JP2013116564A - 液体噴射ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】クリーニング動作により、気泡室内の気泡を排出し易くすることができる液体噴射ヘッドを提供する。
【解決手段】内部に液体を貯留した液体貯留部材からの液体を導入する液体導入流路、当該液体導入流路内に混入した気泡を収容する気泡室18、および、該気泡室18の底部に設けられたフィルター19を備えた液体導入部14と、該液体導入部14からの液体を液体流路を通じて圧力室に導入し、該圧力室内の液体をノズルから液滴として吐出可能な液体噴射ヘッド本体と、を備え、フィルター19の気泡室側の面に、撥液性を有する撥液領域22が設けられた液体噴射ヘッド。
【選択図】図2
【解決手段】内部に液体を貯留した液体貯留部材からの液体を導入する液体導入流路、当該液体導入流路内に混入した気泡を収容する気泡室18、および、該気泡室18の底部に設けられたフィルター19を備えた液体導入部14と、該液体導入部14からの液体を液体流路を通じて圧力室に導入し、該圧力室内の液体をノズルから液滴として吐出可能な液体噴射ヘッド本体と、を備え、フィルター19の気泡室側の面に、撥液性を有する撥液領域22が設けられた液体噴射ヘッド。
【選択図】図2
Description
本発明は、インクジェット式記録ヘッド等の液体噴射ヘッドに係り、特に、液体貯留部材に貯留された液体を液体導入針等の液体導入部を介して圧力室に導入し、この圧力室内に導入された液体をノズルから液滴として吐出する液体噴射ヘッドに関する。
この液体噴射ヘッドとしては、例えば、インクジェット式記録装置などの画像記録装置に用いられるインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
例えば、上記のような記録ヘッドでは、液体状のインクを封入した液体貯留部材としてのインクカートリッジに、液体導入針の一種であるインク導入針を挿入している。これにより、インクカートリッジ内のインクが、インク導入針から記録ヘッド内のインク流路を通じて圧力室側に導入される。そして、圧力発生手段の駆動によって圧力室内に圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用することでノズルからインクを液滴として噴射(吐出)させている。
ところで、上記構成の記録ヘッドでは、インクカートリッジをインク導入針に接続する際に、インク導入針内に気泡が入りこむ虞があった。この気泡がインク流路を通じて圧力室側に混入すると、記録動作(インク滴の噴射動作)時に生じる圧力変動を気泡が吸収することによる圧力損失や、気泡が流路を塞ぐことによるインクの供給不足等の不具合を招く虞がある。
このため、図6に示すように、インク導入針70内部において、上流側の導入流路71の下端に連通する気泡室72と、該気泡室の底部に設けられたフィルター73と、を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。これにより、上流側から流下するインクをフィルター73により濾過してインクに混入した気泡Bを気泡室72内に収容することができ、記録動作時において気泡Bが下流側に流れないようにできる。そして、この気泡室72内に収容された気泡Bは、クリーニング動作により強制的に排出される。具体的には、記録動作時よりもインク導入針70内部のインクの流量を多くすることで、上流側と下流側との間に記録動作時よりも強い圧力差を生じさせる。これにより、図6(b)に示すように、気泡室72内の気泡Bをフィルター73を通じて強制的に下流側に送ることができ、インクと共にノズルから排出することができる。
上記のようなフィルター73は、記録動作時において、フィルター73の表面が気泡Bにより覆われることによってフィルター73を通過するインクの流れが妨げられないように、親液性(フィルター73に対するインクの接触角θが90°未満)のフィルター73が用いられている。しかしながら、このようなフィルター73では、図6(b)に示すように、クリーニング動作時において気泡Bとフィルター73との接触する面積が小さくなっていた。すなわち、気泡Bとフィルター73との間にインクが回り込み、気泡Bを避けてインクが流下していた。その結果、図6(c)に示すように、クリーニング動作時において十分に気泡Bを排出することができずに、気泡室72内に大きな気泡Bが残る傾向があった。気泡室72内に大きな気泡Bが残ると、記録動作時において、誤って気泡Bが圧力室側に流入したり、インクの圧力室側への流入が妨げられたりする虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クリーニング動作により、気泡室内の気泡を排出し易くすることができる液体噴射ヘッドを提供することにある。
本発明の液体噴射ヘッドは、上記目的を達成するために提案されたものであり、内部に液体を貯留した液体貯留部材からの液体を導入する液体導入流路、当該液体導入流路内に混入した気泡を収容する気泡室、および、該気泡室の底部に設けられたフィルターを備えた液体導入部と、
該液体導入部からの液体を液体流路を通じて圧力室に導入し、該圧力室内の液体をノズルから液滴として吐出可能な液体噴射ヘッド本体と、
を備え、
前記フィルターの前記気泡室側の面に、撥液性を有する撥液領域が設けられたことを特徴とする。
該液体導入部からの液体を液体流路を通じて圧力室に導入し、該圧力室内の液体をノズルから液滴として吐出可能な液体噴射ヘッド本体と、
を備え、
前記フィルターの前記気泡室側の面に、撥液性を有する撥液領域が設けられたことを特徴とする。
本発明の液体噴射ヘッドによれば、クリーニング動作時において、撥液領域によって気泡がフィルターの表面に広がって接触するため、フィルターと気泡との接触面積を広くすることができる。これにより、フィルターを通じて効率よく気泡を排出することができる。その結果、気泡室内の気泡を無くすこと、あるいは、気泡室内に残る気泡を少なくすることができる。なお、撥液性とは、フィルターに対する液体の接触角が90°以上であることを言う。
上記構成において、前記撥液領域は、前記フィルターの外周縁に沿った外周撥液領域に設けられたことが望ましい。
また、上記各構成において、前記フィルターの中央部分に親液性を示す親液領域が設けられたことが望ましい。
この構成によれば、クリーニング動作後において、中央部分に気泡が残ったとしても、この気泡をフィルターから確実に離間させることができる。これにより、記録動作時において、気泡によってフィルターを通過するインクの流れが妨げられることを防止できる。なお、親液性とは、フィルターに対する液体の接触角が90°未満であることを言う。
上記各構成において、前記フィルターの中央部分には、空隙率が高い高空隙部が設けられ、該高空隙部よりも前記フィルターの外周部分側には、前記高空隙部より空隙率が低い低空隙部が設けられたことが望ましい。
この構成によれば、フィルターに接触した気泡のうち、気泡が集まり易い中央部分に、圧力を集中することができる。これにより、クリーニング動作によって、フィルターを通じて更に効率よく気泡を排出することができる。
上記構成において、前記フィルターの低空隙部は、気泡が通過しない板状に形成されたことが望ましい。
この構成によれば、フィルターに接触した気泡のうち、気泡が集まり易い中央部分に、圧力をより集中することができる。これにより、クリーニング動作によって、フィルターを通じて一層効率よく気泡を排出することができる。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置として、インクジェット式記録装置1(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の構成を示す斜視図である。このプリンター1は、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド2が取り付けられると共に、内部にインク(液体の一種)を貯留したインクカートリッジ3(本発明における液体貯留部材に相当)が着脱可能に取り付けられるキャリッジ4を備えている。このキャリッジ4の後部には、キャリッジ4を記録紙5(記録媒体および着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構6を備えている。また、記録動作時における記録ヘッド2の下方には、間隔を空けてプラテン7を備えている。そして、このプラテン7上には、プリンター1の後方に備えた搬送機構8によって、記録紙5が主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
キャリッジ4は、主走査方向に架設されたガイドロッド9に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構6の作動により、ガイドロッド9に沿って主走査方向に移動する。キャリッジ4の主走査方向の位置は、位置情報検出手段の一種であるリニアエンコーダー10によって検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)をプリンター1の制御部に送信する。キャリッジ4の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域には、キャリッジ4の走査の基点となるホームポジションが設定されている。プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部へ向けてキャリッジ4が移動する往動時と、反対側の端部からホームポジション側にキャリッジ4が戻る復動時との双方向で記録紙5上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録を行う。
また、ホームポジションには、記録ヘッド2のノズル形成面(ノズルプレート36:図3参照)を封止するキャッピング部材11と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材12とが配置されている。キャッピング部材11は、長方形状の底部とこの底部の周縁から起立する側壁部とを有する上面が開放したトレイ状の部材であり、ゴム等の弾性部材により形成される。また、キャッピング部材11には、その内側を減圧するポンプ(図示せず)が接続されている。これにより、ノズル形成面をキャッピング部材11により封止した後でポンプを動作させることで、記録ヘッド2内の気泡や増粘したインクを吸引することができる(クリーニング動作)。なお、クリーニング動作では、記録動作によりノズル40から吐出されるインクよりも多くのインクが吸引される。
記録ヘッド2は、インクカートリッジ3の内部に接続される液体導入針14(本発明における液体導入部に相当)と該液体導入部の下方に備えられた記録ヘッド本体15(本発明における液体噴射ヘッド本体に相当)とから構成される。本実施形態の液体導入針14は、記録ヘッド本体15の上部に設けられている。このため、インクカートリッジ3を記録ヘッド2に装着すると、液体導入針14がインクカートリッジ3の内部に挿入される。
液体導入針14は、その内部に導入流路17および気泡室18が形成されている。また、液体導入針14の尖端部には、液体導入孔16が複数開設されている。この液体導入孔16は、インクカートリッジ3からの液体を導入流路17に導入する。導入流路17は、上端部が液体導入孔16と連通され、下端部が気泡室18と連通された円筒状の流路である。なお、液体導入孔16および導入流路17が本発明における液体導入流路に相当する。
気泡室18は、導入流路17内に混入した気泡Bを収容する室であり、底部の開口に記録ヘッド本体側のフィルター19が臨む。本実施形態の気泡室18は、導入流路17側からフィルター19側に向けて次第に内径を広げた形状に形成されている。ヘッド本体15において、この気泡室18に対応する部分には、フィルター19側から下流側に向けて次第に内径を狭めた漏斗状のフィルター室20が形成されている。このフィルター室20の上流側開口部にフィルター19が配設されている。すなわち、フィルター19は、気泡室18とフィルター室20との境界に位置し、気泡室18側からフィルター室20側に向かうインクを濾過している。また、フィルター室20は、下側が連通流路21と連通されている。この連通流路21は、上端部がフィルター室20と連通され、下端部が後述するケース流路30と連通されている。
上記したフィルター19は、例えば、金属等からなる細い線を網目状に織って形成される。このフィルター19の気泡室18側の面には、撥液性(フィルター19に対するインクの接触角が90°以上)を有する撥液領域22が設けられている。本実施形態では、フィルター19の気泡室18側の面全体がコーティングされることで撥液性を有するように構成されている。すなわち、フィルター19の気泡室18側の全面が撥液領域22となっている。このようなフィルター19は、例えば、金属製のフィルター基材に撥液性を有する材料(シリコン樹脂、フッ素樹脂等)をコーティングすることで作成される。また、図2(b)に示すように、フィルター19の中央部分には、空隙率が高い高空隙部23が設けられ、フィルター19の外周部分(高空隙部23よりも外周部分側)には、高空隙部23よりも空隙率が低い低空隙部24が設けられている。すなわち、インク、および、クリーニング動作時の気泡Bは、高空隙部23を通り易くなっている。なお、クリーニング動作については、後述する。
記録ヘッド本体15は、図3に示すように、ヘッドケース26、振動子ユニット27、及び流路ユニット28から構成されている。ヘッドケース26は、例えば、エポキシ系樹脂により作製された中空箱体状部材であり、その先端面(下面)には流路ユニット28を固定し、ケース内部に形成された収容空部29内には振動子ユニット27を収容している。また、ヘッドケース26の内部には、その高さ方向を貫通してケース流路30が形成されている。このケース流路30は、液体導入針14からのインクを後述するリザーバー31に供給するための流路であり、上端部が連通流路21と連通している。
振動子ユニット27は、櫛歯状に列設された複数の圧電素子32と、この圧電素子32に駆動基板からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル33(配線部材)と、圧電素子32の一側端部を固定する固定板34と、から構成される。圧電素子32の固定板34に固定されない自由端部の先端面は、後述する島部46(振動板37)に接合されている。そして、この圧電素子32は、駆動信号の印加により伸縮して圧力室39の容積を膨張又は収縮することで、圧力室39内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動の制御によりノズル40からインクを噴射させることができる。
流路ユニット28は、流路形成基板35の一方の面にノズルプレート36を、流路形成基板35の他方の面に振動板37をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット28には、リザーバー31(共通液室)、インク供給口38、および圧力室39からなる一連の流路が設けられている。リザーバー31は、ノズル列方向に沿って長尺な空部であり、その上部にケース流路30が連通されている。インク供給口38は、各圧力室39とリザーバー31を連通させる流路幅の狭い狭窄部である。圧力室39は、ノズル列に直交する方向に沿って長尺な空部であり、ノズル40が連通(開口)されている。なお、ケース流路30、リザーバー31、および、インク供給口38からなる一連の流路が本発明における液体流路に相当し、この液体流路を通じて液体導入針14からのインクを圧力室39に導入している。
上記ノズルプレート36は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル40が列状に穿設されたステンレスやシリコン結晶等の薄いプレートである。本実施形態のノズル列は、例えば180個のノズル40によって構成されている。
上記振動板37は、支持板42の表面に弾性体膜43を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板42とし、この支持板42の表面に樹脂フィルムを弾性体膜43としてラミネートした複合板材を用いて振動板37が作製されている。この振動板37には、圧力室39の容積を変化させるダイヤフラム部44が設けられている。また、この振動板37には、リザーバー31の一部を封止するコンプライアンス部45が設けられている。
上記のダイヤフラム部44は、エッチング加工等によって圧力室39に対向する領域の支持板42を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部44は、圧電素子32の自由端部(固定板34に固定される側とは反対側の端部)の先端面が接合される島部46と、この島部46を囲む薄肉弾性部とからなる。上記のコンプライアンス部45は、リザーバー31の開口面に対向する領域の支持板42を、ダイヤフラム部44と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー31に貯留されたインクの圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部46には圧電素子32の先端面が接合されているので、この圧電素子32の自由端部を伸縮させることで圧力室39の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室39内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド本体15は、この圧力変動を利用してノズル40からインク滴を噴射(吐出)する。
次に、気泡室18の気泡の排出について、図4を用いて説明する。例えば、クリーニング動作により、記録ヘッド本体15(リザーバー31)内の圧力が低下すると、インクカートリッジ3から液体導入孔16を介して導入流路17内にインクが導入される。これにより、導入流路17から連通流路21に向かうインクの流れが生じる。図4(a)に示すように、このインクの流れに伴って気泡室18内の気泡Bがフィルター19側に移動し、フィルター19に接触する。本実施形態では、フィルター19の気泡室18側の全面が撥液領域22(フィルター19に対するインクの接触角θが90°以上)となっているため、図4(b)に示すように、気泡Bがフィルター19の表面に広がって接触する。詳しくは、フィルター19に接触した気泡Bは、フィルター19の平面視においてフィルター19の中心部分から同心円状に広がった状態、かつ、この中心部分が盛り上がった状態になっている。そして、気泡Bとインクとの境界のうちフィルター19と接触する部分の接線と、フィルター表面とのなす角が接触角θになっている。
気泡Bがフィルター19の表面に広がって接触すると、インクのフィルター19を通過できる部分が少なくなり、インクの流れが阻害される。これにより、気泡室18とフィルター室20との間に比較的大きな圧力差が生じる。その結果、気泡Bがフィルター室20側に排出され易くなる。そして、フィルター室20側に排出された気泡Bは、インクの流れに乗ってノズル40から排出される。特に、本実施形態では、気泡Bの量が多いフィルター19の中央部分に高空隙部23が設けられているため、この高空隙部23から集中的に気泡Bを排出することができる(図4(b)参照)。これにより、気泡Bの排出効率を高めることができ、クリーニング動作で排出されずに気泡室18内に取り残される気泡Bを減らすことができる。
なお、図4(c)に示すように、クリーニング動作で排出されずに気泡室18内に取り残された気泡Bは、浮力により上昇し、フィルター19から離間する。また、記録動作時は、クリーニング動作時に比べてノズル40から排出するインクの量が少なく、液体導入針14内を流れるインクの量も少ないため、気泡Bがフィルター19側に移動しない。このため、記録動作時においては、記録ヘッド本体15側への気泡Bの排出が抑制される。
このように、クリーニング動作時において、撥液領域22によって気泡Bがフィルター19の表面に広がって接触するため、フィルター19と気泡Bとの接触面積を広くすることができる。これにより、フィルター19を通じて効率よく気泡Bを排出することができる。その結果、気泡室18内の気泡Bを無くすこと、あるいは、気泡室18内に残る気泡Bを少なくすることができる。また、本実施形態では、フィルター19の中央部分に高空隙部23を設けたので、フィルター19に接触した気泡Bのうち、気泡Bが集まり易い中央部分に圧力を集中することができる。これにより、クリーニング動作によって、フィルター19を通じて更に効率よく気泡Bを排出することができる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。例えば、図5に示す第2の実施形態の液体導入針14では、フィルター19′の低空隙部を気泡Bが通過しない板状(空隙率がほぼ0%)に形成されている。本実施形態のフィルター19′の低空隙部は、例えば撥液性を有するシリコン樹脂等からなる円形状の板部24′によって形成される。この板部24′の中央部分を開口し、この開口部分に通過するインクを濾過でき、かつ、撥液性を有するフィルター部23′を備えている。なお、その他の構成は、上記実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このようにすれば、クリーニング動作時において、気泡Bが板部24′の表面に広がって接触するため、フィルター部23′の全面を覆うように気泡Bが接触することができる。これにより、フィルター部23′を通じて効率よく気泡Bを排出することができる。また、フィルター19′の中央部分をフィルター部23′とし、低空隙部を板部24′としたので、フィルター19′に接触した気泡Bのうち、気泡Bが集まり易い中央部分に、圧力をより集中させることができる。これにより、クリーニング動作によって、フィルター19′を通じて一層効率よく気泡Bを排出することができる。
また、上記実施形態では、フィルター19の気泡室18側の全面を撥液領域22としたが、これには限らず、フィルター19の外周縁に沿った領域(外周撥液領域)に設けてもよい。例えば、第1の実施形態における低空隙部24の気泡室18側の面を、撥液性を有する外周撥液領域とすることができる。また、フィルター19の中央部分に親液性(フィルター19に対するインクの接触角が90°未満)を示す親液領域を設けることもできる。例えば、第1の実施形態における高空隙部23の気泡室18側の面を親液領域とすることができる。親液領域では、気泡の下側にインクが回り込み、フィルター19と気泡との接触面積が小さくなるため、気泡がフィルター19から離間し易くなる。
このようにすれば、クリーニング動作時において、親液領域の外側の外周縁(外周撥液領域)に気泡が広がって接触するため、フィルター19と気泡との接触面積を広くすることができる。これにより、フィルター19を通じて効率よく気泡を排出することができる。また、クリーニング動作後において、中央部分に気泡が残ったとしても、この気泡をフィルター19から確実に離間させることができる。これにより、記録動作時において、気泡によってフィルター19を通過するインクの流れが妨げられることを防止できる。
さらに、上記実施形態では、液体導入部として液体導入針14を例示したが、これには限られず、例えば、インク供給チューブを通じて記録ヘッド側にインクを供給するタイプを採用することも可能である。このようなタイプのプリンターでは、インクカートリッジが記録ヘッド側に装着されず、プリンターの筐体側に装着されている。そして、インク供給チューブは、一端がインクカートリッジに連通され、他端が記録ヘッドの気泡室に連通されている。これにより、インクカートリッジからのインクは、インク供給チューブを通じて記録ヘッド側に供給される。この場合、インク供給チューブが本発明における液体導入流路に相当する。
また、上記した各実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電素子32を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電素子を採用することも可能である。その他、圧力発生手段としては、発熱によりインクを突沸させることで圧力変動を生じさせる発熱素子や、静電気力により圧力室の区画壁を変位させることで圧力変動を生じさせる静電アクチュエーターなどの圧力発生手段を採用する構成においても本発明を適用することが可能である。
そして、本発明は、圧力発生手段を用いて液体の噴射制御が可能な液体噴射ヘッドであれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を噴射する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を噴射する。
1…プリンター,2…記録ヘッド,3…インクカートリッジ,14…液体導入針,15…記録ヘッド本体,16…液体導入孔,17…導入流路,18…気泡室,19…フィルター,20…フィルター室,21…連通流路,22…撥液領域,23…高空隙部,24…低空隙部,27…振動子ユニット,28…流路ユニット,30…ケース流路,31…リザーバー,32…圧電素子,39…圧力室,40…ノズル
Claims (5)
- 内部に液体を貯留した液体貯留部材からの液体を導入する液体導入流路、当該液体導入流路内に混入した気泡を収容する気泡室、および、該気泡室の底部に設けられたフィルターを備えた液体導入部と、
該液体導入部からの液体を液体流路を通じて圧力室に導入し、該圧力室内の液体をノズルから液滴として吐出可能な液体噴射ヘッド本体と、
を備え、
前記フィルターの前記気泡室側の面に、撥液性を有する撥液領域が設けられたことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 前記撥液領域は、前記フィルターの外周縁に沿った外周撥液領域に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記フィルターの中央部分に親液性を示す親液領域が設けられたことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記フィルターの中央部分には、空隙率が高い高空隙部が設けられ、該高空隙部よりも前記フィルターの外周部分側には、前記高空隙部より空隙率が低い低空隙部が設けられたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
- 前記低空隙部は、気泡が通過しない板状に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の液体噴射ヘッド。
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