JP2013116027A - 鉄塔周辺の工事ユニット及び工事方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】工事ユニット10は、架空送電線2同士を電気的に接続する金属遮蔽付ケーブル21A、21Bを有するジャンパーユニット20と、連結ヨーク42A、42Bを上下方向から挟み込んで取り付けられる一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bによりジャンパーユニット20を吊架する吊架ユニット30とを備える。
【選択図】図2
Description
本実施の形態の鉄塔周辺の工事ユニットは、鉄塔を挟んで配置された複数の架空送電線のそれぞれの鉄塔の側の端部が、互いに並列に配置された複数の碍子連を介して鉄塔の側に緊線状態に支持され、複数の碍子連の両端部を一対の連結ヨークによりそれぞれ連結してなる架空送電線路の鉄塔周辺の工事に用いられる工事ユニットにおいて、架空送電線同士を電気的に接続する複数の金属遮蔽付ケーブルを有するジャンパーユニットと、一対の連結ヨークをそれぞれ上下方向から挟み込んで取り付けられる一対の挟み込み部材を有し、一対の挟み込み部材によりジャンパーユニットを吊架する吊架ユニットとを備える。
図2は、本発明の第1の実施に形態に係る鉄塔周辺の工事ユニットを用いて仮工事を行った後の鉄塔周辺の架空送電線路の状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。なお、図2には、鉄塔1を図示していないが、図2においては右側に鉄塔1が位置している。また、図2には、鉄塔1の一方の側の架空送電線路だけを図示しているが、鉄塔1の両側に鉄塔1の中心線に対して略対称的に架空送電線路が設けられている。
ジャンパーユニット20は、金属遮蔽層(図示せず)を有する第1及び第1の金属遮蔽付ケーブル21A、21Bと、第1及び第2の金属遮蔽付ケーブル21A、21Bの両端にそれぞれ設けられた第1及び第2のケーブルヘッド22A、22Bと、第1及び第2のケーブルヘッド22A、22Bに一対の端子アダプター23を介して電気的に接続される第1及び第2のジャンパー線24A、24Bと、第1及び第2のジャンパー線24A、24Bを緊線状態にある架空送電線2に電気的に接続する第1及び第2のPGクランプ25A、25Bとを備える。
第1のジャンパー線24Aは、第2のジャンパー線24Bよりも長く設定されている。第1のジャンパー線24Aの一端は第1のPGクランプ25Aにより架空送電線2に電気的に接続され、他端は端子アダプター23を介して第1のケーブルヘッド22Aに電気的に接続される。第2のジャンパー線24Bの一端は第2のPGクランプ25Bにより第1のジャンパー線24Aに電気的に接続され、他端は端子アダプター23を介して第2のケーブルヘッド22Bに電気的に接続される。
第1及び第2のケーブルヘッド22A、22Bと端子アダプター23とは、ケーブルヘッド22A、22Bの中心導体に接続されて外部に露出している板状端子22aと端子アダプター23の一方の端部に設けられた板状端子23aとを4箇所ねじ止めすることによって固定される。
吊架ユニット30は、鉄塔側吊架金具31と、電線側吊架金具32とを備える。
図3は、一対のヨーク挟み込み部材の構造の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のA−A断面図である。なお、図3(a)は、連結ヨークの図示を省略している。図3(b)は、連結ヨーク42A、42Bのみを断面で示す。架空送電線2側の一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bと、鉄塔1側の一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bの構造は、同一となっている。
一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bは、互いに平行に配置される第1の部分311aと、第1の部分311aに略直交する第2の部分311bとを備えたJIS規格(JISG3192)の等辺山形鋼(アングル材)から形成されている。一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bの第1の部分311aは、鉄塔1側の連結ヨーク42A又は架空送電線2側の連結ヨーク42Bの複数の貫通穴420に対応する位置、及びその両側の位置にボルト310aを挿通させるための複数(例えば4つ)の挿通穴311cを有している。図3において下側に位置するヨーク挟み込み部材311Bは、第2の部分311bに接続プレート312又はターンバックル取付金具322と連結してジャンパーユニット20を吊架するための複数の連結穴311dが形成されている。なお、ヨーク挟み込み部材は、不等辺形鋼や溝形鋼(チャンネル材)を用いてもよく、アングル材やチャンネル材に限定されない。
このように構成された一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bは、例えば、次のように連結ヨーク42A、42Bに取り付けられる。まず、下側のヨーク挟み込み部材311Bの第1の部分311aの挿通穴311cに4本のボルト310aを挿通させ、ボルト310aと螺合可能なネジが内面に形成された4つのカラー310cをボルト310aのネジに締め付ける。次に、4つのカラー310cのうち内側の2つのカラー310cを連結ヨーク42A、42Bに形成されている貫通穴420に挿入させる。次に、上側のヨーク挟み込み部材311Aの第1の部分311aに形成されている挿通穴311cにボルト310aを挿通させ、ボルト310aにナット310bを締め付ける。このようにして一対のヨーク挟み込み部材311A、311Bは、離間部材であるカラー310cを介して平行に対向した状態でボルト310a及びナット310bの締結部材(固定部材)によって固定される。
図4は、図3に示す一対のヨーク挟み込み部材の他の取り付け例を示す図である。カラー310cをボルト310aに対して締め付けるところまでは上記したとおりであり、この態様では、最も端(図4では紙面に向かって最も右側の端)に位置するボルト310aだけが他のボルト310aよりも長く、上側のヨーク挟み込み部材311Aを介して上側からナット310bで締め付けている。地上側でヨーク挟み込み部材311A、311Bを予めこの状態にしておき、この状態のまま連結ヨーク42A、42Bへの設置を行う。この取り付け例によれば、向かって一番右側にあるボルト310aだけを上側からナット310bで絞めて付けているため、この部分を支点として、上側のヨーク挟み込み部材311Aの他方の端を周方向に下側のヨーク挟み込み部材311Bから離反させることができる開放端にする。
次に、第1の実施の形態の仮工事の作業の一例について説明する。
まず、既設の一方の連結ヨーク42A及び他方の連結ヨーク42Bに一対のヨーク挟み部材311A、311Bで挟み込んで取り付ける。
ジャンパーユニット20をクレーンにより持ち上げて、吊架ユニット30の鉄塔側吊架金具31の接続プレート312と電線側吊架金具32のターンバックル取付金具322を連結ヨーク42A、42Bに夫々に設置された下側のヨーク挟み部材311Bに接続する。
ジャンパーユニット20と既設の架空送電線2とをジャンパー線24A、24Bを介して接続する。このような作業は、架空送電線路の夫々の適用適所において行う。
以上説明した第1の実施の形態に係る鉄塔周辺の工事方法によれば、以下の効果を奏する。
図5は、本発明の第2の実施に形態に係る工事ユニットを用いて仮工事を行った後の鉄塔周辺の架空送電線路の状態を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。なお、図5には、鉄塔を図示していないが、図5においては右側に鉄塔が位置している。また、図5には、鉄塔(省略)の一方の側の架空送電線路だけを図示しているが、鉄塔の両側に鉄塔の中心線に対して略対称的に架空送電線路が設けられている。
支持ユニット60は、鉄塔1の腕金1aに連結金具61を介して連結される耐張クランプ62と、耐張クランプ62に接続された亜鉛メッキ鋼撚り線(支持線)63と、亜鉛メッキ鋼撚り線(支持線)63の端部に取り付けられた圧縮引留クランプ63aと、圧縮引留クランプ63aに取り付けられた鉄塔側取付金具642と、鉄塔側取付金具642に一方端が接続される一対の碍子連65A、65Bと、一対の碍子連65A、65Bの他方端に接続される電線側取付金具64Bとを備える。
次に、仮工事の作業の一例について説明する。
地上において、図5に示すように、支持ユニット60とジャンパーユニット20とを吊架ユニット30によって接続したものを一対用意しておく。このとき、新たな碍子連65A、65B及び連結ヨーク642A、642Bを用い、連結ヨーク642A、642Bを第1の実施の形態と同様にヨーク挟み込み部材311A、311Bによって挟み込む。
支持ユニット60、ジャンパーユニット20及び吊架ユニット30をクレーンにより持ち上げる。そして既設の架空送電線2を所定の長さに切断して、既設の碍子連5A、5B及び連結ヨーク42A、42Bを撤去し、架空送電線2の切断後の端末に圧縮引留クランプ3を取り付ける。そして、圧縮引留クランプ3に支持ユニット60の電線側取付金具64Bを取り付け、支持ユニット60の連結金具61のUクレビス61aを鉄塔1に接続する。
ジャンパーユニット20と既設の架空送電線2とをジャンパー線24A、24Bを介して電気的に接続する。このような作業は、架空送電線路の夫々の適用適所において行う。
最後に必要に応じて支持ユニット60の弛度調整金具61bを用いてジャンパーユニット20を所定の弛度とするべく微調整する。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の効果を奏するとともに、ジャンパーユニット20と支持ユニット60と一体とした状態でジャンパーユニット20を吊架するので、ヨーク挟み込み部材311A、311Bの連結ヨーク642A、642Bの取付け作業を地上において行うことができる。また、第2の実施の形態の工事ユニット10は、第2の実施の形態の仮工事だけでなく、第1の実施の形態の仮工事にも使用することができるので、部品を共用化することができる。
Claims (11)
- 鉄塔を挟んで配置された複数の架空送電線のそれぞれの前記鉄塔の側の端部が、互いに並列に配置された複数の碍子連を介して前記鉄塔の側に緊線状態に支持され、前記複数の碍子連の両端部を一対の連結ヨークによりそれぞれ連結してなる架空送電線路の鉄塔周辺の工事に用いられる工事ユニットであって、
前記架空送電線同士を電気的に接続する複数の金属遮蔽付ケーブルを有するジャンパーユニットと、
前記一対の連結ヨークをそれぞれ上下方向から挟み込んで取り付けられる一対の挟み込み部材を有し、前記一対の挟み込み部材により前記ジャンパーユニットを吊架する吊架ユニットとを備えた鉄塔周辺の工事ユニット。 - 前記一対の挟み込み部材は、互いに平行に配置される第1の部分と、前記第1の部分に略直交する第2の部分とを備え、前記一対の挟み込み部材のうち下側の挟み込み部材の前記第2の部分は、前記ジャンパーユニットを吊架するための連結穴を有する請求項1に記載の鉄塔周辺の工事ユニット。
- 前記一対の連結ヨークは、複数の貫通穴を有し、
前記一対の挟み込み部材の前記第1の部分は、前記連結ヨークの前記複数の貫通穴に対応する位置にボルトを挿通するための複数の挿通穴を有し、
前記吊架ユニットは、前記ボルトと螺合可能なネジが内面に形成され、前記連結ヨークの前記複数の貫通穴に挿入される複数のカラーを、さらに備えた請求項2に記載の鉄塔周辺の工事ユニット。 - 前記複数の碍子連及び前記一対の連結ヨークは、既設のものとは異なる碍子連及び一対の連結ヨークを有し、前記複数の架空送電線を前記鉄塔の側に緊線状態に支持する支持ユニットを、さらに備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄塔周辺の工事ユニット。
- 鉄塔を挟んで配置された複数の架空送電線のそれぞれの前記鉄塔の側の端部が、互いに並列に配置された複数の碍子連を介して前記鉄塔の側に緊線状態に支持され、前記複数の碍子連の両端部を一対の連結ヨークによりそれぞれ連結してなる架空送電線路の鉄塔周辺の工事方法であって、
一対の挟み込み部材により前記一対の連結ヨークをそれぞれ上下方向から挟み込んで固定し、
前記架空送電線同士を複数の金属遮蔽付ケーブルにより電気的に接続し、
前記一対の挟み込み部材により前記金属遮蔽付ケーブルを有するジャンパーユニットを吊架する鉄塔周辺の工事方法。 - 前記一対の挟み込み部材は、互いに平行に配置される第1の部分と、前記第1の部分に略直交する第2の部分とを備え、前記一対の挟み込み部材のうち下側の挟み込み部材の前記第2の部分は、前記ジャンパーユニットを吊架するための連結穴を有し、
前記ジャンパーユニットの吊架は、前記下側の挟み込み部材の前記連結穴を用いて行う請求項5に記載の鉄塔周辺の工事方法。 - 前記一対の連結ヨークは、複数の貫通穴を有し、
前記一対の挟み込み部材の前記第1の部分は、前記連結ヨークの前記複数の貫通穴に対応する位置にボルトを挿通するための複数の挿通穴を有し、
前記一対の挟み込み部材の前記一対の連結ヨークへの取付けは、前記一対の挟み込み部材のうち一方の挟み込み部材の前記第1の部分の前記複数の挿通穴にそれぞれボルトを挿通し、
複数の前記ボルトに内面にネジが形成された複数のカラーをそれぞれ螺合させ、
前記複数のカラーを前記連結ヨークの前記複数の貫通穴に挿入し、
前記一対の挟み込み部材のうち他方の挟み込み部材の前記第1の部分の前記複数の挿通穴に前記複数のボルトを挿通させ、前記複数のボルトに複数のナットを締結することで行う請求項6に記載の鉄塔周辺の工事方法。 - 前記一対の挟み込み部材の前記第1の部分に形成された前記複数の挿通穴は、長手方向に沿って形成され、
前記一対の挟み込み部材の前記一対の連結ヨークへの取付けは、前記一対の挟み込み部材の一方の挟み込み部材の前記第1の部分の前記複数の挿通穴に前記複数のボルトを挿通し、
前記複数のボルトに前記複数のカラーを締結し、
前記一対の挟み込み部材のうち他方の挟み込み部材の前記複数の挿通穴に前記複数のボルトを挿通させ、
前記複数のボルトのうち最も端に位置する前記ボルトにナットを緩く締結し、
前記複数のカラーを前記連結ヨークの前記複数の貫通穴に挿入し、
前記一対の挟み込み部材のうち他方の挟み込み部材の他方の端を閉じて前記複数のボルトを前記他方の挟み込み部材の前記第1の部分の前記複数の挿通穴を挿通させ、前記複数のボルトに前記複数のナットを締結する請求項7に記載の鉄塔周辺の工事方法。 - 前記一対の挟み込み部材の固定、前記金属遮蔽付ケーブルの電気的な接続、及び前記ジャンパーユニットの吊架は、既設の前記碍子連及び前記一対の連結ヨークを外さずに行う請求項5乃至8のいずれか1項に記載の鉄塔周辺の工事方法。
- 前記一対の挟み込み部材の固定、前記金属遮蔽付ケーブルの電気的な接続、及び前記金属遮蔽付ケーブルの吊架は、既設の前記碍子連及び前記一対の連結ヨークとは異なる新たな前記碍子連及び前記一対の連結ヨークを用いて行う請求項5乃至8のいずれか1項に記載の鉄塔周辺の工事方法。
- 前記ジャンパーユニットの吊架は、前記既設の架空送電線を前記鉄塔と連結するための支持ユニットと一体とした前記ジャンパーユニットを吊架する請求項5乃至10のいずれか1項に記載の鉄塔周辺の工事方法。
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