JP2013116705A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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【課題】安価で高強度のステアリング機構を備える車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】車両用操舵装置は、転舵輪を転舵するステアリング機構100を備えている。ステアリング機構100は、電動モータ21と、電動モータ21によって回転駆動されるウォーム24と、ウォーム24に噛み合うウォームホイール25と、ウォームホイール25に連結されたピニオン27と、ピニオン27に噛み合うラック26とを含む。ウォーム24の進み角γは、5度以下である。電動モータ21は、ステアリングホイールの回転に伴ってステアリングホイールよりも低速でピニオン27を回転させる。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両用操舵装置に関する。
車両用操舵装置として電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1、3には、ラック&ピニオン機構を備える電動パワーステアリング装置が開示されている。
特開昭63−97463号公報 特開平1−168568号公報 特開2007−239849号公報
車両用操舵装置は、ラック軸などの転舵輪に軸力を入力することより、転舵軸に連結された転舵輪を転舵する。フォークリフトなどの荷役車両に搭載される車両用操舵装置と、乗用車に搭載される車両用操舵装置とでは、転舵輪を転舵する際にステアリング機構内で伝達される力の大きさが異なる。すなわち、フォークリフト用の操舵装置において伝達される力の方が、乗用車用の操舵装置よりも大きい。そのため、乗用車用のラック&ピニオン機構を荷役車両用のステアリング機構として用いた場合には、ステアリング機構の強度が十分でない。
乗用車用のラック&ピニオン機構を荷役車両用のステアリング機構として用いる代わりに、電動モータと、この電動モータの回転を転舵軸の軸方向移動に変換するボールねじ機構とを含むステアリング機構を荷役車両用のステアリング機構として用いることが考えられる。しかしながら、ボールねじ機構が高価であるので、この場合、車両用操舵装置のコストが増加してしまう。さらに、ボールねじ機構の減速比を高い値に設定できないので、より大きな力を転舵軸に伝達するために、高トルク型の電動モータを使用する必要がある。しかしながら、高トルク型の電動モータは高価であるので、車両用操舵装置のコストがさらに増加してしまう。ラック&ピニオン機構であれば、電動モータおよびボールねじ機構を含むステアリング機構よりもコストを低減できるが、前述のように、乗用車用のラック&ピニオン機構では、強度が十分でない。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、安価で高強度のステアリング機構を備える車両用操舵装置を提供することである。
本発明の一実施形態は、運転者によって操作されるステアリングホイール(2)と転舵輪を転舵するステアリング機構(100)との機械的な連結が解除されたステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であって、前記ステアリング機構は、電動モータ(21)と、前記電動モータによって回転駆動されるウォーム(24)と、前記ウォームに噛み合うウォームホイール(25)と、前記ウォームホイールに連結されたピニオン(27)と、前記ピニオンに噛み合うラック(26)とを含み、前記ウォームの進み角が、5度以下であり、前記電動モータが、前記ステアリングホイールの回転に伴って前記ステアリングホイールよりも低速で前記ピニオンを回転させる、車両用操舵装置(1)を提供する。
この構成によれば、電動モータが、ステアリングホイールの回転に伴ってウォームを回転させる。電動モータがウォームを回転駆動することにより、ウォームホイールおよびピニオンがステアリングホイールよりも低速で一体回転し、ラックがその軸方向に移動する。これにより、転舵輪が転舵される。
ウォームの直径(ピッチ円直径)は、進み角の減少に伴って増加する。ウォームの進み角が、5度以下であり小さいので、ウォームの直径が大きい。したがって、ウォームは、高い強度を有している。さらに、後述するように、ウォームの直径が大きいと、ウォームの歯とウォームホイールの歯との接触面積が増加し、ウォームホイールの歯に加わる面圧が低下する。そのため、ウォームホイールの強度を増加させることができる。したがって、ステアリング機構は、より大きな力を伝達することができる。さらに、安価なラック&ピニオン機構がステアリング機構に備えられているので、ステアリング機構のコストを低減できる。これにより、車両用操舵装置全体のコストを低減できる。
また、ウォームの進み角が小さい場合、ウォームおよびウォームホイールを含むウォーム減速機がセルフロックする場合がある。ステアリングホイールとステアリング機構とが機械的に連結されている従来の車両用操舵装置では、ウォーム減速機がセルクロックしないように、進み角等を設定する必要がある。しかしながら、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置は、ステアリングホイールとステアリング機構との機械的な連結が解除されたステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であるから、ウォーム減速機がセルフロックしたとしても何ら問題ない。
前述の車両用操舵装置において、前記ピニオン1回転あたりの前記ラックの軸方向移動量は、60mm以上であってもよい。この場合、ピニオン1回転あたりのラックの軸方向移動量が大きいから、ピニオンの直径(ピッチ円直径)も大きい。ピニオンは、インボリュート歯車であるから、ピニオンの直径が増加すると、ピニオンの歯面の曲率が減少する。ピニオンの歯面の曲率が減少すると、ピニオンの歯とラックの歯との接触面積が増加するので、ラックの歯に加わる面圧が減少する。よって、ピニオンからラックにより大きな力を伝達することができる。したがって、ステアリング機構は、より大きな力を伝達することができる。
なお、前記において、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るステアリング機構について説明するための模式図である。 ウォーム減速機およびラック&ピニオン機構の諸元について説明するための図である。 ウォームの歯とウォームホイールの歯との接触面積について説明するための図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。
車両用操舵装置1は、例えば、ステアリングホイール2とステアリング機構100との機械的な連結が解除されたステアバイワイヤ式の車両用操舵装置である。車両用操舵装置1は、操舵部材としてのステアリングホイール2が連結されるステアリングシャフト9と、ステアリングホイール2の操作に連動して転舵輪3を転舵するステアリング機構100と、ステアリングホイール2の操作に応じてステアリング機構100を制御する制御装置としてのECU19(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)とを備えている。さらに、車両用操舵装置1は、ステアリングホイール2に反力を与える反力アクチュエータ10と、ステアリングホイール2を直進位置(操舵原点位置)に復帰させる弾性部材11とを含む。
ステアリングシャフト9は、車体に対して回転可能に支持される。ステアリングシャフト9の一端部は、ステアリングホイール2に連結されており、ステアリングシャフト9の他端部は、弾性部材11に連結されている。反力アクチュエータ10は、ステアリングシャフト9の中間部に連結されている。反力アクチュエータ10は、ステアリングシャフト9に連結されたロータを有するモータを含む。弾性部材11は、渦巻きばねを含む。ステアリングホイール2が操作されると、ステアリングホイール2を直進位置に復帰させる力(弾性部材11の復元力)が、ステアリングシャフト9に加わる。
ステアリング機構100は、車両の左右方向X0(車幅方向)に延びる転舵軸6と、転舵軸6を収容する筒状の転舵ハウジング5と、転舵軸6を駆動する転舵アクチュエータ4とを含む。転舵軸6は、転舵ハウジング5に支持されている。転舵ハウジング5は、車体側部材に固定される。転舵軸6は、転舵ハウジング5に対して左右方向X0に移動可能である。転舵軸6の各端部は、タイロッド7およびナックルアーム8を介して転舵輪3に連結される。後述するように転舵アクチュエータ4は、電動モータを含む。転舵アクチュエータ4の回転は、後述する運動変換機構によって転舵軸6の軸方向運動に変換される。左右の転舵輪3は、転舵軸6の軸方向移動に伴って転舵される。
車両用操舵装置1は、ステアリングホイール2の操舵角θhを検出する操舵角センサ12と、ステアリングホイール2に加えられた操舵トルクTを検出するトルクセンサ13と、転舵輪3の転舵角δw(タイヤ角)を検出する転舵角センサ14とをさらに含む。これらのセンサ12〜14は、ECU19に接続されている。これらのセンサ12〜14の他にも、車速Vを検出する車速センサ15と、車体の上下加速度Gzを検出する悪路状態検出センサとしての上下加速度センサ16と、車両の横加速度Gyを検出する横加速度センサ17と、車両のヨーレートγを検出するヨーレートセンサ18とが、ECU19に接続されている。各センサ12〜18の検出値は、ECU19に入力される。ECU19は、各センサ12〜18の検出値に基づいて車両用操舵装置1を制御する。
具体的には、ECU19は、操舵角センサ12によって検出された操舵角θhおよび車速センサ15によって検出された車速Vに基づいて、目標転舵角を設定し、この目標転舵角と転舵角センサ14によって検出された転舵角δwとの偏差に基づいて、第1駆動回路20Aを介して、転舵アクチュエータ4を制御(転舵制御)する。これにより、ステアリングホイール2の操舵角θhに基づいて転舵輪3が転舵される。また、ECU19は、センサ類12〜18が出力する検出信号に基づいて、第2駆動回路20Bを介して、反力アクチュエータ10を制御(反力制御)する。これにより、反力アクチュエータ10の反力が、ステアリングホイール2を操作する運転者に伝達される。
図2は、本発明の一実施形態に係るステアリング機構100について説明するための模式図である。
転舵アクチュエータ4は、電動モータ21を含む。ステアリング機構100は、電動モータ21の回転を減速するウォーム減速機22と、ウォーム減速機22によって伝達された電動モータ21からの回転を転舵軸6の直線運動に変換する運動変換機構としてのラック&ピニオン機構23とをさらに含む。電動モータ21は、転舵ハウジング5の外に配置されており、転舵ハウジング5に連結されている。
ウォーム減速機22は、電動モータ21によって回転駆動されるウォーム24と、ウォーム24に噛み合うウォームホイール25とを含む。ラック&ピニオン機構23は、転舵軸6に形成されたラック26と、ラック26に噛み合うピニオン27とを含む。ウォーム24、ウォームホイール25、ラック26、およびピニオン27は、転舵ハウジング5内に配置されている。ラック26は、転舵ハウジング5内で転舵軸6の軸方向X0(車両の左右方向X0と平行な方向)に延びている。
ウォーム24は、電動モータ21の回転軸21aに連結されている。ウォーム24は、転舵ハウジング5によって、ウォーム24の中心軸線まわりに回転可能に支持されている。ウォーム24は、左右方向X0に延びている。ウォーム24は、ウォームホイール25の上方に配置されている。ウォームホイール25とピニオン27とは、前後方向(紙面に垂直な方向)に並んでいる。ウォームホイール25およびピニオン27は、同軸的に配置されており、ピニオン27の外径は、ウォームホイール25の外径よりも小さい。したがって、ピニオン27は、ウォーム24よりも下方に配置されている。ピニオン27およびウォームホイール25は、転舵ハウジング5によって、前後方向に延びる共通の水平軸線まわりに回転可能に支持されている。ラック26は、ピニオン27の下方に配置されており、前後方向から見ると、ラック26は、ウォームホイール25の下端部に重なっている。
ピニオン27は、ウォームホイール25に連結されており、ウォームホイール25と共に回転する。ピニオン27およびウォームホイール25は、間接的に連結されていてもよいし、直接的に連結されていてもよい。すなわち、ピニオン27およびウォームホイール25は、他の部材を介して連結されていてもよいし、共通の部材の一部であってもよい。ウォームホイール25は、ウォーム24に噛み合う歯部を有している。ウォームホイール25の歯部は、樹脂または金属によって形成されていてもよいし、樹脂部材と金属部材とによって形成されていてもよい。
ECU19(図1参照)は、ステアリングホイール2の操作に応じて電動モータ21を駆動する。ECU19が電動モータ21を回転させると、ウォーム24が、その中心軸線まわりに回転する。そのため、ウォームホイール25およびピニオン27が、共通の軸線まわりに一体回転する。ECU19は、電動モータ21を制御することにより、ステアリングホイール2の回転に伴って、ステアリングホイール2よりも低速でウォームホイール25およびピニオン27を一体回転させる。ピニオン27の回転は、ラック26およびピニオン27によってラック26の直線運動に変換される。これにより、転舵軸6が軸方向X0に移動し、左右の転舵輪3(図1参照)が転舵される。
図3は、ウォーム減速機22およびラック&ピニオン機構23の諸元について説明するための図である。また、図4は、ウォームの歯とウォームホイールの歯との接触面積について説明するための図である。
図3における実施形態に係る各数値は、車両用操舵装置1が、例えばフォークリフトなどの荷役車両用の操舵装置であるときの数値である。一方、図3における比較形態に係る各数値は、乗用車用の電動パワーステアリング装置に備えられたウォーム減速機およびラック&ピニオン機構の数値である。
実施形態に係るラック&ピニオン機構23のレシオ(ピニオン27の1回転あたりのラック26の軸方向移動量)は、ステアリングホイール2の1回転あたりのラック26の軸方向移動量よりも大きい。さらに、図3に示すように、実施形態に係るラック&ピニオン機構23のレシオは、75mm/revであり、比較形態に係るラック&ピニオン機構のレシオは、50mm/revである。したがって、実施形態に係るレシオは、比較形態に係るレシオより大きい。そのため、実施形態に係るラック26は、比較形態に係るラックよりも大きな強度を有している。
具体的には、実施形態に係るレシオが比較形態に係るレシオより大きいから、実施形態に係るピニオン27の直径(ピッチ円直径)は、比較形態に係るピニオンの直径(ピッチ円直径)よりも大きい。ピニオン27は、インボリュート歯車である。インボリュート歯車の歯面の曲率は、ピッチ円直径の増加に伴って小さくなる。そのため、実施形態に係るピニオン27は、比較形態よりも歯面の曲率が小さい。したがって、ピニオン27の歯とラック26の歯との接触面積が増加し、ラック26の歯に加わる面圧が減少する。よって、ピニオン27からラック26により大きな力を伝達することができる。そのため、図3に示すように、実施形態に係るラック26の強度は、比較形態の3倍である30kNの軸力(ラック26が伝達可能な軸方向X0への力の大きさ)の要求値を満足している。
このように、実施形態に係るラック&ピニオン機構23は、比較形態に係るラック&ピニオン機構よりも大きな力をピニオン27からラック26に伝達することができる。しかしながら、ラック26に伝達される力(軸力)が増加するから、ピニオン27に入力されるトルクも増加する。さらに、実施形態に係るピニオン27は、ウォームホイール25に連結されているから、ウォームホイール25に入力されるトルクも増加する。直径の増加によってピニオン27の強度は増加しているから、ウォームホイール25の強度を高める必要がある。本実施形態では、ウォーム24の直径とウォームホイール25の直径との増加とによって、ウォームホイール25の強度が高められている。
具体的には、図3に示すように、実施形態に係るウォームホイール25の直径(ピッチ円直径)は、165mmであり、比較形態に係るウォームホイールの直径(ピッチ円直径)は、110mmである。したがって、実施形態に係るウォームホイール25の強度は、比較形態に係るウォームホイールの強度よりも大きい。これにより、ウォームホイール25の強度が高められている。
また、図3に示すように、実施形態に係るウォーム24の直径(ピッチ円直径)は、60mmであり、比較形態に係るウォームの直径(ピッチ円直径)は、16mmである。したがって、実施形態に係るウォーム24は、比較形態に係るウォームより太い。すなわち、図3に示すように、実施形態に係るウォーム24の進み角(ウォーム24の歯筋に沿う軸線とウォーム24の中心軸線に直交する軸線とがなす角。図2中の「γ」参照)は、2.7度であり、比較形態に係るウォームの進み角は、20度である。したがって、実施形態に係るウォーム24の進み角は、比較形態に係るウォームの進み角よりも小さい。ウォーム24の直径は、進み角が小さくなるほど増加する。そのため、実施形態に係るウォーム24は、比較形態に係るウォームより太い。
図4に示すように、ウォームの歯とウォームホイールの歯との接触面積(図4においてハッチングされた領域の面積)は、ウォームの直径が、ウォームホイールの歯切りを行うカッター(ホブ)の直径に近づくほど増加する。実施形態に係るウォーム24の直径は、比較形態に係るウォームの直径よりも大きいから、本実施形態では、ウォーム24の歯とウォームホイール25の歯との接触面積が増加している。そのため、ウォームホイール25の歯に加わる面圧を減少させることができる。これにより、ウォームホイール25の強度が高められている。
また、図3に示すように、実施形態に係るウォーム減速機22の減速比(ウォームホイール25の回転速度/ウォーム24の回転速度)は、1/45であり、比較形態に係るウォーム減速機の減速比は、1/15である。したがって、実施形態に係るウォーム減速機22の減速比は、比較形態に係るウォーム減速機の減速比よりも高い。さらに、図3に示すように、実施形態に係る電動モータ21の回転速度(通常操舵時の回転速度)は、1800rpmであり、比較形態に係る電動モータの回転速度(通常操舵時の回転速度)は、900rpmである。したがって、実施形態に係る電動モータ21は、比較形態に係る電動モータよりも高回転型のモータである。このように、本実施形態では、ウォーム減速機22の減速比が高く、電動モータ21が高回転型のモータであるので、より大きなトルクがウォームホイール25に入力される。
また、実施形態に係るウォーム減速機22では、ウォーム24の進み角が小さく、減速比が高いので、ウォームホイール25側からウォーム24を回すことができない(セルフロック)。ステアリングホイールとステアリング機構とが機械的に連結されている従来の電動パワーステアリング装置では、ウォーム減速機がセルクロックしないように、減速比や進み角等を設定する必要がある。しかし、車両用操舵装置1は、ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であるから、ウォーム減速機22は、セルフロックするように構成されていてもよい。すなわち、ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置では、反力アクチュエータが、運転者によってステアリングホイールに入力された操舵トルクに対する反力を生み出す。さらに、荷役車両に搭載されるステアバイワイヤ式の車両用操舵装置では、ハンドル戻り(車両の走行によりステアリングホイールを操舵原点位置に戻す力が発生すること)が要求さない。よって、本実施形態では、ウォーム減速機22がセルフロックするように構成されていても何ら問題ない。
以上のように本実施形態では、ウォーム24の進み角が小さく、ラック&ピニオン機構23のレシオ(ピニオン27の1回転あたりのラック26の軸方向移動量)が大きいから、ステアリング機構100は、より大きな力を伝達することができる。したがって、本実施形態に係る車両用操舵装置1が、フォークリフトなどの荷役車両に搭載される場合でも、強度条件を満足することができる。さらに、安価なウォーム減速機22およびラック&ピニオン機構23がステアリング機構100に備えられているので、ステアリング機構100のコストを低減できる。しかも、高トルク型のモータではなく、高回転型のモータが、電動モータ21として用いられているので、ステアリング機構100のコストをさらに低減できる。これにより、車両用操舵装置1全体のコストを低減できる。
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば前述の実施形態では、ウォーム24の進み角が、2.7度である場合について説明したが、ウォーム24の進み角は、5度以下であれば、2.7度でなくてもよい。
また前述の実施形態では、ラック&ピニオン機構23のレシオ(ピニオン27の1回転あたりのラック26の軸方向移動量)が75mm/revである場合について説明したが、ラック&ピニオン機構23のレシオは、60mm/rev以上であれば、75mm/revでなくてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1・・・車両用操舵装置、2・・・ステアリングホイール、3・・・転舵輪、21・・・電動モータ、24・・・ウォーム、25・・・ウォームホイール、27・・・ピニオン、26・・・ラック、100・・・ステアリング機構

Claims (2)

  1. 運転者によって操作されるステアリングホイールと転舵輪を転舵するステアリング機構との機械的な連結が解除されたステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であって、
    前記ステアリング機構は、電動モータと、前記電動モータによって回転駆動されるウォームと、前記ウォームに噛み合うウォームホイールと、前記ウォームホイールに連結されたピニオンと、前記ピニオンに噛み合うラックとを含み、
    前記ウォームの進み角が、5度以下であり、前記電動モータが、前記ステアリングホイールの回転に伴って前記ステアリングホイールよりも低速で前記ピニオンを回転させる、車両用操舵装置。
  2. 前記ピニオン1回転あたりの前記ラックの軸方向移動量が、60mm以上である、請求項1記載の車両用操舵装置。
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