JP2013105104A - 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物を含有する、光学フィルム。
【化1】
(式(1)中、Cycは、2価の5員環または6員環を含む環状基を表し、前記5員環または6員環は、他の環と縮合していてもよく;R3は、前記環状基が有する置換基を表し;jは、0〜4の整数を表し、jが0であるとき、前記5員環または6員環は、他の環と縮合しており;L1およびL2は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−NRa−(Raは、炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子)、−S−、−SO2−および−CH2−からなる群より選ばれる2価の連結基を表し;Str1およびStr2は、それぞれ独立にステロイド類の残基を表し;R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し;mおよびnは、それぞれ独立に0〜10の整数を表す)
【選択図】なし
Description
Cycは、2価の5員環または6員環を含む環状基を表し、前記5員環または6員環は、他の環と縮合していてもよく;
R3は、前記環状基が有する置換基を表し;
jは、0〜4の整数を表し、jが0であるとき、前記5員環または6員環は、他の環と縮合しており;
L1およびL2は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−NRa−(Raは、炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子)、−S−、−SO2−および−CH2−からなる群より選ばれる2価の連結基を表し;
Str1およびStr2は、それぞれ独立にステロイド類の残基を表し;
R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し;
mおよびnは、それぞれ独立に0〜10の整数を表す)
[2] 前記一般式(1)で表される化合物において、前記(R3)jを有するCycが、下記一般式(2)または一般式(3)で表される構造を含む、[1]に記載の光学フィルム。
X1およびX2は、それぞれ独立に−S−、−O−または−NRb−(Rbは、炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子)を表し;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し;
−*は、前記L1またはL2との連結部を表す)
X3は、−S−、−O−または−NRb−(Rbは、炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子)を表し;
R6は、水素原子または置換基を表し;
−*は、前記L1またはL2との連結部を表す)
[3] 前記一般式(1)で表される化合物において、前記ステロイド類の残基に含まれるステロイド核の3位または17位の炭素原子と、前記L1またはL2とが直接または連結基を介して結合している、[1]または[2]に記載の光学フィルム。
[4] 前記一般式(1)で表される化合物において、前記(R1)mを有するStr1または前記(R2)nを有するStr2は、コレステロール誘導体またはコール酸誘導体から誘導される、[1]〜[3]のいずれかに記載の光学フィルム。
[5] セルロースエステルをさらに含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の光学フィルム。
[6] 前記セルロースエステルのアシル基の総置換度が2.4以上3.0以下である、[5]に記載の光学フィルム。
[7] 23℃、55%RHの環境下で、波長590nmの光における、下記式(I)で表されるリターデーションRoが40〜100nm、下記式(II)で表されるRthが100〜300nmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の光学フィルム。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
nyは、光学フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;
d(nm)は光学フィルムの厚みを表す)
[8] 前記光学フィルムの膜厚が20〜35μmである、[1]〜[7]のいずれかに記載の光学フィルム。
[10] 液晶セルと、前記液晶セルを挟持する一対の偏光板と、を含む液晶表示装置であって、前記一対の偏光板のうち少なくとも一方は、[9]に記載の偏光板である、液晶表示装置。
[11] 前記液晶セルは、VA方式の液晶セルである、[10]に記載の液晶表示装置。
本発明の光学フィルムは、一般式(1)で表される化合物を含有する。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等);アルキル基(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等);シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基等);アルケニル基(ビニル基、アリル基等);シクロアルケニル基(2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル基等);アルキニル基(エチニル基、プロパルギル基等);アルキリデン基;アリール基(フェニル基、p−トリル基、ナフチル基等);ヘテロアリール基(2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基等);アルキルオキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2−メトキシエトキシ基等);アリールオキシ基(フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ基等);アルキルカルボニル基(アセチル基等);アリールカルボニル基(ピバロイルベンゾイル基等);アルキルオキシカルボニル基;アリールオキシカルボニル基;アルキルカルボニルオキシ基(ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロイルオキシ基等);アリールカルボニルオキシ基(ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ基等);アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキサデシルチオ基等);アリールチオ基(フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−メトキシフェニルチオ基等);ヘテロアリールチオ基;アリールスルホニル基;アミノ基(アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニルアミノ基等);アシルアミノ基(ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等);アルキルスルホニルアミノ基(メチルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基等);アリールスルホニルアミノ基(フェニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニルアミノ基等);スルファモイル基(N−エチルスルファモイル基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル基、N−(N’フェニルカルバモイル)スルファモイル基等);カルバモイル基(カルバモイル基、N−メチルカルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチルスルホニル)カルバモイル基等);ヒドロキシル基;シアノ基;ニトロ基;カルボキシル基;スルホ基;メルカプト基;またはこれらの2以上を組み合わせた基でありうる。これらの2以上を組み合わせた基の例には、アルキル基の一部がハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルキルオキシ基、シクロアルキル基、またはフェニル基などで置換された基などが含まれる。複数のR3が、互いに結合して環を形成してもよい。
セルロースエステルは、特に限定されないが、セルロースを、炭素数2〜22程度の脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸でエステル化して得られる化合物でありうる。脂肪族カルボン酸は、直鎖または分岐の脂肪族カルボン酸であってもよいし、環を有してもよく、置換基をさらに有してもよい。セルロースエステルは、セルロースを、炭素数6以下の低級脂肪酸でエステル化して得られる化合物であることがより好ましい。
式(a) 2.4≦X+Y≦3.0
式(b) 0≦Y≦1.5
(式中、Xはアセチル基の置換度を示し、Yはプロピオニル基またはブチリル基、もしくはそれらの混合物の置換度を示す)
式(a) 2.4≦X+Y≦3.0
式(b1) 0.1≦Y≦1.5
式(c1) 1.0≦X≦2.4
溶媒:メチレンクロライド
カラム:Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製)を3本接続して使用する。
カラム温度:25℃
試料濃度:0.1質量%
検出器:RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ:L6000(日立製作所(株)製)
流量:1.0ml/min
校正曲線:標準ポリスチレンSTK standardポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1.0×106〜5.0×102までの13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に選択することが好ましい。
セルロースエステルと併用されうる樹脂の例には、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂(ノルボルネン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、環状共役ジエン系樹脂、ビニル脂環式炭化水素系樹脂等)等が含まれ、なかでもポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂の少なくとも一以上である。セルロースエステル以外の樹脂の含有量は、セルロースエステルに対して5〜70質量%であることが好ましい。
本発明の光学フィルムに含有される糖エステル化合物は、糖に含まれる水酸基とモノカルボン酸とをエステル化反応させて得られる化合物である。
セロトリオース、マルトトリオース、ラフィノース、ケストース、ゲンチオトリオース、キシロトリオースなどの三糖;ニストース、1F−フラクトシルニストース、スタキオース、ゲンチオテトラオース、ガラクトシルスクロースなどの四糖以上の多糖などが含まれる。糖エステル化合物を構成する糖の例には、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖などのオリゴ糖も含まれる。これらのオリゴ糖は、澱粉やショ糖に、アミラーゼ等の酵素を作用させて製造される。
可塑剤の例には、ポリエステル系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤(フタル酸エステル系可塑剤を含む)、グリコレート系可塑剤、エステル系可塑剤(脂肪酸エステル系可塑剤を含む)、およびアクリル系可塑剤などが好ましい。これらは単独で用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
多価アルコールエステル系可塑剤は、2価以上の脂肪族多価アルコールと、モノカルボン酸とのエステル化合物(アルコールエステル)であり、好ましくは2〜20価の脂肪族多価アルコールエステルである。多価アルコールエステル系化合物は、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
多価カルボン酸エステル系可塑剤は、2価以上、好ましくは2〜20価の多価カルボン酸と、アルコール化合物とのエステル化合物である。多価カルボン酸は、2〜20価の脂肪族多価カルボン酸であるか、3〜20価の芳香族多価カルボン酸または3〜20価の脂環式多価カルボン酸であることが好ましい。
アクリル系可塑剤は、少なくとも分子内に芳香環と水酸基の両方を有しないエチレン性不飽和モノマーXaと、分子内に芳香環を有さず、水酸基を有するエチレン性不飽和モノマーXbとを重合成分とする重合体X、または分子内に芳香環を有しないエチレン性不飽和モノマーYaを重合成分とする重合体Yであることが好ましい。エチレン性不飽和モノマーは、好ましくは(メタ)アクリル酸エステルである。
一般式(X)
−[CH2−C(−Rc)(−CO2Rd)]m−[CH2−C(−Re)(−CO2Rf−OH)−]n−[Xc]p−
一般式(Y)
Ry−[CH2−C(−Rg)(−CO2Rh−OH)−]k−[Yb]q−
本発明の光学フィルムは、液晶表示品質を向上させるために、リターデーション制御剤をさらに含んでもよい。リターデーション制御剤は、欧州特許911656A2号明細書に記載されるような、二つ以上の芳香環を有する芳香族化合物や、特開2006−2025号公報に記載の棒状化合物などが含まれる。リターデーション制御剤は、一種類であってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。
本発明の光学フィルムは、光学フィルムの耐久性を向上させるために、紫外線吸収剤をさらに含んでもよい。紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物であり、好ましくは波長370nmでの透過率が10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である化合物である。
本発明の光学フィルムは、例えば高湿高温下で生じやすい光学フィルムの劣化を防止するために、酸化防止剤をさらに含んでもよい。酸化防止剤は、光学フィルム中の残留溶媒量のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸等による分解を遅延または防止する機能を有する。
本発明の光学フィルムは、滑り性を向上させるために、微粒子をさらに含んでもよい。微粒子は、無機微粒子であっても有機微粒子であってもよい。
式(I) R0=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の遅相軸方向の屈折率、ny:フィルム面内において、遅相軸に対して直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
1)フィルムの平均屈折率を屈折計により測定する。
2)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させたときの面内方向のレターデーションR0を測定する。
3)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。θは0°よりも大きく、好ましくは30°〜50°である。
4)測定されたR0およびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出し、Rthを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
DSP=Ro(450)/Ro(630)
DSP=Ro(450)/Ro(630)
本発明の光学フィルムは、前述したセルロースエステルを含む樹脂組成物を得るステップと、前記樹脂組成物を成形して光学フィルムとするステップと、を経て製造されうる。樹脂組成物を成形する方法の例には、溶液流延法、溶融流延法などがあるが、薄膜で平面性の高いフィルムが得られるなどの観点から、溶液流延法であることが好ましい。
前述のセルロースエステルと、必要に応じて添加剤とを溶剤に溶解させてドープを調製する。ドープに含まれるセルロースエステルの濃度は、乾燥負荷を低減するためには高いことが好ましいが、セルロースエステルの濃度が高すぎると濾過しにくく、濾過精度が低下しやすくなる。このため、ドープに含まれるセルロースエステルの濃度は10〜35質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。
i)2枚の偏光板をクロスニコル状態に配置し、それらの間に得られたフィルムを配置する。
ii)一方の偏光板の側から光を当てて、他方の偏光板の側から観察したときに、光が漏れてみえる点(異物)の数をカウントする。
ドープが流延される金属支持体は、表面が鏡面仕上げされたものが好ましい。金属支持体の好ましい例は、ステンレススチールベルトや、鋳物で表面がメッキ仕上げされたドラムなどである。
流延したドープを、残留溶媒が一定以下となるように乾燥させる。金属支持体からウェブを剥離するときのウェブの残留溶媒量は、得られるフィルムの平面性を高めるためには10〜150質量%であることが好ましく、20〜40質量%(低残存溶媒量)または60〜130質量%(高残存溶媒量)であることがより好ましく、20〜30質量%(低残存溶媒量)または70〜120質量%(高残存溶媒量)であることがさらに好ましい。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
ウェブの剥離は、一般的な方法で行われるが、剥離ロールにより剥離することが好ましい。剥離ロールによる剥離は、ウェブが、金属支持体の下面に至り、ほぼ一巡したところで行うことが好ましい。ウェブの剥離張力は、300N/m以下とすることが好ましい。
ウェブの延伸により、所望のレターデーション値RoおよびRthを有する光学フィルムを得る。光学フィルムのレターデーション値RoおよびRthは、ウェブに掛かる張力の大きさを、少なくともウェブの搬送方向(ドープの流延方向)に対して垂直方向(幅方向)に調整することによって制御することができる。
本発明の偏光板は、偏光子と、その一方の面に配置された本発明の光学フィルムとを含み、必要に応じて偏光子の他方の面に配置された偏光板保護フィルムをさらに含んでもよい。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを有する。そして、一対の偏光板のうち少なくとも一方が、前述の光学フィルムを有する偏光板であり、好ましくは一対の偏光板の両方が前述の光学フィルムを有する偏光板である。
1)セルロースエステル
以下のセルロースエステルA〜Dを準備した。
前述の化合物DDS−1〜DDS−18を準備した。さらに、比較化合物として以下を準備した。
(実施例1)
以下の成分を、ディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散させて、微粒子分散液を得た。
〔微粒子分散液〕
微粒子(アエロジル R972V 日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
〔微粒子添加液〕
メチレンクロライド 99質量部
微粒子分散液 5質量部
下記組成のドープ液を調製した。まず、加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを投入した。これらの溶剤に、セルロースエステルAをさらに攪拌しながら投入した。得られた溶液を、加熱下で攪拌しながら溶解させて、化合物DDS−1と、モノペットSB(第一工業製薬社製)と、微粒子添加液と、リターデーション調整剤(A−1)とをさらに添加し、攪拌して完全に溶解させた。得られた溶液を、安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を用いてろ過し、ドープ液を得た。
〔ドープ液の組成〕
メチレンクロライド 340質量部
エタノール 64質量部
セルロースエステルA(アセチル基置換度2.42のセルロースジアセテート) 100質量部
化合物DDS−1 4質量部
モノペットSB(第一工業製薬社製) 1質量部
リターデーション調整剤(A−1) 4質量部
微粒子添加液 1質量部
表2に示されるように、一般式(1)で表される化合物およびその添加量を変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
表3に示されるように、セルロースエステルの種類、一般式(1)で表される化合物の種類およびその添加量をそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
表3に示されるように、セルロースエステルの種類と、セルロースエステルと一般式(1)で表される化合物との量比とを変更し、かつその他の添加剤をさらに含有させた以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
表3に示されるように、セルロースエステルと一般式(1)で表される化合物との量比と、フィルムの膜厚とを変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
表3に示されるように、一般式(1)で表される化合物を比較化合物に変更した以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
表3に示されるように、一般式(1)で表される化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして光学フィルムを得た。
i)得られた光学フィルムを、23℃、55%RHの環境下で2時間調湿した。得られたフィルムの平均屈折率を、アッベ屈折率計(4T)を用いて測定した。また、フィルムの厚さを、市販のマイクロメーターを用いて測定した。
ii)光学フィルムの幅手方向の中央部のリターデーション値を以下のようにして測定した。即ち、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、フィルム法線方向からの波長590nmの光を入射させて、下記式(I)で表される面内方向のリターデーションRoを測定した。また、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長590nmの光を入射させたときのリターデーション値R(θ)を測定した。θは30°〜50°とした。
iii)測定されたR0およびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)によりnx、nyおよびnzを算出し、下記式(II)で表されるRthを算出した。リターデーションの測定は、23℃、55%RH条件下で行った。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nxは、フィルム面内方向で屈折率が最大となる方向xにおける屈折率を示し;
nyは、フィルム面内方向で前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を示し;
nzは、フィルム厚み方向zにおける屈折率を示し;
d(nm)は、フィルム厚みを示す)
前述のリターデーションの測定方法と同様にして、波長450nmの光における面内方向のリターデーションRo(450)と、波長630nmの光における面内方向のリターデーションRo(630)とを測定した。得られたRo(450)とRo(630)を、下記式(III)に当てはめて波長分散性DSPを求めた。この値が1.00以下であることが好ましい。
式(III) DSP=Ro(450)/Ro(630)
得られた光学フィルムを、80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下で1000時間放置した。その後、光学フィルム表面のブリードアウト(結晶析出)の有無を、目視観察した。ブリードアウト耐性の評価を、下記基準に基づいて行った。
A:表面にブリードアウトの発生が全く認められない
B:表面で、部分的なブリードアウトが僅かに認められる
C:表面で、全面に亘りブリードアウトが僅かに認められる
D:表面で、全面に亘り明確なブリードアウトが認められる
ここで、Bレベル以上であれば実用上問題ないが、Aレベルであることが特に好ましい。
5cm×24cmに切り出した光学フィルムを、70℃、1.5モル/Lの水酸化カリウム水溶液40gに30時間浸漬させた。その後、光学フィルムを取り出して得られる水酸化カリウム水溶液の吸収スペクトルを、日立テクノロジーズ社分光光度計U−3310を用いて測定し、三刺激値X、Y、Zを算出した。得られた三刺激値X、Y、Zから、JIS−K7103に基づいて黄色度YIを算出し、下記基準に基づいて鹸化液着色のランク付けをした。
A:黄色度YIが1.0未満
B:黄色度YIが1.0以上3.0未満
C:黄色度YIが3.0以上5.0未満
D:黄色度YIが5.0以上
A〜Cレベルであれば実用上問題ないが、AまたはBレベルであることが好ましく、Aレベルであることが特に好ましい。
(実施例28)
偏光板の作製
厚さ120μmのポリビニルアルコールフィルムを、温度110℃、延伸倍率5倍の条件で一軸延伸した。得られたフィルムを、ヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g、水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、次いでヨウ化カリウム6g、ホウ酸7.5g、水100gからなる68℃の水溶液に浸漬した。浸漬後のフィルムを水洗した後、乾燥させて、厚さ25μmの偏光子を得た。
工程1:光学フィルム101とコニカミノルタタックKC4UYとを、それぞれ60℃の2モル/Lの水酸化ナトリウム溶液に90秒間浸漬した。その後、それぞれのフィルムを水洗した後、乾燥させて、それぞれのフィルムの偏光子と貼り合わせる面を鹸化処理した。
工程2:前述の偏光子を、固形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2秒間浸漬した。
工程3:工程2で偏光子に付着した過剰の接着剤を軽く拭きとった後、偏光子の一方の面に工程1で鹸化処理された光学フィルム101を積層し、他方の面に工程1で鹸化処理されたコニカミノルタタックKC4UYを積層した。
工程4:工程3で得られた光学フィルム101/偏光子/コニカミノルタタックKC4UYの積層物を、圧力20〜30N/cm2、搬送スピード約2m/分の条件で貼り合わせた。
工程5:工程4で貼り合わせた試料を、乾燥機にて80℃で2分間乾燥させて、偏光板101を得た。
光学フィルム101を、表4に示されるように変更した以外は実施例28と同様にして偏光板102〜123および128〜129を得た。
得られた偏光板から、500mm×500mmのサイズの偏光板試料を2枚切り出して、それぞれ80℃、90%RHで100時間熱処理した。熱処理後に得られた2枚の偏光板試料を、互いに吸収軸が直交するように積層した。そして、一方の偏光板試料側から光を照射したときに、他方の偏光板試料側の縁部分で生じる白抜け部分の長さを測定し、偏光板試料の一辺の長さ(500mm)に対する比率を算出した。評価対象となる「白抜け部分」は、偏光板試料の4つの縁部分のそれぞれ中心付近に生じる複数の白抜け部分のうち、最も長いものとした。縁の白抜けは、2つの偏光板試料を互いに吸収軸が直交するように積層した状態で、光を通さない偏光板の縁の部分が光を通す状態になることによって生じるものであり、偏光板の縁の部分で画像表示がされない故障の原因となる。偏光板の耐湿熱性は、以下の基準に基づいて評価した。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:縁の白抜けが5%未満(偏光板として問題ないレベル)
B:縁の白抜けが5%以上10%未満(偏光板として実用上問題ないレベル)
C:縁の白抜けが10%以上20%未満(偏光板として何とか使えるレベル)
D:縁の白抜けが20%以上(偏光板として問題のあるレベル)
(実施例51)
SONY製40型ディスプレイKLV−40J3000を準備した。そして、液晶セルに予め貼り合わされていた両面の偏光板を剥がして、作製した2枚の偏光板101を液晶セルのガラス面の両面にそれぞれ貼り合わせた。2枚の偏光板101の貼り合わせは、光学フィルム101が液晶セルと接し、かつ偏光板101の吸収軸と、予め貼り合わされていた偏光板の吸収軸とが同じ方向となるように行った。それにより、液晶表示装置101を得た。
2枚の偏光板101を、表5に示されるようにそれぞれ変更した以外は実施例51と同様にして液晶表示装置102〜123および128〜129を得た。
i)液晶表示装置を黒表示させたときの透過光量と、白表示させたときの透過光量とを、パネル面の法線方向(パネル面の法線方向に対する傾き角度が0°となる方向)からELDIM社製EZ−contrast160Dを用いて測定した。そして、得られた透過光量を、下記式に当てはめてコントラストを算出した。
コントラスト=(白表示時の透過光量)/(黒表示時の透過光量)
ii)次いで、ELDIM社製EZ−contrast160Dの測定位置を、パネル面の法線方向(0°)から10°毎に傾斜させながら、各傾斜角度における、前述と同様に黒表示時の透過光量と、白表示の透過光量とをそれぞれ測定し、コントラストを算出した。そして、コントラストが10以上となる傾斜角度を求めた。
A:視野角が非常に広い(コントラストが10以上となる傾斜角度が70°以上)
B:視野角が広い(コントラストが10以上となる傾斜角度が60°以上70°未満)
C:視野角がやや狭い(コントラストが10以上となる傾斜角度が50°以上60°未満)
D:視野角が狭い(コントラストが10以上となる傾斜角度が50°未満)
ここで、AまたはBレベルであれば実用上問題なく、Aレベルであることが好ましい。
23℃55%RHの環境下にて、得られた液晶表示装置のバックライトを1週間連続して点灯させた。その後、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて、液晶表示装置で白表示させたときの表示画面の法線方向からの輝度と、黒表示させたときの表示画面の法線方向からの輝度とをそれぞれ測定し、下記式に当てはめて正面コントラストを求めた。
正面コントラスト=(表示装置の法線方向から測定した白表示の輝度)/(表示装置の法線方向から測定した黒表示の輝度)
正面コントラストのばらつき(%)=|(正面コントラストの最大値もしくは最小値)−(正面コントラストの平均値)|/(正面コントラストの平均値)×100
A:正面コントラストのばらつきが0%以上5%未満であり、ムラが小さい
B:正面コントラストのばらつきが5%以上10%未満であり、ムラがややある
C:正面コントラストのばらつきが10%以上であり、ムラが大きい
23℃55%RHの環境下にて5時間放置した後の液晶表示装置の視野角を、前述した4−1)の同様の方法で、ELDIM社製EZ−Contrast160Dを用いて測定した。次いで、この液晶表示装置を23℃20%RHの環境下にて5時間放置した後、視野角を測定した。さらに、この液晶表示装置を23℃80%RHの環境下にて5時間放置した後、視野角を測定した。最後に、この液晶表示装置を23℃55%RHの環境下にて5時間放置した後、視野角を測定した。そして、最初の23℃55%RHの環境下で測定された視野角と、最後の23℃55%RHの環境下で測定された視野角とを比較して、視野角の変動量を測定した。A、Bが実用上問題ないレベルと判断した。
A:視野角の変動が認められない
B:視野角の変動がやや認められる
C:視野角の変動が認められる
23℃、55%RHの環境下で液晶表示装置を黒表示させたときの、正面方向および斜め45°の角度(表示面の法線方向から斜め45°の角度)から色ムラを目視観察した。色ムラの評価は、以下の基準に基づいて行った。
A:色ムラが全くない
B:色ムラが僅かに認められる
C:色ムラがあるが実用上は問題ない
D:色ムラが大きく実用上問題がある
A〜Cレベルであれば実用上問題はないが、AまたはBレベルであることが好ましく、Aレベルであることが特に好ましい。
20 液晶セル
40 第一の偏光板
42 第一の偏光子
44 偏光板保護フィルム(F1)
46 偏光板保護フィルム(F2)
60 第二の偏光板
62 第二の偏光子
64 偏光板保護フィルム(F3)
66 偏光板保護フィルム(F4)
80 バックライト
Claims (11)
- 下記一般式(1)で表される化合物を含有する、光学フィルム。
Cycは、2価の5員環または6員環を含む環状基を表し、前記5員環または6員環は、他の環と縮合していてもよく;
R3は、前記環状基が有する置換基を表し;
jは、0〜4の整数を表し、jが0であるとき、前記5員環または6員環は、他の環と縮合しており;
L1およびL2は、それぞれ独立に単結合、−O−、−CO−、−NRa−(Raは、炭素原子数1〜7のアルキル基または水素原子)、−S−、−SO2−および−CH2−からなる群より選ばれる2価の連結基を表し;
Str1およびStr2は、それぞれ独立にステロイド類の残基を表し;
R1およびR2は、それぞれ独立に置換基を表し;
mおよびnは、それぞれ独立に0〜10の整数を表す) - 前記一般式(1)で表される化合物において、前記(R3)jを有するCycが、下記一般式(2)または一般式(3)で表される構造を含む、請求項1に記載の光学フィルム。
X1およびX2は、それぞれ独立に−S−、−O−または−NRb−(Rbは、炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子)を表し;
R4およびR5は、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し;
−*は、前記L1またはL2との連結部を表す)
X3は、−S−、−O−または−NRb−(Rbは、炭素原子数が1〜7のアルキル基または水素原子)を表し;
R6は、水素原子または置換基を表し;
−*は、前記L1またはL2との連結部を表す) - 前記一般式(1)で表される化合物において、前記ステロイド類の残基に含まれるステロイド核の3位または17位の炭素原子と、前記L1またはL2とが直接または連結基を介して結合している、請求項1または2に記載の光学フィルム。
- 前記一般式(1)で表される化合物において、前記(R1)mを有するStr1または前記(R2)nを有するStr2は、コレステロール誘導体またはコール酸誘導体から誘導される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- セルロースエステルをさらに含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 前記セルロースエステルのアシル基の総置換度が2.4以上3.0以下である、請求項5に記載の光学フィルム。
- 23℃、55%RHの環境下で、波長590nmの光における、下記式(I)で表されるリターデーションRoが40〜100nm、下記式(II)で表されるRthが100〜300nmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルム。
式(I) Ro=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nxは、光学フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
nyは、光学フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
nzは、光学フィルムの厚み方向zにおける屈折率を表し;
d(nm)は光学フィルムの厚みを表す) - 前記光学フィルムの膜厚が20〜35μmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学フィルム。
- 偏光子と、前記偏光子の少なくとも一方の面に配置された請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学フィルムと、を含む、偏光板。
- 液晶セルと、前記液晶セルを挟持する一対の偏光板と、を含む液晶表示装置であって、
前記一対の偏光板のうち少なくとも一方は、請求項9に記載の偏光板である、液晶表示装置。 - 前記液晶セルは、VA方式の液晶セルである、請求項10に記載の液晶表示装置。
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