JP2013112784A - 樹脂組成物、その製造方法、成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 末端にカルボキシ基を25〜45〔μmol/g〕なる割合で有し、非ニュートン指数が0.90〜1.15であり、かつ300℃で測定した溶融粘度が1,000ポイズ〜3,000ポイズの範囲にあるポリアリーレンサルフィッド樹脂と、エポキシ当量が3,000〜20,000〔g/eq〕の範囲であるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)とを、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂100質量部に対して前記ポリオレフィン(B)が5〜30質量部となる割合で溶融混合して得られる樹脂組成物の製造方法、当該樹脂組成物を用いた成形品。
【選択図】なし
Description
末端にカルボキシ基を25〜45〔μmol/g〕なる割合で有し、非ニュートン指数が0.90〜1.15であり、かつ300℃で測定した溶融粘度が1,000ポイズ〜3,000ポイズの範囲にあるポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)と、エポキシ当量が3,000〜20,000〔g/eq〕の範囲であるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)とを、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して前記が5〜30質量部となる割合で溶融混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明は、末端にカルボキシ基を25〜45〔μmol/g〕なる割合で有し、非ニュートン指数が0.90〜1.15であり、かつ300℃で測定した溶融粘度が1,000ポイズ〜3,000ポイズの範囲にあるポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)と、エポキシ当量が3,000〜20,000〔g/eq〕の範囲であるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)とを、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して前記ポリオレフィン(B)が5〜30質量部となる割合で溶融混合して得られる樹脂組成物に関する。
また、本発明は、前記樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形品に関する。
さらに本発明は、前記樹脂組成物を成形することを特徴とする成形品の製造方法に関する。
さらに、該ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)は、非ニュートン指数が0.90〜1.15の範囲であり、いわゆるリニア型構造を有する。非ニュートン指数が1.15を超えると分岐度が多く、末端カルボキシ基の割合を適切な範囲に調整することができなくなる。
このように本発明に用いるポリアリーレンサルフィッド樹脂は、PAS樹脂自体がブロー中空成形に特に適した高い溶融粘度を有することに加え、リニア型構造の中でも非ニュートン指数が0.90〜1.15の分岐度の低い直鎖構造を有するものであるため、末端カルボキシ基の割合を抑えることができ、ポリオレフィン(B)中に含まれるエポキシ基と反応して溶融混練物の溶融粘度が過度に高くなることを防ぎ、偏肉のない優れた成形性を発揮することができ、ブロー中空成形品の機械的強度、とくに耐冷熱衝撃性を改善することができる。さらにポリオレフィン(B)との相溶性が改善し、成形性と耐冷熱衝撃性が一層良好となることから、樹脂(A)中のアルカリ金属塩が樹脂中20μmol/g以下の割合のものを用いることが好ましい。
前記有機酸アルカリ金属塩(c)は反応性が良好である点から脂肪族系環状化合物(c1)の加水分解物のアルカリ金属塩(c2)が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン酸、ε−カプロラクタム、N−メチル−ε−カプロラクタム等の脂肪族環状アミド化合物の開環物のアルカリ金属塩がより好ましく、特にN−メチル−2−ピロリドンの加水分解物のアルカリ金属塩が反応性の点から好ましい。また、これらのアルカリ金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩として用いることが好ましく、特にナトリウム塩が好ましい。
工程1:非加水分解性有機溶媒の存在下、含水アルカリ金属硫化物、又は、含水アルカリ金属水硫化物及びアルカリ金属水酸化物と、加水分解によって開環し得る脂肪族系環状化合物(c1)とを、脱水させながら反応させて固形のアルカリ金属硫化物を含むスラリー(I)を製造する工程、
工程2:スラリー(I)を製造した後、更に非プロトン性極性有機溶媒を加え、水を留去して脱水を行う工程、
工程3:次いで、工程2の脱水工程を経て得られたスラリー(I)中で、ポリハロ芳香族化合物(a)と、アルカリ金属水硫化物(b)と、前記化合物(c1)の加水分解物のアルカリ金属塩(c2)とを、非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して反応系内に現存する水分量が0.02モル以下で反応させて重合を行う工程、
工程4:工程3で得られた重合物(粗ポリアリーレンサルフィッド樹脂)を脱イオン処理する工程、を必須の製造工程とすることを特徴とする。
(方法1−A)加水分解によって開環し得る脂肪族系環状化合物(c1)、非加水分解性有機溶媒、含水アルカリ金属硫化物、更に必要に応じて前記アルカリ金属水硫化物又はアルカリ金属水酸化物の所定量を反応容器に仕込み、含水アルカリ金属硫化物の沸点以上で、かつ、水が共沸により除去される温度、具体的には80〜220℃の範囲、好ましくは100〜200℃の範囲にまで加熱して脱水する方法。
(方法1−B)加水分解によって開環し得る脂肪族系環状化合物(c1)、非加水分解性有機溶媒、含水アルカリ水硫化物、及びアルカリ金属水酸化物の所定量を反応容器に仕込み、この仕込みとほぼ同時に含水アルカリ金属硫化物を生成させた後、前記含水アルカリ金属硫化物の沸点以上で、かつ、水が共沸により除去される温度、具体的には80〜220℃の範囲、好ましくは100〜200℃の範囲にまで加熱して脱水する方法。
工程1における脱水処理後の反応系内の全水分量は極力少ない方が好ましく、具体的には、反応系内の硫黄原子1モル当たり、0.1モルを超え、0.99モル以下となる範囲、特に0.6〜0.96モルとなる範囲であって、かつ、反応系内に現存する水分量が反応系内の硫黄原子1モル当たり、0.03〜0.11モルとなる割合であることが好ましい。ここで、「反応系内に現存する水分量」とは、反応系内の全水分量のうち、前記化合物(c1)の加水分解に消費された水分を除く水、即ち、結晶水、H2O等として現に反応系内に存在する水分(以下、これらを「結晶水等」という。)の総量をいう。
また、前記脂肪族系環状化合物(c1)の加水分解物のアルカリ金属塩としては、該脂肪族系環状化合物(c1)の加水分解物のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、ルビジウム塩又はセシウム塩が挙げられる。これらの有機酸アルカリ金属塩(c2)は、反応系内で液状となっていることが好ましい。
また、上記有機酸アルカリ金属塩(c2)のなかでも、反応性が良好である点から脂肪族系環状化合物(c1)の加水分解物のアルカリ金属塩(c2)が好ましく、脂肪族環状アミド化合物の開環物のアルカリ金属塩、特にNMPの加水分解物のアルカリ金属塩が反応性の点から好ましい。また、これらのアルカリ金属塩はリチウム塩、ナトリウムイオン塩として用いることが好ましい。
また、工程1において用いられる非加水分解性有機溶媒は、前記した通り、水に不活性な有機溶媒であればよく、例えば、汎用の脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等を用いることができるが、本発明では特に、工程3における反応に供されるポリハロ芳香族化合物(a)を有機溶媒として用いることが、次の工程3の反応ないし重合が良好となって生産効率が飛躍的に向上する点から好ましい。
なお、工程2で加える非プロトン性極性有機溶媒としては、上記したものを用いることができ、これらの中でも、NMPが特に好ましい。
本発明では、このように固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下で、ポリハロ芳香族化合物(a)、アルカリ金属水硫化物(b)、及び前記化合物(c1)の加水分解物のアルカリ金属塩(c2)を、スラリー状態のままで、かつ、反応系内の水分量を限りなく低減させた状態で反応させることを特徴としている。本発明では、このように反応系内でスルフィド化剤を固形分とする不均一系反応を行うことにより、副反応が抑制されて粗ポリアリーレンサルフィッド樹脂の高分子量化を図ることができる。
工程3の反応におけるポリハロ芳香族化合物(a)は、工程2において反応系内に添加してもよいが、前記したとおり、工程1において非加水分解性有機溶媒としてポリハロ芳香族化合物(a)を用いた場合には、そのまま工程2の反応を行うことができる。
また、前記アルカリ金属水硫化物(b)は工程3を経てスラリー(I)中に存在するものをそのまま用いて工程2の反応を行うことができる。
また、この工程3では、塩化リチウムや酢酸リチウムなどのリチウム塩化合物を反応系内に加え、リチウムイオンの存在下で反応を行ってもよい。
上記リチウム塩化合物は無水物又は含水物又は水溶液として用いることができる。
また、工程3におけるポリハロ芳香族化合物(a)の量は、具体的には、反応系内の硫黄原子1モル当たり、0.8〜1.2モルの範囲が好ましく、特に0.9〜1.1モルの範囲がより高分子量の粗ポリアリーレンサルフィッド樹脂を得られる点から好ましい。
工程3の反応ないし重合反応において、更に非プロトン性極性有機溶媒を加えてもよい。反応内に存在する非プロトン性極性有機溶媒の総使用量は、特に制限されるものではないが、反応系内に存在する硫黄原子1モル当たり0.6〜10モルとなる様に非プロトン性極性有機溶媒を追加することが好ましく、更にはPAS樹脂のより一層の高分子量化が可能となる点から2〜6モルの範囲が好ましい。また、反応容器の容積当たりの反応体濃度の増加という観点からは、反応系内に存在する硫黄原子1モル当たり1〜3モルの範囲が好ましい。
工程1及び工程2の脱水処理、及び工程3の反応ないし重合の各工程は、バッチ方式、回分方式あるいは連続方式など通常の各重合方式を採用することができる。また、脱水工程及び重合工程何れにおいても、不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。使用する不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が挙げられ、中でも経済性及び取扱いの容易さの面から窒素が好ましい。
重合工程により得られた粗ポリアリーレンサルフィッド樹脂を含む反応混合物の脱イオン処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、(1)重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、又は酸あるいは塩基を加えた後、減圧下又は常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコールなどの溶媒で1回又は2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過及び乾燥する方法、あるいは、(2)重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール、エーテル、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくともポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)に対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)や無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、あるいは、(3)重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコールなどの溶媒で1回又は2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過及び乾燥をする方法等が挙げられる。
なお、上記(1)〜(3)に例示したような脱イオン処理方法において、ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
本発明に用いるポリオレフィン(B)は、そのエポキシ当量が3,000〔g/eq〕以上、好ましくは6,000〔g/eq〕以上であり、かつ、20,000〔g/eq〕以下、好ましくは10,000〔g/eq〕以下の範囲である。本発明に用いるポリオレフィンは、エポキシ基を有するポリオレフィン(B’)およびポリオレフィン(B”)を混合して用いても、またあらかじめ前記エポキシ当量の範囲にあるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)を用いることができるが、樹脂組成物の粘度調整が容易なことから、エポキシ基を有するポリオレフィン(B’)およびポリオレフィン(B”)を混合して用いることが好ましい。
該エポキシ基を有するポリオレフィン(B’)は、エポキシ基を有するオレフィン系重合体であれば特に限定されないが、α−オレフィンとα,β−不飽和酸のグリシジルエステルからなる共重合体が好ましく用いられる。α−オレフィンとしてはエチレン、プロピレンおよびブテン−1などが挙げられる。また、α,β−不飽和酸のグリシジルエステルとしては、具体的にはアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルおよびエタクリル酸グリシジルなどが挙げられる。α−オレフィンに対する、各単量体成分の変性割合は、特に制限されるものではないが、共重合体中の変性部位を各単量体質量に換算し、共重合体100質量に対する割合として0.1〜15質量部、中でも0.5〜10質量部の範囲が好ましい。
エポキシ基含有オレフィン系重合体には、本発明の効果を損わない範囲で、前記した各種のモノマー成分に加え、他のオレフィン系モノマ、たとえばアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルおよびビニルエーテルなどを共重合させてもよい。
本発明で用いるエポキシ基を有するポリオレフィンの溶融粘度は特に制限されるものではないが、メルトフトーレイト(温度190℃、荷重2.16kg)による測定で1〜20ポイズの範囲のものが好ましい。
本発明で用いる官能基を有していないポリオレフィンの溶融粘度は特に制限されるものではないが、メルトフトーレイト(温度190℃、荷重2.16kg)による測定で0.01〜70ポイズの範囲のものが好ましい。
エポキシ基を有するポリオレフィン(B’)およびカルボキシ基と反応する官能基を有していないポリオレフィン(B”)の使用比率は、質量比で(B’)/(B”)=99/1〜50/50の範囲である。本発明に用いるポリオレフィン(B”)は、いわゆる未変性ポリオレフィンであって、カルボキシ基との反応性を有していないことから粘度調整剤としての役割を果たす。このため、本発明の樹脂組成物のメルトフローレート(g/10分)が後述する範囲内に収まるように、ポリオレフィン(B’)および(B”)の比率を調整しながら用いることで、樹脂組成物の溶融混練時のゲル化を抑えつつ、成形性、耐ドローダウン性および押出安定性を向上させることができる。
充填材としては、本発明の効果を損なうものでなければ公知慣用の材料を用いることができ、例えば、粒状、繊維状などさまざまな形状の充填材等が挙げられる。
具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等の繊維状の充填材が使用できる。また硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等が使用できる。
本発明で用いる充填剤は必須成分ではないが、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂100質量部に対して0質量部より多く、通常は10質量部以上、50質量部以下を加えることによって、強度、剛性、耐熱性、放熱性および寸法安定性など、加える充填剤の目的に応じて各種性能を向上させることができる。
これらの添加剤の使用量、使用方法は、それぞれの目的に応じて異なり、一概に規定することはできないが、本発明の効果を損なわない範囲で用いればよい。例えば、カップリング剤は、添加剤として単独で用いることもできるし、予め充填剤に予備処理された上で用いられてもよい。このようなカップリング剤としてはシラン系、チタン系などのカップリング剤が用いられる。さらに、このうちカルボキシ基と反応する官能基(例えばエポキシ基、イソシアナト基、アミノ基や水酸基)を有するシランカップリング剤が好ましいものとして挙げられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロシラン等のイソシアナト基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等の水酸基含有アルコキシシラン化合物が挙げられる。カップリング剤の使用量は、ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して0.01〜1.0質量部、より好ましくは0.1〜0.4質量部の範囲である。
本発明の樹脂組成物は、例えば、シリンダー温度330℃、オリフィス系1mmのメルトインデクサーに樹脂組成物ペレットを投入し、10kgの荷重を掛け、5分間の予熱後にメルトフローレート(g/10分)を測定した場合に、20g/10分以下、好ましくは15g/10分以下のものがブロー中空成形性に適した好ましい耐ドローダウン性を示す。さらに耐ドローダウン性及び押出安定性に優れることから、3〜10g/10分の範囲が好ましく、3〜6g/10分の範囲が最も好ましい。20g/10分以上であると、成形品肉厚のばらつきが顕著となり好ましくなく、逆に3以下ではゲル物となる傾向にあり好ましくない。
ポリアリーレンサルフィッド(A)に含まれるカルボキシル基(a1)とそのアルカリ金属塩(a2)の量は以下の方法によって測定した。
(前処理)まず、前処理として実施例、比較例で得たポリアリーレンサルフィッドをジメチルイミダゾリジノン(DMI)中で不活性雰囲気下、210℃で一旦溶解した後、冷却して再度ポリアリーレンサルフィッドを析出させた。次いで、得られたスラリーをイオン交換水で何度もよく洗浄、ろ過した後、一旦塩酸でpH2.5以下に調整し、再度イオン交換水で何度も洗浄を繰り返す。得られたケーキは熱風乾燥機中で120℃で乾燥した。これをサンプル(0)とし、また前処理を行わないものをサンプル(1)とした。
次に、作成した検量線をもとに、測定サンプル中のカルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の含有量を求めた。
(a2)=(a0)−(a1) 〔μmol/g〕
[非ニュートン指数の測定]
キャピログラフを用いて300℃、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。N値が1に近いほどPPSは線状に近い構造であり、N値が高いほど分岐が進んだ構造であることを示す。
島津製作所製のフローテスター(CFT−500C型)を用いて、温度300℃、剪断速度10sec−1荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持した後に測定した。
示差走査熱量計(パーキンエルマー社製「PYRIS Diamond DSC」)を用い、示差走査熱量計による分析法(DSC法;JIS K−7121に準拠)に基づく最大吸熱ピークを示す温度を融点として測定した。
[工程1]
圧力計、温度計、コンデンサー、デカンター、精留塔を連結した撹拌翼付き150リットルオートクレーブに、p−ジクロロベンゼン(以下、「p−DCB」と略記する。)33.222kg(226モル)、NMP4.560kg(46モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.300kg(NaSHとして230モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.533g(NaOHとして228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水26.794kgを留出させた後、オートクレーブを密閉した。脱水時に共沸により留出したp−DCBはデカンターで分離して、随時オートクレーブ内に戻した。脱水終了後のオートクレーブ内は微粒子状の無水硫化ナトリウム組成物がp−DCB中に分散した状態であった。この組成物中のNMP含有量は0.089kg(0.9モル)であったことから、仕込んだNMPの98%(45.1モル)がSMABに加水分解されていることを示す。オートクレーブ内のSMAB量は、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.196モルであった。仕込んだNaSHとNaOHが全量、無水Na2Sに変わる場合の理論脱水量は27.921gであることから、オートクレーブ内の残水量1127g(62.6モル)の内、812g(45.1モル)はNMPとNaOHとの加水分解反応に消費されて、水としてオートクレーブ内に存在せず、残りの315g(17.5モル)は水、あるいは結晶水の形でオートクレーブ内に残留していることを示している。オートクレーブ内の水分量はオートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.076モルであった。
上記脱水工程終了後に、内温を160℃に冷却し、NMP45.203kg(456モル)を仕込み、185℃まで昇温した。オートクレーブ内の水分量は、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.038モルであった。ゲージ圧が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したp−DCBと水の混合蒸気はコンデンサーで凝縮し、デカンターで分離して、p−DCBはオートクレーブへ戻した。留出水量は273g(15.2モル)であった。
工程3開始時のオートクレーブ内水分量は42g(2.3モル)で、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.005モルで、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.010モルであった。オートクレーブ内のSMAB量は工程1と同じく、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.196モルであった。次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で3時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。内温200℃時点のゲージ圧は0.03MPaで、最終ゲージ圧は0.50MPaであった。冷却後、得られたスラリーの内、650gを3リットルの水に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を4回繰り返した。このケーキを再び3リットルの温水と、酢酸を加え、pH4.0に調整した後、1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を2回繰り返した。熱風乾燥機を用いて120℃で一晩乾燥して白色の粉末状のPPS樹脂(P−1)151gを得た。このポリマーの300℃における溶融粘度は約1,200ポイズであった。非ニュートン指数は0.99であった。カルボキシ基の含有量は44μmol/g、アルカリ金属塩は9.6μmol/gであった。
[工程1]
圧力計、温度計、コンデンサー、デカンター、精留塔を連結した撹拌翼付き150リットルオートクレーブにp−ジクロロベンゼン(以下、「p−DCB」と略記する。)33.222kg(226モル)、NMP3.420kg(34.5モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.300kg(NaSHとして230モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.533g(NaOHとして228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.300kgを留出させた後、オートクレーブを密閉した。脱水時に共沸により留出したp−DCBはデカンターで分離して、随時オートクレーブ内に戻した。脱水終了後のオートクレーブ内は微粒子状の無水硫化ナトリウム組成物がp−DCB中に分散した状態であった。この組成物中のNMP含有量は0.079kg(0.8モル)であったことから、仕込んだNMPの98モル%(33.7モル)がNMPの開環体(4−(メチルアミノ)酪酸)のナトリウム塩(以下、「SMAB」と略記する。)に加水分解されていることが示された。オートクレーブ内のSMAB量は、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.147モルであった。仕込んだNaSHとNaOHが全量、無水Na2Sに変わる場合の理論脱水量は27.921gであることから、オートクレーブ内の残水量878g(48.8モル)の内、609g(33.8モル)はNMPとNaOHとの加水分解反応に消費されて、水としてオートクレーブ内に存在せず、残りの269g(14.9モル)は水、あるいは結晶水の形でオートクレーブ内に残留していることを示していた。オートクレーブ内の水分量はオートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.065モルであった。
上記脱水工程終了後に、内温を160℃に冷却し、NMP46.343kg(467.5モル)を仕込み、185℃まで昇温した。オートクレーブ内の水分量は、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.025モルであった。ゲージ圧が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したp−DCBと水の混合蒸気はコンデンサーで凝縮し、デカンターで分離して、p−DCBはオートクレーブへ戻した。留出水量は228g(12.7モル)であった。
工程3開始時のオートクレーブ内水分量は41g(2.3モル)で、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.005モルで、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.010モルであった。オートクレーブ内のSMAB量は工程1と同じく、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.147モルであった。次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で3時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。内温200℃時点のゲージ圧は0.03MPaで、最終ゲージ圧は0.40MPaであった。冷却後、得られたスラリーの内、650gを3リットルの水に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を4回繰り返した。このケーキを再び3リットルの温水と、酢酸を加え、pH4.0に調整した後、1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を2回繰り返した。熱風乾燥機を用いて120℃で一晩乾燥して白色の粉末状のPPS樹脂(P−2)151gを得た。このポリマーの300℃における溶融粘度は約1,800ポイズであった。非ニュートン指数は1.02であった。カルボキシ基の含有量は38μmol/g、アルカリ金属塩は4.8μmol/gであった。
[工程1]
圧力計、温度計、コンデンサー、デカンター、精留塔を連結した撹拌翼付き150リットルオートクレーブにp−ジクロロベンゼン(以下、「p−DCB」と略記する。)33.222kg(226モル)、NMP2.280kg(23モル)、47.23質量%NaSH水溶液27.300kg(NaSHとして230モル)、及び49.21質量%NaOH水溶液18.533g(NaOHとして228モル)を仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で173℃まで5時間掛けて昇温して、水27.300kgを留出させた後、オートクレーブを密閉した。脱水時に共沸により留出したp−DCBはデカンターで分離して、随時オートクレーブ内に戻した。脱水終了後のオートクレーブ内は微粒子状の無水硫化ナトリウム組成物がp−DCB中に分散した状態であった。この組成物中のNMP含有量は0.069kg(0.7モル)であったことから、仕込んだNMPの97モル%(22.3モル)がNMPの開環体(4−(メチルアミノ)酪酸)のナトリウム塩(以下、「SMAB」と略記する。)に加水分解されていることが示された。オートクレーブ内のSMAB量は、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.097モルであった。仕込んだNaSHとNaOHが全量、無水Na2Sに変わる場合の理論脱水量は27.921kgであることから、オートクレーブ内の残水量621g(34.5モル)の内、401g(22.3モル)はNMPとNaOHとの加水分解反応に消費されて、水としてオートクレーブ内に存在せず、残りの220g(12.2モル)は水、あるいは結晶水の形でオートクレーブ内に残留していることを示していた。オートクレーブ内の水分量はオートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.053モルであった。
上記脱水工程終了後に、内温を160℃に冷却し、NMP47.492kg(479モル)を仕込み、185℃まで昇温した。オートクレーブ内の水分量は、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.025モルであった。ゲージ圧が0.00MPaに到達した時点で、精留塔を連結したバルブを開放し、内温200℃まで1時間掛けて昇温した。この際、精留塔出口温度が110℃以下になる様に冷却とバルブ開度で制御した。留出したp−DCBと水の混合蒸気はコンデンサーで凝縮し、デカンターで分離して、p−DCBはオートクレーブへ戻した。留出水量は179g(9.9モル)であった。
工程3開始時のオートクレーブ内水分量は41g(2.3モル)で、工程2で仕込んだNMP1モル当たり0.005モルで、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.010モルであった。オートクレーブ内のSMAB量は工程1と同じく、オートクレーブ中に存在する硫黄原子1モル当たり0.097モルであった。次いで、内温200℃から230℃まで3時間掛けて昇温し、230℃で3時間撹拌した後、250℃まで昇温し、1時間撹拌した。内温200℃時点のゲージ圧は0.03MPaで、最終ゲージ圧は0.30MPaであった。冷却後、得られたスラリーの内、650gを3リットルの水に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を4回繰り返した。このケーキを再び3リットルの温水と、酢酸を加え、pH4.0に調整した後、1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。このケーキを再び3リットルの温水で1時間撹拌し、洗浄した後、濾過した。この操作を2回繰り返した。熱風乾燥機を用いて120℃で一晩乾燥して白色の粉末状のPPS樹脂(P−3)151gを得た。このポリマーの300℃における溶融粘度は約2,100ポイズであった。非ニュートン指数は1.01であった。カルボキシ基の含有量は31μmol/g、アルカリ金属塩は3.0μmol/gであった。
オートクレーブに硫化ナトリウム3.20Kg(25モル、結晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢酸ナトリウム三水和物1.36Kg(約10モル)およびN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略称する)7.9Kgを仕込み、撹拌しながら徐々に205℃まで昇温し、水1.36Kgを含む留出水約1.5リットルを除去した。
ポリアリーレンサルフィッド樹脂100質量部に対し、シランカップリング剤0.4質量部、ポリオレフィンを表1〜3に記載した配合で混合した後、2軸押出機に投入し、また、サイドフィダーからガラス繊維(繊維径10μm、長さ3mmのガラス繊維チョップドストランド)をポリアリーレンサルフィッド樹脂組成物100質量部に対し20質量部の割合で供給しながら、設定温度310℃で溶融混練してポリアリーレンサルフィッド樹脂組成物のペレット得た。
[溶融粘度]
シリンダー温度330℃、オリフィス系1mmのメルトインデクサーに樹脂組成物ペレットを投入し、10kgの荷重を掛け、5分間の予熱後にメルトフローレートを測定した。
前記溶融粘度をブロー成形時の耐ドローダウン性および押出安定性の指標とし、3〜10g/10分のものを「良好」(耐ドローダウン性および押出安定性が伴に良好)、3g/10分未満のものを「不良」(押出安定性が不良)、20g/10分を超えるものを「不良」(耐ドローダウン性が不良)と評価した。
樹脂組成物ペレットを、45mmφ押出機を具備するブロー成形機に供給し、シリンダー温度290℃で押出を行い、外径30mm、肉厚4mmのパリソンを成形した後、金型内で空気を吹込み、高さ250mm、外径50mm、肉厚約2〜3mmの円筒型容器を成形した。この成形品胴部の上部(上端から30mm)および下部(下端から30mm)の任意の各5ケ所の厚みを測定し、その均一性を以下の基準で判定した。
上部平均厚みと下部平均厚みの差が0.2mm以内のものを「◎」
上記厚みの差が0.2を超え0.5mm以内のものを「○」
上記厚みの差が0.5mmを越え1.0mm以内のものを「△」
上記厚みの差が1.0mmを超えるものを「×」。
金属(S55C)製ブロックを1mm厚みの樹脂層でくるむ形状の成形品を作成して、気相にて「1サイクル;−40℃/30分〜140℃/30分」の冷熱サイクル試験を実施し、PPS外層にクラックが発生するサイクル数で評価した。
10サイクル未満で剥離発生…ランク「IV」
10以上〜50サイクル未満で剥離発生…ランク「III」
50以上〜100サイクル未満でクラック発生…ランク「II」
100サイクル以上…ランク「I」
耐衝撃性は引張り試験用ダンベル試験片を用いて行った。樹脂組成物ペレットを射出成形機に供給し、シリンダー温度300℃、金型温度140℃で引張り試験用ダンベル試験片を成形し、中央部分を長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの棒状に切り出したものを試験片とし、シャルピー衝撃試験を行い衝撃強度(kJ/mm2)の測定を行った。
前記試験片を240℃のオーブンで3000時間加熱し、取り出した後の引張り強度を測定し、加熱しない試験片の引張り強度からの低下を保持率(%)で表した。この保持率が60%を超えるものを耐熱性良好、60%以下のものを耐熱性不良と判定した。
PO−2;未変性ポリオレフィン(三井化学社製 「タフマー A4085」エチレン−ブテン共重合体)
Si−2;2−(3,4エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン(日本ユニカー社製「A1100」)
Si−3;N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製「A1120」)
Si−4;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製「A1310」)
Claims (16)
- 末端にカルボキシ基を25〜45〔μmol/g〕なる割合で有し、非ニュートン指数が0.90〜1.15であり、かつ300℃で測定した溶融粘度が1,000ポイズ〜3,000ポイズの範囲にあるポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)と、エポキシ当量が3,000〜20,000〔g/eq〕の範囲であるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)とを、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して前記が5〜30質量部となる割合で溶融混合することを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
- 前記樹脂組成物のメルトフローレート値(シリンダー温度330℃、オリフィス径1mmのメルトインデクサーに樹脂組成物ペレットを投入し、10kgの荷重を掛け、5分間の予熱後の測定値)が3〜20g/10分である請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)が、カルボキシ基のアルカリ金属塩を樹脂中2〜20〔μmol/g〕なる割合で有するポリアリーレンサルフィッド樹脂である請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
- 固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下で、ポリハロ芳香族化合物(a)、アルカリ金属水硫化物(b)及び有機酸アルカリ金属塩(c)を、前記固形のアルカリ金属硫化物及びアルカリ金属水硫化物(b)の合計1モルに対し、前記有機酸アルカリ金属塩(c)が0.01モル以上0.9モル未満となる割合で用い、かつ反応系内に現存する水分量が、前記非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下となる条件下に反応させて粗ポリアリーレンサルフィッド樹脂を製造し、次いで、脱イオン処理することにより、末端にカルボキシ基を25〜45〔μmol/g〕なる割合で有し、非ニュートン指数が0.90〜1.15であり、かつ300℃で測定した溶融粘度が1,000ポイズ〜3,000ポイズの範囲にあるポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)を製造し、次いで、得られたポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)を、エポキシ当量が3,000〜20,000〔g/eq〕の範囲であるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)と溶融混練させる請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)と、前記ポリオレフィン(B)とに加え、充填材を、前記ポリアリーレンサルフィッド(A)100質量部に対して0.1〜50質量部となる割合で溶融混練する請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)と、前記ポリオレフィン(B)とに加え、シランカップリング剤を、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜1.0質量部となる割合で溶融混練する請求項1記載の樹脂組成物の製造方法。
- 末端にカルボキシ基を25〜45〔μmol/g〕なる割合で有し、非ニュートン指数が0.90〜1.15であり、かつ300℃で測定した溶融粘度が1,000ポイズ〜3,000ポイズの範囲にあるポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)と、エポキシ当量が3,000〜20,000〔g/eq〕の範囲であるエポキシ基含有ポリオレフィン(B)とを、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して前記ポリオレフィン(B)が5〜30質量部となる割合で溶融混合して得られる樹脂組成物。
- 樹脂組成物のメルトフローレート値(シリンダー温度330℃、オリフィス径1mmのメルトインデクサーに樹脂組成物ペレットを投入し、10kgの荷重を掛け、5分間の予熱後の測定値)が3〜20g/10分である請求項7記載の樹脂組成物。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)が、カルボキシ基のアルカリ金属塩を樹脂中2〜20〔μmol/g〕なる割合で有するポリアリーレンサルフィッド樹脂である請求項7記載の樹脂組成物。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)が、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下で、ポリハロ芳香族化合物(a)、アルカリ金属水硫化物(b)及び有機酸アルカリ金属塩(c)を、前記固形のアルカリ金属硫化物及びアルカリ金属水硫化物(b)の合計1モルに対し、前記有機酸アルカリ金属塩(c)が0.01モル以上0.9モル未満となる割合で用い、かつ反応系内に現存する水分量が、前記非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モル以下となる条件下に反応させて粗ポリアリーレンサルフィッド樹脂を製造し、次いで、脱イオン処理して得られたものである請求項7記載の樹脂組成物。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)、前記ポリオレフィン(B)とに加え、充填材を、前記ポリアリーレンサルフィッド(A)100質量部に対して0.1〜50質量部となる割合で含む請求項7記載の樹脂組成物。
- 前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)、前記ポリオレフィン(B)とに加え、シランカップリング剤を、前記ポリアリーレンサルフィッド樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜1.0質量部となる割合で含む請求項7記載の樹脂組成物。
- 請求項7〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする成形品。
- 前記成形が、ブロー中空成形である請求項13記載の成形品。
- 請求項7〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物を成形することを特徴とする成形品の製造方法。
- 前記成形が、ブロー中空成形である請求項15記載の成形品の製造方法。
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