以下、本発明の実施形態による計量装置の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する場合がある。
また、以下の具体的な説明は、上記計量装置の特徴を例示しているに過ぎない。例えば、上記計量装置を特定した用語と同じ用語或いは相当する用語に適宜の参照符号を付して以下の具体例を説明する場合、当該具体的な構成要素は、これに対応する上記計量装置の構成要素の一例である。
従って、上記計量装置の特徴は、以下の具体的な説明によって限定されない。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態によるパッカースケール(計量装置)の一例を示した図である。図2は、図1のパッカースケールを鉛直方向に見た図である。図2(a)では、図1(a)のパッカースケール100をIIA−IIA視した図が示されている。図2(b)では、図1(b)のパッカースケール100をIIB−IIB視した図が示されている。
図1および図2に示すように、本実施形態のパッカースケール100は、包装機(図示せず)への被計量物(例えば、樹脂ペレット)の大投入(多量投入)が行われる大投入計量部10と、包装機への被計量物の中投入(中量投入)が行われる中投入計量部50と、包装機への被計量物の小投入(少量投入)が行われる小投入計量部30と、を備える。
なお、以下の説明の便宜上、図1において(図2、図3および図4も同じ)、被計量物が、大投入計量部10の途中(鉛直高さH)から中投入計量部50および小投入計量部30に、被計量物が振り分けられる方向を「左右方向」としている。そして、中投入計量部50の主要部が配置されている側を「左」、小投入計量部30が配置されている側を「右」としている。
また、重力が作用する方向を鉛直方向(図示せず)として、「上方」(図示せず)から「下方」(図示せず)に重力が作用するものとする。
また、上記左右方向および鉛直方向に垂直な方向を前後方向としている。そして、図1(a)を紙面の手前側を「前」、奥側を「後」として示している。
また、図1(a)では、パッカースケール100の小投入計量部30の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケール100の右側に配置されている中投入計量部50の構成要素(後述の第4中投入計量部50D)の図示が省略されている。
また、図1(b)では、パッカースケール100の大投入計量部10の構成を理解し易くする趣旨で、パッカースケールの100の大投入計量部10の構成のみを図示している。
なお、パッカースケール100の左側に配置される中投入計量部50の主要部(後述の第1、第2および第3中投入計量部50A、50B、50C)の構成は、図3において図示されている。また、パッカースケール100の右側に配置される中投入計量部50の一部(後述の第4中投入計量部50D)および小投入計量部30の構成は、図4において図示されている。また、パッカースケール100の制御系の一例は、図5において図示されている。
[大投入計量部の構成]
まず、本実施形態のパッカースケール100の大投入計量部10の構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1に示すように、大投入計量部10は、鉛直方向に立設する計量ホッパ本体20と、計量ホッパ本体20の下方に配された大投入計量ホッパ21と、を備える。
計量ホッパ本体20は、図1および図2に示す如く、パッカースケール100の中央部に配され、上端部11と下端部とを備える箱体となっている。
計量ホッパ本体20の上端部11の後寄りの中央部には、図2(b)に示すように、被計量物供給用の円形の供給口12が形成されている。この供給口12を介して被計量物が、計量ホッパ本体20内に投入される。
また、計量ホッパ本体20の上端部11の前側の隅には、図2(b)に示すように、一対のメッシュ状のエアー抜き部13が設けられている。計量ホッパ本体20の供給口12から被計量物を投入する場合、被計量物がエアーを抱き込むことがある。そこで、本実施形態のパッカースケール100は、計量ホッパ本体20内のエアーを、エアー抜き部13を用いて排気するように構成されている。これにより、計量ホッパ本体20内の被計量物の嵩密度が一定に保たれる。
計量ホッパ本体20の下端部には被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から計量ホッパ本体20外(ここでは、大投入計量ホッパ21内)に排出される。
但し、計量ホッパ本体20の排出口から被計量物を排出しない場合(計量ホッパ本体20内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図1に示すように、一対の大投入カットゲート15A、15Bを用いて塞ぐことができる。
大投入カットゲート15A、15Bはそれぞれ、図1(b)に示す如く、回転軸14A、14Bを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、大投入カットゲート15A、15Bは、上記回転軸14A、14Bがそれぞれ、ACサーボモータ14(図1(a)、図2および図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、前後に2分されるように動く。なお、このとき、大投入カットゲート15A、15Bの開度は、図5に示すように、ロータリエンコーダ70を用いて、大投入計量部制御用の指示制御器71により制御されている。
このようにして、計量ホッパ本体20の排出口が、大投入カットゲート15A、15Bを用いて開放され、これにより、計量ホッパ本体20内の所定量の被計量物が、大投入計量ホッパ21内に供給される。なお、図5に示すように、ACサーボモータ14の駆動は、ACサーボドライバ74を用いて指示制御器71により制御されている。
大投入計量ホッパ21は、図1に示すように、計量ホッパ本体20から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22へ被計量物を排出するための大投入計量ホッパ本体21Aおよび一対の大投入計量ホッパゲート18A、18Bを備える。
また、大投入計量ホッパ21は、4個のロードセルLC1、LC2、LC3、LC4に連結され、これらのロードセルLC1、LC2、LC3、LC4により支持されている。なお、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4は、パッカースケール100の架台に固定されている。
そして、図5に示すように、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれから出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器71に入力される。
大投入計量ホッパ21の下方には、図1に示すように、集合シュート22が配設されている。大投入計量ホッパ21から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
大投入計量ホッパゲート18A、18Bはそれぞれ、図1(a)に示す如く、公知のトグル機構を備えるリンク部を用いて左右にスイング移動可能に構成されている。つまり、大投入計量ホッパゲート18A、18Bは、上記リンク部が、ロータリアクチュエータ17(図5参照)の駆動力を用いて移動することにより、左右に2分されるように動く。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ17の駆動は、指示制御器71により制御されている。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器71は、大投入計量ホッパ本体21A内の被計量物の重量をロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器71が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、大投入計量ホッパ21の排出口が、大投入計量ホッパゲート18A、18Bによって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
[中投入計量部の構成]
以下、本実施形態のパッカースケール100の中投入計量部50の構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
図1、図2および図3に示すように、中投入計量部50は、第1中投入計量部50Aと、第2中投入計量部50Bと、第3中投入計量部50Cと、を備える。また、図2および図4に示すように、中投入計量部50は、第4中投入計量部50Dも備える。
<第1中投入計量部50Aの構成>
まず、第1中投入計量部50Aの構成について述べる。
第1中投入計量部50Aは、図2および図3に示す如く、第1中投入シュート61と、第1中投入シュート61の下方に配された第1中投入計量ホッパ64と、を備える。
また、第1中投入シュート61は、図2および図3に示す如く、パッカースケール100の左側かつ前方側に配されて、上端部と下端部61B(図3参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第1中投入シュート61の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60(図1も参照)と、この中継部60の下端部において前側に分岐する中空構造の第1中投入分岐部60Aと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
第1中投入シュート61の下端部61Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第1中投入シュート61外(ここでは、第1中投入計量ホッパ64内)に排出される。
但し、第1中投入シュート61の排出口から被計量物を排出しない場合(第1中投入シュート61内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図3に示すように、第1中投入カットゲート54を用いて塞ぐことができる。
第1中投入カットゲート54は、図3に示す如く、回転軸51Aを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、第1中投入シュート61の排出口の直下に置かれた第1中投入カットゲート54は、上記回転軸51Aが、ロータリアクチュエータ51(図1、図2および図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。
このようにして、第1中投入シュート61の排出口が、第1中投入カットゲート54を用いて開放され、これにより、第1中投入シュート61内の所定量の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に供給される。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ51の駆動は、中投入計量部制御用の指示制御器73により制御されている。
第1中投入計量ホッパ64は、図1および図3に示すように、第1中投入シュート61から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(図1参照)へ被計量物を排出するための第1中投入計量ホッパ本体64Aおよび第1中投入計量ホッパゲート67を備える。
また、第1中投入計量ホッパ64は、図1および図5に示すように、ロードセルLC5に連結され、このロードセルLC5により支持されている。なお、ロードセルLC5は、パッカースケール100の架台に固定されている。
そして、図5に示すように、ロードセルLC5から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
また、第1中投入計量ホッパ64の下方には、図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第1中投入計量ホッパ64から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
また、第1中投入計量ホッパゲート67は、図1(a)に示す如く、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ57(図5も参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ57の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第1中投入計量ホッパゲート67の駆動装置として、ロータリアクチュエータ57に代えて、ステッピングモータを用いてもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第1中投入計量ホッパ本体64A内の被計量物の重量をロードセルLC5からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第1中投入計量ホッパ64の排出口が、第1中投入計量ホッパゲート67によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
<第2中投入計量部50Bの構成>
次に、第2中投入計量部50Bの構成について述べる。
第2中投入計量部50Bは、図2および図3に示す如く、第2中投入シュート62と、第2中投入シュート62の下方に配された第2中投入計量ホッパ65と、を備える。
また、第2中投入シュート62は、図2および図3に示す如く、パッカースケール100の左側かつ中央部に配されて、上端部と下端部62B(図3参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第2中投入シュート62の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60(図1も参照)と、この中継部60の下端部において中央に分岐する中空構造の第2中投入分岐部60Bと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
第2中投入シュート62の下端部62Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第2中投入シュート62外(ここでは、第2中投入計量ホッパ65内)に排出される。
但し、第2中投入シュート62の排出口から被計量物を排出しない場合(第2中投入シュート62内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図3に示すように、第2中投入カットゲート55を用いて塞ぐことができる。
第2中投入カットゲート55は、図3に示す如く、回転軸52Aを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、第2中投入シュート62の排出口の直下に置かれた第2中投入カットゲート55は、上記回転軸52Aが、ロータリアクチュエータ52(図1、図2および図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。
このようにして、第2中投入シュート62の排出口が、第2中投入カットゲート55を用いて開放され、これにより、第2中投入シュート62内の所定量の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に供給される。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ52の駆動は、指示制御器73により制御されている。
第2中投入計量ホッパ65は、図1および図3に示すように、第2中投入シュート62から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(図1参照)へ被計量物を排出するための第2中投入計量ホッパ本体65Aおよび第2中投入計量ホッパゲート68を備える。
また、第2中投入計量ホッパ65は、図1および図5に示すように、ロードセルLC6に連結され、このロードセルLC6により支持されている。なお、ロードセルLC6は、パッカースケール100の架台に固定されている。
そして、図5に示すように、ロードセルLC6から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
また、第2中投入計量ホッパ65の下方には、図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第2中投入計量ホッパ65から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
また、第2中投入計量ホッパゲート68は、図1(a)に示す如く、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ58(図5も参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ58の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第2中投入計量ホッパゲート68の駆動装置として、ロータリアクチュエータ58に代えて、ステッピングモータを用いてもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第2中投入計量ホッパ本体65A内の被計量物の重量をロードセルLC6からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第2中投入計量ホッパ65の排出口が、第2中投入計量ホッパゲート68によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
<第3中投入計量部50Cの構成>
次に、第3中投入計量部50Cの構成について述べる。
第3中投入計量部50Cは、図2および図3に示す如く、第3中投入シュート63と、第3中投入シュート63の下方に配された第3中投入計量ホッパ66と、を備える。
また、第3中投入シュート63は、図2および図3に示す如く、パッカースケール100の左側かつ後方側に配されて、上端部と下端部63B(図3参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第3中投入シュート63の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の左側面に接続される中空構造の中継部60(図1も参照)と、この中継部60の下端部において後側に分岐する中空構造の第3中投入分岐部60Cと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
第3中投入シュート63の下端部63Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第3中投入シュート63外(ここでは、第3中投入計量ホッパ66内)に排出される。
但し、第3中投入シュート63の排出口から被計量物を排出しない場合(第3中投入シュート63内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図3に示すように、第3中投入カットゲート56を用いて塞ぐことができる。
第3中投入カットゲート56は、図3に示す如く、回転軸53Aを中心に前後方向に揺動可能に構成されている。つまり、第3中投入シュート63の排出口の直下に置かれた第3中投入カットゲート56は、上記回転軸53Aが、ロータリアクチュエータ53(図1、図2および図5参照)の駆動力を用いて回転することにより、後方に後退するように動く。
このようにして、第3中投入シュート63の排出口が、第3中投入カットゲート56を用いて開放され、これにより、第3中投入シュート63内の所定量の被計量物が、第3中投入計量ホッパ66内に供給される。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ53の駆動は、指示制御器73により制御されている。
第3中投入計量ホッパ66は、図1および図3に示すように、第3中投入シュート63から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(図1参照)へ被計量物を排出するための第3中投入計量ホッパ本体66Aおよび第3中投入計量ホッパゲート69を備える。
また、第3中投入計量ホッパ66は、図1および図5に示すように、ロードセルLC7に連結され、このロードセルLC7により支持されている。なお、ロードセルLC7は、パッカースケール100の架台に固定されている。
そして、図5に示すように、ロードセルLC7から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
また、第3中投入計量ホッパ66の下方には、図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第3中投入計量ホッパ66から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
また、第3中投入計量ホッパゲート69は、図1(a)に示す如く、公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ59(図5も参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ59の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第3中投入計量ホッパゲート69の駆動装置として、ロータリアクチュエータ59に代えて、ステッピングモータを用いてもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第3中投入計量ホッパ本体66A内の被計量物の重量をロードセルLC7からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第3中投入計量ホッパ66の排出口が、第3中投入計量ホッパゲート69によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
<第4中投入計量部50Dの構成>
次に、第4中投入計量部50Dの構成について述べる。
第4中投入計量部50Dは、図2および図4に示す如く、第4中投入シュート43と、第4中投入シュート43の下方に配された第4中投入計量ホッパ44と、を備える。
また、第4中投入シュート43は、図2および図4に示す如く、パッカースケール100の右側かつ前方側に配されて、上端部と下端部43B(図4参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、第4中投入シュート43の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の右側面に接続される中空構造の中継部40(図1も参照)と、この中継部40の下端部において前方に分岐する中空構造の第4中投入分岐部40Bと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
第4中投入シュート43の下端部43Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口から第4中投入シュート43外(ここでは、第4中投入計量ホッパ44内)に排出される。
但し、第4中投入シュート43の排出口から被計量物を排出しない場合(第4中投入シュート43内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図4に示すように、第4中投入カットゲート37を用いて塞ぐことができる。
第4中投入カットゲート37は、図4に示す如く、回転軸36Aを中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、第4中投入シュート43の排出口の直下に置かれた第4中投入カットゲート37は、上記回転軸36Aが、ロータリアクチュエータ36(図2および図5も参照)の駆動力を用いて回転することにより、後退するように動く。
このようにして、第4中投入シュート43の排出口が、第4中投入カットゲート37を用いて開放され、これにより、第4中投入シュート43内の所定量の被計量物が、第4中投入計量ホッパ44内に供給される。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ36の駆動は、指示制御器73により制御されている。
第4中投入計量ホッパ44は、図4に示すように、第4中投入シュート43から供給された被計量物を一時保持し、その下方に配置された集合シュート22(図1参照)へ被計量物を排出するための第4中投入計量ホッパ本体44Aおよび第4中投入計量ホッパゲート38を備える。
また、第4中投入計量ホッパ44は、ロードセルLC9(図5参照)に連結され、このロードセルLC9により支持されている。なお、ロードセルLC9は、パッカースケール100の架台に固定されている。
そして、図5に示すように、ロードセルLC9から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器73に入力される。
また、第4中投入計量ホッパ44の下方には、図1に示すように、集合シュート22が配設されている。第4中投入計量ホッパ44から排出される被計量物は、集合シュート22上を滑り落ちてその下部の排出口(図示せず)から、例えば、包装機(図示せず)に送られる。
また、第4中投入計量ホッパゲート38は、図示しない公知のトグル機構およびロータリアクチュエータ39(図5参照)の駆動力を用いて開閉可能に構成されている。なお、図5に示すように、ロータリアクチュエータ39の駆動は、指示制御器73により制御されている。また、第4中投入計量ホッパゲート38の駆動装置として、ロータリアクチュエータ39に代えて、ステッピングモータを用いてもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器73は、第4中投入計量ホッパ本体44A内の被計量物の重量をロードセルLC9からの出力信号に基づいて計量できる。その後、指示制御器73が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、第4中投入計量ホッパ44の排出口が、第4中投入計量ホッパゲート38によって開放されると、計量後の被計量物が、集合シュート22に送られる。
[小投入計量部の構成]
以下、本実施形態のパッカースケール100の小投入計量部30の構成について図面を参照しながら詳しく説明する。
小投入計量部30は、図1、図2および図4に示す如く、ロスイン投入シュート41と、ロスイン投入シュート41の下方に配されたロスインホッパ42と、を備える。
ロスイン投入シュート41は、図1、図2および図4に示す如く、パッカースケール100の右側かつ後方側に配されて、上端部と下端部41B(図4参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。また、ロスイン投入シュート41の内部(上端部)は、計量ホッパ本体20の右側面に接続される中空構造の中継部40(図1も参照)と、この中継部40の下端部において後方に分岐する中空構造の小投入分岐部40Aと、を用いて、計量ホッパ本体20の内部に連通している。
ロスイン投入シュート41の下端部41Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口からロスイン投入シュート41外(ここでは、ロスインホッパ42内)に排出される。
但し、ロスイン投入シュート41の排出口から被計量物を排出しない場合(ロスイン投入シュート41内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図1および図4に示すように、ロスイン投入ゲート31を用いて塞ぐことができる。
ロスイン投入ゲート31は、図1および図4に示す如く、回転軸34Aを中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、ロスイン投入シュート41の排出口の直下に置かれたロスイン投入ゲート31は、上記回転軸34Aが、ステッピングモータ34(図2および図5も参照)の駆動力を用いて回転することにより、右側に後退するように動く(図1も参照)。なお、ステッピングモータ34に代えて、サーボモータを用いてもよい。
このようにして、ロスイン投入シュート41の排出口が、ロスイン投入ゲート31を用いて開放され、これにより、ロスイン投入シュート41内の所定量の被計量物が、ロスインホッパ42内に供給される。なお、図5に示すように、ステッピングモータ34の駆動は、小投入計量部制御用の指示制御器72により制御されている。
ロスインホッパ42は、上記ロスイン投入シュート41と同様、パッカースケール100の右側かつ後方側に配されて、上端部42A(図4参照)と下端部42B(図4参照)とを備えて鉛直方向に立設する略円筒体となっている。つまり、ロスイン投入シュート41と、ロスインホッパ42と、は、これらの中心軸(図示せず)を共有して鉛直方向において並んで配されている。
ロスインホッパ42の下端部42Bには被計量物排出用の排出口(図示せず)が形成されている。これにより、被計量物が、本排出口からロスインホッパ42外(ここでは、集合シュート22)に排出される。
但し、ロスインホッパ42の排出口から被計量物を排出しない場合(ロスインホッパ42内に被計量物を一時保持する場合)、この排出口を、図1および図4に示すように、ロスイン排出ゲート32(補助ホッパ)を用いて塞ぐことができる。
ロスイン排出ゲート32は、図1および図4に示す如く、回転軸35Aを中心に左右方向に揺動可能に構成されている。つまり、ロスインホッパ42の排出口の直下に置かれたロスイン排出ゲート32は、上記回転軸35Aが、ステッピングモータ35(図5も参照)の駆動力を用いて回転することにより、左側に後退するように動く(図1も参照)。なお、ステッピングモータ35に代えて、サーボモータを用いてもよい。
このようにして、ロスインホッパ42の排出口が、ロスイン排出ゲート32を用いて開放され、これにより、ロスインホッパ42内の被計量物が、集合シュート22に供給される。なお、図5に示すように、ステッピングモータ35の駆動は、指示制御器72により制御されている。
また、ロスインホッパ42は、図1に示す如く、ロードセルLC8(図5も参照)に連結され、このロードセルLC8により支持されている。なお、ロードセルLC8は、パッカースケール100の架台に固定されている。
そして、図5に示すように、ロードセルLC8から出力される荷重信号(電気信号)は、周知の信号処理回路(A/D変換器、アンプ、フィルタ等;図示せず)を経て指示制御器72に入力される。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72が、例えば、包装機からの被計量物の排出許可信号を受け取った場合、ロスインホッパ42の排出口が、ロスイン排出ゲート32によって開放され、第4中投入計量ホッパ本体44A内の被計量物が、ロードセルLC8からの出力信号に基づいてロスイン排出される。なお、このロスイン排出において被計量物の単位時間の排出量が一定となるよう、被計量物の嵩密度に基づいて、ロスインホッパ42の直径が適宜の値に設定されている。これにより、所定時間内に適量の被計量物を集合シュート22に送ることができる。
[パッカースケールの制御系の構成]
以上の指示制御器71、72、73は、例えば、マイクロコントローラ、MPU、PLC(Programmable Logic Controller)、論理回路等からなる演算部(図示せず)と、ROMやRAM等からなるメモリ部(図示せず)と、重量表示部やメッセージ表示部等からなる表示部(図示せず)と、作業者が様々なデータを入力できるキー入力部(図示せず)と、により構成することができる。
なお、本実施形態のパッカースケール100では、図5に示すように、指示制御器71、72、73は、互いに協働して分散する3個の制御器により構成されているが、これに限らない。例えば、指示制御器71、72、73は、集中制御する単独の制御器によって構成されてもよい。
指示制御器71は、上述の如く、大投入カットゲート15A、15Bおよび大投入計量ホッパゲート18A、18Bを開閉するためのアクチュエータ(上記ACサーボモータ14およびロータリアクチュエータ17等)の動作を制御する。また、指示制御器71は、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいて大投入計量ホッパ21に保持されている被計量物の重量を算出する重量算出手段としても機能する。
指示制御器72は、上述の如く、ロスイン投入ゲート31およびロスイン排出ゲート32を開閉するためのアクチュエータ(上記ステッピングモータ34、35等)の動作を制御する。また、指示制御器72は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を受け取り、この出力信号に基づいてロスインホッパ42内の被計量物の重量を算出する重量算出手段としても機能する。つまり、本実施形態のパッカースケール100では、指示制御器72は、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を常時監視している。よって、指示制御器72は、被計量物の排出前の初期重量から丁度設定された重量分だけ、ロスインホッパ42内の被計量物の重量が減少したときに、ロスインホッパ42の排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて閉めることができる。かかる小投入計量部30によるロスイン計量を用いることにより、被計量物の排出量を高精度に調整できる。
指示制御器73は、上述の如く、第1、第2、第3および第4中投入カットゲート54、55、56、37および第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパゲート67、68、69、38を開閉するためのアクチュエータ(上記ロータリアクチュエータ51、52、53、36、57、58、59、39)の動作を制御する。また、指示制御器73は、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44のそれぞれを支持するロードセルLC5、LC6、LC7、LC9のそれぞれからの出力信号を受け取り、これらの出力信号に基づいて第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれの被計量物の重量を算出する重量算出手段としても機能する。
更に、指示制御器73は、組合せ処理を行う組合せ手段として機能する。この組合せ処理は、重量が異なる比率(詳細は後述)で調整された被計量物が、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44内のそれぞれに供給されることにより行われる。つまり、この組合せ処理では、上記異なる比率に調整された4個の被計量物の重量に基づいて組合せ演算を行い、被計量物の重量の合計が、組合せ目標重量(詳細は後述)に最も近くなる第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の組合せが求められ、組合せに選ばれた中投入計量ホッパの被計量物が集合シュートに排出される。
[パッカースケールによる被計量物の投入動作、計量動作および排出動作]
以下、本実施形態のパッカースケール100による被計量物(例えば、樹脂ペレット)の投入動作、計量動作および排出動作の一例について図面を参照しながら詳しく説明する。
図6および図7は、本発明の実施形態のパッカースケールによる被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の一例を示した図である。図6では、本実施形態のパッカースケール100に用いられる各ゲートの開閉タイミングチャートが示されている。また、図7(a)では、図1のパッカースケールによる被計量物の投入および排出のタイミングチャートが示されている。図7(b)では、図1のパッカースケールによる被計量物の投入(排出)重量の時間変化の様子が示されている。
まず、本実施形態のパッカースケール100による被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業として、作業者が、被計量物を供給口12から計量ホッパ本体20内に投入する。なお、このとき、パッカースケール100に用いられるゲートは全て閉じられている。
すると、供給口12からの被計量物は、その自重により計量ホッパ本体20の下方に向かって落下し、計量ホッパ本体20内に堆積する。計量ホッパ本体20内の被計量物が、所定の鉛直高さH(図1(a)、図3および図4参照)にまで堆積したとき、被計量物が、左右の中継部40、60のそれぞれにもこれらの開口部40D、60Dを介して自重落下し始める。すると、図3に示すように、開口部60Dからの被計量物は、中継部60の下端部において中継部60から第1、第2および第3中投入分岐部60A、60B、60Cに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第1、第2および第3中投入シュート61、62、63のそれぞれに堆積する。また、図4に示すように、開口部40Dからの被計量物は、中継部40の下端部において中継部40から第4中投入分岐部40Bおよび小投入分岐部40Aに振り分けられて自重落下し、その結果、被計量物が、第4中投入シュート43およびロスイン投入シュート41のそれぞれに堆積する。最終的には、計量ホッパ本体20および中継部40、60のそれぞれの内部に被計量物が満たされるよう、供給口12から被計量物を投入するとよい。
以上の被計量物の投入動作、計量動作および排出動作の準備作業が完了すると、パッカースケール100の動作開始ボタン(図示せず)が押されることにより、指示制御器71、72、73(以下、単に「制御器」と略す)が、パッカースケール100の各部の動作を実行するための制御プログラムに基づいて、以下の動作をパッカースケール100の各部を制御しながら実行する。
まず、図6の大投入計量部10では、大投入カットゲート15A、15Bが、計量ホッパ本体20の排出口を開放させるように動く。すると、図7(a)および図7(b)に示すように、計量ホッパ本体20内の被計量物が、大投入計量ホッパ21内にボリューム投入(供給)される。
このとき、制御器は、大投入カットゲート15A、15Bの開度および計量ホッパ本体20の排出口の開放時間を制御することにより、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入重量MBを被計量物の嵩密度に基づいて被計量物の目標重量MTを僅かに下回る重量(例えば、目標重量MTの98%程度)に調整することができる。つまり、本実施形態のパッカースケール100では、制御器は、大投入計量ホッパ21の真上の大投入カットゲート15A、15Bを用いて、大投入計量ホッパ21に、目標重量MT未満の適量(ボリューム投入重量MB)の被計量物をタイマー充填により供給することができる。そして、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過すると、制御器は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算できる。これにより、制御器は、目標重量MTの不足重量m(目標重量MT−ボリューム投入重量MB)を演算でき、その結果、ロスインホッパ42からの被計量物のロスイン排出重量MR(図7(b)参照)を決定でき、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44での最適な組合せを選択できる。なお、このような制御器の動作の詳細は後述する。
その後、図6に示すように、制御器は、適時に大投入計量ホッパゲート18A、18Bを用いて大投入計量ホッパ21の排出口を開放させ、この排出口から被計量物をボリューム排出(図7(a)および図7(b)参照)することができる。
また、図6の第1中投入計量部50Aでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第1中投入カットゲート54を用いて第1中投入シュート61の排出口を開放する。すると、第1中投入シュート61内の被計量物が、第1中投入計量ホッパ64内に中投入(供給)される。
このとき、制御器は、第1中投入シュート61の排出口の開放時間を制御することにより、第1中投入計量ホッパ64への被計量物の投入重量S1を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重に調整することができる。そして、ロードセルLC5での計量安定待ち時間T2が経過すると、制御器は、ロードセルLC5からの出力信号に基づいて被計量物の投入重量S1を演算できる。
その後、図6に示すように、制御器は、第1中投入計量ホッパ64を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第1中投入計量ホッパゲート67を用いて第1中投入計量ホッパ64の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(図7(a)および図7(b)参照)することができる。
また、図6の第3中投入計量部50Cでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第3中投入カットゲート56を用いて第3中投入シュート63の排出口を開放する。すると、第3中投入シュート63内の被計量物が、第3中投入計量ホッパ66内に中投入(供給)される。
このとき、制御器は、第3中投入シュート63の排出口の開放時間を制御することにより、第3中投入計量ホッパ66への被計量物の投入重量S2を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重(例えば、上記投入重量S1の2倍)に調整することができる。なお、この場合、第3中投入シュート63の排出口の開放時間は、投入重量S2が投入重量S1の2倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T3が経過すると、制御器は、ロードセルLC7からの出力信号に基づいて被計量物の投入重量S2を演算できる。
その後、図6に示すように、制御器は、第3中投入計量ホッパ66を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第3中投入計量ホッパゲート69を用いて第3中投入計量ホッパ66の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(図7(a)および図7(b)参照)することができる。
また、図6の第2中投入計量部50Bでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第2中投入カットゲート55を用いて第2中投入シュート62の排出口を開放する。すると、第2中投入シュート62内の被計量物が、第2中投入計量ホッパ65内に中投入(供給)される。
このとき、制御器は、第2中投入シュート62の排出口の開放時間を制御することにより、第2中投入計量ホッパ65への被計量物の投入重量S3を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重(例えば、上記投入重量S1の4倍)に調整することができる。なお、この場合、第2中投入シュート62の排出口の開放時間は、投入重量S3が投入重量S1の4倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC6での計量安定待ち時間T3が経過すると、制御器は、ロードセルLC6からの出力信号に基づいて被計量物の投入重量S2を演算できる。
その後、図6に示すように、制御器は、第2中投入計量ホッパ65を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第2中投入計量ホッパゲート68を用いて第2中投入計量ホッパ65の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(図7(a)および図7(b)参照)することができる。
また、図6の第4中投入計量部50Dでは、上記被計量物のボリューム投入が行われている間に、第4中投入カットゲート37を用いて第4中投入シュート43の排出口を開放する。すると、第4中投入シュート43内の被計量物が、第4中投入計量ホッパ44内に中投入(供給)される。
このとき、制御器は、第4中投入シュート43の排出口の開放時間を制御することにより、第4中投入計量ホッパ44への被計量物の投入重量S4を被計量物の嵩密度に基づいて所定の比率重(例えば、上記投入重量S1の8倍)に調整することができる。なお、この場合、第4中投入シュート43の排出口の開放時間は、投入重量S4が投入重量S1の8倍なので、第1中投入シュート61の排出口の開放時間および第3中投入シュート63の排出口の開放時間よりも長くなる。そして、ロードセルLC7での計量安定待ち時間T5が経過すると、制御器は、ロードセルLC7からの出力信号に基づいて被計量物の投入重量S4を演算できる。
その後、図6に示すように、制御器は、第4中投入計量ホッパ44を組合せ演算に基づいて選択した場合は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)第4中投入計量ホッパゲート38を用いて第4中投入計量ホッパ44の排出口を開放させ、この排出口から被計量物を組合せ選択排出(図7(a)および図7(b)参照)することができる。
また、図6の小投入計量部30では、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を開放する。すると、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
このとき、制御器は、ロスインホッパ42を支持するロードセルLC8からの出力信号を監視しているので、ロスインホッパ42への被計量物の投入重量が、被計量物の不足分(例えば、前回のサイクルで使用した重量分)に達したときに、ロスイン投入ゲート31を用いてロスイン投入シュート41の排出口を閉めることができる。そして、ロスイン投入におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T7が経過すると、制御器は、適時に(例えば、計量安定待ち時間T1の経過直後に)ロスイン排出ゲート32を用いてロスインホッパ42の排出口を開放させ、ロードセルLC8からの出力信号に基づいて被計量物のロスイン計量の演算を行いながら、この排出口から少量(例えば、上記投入重量S1未満)の被計量物をロスイン排出(図7(a)および図7(b)参照)することができる。なお、ロスイン排出におけるロードセルLC8での計量安定待ち時間T6が経過すると、再び、ロスイン投入シュート41内の被計量物が、ロスインホッパ42内にロスイン投入(供給)される。
このように、本実施形態のパッカースケール100の計量方式は、被計量物のボリューム投入重量MBを演算の後、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の組合せ演算を行い、大投入計量ホッパ21と上記組合せに選ばれた中投入計量ホッパとから被計量物を排出している間に、ロスインホッパ42による被計量物の不足分を補う(排出する)方式である。これにより、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の重量を目標重量MTに最終調整するのに、高精度のロスイン排出を用いることができる。よって、被計量物の計量精度(カット精度)を高精度に維持できる。
ここで、ロスイン排出重量MRを極力、少量に設定する方が、パッカースケール100の能力は向上する。つまり、ロスイン排出重量MRが多くなる程、ロスイン排出による被計量物の排出時間が長くなり、その結果、パッカースケール100の能力が低下する。そして、大投入計量ホッパ21の被計量物の計量および排出の完了までに、ロスインホッパ42による被計量物の補充が間に合わない場合も生じ得る。
一方、ロスイン排出重量MRを少量に設定し過ぎると、ロスイン排出ゲート32の開放時間が短くなり、被計量物の排出量がオーバーする傾向がある。この場合、被計量物の計量精度(カット精度)の悪化を招く。
以上により、ロスインホッパ42による被計量物のロスイン排出では、被計量物のロスイン排出するときの能力および精度の観点から、被計量物の最適重量が存在すると考えられる。
そこで、本実施形態のパッカースケール100では、上記の被計量物のロスイン排出時の最適重量を考慮して、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44による被計量物の組合せ選択排出(以下、「組合せ選択排出」と略す場合がある)、および、ロスインホッパ42による被計量物のロスイン排出(以下、「ロスイン排出」と略す場合がある)の条件を、以下の如く設定することに特徴がある。
[記号の定義]
まず、組合せ選択排出およびロスイン排出の排出条件の設定の説明に用いる記号についてまとめて定義する。なお、図8には、以下の記号のうち、代表的な記号について模式的に図示されている。
MT:目標重量(包装機の容器に入れる被計量物の目標設定値)
MB:ボリューム投入重量(大投入計量ホッパ21に入った被計量物の実重量)
Mm:中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量(実重量)
M1:第1中投入計量ホッパ64内の被計量物の実重量(投入重量S1)
M2:第3中投入計量ホッパ66内の被計量物の実重量(投入重量S2;投入重量S1の約2倍)
M4:第2中投入計量ホッパ65内の被計量物の実重量(投入重量S3;投入重量S1の約4倍)
M8:第4中投入計量ホッパ44内の被計量物の実重量(投入重量S4;投入重量S1の約8倍)
Mk[n]:第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の組合せ選択排出による被計量物の組合せ排出重量(実重量)
Mk[1]:M1
Mk[2]:M2
Mk[3]:M4
Mk[4]:M8
Mk[5]:M1+M2
Mk[6]:M1+M4
Mk[7]:M1+M8
Mk[8]:M2+M4
Mk[9]:M2+M8
Mk[10]:M4+M8
Mk[11]:M1+M2+M4
Mk[12]:M1+M2+M8
Mk[13]:M1+M4+M8
Mk[14]:M2+M4+M8
Mk[15]:M1+M2+M4+M8
MRS:ロスイン排出重量(1サイクル毎の被計量物の実重量)
MRST:ロスイン排出重量(1サイクル毎の設定値)
MRSL:ロスイン排出時の被計量物の最小重量(設定値)
MRSD:ロスイン排出時の被計量物の最適重量(設定値)
M:パッカースケール100からの被計量物のトータル排出重量(ロスイン排出重量MRS+組合せ選択排出による被計量物の組合せ排出重量Mk[n]+ボリューム投入重量MB)
m:目標重量MTからボリューム投入重量MBを差し引いた被計量物の不足重量(MT−MB)
e[n]:被計量物の不足重量mから組合せ排出重量Mk[n]を差し引いた被計量物の差し引き重量(m−Mk[n])
[組合せ選択排出およびロスイン排出の排出条件設定]
図9は、本実施形態のパッカースケールによる被計量物の組合せ選択排出およびロスイン排出の排出条件設定の一例を示したフローチャートである。
図9に示すように、大投入計量ホッパ21へ被計量物が投入され、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1が経過すると、制御器は、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算し(ステップS1)、その後、後述の判定ステップの判定の基準となる被計量物の不足重量m(=MT−MB)を演算する(ステップS2)。つまり、被計量物の不足重量mは、組合せ選択排出およびロスイン排出における被計量物の重量の和に相当するので、制御器は、この不足重量mの値に基づいて、以下の如く、組合せ選択排出およびロスイン排出の排出条件の要否を判定する。
まず、制御器は、被計量物の不足重量mがゼロ以下であるか否かを判定する(ステップS3)。
被計量物の不足重量mがゼロ以下の場合(ステップS3において「YES」の場合)、被計量物のボリューム投入のみで、ボリューム投入重量MB≧目標重量MTとなっている。
よって、ステップS4に示すように、制御器は、組合せ選択排出を不要と判定するとともに(つまり、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmがゼロとなる)、ロスイン排出を不要と判定する(つまり、ロスイン排出重量MRSがゼロとなる)。
この場合、被計量物のトータル排出実重量Mはボリューム投入重量MBに等しい(ステップS4)。なお、被計量物の不足重量mが、目標重量MTの適量範囲(ΔMTU〜ΔMTD)の上限値ΔMTUを超えている場合(つまり、−m>ΔMTUの場合)、被計量物の排出が過量になり、超えていない場合(つまり、−m≦ΔMTUの場合)、被計量物の排出は適量になる。
一方、ステップS3において、被計量物の不足重量mがゼロを超える場合(ステップS3において「NO」の場合)、被計量物のボリューム投入のみでは、ボリューム投入重量MB<目標重量MTとなっている。よって、次の判定ステップS5において、制御器は、被計量物の不足重量mが、目標重量MTの適量範囲(ΔMTU〜ΔMTD)の下限値ΔMTD以下であるか否かを判定する。
被計量物の不足重量mが、目標重量MTの適量範囲(ΔMTU〜ΔMTD)の下限値ΔMTD以下の場合(ステップS5において「YES」の場合)、ボリューム投入重量MBは、目標重量MTの適量範囲内に入る。
よって、ステップS6に示すように、制御器は、組合せ選択排出を不要と判定するとともに(つまり、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmがゼロとなる)、ロスイン排出を不要と判定する(つまり、ロスイン排出重量MRSがゼロとなる)。
この場合、被計量物のトータル排出実重量Mはボリューム投入重量MBに等しい(ステップS6)。
一方、ステップS5において、被計量物の不足重量mが、目標重量MTの適量範囲(ΔMTU〜ΔMTD)の下限値ΔMTDを超える場合(ステップS5において「NO」の場合)、被計量物のボリューム投入のみでは、被計量物の不足重量m>「目標重量MTの適量範囲(ΔMTU〜ΔMTD)の下限値ΔMTD」となっている。よって、次の判定ステップS7において、制御器は、被計量物の不足重量mが、ロスイン排出時の被計量物の最小重量MRSL未満であるか否かを判定する。
被計量物の不足重量mが、ロスイン排出時の被計量物の最小重量MRSL未満の場合(ステップS7において「YES」の場合)、被計量物の排出の不足が生じないよう、被計量物をロスイン排出する必要がある。
よって、ステップS8に示すように、制御器は、ロスイン排出重量MRST(設定値)を上記の最小重量MRSLに設定するとともに、組合せ選択排出を不要と判定する(つまり、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmがゼロとなる)。
この場合、被計量物のトータル排出実重量Mはボリューム投入重量MBにロスイン排出重量MRSを足した値に等しい(ステップS8)。なお、制御器は、ロスイン排出重量MRS(計量安定値)を取得した後、被計量物のトータル排出実重量Mが、目標重量Mの適量範囲に入っているか否かの判定を行うが、被計量物の排出は過量になる可能性が高い。
一方、ステップS7において、被計量物の不足重量mが、ロスイン排出時の被計量物の最小重量MRSL以上の場合(ステップS7において「NO」の場合)、被計量物のボリューム投入のみでは、被計量物の不足重量m>「ロスイン排出時の被計量物の最小重量MRSL」となっている。よって、次の判定ステップS9において、制御器は、被計量物の不足重量mが、ロスイン排出時の被計量物の最適重量MRSD以下であるか否かを判定する(ステップS9)。
被計量物の不足重量mが、ロスイン排出時の被計量物の最適重量MRSD以下の場合(ステップS9にいて「YES」の場合)、被計量物の排出の不足が生じないよう、被計量物をロスイン排出する必要がある。
よって、ステップS10に示すように、制御器は、ロスイン排出重量MRST(設定値)を被計量物の不足重量mに設定するとともに、組合せ選択排出を不要と判定する(つまり、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmがゼロとなる)。
この場合、被計量物のトータル排出実重量Mはボリューム投入重量MBにロスイン排出重量MRSを足した値に等しい(ステップS10)。なお、制御器は、ロスイン排出重量MRS(計量安定値)を取得した後、被計量物のトータル排出実重量Mが、目標重量Mの適量範囲に入っているか否かの判定を行う。
一方、ステップS9において、被計量物の不足重量mが、ロスイン排出時の被計量物の最適重量MRSDを超える場合(ステップS9にいて「NO」の場合)、ステップS11に示すように、ロスイン排出時の被計量物の最適重量MRSDに最も近い重量の被計量物をロスイン排出できる。
具体的には、制御器は、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44の全ての組合せ(n=1〜15)について、各組合せに選ばれた中投入計量ホッパ内の被計量物の合計である組合せ排出重量Mk[n](n=1〜15)を、n=1〜15について順次、演算する。このとき、制御器は、被計量物の不足重量mから組合せ排出重量Mk[n]を差し引くことにより得られる差し引き重量e[n](=m−Mk[n];n=1〜15)が、正の値であって、被計量物の最適重量MRSDに最も近い重量となる組合せ排出重量Mk * [n]を選ぶ。そして、制御器は、選ばれた組合せ排出重量Mk * [n]に対応する中投入計量ホッパ内の被計量物を排出させるよう、中投入計量ホッパによる組合せ選択排出を行う(ステップS11)。
よって、ステップS11に示すように、制御器は、ロスイン排出重量MRST(設定値)を、被計量物の最適重量MRSDに最も近い重量となる差し引き重量e*[n](=m−Mk * [n])に設定するとともに、組合せ選択排出を必要と判定する(つまり、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmは、Mk * [n]となる)。
この場合、被計量物のトータル排出実重量Mはボリューム投入重量MBに、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmおよびロスイン排出重量MRSを足した値に等しい(ステップS11)。なお、制御器は、被計量物のロスイン排出重量MRS(計量安定値)を取得した後、被計量物のトータル排出実重量Mが、目標重量Mの適量範囲に入っているか否かの判定を行う。
但し、全ての組合せ(n=1〜15)において、e[n]−MRSD<0の場合、どの組合せでもロスイン排出時の最適重量MRSDを残すことができないので、制御器は、ロスイン排出重量MRST(設定値)を被計量物の不足重量mに設定するとともに、組合せ選択排出を不要と判定する(つまり、中投入計量部50による被計量物の組合せ排出重量Mmがゼロとなる)。
この場合、被計量物のトータル排出実重量Mはボリューム投入重量MBに、ロスイン排出重量MRSを足した値に等しい(ステップS11)。なお、制御器は、被計量物のロスイン排出重量MRS(計量安定値)を取得した後、被計量物のトータル排出実重量Mが、目標重量Mの適量範囲に入っているか否かの判定を行う。
以上のとおり、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物の重量を目標重量MTに最終調整するのに、高精度のロスイン排出を用いることができる。よって、被計量物の計量精度(カット精度)を高精度に維持できる。
また、本実施形態のパッカースケール100では、被計量物のロスイン排出時の最適重量MRSDを考慮して、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44による被計量物の組合せ選択排出、および、ロスインホッパ42による被計量物のロスイン排出の条件を設定している。よって、被計量物の計量速度および計量精度が従来例よりも向上する。例えば、ロスインホッパ42からの被計量物の排出量を、被計量物の計量精度を確保できる最適重量MRSDに制御しているので、被計量物の計量精度が安定する。また、被計量物の最適重量MRSDに最も近い重量で、被計量物をロスイン排出しているので、ロスイン排出の計量(排出)時間が安定し、被計量物の計量速度の低下を抑制できる。更に、ロスインホッパ42からの被計量物の排出量を最適重量MRSDに最も近い重量に制御しているので、ロスインホッパ42への被計量物の投入時間が安定し、被計量物の計量速度の低下を抑制できる。
なお、本実施形態のパッカースケール100では、ロスイン排出ゲート32の開閉駆動に、ゲート開閉を無段階に制御し得るステッピングモータ35(或いはサーボモータ)を用いているので、被計量物のロスイン排出量を細かく調整できる。よって、被計量物のロスイン排出量の精度を向上できるとともに、ロスイン排出時の被計量物の最小重量MRSLを少なめに設定できるので都合がよい。
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態のパッカースケールの要部を模式的に示した図である。
上記のとおり、パッカースケール100の計量方式は、大投入計量ホッパ21と組合せに選ばれた中投入計量ホッパとから被計量物を排出している間に、ロスインホッパ42による被計量物の不足分を補う(排出する)方式である。
ところで、かかる計量方式では、ロスインホッパ42から被計量物を排出するとき、ロスインホッパ42内の被計量物の量を一定に制御する方が、ロスインホッパ42の被計量物によるヘッド圧が一定に保たれて被計量物の排出時の計量精度(カット精度)が向上する。
そこで、本実施形態のパッカースケール100では、図10に示すように、制御器は、ロスイン投入ゲート31を開き、ロスイン排出ゲート32を閉めることにより、ロスインホッパ42内の被計量物の量が一定の目標投入量になるように(本例では、被計量物の表面が所定のレベルBに位置するように)、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入量を制御している。
この場合、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入量の多寡により、ロスイン投入ゲート31の開閉の制御方式を変える方が都合がよい。
例えば、被計量物のロスイン投入量が多い場合は、制御器は、ロスインホッパ42内の被計量物の量が目標投入量(レベルB)になるように、ロードセルLC8の出力信号に基づいてロスイン投入ゲート31の開閉を制御する方が好ましい。これにより、ロスインホッパ42内の被計量物の量を実際に計量することにより、この被計量物の量が目標投入量(レベルB)になるように高精度に調整できる。一方、被計量物のロスイン投入量が少ない場合は、制御器は、ロスインホッパ42内の被計量物の量が目標投入量(レベルB)になるように、ロスイン投入ゲート31の開放時間に基づいてロスイン投入ゲート31の開閉を制御する方が好ましい。これにより、ロスインホッパ42への被計量物の投入量が過剰になることを防止できる。
そこで、本実施形態では、制御器は、被計量物のロスイン投入時におけるロスインホッパ42内の被計量物の残量に基づいて、以下の如く、ロスイン投入ゲート31の開閉の制御方式を決定している。
[ロスイン投入ゲートの開閉の制御方式]
制御器は、被計量物のロスイン投入時におけるロスインホッパ42内の被計量物の残量と、被計量物の目標投入量と、ロスインホッパ42内の所定の被計量物の下限量(設定値)と、を取得し、上記の被計量物の残量と上記の被計量物の目標投入量および下限量との間の比較に基づいて、ロスイン投入ゲート31の開閉の制御方式を決定している。なお、被計量物の目標投入量とは、ロスインホッパ42のヘッド圧を安定するに必要かつ充分な量であるとともに、ロスインホッパ42からの被計量物の排出量を適切に確保できる量であり、予め設定される値である。
本例では、制御器は、ロードセルLC8を用いて、ロスインホッパ42内の被計量物の残重量Wn(上記の被計量物の残量の一例)と、ロスインホッパ42内の被計量物の目標投入重量Wg(上記の被計量物の目標投入量の一例)と、ロスインホッパ42内の被計量物の下限重量Wl(上記の被計量物の下限量の一例)と、を取得している。
まず、制御器は、被計量物の残重量Wnが被計量物の目標投入重量Wgを超える場合(Wn>Wg)、ロスインホッパ42内の被計量物の重量がすでに、ロスインホッパ42のヘッド圧を安定するに必要な量に到達しているので、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入を禁止する。つまり、制御器は、被計量物のロスイン投入時においても、ロスイン投入ゲート31の閉止状態を維持するようにロスイン投入ゲート31の開閉を制御する。
逆に、制御器は、被計量物の残重量Wnが被計量物の下限重量Wl未満の場合(Wn<Wl)、ロードセルLC8の出力信号に基づいて被計量物のロスイン投入ゲート31の開閉を制御する。つまり、制御器は、ロスイン投入ゲート31を開き、ロスイン排出ゲート32を閉めることにより、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入を行い、ロードセルLC8の出力信号に基づいて実際の被計量物の重量を計量する。そして、制御器は、被計量物の計量値(落差量も考慮)が目標投入重量Wgに等しいときに、ロスイン投入ゲート31を閉めるようにロスイン投入ゲート31の開閉を制御する。これにより、被計量物の落差量を考慮した上で、被計量物のロスイン投入量を正確に制御できる。
一方、制御器は、被計量物の残重量Wnが被計量物の下限重量Wl以上、かつ、目標投入重量Wg以下の場合(Wl≦Wn≦Wg)、制御器は、ロスイン投入ゲート31の開放時間に基づいて前記被計量物のロスイン投入ゲート31の開閉を制御する。つまり、制御器は、ロスイン投入ゲート31を開き、ロスイン排出ゲート32を閉めることにより、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入を行い、ロスイン投入ゲート31の開放時間に基づいて被計量物のロスイン投入量を予測する。そして、制御器は、被計量物の予測値が目標投入重量Wgに等しいときに、ロスイン投入ゲート31を閉めるようにロスイン投入ゲート31の開閉を制御する。
例えば、ロスイン投入ゲート31の開放時間Tは、以下の計算式(1)により簡易的に導くことができる。
T=(Wg−Wn)・Tk/100+Tb・・・(1)
ただし、上記式(1)において、Tkは100.0gあたりのロスイン投入ゲート31の開放時間を0.01秒単位で設定した値である。また、Tbはロスイン投入ゲート31開の固定時間を0.01秒単位で設定した値である。このようにして、被計量物の残重量Wnと目標投入重量Wgとの差にTkを乗算し、Tbを加算した時間、ロスイン投入ゲート31が開放される。
これにより、被計量物の残重量Wnと目標投入重量Wgとの差がさほど大きくない場合、ロスインホッパ42への被計量物の投入量が過剰になることを防止できる。具体的には、ロスイン投入ゲート31を開けたとき、被計量物が一気にロスインホッパ42に投入される。すると、ロードセルLC8の出力信号が検知されるとき、被計量物のロスイン投入重量(落差量も考慮)が目標投入重量Wgを超え、ロスインホッパ42内の被計量物の重量がオーバーシュートする場合がある。この場合、上記のとおり、制御器は、ロードセルLC8の出力信号に頼らず、ロスイン投入ゲート31の開放時間Tに基づいて被計量物のロスイン投入量を予測し、被計量物の予測値が目標投入重量Wgになるよう、ロスイン投入ゲート31の開閉をタイマー調整する方が好ましい。
なお、本実施形態のパッカースケール100では、ロスイン投入ゲート31の開閉駆動に、ゲート開閉を無段階に制御し得るステッピングモータ34(或いはサーボモータ)を用いているので、被計量物のロスイン投入量を細かく調整できる。よって、制御器は、ロスイン投入ゲート31の開度に基づいて被計量物のロスイン投入量を予測し、被計量物の予測値が目標投入重量Wgになるよう、ロスイン投入ゲート31の開閉を開度で調整してもよい。
以上のとおり、本実施形態のパッカースケール100では、制御器は、ロスイン投入ゲート31を開き、ロスイン排出ゲート32を閉めることにより、ロスインホッパ42内の被計量物の量が一定の目標投入量になるように(本例では、被計量物の表面が所定のレベルBに位置するように)、ロスインホッパ42への被計量物のロスイン投入量を制御している。よって、ロスインホッパ42のヘッド圧が一定になるので、被計量物の計量速度および計量精度が従来例よりも向上する。例えば、ロスインホッパ42のヘッド圧を一定にして被計量物をロスイン排出しているので、ロスイン排出の計量(排出)時間が安定し、被計量物の計量速度の低下を抑制できる。また、ロスイン排出の精度も安定化し、被計量物の計量精度の低下を抑制できる。
また、本実施形態のパッカースケール100では、制御器は、被計量物のロスイン投入時におけるロスインホッパ42内の被計量物の残量に基づいて、ロスイン投入ゲート31の開閉の制御方式を適切に決定している。よって、ロスインホッパ42内の被計量物の量が一定の目標投入量になるように、ロスイン投入ゲート31の開閉の制御方式を適切に選択でき、その結果、被計量物の計量速度および計量精度が従来例よりも向上する。
また、本実施形態のパッカースケール100では、ロスイン投入ゲート31の開閉駆動にステッピングモータ34(或いはサーボモータ)を用いることにより、被計量物のロスイン投入量が多い場合は、ロスイン投入ゲート31の開度を大きくし、ロスイン投入量が少ない場合は、ロスイン投入ゲート31の開度を小さくする等、ロスイン投入ゲート31の開閉を無段階に制御できる。よって、被計量物の投入時間を更に安定に制御でき、ひいては、被計量物の計量速度の低下を抑制できる。
(第3実施形態)
上記のとおり、制御器は、大投入計量ホッパ21への被計量物のボリューム投入後、ロードセルLC1、LC2、LC3、LC4での計量安定待ち時間T1を経過すると、大投入計量ホッパ21を支持するロードセルLC1、LC2、LC3、LC4のそれぞれからの出力信号に基づいてボリューム投入重量MBを演算できる。このため、第1、第2、第3および第4中投入計量ホッパ64、65、66、44における組合せ演算に用いる組合せ目標重量は、被計量物の目標重量MTと被計量物のボリューム投入重量MBと被計量物のロスイン排出重量MRとに基づいて設定できる。換言すると、被計量物のロスイン排出重量MRは、被計量物の目標重量MT、上記組合せ目標重量および被計量物のボリューム投入重量MBに基づいて予め設定されている。
例えば、図7(b)に示すように、ロスイン排出において好都合なロスイン排出重量MRを予め定め、被計量物の目標重量MTからロスイン排出重量MRを差し引き、この差分重量(MT−MR)と被計量物のボリューム投入重量MBとの差を、上記組合せ目標重量として設定できる。
ところで、第1実施形態では、制御器は、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を常時監視し、これにより、被計量物の排出前の初期重量から丁度設定された重量分だけ、ロスインホッパ42内の被計量物の重量が減少したときに、ロスインホッパ42の排出口を、ロスイン排出ゲート32を用いて閉めるよう、ロスイン排出ゲート32の開閉を制御している。つまり、第1実施形態のパッカースケール100では、被計量物のロスイン排出量が、ロスイン計量排出方式により調整されている。
ところで、本件発明者等は、鋭意研究の結果、上記のロスイン計量排出方式に、以下の不都合があることに気がついた。
ロスイン排出ゲート32の開閉時において、ロードセルLC8の計量値を変動させる外乱(ゲート駆動時の振動等)がロードセルLC8に与えられる。すると、ロードセルLC8の出力信号が安定しない期間が、ロスイン排出ゲート32の開閉において必然的に発生する。そして、このような現象が、ロスイン排出重量MRを極少量に設定することによって、パッカースケール100の能力を大幅に向上する際の技術的な障害となることが次第に分かってきた。例えば、ロスイン排出重量MRを極少量に設定した場合(つまり、ロスイン排出時間を極短時間にした場合)、ロスイン排出ゲート32のカット点が適切に定まらない。これにより、被計量物の落差量が安定せず、ひいては、被計量物の計量精度(カット精度)が悪化する。換言すると、ロスイン計量排出方式の場合、ロードセルLC8の出力信号の計量安定時間が、被計量物のロスイン排出時間の短縮化を阻害し、パッカースケール100の1サイクル時間の更なる短縮化を実現する場合のボトルネックとなっている。また、包装機への被計量物の充填時間の更なる短縮化を実現する場合のボトルネックにもなっている。
そこで、本実施形態のパッカースケール100では、ロスインホッパ42から排出される被計量物の重量を、極少量のロスイン排出重量MRにできるよう、ロスイン排出ゲート32の開放時間に基づいてロスイン排出ゲート32の開閉を制御することに特徴がある。つまり、本実施形態では、被計量物のロスイン排出量が、タイマー排出方式により調整されている。具体的には、制御器は、ロスイン排出ゲート32の開放時間に基づいて被計量物のロスイン排出量を予測し、被計量物の予測値が、極少量のロスイン排出重量MRになるように、ロスイン排出ゲート32の開閉をタイマー調整する。また、制御器は、被計量物をロスイン排出した後、ロードセルLC8を用いてロスインホッパ42内の被計量物の重量を計量することにより、被計量物のロスイン排出量を導き、これを適宜の表示器に表示させて作業者に報知する。
なお、本実施形態のパッカースケール100では、ロスイン排出ゲート32の開閉駆動に、ゲート開閉を無段階に制御し得るステッピングモータ34(或いはサーボモータ)を用いているので、被計量物のロスイン排出量を細かく調整できる。よって、制御器は、ロスイン排出ゲート32の開度に基づいて被計量物のロスイン投入量を予測し、被計量物の予測値がロスイン排出重量MRになるよう、ロスイン投入ゲート31の開閉を開度で調整してもよい。
以上により、本実施形態のパッカースケール100では、ロードセルLC8の出力信号の計量安定時間に関係なく、ロスイン排出ゲート32を極短時間で開閉できる(つまり、ロスイン排出重量MRを極少量に設定できる)。よって、第1実施形態における被計量物のロスイン計量排出方式に比べて、被計量物のロスイン排出時間を大幅に短縮でき、ひいては、パッカースケール100の1サイクル時間の更なる短縮化、および、包装機への被計量物の充填時間の更なる短縮化を実現できる。