JP2013111861A - 印字装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】漢字を使用可能な印字装置において、キャラクタを表示可能な行数を多くすることが可能な印字装置を提供する。
【解決手段】印字装置は、キャラクタを表示する行数(例えば、1行表示モード又は2行表示モード)を設定可能である。また、印字装置に漢字が入力されると漢字コードが作成され、確定バッファに記憶される。1行表示モードの場合には、漢字を含んだキャラクタがディスプレイ5に表示される。2行表示モードの場合に、複雑な漢字は、表音文字に変換されてディスプレイ5に表示される。例えば、1行目に「回覧」2行目に「お願いします」を表示する場合、漢字「覧」「願」がそれぞれ、表音文字「らん」「ねが」に変換され、1行目に「回らん」、2行目に「おねがいします」と表示される。
【選択図】図19

Description

本発明は、印字媒体に印字を行うキャラクタをディスプレイに表示可能な印字装置に関する。
従来、印字媒体に印字を行うキャラクタ(文字、数字、及び記号等)をディスプレイに表示可能な印字装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のかな漢字変換装置は、小型のワードプロセッサやラベルプリンタ等に適用可能である。かな漢字変換装置は、1行分の文字を表示する表示部を備えている。かな漢字装置は、表示部にひらがな、漢字等を表示させることができる。
実開平5−2263号公報
従来の印字装置における表示部は、キャラクタを表示する行が並んでいる方向の長さが短い場合が多い。例えば、特許文献1に記載のかな漢字変換装置の表示部は、1行分の文字を表示している。行が並んでいる方向の長さが短い表示部において、複数行でキャラクタを表示する場合、キャラクタを縮小して表示する必要があるので、1行当たりに割り当てられる表示画素の数が少なくなる。ここで、漢字を表示するために必要な画素数は、ひらがなやカタカナ等を表示するために必要な画素数より多くなる場合が多い。このため、複数行で漢字を表示する場合に、行が並んでいる方向の画素が不足し、漢字を表示できない場合がある。よって、漢字を使用可能な印字装置では、漢字を表示するための、行が並んでいる方向の画素を確保するために、キャラクタを表示可能な行数を少なくする必要があるという問題点があった。
本発明の目的は、漢字を使用可能な印字装置において、キャラクタを表示可能な行数を多くすることが可能な印字装置を提供することである。
本発明に係る印字装置は、漢字を含むキャラクタを表示部に表示可能な印字装置であって、前記キャラクタを前記表示部に表示する行数を設定する行数設定手段と、前記行数設定手段によって設定された前記行数において、前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断する表示可否判断手段と、前記表示可否判断手段によって前記漢字が前記表示部に表示できない判断された場合に、前記漢字の読みを示す表音文字に前記漢字を変換して前記表示部に表示する文字変換手段と、印字媒体に印字を行う場合に、前記表音文字に対応する前記漢字を印字する印字制御手段とを備えている。
全ての漢字を表示する場合には、表示部の行が並んでいる方向の画素が多く必要であるが、表音文字は、漢字に比べて表示のために必要な行が並んでいる方向の画素は少ない。よって、同じ大きさの表示部においてキャラクタを表示する行数を設定する場合、全ての漢字を表示可能な行数に設定する場合より、全ての表音文字を表示可能な行数に設定する場合の方が、設定できる行数を多くできる。本発明では、漢字が表示できない場合に、表音文字で表示することができるので、キャラクタを表示する行数を設定する場合に、表音文字を表示可能な行数に設定することができる。よって、キャラクタを表示可能な行数を多くすることができる。また、表示部に表示されるのは表音文字であるが、印字制御手段によって印字される場合には表音文字に対応する漢字が印字されるので、ユーザは、所望の漢字が印字された印字媒体を作成することができる。
前記印字装置において、前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数において、個々の前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断し、前記文字変換手段は、前記個々の漢字のうち、前記表示可否判断手段によって前記表示部に表示できないと判断された漢字のみを前記表音文字に変換して前記表示部に表示してもよい。この場合、表示部に表示できない漢字のみを表音文字に変換し、他の漢字は表音文字に変換されないので、表音文字に変換される漢字の数を少なくすることができる。よって、ユーザは、全ての漢字が表音文字に変換されて表示される場合に比べて、表示されている文章を読み易くなる。
前記印字装置は、前記漢字と、前記漢字自身を表示可能な前記行数に関する予め設定された情報である行数情報とが対応付けられたデータを記憶する記憶手段を備え、前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数と、前記記憶手段に記憶された前記データの前記行数情報とを参照して、前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断してもよい。この場合、行数情報を使用して、漢字を表示部に表示可能か否かを判断し、表示できない場合に漢字を表音文字に変換して表示することができる。
前記印字装置において、前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数を参照して、前記行数が所定の行数以上である場合に、前記漢字を前記表示部に表示可能でないと判断してもよい。この場合、行数設定手段によって設定された行数が、所定の行数以上である場合に、漢字を表音文字に変換して表示することができる。
前記印字装置において、前記文字変換手段は、前記漢字を前記表音文字に変換して前記表示部に表示する場合に、変換された前記表音文字の表示を、他の前記キャラクタの表示と異なる形式で表示してもよい。この場合、ユーザは、漢字が変換された後の表音文字を、他のキャラクタと区別することができる。よって、ユーザは、漢字が変換された表音文字であることを容易に認識することができる。
前記印字装置は、前記キャラクタを編集可能な位置を示すカーソルを前記表示部に表示し、前記カーソルを移動可能なカーソル表示手段であって、1つの前記漢字に対応する前記表音文字が複数の文字である場合において前記カーソルを移動させる場合に、前記複数の文字を跨いで移動させるカーソル表示手段を備えてもよい。この場合、表音文字に変換された複数の表音文字の間でカーソルが止まらない。よって、ユーザが誤って、複数の表音文字の間に新たなキャラクタを入力することを防止できる。
前記印字装置は、前記表音文字として表示された前記漢字を、前記漢字と同一の読みの他の前記漢字に再変換する再変換手段を備え、前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数において、前記再変換手段によって再変換された前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断し、前記表示可否判断手段によって前記再変換された漢字が前記表示部に表示できないと判断された場合に、前記文字変換手段は、前記再変換手段によって再変換された漢字を前記表音文字に変換して前記表示部に表示してもよい。この場合、表音文字として表示された漢字を、同一の読みの他の漢字に再変換することができる。よって、例えば、ユーザは、漢字の誤記を、正しい漢字に修正することができる。また、再変換後の漢字も表音文字に変換されて表示されるので、キャラクタを表示可能な行数を多くすることができる
前記印字装置において、前記表音文字は、ひらがな、カタカナ、ハングル文字、又はローマ字のうちの少なくとも1つであってもよい。この場合、漢字が変換された後の表音文字として、ひらがな、カタカナ、ハングル文字、又はローマ字のうちの少なくとも1つを使用することができる。よって、印字装置の製品仕様や仕向け地等に合わせて、表音文字の種類を設定できる。
カバー6が閉じられた状態の印字装置1の斜視図である。 カバー6が開かれた状態の印字装置1と印字装置1に着脱されるテープカセット30との斜視図である。 印字装置1の電気的構成を示すブロック図である。 漢字データテーブル95を示す模式図である。 メイン処理のフローチャートである。 未確定バッファ4041にキャラクタデータが記憶された状態を示す模式図である。 1行表示モードでキャラクタ「かい」が表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 漢字変換処理のフローチャートである。 漢字の選択画面が表示されたディスプレイ5を示す図である。 確定バッファ4042に漢字「回」について漢字コードが記憶された状態を示す図である。 第一表示処理のフローチャートである。 1行表示モードでキャラクタ「回」が表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 1行表示モードでキャラクタ「回覧お願いします」が表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 確定バッファ4042に記憶されたキャラクタデータの一例を示す図である。 改行関連処理のフローチャートである。 図14に示すキャラクタデータに改行データが記憶された状態を示す図である。 1行表示モードで、1行目のキャラクタ「回覧」が表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 1行表示モードで、2行目のキャラクタ「お願いします」が表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 2行表示モードで、一部の漢字が表音文字で表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 2行表示モードで、一部の漢字が表音文字で表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 表示モード切替処理のフローチャートである。 再漢字変換処理のフローチャートである。 図16に示すキャラクタデータの漢字「回」の漢字コードが、漢字「會」の漢字コードに変換された状態を示す図である。 漢字「回」が漢字「會」に変換されて1行表示モードで表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 2行表示モードで表示され、一部の漢字が表音文字で表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 図19に示すカーソル97が、表音文字「らん」を跨いで、「らん」の左側に移動した状態のディスプレイ5を示す図である。 印字済みの印字媒体50の平面図である。 第二表示処理のフローチャートである。 表音文字をカタカナにした場合における、2行表示モードで、一部の漢字が表音文字で表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 表音文字をローマ字にした場合における、2行表示モードで、一部の漢字が表音文字で表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 「回覧お願いします」に相当する韓国語のキャラクタ71が、1行表示モードで表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 2行表示モードで、一部の漢字が、表音文字(ハングル文字)で表示された状態のディスプレイ5を示す図である。 印字済みの印字媒体50の平面図である。
以下、本発明を具体化した実施の形態について、図面を参照して説明する。図1〜図2を参照して、本実施形態に係る印字装置1の概略構成について説明する。印字装置1は、テープ状の印字媒体50(図2参照)の幅方向に、行単位でキャラクタ(文字、記号及び数字等)を印字可能である(図27参照)。以下の説明では、図1及び図2の右上側、左下側、右下側、左上側、上側、下側を、それぞれ、印字装置1の後側、前側、右側、左側、上側、下側とする。
図1に示すように、印字装置1の上面には、キャラクタを入力するためのキーボード3が設けられている。キーボード3の後側(紙面右上側)には、電源キー、決定キー、印字キー等を含む機能キー群4が設けられている。以下の説明では、機能キー群4とキーボード3とを総称する場合、入力部90という。機能キー群4の後側には、入力したキャラクタ等を表示するためのディスプレイ5が設けられている。印字装置1の上面の後部には、開閉可能なカバー6が設けられている。カバー6は、カバー6の後端部の左右方向を支点として開閉自在である。印字装置1の左後角には、切断された印字済みの印字媒体50(図27参照)を受けるテープトレイ7が設けられている。
図2に示すように、ディスプレイ5の後側には、カセット装着部8が形成されている。カセット装着部8には、テープカセット30が上下方向に着脱される。テープカセット30の内部では、印字媒体50とインクリボン(図示外)が巻回されている。印字媒体50は、例えば、片面に剥離紙が設けられ、剥離紙を剥離して他の物体に貼り付けることが可能なラベルテープである。印字装置1のカセット装着部8には、インクリボンを巻き取るリボン巻取軸9、印字媒体50を搬送するテープ駆動軸(図示外)、プラテンローラ(図示外)、インクリボンを加熱して印字を行うサーマルヘッド10(図3参照)等が設けられている。
印字装置1が印字を実行する際には、リボン巻取軸9によってインクリボンが引き出されながら、テープ駆動軸とプラテンローラによって印字媒体50が搬送される。そして、印字媒体50とインクリボンとが、プラテンローラによってサーマルヘッド10に押し付けられながら、サーマルヘッド10によってインクリボンを介して印字媒体50に印字が行われる。印字された印字媒体50は、印字媒体50の搬送経路上に設けられた移動刃(図示外)によって切断され、印字装置1の外部に排出される。なお、テープカセット30としては、種々の種類のテープカセットを使用することができる。例えば、テープカセット30は、透明フィルムによって表面が保護されたラミネートテープを作成するためのテープカセットであってもよいし、アイロンを使用して衣類などに貼り付けることができる布製のテープを作成するためのテープカセットであってもよい。
図3を参照して、印字装置1の電気的構成について説明する。図3に示すように、印字装置1は、各機器を制御するCPU401、ROM402、CGROM403、RAM404、及びフラッシュメモリ409を備えている。ROM402、CGROM403、RAM404、フラッシュメモリ409は、CPU401に電気的に接続されている。
ROM402は、プログラム記憶領域4021と漢字データテーブル記憶領域4022とを少なくとも備えている。プログラム記憶領域4021には、CPU401が印字装置1を制御するために実行する各種プログラム等が記憶されている。漢字データテーブル記憶領域4022には、漢字データテーブル95(図4参照、後述)が記憶されている。CGROM403には、キャラクタを印字するための印字用ドットパターンデータ等が記憶されている。
RAM404は、未確定バッファ4041と確定バッファ4042を少なくとも備えている。未確定バッファ4041には、未確定のキャラクタのデータ(以下、「キャラクタデータ」という。)が一時的に記憶される。確定バッファ4042には、確定されたキャラクタデータが一時的に記憶される。印字装置1は、未確定バッファ4041及び確定バッファ4042に記憶されたキャラクタデータに基づいて、ディスプレイ5にキャラクタを表示する。また、印字装置1は、確定バッファ4042に記憶されたキャラクタデータに基づいて、印字媒体50に印字を行う。RAM404には、その他、種々の一時データが記憶される。フラッシュメモリ409には、1行表示モードである旨を示すデータや、2行表示モードである旨を示すデータが記憶される。なお、本実施形態では、印字媒体50に印字を行うことができるキャラクタの行数は、1行又は2行であるとする。また、1行表示モードの場合、キャラクタを1行でディスプレイ5に表示でき(図13参照)、2行表示モードである場合、キャラクタを2行でディスプレイ5に表示できる(図19参照)。
印字装置1は、入力部90、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406、407、408を備えている。入力部90、液晶駆動回路(LCDC)405、及び駆動回路406、407、408は、CPU401に電気的に接続されている。駆動回路406は、サーマルヘッド10を駆動するための電子回路である。駆動回路407は、リボン巻取軸9(図2参照)及びテープ駆動軸(図示外)を回転させるテープ送りモータ24を駆動するための電子回路である。駆動回路408は、印字装置1の外部に排出される印字済みの印字媒体50を切断する移動刃(図示外)を動作させるカッターモータ25を駆動するための電子回路である。液晶駆動回路(LCDC)405は、ディスプレイ5にキャラクタ等を出力するための電子回路である。
図4を参照して漢字データテーブル95について説明する。図4に示すように、漢字データテーブル95には、発音、漢字、及び表音文字が対応付けられて記憶されている。より詳細には、発音「A」、漢字「亜」、及び表音文字「NULL」が対応付けられ、発音「A」、漢字「阿」、及び表音文字「あ」が対応付けられている。その他、図4に示すように対応付けられている。表音文字は、漢字の読みを示す文字であり、本実施形態では、ひらがなである。表音文字「NULL」は、表音文字が対応付けられていないことを示す。
本実施形態では、1行表示モードと2行表示モードとを切替することができるが、行が並んでいる方向(図19では紙面上下方向)のキャラクタの表示範囲は限られているため、1行表示モードの場合より2行表示モードの場合のキャラクタの大きさを小さくする必要がある。キャラクタの大きさを小さくすると、個々のキャラクタに使用できる画素の数が少なくなる。このため、複雑な漢字は、行が並んでいる方向の画素が不足して漢字として表示できない。このため、漢字データテーブル95では、2行表示モードで表示できない複雑な漢字については、表音文字としてひらがなが記憶されており、ディスプレイ5には、1行表示モードの場合に漢字が表示され、2行表示モードの場合に漢字ではなく、ひらがなが表示される(図17、図18、図19、及び図20参照)。また、2行表示モードでも表示できる漢字については、表音文字に「NULL」が記憶されており、1行表示モード及び2行表示モードのいずれの場合でも漢字がディスプレイ5に表示される。
印字装置1は、漢字データテーブル95に記憶されているデータを使用して漢字コードを作成する(図8のS33、及び図22のS74参照、後述)。漢字コードは、漢字に関する情報を含むコードである。印字装置1がディスプレイ5に漢字又は表音文字を表示する場合には、漢字コードに含まれる情報を使用して表示する(図11のS42、S44、S45参照、後述)。例えば、漢字「覧」の場合、漢字コードは、「(A)RAN(B)覧(C)らん(D)」となる(図14参照)。「(A)」は、「Aデータ」と言い、「(A)」に続くデータ「RAN」が発音を示すデータであることを示す。「(B)」は、「Bデータ」と言い、「(B)」に続くデータ「覧」が漢字を示すデータであることを示す。「(C)」は、「Cデータ」と言い、「(C)」に続くデータ「らん」が表音文字を示すデータであることを示す。「(D)」は、「Dデータ」と言い、漢字コードが終わりであることを示す。漢字コードが作成される場合には、漢字データテーブル95の発音、漢字、及び表音文字に記憶されているデータに、それぞれ、「Aデータ」、「Bデータ」、及び「Cデータ」が対応付けられ、漢字コードの最後に「Dデータ」が付加される。
また、例えば、漢字「回」の場合、漢字コードは、「(A)KAI(B)回(D)」となる(図10参照)。漢字データテーブル95において、漢字「回」の表音文字は「NULL」なので、漢字「回」には表音文字が対応付けられていない。このため、「Cデータ」は使用されていない。このように、漢字コードに「Cデータ」が存在すれば、漢字に表音文字が対応付けられており、「Cデータ」が存在しなければ、漢字に表音文字が対応付けられていない。すなわち、「Cデータ」があるかないかを判断することで、2行表示モードで漢字をディスプレイ5に表示可能か否かを判断することができる(図11のS43、後述)。このように、「Cデータ」は、漢字を表示可能な行数に関する情報である。なお、漢字に対応付けられた「Cデータ」が、本発明の「行数情報」に相当し、漢字コードが本発明の「データ」に相当する。
図5を参照し、印字装置1のCPU401によるメイン処理について説明する。メイン処理では、まず、キーボード3を介して、新たにキャラクタが入力されたか否か判断される(S11)。キャラクタが入力された場合(S11:YES)、未確定のキャラクタデータが未確定バッファ4041に記憶される(S12)。次いで、未確定バッファ4041に記憶されたキャラクタデータに基づいて、未確定のキャラクタがディスプレイ5に表示される(S13)。なお、キャラクタが未確定である場合、後述する漢字変換(例えば、S18)等の編集が可能である。S13で未確定のキャラクタを表示する場合、未確定のキャラクタは点滅してディスプレイ5に表示される(S13)。例えば、ユーザによって、キーボード3を介して「か」「い」の個々の文字が順次入力されると(S11:YES)、図6に示すように、未確定バッファ4041には、「かい」についてのキャラクタデータが記憶される(S12)。そして、図7に示すように、ディスプレイ5には「かい」と表示される(S13)。このとき、「かい」の文字は点滅している。なお、図6、図10、図14、図16、及び図23では、左側に未確定バッファ4041に記憶されているキャラクタデータを示しており、右側に確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータを示している。
ここで、ディスプレイ5の表示について簡単に説明する。図7に示すように、ディスプレイ5の上部には、情報表示領域81が設けられている。情報表示領域81の右部には、現在入力されているキャラクタを印字した場合の印字媒体50の必要長さの表示82が表示されている。以下では特に説明しないが、必要長さの表示82は、キャラクタの入力、改行の追加、及び改行の削除等が行われる度に更新される。情報表示領域81には、入力されるキャラクタの書式(文字の形態など)を変更するための情報など、他の情報も表示されるが、図示は省略している。
情報表示領域81の下側の表示領域83には、入力されたキャラクタが表示される。1行表示モードである場合、表示領域83には、図13に示すように、キャラクタが1行で表示される。また、2行表示モードである場合、図19に示すように、表示領域83には、キャラクタが2行で表示される。表示領域83の左部(それぞれの行の先頭)には、1行目であることを示す行表示91(図13及び図19参照)、及び2行目であることを示す行表示92(図19参照)が表示されている。ユーザは、行表示91,92を確認することで、行表示91,92の右側に表示されるキャラクタが何行目に印字されるのかを確認することができる。また、ディスプレイ5には、カーソル97が表示されている。ユーザは、カーソル97を移動させて、例えば、キャラクタを入力、削除する位置を指定することができる。
メイン処理の説明に戻る。図5に示すように、S13が実行されると、処理はS11に戻る。新たにキャラクタが入力されていない場合(S11:NO)、機能キー群4に含まれる決定キー(図示外)が押下されたか否かが判断される(S14)。ユーザは、未確定のキャラクタを漢字等に変換することなく確定したキャラクタにする場合、決定キーを押下する。決定キーが押下されると(S14:YES)、未確定バッファ4041に記憶されていたキャラクタデータが、確定バッファ4042に記憶される(S15)。ついで、確定バッファ4042に記憶されたキャラクタデータに基づいて、確定したキャラクタがディスプレイ5に表示される(S16)。ディスプレイ5では、確定したキャラクタは点滅することなく表示される(S16)。なお、「回覧お願いします」とキャラクタを入力する場合、ひらがな部分の「お」「いします」は、決定キーが押下されることで(S14:YES)、図14に示すように確定バッファ4042に入力され(S15)、ディスプレイ5に表示される(S16)。ついで、処理は、S11に戻る。
決定キーが押下されていない場合(S14:NO)、キーボード3に含まれる漢字変換キー(図示外)が押下されたか否かが判断される(S17)。ユーザは、未確定のキャラクタを漢字に変換する場合に、漢字変換キーを押下する。漢字変換キーが押下されると(S17:YES)、漢字変換処理が実行される(S18)。
図8を参照して、漢字変換処理について説明する。図8に示すように、漢字変換処理では、漢字データテーブル95に基づいて、漢字の候補の一覧がディスプレイ5に表示される(S31)。例えば、図6及び図7に示すように、未確定のキャラクタとして、「かい」が入力されている場合、発音は「KAI」である。よって、CPU401は、漢字データテーブル95(図4参照)を読み出し、発音「KAI」に対応する漢字を一覧としてディスプレイ5に表示する。これによって、図9に示すように、「會」、「回」、「灰」、「廻」、「悔」、「改」、「開」、「海」、「快」等が表示される。
なお、図9では、情報表示領域81(図7参照)は消去され、2行分のキャラクタが表示されている。より詳細には、漢字の一覧が上側の行に表示され、図7において1行目に表示されていた「かい」の文字が下側の行に表示されている。図9では、図7に比べて情報表示領域81が消去された分の表示領域が増えているため、図7に示す1行表示のキャラクタと同じ大きさで、2行分のキャラクタを表示することができる。よって、漢字を表示するためのディスプレイ5の画素を確保できるため、漢字の候補を表示することができる。ユーザは、キーボード3に含まれる左右の方向キー(図示外)を押下して、漢字を選択するためのカーソル98(図9の例では白黒反転表示)を所望の漢字に移動させ、決定キーを押下することで、表示された漢字の一覧から所望の漢字を選択する。
次いで、ユーザによって漢字が選択されたか否かが判断される(S32)。漢字が選択されていない場合(S32:NO)、処理はS32に戻る。漢字が選択された場合(S32:YES)、S32において選択された漢字についての漢字コードが作成され、確定バッファ4042に記憶される(S33)。例えば、ユーザが漢字「回」を選択した場合、漢字データテーブル95(図4参照)において、漢字「回」に対応付けられているのは、発音「KAI」、表音文字「NULL」である。このため、図10に示すように、漢字コード「(A)KAI(B)回(D)」が作成され、確定バッファ4042に記憶される(S33)。なお、表音文字が「NULL」であるので、漢字コードには「Cコード」は含まれない。また、未確定バッファ4041からは「かい」のキャラクタデータは削除される(図6及び図10参照)。
次いで、第一表示処理が実行される(S34)。図11を参照して、第一表示処理について説明する。第一表示処理では、まず、フラッシュメモリ409が参照され、現在の表示モードが1行表示モードであるか否かが判断される(S41)。フラッシュメモリ409に1行表示モードである旨を示すデータが記憶されていれば、1行表示モードであると判断され(S41:YES)、2行表示モードである旨を示すデータが記憶されていれば、1行表示モードでないと判断される(S41:NO)。なお、初期設定は1行表示モードであるとする。
1行表示モードである場合(S41:YES)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータのうち、1行分がディスプレイ5に表示される(S42)。このとき、漢字については、「Bコード」に続く漢字がディスプレイ5に表示される(S42)。本実施形態では、1行表示モードであれば、漢字を表音文字に変換することなく表示できるので、「Bコード」に続く漢字がディスプレイ5に表示される。例えば、図10に示す漢字コード「(A)KAI(B)回(D)」では、「Bコード」に続く漢字が「回」である。よって、ディスプレイ5に表示されていた文字「かい」(図7参照)が、図12に示すように、漢字「回」に変換されて、1行でディスプレイ5に表示される(S42)。次いで。第一表示処理が終了され、さらに漢字変換処理(図8参照)が終了され、処理はメイン処理のS11(図5参照)に戻る。なお、第一表示処理(図11参照)におけるS43〜S46の処理については、後述する。
1行表示モードのまま、「回覧お願いします」と入力されると、図13に示すように、ディスプレイ5には、1行表示で「回覧お願いします」と表示される(図5のS11〜S18、図8のS31〜S34、図11のS41、S42)。このとき、S33(図8参照)で確定バッファ4042に記憶される漢字「覧」の漢字コードは、「(A)RAN(B)覧(C)らん(D)」である。また、漢字「願」の漢字コードは、「(A)NEGA(B)願(C)ねが(D)」である。このため、図14に示すように、確定バッファ4042には、「(A)KAI(B)回(D)(A)RAN(B)覧(C)らん(D)お(A)NEGA(B)願(C)ねが(D)いします」と記憶されている。
図5に示すように、漢字変換キーが押下されていない場合(S17:NO)、改行の追加又は削除の操作が行われたか否かが判断される(S19)。改行の追加の操作は、ユーザがキーボード3に含まれる改行キー(図示外)を押下する操作である。また、改行の削除の操作は、ユーザがキーボード3を操作して、バックスペースキー(図示外)を押下して改行を削除する操作である。改行の追加又は削除の操作が行われた場合(S19:YES)、改行関連処理が行われる(S20)。
図15を参照して、改行関連処理について説明する。図15に示すように、まず、S19(図5参照)で検出された操作が改行の追加の操作であるか否かが判断される(S51)。改行の追加の操作である場合(S51:YES)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータに改行データが追加される(S52)。例えば、ユーザが「回覧お願いします」の「回覧」と「お願いします」との間にカーソル97を移動させ(S26、後述)、改行キーを押下した場合(S19:YES)、図16に示すように「(A)KAI(B)回(D)(A)RAN(B)覧(C)らん(D)」と「お(A)NEGA(B)願(C)ねが(D)いします」との間に、改行データ「(改行)」が挿入される(S52)。
次いで、第一表示処理(図11参照)が行われる(S54)。前述したように、前述したように第一表示処理(図11参照)では、1行表示モードである場合(S41:YES)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータのうち、1行分がディスプレイ5に表示される(S42)。このとき、漢字については、「Bコード」に続く漢字がディスプレイ5に表示される(S42)。例えば、図16のようにキャラクタデータが確定バッファ4042に記憶されている場合、改行データ「(改行)」の前の「(A)KAI(B)回(D)(A)RAN(B)覧(C)らん(D)」に基づいて、図17に示すように「回覧」が表示される。次いで、第一表示処理が終了される。なお、改行データが追加された位置には、改行マーク94が表示される。また、図5には処理を図示していないが、例えば、図17に示す状態で、ユーザがカーソル97を下側に移動させると(S26、後述)、図18に示すように2行目の「お願いします」が表示される。
S41(図11参照)において、1行表示モードでない場合、すなわち、2行表示モードである場合(S41:NO)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータの個々の漢字コードに「Cコード」があるか否かが判断される(S43)。言い換えると、S43では、設定されている行数において、個々の漢字をディスプレイ5に表示可能か否かを判断している(S43)。「Cコード」が無い場合(S43:NO)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータの2行分がディスプレイ5に表示される(S44)。このとき、漢字については、「Bコード」に続く漢字がディスプレイ5に表示される(S44)。「Cコード」がないので、漢字が表示可能だからである。次いで、第一表示処理が終了される。
S43において、「Cコード」がある場合(S43:YES)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータの2行分がディスプレイ5に表示される(S45)。このとき、「Cコード」がある漢字コードについては、「Cコード」に続く表音文字がディスプレイ5に表示される(S45)。これによって、漢字がディスプレイ5に表示できない場合に、漢字が表音文字に変換されて表示される。例えば、図16の場合、確定バッファ4042に、キャラクタデータ「(A)KAI(B)回(D)(A)RAN(B)覧(C)らん(D)(改行)お(A)NEGA(B)願(C)ねが(D)いします」が記憶されている。このため、「Cコード」のある漢字は「覧」と「願」である。よって、S45の処理では、図19に示すように、1行目に「回らん」、2行目に「おねがいします」と表示される。図19に示すように、漢字「覧」は、「Cコード」に続く表音文字「らん」に変換され、漢字「願」は、「Cコード」に続く表音文字「ねが」に変換されている。また、漢字「回」についての漢字コードには「Cコード」がないので、「Bコード」に続く漢字「回」が表示されている。また、このとき、「回らん」と「おねがいします」との2行が共にディスプレイ5に表示される。このように、個々の漢字のうちS43でディスプレイ5に表示できないと判断された漢字「覧」「願」のみが表音文字に変換されている。なお、それぞれのキャラクタは、1行表示モードの場合より小さく表示される。
ついで、S45において2行で表示されると略同時に、S45において表音文字に変換されたキャラクタが白黒反転表示される(S46)。例えば、図19に示すように、表音文字「らん」と「ねが」とが白黒反転表示される。次いで、第一表示処理が終了される。
S51(図15参照)において、改行の追加の操作でないと判断された場合、すなわち、S19で検出された操作が改行の削除の操作である場合(S51:NO)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータから改行データが削除され(S53)、前述の第一表示処理(図11参照)が実行される。S53の処理によって、例えば、図16に示す改行データ「(改行)」が削除され、図14に示すように改行データのないキャラクタデータが、確定バッファ4042に記憶された状態になる。この場合において、表示モードの設定が1行表示モードである場合には(図11のS41:YES)、図17に示す「回覧」が1行で表示された状態から、図13に示すように、「回覧お願いします」が1行で表示された状態となる(S42)。また、表示モードの設定が2行表示モードである場合には(図11のS41:NO)、図19に示す「回らん」と「おねがいします」が2行で表示されている状態から、図20に示すように、「回らんおねがいします」が1行目に表示され、2行目が空欄の状態となる(S45)。また、この場合、「らん」と「ねが」は、白黒反転表示される(S46)。
S42、S44、又はS46の処理が行われると、第一表示処理が終了され、さらに改行関連処理(図15参照)が終了される。そして、処理はメイン処理(図5参照)のS11に戻る。図5に示すように、改行の操作又は改行削除の操作が行われていない場合(S19:NO)、表示モード(1行表示モード及び2行表示モード)の切替の指示が入力されたか否かが判断される(S21)。表示モードの切替の指示とは、表示モードの設定を現在の表示モードから他の表示モードに切り替えるように操作した指示である。表示モードの切替の指示が入力された場合(S21:YES)、表示モード切替処理が実行される(S22)。
図21を参照して、表示モード切替処理について説明する。表示モード切替処理は、1行表示モードと2行表示モードとの相互間の切替を行う処理である。表示モード切替処理では、まず、フラッシュメモリ409に記憶されている表示モードが切り替えられる(S61)。すなわち、キャラクタをディスプレイ5に表示する行数が設定される(S61)。例えば、2行表示モードから1行表示モードに切り替える場合、1行表示モードである旨を示すデータが、フラッシュメモリ409に記憶される(S61)、また、例えば、1行表示モードから2行表示モードに切り替える場合、2行表示モードである旨を示すデータが、フラッシュメモリ409に記憶される(S61)。次いで、前述の第一表示処理(図11参照)が行われる(S62)。例えば、図16に示すキャラクタデータが確定バッファ4042に記憶されている場合に、1行表示モードから2行表示モードに切り替える場合、ディスプレイ5の表示は、図17に示す状態から、図19に示す状態に変化する(図11のS45、S46)。また、2行表示モードから1行表示モードに切り替える場合、ディスプレイ5の表示は、図19に示す状態から、図17に示す状態に変化する。第一表示処理が終了されると、表示モード切替処理(図21参照)が終了され、処理はメイン処理(図5参照)のS11に戻る。
図5に示すように、表示モードの切替の指示が入力されていない場合(S21:NO)、再漢字変換の指示が入力されたか否かが判断される(S23)。再漢字変換とは、一旦確定した漢字を、同一の読みの他の漢字に再変換することである。ユーザは、キーボード3を操作して、再漢字変換を行う漢字を指定して、再漢字変換を行う指示を入力する。再漢字変換の指示が入力された場合には(S23:YES)、再漢字変換処理が実行される(S24)。
図22を参照して、再漢字変換処理について説明する。まず、再漢字変換の指示が入力された際の指定されたキャラクタが漢字であるか否かが判断される(S71)。指定されたキャラクタが漢字でない場合(S71:NO)、再漢字変換処理が終了され、処理はメイン処理(図5参照)のS11に戻る。指定されたキャラクタが漢字である場合(S71:YES)、S31(図8参照)と同様に、漢字データテーブル95が参照され、指定されたキャラクタと同じ発音の漢字の候補の一覧が表示される(S72)。例えば、「回」が選択された場合、図9に示すように、「會」、「回」、「灰」、「廻」、「悔」、「改」、「開」、「海」、「快」等が、漢字の候補としてディスプレイ5に表示される。
次いで、S32(図8参照)と同様に、ユーザによって、漢字が選択されたか否かが判断される(S73)。漢字が選択されていない場合(S73:NO)、処理はS73に戻る。漢字が選択された場合(S73:YES)、S73で新たに選択された漢字の漢字コードが作成され、確定バッファ4042に記憶されている漢字コードのうち、S23で指定された漢字の漢字コードと入れ替えられる(S74)。例えば、漢字「會」が選択された場合、漢字データテーブル95が参照され漢字コード「(A)KAI(B)會(C)かい(D)」が作成される。そして、図14に示すキャラクタデータの「(A)KAI(B)回(D)」が新たに作成された「(A)KAI(B)會(C)かい(D)」に切り替えられる。これによって、図23に示すように、キャラクタデータが「(A)KAI(B)會(C)かい(D)(A)RAN(B)覧(C)らん(D)(改行)お(A)NEGA(B)願(C)ねが(D)いします」となる(S74)。次いで、前述した第一表示処理(図11参照)が実行される(S75)。
例えば、1行表示モードの場合(S41:YES)、図24に示すように1行で「會覧」が表示される(S42)。また、2行表示モードの場合(S41:NO)、図25に示すように、1行目に「かいらん」が表示され、2行目に「おねがいします」が表示される(S45及びS46)。漢字「會」についての漢字コードには、「Cコード」が含まれているので、図25では、漢字「會」が表音文字「かい」に変換されて表示される(S45)。また、表音文字「かい」は、白黒反転して表示される(S46)。次いで、第一表示処理が終了されると、再漢字変換処理(図22参照)が終了され、処理はメイン処理(図5参照)のS11に戻る。
図5に示すように、再漢字変換の指示が入力されていない場合(S23:NO)、カーソル移動の指示が入力されたか否かが判断される(S25)。ユーザがキーボード3に含まれる上下左右の方向キー(図示外)を押下すると、カーソル移動の指示が入力されたと判断される。カーソル移動の指示が入力された場合(S25:YES)、ユーザが操作した方向にカーソル97が移動される(S26)。S26では、1つの漢字が変換された表音文字が複数の文字である場合、当該複数の文字を跨いでカーソル97が移動される。
例えば、図19に示すように、表音文字「らん」の右側にカーソル97がある場合に、ユーザが左方向の操作キーを押下すると、図26に示すように表音文字「らん」の2文字を跨いで、表音文字「らん」の左側にカーソル97が移動される。つまり、複数の表音文字の間でカーソル97が止まらない。よって、ユーザが誤って、複数の表音文字の間に新たなキャラクタを入力することを防止できる。次いで、処理はS11に戻る。
S25において、カーソル移動の指示が入力されていない場合(S25:NO)、印字の指示が入力されたか否かが判断される(S27)。ユーザは機能キー群4に含まれる印字キーを押下することで、印字の指示を入力する。印字の指示が入力された場合(S27:YES)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータに基づいて、印字媒体50に印字が実行され、印字済みの印字媒体50が作成される(S28)。
例えば、図16に示すキャラクタデータが確定バッファ4042に記憶されている場合、図27に示すように、1行目に「回覧」、2行目に「お願いします」と印字された印字済みの印字媒体50が作成される。図16に示すキャラクタデータが確定バッファ4042に記憶されている場合、ディスプレイ5には、図17、図18、又は図19に示すキャラクタが表示されているが、いずれの表示の場合でも、図27に示すように印字済みの印字媒体50が作成される。すなわち、図19に示すように、漢字「覧」「願」が表音文字「らん」「ねが」で表示されている場合でも、印字媒体50に印字を行う場合には、表音文字「らん」「ねが」に対応する漢字「覧」「願」が印字される(S28)。このように、ディスプレイ5に表示されるのは、表音文字であるが、印字媒体50には表音文字に対応する漢字が印字される。よって、ユーザは、所望の漢字が印字された印字済みの印字媒体50を作成することができる。印字が実行されると(S28)、処理はS11に戻る。S27において、印字の指示が入力されていないと判断された場合(S27:NO)、処理はS11に戻る。
以上のように、本実施形態におけるメイン処理が実行される。なお、印字装置1の電源がオフされた場合には、メイン処理が終了される。漢字を表音文字に変換しない場合、漢字を表示するための行が並んでいる方向の画素を確保するために、キャラクタを表示可能な行数を少なくする必要がある。例えば、本実施形態では、2行表示では全ての漢字を表示できないので、1行表示のみにする必要がある。しかし、本実施形態では、漢字が表示できない場合に、表音文字で表示することができるので、キャラクタを表示する行数を設定する場合に、表音文字に表示可能な行数に設定することができる。このため、キャラクタを表示可能な行数を多くでき、本実施形態では、2行で表示できる。よって、ユーザがディスプレイ5を見て確認できるキャラクタが多くなり、ユーザの利便性が向上する。
また、ディスプレイ5に表示できない漢字が、その漢字を示す表音文字に変換されて表示される。このため、例えば、ディスプレイ5に表示できない漢字が空白やその他の記号等で表示される場合に比べて、ユーザは表示されている文章を把握し易い。よって、ユーザの利便性が向上する。
また、図19に示すように、ディスプレイ5に表示できない漢字「覧」「願」のみが表音文字「らん」「ねが」に変換され、他の漢字「回」は、表音文字に変換されないので(図11のS43及びS45)、表音文字に変換される漢字を少なくすることができる。よって、全ての漢字が表音文字に変換されて表示される場合に比べて、ユーザは表示されている文章を読み易くなる。
また、本実施形態では、「Cデータ」を使用して、漢字を表示部に表示可能か否かを判断し(図11のS43)、表示できない場合に(S43:YES)、漢字を表音文字に変換して表示することができる(S45)。
また、図19に示すように、表音文字に変換された「らん」「ねが」が、白黒反転表示で表示される(図11のS46)。つまり、他のキャラクタと異なる表示形式で表示されている。よって、ユーザは、漢字が変換された後の表音文字を他のひらがな等のキャラクタと区別することができる。よって、ユーザは、漢字が変換された表音文字であることを容易に認識することができる。
また、表音文字として表示された漢字を、同一の読みの他の漢字に再変換することができる(図22のS74)。よって、例えば、ユーザは、漢字の誤記を、正しい漢字に修正することができる。また、再変換後の漢字も表音文字に変換されて表示されるので(図11のS45)、表音文字に変換されない場合に比べてキャラクタを表示可能な行数を多くすることができる。
上記実施形態において、図21のS61の処理を行うCPU401が本発明の「行数設定手段」に相当し、図11のS41の処理及びS43の処理を行うCPU401が本発明の「表示可否判断手段」に相当する。図11のS45の処理を行うCPU401が本発明の「文字変換手段」に相当し、図5のS28の処理を行うCPU401が本発明の「印字制御手段」に相当する。図5のS26の処理を行うCPU401が本発明の「カーソル表示手段」に相当し、図22のS74の処理を行うCPU401が本発明の「再変換手段」に相当する。フラッシュメモリ409が本発明の「記憶手段」に相当する。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、ディスプレイ5には、1行又は2行でキャラクタを表示可能であったが、これに限定されない。例えば、1〜3行のキャラクタを表示可能であってもよい。
また、本発明の「行数情報」は、本実施形態では「Cデータ」であったが、これに限定されない。例えば、個々の漢字を表示可能な行数の情報でもよい。この場合において、例えば、1〜3行でキャラクタを表示可能なディスプレイ5である場合、個々の漢字に、1行でのみ表示可能な漢字、1〜2行で表示可能な漢字、及び1〜3行のいずれでも表示可能な漢字などの行数の情報を対応つけてもよい。この場合、S43(図11参照)で、S61(図21参照)で設定された1〜3行の行数(行数モード)と、個々の漢字を表示可能な行数の情報とを参照して、漢字をディスプレイ5に表示可能か否かを判断してもよい。例えば、漢字を表示可能な行数の情報が2行であり、S61で設定された行数が3行である場合、処理はS45に進み、当該漢字は、表音文字で表示される(S45)。
また、S46の処理(図11参照)では、変換された表音文字の表示が、白黒反転表示されていたが、これに限定されない。変換された表音文字の表示を、他のキャラクタの表示とは異なる形式で表示できればよい。例えば、フォントを変えたり、表音文字を斜体にしたりしてもよい。また、例えば、表音文字がローマ字などのアルファベットでディスプレイ5に表示される場合(図30参照、後述)、キーボード3を介して入力された全角のアルファベットと区別するために、漢字が変換された表音文字のアルファベットを半角で表示してもよい。同様に、表音文字がカタカナでディスプレイ5に表示される場合(図29参照、後述)、キーボード3を介して入力された全角のカタカナと区別するために、漢字が変換された表音文字のカタカナを半角で表示してもよい。なお、白黒反転やフォントを替えたりすることなく、他のキャラクタの表示と同じ形式で表示してもよい。
また、個々の漢字について、ディスプレイ5に表示可能か否かを判断し(図11のS41及びS43)、表示できない漢字のみを表音文字で表示していたが(図11のS45)、これに限定されない。例えば、S61で設定された行数が、所定の行数以上である場合に、全ての漢字を表音文字に変換してディスプレイ5に表示してもよい。以下、この変形例について説明する。
図28に示す第二表示処理は、第一表示処理(図11参照)の変形例である。第二表示処理において、第一表示処理と同様の処理は同じ符号で示し、詳細の説明は省略する。第二表示処理は、第一表示処理と同様に、S34(図8参照)、S54(図15参照)、S62(図21参照)、及びS75(図22参照)が実行される場合に実行される。また、特に図示しないが、上記の実施形態では、漢字データテーブル95(図4参照)において、表音文字が「NULL」に対応付けられた漢字が存在したが、本変形例では、全ての漢字に表音文字が対応付けられている。すなわち、S33(図8参照)及びS74(図22参照)で確定バッファ4042に記憶される漢字コードには、全て「Cデータ」が存在する。
図28に示すように第二表示処理では、S61で設定された行数(行数モード)が、2行以上か否かが判断される(S411)。2行以上でない場合(S411:NO)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータのうち、1行分がディスプレイ5に表示される(S42)。このとき、漢字については、「Bコード」に続く漢字がディスプレイ5に表示され(S42)、例えば、図17に示すように「回覧」が1行で表示される。次いで、第二表示処理が終了される。
2行以上である場合(S411:YES)、確定バッファ4042に記憶されているキャラクタデータの2行分がディスプレイ5に表示される(S45)。このとき、全ての漢字が表音文字で表示される。全ての漢字に「Cコード」が存在するので、図25に示す場合と同様に、全ての漢字について、「Cコード」に続く表音文字がディスプレイ5に表示される(S45)。次いで、表音文字が白黒反転表示され(S46)、第二表示処理が終了される。
以上のように、本変形例における処理が行われる。本変形例の場合でも、前述の実施形態と同様の効果を得ることができる。本変形例においてS411の処理を行うCPU401が、本発明の「表示可否判断手段」に相当する。なお、S411の処理は、2行以上であるか否かを判断していたが、例えば、ディスプレイ5のキャラクタの表示可能な行数が3行以上ある場合、3行以上であるか否かを判断してもよい。
また、表音文字がひらがなであったが、これに限定されない。例えば、カタカナ、ハングル文字、又はローマ字であってもよい。また、表音文字は、1種類(例えば、ひらがなのみ)に限定されず、例えば、複数の種類(例えば、ひらがなとカタカナ)から選択できるようにしてもよい。このように、表音文字は、ひらがな、カタカナ、ハングル文字、及びローマ字のうちの少なくとも1つであってもよい。以下の説明では、ひらがな以外の表音文字を使用した場合について説明する。
まず、表音文字をカタカナにした場合について説明する。この場合、漢字データテーブル95(図4参照)の表音文字をカタカナに変更する。そして、ひらがなの場合と同様の処理を行うことで、例えば、図19に示す表音文字の表示は、図29に示すようにカタカナと表示される。同様に表音文字がローマ字である場合、図19に示す表音文字の表示は、図30に示すように、ローマ字で表示される。
また、例えば、仕向け地が韓国の場合、漢字データテーブル95の表音文字として、ハングル文字を対応付けることができる。韓国語では、漢字とハングル文字が使用される。例えば、図13に示す「回覧お願いします」を韓国語で表すと、図31に示すキャラクタ71のようになる。そして、図19に示すように1行目に「回らん」、2行目に「おねがいします」と表示される場合、韓国語では、図32に示すキャラクタ72のように表示される。図32に示すように、表音文字として、ハングル文字73と、ハングル文字74とが表示されている。そして、図32のようにディスプレイ5に表示されている状態で、印字が行われると(図5のS28)、図33に示すように、ハングル文字73,74(図32参照)に対応する漢字75,76が印刷された印字媒体50が作成される。
以上のように、漢字が変換された後の表音文字として、ひらがな、カタカナ、ハングル文字、又はローマ字のうちの少なくとも1つを使用することができる。よって、印字装置1の製品仕様や仕向け地等に合わせて表音文字の種類を設定できる。
1 印字装置
5 ディスプレイ
30 テープカセット
50 印字媒体
95 漢字データテーブル
401 CPU
409 フラッシュメモリ

Claims (8)

  1. 漢字を含むキャラクタを表示部に表示可能な印字装置であって、
    前記キャラクタを前記表示部に表示する行数を設定する行数設定手段と、
    前記行数設定手段によって設定された前記行数において、前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断する表示可否判断手段と、
    前記表示可否判断手段によって前記漢字が前記表示部に表示できない判断された場合に、前記漢字の読みを示す表音文字に前記漢字を変換して前記表示部に表示する文字変換手段と、
    印字媒体に印字を行う場合に、前記表音文字に対応する前記漢字を印字する印字制御手段と
    を備えたことを特徴とする印字装置。
  2. 前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数において、個々の前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断し、
    前記文字変換手段は、前記個々の漢字のうち、前記表示可否判断手段によって前記表示部に表示できないと判断された漢字のみを前記表音文字に変換して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の印字装置。
  3. 前記漢字と、前記漢字自身を表示可能な前記行数に関する予め設定された情報である行数情報とが対応付けられたデータを記憶する記憶手段を備え、
    前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数と、前記記憶手段に記憶された前記データの前記行数情報とを参照して、前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の印字装置。
  4. 前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数を参照して、前記行数が所定の行数以上である場合に、前記漢字を前記表示部に表示可能でないと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の印字装置。
  5. 前記文字変換手段は、前記漢字を前記表音文字に変換して前記表示部に表示する場合に、変換された前記表音文字の表示を、他の前記キャラクタの表示と異なる形式で表示することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の印字装置。
  6. 前記キャラクタを編集可能な位置を示すカーソルを前記表示部に表示し、前記カーソルを移動可能なカーソル表示手段であって、1つの前記漢字に対応する前記表音文字が複数の文字である場合において前記カーソルを移動させる場合に、前記複数の文字を跨いで移動させるカーソル表示手段を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の印字装置。
  7. 前記表音文字として表示された前記漢字を、前記漢字と同一の読みの他の前記漢字に再変換する再変換手段を備え、
    前記表示可否判断手段は、前記行数設定手段によって設定された前記行数において、前記再変換手段によって再変換された前記漢字を前記表示部に表示可能か否かを判断し、
    前記表示可否判断手段によって前記再変換された漢字が前記表示部に表示できないと判断された場合に、前記文字変換手段は、前記再変換手段によって再変換された漢字を前記表音文字に変換して前記表示部に表示することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の印字装置。
  8. 前記表音文字は、ひらがな、カタカナ、ハングル文字、又はローマ字のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の印字装置。
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