JP2013108451A - 自吸式遠心ポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大小2個のうず形室を備え、小うず形室の始まる部位と羽根車外周部との間隙を大うず形室での間隙より大きくして、自吸作動時に小うず形室から大うず形室へ向かう自吸水循環流を発生させ、大うず形室の吐出部が上向き筒状となって形成された自吸水分離室に小うず形室からの噴出流を流出させて、気水分離を行う自吸式遠心ポンプにおいて、自吸水分離室が有底筒状に形成され、その筒底中心部近傍が、大うず形室からの流路の自吸水分離室内への開口部の断面下部よりも低い位置となるよう形成されたり、流過流体の運動に干渉する凹凸状の内壁を有しない室を構成するよう形成された。
【選択図】図1
Description
ここに、本明細書、請求の範囲、並びに要約書中、「水」の語は液体を総称し、「空気」の語は気体を総称するものとする。
これら原発明諸件の遠心ポンプ部分は、自吸作動中の自吸水循環流路と正規揚水中の吐出流路とが共通であるという、それ迄の各種自吸式遠心ポンプ装置にはなかった基本的特徴を有しており、多様な仕様条件に応じるべく各種改良がなされて、優れた自吸性能と揚水性能を発揮してきた。
これらを解決すべく発明された原発明3の装置においては、空洞受けを取り去ってはいるが、その代わりに設けた螺旋状案内に多数の凹凸部があるため、洗浄が容易でないという問題に関しては、依然として抜本的解決とはなっていない。
ポンプケーシング内に大小2個のうず形室を形成させ、該うず形室の始まる部位と羽根車の外周部との間隙について、小うず形室との間隙を大うず形室との間隙より大きくすることにより、自吸作動時に、小うず形室から大うず形室へ向かって自吸水循環流を発生させ、大うず形室のディフューザー部が上向きの筒状になって形成された自吸水分離室に対して、小うず形室の噴出流路からの自吸水循環流を誘導流出させて、該自吸水分離室内で気水分離を行わせる自吸式遠心ポンプ装置において、
前記自吸水分離室が有底筒状に形成され、その筒底中心部近傍が、前記大うず形室からの流路の該自吸水分離室内への開口部の断面下部よりも低い位置となるよう形成されたことを主な特徴としている。
又、前記大うず形室からの流路の前記自吸水分離室内への開口部が、該自吸水分離室に対して接線方向から巻き込まれる形状に形成されてもよい。
ポンプケーシング内に大小2個のうず形室を形成させ、該うず形室の始まる部位と羽根車の外周部との間隙について、小うず形室との間隙を大うず形室との間隙より大きくすることにより、自吸作動時に、小うず形室から大うず形室へ向かって自吸水循環流を発生させ、大うず形室のディフューザー部が上向きの筒状になって形成された自吸水分離室に対して、小うず形室の噴出流路からの自吸水循環流を誘導流出させて、該自吸水分離室内で気水分離を行わせる自吸式遠心ポンプ装置において、
前記自吸水分離室が有底筒状に形成されると共に、流過流体の運動に干渉する狭隘部、ガイド、邪魔板、突起を含む凹凸状の内壁を有しない室を構成するよう形成され、
前記小うず形室からの流路の前記自吸水分離室内への開口部が、該自吸水分離室に対して接線方向から巻き込まれる形状に形成されたことを主な特徴としている。
又、前記自吸水分離室からの吐出流路中に、縮径部が設けられてもよい。
又、前記羽根車の回転軸が貫通する前記ケーシングの軸封部近傍に、洗浄液注入口が設けられてもよい。
又、前記軸封部近傍に設けられた洗浄液注入口が、前記ケーシングの前記羽根車外周部近傍に臨む部位又は前記自吸水分離室に連通可能にされてもよい。
又、前記ポンプ装置の揚液吸込配管の最頂部における管路断面下部が、前記羽根車の上端付近又はそれよりも高い位置となるよう配管され、該吸込配管の途中又は管端に逆流防止弁が配設されてもよい。
図1〜図3において、1はケーシング、3は吸込カバー、4は羽根車、5は羽根、6は回転軸、7は軸封部、8は軸受部、aは入口流路、iは吐出流路である。ケーシング1の中の対称的位置に、小うず形室v1は上向きに、大うず形室v2は下向きに設けられており、小うず形室v1の始まる部位は羽根車4の吸込口より下部に位置し、大うず形室v2の始まる部位は羽根車4の吸込口より上部に位置している。又、羽根車4の外周部と小うず形室v1の始まる部位との間隙s1は、大うず形室v2の始まる部位との間隙s2より大きく形成されており、これによって自吸作動時に、ポンプ内に貯留されていた自吸水が、小うず形室v1から大うず形室v2へ向かって循環する流れ、即ち自吸水循環流を発生させるようになっている。
この自吸水分離室eへの流路開口部m1の巻き込みの方向については、図示例のような上から見た時計方向でもよいし、反時計方向を選択してもよい。
即ち、小うず形室v1からの流路の自吸水分離室e内への開口部m1が、該分離室eの内壁面に対してほぼ接線方向から巻き込まれる形状に形成されているので、噴出した自吸水(気水混合体)は、自らの噴出の勢いにより、直立した筒状の自吸水分離室eの壁面に沿って旋回流となり、気泡分はその遠心分離効果により、瞬時に該分離室eの中心に逆円錐状の竜巻状空洞を形成し、遠心分離された空気は吐出流路i側へ浮上排出される。
この実施例2は、実施例1のものにおける大うず形室v2からの流路の自吸水分離室e内への開口部m2についての各種形態例を示したものである。具体的には、該分離室eの内壁面に対してほぼ接線方向から巻き込まれる形状に形成して、その巻き込み方向を、小うず形室v1からの流路の開口部m1の巻き込み方向と合致させてもよいし、あるいは反対方向を選択しても、巻き込み無しで該分離室eの中心方向に開口することを選択してもよく、その夫々に特徴がある。
その他の構成及び作用は実施例1と同様である。
この実施例3は、実施例2のものの自吸水分離室eが、筒径が一定でない形状に形成されたものである。
本図においては、該分離室e下部の筒形状が上向きに開いた直線的なコーン状のものを例示しているが、これに限らず、曲線的なラッパ状や逆釣鐘状など各種形状を選択してもよい。いずれの形状でも、下に向かって縮径する場合、自吸旋回流は下に行くほど回転数が上昇することとなるので、それだけ遠心分離が強力に行われ、明確な竜巻状空洞が生成されるという特徴がある。
その他の構成及び作用は実施例2と同様である。
この実施例4は、実施例2のものの自吸水分離室底部fを、孔部hを有する内向きの鍔で覆われる形状に替えたものである。
実施例2のものは、自吸旋回流による竜巻状空洞の尾底部が着床している自吸水分離室底部fから、大うず形室向け流路開口部m2にかけて、空洞尾底部が乗り越えにくい段差、即ち流路開口部断面下部gと自吸水分離室底部f間の高低差(g−f)を設けることによって、空洞尾底部を自吸水分離室底部fに閉じ込めるものであるが、この実施例4の内向きの鍔を設けることによって、更に空洞尾底部が乗り越えにくい段差となる。
その他の構成及び作用は実施例2と同様である。
この実施例5は、実施例4のものの自吸水分離室底部fの周辺に、適宜個数のフィン12を配設したものである。
このフィン12は、自吸作動時に、竜巻状空洞の尾底部が内向きの鍔の孔部hを通過して自吸水分離室底部fに着床している際には、その竜巻の回転を邪魔することはないが、その尾底部が移動しようとする場合は、尾底部の移動を邪魔すると共にその尾底部を崩壊させる働きをするので、竜巻状空洞の大うず形室v2への侵入を効果的に阻止できるものである。
その他の構成及び作用は実施例4と同様である。
この実施例6は、自吸水分離室eが有底筒状に形成されると共に、流過流体の運動に干渉する狭隘部、ガイド、邪魔板、突起を含む凹凸状の内壁を有しない室を構成するよう形成された上で、小うず形室v1からの流路が該分離室eに接線方向から巻き込まれているものであり、この構成によれば、実施例1において設けられていた段差、即ち流路開口部m2断面下部gと自吸水分離室底部f間の高低差(g−f)が縮小でき、最終的にこの段差をゼロとすることも可能であることを例示した。
具体的には、自吸水分離室e内で発生する旋回流による竜巻状空洞の尾底部が大うず形室v2に侵入して自吸作動を阻害するのを防止するために、該竜巻状空洞の形状と位置を安定させる強力な回転力を維持することに重点を置くものである。
この場合、洗浄液注入口10の自吸水分離室e内への流入角度・流路形状は適宜選択してよいのであるが、該分離室eに接線方向から巻き込まれる流路形状に形成しておけば、洗浄液が該分離室e内を旋回しながら隅々まで良く行き渡るので、洗浄効果を向上させることができる。
その他の構成及び作用は実施例1と同様である。
この実施例7は、実施例6のものの自吸水分離室eが、筒径が一定でない形状に形成されたものである。本図においては、該分離室e下部の筒形状が上向きに開いた直線的なコーン状のものを例示しているが、これに限らず、曲線的なラッパ状や逆釣鐘状など各種形状を選択してもよい。いずれの形状でも、下に向かって縮径する場合、自吸旋回流は下に行くほど回転数が上昇することとなるので、それだけ遠心分離が強力に行われ、明確な竜巻状空洞が生成されるという特徴がある。
その他の構成及び作用は実施例6と同様である。
この実施例8は、軸封部7近傍に設けられた洗浄液注入口9が、ケーシング1の羽根車4外周部近傍に臨む部位又は自吸水分離室eに連通可能にされたものである。
洗浄液注入口9のケーシング1内への流入角度・流路形状は適宜選択してよいのであるが、本実施例においては、洗浄液がケーシング1の軸封部7のある室内を旋回しながら隅々まで良く行き渡るように、該室内に接線方向から巻き込まれる流路形状に形成されたものが例示されている。
その他の構成及び作用は前述の各実施例と同様である。
この実施例9は、揚液の吸込流路が、羽根車4から見て駆動機(図示は省略)の側に配置されるポンプ構造に構成されたものである。
この場合は、吐出配管のみならず吸込配管もケーシング1に装着されており、前述の各実施例におけるようなポンプ分解時の吸込側の配管の取り外しは不要であり、ポンプ分解時には、吸込カバー3を外すのみで内部が露出するので、分解点検作業が極めて楽になる。
その他の構成及び作用は前述の各実施例と同様である。
この実施例10は、自吸作動に必要となる自吸水を自動的に貯留する手段の一例を示したもので、本ポンプ装置の揚液吸込配管31の一部を持上げた曲管とし、その最頂部における管路断面下部jが、羽根車4の上端付近又はそれよりも高い位置となるよう配管し、吸込配管31の途中又は管端に逆流防止弁32を配設するというものである。更に吸込配管31の管端には、揚液の洗浄性の向上及び目詰まり防止のためのストレーナー33等を設けてもよい。
なお、羽根車4について、軸スラストの低減と洗浄性の向上のために、オープン羽根形式としたものを例示した。
その他の構成及び作用は前述の各実施例と同様である。
回転軸6を回転させる原動機については、使用条件に応じて適宜選択してよい。例えば、本装置を水中モーターと一体構造にしてそのモーターの回転軸を本装置の回転軸6としてそのまま用いる方法をとれば、本装置の軸受部8は不要となってコンパクトになる上、洗浄時のモーター防水対策も不要となり、更には、本装置をモーターと共に液中に沈めて設置することも可能となる。
その他、本発明の趣旨の範囲内で、その構成要素の個数、配置、組合わせを変更したり、従来技術手段を追加するなど、種々設計変更可能であり、更に素材材質も適宜選択可能であり、本発明を前記の各実施例に限定するものではない。
2 下蓋部材
3 吸込カバー
4 羽根車
5 羽根
6 回転軸
7 軸封部
8 軸受部
9 洗浄液注入口
10 洗浄液注入口
11 ドレン
12 フィン
13 吐出配管
14 開口
15 呼水漏斗
21,22,23 配管
24,25,26,27,28,29 弁
31 吸込配管
32 逆流防止弁
33 ストレーナー
41 逆向き螺旋状案内
a 入口流路
v1 小うず形室
v2 大うず形室
s1 小うず形室の始まる部位の間隙
s2 大うず形室の始まる部位の間隙
c1 小うず形室の噴出流路
c2 大うず形室の噴出流路
m1 小うず形室からの流路の自吸水分離室内への開口部
m2 大うず形室からの流路の自吸水分離室内への開口部
e 自吸水分離室
f 自吸水分離室底部
g 大うず形室からの流路の開口部の断面下部
h 孔部
i 吐出流路
j 吸込配管最頂部の管路断面下部
Claims (11)
- ポンプケーシング内に大小2個のうず形室を形成させ、該うず形室の始まる部位と羽根車の外周部との間隙について、小うず形室との間隙を大うず形室との間隙より大きくすることにより、自吸作動時に、小うず形室から大うず形室へ向かって自吸水循環流を発生させ、大うず形室のディフューザー部が上向きの筒状になって形成された自吸水分離室に対して、小うず形室の噴出流路からの自吸水循環流を誘導流出させて、該自吸水分離室内で気水分離を行わせる自吸式遠心ポンプ装置において、
前記自吸水分離室が有底筒状に形成され、その筒底中心部近傍が、前記大うず形室からの流路の該自吸水分離室内への開口部の断面下部よりも低い位置となるよう形成されたことを特徴とする、自吸式遠心ポンプ装置。 - 前記小うず形室からの流路の前記自吸水分離室内への開口部が、該自吸水分離室に対して接線方向から巻き込まれる形状に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記大うず形室からの流路の前記自吸水分離室内への開口部が、該自吸水分離室に対して接線方向から巻き込まれる形状に形成されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- ポンプケーシング内に大小2個のうず形室を形成させ、該うず形室の始まる部位と羽根車の外周部との間隙について、小うず形室との間隙を大うず形室との間隙より大きくすることにより、自吸作動時に、小うず形室から大うず形室へ向かって自吸水循環流を発生させ、大うず形室のディフューザー部が上向きの筒状になって形成された自吸水分離室に対して、小うず形室の噴出流路からの自吸水循環流を誘導流出させて、該自吸水分離室内で気水分離を行わせる自吸式遠心ポンプ装置において、
前記自吸水分離室が有底筒状に形成されると共に、流過流体の運動に干渉する狭隘部、ガイド、邪魔板、突起を含む凹凸状の内壁を有しない室を構成するよう形成され、
前記小うず形室からの流路の前記自吸水分離室内への開口部が、該自吸水分離室に対して接線方向から巻き込まれる形状に形成されたことを特徴とする、自吸式遠心ポンプ装置。 - 前記自吸水分離室が、筒径が一定でない形状に形成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記自吸水分離室からの吐出流路中に、縮径部が設けられたことを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記自吸水分離室の上部に、洗浄液注入口が設けられたことを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記羽根車の回転軸が貫通する前記ケーシングの軸封部近傍に、洗浄液注入口が設けられたことを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記軸封部近傍に設けられた洗浄液注入口が、前記ケーシングの前記羽根車外周部近傍に臨む部位又は前記自吸水分離室に連通可能にされたことを特徴とする、請求項8に記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記ポンプ装置の揚液吸込流路が、前記羽根車の駆動機側に配置されるポンプ構造に構成されたことを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の自吸式遠心ポンプ装置。
- 前記ポンプ装置の揚液吸込配管の最頂部における管路断面下部が、前記羽根車の上端付近又はそれよりも高い位置となるよう配管され、該吸込配管の途中又は管端に逆流防止弁が配設されたことを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の自吸式遠心ポンプ装置。
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JP7412828B2 (ja) | 2019-12-10 | 2024-01-15 | 株式会社HataLuck and Person | システム、情報処理装置及びプログラム |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
WO1995012760A1 (fr) * | 1993-11-01 | 1995-05-11 | Kabushiki Kaisha Yokota Seisakusho | Pompe centrifuge auto-aspirante |
JP2007051554A (ja) * | 2005-08-15 | 2007-03-01 | Dmw Corp | 自吸式ポンプ |
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WO1995012760A1 (fr) * | 1993-11-01 | 1995-05-11 | Kabushiki Kaisha Yokota Seisakusho | Pompe centrifuge auto-aspirante |
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