りの回転摺動を禁止することができる。これにより、筒状ガイド部154Sを含む支柱上端部110Uは、その姿勢を保ったまま安定して昇降可能となる。一方、風車3は、支柱上端部110Uに対しその軸線110Uxの周りを回転自在に取り付けられているが、傾倒時の姿勢は、風車3の自重により定まる安定した姿勢となるため、風車3も姿勢を保ったまま安定して昇降可能である。
また、本実施形態の昇降機構150は、図7に示すように、引込/送出機構150Sにより引き込み、送り出しがなされる線材150Wの、引込/送出機構150Sとは逆側の端部が、支柱本体110Dの上端面に固定設置された滑車155Sを介して下向きに折り返され、その先端が筒状ガイド部154Sに一体に設けられた線材固定部156Sに固定されている。このため、回転入力部152Sへの回転入力がなされ、線材巻取部151Sから線材150Wが上方に送り出されると、所定傾倒状態の支柱上端部110Uは、支柱本体110Dに沿って降下し、線材巻取部151Sに線材150Wが引き込まれると、所定傾倒状態の支柱上端部110Uは、支柱本体110Dに沿って上昇する。支柱上端部110Uは、上昇して所定位置(上昇限界位置)に達すると、図7〜図9に示すように、筒状ガイド部154Sが支柱本体110Dの上端に設けられた上昇限界位置規定部(上昇限界位置規定面)154sに当接することにより、その上昇が阻止される。この所定位置(上昇限界位置)に筒状ガイド部154Sが達したときに、所定傾倒状態の支柱上端部110Uは、再び非傾倒状態に戻され、さらにロック機構160によりその非傾倒状態にロックされる。
なお、本実施形態における線材150Wは、同一の傾倒平面上を移動するように構成されている(ただし、引込/送出機構150S側でのわずかなずれは許容するものとする)。
本実施形態におけるロック機構160について説明する。
ロック機構160は、図7〜図9に示すように、支柱上端部110Uに設けられる係合部160URに、支柱本体110Dの上端部110DTに設けられる係合部160DRが係合した係合状態となることで、支柱本体110Dに対する支柱上端部110Uの傾倒がロックされるよう構成される。本実施形態のロック機構160においては、支柱本体110Dの係合部160DRが上方に突出する凸部(ここでは上方に向かって先細りとなる円錐形状もしくは円錐台形状の凸部)として形成され、他方、支柱上端部110Uの係合部160URがその凸部が挿入されるよう下方に開口する凹部(円錐形状もしくは円錐台形状の凹部)として形成されており、上方に突出する凸部160DRが下方に開口する凹部160URに挿入されると、支柱上端部110Uが傾倒しようとしても、凸部160DRの外周側面が凹部160URの内周側面に当接するためその傾倒動作は阻止され、非傾倒状態に保持される。つまり、非傾倒状態にロックされる。
また、ロック機構160は、支柱本体110Dに対し支柱上端部110Uを、非傾倒状態とするロック状態と、傾倒可能状態とするアンロック状態との間で切り替えるロック切替機構170を備える。ロック切替機構170は、図7〜図9に示すように、筒状の支柱本体110D内の中心部にてその中心軸線110Dxに沿って上下に直線的に延出するとともにその支柱本体110Dの上端部110DTに送りねじ部(スクリュー軸)170Sが設けられ、かつ上端側で回転支持部(軸受装置)171Lによりその軸線110Dxの周りに回転可能に支持される形で下方から延出する回転力伝達部材170Lと、該送りねじ部170Sに対しねじ込まれるナット部170Nと、該ナット部170Nの姿勢を送りねじ部170Sの回転に対し非回転に保持する非回転保持部170Mとを備えたて構成される。本実施形態のナット部170Nには、送りねじ部170Sの軸線周りに等間隔おきに複数(ここでは4)の凸部160URを有した係合部支持部材170DRが取り付けられるとともに、各凸部160URが係合部支持部材170DRから上方に突出する形で一体に設けられる一方、それらの下部には、支柱本体110Dの上端面に固定された筒状の上下動ガイド部170M1の内周側に配置されて、上下にガイド摺動可能なガイド受け部材170M2が、係合部支持部材170DRから下方に延出する形で一体に取り付けられている。つまり、係合部支持部材170DRが、上下動ガイド部170M1により上下方向のみに移動するようガイドされる形で、送りねじの回転に伴い非回転の形で上下動することにより、凸部160URが、支柱上端部110Uの下端面から下方に突出する形で設けられた凹部160URに進入することにより、非傾倒状態にロック保持される。
なお、本実施形態においては、送りねじ部170Sの回転は、ユーザー操作により可能とされており、回転力伝達部材170Lにより下方から伝達される。本実施形態の回転力伝達部材170Lは、図7〜図9に示すように、上端の送りねじ部170Sに対しユニバーサルジョイント170U1を介して固定される上下に直線状に延出する直線軸部を主として有する一方、その下端には、図5及び図6に示すように、ユニバーサルジョイント170U2を介して、ウォーム減速機173Sの出力軸が固定されており、ユーザーによる回転操作を受け付ける回転操作部(ここでは取り外し可能なトルクレンチ:図示なし)への回転操作(ここではトルクレンチによる回転入力部172Sへの回転入力)がなされると、その回転操作力がウォーム減速機173Sを介して回転力伝達部材(直線軸部)170Lに伝達されて、その回転が上端の送りねじ部170Sへと伝達される。回転力伝達部材171Lは可撓性を有する部材であり、支柱110の振動があっても、ユニバーサルジョイント170U1,170U2が上下に設けられることで、それらの振動は吸収され、下方からの回転操作力を安定して上方の送りねじ部170Sまで伝達させることができる。
なお、本実施形態における傾倒機構140、昇降機構150、及びロック機構160に対し回転入力がなされる回転入力部142S,152S,172Sは支柱本体110Dの地表側の下部で、地表に立った人が操作できる位置に設けられている。
以下、本実施形態の風力発電装置について、図面を用いて説明する。
図11は、本実施形態の風力発電装置においてブレード及びハブを受風面下流側から見た図であり、図12はその部分拡大図である。図13は、図11の風車3を有した本実施形態の風力発電装置の部分断面図であり、図14はその部分拡大図であり、双方とも、後述する錘部材35が内方に位置している。図15は、図11の風車を有した本実施形態の風力発電装置の部分断面図であり、図16はその部分拡大図であり、双方とも、後述する錘部材35が外方に位置している。
図11に示す本実施形態の風力発電装置1の風車3は、風力を受けて所定の回転軸2の周りを一定回転方向に回転するものであり、該回転軸2の周りに2以上設けられるブレード(翼)30と、該ブレード30を、その受風面30w(図21参照)の幅方向Wと回転軸2の回転軸線2xの方向とのなす角度θが可変可能となる形で回転軸2に対し固定されるブレード固定部33と、該ブレード30の角度θを、風力が所定の微風レベルを下回る場合に最も風平行寄り(風平行方向X寄り:受風方向2w寄り)となる所定の初期回転用角度位置Aとして加速回転しやすいようにする第一段階(回転開始段階)と、風力が所定の微風レベルをこえた場合に風直交寄り(風直交面Y寄り)に可変してより高速回転となりやすいようにする第二段階(高回転段階)と、風力が所定の強風レベルをこえた場合に過回転が防止されるようにする第三段階(過剰回転防止段階)という風力に応じた各段階を有し、それら各段階する形で、風力に応じて自立的に可変するよう調整する角度調整機構300(図13及び図15参照)と、を備えて構成される。
本実施形態の風車3は、図13及び図15に示すように、受風方向2wが回転軸2の回転軸線2xの方向と一致している。風車3は、該受風方向2wから風力を受けることで一定方向に回転するように配置される複数のブレード30と、それら複数のブレード30を回転軸2と一体回転可能に連結(接続)するハブ22と、を備えて構成される。
ブレード30は、受風面30w(図21参照)が受風方向2wに対し交差するように配置されており、回転軸2の回転軸線2xの方向からの風力を受けて回転する。ブレード30は、回転軸線2xの周りに所定間隔おきに2以上設けられ(ここでは等間隔おきに3枚)、各々が回転軸2に対し径方向外向きに延出する。
ハブ22は、図14及び図16に示すように、回転軸2に対し一体回転する形で固定される軸固定部(固定部材)221と、各ブレード30を軸固定部221に固定するブレード固定部(翼固定部)33と、を有する。これにより、各ブレード30は、対応するブレード固定部33によって軸固定部221(図11及び図12参照)に固定され、回転軸2と一体に回転する。
軸固定部221は、図14及び図16に示すように、円盤形状をなす環状の前端部221Aと、その前端部221Aの中心部が回転軸2の受風方向下流側に延出した筒状の後端部221Bとを有した形状をなす。軸固定部221は、受風方向上流側から回転軸2が挿通されており、それらが締結部材によって互いが一体に回転するよう固定されている。
ブレード固定部33は、図14及び図16に示すように、複数あるブレード30毎に設けられ、対応するブレード30が風力を受けた場合にその受風面30wの幅方向Wが風平行寄りとなるよう押圧力FW(図21参照)を受ける形で、なおかつ該幅方向Wと回転軸線2xの方向とのなす角度θが可変可能な形で、共通の軸固定部(固定部材)221に固定される。これにより、各ブレード固定部33は、回転軸2と一体回転可能に固定された共通の軸固定部(固定部材)221を介して回転軸2に対し一体に固定される。
本実施形態のブレード固定部33は、ブレード30の延出方向に延びる回転支軸33Zと、該回転支軸33Zの軸線33z(図12参照)周りにおいて互いのなす角度を可変可能とされた対をなす2つの固定部33A,33Bとを有した蝶番部材である。一方の固定部33Aは、ブレード取付部材330を介した形で、ブレード30(ブレード30の内周側端部をなす固定部30U)に対し締結部材によって一体に固定される。他方の固定部33Bは回転軸2側の軸固定部221に対し同じく締結部材によって一体に固定され、これによりブレード固定部33全体が軸固定部221と一体回転可能となる。
本実施形態のブレード取付部材330は、図12に示すように、ブレード30を挟持するための対をなす平行板部330A,330Aと、これらを直交する形で結合する直交結合部330Bとを有して構成され、平行板部330A,330Aに挟まれたブレード30(固定部30U)が締結部材によって一体に固定される。図12の(a)は、図11における1つのプレート固定部を拡大した部分断面図であり、図12の(b)及び(d)は図12(a)のA−A断面、図12(c)及び(e)は図12(a)のB−B断面を簡略的に示した模式図である。ただし、図12の(b)及び(d)と、図12の(c)及び(e)とではブレード30の幅方向Wと回転軸線2xの方向とのなす角度θが異なっており、図12の(b)及び(d)はブレード30が風直交寄りの状態、図12の(c)及び(e)はブレード30が風平行寄りの状態を示している。図12においては、ブレード固定部33の固定部33Aが直交結合部330Bに対し締結固定され、ブレード30が平行板部330A,330Aと共に回転支軸33Zの軸線33z周りに回転可能とされている。他方、ブレード固定部33の固定部33Bは、軸固定部221に対し締結部材によって直接固定されている。
回転支軸33Zは、図18及び図20に示すように、ブレード30が幅方向Wにおける第一側の端部30A側を中心にして、他方の第二側の端部30B側が回転するよう、第一側の端部30A側に偏った位置に設けられている。本実施形態においては、第一側の端部30Aが軸線33zに対し内周側となり、第二側の端部30Bが外周側となっており、ここでの回転支軸33Zは、第一側の端部30A側の端縁位置よりも外側に軸線33zが位置している。
角度調整機構300は、図21に示すように、風力が所定の微風レベルを下回る場合に、その風力を受けるブレード30を幅方向Wが最も風平行寄り(風平行方向X寄り)となる所定の初期回転用角度位置Aに保持させる初期位置保持手段(ここでは後述する延出部380と当接部390)と、翼30をその初期回転用角度位置Aに付勢保持する付勢手段34(図14及び図16参照)と、風力がその微風レベルを上回った場合に、遠心力FAが、ブレード30に加わるその風力による受風面30wへの押圧力FWと付勢手段34の付勢力FBとに打ち勝つことにより自らを外方に変位させつつブレード30が風直交寄り(風直交面Y寄り)に可変するようリンク機構37(図14及び図16参照)を介してブレード30に連結する錘部材35(図14及び図16参照)と、を備え、風力が所定の強風レベルに達した場合には、ブレード30を幅方向Wが最も風直交寄りとなる所定の高速回転用角度位置Bに到達させるとともに、風力がその強風レベルをさらに上回った場合には、その風力による押圧力FWと付勢手段34の付勢力FBとが遠心力FAに打ち勝って錘部材35を内方に押し戻すことにより、ブレード30をその幅方向Wが風平行寄りとなるよう復帰させる。
なお、本発明において、ブレード30の受風面30wの幅方向Wが風平行寄りであるとは、ブレード30の受風面30wの幅方向Wと、受風方向2w(即ち回転軸2の回転軸線2xの方向、即ち風平行方向X)とのなす角が小さい側に寄るという意味であり、ブレード30の受風面30wの幅方向Wが風直交寄りであるとは、ブレード30の受風面30wの幅方向Wと、受風方向2wに直交する面Y(即ち回転軸2の回転軸線2xの方向に対する直交面Y)とのなす角が小さい側に寄るという意味である。
以下、本実施形態の角度調整機構300の構成を、図17〜図20を用いて説明する。なお、本発明の角度調整機構300は、以下で述べる本実施形態の構成に限られるものではない。
錘部材35は、複数あるブレード30毎に設けられ、図17及び図19に示すように、それぞれが回転軸2に対し一体回転可能となるよう取り付けられる。これら錘部材35は、回転軸2の回転に伴い自らも回転し、自らが受ける遠心力に応じて回転軸線2xに対する径方向内外に変位可能となるよう、リンク機構37(図14及び図16参照)を介して回転軸2と一体にあるいは連動して回転可能に設けられている。ここでは軸固定部221に対し、その径方向(対応する錘部材35が変位する径方向)と回転軸線2xとの双方に対し直交する回転軸線371y周りに回転可能な形で連結固定される。一方で、リンク機構37を介して共通の連結部材36に対し連結し、これにより、連結部材36は、錘部材35の径方向における内外への変位に応じて、回転軸2上をスライド移動するように設けられる。
リンク機構37は、回転軸2の回転速度が大きいほど大きく作用する遠心力FAによって可動するものであり、遠心力FAが大きくなるほど錘部材35が外方に位置し、遠心力が小さくなるほど錘部材35が内方に位置するよう、予め定められた径方向範囲の中で錘部材35を変位させる。本実施形態においては、図17及び図19に示すように、互いがリンク結合する第一リンク部材371と第二リンク部材372とを有して構成される。L字形状に形成された第一リンク部材371には、一方の端部371Aに錘部材35が締結部材により一体に固定され、他方の端部371Bに第二リンク部材372の一方の端部372Aが、回転軸線2xとその径方向(対応する錘部材35が変位する径方向)との双方に直交する回転軸線372yを有する形で互いに回転可能に取り付けられる。第二リンク部材372の他方の端部372Bは、円盤形状をなした環状の連結部材36の外周部に対し、回転軸線372yと平行な回転軸線373yを有する形で互いに回転可能に取り付けられる。また、L字形状に形成された第一リンク部材371の中間に位置する屈曲部371Cには、軸固定部221に対し同じく回転軸線372yと平行な回転軸線371yを有する形で回転可能に取り付けられる。軸固定部221は、回転軸2と一体に固定されており、錘部材35の径方向の移動に伴い変位を生じることはなく、この軸固定部221を固定リンクとする形で、第一リンク部材371と第二リンク部材372とが可動する。
付勢手段34は、ばね部材(引っ張りばね)であり、ブレード30毎に設けられ、それら付勢手段34は、図17及び図19に示すように、一方の端部が軸固定部221におけるブレード固定部33とは逆の面側にて固定されるとともに、他方の端部が、回転軸線2xの方向にて対向する連結部材36の対向面側にて固定される。本実施形態においては、軸固定部221の受風方向上流側の面に、ばね部材34の一端を固定するばね固定部221c(図12(a)参照)が設けられ、連結部材36の受風方向下流側の面に、ばね部材34の他端を固定するばね固定部36c(図14及び図16参照)が設けられている。このばね固定部221c,36cの対が予め複数個所(ここでは三箇所)に設けられていることで、ばね部材34の数を増やす形での付勢力の調整が可能となっている。
連結部材36は、リンク機構37及び軸固定部221を介して回転軸2に対し一体回転可能とされるとともに、錘部材35の径方向内方への変位により回転軸線2xの第一側にスライド移動し(図17及び図18参照)、錘部材35の径方向外方への変位により回転軸線2xの第二側にスライド移動する(図19及び図20参照)ように、中央部にて軸受装置を介して回転軸2に対し連結している。ここでは第一側が受風方向下流側(軸固定部221側)、第二側が受風方向上流側である。
連結部材36には、対応するブレード30を、錘部材35の径方向内方への変位による回転軸線2xの第一側へのスライド移動によって角度θが風平行寄りとなるよう直接的又は間接的に押し付け、錘部材35の径方向外方への変位による回転軸線2xの第二側へのスライド移動によって角度θが風直交寄りとなるよう直接的又は間接的に引き戻す押付部材362が、ブレード30毎に設けられている。これにより、各ブレード30の角度θは、それら錘部材35の径方向における内外への移動に伴いスライド移動する連結部材36の回転軸上の位置に応じて決定されるよう構成されており、これにより各ブレード30の角度θが互いに同期して同角度となる形で変化する。
なお、図17〜図20における各押付部材362は、対応するブレード30を直接的に押し付ける、あるいは引き戻す構成として図示されているが、実際のところは図12に示すように、軸固定部221の円盤状の前端部221Aに形成された貫通孔221hを貫通する形で延出し、その延出先端部が、対応するブレード30に一体に固定される固定部33A(ここでは受風方向上流側の平行板部330Aに設けられた回転固定部330a)に対し、回転支軸33Zの軸線33zと平行な軸線周りに回動可能な形で固定されている。なお、ここでの押付部材362は、固定部33Aの回転支軸33Zから遠い側の第二側に対し回動可能に固定されている。
また、錘部材35は、径方向における可動範囲があらかじめ規定されている。図19の状態は、錘部材35が径方向の最外位置にある状態であり、リンク機構37の構成上、これ以上径方向外側には変位できない。錘部材35が、この最外位置に到達したときに、ブレード30は、その受風面30wの幅方向Wが最も風直交寄りとなる所定の高速回転用角度位置Bに到達する(図21参照)。一方で、図17の状態は、錘部材35が径方向の最内位置にある状態であり、これ以上径方向内側には変位できない。ただし、これはリンク機構37の構成により規定される最内位置ではない。即ち、その最内位置は、ブレード30を含むブレード30の風平行寄りへの角度変更動作に連動して動作する可動構造体に対し、その動作方向に対向する位置に設けられた当接部材38との当接位置として規定されている。図17及び図18、さらには図21(a)の状態において、ブレード30は、風力による押圧力FWと付勢手段34による付勢力FBにより風平行寄りに付勢されるが、それらの力FW及びFBによるブレード30の風平行寄りへの角度変更動作は、ブレード30を含むブレード30の角度変更動作に連動して動作する可動構造体に対し当接部材38が当接する形で止まる。そして、その停止位置が、錘部材35の径方向における最内位置であって、同時のそのときのブレード30の位置が、初期回転用角度位置Aとなっている。
本実施形態においては、各ブレード固定部33が、回転軸2と一体回転可能に固定された共通の固定部材を介して回転軸2に対し固定され、その固定部材が当接部材38として機能する。ここでは、軸固定部221が当接部材38である。一方、連結部材36は、ブレード30の幅方向Wが風平行寄りとなるに従い上記固定部材に接近するようリンク機構37と接続しており、上記の可動構造体39として機能する。そして、当接部材38である軸固定部221及び可動構造体39である連結部材36のいずれか又は双方には他方の部材に向けて延出する延出部380が形成されており、その延出部380における他方の部材側の先端がその他方の部材の当接部390に対し当接することにより、ブレード30が初期回転用角度位置Aに位置保持される。ここでは、連結部材36に、その中央部から軸固定部221側に向けて延出形成された筒状部又は突起部が延出部380として形成されており、その先端と軸固定部221の当接部390とが当接することにより、ブレード30は、初期回転用角度位置Aに位置保持される。なお、当接部材38の当接部及び可動構造体39の当接部のうち少なくとも一方は、ゴム等の弾性部材として設けられている。ここでは、軸固定部221の当接部390が弾性部材として設けられている。
このような構成を有することにより、ブレード30は、図21に示すような形で動作することになる。
即ち、風力が所定の微風レベルを下回る場合には、図21(a)に示すように、その風力によるブレード30の受風面30wへの押圧力FWと付勢手段34の付勢力FBとが遠心力FAに打ち勝って錘部材35を内方に押し付けて、ブレード30は初期回転用角度位置Aに付勢保持される。具体的にいえば、風力が所定の微風レベルを下回る場合、上述の可動構造体39が当接部材38に当接するよう上記の押圧力FWと付勢力FBとにより押し付けられ、その当接位置である初期回転用角度位置Aにブレード30が位置保持され、このときブレード30は、その受風面の幅方向が最も風平行寄りとなる。この状態は、わずかな風力でも風車3が高いトルクを得やすい状態で、風車3が回転し易い状態である。ただし、高い回転数を得難い状態である。
風力が上記の微風レベルを上回った場合には、図21(b)に示すように、遠心力FAが増大し始めて、受風面30wへの押圧力FWと付勢手段34の付勢力FBとに打ち勝ち、FAと、FW及びFBとが釣り合う位置まで錘部材35が外方へ変位するとともに、ブレード30の角度θも初期回転用角度位置Aを離れ、風直交寄りへと位置を変える。この状態は、風直交寄りとなるほど高いトルクは得にくくなるものの、より高速回転に適した状態へ遷移している途中の状態である。
ただし、錘部材35は最外位置が規定されている。風力が上記の微風レベルを上回った所定の強風レベルに達すると、錘部材35はその最外位置に到達し、それよりも外方へは変位できなくなる。このとき、ブレード30は、その幅方向Wが最も風直交寄りとなる所定の高速回転用角度位置Bに到達した状態となる。この状態は、風車3が最も高速で回転可能な状態である。
風力がその強風レベルをさらに上回った場合には、図21(c)に示すように、その風力による受風面30wへの押圧力FWと付勢手段34の付勢力FBとが遠心力FAに打ち勝って、今度は錘部材35を内方に押し戻すことにより、ブレード30を幅方向Wが風平行寄りとなるように復帰させる。この状態は、風車3が徐々に高い回転数を得難い状態へと遷移している途中の状態である。ここでのブレード30は、上述の可動構造体39が当接部材38に当接する初期回転用角度位置Aまで位置復帰可能とされている。
このように、本実施形態によれば、付勢手段34と錘部材35とリンク機構37とを有することで、微風時に回転し易いようにブレード30の角度θを風平行寄りとする第一段階と、風速が増した時に高回転となり易いようにブレード30の角度θを風直交寄りとする第二段階と、強風時に過回転が防止されるように風直交寄りから風平行寄りにブレード30が押し戻される第三段階という三段階にて、ブレード30の角度θを可変させることが可能となり、この三段階のブレード30の角度変更による自律的な回転速度制御によって、風車3は、始動性に優れ、高回転時の効率も高く、なおかつ強風時の過剰回転の抑制も可能となっている。
なお、本実施形態においては、上述した支柱上端部110Uの所定傾倒状態にて、ブレード30は自らの自重によりブレード固定部33の回転支軸(軸線)33Zの周りを回転し、ブレード30の受風面30wの幅方向Wが風平行寄りとなる位置に保持される(傾倒時角度保持機構)。翼角度調整機構300は、ブレード30を、その受風面30wが風平行寄りとなるよう付勢する付勢手段34を有し、その付勢部材34は、上述した支柱上端部110Uの所定傾倒状態において非付勢状態に保持される。
本実施形態における翼角度調整機構300は、付勢手段34として、ブレード30をその受風面30wが風平行寄りとなるよう引っ張る形で付勢するばね部材を有し、そのばね部材34を、上述した支柱上端部110Uの所定傾倒状態において、そのばね力(復元力)の作用方向が上下方向(重力方向)となるよう配置され、その所定傾倒状態において非引張状態(ばねの最短状態)とされる。
以下、本実施形態の風力発電装置1の発電装置部分の構成について説明する。
本実施形態の風力発電装置1は、図22〜図25に示すように、発電ケース体100内に、回転軸2の周りを回転可能なロータ(発電機回転子)51,91と、該ロータ51,91に対し非回転となるステータ(発電機固定子)53,93と、を回転軸2と軸線を同じくして配置される形で構成される。ロータ(発電機回転子)51,91には、その周方向に沿って所定間隔おきに、磁界形成部をなす複数の磁性部材52,92が設けられる。ステータ53,93には、それら磁性部材52,92に対しエアギャップを形成する形で対向する形で、ステータコイル54,94が設けられる。それら磁性部材52,92とステータコイル54,94との相対回転により電力を生成する。生成される電力(発電電力)は、その相対回転速度が大きいほどが大となる。ここでの磁性部材52,92は永久磁石であり、例えばネオジウム磁石等を用いることができる。また、磁性部材52,92とステータコイル54,94との数の比は、ここでは3:4であり、ステータコイル54,94からは三相の交流電力が出力される。
なお、本実施形態の発電装置1は、一般的な発電装置として構成されていてもよいが、それとは異なり、第1の発電機5及び第2の発電機9を備えて構成され、それら第1の発電機5及び第2の発電機9のそれぞれがロータ51,91と、ステータ(発電機固定子)53,93とを備えて構成され、さらにロータ51,91がフライホイール7に一体回転可能に固定されている。つまり、ロータ51,91は、フライホイール7を含んだ回転体ともいえる。
即ち、本実施形態の風力発電装置1は、所定の受風方向2wからの風力を受けて所定の回転軸線2xの周りを一定回転方向に回転する風車3(図11,図22参照)と、上記一定回転方向において、回転軸2が増速している場合には該回転軸2と一体回転状態となって自身も増速回転し、回転軸2が減速している場合には該回転軸2から切り離されて慣性回転するように1方向クラッチ6(ワンウェイクラッチ:図25参照)を介して配置されるフライホイール7(図25参照)と、を備えて構成され、さらにここでは、フライホイール7と同軸をなして一体回転するよう配置されたロータ91(図25参照)を有してフライホイール7の回転に伴う該ロータ91の回転により電力を生成する発電機9(発電手段:図22参照)を備えて構成される。
さらにいえば、発電機9を第二の発電機とし、フライホイール7と同軸をなして一体回転するよう配置されたロータ51を有してフライホイール7の回転に伴う該ロータ51の回転により電力を生成する、第2の発電機9とは異なる第1の発電機5を備えて構成されている。ここでは、図25に示すように、フライホイール7に対する受風方向下流側に第一の発電機5が設けられ、受風方向上流側に第二の発電機9が設けられる。
そして、本実施形態の風力発電装置1は、図26A及び図26Bに示すように、第1の発電機5と第2の発電機9により生成された双方の電力入力を受け、それらを合わせて外部出力する出力部(出力手段)10を備えて構成される。つまり、第1の発電機5及び第2の発電機9の発電電力の出力ラインを、外部出力に至るまでの間で接続し、1系統で外部出力する形で構成される。
出力部10は、例えば図26Aに示すように、第1の発電機5と第2の発電機9により生成された双方の三相の交流電力を、それぞれ整流器12に入力した上で、昇圧コントローラ11に入力して所定の電圧で出力し、さらにそれをパワーコンディショナ15にて入力して、入力された直流の電力を系統電力に変換し、出力するように構成できる。これにより、第1の発電機5と第2の発電機9により生成された双方の電力を合わせて外部の電源系統19Aに供給することができ、例えば売電等が可能となる。また、パワーコンディショナ15にて、家庭内で使える交流電力に変換して出力してもよい。また、出力部10は、図26Bに示すように、第1の発電機5と第2の発電機9により生成された双方の電力をそれぞれ、整流器12に入力した上で、昇圧コントローラ13に入力し、所定電圧とされた直流の電力をバッテリー(蓄電手段)19Bに供給して蓄電させてもよい。また、バッテリー(蓄電手段)19Bに蓄電された電力を、パワーコンディショナ15を介して外部の電源系統19Aに供給するようにしてもよい。
図24は、図23のナセルを軸線2x,3xを通過する平面で切断した断面図である。ナセル21の内部には、フライホイール7と第1の発電機5と第2の発電機9とを、風車3の受風方向2wの上流側からこの順で収容した発電ケース体100が配置され、ナセル21に対し締結部材によって締結固定される。
図24に示すように、支柱110の上端部(支柱上端部110Uの第一側延出部110U1の上端部位)110Tの上端軸部111Tには、スリップリング110SA,110SBが設けられており、各スリップリング110SA,110SB上を摺動するブラシ102CA(図示有り),102CB(図示なし)を介し、ステータコイル54,94から発電出力を取り出すよう構成されている。取り出された発電出力は、筒状の支柱(タワー)110の内部空間を通る配線を介して、出力部10に接続される。
なお、支柱110の上端部(支柱上端部110Uの第一側延出部110U1の上端部位)110Tの上端面には、回転軸2に回転可能に固定するために、図24に示すように、軸受装置を内包した固定部120が締結部材により締結固定されている。発電ケース体100は、それら固定部120よりも受風方向上流側に設けられている。なお、回転軸2の受風方向上流側では、回転軸2と、これを延長する回転軸延長部2’とが軸連結部130により一体回転可能に連結されている。発電ケース体100内を挿通する回転軸2はその回転軸延長部2’である。
図25に示すように、発電ケース体100は、その内部に、受風方向2wの上流側から順に、第2の発電機9を収容する上流側収容空間9Sと、フライホイール7を収容する中間収容空間7Sと、第1の発電機5を収容する下流側収容空間5Sとを有し、これらをひとつながりの空間とする形状をなす。このひとつながりの空間は、フライホイール7が中間収容空間7S内に配置されることで、上流側収容空間9Sと下流側収容空間5Sとに分断される。これら円筒状の上流側収容空間9S及び下流側収容空間5Sよりも、同じく円筒状の中間収容空間7Sの方が径大で、かつ収容されるフライホイール7自体も、径方向において中間収容空間7Sの円筒状外周壁に対し近接して位置するため、フライホイール7が配置されたときには、上流側収容空間9Sと下流側収容空間5Sとは、フライホイール7の外周側においてのみ連通するので、より確実な分離状態となっている。これにより、上流側収容空間9S及び下流側収容空間5Sのうち、一方の空間内での回転体(ロータ91,51)の回転に伴う気流の乱れの影響を、他方の空間が受けることがない。
回転軸2は、発電ケース体100に対し自身の軸線方向に貫通し、なおかつ発電ケース体100に対し円滑に相対回転するよう軸受装置60を介して取り付けられる(図25参照)。本実施形態の軸受装置60は、例えばシール装置(Oリング等)やグリース等のような密閉機能付きの密閉型軸受装置であり、その密閉機能によって密閉状態としている。密閉された発電ケース体100内部は、空気が大気圧で充填されている場合に、内部の回転体51,91,7等が受ける充填気体による抵抗(空気抵抗)が軽減されるよう、減圧状態等のような内部状態とされている。
本実施形態の第1の発電機5及び第2の発電機9は、ロータ51,91として、回転軸2と同軸をなしフライホイール7と共に互いに一体回転する第1ロータ部51A,91Aと第2ロータ部51B,91Bとを有する。それら双方のロータ部51A,91Aと51B,91Bは、エアギャップを介して互いに対向(対面)する対向面を有し、それら双方の対向面上には、周方向において複数の磁性部材92が所定間隔おきに同数配置され、締結部材により固定されている。ただし、一方のロータ部51A,91Aの磁性部材52A(52),92A(92)と他方のロータ部51B,91Bの磁性部材52B(52),92B(92)とは、互いに異なる極性(磁極)の着磁面同士にて対面している。さらに、それら第1ロータ部51A,91Aと第2ロータ部52A,92Aとの間の空隙にステータ53,93のステータコイル54,94が位置する。ステータコイル54,94は、回転するそれら双方のロータ51A,51Bと91A,91Bの磁性部材間52,52と92,92に挟まれるステータ53,93上の環状の対向領域に、その周方向に沿って所定間隔おきに複数配置される。
また、第1の発電機5及び第2の発電機9において、第1ロータ部51A,91A及び第2ロータ部51B,91Bは、回転軸2の回転軸線2xに対する径方向に対向して配置される。第1ロータ部51A,91Aは、フライホイール7の固定部70Aの外周側に形成される固定部50A,90Aに対し、フライホイール7に対し同軸をなして一体回転するよう固定されている。第2ロータ部をなす円筒状部51B,91Bは、フライホイール7の固定部70Aの内周側に形成される固定部50B,90Bに対し、フライホイール7に対し同軸をなして一体回転するよう固定されている。
なお、本実施形態のフライホイール7は、回転軸2に対し1方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)6を介して固定される軸固定部70Cと、軸固定部70Cから径方向外側に延出する円盤状の中間部70Bと、中間部70Bの径方向外側にて第1ロータ部51A,91A及び第2ロータ部51B,91Bが一体に固定される固定部70Aとを有する。さらに本実施形態では、固定部70Aから径方向外側に延出する外端部70Dを有する。
ここで、本実施形態の風車3及びブレード30について説明する。
図27に示す風力発電装置1の風車3には、回転軸2の軸線方向2x(図11参照)からの風力を受けて該回転軸2の周りを一定回転方向に回転するよう形成されたブレード30が、回転軸2の周りに2以上(ここでは3)設けられている。ブレード30は、回転軸線2x周りに所定間隔おきに配置され、互いに同形状をなして形成される。
ブレード30は、既に述べた実施形態と同様であるが、回転軸2側と先端30s側で流れの速度に差が生ずるように、受風面30wにねじりを設けた形で形成されている。具体的にいえば、ブレード30は、先端30s側ほどピッチが浅くなる形で形成されている。
さらに、本発明のブレード30は、回転軸2に対し径方向外向きに延出するブレード本体部30Tと、ブレード本体部30Tの外側から一定回転方向とは逆側に延出するブレード先端部30Sと、を備える。つまり、ブレード30は、その外側の先端部が一定回転方向とは逆側に曲がった形状をなしており、ブレード30の回転に対し尾を引くような形状を有している。
ブレード先端部30Sは、正面視(図30)及び背面視(図29)において、直線状に延出するブレード本体部30Tから湾曲して続くように見える形状をなす。ここでのブレード先端部30Sは、ブレード本体部30Tの外周側から滑らかに連続して続く形で形成されており、正面視(図30)及び背面視(図29)において、直線状に延びて見えるブレード本体部30Tの外周側から、弧状を描く形で湾曲したフック状に見えるように形成されている。
また、ブレード先端部30Sは、正面視(図30)及び背面視(図29)において、ブレード本体部30Tとは逆に位置する先端30sが直線状に見える形状をなす。つまり、ブレード30において湾曲する先端が直線状にカットされたような形状をなす。そのカット面は、上記一定回転方向とは逆向きを臨むよう形成されている。ここでは、ブレード先端部30Sの先端30sが、正面視(図30)及び背面視(図29)において、回転軸2に対する径方向に直線状に延出するブレード本体部30Tの、上記一定回転方向側の端面(端縁部)30aと略平行に見える形で形成されている。
ブレード30の背面30v(受風面30wとは逆側の面)には、ブレード本体部30Tからブレード先端部30Sにかけてブレード延出方向に沿った稜線30pを有するよう幅方向中央部に山型の凸部30Pが形成されている。また、この凸部30Pは、背面30vの幅方向Wにおいて、上記稜線30pが後述するブレード固定部33の回転支軸33Z(図12参照)側に偏った位置に設けられている。即ち、ここでの凸部30Pは、図29に示すように、上記稜線30pが背面30vの幅方向Wにおいて一定回転方向側(図29の上側)に偏った位置となるよう形成され、一定回転方向側(図29の上側)の面30p1の面幅のほうが、その逆側(図29の下側)の面30p2の面幅よりも短い。
ブレード先端部30Sは、上記したブレード30の一定回転方向側を上側とした場合、その上面視(図33)及び下面視(図34)において、ブレード本体部30Tの延出方向に対し、ブレード本体部30の受風面側(受風方向とは逆向き)に曲がった形状とされている。この屈曲形状により、ブレード30は、その屈曲部分において風を受け止めやすくなっている。このため、受け止めた風によって効率的に回転できる。また、ブレード30の先端側(外周側)に加わる応力に対しては、ブレード先端側が受風方向にしなる形で抗することができ、高い強度を有した構造となっている。また、既に述べたように、ブレード30の先端側(外周側)が回転方向逆側に屈曲していることにより、上記応力に対し、ブレード先端側が弾性的にねじれる形でも風力に対し抗することができるから、より高い強度を有した構造となっている。
また、図33及び図34に示すように、ブレード本体部30Tの受風面30wは、外周側(ブレード先端部側)に向かうに従い受風方向にわずかに反った形状となっており、その外周側に、受風方向逆向き(受風面側)に屈曲するブレード先端部30Sが設けられている。さらに、図31及び図32に示すように、翼先端部30Sの先端30sの外周側端縁位置は、翼本体部30Tの受風面30wよりも、受風方向逆向き(受風面側)に突出して位置している。
ブレード30は、内周側(根元側)の端部30tに向かうに従い厚みが増し、なおかつ外周側(先端)に向かうに従い受風面30wの面幅が減少する先細りの全体形状を有する。端部30tのさらに内周側には、ブレード固定部33により固定される固定部30Uを有する。
ここで、本実施形態の風導ケース(ナセル)200について説明する。
図35〜図39に示すように、風車3(ブレード30)の風上側に、発電部ケース(ハウジング)を兼ねる風導ケース(ナセル)200を設け、このケース200の内部に発電部を格納するとともに、その風導ケース200(ケース本体201でもある)の外部に風向フィン(風向板部)202を一体的に形成することができる。この例では、後述する風車3の外側に図59及び図60に示すような筒状風洞部(ダクト)31は存在せず、風車3がむき出し(露出状態)で風を受ける。風導ケース200のケース本体201は風車3の軸方向に直角な断面が、縦長楕円状又は円形状等をなす滑らかな外周面を有し、そのケース本体201の風上側の端部は先端側ほど滑らかに細くなり、先端が曲率の小さい円弧状の縦断面を有している。
ケース本体201の外周面には、上述の風向フィン202が、風車3の軸方向に沿う方向において、そのケース本体201(風導ケース200)の外周面から外方に(例えば上向きに)突出するように形成され、風向フィン202は風車3の回転面と直角な位置関係を占める。風向フィン202はケース本体201の軸方向長さと同等か少し短い長さを有し、かつケース本体201の風上側先端近傍から漸次高さが円弧状(又は直線状)に増加する斜辺203を備えて、ケース本体201の風下側の端部近傍で最大高さとなり、その頂部から風上側へ円弧状(湾曲状)に食い込む(えぐれる)ように降下する後端部204を備え(風下側に円弧状に膨出する後端部、あるいは直線状に垂下する後端部でもよいが)、その下端がケース本体201の上部面に連続する。また風向フィン202は、その斜辺203がナイフエッジ状に先鋭に形成され、また中間部から後端部204に向かっても後端ほど先鋭となる曲面を有して、風向フィン202の風向き方向の中間部が最も厚く形成され、風上からみて、図36に示すように先鋭な三角形状をなしている。
このような風向フィン202とはケース本体201の軸線をはさんで反対側(下側)には、風車3を所定の高さに維持する支柱(ポール)110と接続する支柱接続部208が形成され、ここに支柱110が接続される。この支柱接続部208はケース本体201の下面から下方に突出するとともに、滑らかに先細りとなり、下端部が円筒状になるように形成されて、その円筒状部に支柱110の円形断面の上端部が嵌合され、かつ、図35に示すように軸受(ベアリング)210を介して、風導ケース200及び風車3が、支柱110の垂直軸(本実施形態においては支柱110の軸線110xに対し傾倒側に位置する平行な軸線3s)の周りに回転自在に支持されている。その結果、風導ケース200に形成された風向フィン202が風向きに沿うように、言い換えれば風車3の回転面が常に風向きと正対するように、風車3及び風導ケース200がフリーな状態に保持されることとなる。
風車3と風導ケース200を含む部分の側面断面図(透視図)は、図23に示されており、風導ケース200の内部に、風車3の回転軸2が風導ケース200の中心線と同心的に配置され、また図25に示した発電ケース体100がその回転軸2に同心的に組み付けられる(後述する図41も同様)。さらに、図12〜図21で説明した風車3の角度調整機構300もこの風導ケース200内に収容される。
なお、図35、図38及び図23に示すように、風車3の中心部(ブレード30の基端部)は、円形断面の筒状部212が占めるようにされ、この筒状部212の中心部から前記風導ケース200とは反対側(風下側)へコーン状に突出するコーン状中心部214が形成され、このコーン状中心部214と筒状部212(風下側へややテーパ状に縮径されたほぼ円筒部)との間には、円環状でかつ底部側ほど幅が狭くなるコーン付き環状凹部216が形成され、それらの内部にハブ22やブレード固定部33が配置されている。仮に、風向きが大きく変わって、風導ケース200の後方から風が吹くようになっても、そのコーン付き環状凹部216が後方からの風を受けて回転モーメントを生じ、その結果、フリー状態の風導ケース200及び風車3が姿勢(向き)を例えば180度近く変え、風導ケース200の先端が風上を向く(風に正対する)ように姿勢変更することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
例えば上記実施形態の風力発電装置1の発電部分を、以下のように変更することができる。
図41に示す実施形態の風力発電装置1は、所定の受風方向2wからの風力を受けて所定の回転軸線2xの周りを一定回転方向に回転する風車3と、風車3の回転軸2と同軸をなして一体回転するよう配置されたロータ51を有して回転軸2の回転に伴う該ロータ51の回転により電力を生成する第1の発電機(発電手段)5と、回転軸2と同軸をなし、かつ上記一定回転方向において、回転軸2が増速している場合には該回転軸2と一体回転状態となって自身も増速回転し、回転軸2が減速している場合には該回転軸2から切り離されて慣性回転するように1方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)6を介して配置されるフライホイール7と、フライホイール7と同軸をなして一体回転するよう配置されたロータ91を有してフライホイール7の回転に伴う該ロータ91の回転により電力を生成する、第1の発電機5とは異なる第2の発電機(発電手段)9と、を備えて構成される。
さらに、図41の風力発電装置1の場合は、第1の発電機5と第2の発電機9により生成された双方の電力入力を受け、それらを合わせて外部出力する出力部(出力手段)10を備えて構成される。つまり、第1の発電機5及び第2の発電機9で発電された互いに位相の異なる発電電力を、1系統で外部出力する形で構成される。なお、この場合の出力部10の構成は図26A及び図26Bと同様とすることができる。
図41の第1の発電機5は、ロータ51として、回転軸2と同軸をなし互いに一体回転する第1ロータ部51Aと第2ロータ部51Bとを有する。それら双方のロータ部51A,51Bは、エアギャップを介して互いに対向(対面)する対向面を有し、それら双方の対向面上には、周方向において複数の磁性部材52が所定間隔おきに同数配置され、締結部材により固定されている。ただし、それら双方のロータ部51A,51Bのうち、一方のロータ部51Aの磁性部材52A(52)と他方のロータ部51Bの磁性部材52B(52)とは、互いに異なる極性(磁極)の着磁面同士にて対面している。さらに、それら第1ロータ部51Aと第2ロータ部51Bとの間の空隙にステータ53のステータコイル54が位置し、ステータコイル54は、回転するそれら双方のロータ部51A,51Bの磁性部材52,52間に挟まれるステータ53上の環状の対向領域に、その周方向に沿って所定間隔おきに複数配置される。
また、第1の発電機5において、第1ロータ部51A及び第2ロータ部51Bは、回転軸2の軸線2xに対する径方向(ラジアル方向)に対向して配置される。本実施形態においては、ロータ51の本体部として、回転軸2と一体回転するよう固定される軸固定部50Cと、軸固定部50Cから径方向外側に延出する円盤状の中間部50Bと、中間部50Bの径方向外側の外端部50Aと、を有したロータ本体部50を備える。ただし、ロータ本体部50は、外周側に大重量を有するフライホイール7よりも軽く、小径である。第1ロータ部をなす円筒状部51Aと、第2ロータ部をなす、円筒状部51Aよりも径大の円筒状部51Bとは、ロータ本体部50に対し同軸をなす形で一体回転するよう双方とも、ロータ本体部50の外端部50Aに固定されている。
図41の第2の発電機9は、ロータ91として、回転軸2と同軸をなしフライホイール7と共に互いに一体回転する第1ロータ部91Aと第2ロータ部91Bとを有する。それら双方のロータ部91A,91Bは、エアギャップを介して互いに対向(対面)する対向面を有し、それら双方の対向面上には、周方向において複数の磁性部材92が所定間隔おきに同数配置され、締結部材により固定されている。ただし、それら双方のロータ91A,91Bのうち、一方のロータ部91Aの磁性部材92A(92)と他方のロータ部91Bの磁性部材92B(92)とは、互いに異なる極性(磁極)の着磁面同士にて対面している。さらに、それら第1ロータ部91Aと第2ロータ部91Bとの間の空隙にステータ93のステータコイル94が位置する。ステータコイル94は、回転するそれら双方のロータ91A,91Bの磁性部材間92,92に挟まれるステータ93上の環状の対向領域に、その周方向に沿って所定間隔おきに複数配置される。
また、第2の発電機9において、第1ロータ部91A及び第2ロータ部91Bは、回転軸2の軸線2xに対する径方向に対向して配置される。第1ロータ部91Aは、フライホイール7に対し、第1ロータ部をなす円筒状部91Aと、第2ロータ部をなす、円筒状部91Aよりも径大の円筒状部91Bとが、フライホイール7に対し同軸をなして共に一体回転するよう固定されている。
なお、本実施形態のフライホイール7は、回転軸2に対し1方向クラッチ(ワンウェイクラッチ)6を介して固定される軸固定部70Cと、軸固定部70Cから径方向外側に延出する円盤状の中間部70Bと、中間部70Bの径方向外側にて第1ロータ部をなす円筒状部91Aと第2ロータ部をなす円筒状部91Bを固定する固定部70Aとを有し、本実施形態ではさらに、固定部70Aから径方向外側に延出する外端部70Dを有する。
また、図41の実施形態におけるステータ53,93の構造は、互いの径・大きさは異なるものの、既に述べた実施形態と同様、コイル部材96とリンク部材95を有して構成されている。
また、上記実施形態における角度調整機構300の変形例について、以下で説明する。
上記実施形態における角度調整機構300では、付勢手段34として、ブレード30の受風面30wの幅方向Wが初期回転用角度位置Aと高速回転用角度位置Bとの間に位置する間、その幅方向Wが風平行寄り側となるようブレード30を初期回転用角度位置A側へと一定の付勢力で付勢するばね部材34を使用しているが、ブレード30に対し、その受風面30wの幅方向Wを初期回転用角度位置A側へと付勢する付勢力が、初期回転用角度位置Aから離間するほど増大するものに変更してもよい。以下、図42〜図49を用いて、上記実施形態とは異なる角度調整機構300’及び風車3ついて説明する。
図42は、上記実施形態の風車3とは異なる角度調整機構300’を備える風車3を示すものである。また、図43の(a)は、図42における1つのプレート固定部を拡大した部分断面図であり、図43の(b)及び(d)は図43(a)のA−A断面、図43(c)及び(e)は図43(a)のB−B断面を簡略的に示した模式図である。ただし、図43の(b)及び(d)と、図43の(c)及び(e)とではブレード30の幅方向Wと回転軸線2xの方向とのなす角度θが異なっており、図43の(b)及び(d)はブレード30が風直交寄りの状態、図43の(c)及び(e)はブレード30が風平行寄りの状態を示している。
図42に示す風車3の角度調整機構300’は、図43〜図47に示すように、図11の実施形態において付勢手段として使用したばね部材34に代わって、ネオジム磁石等のマグネット(磁性部材)340a,340bを使用している点が異なる。マグネット340bは、受風面30w(図48及び図49参照)の幅方向Wと回転軸2の回転軸線2xの方向とのなす角度θが可変可能なブレード(可動構造体)30の、受風方向上流側に取り付けられる。具体的に言えば、ブレード30を取り付けるためのブレード取付部材(可動構造体)330をなす平行板部330A,330Aのうち受風方向上流側の平行板部330Aに締結部材によって直接固定される。他方、マグネット340aは、マグネット340bが取り付けられた平行板部330A(ブレード30)が風直交寄りとなるほど接近してくる軸固定部(固定構造部)221に、マグネット340bと対向する形で取り付けられる。具体的に言えば、軸固定部(固定構造部)221の受風方向下流側に締結部材によって直接固定される。対向するマグネット(磁性部材)340a,340bは互いの極性が同じであり、接近時には互いの接近を妨げる反発力FM(図48及び図49参照)を生ずる。この反発力FMは、対向するマグネット(磁性部材)340a,340bの対向間距離が小さくなるほど増大する。
このような構成を有することにより、ブレード30は、図48及び図49に示すような形で動作することになる。
即ち、風力が所定の微風レベルを下回る場合には、図48(a)に示すように、その風力によるブレード30の受風面30wへの押圧力FWと付勢手段340a,340bの付勢力FMとが遠心力FAに打ち勝って錘部材35を内方に押し付けて、ブレード30は初期回転用角度位置Aに付勢保持される。具体的にいえば、風力が所定の微風レベルを下回る場合、上述の可動構造体39が当接部材38に当接するよう上記の押圧力FWと付勢力FBとにより押し付けられ、その当接位置である初期回転用角度位置Aにブレード30が位置保持され、このときブレード30は、その受風面の幅方向が最も風平行寄りとなる。この状態は、図21(a)と同様の状態であるが、ここでは付勢力FMがマグネット340a,340bの反発力であり、ここではマグネット340a,340bの対向間距離が長いことから、付勢力FMは図21(a)のときの付勢力FBよりもはるかに小さく、極めて小さい力として作用している。
風力が上記の微風レベルを上回った場合には、図48(b)に示すように、遠心力FAが増大し始めて、受風面30wへの押圧力FWと付勢手段340a,340bの付勢力FMとに打ち勝ち、錘部材35が、FAと、FW及びFMとが釣り合う位置まで外方へと変位するとともに、ブレード30の角度θも初期回転用角度位置Aを離れ、風直交寄りへと位置を変える。この状態は、図21(b)と同様の状態であるが、ここでの付勢力FMは依然として付勢力FBよりもはるかに小さい。
風力が上記の微風レベルを上回った所定の強風レベルに達した場合には、図48(c)に示すように、ブレード30は、その幅方向Wが、初期回転用角度位置Aよりも風直交寄りとなる所定の高速回転用角度位置Bに到達した状態となる。この状態は、風車3が最も高速で回転可能な状態である。
この段階となると、対向するマグネット(磁性部材)340a,340bの対向間距離が小さくなってくるため、付勢力FMは、徐々に付勢力としての機能を有する程度に大きくなってくる。
風力が所定の強風レベルをさらに上回った場合には、図49(d)に示すように、遠心力FAがさらに増大し、ブレード30の角度θは、高速回転用角度位置Bを超えた状態、風直交面Y側の位置となる。高速回転用角度位置Bを超えたブレード30の角度θの範囲(以下、回転減速用角度範囲という)Qでは、これまでプラスピッチであったブレード30がマイナスピッチとなり、ブレード30には、これまでとは逆の回転力が生じる。即ち、ブレード30は、受風方向2wからの風力を受けて回転する予め定められた一定回転方向に回転するよう構成されているが、ブレード30の角度θの変化によって高速回転用角度位置Bを超えると、その一定回転方向とは逆方向に回転しようとする逆方向回転力が生じる。この逆方向回転力は、回転減速用角度範囲Q内において高速回転用角度位置Bから離れるほど強まる。このため、回転減速用角度範囲Q内に位置するブレード30は、上記一定回転方向への回転にブレーキがかかった状態となり、回転速度が減じられ、これに伴い錘部材35の遠心力FAも低下する。一方で、付勢手段340a,340bの付勢力FMは、回転減速用角度範囲Q内に位置するブレード30が、高速回転用角度位置Bから離れていくほど増大する。このため、回転減速用角度範囲Q内に位置するブレード30は、再び高速回転用角度位置Bへと押し戻され、その時点におけるFAと、FW及びFMとが釣り合った位置となる。
このように、角度調整機構300’は、付勢手段340a,340bと錘部材35とリンク機構37とを有することで、微風時に回転し易いようにブレード30の角度θを風平行寄りとする第一段階と、風速が増した時に高回転となり易いようにブレード30の角度θを風直交寄りとする第二段階と、強風時に過回転が防止されるようにブレード30の角度θが回転減速用角度範囲に到達する第三段階という三段階にて、ブレード30の角度θを可変させることが可能となり、この三段階のブレード30の角度変更による自律的な回転速度制御によって、風車3は、始動性に優れ、高回転時の効率も高く、なおかつ強風時の過剰回転の抑制も可能となっている。
なお、既に述べた図21におけるブレード30の高速回転用角度位置Bは、風直交面Yに達する手前に位置しているが、これは遠心力FAの最大値や一定の付勢力FBの大きさによって規定される可動限界角度位置であり、風車が最も高速で回転可能な状態となる真の高速回転用角度位置は、その可動限界位置よりもさらに風直交面Y側にあってもよい。ただし、図21に示すように、遠心力FAの最大値や一定の付勢力FBの大きさによって規定されるブレード30の可動限界角度位置を、風直交面Yと一致する位置Dとし、この位置Dを高速回転用角度位置とすることが、回転性能上、最も望ましい。一方で、図48及び図49で述べた実施形態においては、図49(d)のようにブレード30の角度位置が位置Bを越えていても、FAが最大とならないよう構成されている。ここでは、マグネット340a,340bの磁力(磁気的反発力)の大きさにより規定される形で、風直交面Yよりも奥側となる位置に、ブレード30の可動限界角度位置が存在している。
また、この実施形態の翼角度調整機構300’は、付勢手段として互いが反発する極性(磁極)の同じマグネット(磁性部材)340a,340bを有し、それらマグネット340a,340bを、上述した支柱上端部110Uの所定傾倒状態において、その反発力が作用しないよう(所定レベル以下となるよう)離間した状態となるよう配置される。具体的にいえば、翼角度調整機構300’は、そのブレード20を、その受風面30wが風平行寄りとなるよう反発力を作用させる磁極を同じくするマグネット340a,340bを有し、そのマグネット340a,340bは、上述した支柱上端部110Uの所定傾倒状態においては互いが近接対向しない離間状態に保持される。
また、この実施形態(マグネット仕様)において採用されるブレード30は、上記実施形態(ばね仕様)における図28〜図34の形状のものを採用してもよいが、ここでは図28〜図34の形状のものとは異なる形状をなす。具体的に言えば、図33及び図34に示したブレード30の上面視(平面図)及び下面視(底面図)が、図50及び図51のように視認されるように変更される。なお、図50及び図51のように変更した場合、図28〜図32と同様の視点から翼を見たときにその見た目に違いが現れるが、その違いは微妙な違いにすぎず、図28〜図32とほぼ同様に視認されるため、図示を省略する。
本発明における風力発電装置の風車に採用されるブレード30は、受風方向2wからの風力を受けて一定回転方向に回転するように、回転軸2側と先端側で流れの速度に差が生ずるよう、回転軸2側から先端側にかけてねじりを付ける形で受風面30wが形成される。既に述べた実施形態においては、図28〜図34に示したように、受風面30wは、ブレード30の幅方向Wが風直交面Y上に位置した状態でブレード30を回転方向逆側から見たときに(図34参照)、回転軸2側から先端側にかけて面幅が減少していきながらも視認することができ、逆に、ブレード30の幅方向Wが風直交面Y上に位置した状態でブレード30を回転方向側から見たときには(図33参照)視認できないようなねじり形状となっていた。この場合、ブレード30は、その角度位置が位置Aから位置Bの間で変化したとしても、ブレード30を回転方向の逆側から見たときには常に受風面30wを視認でき、回転方向側から見たときには常に受風面30wを視認できない(プラスピッチ)。したがって、ブレード30は、受風方向2wから風力を受けると、その風力が、回転方向逆側から視認される受風面30wを押し付ける形で作用して、常に一定回転方向への回転力を得て回転する。
これに対し、この実施形態において採用されるブレード30は、その幅方向Wが風直交面Y上に位置した状態で回転方向逆側から見たときに(図51参照)、受風面30wが回転軸2側から先端側にむかう途中の中間位置までしか視認できない形状となっており、その中間位置から外側では、今度は、同じ状態でブレード30を回転方向側から見たときに(図50参照)受風面30wがブレード30の先端側で視認できるようなねじり形状となっている。この場合、ブレード30は、その幅方向Wが位置Aから風直交面Y上に位置する少し手前の位置Bに位置した状態において、ブレード30を、回転方向逆側から見たときに受風面30wが視認され、回転方向側から見たときには受風面30wが視認されないが(プラスピッチ)、位置Bを越えると、回転方向側から見たときにも受風面30wが先端側に視認されるようになる(マイナスピッチ)。このため、ブレード30は、その位置Bに位置した状態において、風車3が最も高速で回転可能な状態となるが、その位置Bを越えた角度範囲(回転減速用角度範囲)Q内に達すると、受風方向2wから風力を受けたときに、その風力が、ブレード30を回転方向逆側から見たときに視認される受風面30wを押し付ける形で作用して、上記一定回転方向への回転力を得て回転するだけでなく、その風力は、ブレード30を回転方向側から見たときに視認される受風面30wも押し付ける形で作用するので、上記一定回転方向とは逆向きの回転力も得る。これにより、ブレード30は、ブレーキが作用しているような減速回転状態となる。ブレード30は、位置Bを越えると、回転方向側から見たときに、その先端側から受風面30wが視認できるようになり、位置Bを越えて離れていくほど、より内周側にも受風面30wが視認できるようになる形でその面積が増大し、上記の逆向きの回転力が増大していく。
また、上記実施形態における角度調整機構300,300’は、図52及び図53に示すような形に変形することができる。
図52は、図11〜図21にて説明した角度調整機構300の変形例である。図11〜図21において、ばね部材をなす付勢手段34は、一方の端部が、ブレード30の角度変化に連動して動作する可動構造体(ここでは連結部材)36に固定され、他方の端部が、ブレード30の角度変化に連動して動作せず、回転軸2に一体固定された固定構造体(ここでは軸固定部)221に固定された引っ張りばねであり、ブレード30が初期回転用角度位置Aから風直交よりに変位するに伴い固定構造体221から離間していく可動構造体36を引っ張る形で作用している。これに対し、図52の角度調整機構300では、ばね部材をなす付勢手段34’は、一方の端部が、上記と同様の可動構造体(ここではブレード取付部材)330に固定され、他方の端部が、同じく上記と同様の固定構造体(ここでは軸固定部)221に固定された圧縮ばねであり、ブレード30が初期回転用角度位置Aから風直交よりに変位するに伴い固定構造体221に接近していく可動構造体36を押し返す形で作用している。
図53は、図42〜図49にて説明した角度調整機構300の変形例である。図42〜図49において、マグネットをなす付勢手段340a,340bのうち、一方のマグネット340bが、ブレード30の角度変化に連動して動作する可動構造体(ここではブレード取付部材)330に固定され、他方のマグネット340aが、ブレード30の角度変化に連動して動作せず、回転軸2に一体固定された固定構造体(ここでは軸固定部)221に固定されるとともに、それらマグネット340a,340bは、同極のもの同士が対向する形で配置されており、ブレード30が初期回転用角度位置Aから風直交よりに変位するに伴い固定構造体221に接近していく可動構造体330に対し反発力を生じ、その接近を妨げる形で作用している。これに対し、図53の角度調整機構300では、マグネットをなす付勢手段340a’,340b’のうち、一方のマグネット340b’が、上記と同様の可動構造体(ここでは連結部材)36に固定され、他方のマグネット340bが、同じく上記と同様の固定構造体(ここでは軸固定部)221に固定されるとともに、それらマグネット340a,340bは、異なる極のもの同士が対向する形で配置されており、ブレード30が初期回転用角度位置Aから風直交よりに変位するに伴い固定構造体221から離間していく可動構造体330に対し吸引力を生じ、その離間を妨げる形で作用している。
また、上記実施形態における風車3のブレード30は、図54〜図58のブレード30に置き換えてもよい。
また、上記実施形態における風車3は、図59のように変形することができる。
図60は、図59の風力発電装置1を簡略的に示した拡大断面図である。風車3は、回転軸2の回転軸線2xの方向に同軸をなす形で筒状に延出する筒状風洞部(ダクト)31の内側に配置される。筒状風洞部31は、風車3の受風方向2wの上流側から下流側に向けて開口面積が減少していく形で形成される。具体的にいえば、筒状風洞部31は、受風方向2wの上流側の環状端部31Aから下流側の環状端部31Bまでの間の区間において、径方向内向きに膨出した湾曲形状をなす。この筒状風洞部31において取り込まれた風は、圧縮された形で下流に供給され、下流側のブレードがこれを受けることになるので、風車3が得る回転力を増すことができる。
筒状風洞部31は、その内周面に、ナセル21の外周面21Aから外向きに放射状に延出する複数の支持部材(FRP)32が固定されており、ナセル21と共に回転軸2に対し非回転に設けられている。ナセル21は、第1の発電機5とフライホイール7と第2の発電機9、さらに回転軸2を内部に収容し、ここではさらに角度調整機構300を収容している。ハブ22及びブレード30は、受風方向2wにおいてナセル21よりも下流側に設けられており、下流側のブレード30で得た回転力が、回転軸2を介して受風方向2wの上流側に位置する発電機5,9側へと伝達される。
ナセル21は、図60に示すように、地表の基礎部190(図59参照)から延びる支柱(タワー)110の上端部110Tと共に、支柱本体110Sに対し風向きに合わせて水平面内において向きを変えることが可能(支柱本体110Sの鉛直方向の軸線110xに平行な軸線3xの周りに回転可能)に取り付けられている。本実施形態においては、各ブレード30を外周側から被う筒状風洞部31が、ナセル21の受風方向2wの下流側に設けられているため、その筒状風洞部31が、風車3の受風方向2wを可変する尾翼のような手段として機能する。即ち、筒状風洞部31の筒状外周面31C(特にその水平方向側の面:図59参照)が風を受けると、支柱110の上端部110Tに対し回転し、風が来る向きに回転軸2の回転軸線2xを受風方向上流側に向ける。
ところで、上記全ての実施形態において、発電装置1は、回転軸2と、該回転軸2の軸線2x周りにN極とS極の磁界形成部92が交互に複数環状配列された環状磁界形成部群920と、該回転軸の軸線周りに各コイル94が巻き回しの向きが交互に逆向きとなる形で複数環状に配列された環状コイル群940と、を備え、該回転軸2の軸線2xと同軸をなす形でそれら環状磁界形成部群920と環状コイル群とが対向配置される。そして、回転軸2の回転に伴い、それら環状磁界形成部群920と環状コイル群940との相対回転が生じ、これにより発電が生じるよう構成されている。
上記発電装置1のステータ53,93は、コイルリング900として設けられる。コイルリング900は、図61〜図67に示すように、複数のコイル54,94をそれぞれコイル包含部材960により内包させて非露出とした状態に形成され、かつそれぞれの外形形状が同一となる形で形成された複数のコイル部材96と、それらコイル54,94を内包する各コイル部材96を回転軸2の軸線周りにおいて所定間隔おきに取り付けたリング部材95と、により構成されている。ここでのコイル内包部材960は樹脂材料からなる樹脂成形体であり、各コイル部材96は、巻き回されたコイル54,94を樹脂材料で包み込んだ形で形成されている。
なお、本実施形態においては、ステータ53,93の双方ともが同様のコイルリング900として構成されている。
コイルリング900におけるリング部材95には、図68〜図71に示すように、回転軸2の軸線2x周りにおいて所定間隔おきに溝部95Aが形成されており、それら溝部95Aに嵌め込まれる形でコイル部材96が取り付けられる。
具体的に言えば、本実施形態のリング部材95は、図71に示すように、その外周面(あるいは内周面でもよい)に、回転軸2の軸線2xに対する径方向に垂直で、かつ回転軸2の軸線2xの延出方向(軸線方向)に平行となる複数の平坦面95cを有し、溝部95Aは、各平坦面95cの中央部において軸線2xの延出方向(軸線方向)に延びる形でそれぞれ形成される。リング部材95は、回転軸2の軸線2x周りにおいて平坦面95cが隣接形成されることで、その軸線方向から見たときに、それら平坦面95cを辺とし、かつ周方向において隣接する該平坦面95c同士の隣接点96dを頂点とする正多角形状が視認可能とされる形状を有する。そして、その正多角形の各辺の中央部には、上記軸線方向に貫通する溝部95Aが形成されている。本実施形態の溝部95Aは、上記軸線方向における断面が矩形状断面となる形で形成されている。
他方、コイルリング900におけるコイル部材96は、上記溝部95Aに嵌合可能な形状にて形成される。各コイル部材96は、巻き回されたコイル54,94を所定外形形状を有する中空のケース体に内包させる形で形成されていてもよいが、ここでは、巻き回されたコイル54,94を内包する形でインサート成形された樹脂射出成型体であり、全てが同形状に成形される。コイル部材96は、図72〜図74に示すように、直方体状の本体部96Bと、本体部96Bの裏面96bの長手方向第一側(図中の上側)からその長手方向に対し垂直に突出する突出部96Aと、を有したL字形状をなす。
本実施形態の突出部96Aは、本体部96Bの長手方向の第一側端部のうち、その長手方向及び突出方向に対し垂直な方向における中央部において突出形成されており、その垂直な方向の両端側は、本体部95Bの裏面96bから続く面(符号96ac:図72参照)として形成されている。
なお、ここでいう直方体状とは、直方体の角部に対し、該直方体における直線をなす各辺よりも小幅の面取りがなされ、その一部が切り取られたような形状も含む。本実施形態においては、図73に示すように、コイル部材96の本体部96Bには、その表裏両主面96c、96b(図74参照)の四辺をなす角部96xに、湾曲面を形成する形で面取り部が設けられる一方、本体部96Bの外周面の四つの角部96yに、角部96xよりも径大の湾曲面を形成する形で面取り部が設けられる。また、図73に示すように、コイル部材96の突出部96Aは、リング部材95の溝部95Aに嵌合する嵌合用突出部であり、該突出部96Aの裏側主面96a(図72参照)の四辺をなす角部96wには、湾曲面を形成する形で面取り部が設けられており、該突出部96Aの外周面の四つの角部のうち長手方向第一側とは逆の長手方向第二側(図中下側)の2つの角部96zが、角部96wよりも径大の湾曲面を形成する形で面取り部が設けられる。本実施形態の溝部95Aは、上記軸線方向に貫通する形で形成されており、該溝部95Aにコイル部材96が取り付けられた際に、コイル部材96における長手方向の第一側端面96sが、リング部材95の同じ側(上記軸線方向の第一側:図中上側)の端面95sと面一となるように形成されている(図66参照)。
また、本実施形態において、コイル部材96とリング部材95とを固定する固定部材は、図25及び図41に示すように、ボルト等の締結部材97であり、該締結部材97によってコイル部材96とリング部材95とが一体に固定され、コイルリング900となる。コイル部材96とリング部材95との双方には、締結部材97を挿通させるための孔96D,95Dが形成されている。本実施形態のコイル部材96には、本体部96Bの長手方向第一側と突出部96Aとの双方を貫通する位置に、締結部材挿通用の貫通孔96Dが、突出部96Aの突出方向に貫通する形で形成されており、他方、リング部材95にも、溝部95Aの底面95aから径方向に雌ネジ穴95Dが形成されている。なお、コイル部材96の貫通孔96Dは、図66及び図74に示すように、巻き回された状態で内包されているコイル54,94の巻き回し中心孔54Q,94Q(図75参照)内を通過する形で形成されている。
ここで、コイルリング900の製造方法について説明する。まずは、コイルリング900のコイル部材96の製造方法について、図75及び図76を用いて説明する。
コイル部材96の製造方法は、巻き回されたコイル54,94を形成する巻回コイル形成工程と、形成されたコイル54,94を樹脂材料で包み込んで、所定外形形状を有するコイル部材96を形成する樹脂モールド工程と、形成された各コイル部材96を、リング部材95に対し、その軸線周りにおいて所定間隔おきに取り付けていくコイル部材固定工程と、をこの順で行う形でなされる。
巻回コイル形成工程は、図75の左上に示されている巻き回されたコイル54,94を形成する工程である。図75の左上のコイル54,94は、予め定められた数だけ巻き回され、テープ54a,94aにより2か所で固定されて形成されたものであり、これらが多数形成される。
樹脂モールド工程は、図75において、その左上から左下、右下、最後に右上という順で示されている。具体的には、成形されるコイル部材96の外周を被う貫通孔(コイル部材96の外周形状と一致する貫通孔)901Bを有した中央型901と、該中央型901の上下方向における第一側(ここでは下側)に配置され、成形されるコイル部材96の主表面96c(図74参照)を被う第一側型902と、該中央型901の上下方向における第二側(ここでは上側)に配置されるとともに、成形されるコイル部材96の主裏面96b(図74参照)を被う第二側型903と、を有した金型9000を用いる。第一側型902は、成形されるコイル部材96の主表面96cと密着する面に、該コイル部材96に貫通孔96Dを形成するための貫通孔形成用突起部902dと、該コイル部材96の表面側中央凹部96Fを形成するための表面側中央凹部形成用突起部902fと、を有する。第二側型903は、図76に示すように、中央型の貫通孔901Bに対応する位置に同様の貫通孔(コイル部材96の外周形状と一致する貫通孔)903Bを有した型本体903Cを備えるとともに、該型本体903Cとは別体で、成形されるコイル部材96の主裏面96bと密着する面に、該型本体903Cの貫通孔903B内に配置されて突起部形成用凹部903aと、該コイル部材96の裏面側中央凹部96Eを形成するための表面側中央凹部形成用突起部902eと、を有する内包型903Aと、を備えて構成される。
樹脂モールド工程では、この金型9000の成形空間をなす貫通孔901の内部に、図75の左下に示すように、巻回コイル形成工程で形成されたコイル54,94を、両端部54b、94bが外部に出る形で配置する。具体的に言えば、コイル54,94は、自身の巻き回し中心孔54Q,94Q内を第一側型902の貫通孔形成用突起部902dが貫通する形で配置される。
その上で、図75の右下に示すように、第一側型902、中央型901、第二側型903をこの順で積み上げ、成形空間をなす貫通孔901の内部に、流動状態の熱硬化性樹脂を充填するとともに、これらの型901,902,903を上下の挟圧板904,905で挟み込み、押圧機構96により押し付ける形で保持する。この押圧機構96は、中央型901と第一側型902と第二側型903の型本体903Cに形成される内部空間に充填された樹脂材料を、その開口部(貫通孔)903Bから押し付ける役割を果たしており、この状態で、内部に充填された樹脂材料を硬化させる。硬化後は、型901,902,903をばらけて、図75の右上に示すように、中央型901から、成形されたコイル部材96’を取り外すとともに、ばり等を取り除いてコイル部材96として仕上げる。
なお、製造されたコイル部材96には、本体部96Bの第一側と嵌合用突出部96Aとの双方を貫通し、さらに、内包している巻き回されたコイル54,94の巻き回し中心孔内を貫通する形で貫通孔96Dを有する。また、製造されたコイル部材96には、その表裏領主表面96b,96cのそれぞれに、上記軸線方向において突出部96Aよりも第二側の位置に、表面側中央凹部96Fと裏面側中央凹部96Eが形成されており、それら表面側中央凹部96Fと裏面側中央凹部96Eは、コイル部材96を突出部96Aの突出方向から見たときに、巻き回された状態で内包されているコイル54,94の巻き回し中心孔内に位置するように形成されている。
次に、このようにして製造されたコイル部材96を、図68〜図71に示すリング部材95に固定するコイル部材固定工程が行われる。コイル部材固定工程は、図77に示すように、リング部材95の溝部95Aに、コイル部材96の突出部96Aを嵌合させる形で配置し、その状態で締結部材97により双方を締結固定する形でなされる。
具体的に言えば、コイル部材96とリング部材95とを固定する際には、まずはリング部材95における所定載置位置にコイル部材96を配置し、ボルトをなす金属製締結部材97(図25及び図41参照)をコイル部材96の貫通孔96Dに挿通させ、該締結部材97の先端の雄ネジ部をリング部材95の雌ネジ穴95Dにねじ込む。これにより、そのコイル部材96は挟圧される形でリング部材95に締結固定される。一方で、この締結部材97を逆向きに回せば、コイル部材96をリング部材95から取り外すこともできる。
なお、本実施形態においては、リング部材95所定載置位置にコイル部材96を配置する際には、コイル部材96における突出部96Aの先端面96a(図72参照)とリング部材95における溝部95Aの溝底面95a(図69参照)とが当接(面接触)し、コイル部材96における突出部96Aの両脇に位置する本体部96Bの裏面96ac(図72参照)とリング部材95における溝部95Aの両脇の外周平坦面95c(図69参照)とが当接(面接触)し、コイル部材96における突出部96Aの周方向側面96ab(図72参照)とリング部材95の溝部95Aの溝側面(周方向両側の側面:図69参照)95bとが当接(面接触)することにより周方向において位置決めし、その上で、締結部材97による固定がなされる。
また、本実施形態の発電装置1では、コイルリング900として形成されるステータ53,93は、フライホイール7等を内包する発電機ケース体100(発電装置筐体)の内部に固定されている。
発電ケース体100は、互いに別体形成された受風方向2wの上流側のケース体100Aと下流側のケース体100Bとが締結部材によって締結固定される形で筐体化されたものであり、ステータ93をなすコイルリング900は、上流側ケース体100Aの内面に面接触させた形で、ボルト等の締結部材98を、その上流側ケース体100Aの外側から、内部で面接触しているリング部材95のネジ穴95Cにねじ込むことにより締結固定される。ステータ53をなすコイルリング900も同様、下流側ケース体100Bの内面に面接触させた形で、その下流側ケース体100Bの外側から、内部で面接触しているリング部材95のネジ穴95Cにねじ込むことにより締結固定される。ステータ93,53は発電ケース体100(100A,100B)に固定され、回転軸2に対し非回転な固定状態となっている。
コイル54,94は、コイル部材96の本体部96Aの上記長手方向の第一側の側面から引き出されている。図75の左上の図における符号54b、94bが、コイル54,94が引き出された部分である。そして、少なくともリング部材95の上記長手方向の第一側の側面95sが面接触する形で、リング部材96が発電機ケース体100(100A,100B)にボルト等の締結部材98により締結固定されている。ここでは、コイル部材96の上記長手方向の第一側の側面96sと、リング部材95の上記長手方向の第一側の側面95sが面接触する形で、リング部材96が発電機ケース体100に固定されている。
1 風力発電装置
110 支柱
110x 支柱の軸線
110U 支柱上端部(支柱上部)
110Ux 支柱上端部の軸線
110U0 支柱上端部の傾倒中心部
110U1 支柱上端部の第一側延出部
110U2 支柱上端部の第二側延出部
110UI 板材(傾倒中心部から第二側延出部にかけての部分)
110UK 支柱上端部の錘部
110UJ 支柱上端部の回転軸(傾倒軸)
110D 支柱本体
110DT 支柱本体の上端部
110Dx 支柱本体の軸線
140 傾倒機構
140T 傾倒力伝達部(支柱上端部から突出する突出部位:アーム)
140t 傾倒力伝達部の先端
140W 線材
140S 引込/送出機構
141S 線材巻取部
142S 回転入力部
143S ウォーム減速機(回転方向変換手段及び回転操作力軽減手段)
150 昇降機構
150W 線材
150S 引込/送出機構
151S 線材巻取部
152S 回転入力部
153S ウォーム減速機(回転方向変換手段及び回転操作力軽減手段)
154S 筒状ガイド部
155S 滑車
156S 線材固定部
160 ロック機構
160UR 支柱上端部の係合部(凹部)
160DR 支柱本体の係合部(凸部)
170 ロック切替機構
170S 送りねじ部(スクリュー軸)
170L 回転力伝達部材
170N ナット部
170DR 係合部支持部材
170M 非回転保持部
170U1,170U2 ユニバーサルジョイント
170M1 上下動ガイド部
170M2 ガイド受け部材
172S 回転入力部
173S ウォーム減速機(回転方向変換手段及び回転操作力軽減手段)
1900 地表
2 回転軸
2x 回転軸線
2w 受風方向
200 ナセル
221A 軸固定部の前端部
221B 軸固定部の後端部
221h 貫通孔
22 ハブ
221 軸固定部
3 風車
30 ブレード(翼)
30w 受風面
30v ブレードの背面
30T ブレード本体部(翼本体部)
30S ブレード先端部(翼先端部)
300 角度調整機構(翼角度調整機構)
33 ブレード固定部(翼固定部)
33A,33B 固定部
33Z 回転支軸
34 付勢手段
35 錘部材
36 連結部材
362 押付部材
37 リンク機構
371 第一リンク部材
371A 第一リンク部材の一方の端部
371B 第一リンク部材の他方の端部
371C 第一リンク部材の屈曲部
371y 回転軸線
372 第二リンク部材
372A 第二リンク部材の一方の端部
372B 第二リンク部材の他方の端部
372y 回転軸線
373y 回転軸線
38 当接部材
39 可動構造体
51,91 ロータ(発電機回転子)
52,92 磁性部材
53,93 ステータ(発電機固定子)
54,94 ステータコイル
100 発電ケース体
W ブレードの幅方向
θ ブレードの幅方向と回転軸の軸線方向とのなす角度
X 風平行方向
Y 風直交面
A 初期回転用角度位置
B 高速回転用角度位置
FW 風力によりブレードに加えられる押圧力
FA 遠心力(リンク機構37により遠心力を回転軸線2x方向に変換させた力)
FB 付勢手段(ばね部材)の付勢力
FM 付勢手段(磁性部材)の付勢力

Claims (9)

  1. 支柱上部に取り付けられ、回転軸線方向からの風力を受けて該回転軸線周りを回転する風車の回転により発電する風力発電装置であって、
    前記支柱上部を、取り付けられている前記風車と共に、その下部に位置する支柱本体に対し傾倒させる傾倒機構と、
    傾倒可能な前記支柱上部を、前記支柱本体に対し昇降させる昇降機構と、
    を備えることを特徴とする風力発電装置。
  2. 前記昇降機構は、前記支柱上部が、前記傾倒機構により前記支柱本体に対し予め定められた傾斜角度をなす所定傾倒状態となったことを条件に、該支柱上部を下降可能とし、かつ下降した該支柱上部を上昇可能とするものである請求項1に記載の風力発電装置。
  3. 前記傾倒機構は、前記支柱上部の軸線が前記支柱の軸線に対し略直角となる形で、該支柱上部が傾倒した直角傾倒状態とすることができ、当該直角傾倒状態が前記所定傾倒状態である請求項1又は請求項2に記載の風力発電装置。
  4. 前記傾倒機構は、前記風車において翼を除く風車本体の重心位置に対し該ブレードが下方に位置する形で、前記支柱上部を傾倒させるものである請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  5. 前記支柱上部は、下部の支柱本体に対し傾倒可能に取り付けられる一方、自身の軸線周りに回転自在となる形で前記風車が取り付けられており、傾倒時には、その風車が自重により、前記ブレードが風車本体の重心位置よりも下方に位置する姿勢となる請求項4に記載の風力発電装置。
  6. 前記支柱上部は、前記傾倒機構による傾倒する際の傾倒中心部から、前記風車とは逆側に延出する延出部に錘部が設けられている請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  7. 前記支柱上部を、前記傾倒機構により傾倒しないよう非傾倒状態にロックするとともに、前記傾倒機構による傾倒の際にはアンロック可能なロック機構を備える請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  8. 請求項3に記載の要件を備え、
    前記風車は、その翼を、風力を受けて回転を生じさせる受風面の幅方向が風平行寄りから風直交寄りとの間で角度可変可能な形で、前記回転軸に固定する翼固定部と、前記角度を、前記風力に応じて可変させる翼角度調整機構と、を有するとともに、前記所定傾倒状態においては、前記翼が自らの自重により前記翼固定部の軸線周りを回転し、前記受風面の幅方向が風平行寄りとなる位置に保持される請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  9. 前記翼角度調整機構は、前記翼をその受風面が前記風平行寄りとなるよう付勢する付勢手段を有する請求項8に記載の風力発電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112922786A (zh) * 2021-02-03 2021-06-08 安晓敏 一种防止侧翻和固定稳定的风力发电装置
WO2024101372A1 (ja) * 2022-11-10 2024-05-16 好高 河野 風力発電装置用プロペラ及びこれを用いた風力発電装置。

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