JP2013112192A - アクセルペダル反力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】路面状態の変化に応じてアクセルペダル装置のペダル反力を調節可能なアクセルペダル反力制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】車両Vに備わるアクセルペダル操作部2の操作量に応じて開閉するスロットル開度が開度閾値以上となったときにアクセルペダル操作部2のペダル反力を強める方向に調節する反力発生装置3と、車両Vの走行状態や運転者の操作状態に応じて開度閾値を設定するとともに、車両Vが走行している路面の路面状態を検出する反力制御装置4と、を有するアクセルペダル反力制御装置10とする。そして、反力制御装置4は、路面状態が滑りやすいことを検出したときに、開度閾値を小さくする方向に変更することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、アクセルペダル装置のペダル反力を調節可能なアクセルペダル反力制御装置に関する。
運転者等が踏み込み操作するときの踏力を変更するために、踏み込み操作に対してペダル反力を発生する、アクセルペダル等のペダル装置はよく知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されるアクセルペダル踏力制御装置(アクセルペダル反力制御装置)は、路面状態等に応じてアクセルペダルの踏力(ペダル反力)を変更できる。
特開2004−314871号公報
例えば特許文献1に記載される技術では、タイヤ回転数信号から求めたタイヤスリップ率が所定値以上である場合や、外気温が低い場合や、走行モードがスノーモードである場合に、路面が滑りやすくスリップが発生しやすいと判断してアクセルペダルの踏み込み側の踏力を大きくするようにペダル反力を調節している。
しかしながら、路面状態は、走行中に逐次変化するためアクセルペダルの踏み込み量が同じであってもスリップが発生する場合と発生しない場合がある。換言すると、路面が滑りやすい路面状態と判断された場合に所定の踏み込み量でペダル反力を大きくしても、路面状態が変わるとその踏み込み量でスリップが発生するとは限らない。または、ペダル反力が大きくなる踏み込み量に達する前にスリップが発生する場合もある。
さらに、特許文献1に記載される技術では、スリップが発生したときにアクセルペダルの踏力(ペダル反力)を大きくしているが、この構成ではスリップが発生しないとアクセルペダルの踏力が大きくならないため、車両の操舵安定性に影響が出る場合がある。
そこで、本発明は、路面状態の変化に応じてアクセルペダル装置のペダル反力を調節可能なアクセルペダル反力制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、車両に備わるアクセルペダル操作部の操作量に応じて開閉するスロットル開度が開度閾値以上となったときに前記アクセルペダル操作部のペダル反力を強める方向に調節する反力調節手段と、前記車両の走行状態や運転者の操作状態に応じて前記開度閾値を設定する閾値設定手段と、前記車両が走行している路面の路面状態を検出する路面状態検出手段と、を有するアクセルペダル反力制御装置とする。そして、前記閾値設定手段は、前記路面状態が滑りやすいことを前記路面状態検出手段が検出したときに、前記開度閾値を小さくすることを特徴とする。
この発明によると、ペダル反力を強める境界となる開度閾値が、滑りやすい路面状態のときに小さくなる。したがって、路面状態に応じたペダル反力の調節が可能となり、車両がスリップしやすい路面状態のときには、スロットル開度が小さい状態でもスリップが発生しやすいことを運転者に通知できる。
また、この発明に係るアクセルペダル反力制御装置は、前記路面状態検出手段は、前記車両のスリップを検出することによって前記路面状態が滑りやすいことを検出し、前記閾値設定手段は、前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出した場合に、前記スロットル開度が前記開度閾値以下のとき、前記開度閾値を所定の減少量だけ小さくすることを特徴とする。
この発明によると、車両にスリップが発生した場合にスロットル開度が開度閾値以下のとき、ペダル反力を強める境界の開度閾値を小さくできる。したがって、運転者が次回ペダル操作部を踏み込み操作するときには、スリップが発生するスロットル開度よりも小さなスロットル開度でペダル反力が強くなり、車両にスリップが発生する前に、スリップが発生する可能性のあるスロットル開度に近づいたことを運転者に通知できる。
また、この発明に係るアクセルペダル反力制御装置は、前記路面状態検出手段は、前記車両のスリップを検出することによって前記路面状態が滑りやすいことを検出し、前記閾値設定手段は、前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出した場合に、前記スロットル開度が前記開度閾値以下のときは、そのときの前記スロットル開度から所定の減少量だけ小さい開度を前記開度閾値に設定することを特徴とする。
この発明によると、車両にスリップが発生した場合にスロットル開度が開度閾値以下のとき、スリップが発生したスロットル開度よりも小さく開度閾値を設定でき、スリップが発生しないスロットル開度を開度閾値に設定できる。
また、この発明に係るアクセルペダル反力制御装置は、前記スロットル開度が前記開度閾値より大きい場合に、前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出しないとき、前記閾値設定手段は、前記開度閾値を所定の増加量だけ大きくすることを特徴とする。
この発明によると、スロットル開度が開度閾値を超えるように運転者がペダル操作部を踏み込み操作したときにスリップが発生しない場合、開度閾値を大きくすることができる。したがって、車両にスリップが発生しにくい路面状態のときに過剰にペダル反力が強まることが抑制されて操作性が向上する。
また、この発明に係るアクセルペダル反力制御装置は、前記スロットル開度が前記開度閾値より大きい場合に、前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出しないとき、前記閾値設定手段は、そのときの前記スロットル開度から所定の増加量だけ大きい開度を前記開度閾値に設定することを特徴とする。
この発明によると、スロットル開度が開度閾値より大きい場合に車両にスリップが発生しないとき、スリップが発生していないスロットル開度よりも大きく開度閾値を設定でき、スリップが発生しないスロットル開度を開度閾値に設定できる。
また、この発明に係るアクセルペダル反力制御装置は、前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出手段、前記車両の旋回を検出する旋回検出手段、の少なくとも1つを備え、前記閾値設定手段は、前記車両が、前記車速が所定値以下の状態、前後方向の傾斜が所定値以上の状態、旋回している状態、の少なくとも1つの状態にあると判定したときに、前記開度閾値を小さくする度合いを高くすることを特徴とする。
この発明によると、スリップが発生しやすい車両の状態のときにスリップが検出されたときは、ペダル反力が強くなる開度閾値をより小さくできる。したがって、スリップが発生しやすいことを速やかに運転者に通知できる。
本発明によると、路面状態の変化に応じてアクセルペダル装置のペダル反力を調節可能なアクセルペダル反力制御装置を提供できる。
車両に備わるアクセルペダル装置の構成図である。 付加反力が発生する基準開度を示す図である。 (a)は基準開度と反力発生開度が等しい状態を示す図、(b)は反力発生開度が基準開度より開度減少量だけ小さくなった状態を示す図、(c)は基準開度より小さい反力発生開度が、開度減少量だけ小さくなった状態と開度増加量だけ大きくなった状態を示す図である。 反力発生開度を設定する手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための実施形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係るアクセルペダル装置1は車両Vに備わり、支持部2aを支点として揺動する軸部2bの先端に、運転者が踏み込み操作するペダルパッド2cが取り付けられて構成されるアクセルペダル操作部2と、アクセルペダル操作部2に付与する反力(付加反力)を発生する反力発生装置3と、反力発生装置3を制御する反力制御装置4と、を含んで構成される。
反力発生装置3は発生した反力をアクセルペダル操作部2に付与してペダル反力を調節する反力調節手段であり、制御手段である反力制御装置4によって制御される。そして、反力発生装置3と反力制御装置4を含んで、本実施形態に係るアクセルペダル反力制御装置10が構成される。
反力発生装置3は、アクセルペダル操作部2に付与する付加反力を任意に発生可能であれば、その構成を限定するものではない。例えば、前記した特許文献1に記載される構造のものを利用すればよい。
さらに、アクセルペダル装置1には、アクセルペダル操作部2の操作量(ストローク量)を検出する操作量検出手段としてストロークセンサ5が備わり、検出値を反力制御装置4に入力可能に構成される。反力制御装置4はストロークセンサ5から入力される検出値に基づいてアクセルペダル操作部2のストローク量(ペダルの操作量)を演算可能に構成される。
そして反力制御装置4は、アクセルペダル操作部2のストローク量に基づいて図示しないスロットル弁の開度(スロットル開度)を演算可能に構成される。スロットル開度はアクセルペダル操作部2のストローク量に応じて変化することから、例えば、反力制御装置4は、ストローク量とスロットル開度の関係を示すマップ(開度マップ)を予め備え、ストロークセンサ5から入力される検出値に基づいてストローク量を演算し、開度マップを参照して演算したストローク量に対応するスロットル開度を演算する。
また、車両Vには駆動輪(前輪駆動の場合は前輪)の回転速度を検出する回転速度計(駆動輪回転速度計RS1)と、従動輪(前輪駆動の場合は後輪)の回転速度を検出する回転速度計(従動輪回転速度計RS2)と、が備わり、それぞれ検出値を反力制御装置4に入力するように構成される。
この構成によって反力制御装置4は駆動輪と従動輪の回転速度を取得でき、車両Vの車速(車体速)を演算できる。さらに、駆動輪と従動輪の回転速度差からスリップの発生を検出できる。具体的に、反力制御装置4は、駆動輪と従動輪の回転速度差が予め設定される所定値より大きいときに、車両Vにスリップが発生したと判定するように構成される。そして反力制御装置4は、スリップの発生を検出したことをもって路面状態が滑りやすいことを検出する。この構成によって、本実施形態に係る反力制御装置4は路面状態を検出する路面状態検出手段として機能する。
このように構成されるアクセルペダル反力制御装置10において、反力制御装置4はスロットル開度に応じて反力発生装置3を制御し、スロットル開度に対応した付加反力を発生してアクセルペダル操作部2に付与するように構成される。
例えば反力制御装置4は、予め設定されているマップ(反力設定マップ)に基づいて、アクセルペダル操作部2に付与する付加反力の強さを決定するように構成される。例えば、事前の実験計測等によって予め決定されているスロットル開度とアクセルペダル操作部2に付与する付加反力の強さの関係を示す反力設定マップが反力制御装置4の図示しない記憶部に記憶されている構成とすれば、反力制御装置4は演算したスロットル開度に基づいて反力設定マップを参照し、アクセルペダル操作部2に付与する付加反力の強さを決定できる。
なお、符号9aはハンドル等の操舵装置(図示せず)の舵角を検出する舵角センサ、符号9bは車両Vの前後方向の傾斜を検出する傾斜センサ(傾斜検出手段)であって、舵角センサ9aおよび傾斜センサ9bは検出値を反力制御装置4に入力可能に構成される。
図2に示すように、反力制御装置4(図1参照)は、スロットル開度が、基準となる開度閾値(以下、基準開度T1という)に達したとき、反力発生装置3(図1参照)を制御して付加反力を発生しアクセルペダル操作部2(図1参照)に付与する。この構成によって、スロットル開度が基準開度T1に達した時点で、発生した付加反力によってペダル反力がステップ状に上昇する(強くなる)。
このように反力制御装置4は、スロットル開度が基準開度T1に達したとき、アクセルペダル操作部2のペダル反力を強める方向に調節する。
この基準開度T1は、例えば、ロックアップクラッチのON(接続)とOFF(解放)など車両Vの走行特性が切り換わる境界のスロットル開度として、反力制御装置4によって車両Vの走行状態(車速等)に応じて適宜決定される。
例えば、車速と基準開度T1との好適な関係が実験計測等によって予め決定され、車速と基準開度T1の関係を示すマップ形式のデータが予め備わる構成とすれば、反力制御装置4は車両Vの車速に応じて当該マップを参照して基準開度T1を設定できる。
なお、基準開度T1は、予め設定されている所定の固定値(開度)であってもよい。例えば、実験計測等によって予め基準開度T1を設定し、その設定値(開度)が図示しない記憶部に記憶される構成とすれば、反力制御装置4は図示しない記憶部から読み出すことによって基準開度T1を設定できる。
車両V(図1参照)の運転者は、ペダル反力が強くなったことによってスロットル開度が走行特性が切り換わるスロットル開度に達したことを認識できる。
そして、走行特性を変えない意思がある場合、運転者はペダル反力が強くなった時点でアクセルペダル操作部2の踏み込みを緩めることによって、走行特性を変えることなく車両Vを走行できる。
例えば、基準開度T1を境界とするスロットル開度の開閉で切り換わる走行特性がロックアップクラッチのONとOFFの場合、ロックアップクラッチを切り換えることなく(ONからOFFへ切り換えることなく)車両Vを走行できる。
しかしながら、走行特性が同じであっても車両V(図1参照)が走行している路面状態によってはエンジン出力が上昇すると車両Vにスリップが発生する場合がある。
そこで、本実施形態においては、反力制御装置4(図1参照)が、付加反力を発生するスロットル開度の開度閾値を車両Vが走行している路面状態に応じて変更し、スリップが発生する可能性のあるスロットル開度を運転者に好適に通知可能な構成とする。以下、路面状態に応じて変更される、反力制御装置4が実際に付加反力を発生するスロットル開度の開度閾値を反力発生開度T2と称する。
つまり反力制御装置4は、スロットル開度が反力発生開度T2に達したとき反力発生装置3(図1参照)を制御して付加反力を発生させてアクセルペダル操作部2(図1参照)に付与し、アクセルペダル操作部2のペダル反力を強める方向に調節する。
また、反力制御装置4はスロットル開度の開度閾値(反力発生開度T2)を設定する閾値設定手段として機能する。
車両Vの始動直後(イグニッションがONされたとき)などの初期状態において、図3の(a)に示すように、反力制御装置4(図1参照)は所定のインターバルで基準開度T1を設定し、さらに、演算した基準開度T1を反力発生開度T2とする。そして、運転者によるアクセルペダル操作部2(図1参照)の踏み込み操作によってスロットル開度が基準開度T1(反力発生開度T2)に達したとき、反力制御装置4は反力発生装置3(図1参照)を制御し付加反力を発生してアクセルペダル操作部2に付与する。
アクセルペダル操作部2のペダル反力は、スロットル開度が基準開度T1(反力発生開度T2)に達したときに、付与される付加反力によってステップ状に上昇する。
さらに、本実施形態に係る反力制御装置4(図1参照)は、車両V(図1参照)にスリップが発生しているか否かを判定する。前記したように反力制御装置4は、駆動輪と従動輪の回転速度差が所定値以上のときに車両Vにスリップが発生していると判定する。反力制御装置4はスリップが発生していると判定した場合、つまり車両Vのスリップを検出した場合、車両Vが走行している路面が滑りやすい路面状態であると判定する。そして、現在のスロットル開度が基準開度T1以下であれば、図3の(b)に「A」で示すように反力発生開度T2を基準開度T1より小さくする方向に変更する(細い破線で図示)。つまり、基準開度T1より所定の減少量だけ小さい開度を反力発生開度T2とする。なお、図3の(b)、(c)における「ΔT」は、基準開度T1と反力設定開度T2の偏差を示す。また、反力発生開度T2を小さくする所定の減少量を、以下、開度減少量Taと称する。開度減少量Taおよび偏差ΔTは正数とし、反力発生開度T2は、開度減少量Taが減算された量(開度)だけスロットル開度が小さくなることを示す。
つまり、反力制御装置4は、基準開度T1から偏差ΔTに相当する値を減算した開度を反力発生開度T2とし、反力発生開度T2を小さくする。
開度減少量Taは予め決定される固定値であってもよいし、現在設定されている反力発生開度T2に対して所定の割合で変更する構成であってもよい。例えば、現在設定されている反力発生開度T2の10%に相当する開度を開度減少量Taと決定する構成であってもよい。
また開度減少量Taが、車両V(図1参照)の走行状態や運転者の操作状態に応じて適宜変化する値であってもよい。ここでいう車両Vの走行状態は、例えば、車速、路面の傾斜(勾配)である。また、運転者の操作状態は、例えば、ハンドル等の操舵装置の操舵状態(舵角)である。
例えば発進時など車両V(図1参照)の車速が低いときは、所定の走行速度(クルーズ速度)で走行する場合に比べて駆動輪が空転しやすい。換言すると、車速が低速の場合はスロットル開度が小さくエンジン出力が低くてもスリップが発生する場合がある。そこで、反力制御装置4(図1参照)がスリップを検出したときの車速が低い場合は車速が高い場合よりも小さなスロットル開度で付加反力を発生してペダル反力を強め、スリップが発生する可能性のあるスロットル開度に近づいたことを運転者に通知する構成が好ましい。つまり、車両Vの車速が低速の場合は高速の場合よりも開度減少量Taが大きくなる構成が好ましい。
例えば、車速に対応する好適な開度減少量Taが実験計測等で設定され、車速と開度減少量Taの相関関係がマップとして図示しない記憶部に記憶される構成であればよい。反力制御装置4は車速に応じて当該マップを参照して開度減少量Taを適宜決定できる。または、車速が予め設定される所定値よりも小さいときに、反力制御装置4が開度減少量Taを所定数倍(1.5倍など)する構成であってもよい。
このように開度減少量Taを大きくすることによって、反力制御装置4は反力発生開度T2を小さくする度合いを高くすることができる。
なお、反力制御装置4は、例えば従動輪回転速度計RS2(図1参照)の検出値に基づいて車速を算出する構成とすればよい。この場合、従動輪回転速度計RS2が本実施形態における車速検出手段となる。
また、車両V(図1参照)が旋回しているときは直進走行時に比べてスリップが発生しやすい。換言すると、車両Vが旋回している場合はスロットル開度が小さくエンジン出力が低くてもスリップが発生する場合がある。そこで、反力制御装置4(図1参照)がスリップを検出したときに車両Vが旋回している場合は旋回していない場合よりも小さなスロットル開度で付加反力を発生してペダル反力を強め、スリップが発生する可能性のあるスロットル開度に近づいたことを運転者に通知する構成が好ましい。つまり、車両Vが旋回している場合は旋回していない場合よりも開度減少量Taが大きくなる構成が好ましい。
例えば車両V(図1参照)に備わる舵角センサ9a(図1参照)の検出値に対応する好適な開度減少量Taが実験計測等で設定され、舵角センサ9aの検出値と開度減少量Taの相関関係がマップとして図示しない記憶部に記憶される構成であればよい。反力制御装置4は舵角センサ9aの検出値に応じて当該マップを参照して開度減少量Taを適宜決定できる。
または、舵角センサ9aの検出値の替わりにヨーレートセンサ(図示せず)の検出値と開度減少量Taの相関関係がマップとして備わる構成であってもよい。そして、反力制御装置4は、ヨーレートセンサの検出値に応じて当該マップを参照して開度減少量Taを適宜決定する構成であってもよい。
なお、舵角センサ9aまたはヨーレートセンサの検出値が所定値より大きいときに、車両Vが旋回していると反力制御装置4が判定し、開度減少量Taを所定数倍する構成であってもよい。この場合、舵角センサ9a(または、ヨーレートセンサ)が本実施形態における旋回検出手段となる。
このように開度減少量Taを大きくすることによって、反力制御装置4は反力発生開度T2を小さくする度合いを高くすることができる。
また、車両V(図1参照)が前後方向に傾斜している勾配路を走行しているときは平坦路を走行するときに比べてスリップが発生しやすい。換言すると、車両Vが勾配路を走行している場合はスロットル開度が小さくエンジン出力が低くてもスリップが発生する場合がある。そこで、反力制御装置4(図1参照)がスリップを検出したときに車両Vが勾配路を走行している場合は平坦路を走行している場合よりも小さなスロットル開度で付加反力を発生してペダル反力を強め、スリップが発生する可能性のあるスロットル開度に近づいたことを運転者に通知する構成が好ましい。つまり、車両Vが勾配路を走行している場合は平坦路を走行している場合よりも開度減少量Taが大きくなる構成が好ましい。
例えば車両V(図1参照)に備わって前後方向の傾斜を検出する傾斜センサ9b(図1参照)の検出値に対応する好適な開度減少量Taが実験計測等で設定され、傾斜センサ9bの検出値と開度減少量Taの相関関係がマップとして図示しない記憶部に記憶される構成であればよい。反力制御装置4は傾斜センサ9bの検出値に応じて当該マップを参照して開度減少量Taを適宜決定できる。または、傾斜センサ9bの検出値が所定値よりも大きいときに、車両Vの前後方向の傾斜が所定値よりも大きいと反力制御装置4が判定し、開度減少量Taを所定倍する構成であってもよい。
このように開度減少量Taを大きくすることによって、反力制御装置4は反力発生開度T2を小さくする度合いを高くすることができる。
以上のように、車両V(図1参照)の走行状態(車速、路面の勾配等)や、運転者の操作状態(舵角等)に基づいて開度減少量Taを変更することによって、スリップしにくい路面状態の場合に反力発生開度T2が過剰に小さくなることが防止される。したがって、実際には車両Vにスリップが発生しない小さなスロットル開度でペダル反力が過剰に強くなることが抑制され、運転者による車両Vの操作性が低下することが回避される。
スロットル開度が反力発生開度T2より小さくなったら反力制御装置4(図1参照)は、反力発生装置3(図1参照)を制御して付加反力の発生を停止する。
その後、運転者によるアクセルペダル操作部2(図1参照)の踏み込み操作によって、スロットル開度が変更後の反力発生開度T2(図3の(b)に細い破線で図示)に達したとき、反力制御装置4は反力発生装置3を制御し付加反力を発生してアクセルペダル操作部2に付与する(図3の(b)に太破線で図示)。また、反力制御装置4は車両V(図1参照)にスリップが発生しているか否かを判定する。
そして、車両V(図1参照)にスリップが発生していると判定した場合、つまり、スリップを検出した場合にスロットル開度が反力発生開度T2より小さいとき、反力制御装置4(図1参照)は、図3の(c)に「A」で示すように、反力発生開度T2をさらに小さくする(細い一点鎖線で図示)。つまり、前回反力発生開度T2を設定したときの偏差ΔTに開度減少量Taを加算した開度を新たな偏差ΔTとし、基準開度T1から新たな偏差ΔTに相当する値を減算した開度を新たな反力発生開度T2とする。
一方、運転者が反力発生開度T2を超えてスロットル開度が開くようにアクセルペダル操作部2(図1参照)を踏み込み操作した状態で車両Vにスリップが発生していないと判定したとき、反力制御装置4(図1参照)は、図3の(c)に「B」で示すように、基準開度T1に近づける方向に反力発生開度T2を変更する(細い二点鎖線で図示)。つまり、反力制御装置4は、基準開度T1と反力発生開度T2の偏差ΔTが所定の増加量だけ小さくなるように新たな偏差ΔTを設定し、基準開度T1から新たな偏差ΔTに相当する値を減算した開度を新たな反力発生開度T2とする。
以下、反力発生開度T2を基準開度T1の方向に変更する所定の増加量(反力発生開度T2を大きくする所定の増加量)を開度増加量Tbと称する。
開度増加量Tbは予め設定される固定値であってもよいし、現在設定されている反力発生開度T2に対して所定の割合で変更する構成であってもよい。例えば、現在設定されている反力発生開度T2の1%に相当する開度を開度増加量Tbと決定する構成であってもよい。
開度増加量Tbは正数とし、反力発生開度T2は、開度増加量Tbが加算された量(開度)だけスロットル開度が大きくなることを示す。
また、開度増加量Tbは、車両Vの状態に応じて適宜設定される値であってもよい。
例えば、車両V(図1参照)の車速が低いときは、前記したようにスリップが発生しやすい状態であるため、車速が高速の場合よりも小さなスロットル開度で付加反力が発生する構成が好ましい。したがって、車速が低いときは車速が高いときより小さな開度増加量Tbとなって、反力発生開度T2が小さく設定される構成が好ましい。
また、車両Vが旋回しているときは、前記したように直進走行しているときよりもスリップが発生しやすい状態であるため、車両Vが直進走行している場合よりも小さなスロットル開度で付加反力が発生する構成が好ましい。したがって、車両Vが旋回しているときは直進走行しているときより小さな開度増加量Tbとなって、反力発生開度T2が小さく設定される構成が好ましい。
また、車両Vが前後方向に傾斜している勾配路を走行しているときは、前記したようにスリップが発生しやすい状態であるため、平坦路を走行しているときよりも小さなスロットル開度で付加反力が発生する構成が好ましい。したがって、車両Vが勾配路を走行しているときは平坦路を走行しているときより小さな開度増加量Tbとなって、反力発生開度T2が小さく設定される構成が好ましい。
なお、開度増加量Tbについても、車速に対応する好適な開度増加量Tbが実験計測等によって設定され、車速と開度増加量Tbの相関関係がマップとして図示しない記憶部に記憶される構成であればよい。反力制御装置4(図1参照)は車速に応じて当該マップを参照して開度増加量Tbを適宜決定できる。
また、舵角センサ9a(図1参照)の検出値に対応する好適な開度増加量Tbが実験計測等によって設定され、舵角センサ9aの検出値と開度増加量Tbの相関関係がマップとして図示しない記憶部に記憶される構成であればよい。反力制御装置4は舵角センサ9aの検出値に応じて当該マップを参照して開度増加量Tbを適宜決定できる。または、舵角センサ9aの替わりにヨーレートセンサ(図示せず)が備わる構成であってもよい。
また、傾斜センサ9b(図1参照)の検出値に対応する好適な開度増加量Tbが実験計測等によって設定され、傾斜センサ9bの検出値と開度増加量Tbの相関関係がマップとして図示しない記憶部に記憶される構成であればよい。反力制御装置4は傾斜センサ9bの検出値に応じて当該マップを参照して開度増加量Tbを適宜決定できる。
このように反力発生開度T2が変更された後、運転者によるアクセルペダル操作部2(図1参照)の踏み込み操作によって、スロットル開度が変更後の反力発生開度T2に達したとき、反力制御装置4は反力発生装置3を制御して付加反力を発生しアクセルペダル操作部2に付与する。
例えば、図3の(c)に細い一点鎖線で示すように偏差ΔTが大きくなって反力発生開度T2がさらに小さく変更されている場合(Aの方向)、反力制御装置4は、運転者のアクセルペダル操作部2(図1参照)の踏み込み操作によってスロットル開度が変更後の反力発生開度T2に達したときに反力発生装置3を制御して付加反力を発生し、アクセルペダル操作部2に付与する。付加反力が付与されたアクセルペダル操作部2のペダル反力は太い一点鎖線で示すように、スロットル開度が変更後の反力発生開度T2に達した時点でステップ状に増大し、その後はスロットル開度の増大にともなって増大する。
一方、図3の(c)に細い二点鎖線で示すように偏差ΔTが小さくなって反力発生開度T2が基準開度T1に近づく方向に変更されている場合(Bの方向)、反力制御装置4は、運転者のアクセルペダル操作部2(図1参照)の踏み込み操作によってスロットル開度が変更後の反力発生開度T2に達したときに反力発生装置3を制御して付加反力を発生し、アクセルペダル操作部2に付与する。付加反力が付与されたアクセルペダル操作部2のペダル反力は太い二点鎖線で示すように、スロットル開度が変更後の反力発生開度T2に達した時点でステップ状に増大し、その後はスロットル開度の増大にともなって増大する。
以上のような反力発生開度T2の変更とスリップ発生の判定が連続して実行され、スロットル開度が反力発生開度T2より小さいときに反力制御装置4(図1参照)がスリップの発生を検出する場合、反力発生開度T2が連続して小さくなるように構成される。
また、スロットル開度が反力発生開度T2より大きいときに反力制御装置4がスリップの発生を検出しない場合、反力発生開度T2が連続して大きくなるように構成される。
なお、反力発生開度T2の値によらず、スロットル開度が反力発生開度T2に達したときにはペダル反力が一定になるように付加反力が発生する構成が好適である。
例えば、図3の(b)に示すように反力発生開度T2が基準開度T1より開度減少量Taだけ小さく変更されている場合、基準開度T1におけるスロットル開度よりも小さなスロットル開度で付加反力が発生する。換言すると、付加反力が発生するときにアクセルペダル操作部2(図1参照)に発生しているペダル反力が小さくなる。
この場合、反力制御装置4(図1参照)は、スロットル開度が基準開度T1に達したときに付加反力が付与される場合と同じペダル反力となるように、スロットル開度が反力発生開度T2に達したときに付加反力を発生させる構成が好ましい。
この構成によって、スロットル開度が反力発生開度T2に達したときにアクセルペダル操作部2(図1参照)に発生するペダル反力は、スロットル開度が基準開度T1に達したときにアクセルペダル操作部2に発生するペダル反力と同等になり、運転者はペダル反力が強くなったことを好適に認識できる。
また、図3の(c)に示すように、反力発生開度T2が大きくなるBの方向(偏差ΔTが小さくなる方向)に変化するときの開度増加量Tbは、反力発生開度T2が小さくなるAの方向(偏差ΔTが大きくなる方向)に変化するときの開度減少量Taよりも小さいこと(「Tb<Ta」であること)が好ましい。
例えば、偏差ΔTが小さくなる開度増加量Tbを、偏差ΔTが大きくなる開度減少量Taの10%程度になるように設定する構成であればよい。つまり、反力発生開度T2は、基準開度T1から小さくなる方向への変更よりも小さな変化量で基準開度T1に近づく方向に変更される構成が好ましい。
例えば、図3の(b)に示すように、基準開度T1より開度減少量Taだけ小さい反力発生開度T2が設定されている場合(偏差ΔTが開度減少量Taと等しい場合)、反力発生開度T2と基準開度T1の間のスロットル開度におけるエンジン出力で車両V(図1参照)にスリップが発生する路面状態であれば、スロットル開度が反力発生開度T2のとき車両Vにスリップは発生しない。このときに、反力発生開度T2を基準開度T1まで戻すと、付加反力が発生する状態(つまり、スロットル開度が基準開度T1の状態)では車両Vにスリップが発生する場合がある。この場合、スロットル開度が基準開度T1に達したときに強くなるペダル反力は、運転者にスリップの発生を事前に通知できない。このことから、反力発生開度T2を基準開度T1に近づける方向に変更する開度増加量Tbは、反力発生開度T2を小さくする方向に変更する開度減少量Taより小さいことが好ましい。
図4を参照して、反力制御装置4が反力発生開度T2を変更する手順を説明する(適宜、図1〜3参照)。
例えば、車両Vが始動(イグニッションがON)したとき、反力制御装置4は反力発生開度T2の設定を開始する。
反力制御装置4は、車両Vの走行状態(車速等)に応じて基準開度T1を演算して(ステップS1)、現在設定されている偏差ΔTを基準開度T1から減算して反力発生開度T2を設定し(ステップS2)、さらに、車両Vにスリップが発生しているか否かを判定する(ステップS3)。なお、車両Vの始動直後など初期状態において偏差ΔTは「0」とする。
ステップS3で反力制御装置4は、前記したように駆動輪回転速度計RS1の検出値と従動輪回転速度計RS2の検出値との差から車両Vのスリップを判定する。そして、スリップが発生していると判定した場合(ステップS3→Yes)、つまり、スリップを検出した場合、反力制御装置4は、運転者のアクセルペダル操作部2の踏み込み操作によるスロットル開度と現在設定されている反力設定開度T2を比較する(ステップS4)。
具体的に反力制御装置4は、ストロークセンサ5から入力される検出値に基づいてアクセルペダル操作部2の操作量を演算し、さらに、演算した操作量に基づいてスロットル開度を演算する。
反力設定開度T2よりスロットル開度が大きい場合(ステップS4→No)、反力制御装置4は開度減少量Taを「0」にする(ステップS5)。
一方、スロットル開度が反力設定開度T2以下の場合(ステップS4→Yes)、反力制御装置4は開度減少量Taを設定する(ステップS6)。このときの開度減少量Taは前記したように、予め設定された固定値であってもよいし、現在設定されている反力設定開度T2に対して所定の割合になる開度であってもよい。または、前記したように車両Vの走行状態(車速、路面の勾配等)や運転者の操作状態(舵角等)に基づいて適宜演算される値であってもよい。
そして反力制御装置4は、現在設定されている反力発生開度T2と基準開度T1の偏差ΔTに開度減少量Taを加算して新たな偏差ΔTとする(ステップS7)。
なお、ステップS7において開度減少量Taを加算した偏差ΔTが、基準開度T1とクルーズ開度との差より大きい場合は、基準開度T1とクルーズ開度との差を偏差ΔTとする。ここでいうクルーズ開度は、車両Vが現在の車速(クルーズ速度)で定速走行するためのスロットル開度を示す。このように偏差ΔTを制限することによって、運転者が車両Vを定速走行させるようにアクセルペダル操作部2を操作するときにペダル反力が過剰に強くなることを防止できる。
一方、ステップS3でスリップ発生と判定しない場合(ステップS3→No)、つまり、スリップを検出しない場合、反力制御装置4は、運転者のアクセルペダル操作部2の踏み込み操作によるスロットル開度と現在設定されている反力設定開度T2を比較する(ステップS8)。具体的に反力制御装置4は、ストロークセンサ5の検出値に基づいて演算するスロットル開度と現在設定されている反力設定開度T2を比較する。
スロットル開度が現在設定されている反力設定開度T2より小さい場合(ステップS8→No)、反力制御装置4は開度増加量Tbを「0」にする(ステップS9)。
一方、スロットル開度が現在設定されている反力設定開度T2以上の場合(ステップS8→Yes)、反力制御装置4は開度増加量Tbを設定する(ステップS10)。このときの開度増加量Tbは前記したように、予め設定された固定値であってもよいし、現在設定されている反力設定開度T2に対して所定の割合になる開度であってもよい。または、前記したように車両Vの走行状態(車速、路面の勾配等)や運転者の操作状態(舵角等)に基づいて適宜演算される値であってもよい。
そして反力制御装置4は、現在設定されている反力発生開度T2と基準開度T1の偏差ΔTから開度増加量Tbを減算して新たな偏差ΔTとする(ステップS11)。
なお、ステップS11において開度増加量Tbを減算した偏差ΔTが「0」より小さい値の場合、反力制御装置4は偏差ΔTを「0」とする。このように偏差ΔTを制限することによって、反力設定開度T2が基準開度T1よりも大きな開度となることを防止できる。
前記したように、基準開度T1は、走行特性(例えばロックアップクラッチのONとOFF)を切り換える境界のスロットル開度であり、反力設定開度T2が基準開度T1より大きな開度になると、走行特性の切換点で付加反力が発生せずペダル反力が強くならない。したがって、運転者に走行特性の切換点を通知できない。このことから、反力設定開度T2は基準開度T1以下であることが好適である。
反力制御装置4は、ステップS7またはステップS11で設定した偏差ΔTだけ基準開度T1より小さい開度、つまり、「T1−ΔT」を反力発生開度T2に設定し(ステップS12)、手順を終了する。
なお、ステップS12で反力発生開度T2を演算する際に、基準開度T1から減算する偏差ΔTに、例えば、車両V(図1参照)の走行状態(車速、路面の勾配等)や運転者の操作状態(舵角等)に対応して設定される係数を乗算する構成としてもよい。
例えば、前記したように、旋回している車両Vは直進走行しているときに比べてスリップしやすい状態になる。したがって、車両Vが旋回しているとき(舵角センサ9aの検出値が所定値より大きいとき)には、「1」より大きな係数が乗算される構成とすることによって、反力発生開度T2を小さくすることができ、小さなスロットル開度で車両Vにスリップが発生しやすい状態であることを運転者に通知できる。
また、前記したように車両V(図1参照)が前後方向に傾斜している勾配路を走行するときは平坦路を走行する場合に比べてスリップしやすい状態になる。したがって、車両Vが勾配路を走行しているとき(傾斜センサ9bの検出値が所定値より大きいとき)には、「1」より大きな係数が乗算される構成とすることによって、反力発生開度T2を小さくすることができ、小さなスロットル開度で車両Vにスリップが発生しやすい状態であることを運転者に通知できる。
また、前記したように車両Vが低速で走行しているときは所定の走行速度(クルーズ速度)で走行している場合に比べてスリップしやすい状態になる。したがって、車両Vが低速走行しているとき(従動輪回転速度計RS2の検出値が所定値より小さい場合)には、「1」より大きな係数が乗算される構成とすることによって、反力発生開度T2を小さくすることができ、小さなスロットル開度で車両Vにスリップが発生しやすい状態であることを運転者に通知できる。
このように反力制御装置4は、図4に示すステップS1〜S12の手順を、例えば所定のインターバルで繰り返し実行して、車両Vの車速等の走行状態に応じて基準開度T1を演算するとともに、車両Vが走行する路面状態に応じた好適な反力発生開度T2を設定する。
なお、図4に示すフローチャートでは、ステップS7またはステップS11で基準開度T1と反力発生開度T2の偏差ΔTを演算し、次のステップS12において、基準開度T1から偏差ΔTを減算した値(開度)を反力発生開度T2としている。
このような構成とせず、スロットル開度(ストロークセンサ5の検出値に基づいて演算されるスロットル開度)に基づいて反力発生開度T2を設定する構成としてもよい。
例えば、ステップS6で算出する開度減少量Taを、スリップが発生したと反力制御装置4が判定したときのスロットル開度から減算した開度を反力発生開度T2とする構成であってもよい。
また、例えば、ステップS10で算出する開度増加量Tbを、スリップが発生しないと反力制御装置4が判定したときのスロットル開度に加算した開度を反力発生開度T2とする構成であってもよい。
以上のように本実施形態に係る反力制御装置4(図1参照)は、アクセルペダル操作部2(図1参照)に付与する付加反力を発生するスロットル開度(反力発生開度T2)を、車両V(図1参照)が走行している路面状態に応じて適宜変更可能である。具体的に反力制御装置4は、車両Vが走行している路面がスリップしやすい路面状態のときに反力発生開度T2を小さくできる。
この構成によると、車両Vがスリップしやすい低μ路を走行しているときには、小さなスロットル開度でアクセルペダル操作部2に付加反力が付与されてペダル反力が強くなる。したがって、運転者は、小さなスロットル開度で車両Vにスリップが発生しやすい路面状態であることをペダル反力の変化によって認識できる。
例えば圧雪路など、路面μが極端に低い環境において車両V(図1参照)の走行を開始するときに駆動輪が空転(スリップ)して走行を開始できない場合がある。
このような状態において、本実施形態に係るアクセルペダル装置1(図1参照)は、反力制御装置4(図1参照)がスリップを検出するたびに反力発生開度T2を小さくし、スリップが発生しない限界のスロットル開度(エンジン出力)を反力発生開度T2に設定できる。
運転者は、スロットル開度が反力発生開度T2になるまで、つまり、ペダル反力が強くならない範囲でアクセルペダル操作部2(図1参照)を踏み込むことによって、スリップが発生しない範囲で最大のトルクを駆動輪に付与することができ、路面μが極端に低い環境でも好適に車両Vの走行を開始できる。
なお、本実施形態において、基準開度T1を境界とするスロットル開度の開閉で切り換わる走行特性の一例をロックアップクラッチのONとOFFとしたが、これに限定されない。
例えば、オートマチックトランスミッションがシフトダウンするスロットル開度を基準開度T1とする構成であってもよいし、車両V(図1参照)に搭載されるエンジンが気筒休止エンジンの場合は、気筒の一部が休止する休筒運転と、全ての気筒を作動させる全筒運転を切り換えるスロットル開度を基準開度T1とする構成であってもよい。
または、走行用モータとエンジンをともに備えるハイブリッド車両(図示せず)において、モータ走行と、エンジン走行と、モータとエンジンの併用走行と、を切り換えるスロットル開度を基準開度T1とする構成であってもよい。
また、本実施形態においては、スロットル開度が反力発生開度T2を超えるようにアクセルペダル操作部2(図1参照)が踏み込み操作された場合にスリップを検出しないときに、反力制御装置4(図1参照)が開度増加量Tbだけ反力発生開度T2を大きくする構成とした。これに加え、例えば、反力発生開度T2が変更されてから、所定の時間に亘って車両V(図1参照)のスリップを検出しないときは、スロットル開度が反力発生開度T2以下の状態であっても、反力制御装置4が開度増加量Tbだけ反力発生開度T2を大きくする(偏差ΔTを開度増加量Tbだけ小さくする)構成であってもよい。この場合の所定の時間は、実験計測等で予め設定されていることが好ましい。
または、所定の時間(例えば、1秒間)に亘って連続して車両V(図1参照)のスリップを検出した場合、反力制御装置4が非常に滑りやすい路面状態と判定し、スロットル開度が反力発生開度T2を超えていても開度減少量Taだけ反力発生開度T2を小さくする(偏差ΔTを開度減少量Taだけ大きくする)構成であってもよい。この場合の所定の時間も実験計測等で予め設定されていることが好ましい。
また、本実施形態においてはスロットル開度に基づいてペダル反力を調節する構成としたが、スロットル開度の代わりにアクセルペダル開度(アクセルペダル操作部2(図1参照)のストローク量)を用いる構成としてもよい。
1 アクセルペダル装置
2 アクセルペダル操作部
3 反力発生装置(反力調節手段)
4 反力制御装置(閾値設定手段、路面状態検出手段)
9a 舵角センサ(旋回検出手段)
9b 傾斜センサ(傾斜検出手段)
10 アクセルペダル反力制御装置
Ta 開度減少量(所定の減少量)
Tb 開度増加量(所定の増加量)
RS2 従動輪回転速度計(車速検出手段)
V 車両

Claims (6)

  1. 車両に備わるアクセルペダル操作部の操作量に応じて開閉するスロットル開度が開度閾値以上となったときに前記アクセルペダル操作部のペダル反力を強める方向に調節する反力調節手段と、
    前記車両の走行状態や運転者の操作状態に応じて前記開度閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記車両が走行している路面の路面状態を検出する路面状態検出手段と、を有するアクセルペダル反力制御装置において、
    前記閾値設定手段は、前記路面状態が滑りやすいことを前記路面状態検出手段が検出したときに、前記開度閾値を小さくすることを特徴とするアクセルペダル反力制御装置。
  2. 前記路面状態検出手段は、前記車両のスリップを検出することによって前記路面状態が滑りやすいことを検出し、
    前記閾値設定手段は、
    前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出した場合に、前記スロットル開度が前記開度閾値以下のとき、前記開度閾値を所定の減少量だけ小さくすることを特徴とする請求項1に記載のアクセルペダル反力制御装置。
  3. 前記路面状態検出手段は、前記車両のスリップを検出することによって前記路面状態が滑りやすいことを検出し、
    前記閾値設定手段は、
    前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出した場合に、前記スロットル開度が前記開度閾値以下のときは、そのときの前記スロットル開度から所定の減少量だけ小さい開度を前記開度閾値に設定することを特徴とする請求項1に記載のアクセルペダル反力制御装置。
  4. 前記スロットル開度が前記開度閾値より大きい場合に、前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出しないとき、
    前記閾値設定手段は、前記開度閾値を所定の増加量だけ大きくすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のアクセルペダル反力制御装置。
  5. 前記スロットル開度が前記開度閾値より大きい場合に、前記路面状態検出手段が前記車両のスリップを検出しないとき、
    前記閾値設定手段は、そのときの前記スロットル開度から所定の増加量だけ大きい開度を前記開度閾値に設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載のアクセルペダル反力制御装置。
  6. 前記車両の車速を検出する車速検出手段、前記車両の前後方向の傾斜を検出する傾斜検出手段、前記車両の旋回を検出する旋回検出手段、の少なくとも1つを備え、
    前記閾値設定手段は、
    前記車両が、前記車速が所定値以下の状態、前後方向の傾斜が所定値以上の状態、旋回している状態、の少なくとも1つの状態にあると判定したときに、前記開度閾値を小さくする度合いを高くすることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のアクセルペダル反力制御装置。
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