JP2013104967A - 電磁駆動装置 - Google Patents

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Kokichi Terajima
厚吉 寺嶋
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Terajima Kokichi
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Abstract

【課題】可動部材の応答速度を低下させることなく、十分な制動力を得ることのできる電磁駆動装置を提供する。
【解決手段】固定部材としてのケース13と、可動部材としてのレンズホルダー12と、レンズホルダー12をケース13に揺動可能に懸架支持するバネ部材16A,16Bと、駆動用コイル14と駆動用コイル14に空隙を隔てて配設された駆動用磁石15と、制動用磁石17A,17Bと、制動用導体18A,18Bとを備え、制動用導体18A,18Bを制動用磁石17A,17BのZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方に前記制動用磁石に対向して配置するとともに、制動用磁石17A,17Bと制動用導体18A,18Bのいずれか一方をケース13に装着し、他方をレンズホルダー12に装着するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、可動部材を固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段を備えた電磁駆動装置に関するもので、特に、可動部材が高速移動して固定部材に衝突したときに発生する衝突音を低減する機構を備えた電磁駆動装置に関する。
従来のボイスコイルモータを用いたレンズ駆動装置では、通常、磁界中に置かれた駆動用コイルに通電することで当該駆動用コイルに電磁力(ローレンツ力)を発生させ、駆動用コイルが装着されているレンズホルダーを被写体方向に移動させる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
また、外部から基台に振動や衝撃等の不要な慣性力が加わった際のピックアップレンズの振動を抑制するため、ピックアップレンズを保持する保持部材に非磁性導電部材を取り付けるとともに、保持部材を懸架する固定部材に、非磁性導電部材と所定のギャップを介して対向して制動用永久磁石を設けて、保持部材の振動に伴って変化する制動用永久磁石からの磁界変化により非磁性導電部材に渦電流を発生させ、この渦電流による反磁界によりピックアップレンズの変位を抑制する構成のピックアップレンズの制動装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、レンズホルダーに取付けられた駆動用コイルにリング状の非磁性金属、もしくは、逆起電力を発生する短絡コイルを取付けて、レンズホルダーの駆動時に非磁性金属もしくは短絡コイルに渦電流や逆起電力を発生させてレンズホルダーに制動力を与えることで、レンズホルダーの目標速度や目標駆動力への収束を早めて応答性を向上させるようにしたレンズ駆動装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2004−280031号公報 特開平10−149554号公報 特開2007−143210号公報
ところで、通電が急激な場合には、レンズホルダーが被写体側に高速移動して固定側の移動制限部材に衝突したり、撮影後の通電終了時にレンズホルダーが被写体とは反対方向に高速で戻って固定側の係止手段に衝突したりして衝突音が発生することがある。
しかしながら、前記特許文献2に記載のピックアップレンズの制動装置や前記特許文献3に記載のレンズ駆動装置では、いずれも、可動部材に制動力を作用させる構成であるものの、可動部材と固定部材との衝突については全く考慮されていない。
すなわち、前記引用文献2,3では、導電部材(または、短絡コイル)と永久磁石の磁極面との間隔が維持されている構成であるため、可動部材へ作用する制動力を固定部材への衝突時に合わせて高めることができず、その結果、可動部材へ制動力を作用させているにもかかわらず、衝突音を低減することが困難であるといった問題点があった。
また、可動部材の移動時には常に制動力が作用しているため、応答速度が遅くなるといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時の制動力を高めて衝突音を低減することのできる電磁駆動装置を提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、制動用磁石と制動用導体とを備え、前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、前記制動用導体が、前記制動用磁石のZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方に前記制動用磁石に対向して配置され、前記制動用磁石と前記制動用導体のいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする。
このように制動用磁石と制動用導体とを対向して配置したので、可動部材の移動の途中である制動用磁石と制動用導体との距離が大きい場合には制動力が小さく、制動用磁石と制動用導体とが接近したときのみ大きな制動力を得ることができる。したがって、可動部材の応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時における制動力を高めることができる。
また、可動部材が固定部材に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができるので、可動部材と固定部材の衝突に起因する電磁駆動装置の動作音(衝突音)を大幅に低減できるとともに、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
また、請求項2に記載の電磁駆動装置は、磁気ヨークと制動用導体とを備え、前記磁気ヨークが、駆動用磁石の駆動用コイル側とは反対側の面に沿って配設される第1のヨークと、前記第1のヨークのZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方から可動部材側に突出する第2のヨークとを有し、前記制動用導体が、前記第2のヨークのZ軸前方またはZ軸後方に、前記第2のヨークに空隙を隔てて対向し、前記磁気ヨークと前記制動用導体のいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする。
このように、制動用磁石を省略し、駆動用磁石の磁界を駆動用コイルに導く磁気ヨークを設け、この磁気ヨークの可動部材側に突出する片である第2のヨークと制動用導体とを対向する配置としても、第2のヨーク制動用導体との距離が大きい場合には制動力が小さく、第2のヨークと制動用導体とが接近したときのみ大きな制動力を得ることができるので、可動部材の応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時における制動力を高めることができる。
また、磁気ヨークを用いた場合には、駆動用磁石の磁界を駆動用コイルに有効に導くことができるので、駆動効率を向上させることができるという利点もある。
また、請求項3に記載の電磁駆動装置は、磁気ヨークと制動用導体とを備え、前記磁気ヨークが、前記駆動用磁石の前記駆動用コイル側とは反対側の面に沿って配設される第1のヨークと、前記第1のヨークのZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方からZ軸と直交する方向に突出する第2のヨークと、前記第2のヨークからZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方に突出する第3のヨークとを有し、前記制動用導体が、前記第3のヨークの端部と空隙を隔てて対向し、前記磁気ヨークと前記制動用導体のいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする。
このように、第2のヨークからZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方に突出する第3のヨークと制動用導体とを対向する配置としても、第3のヨークと制動用導体との距離が大きい場合には制動力が小さく、第3のヨークと制動用導体とが接近したときのみ大きな制動力を得ることができるので、可動部材の応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時における制動力を高めることができる。
また、請求項4に記載の電磁駆動装置は、可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、駆動用磁石が、Z軸前方及びZ軸後方に位置する前側磁石と後側磁石とを備え、駆動用コイルが、Z軸周りに巻き回されて前記前側磁石と前記後側磁石とにそれぞれ空隙を隔てて対向するように設けられた前側コイルと後側コイルとを備え、前記前側コイルと後側コイルとの間には、前記前側磁石と前記後側磁石との間に突出する制動用導体が設けられ、前記駆動用磁石と前記駆動用コイルのいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする。
このように、駆動用磁石のZ軸前方もしくは後方に、駆動用磁石に空隙を隔てて対向するように制動用導体を配置して、駆動用磁石からの磁界の変化によって制動用導体に生じる渦電流による反発力を利用すれば、制動用導体が駆動用磁石に接近したときのみ大きな制動力を得ることができるので、可動部材の応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時における制動力を高めることができる。
また、請求項5に記載の電磁駆動装置は、固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、制動用導体を備え、前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、前記駆動用コイルが、Z軸に直交する軸周りに巻き回されてZ軸周りに均等な角度で配置される偶数個のコイルを備え、前記駆動用磁石が、前記複数個のコイルのZ軸前方に位置するコイル辺にそれぞれ対向する複数個の前側磁石、及び、前記複数個のコイルのZ軸後方に位置するコイル辺にそれぞれ対向する複数個の後側磁石のいずれか一方もしくは両方を備え、前記制動用導体が前記駆動用コイル側から前記前側磁石と前記後側磁石との間に突出し、前記駆動用磁石と前記駆動用コイルのいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする。
このように、前側磁石の−Z側の面、もしくは、前記前側磁石の+Z側の面と空隙を隔てて対向するように制動用導体を配置しても、制動用導体が前側磁石もしくは後側磁石に接近したときのみ大きな制動力を得ることができるので、可動部材の応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時における制動力を高めることができる。
また、請求項6に記載の発明は、固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、前記駆動用磁石が、Z軸周りに均等な角度で配置される偶数個の磁石片を備え、前記駆動用コイルが、Z軸に直交する軸周りに巻き回されて前記複数個の磁石片にそれぞれ空隙を隔てて対向する複数個のコイルを備え、前記複数個のコイルの巻回芯部には、前記巻回芯部から突出して前記各磁石片に空隙を隔てて対向する制動用導体が設けられ、前記駆動用磁石と前記駆動用コイルのいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする。
このように、駆動用磁石と制動用導体とがZ軸と直交する方向において空隙を隔てて対向するように配置したので、制動用導体と駆動用磁石とが接近したときのみ大きな制動力を得ることができる。したがって、可動部材の応答速度を低下させることなく、可動部材の固定部材への衝突時における制動力を高めることができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
本発明の実施の形態1に係るレンズ駆動装置の構成を示す縦断面図である。 実施の形態1に係るレンズ駆動装置の分解斜視図である。 制動用磁石と制動用導体の他の配置例を示す図である。 制動用磁石と制動用導体の他の配置例を示す図である。 実施の形態2に係るレンズ駆動装置の構成を示す縦断面図である。 実施の形態3に係るレンズ駆動装置の構成を示す縦断面図である。 実施の形態4に係るレンズ駆動装置の構成を示す縦断面図である。 実施の形態5に係るレンズ駆動装置の構成を示す縦断面図である。 実施の形態6に係るレンズ駆動装置の構成を示す縦断面図である。 実施の形態6に係るレンズ駆動装置の要部斜視図である。 本発明によるレンズ駆動装置の要部斜視図である。 実施の形態7に係る手振れ抑制装置の構成を示す図である。 実施の形態7に係る手振れ抑制装置の要部斜視図である。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
実施の形態1.
図1(a),(b)は、本実施の形態1に係る電磁駆動装置としてのレンズ駆動装置10の構成を示す縦断面図で、(a)図はレンズホルダー12が初期位置に戻ったときの図で、(b)図はレンズホルダー12が被写体方向に最大移動した状態を示す図である。また、図2は、レンズ駆動装置10の分解斜視図である。
各図において、12はレンズ11を保持するレンズホルダー、13はケース、14は駆動用コイル、15は駆動用磁石、16A,16Bは前側及び後側バネ部材、17A,17Bは前側及び後側制動用磁石、18A,18Bは前側及び後側制動用導体、19はスペーサーである。
ここで、以下、レンズ11の光軸方向をZ軸方向、被写体側をZ軸前方(+Z側)とし、Z軸に垂直な2方向をそれぞれX軸方向、Y軸方向とする。
レンズホルダー12は、内側に対物レンズや接眼レンズの組み合わせから成るレンズ11を保持する円筒状の部材で、その外周側面には駆動用コイル14が装着され、+Z側の面の外縁部には前側制動用導体18Aが装着され、−Z側の面の外縁部には後側制動用導体18Bが装着される。なお、レンズホルダー12の形状としては、円筒状に限らず、四角筒状、あるいは、八角筒状であってもよい。
ケース13は、レンズホルダー12の外側にレンズホルダー12を囲むように配置されて、前側及び後側バネ部材16A,16Bによりレンズホルダー12をZ軸方向に移動自在に懸架する。
ケース13は、前側ケース13Aと後側ケース13Bとを備える。
前側ケース13Aは、中心の+Z側に前側開口部(貫通孔)13pが形成され、−Z側にレンズホルダー12の外径よりも大きな径を有して開口する穴部13Hが形成された蓋部13aと、前側開口部13pの内縁部の形成された円環状の取付溝13bとを備えた内周側に段差部が形成された正方形板状の部材で、取付溝13bに永久磁石から成る円環状の前側制動用磁石17Aが取付けられる。
後側ケース13Bは、中心に後側開口部(貫通孔)13qが形成された正方形板状の台座13cと、台座13cの4隅に上側に突出するように設けられた案内柱13dとを備える。台座13cの開口部13qの外縁部には、円環状の凹部13rが形成されており、この凹部13rに永久磁石から成る円環状の後側制動用磁石17Bが取付けられる。
また、前記凹部13rの径方向外側には、後側バネ部材16Bの外周部16aが取付けられ、外周部16aの+Z側には外周部16aとほぼ同形のスペーサー19が配置される。
スペーサー19の+Z側には、駆動用磁石15が取付けられる。
駆動用コイル14は、レンズホルダー12の外周にZ軸周りに巻き回される自動焦点駆動用のコイルで、+Z側から見たときの外形はレンズホルダー12と同じ円筒状、または、四角筒状、あるいは、八角筒状である。
駆動用磁石15は、板面に垂直な方向に磁化された直方体状の永久磁石から成る第1〜第4の磁石151〜154を備え、各磁石151〜154が駆動用コイル14に空隙を隔てて対向するようにケース13に取付けられる。第1の磁石151は駆動用コイル14の+X側に配置され−X方向に着磁され、第2の磁石152は駆動用コイル14の−X側に配置され+X軸方向に着磁されている。また、第3の磁石153は駆動用コイル14の+Y側に配置され−Y軸方向に着磁され、第4の磁石154は駆動用コイル14の−Y側に配置され+Y軸方向に着磁されている。すなわち、第1〜第4の磁石151〜154の駆動用コイル14側の面は全てN極で、ケース13側の面が全てS極となる。
第1〜第4の磁石151〜154の−Z側の側面はスペーサー19の+Z側の面の外縁部に取付けられ、+Z側の側面は前側ケース13Aの蓋部13aの−Z側の面の外縁部に取付けられ、レンズホルダー12側とは反対側の面は後側ケース13Bの案内柱13dに当接している。
前側及び後側バネ部材16A,16Bは、それぞれ、中央部に開口が形成されたほぼ正方形状の外周部16aと、円環状の内周部16bと、外周部16aと内周部16bとを連結する略円弧状の4本の腕部16cとを備えている。なお、後側バネ部材16Bの外周部16aには、後側ケース13Bに設けられた案内柱13dを避けて取付けるため、外周の4隅に切欠き部16kが設けられている。
前側バネ部材16Aの外周部16aは前側ケース13Aの穴部13Hの外縁部に固定され、内周部16bはレンズホルダー12に+Z側の外縁部に固定される。後側バネ部材16Bの外周部16aは、後側ケース13Bの台座13cの開口部13qと支持柱13dとの間で凹部13rの径方向外側に固定され、内周部16bはレンズホルダー12のZ軸後方の外縁部に固定される。4本の腕部16cがレンズホルダー12をケース13に懸架するバネとして機能する。
前側制動用磁石17Aと後側制動用磁石17Bとは、いずれも円環状の永久磁石で、前側制動用磁石17Aは+Z方向に着磁されて前側ケース13Aの取付溝13bに取付けられ、後側制動用磁石17Bは−Z方向に着磁されて後側ケース13Bの台座13cの開口部13qの外縁部に形成された円環状の凹部13rに取付けられる。
後側制動用磁石17Bは後側ケース13Bの開口部13qの外縁部からZ軸前方に突出し、レンズホルダー12が初期位置にあるときには、レンズホルダー12の−Z側の後端部に当接し、レンズホルダー12の−Z方向への移動を規制する。
後側制動用磁石17Bは係止部の機能を有するとともに、前側及び後側バネ部材16A,16Bのそれぞれには、後側制動用磁石17Bにより、+Z側へのオフセットが加わるので、レンズホルダー12は常にZ軸後方に付勢されていることになる。
前側制動用導体18Aと後側制動用導体18Bとは、いずれも、円環状の導電性材料から成り、前側制動用導体18Aはレンズホルダー12の+Z側の外縁部に前側制動用磁石17Aと対向するように取り付けられ、後側制動用導体18Bはレンズホルダー12の−Z側の外縁部に後側制動用磁石17Bと対向するように取り付けられる。
前側及び後側制動用導体18A,18Bとしては、銅、アルミニウム等の非磁性良導体を用いることが好ましい。また、前側及び後側制動用導体18A,18Bとしては薄板状のものをレンズホルダー12に取付けて固定してもよいが、メッキや蒸着等により形成してもよい。
次に、本発明によるレンズ駆動装置10の動作について説明する。
駆動用コイル14には、第1〜第4の磁石151〜154から電流の方向にほぼ直交する磁界が印加されているので、駆動用コイル14にZ軸方向時計回りの電流を流すと、駆動用コイル14には、図1の矢印に示す+Z側を向いたローレンツ力が発生する。
したがって、レンズホルダー12は、図1(a)の状態から+Z側に移動してローレンツ力と前側及び後側バネ部16A,16Bの復元力とが釣り合った位置まで移動する。
レンズホルダー12が+Z側に最大移動した場合には、図1(b)に示すように、レンズホルダー12の+Z側に設けられた前側制動用導体18Aが前側ケース13Aの−Zの側に設けられた前側制動用磁石17Aに接近し、最終的には当接する。
前側制動用導体18Aの+Z側の面と前側制動用磁石17Aの−Z側の面とは、空隙を隔てて対向するように配置されているので、前側制動用導体18Aに作用する前側制動用磁石17Aからの磁界は前側制動用磁石17Aと前側制動用導体18Aとの距離が大きい場合には極めて小さいが、前側制動用磁石17Aと前側制動用導体18Aとが接近するにつれて急激に大きくなる。その結果、前側制動用導体18Aに作用する磁界の変化も急激に大きくなるので、前側制動用導体18Aに生じる渦電流による反発力(−Z方向の力)も急激に大きくなる。この反発力がレンズホルダー12の+Z側への移動に対する制動力となるので、レンズホルダー12に作用する制動力も急激に大きくなる。
従来のレンズ駆動装置では永久磁石の磁極面との間隔が維持されているので、制動用導体に印加される磁界は、永久磁石の磁極面とこの磁極面に対向する導体の面積の変化によって変化するが、本実施の形態では、制動用導体と制動用磁石との対向面積が一定で制動用導体と制動用磁石との距離が変化することで制動用導体へ印加される磁界を変化させているので、レンズホルダー12とケース13の係止部材と離れている場合には制動力が小さく、レンズホルダー12とケース13の係止部材と接近すると制動力が従来のレンズ駆動装置に比較して急激に大きくなる。
したがって、レンズホルダー12の応答速度を低下させることなくレンズホルダー12が固定部材であるケース13(ここでは、前側ケース13A)に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができるので、レンズホルダー12とケース13との衝突に起因するレンズ駆動装置10の動作音(衝突音)を大幅に低減できる。また、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
レンズホルダー12を−Z側に移動させようとする場合には、駆動用コイル14にZ軸方向反時計回りの電流を流せばよい。なお、撮影が完了した場合には、前側及び後側バネ部16A,16Bにはオフセットがかかっているので、駆動用コイル14への通電を停止すれば、前側及び後側バネ部16A,16Bの復元力により、レンズホルダー12は浮上状態から初期位置に戻る。
レンズホルダー12が浮上状態から初期位置に戻るときには、図1(a)に示すように、レンズホルダー12の−Z側に設けられた後側制動用導体18Bが後側ケース13Bに設けられた係止部材としての後側制動用磁石17Bに接近し、最終的には当接する。
この場合も、後側制動用導体18Bの−Z側の面と後側制動用磁石17Bの+Z側の面とが空隙を隔てて対向するように配置されているので、後側制動用導体18Bに作用する後側制動用磁石17Bからの磁界は、後側制動用導体18Bが後側制動用磁石17Bに接近するにつれて急激に大きくなる。したがって、レンズホルダー12に作用する制動力(+Z方向の力)は後側制動用磁石17Bに接近するにつれて大きくなるので、レンズホルダー12が固定部材であるケース13(ここでは、後側ケース13B)に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができ、レンズホルダー12とケース13との衝突に起因するレンズ駆動装置10の動作音を大幅に低減することができる。
なお、前記実施の形態1では、初期位置において、後側制動用磁石17Bと後側制動用導体18Bとを当接させたが、例えば、図3(a)の展開図に示すように、後側制動用導体18Bをレンズホルダー12の−Z側の端部から後退させて直接後側制動用磁石17Bと当接させないようにしてもよい。具体的には、レンズホルダー12の−Z側の端部に弧状の凹部12sを設け、この凹部12sに後側制動用導体18Bを埋設するとともに、図3(b)にも示すように、台座13cの開口部13qの外縁部に+Z側に突出する円環状の係止部13nを設けるとともに、この係止部13nに弧状の凹部13sを設け、この凹部13sに後側制動用磁石17Bを埋設すればよい。
これにより、比較的硬度の高い永久磁石である後側制動用磁石17Bと薄く硬度の低い金属もしくは合金から成る後側制動用導体18Bとが直接当接せず、樹脂等の材料で構成されるレンズホルダー12と後側制動用磁石17Bとが当接することになるので、後側制動用磁石17Bとの衝突による後側制動用導体18Bの劣化を防ぐことができ、レンズ駆動装置10の耐久性を向上させることができる。
また、逆に、後側制動用磁石17Bを後側ケース13B+Z側の端部から後退させてもよい。あるいは、後側制動用導体18Bをレンズホルダー12の−Z側の端部から後退させるとともに、後側制動用磁石17Bを後側ケース13B+Z側の端部から後退させてもよい。
また、前側制動用磁石17Aと前側制動用導体18Aについても、前側制動用導体18Aをレンズホルダー12の+Z側の端部から後退させたり、前側制動用磁石17Aを前側ケース13Aの−Z側の端部から後退させるなどして、前側制動用磁石17Aと前側制動用導体18Aとを当接させないようにすれば、衝突による前側制動用導体18Aの劣化を防ぐことができるので、レンズ駆動装置10の耐久性を向上させることができる。
制動用磁石と制動用導体とを当接させない他の方法としては、例えば、図4(a)に示すように、後側制動用磁石17Bと後側制動用導体18Bとを空隙gを隔てて対向するように配置する方法もある。
具体的には、後側ケース13Bの台座13cの開口部13qの外縁部に+Z側に突出してレンズホルダー12の−Z側の端部に当接する円環状の係止部13mを設け、この係止部13mの径方向外側に後側制動用磁石17Bを配置するとともに、レンズホルダー12の−Z側の側面に当該側面から径方向外側に突出する導体取付部12mを設け、この導体取付部12mの−Z側に、後側制動用導体18Bを後側制動用磁石17Bと空隙gを隔てて対向するように取付ける。
あるいは、図4(b)に示すように、レンズホルダー12の−Z側の内周側に後側制動用導体18Bを取付け、係止部13mの内周側に、後側制動用導体18Bに空隙を隔てて対向するように後側制動用磁石17Bを取付ける構成としてもよい。
また、前記例では、前側及び後側制動用磁石17A,17Bをケース13に取付け、前側及び後側制動用導体18A,18Bをレンズホルダー12に取付けたが、前側及び後側制動用導体18A,18Bをケース13に取付け、前側及び後側制動用磁石17A,17Bをレンズホルダー12に取付けても同様の効果を得ることができる。
また、前記例では、前側制動用磁石17Aの着磁方向を+Z方向とし後側制動用磁石17Bの着磁方向を−Z方向としたが、前側及び後側制動用磁石17A,17Bの着磁方向はこれに限るものではなく、両方とも+Z方向にしたり、両方とも−Z方向にしたり、前側制動用磁石17Aを−Z方向に着磁し、後側制動用磁石17Bを+Z方向に着磁してもよい。あるいは、前側及び後側制動用磁石17A,17Bの着磁方向をZ軸に直交する方向としてもよい。
実施の形態2.
前記実施の形態1では、制動用磁石と制動用導体とによりレンズホルダー12に制動力を与える構成のレンズ駆動装置10について説明したが、駆動用磁石15からの磁界を駆動用コイル14に導く磁気ヨークを設けて、磁気ヨークからの磁界の変化により制動用導体に渦電流を発生させる構成としてもよい。
図5は、磁気ヨークと制動用導体とによりレンズホルダー12に制動力を与える構成のレンズ駆動装置20Lの一例を示す図で、12はレンズ11を保持するレンズホルダー、23はケース、14は駆動用コイル、15は駆動用磁石、16A,16Bは前側及び後側バネ部材、17Bは後側制動用磁石、18A,18Bは前側及び後側制動用導体、19はスペーサー、25Lは磁気ヨークである。
実施の形態1と同符号であるレンズホルダー12、駆動用コイル14、駆動用磁石15(151〜154)、前側及び後側バネ部材16A,16B、前側及び後側制動用導体18A,18B、及び、スペーサー19については、実施の形態1と同じ部材であるので、その説明を省略する。
ケース23は、レンズホルダー12の外側に配置され、前側及び後側バネ部材16A,16Bによりレンズホルダー12をZ軸方向に移動自在に懸架する。
ケース23は、前側ケース23Aと後側ケース23Bとを備える。
前側ケース23Aは円筒状の部材である。一方、後側ケース23Bは後側ケース13Bとほぼ同様の構成で、中心に開口部23qが形成された正方形板状の台座23cと、台座23cの4隅に上側に突出するように設けられた案内柱23dと、台座23cの開口部23qの外縁部に形成された円環状の凹部23rとを備え、凹部23rの径方向外側に後側バネ部材16Bの外周部16aが取付けられ、外周部16aの+Z側には外周部16aとほぼ同形のスペーサー19が配置される。スペーサー19の+Z側には、第1〜第4の磁石151〜154と磁気ヨーク25Lとが取付けられる。
磁気ヨーク25Lは、駆動用磁石15のレンズホルダー12側とは反対側の面に当接する第1のヨークとしての外周側垂直片25aと、外周側垂直片25aの+Z側の端部からレンズホルダー12側に突出する第2のヨークとしての前側水平片25bとを備えた軟磁性体材料から成る断面L字状の部材で、第1〜第4の磁石151〜154のそれぞれに対して、磁気ヨーク25Lが配置されている。
本例では、前側制動用磁石17Aを省略するとともに、前側制動用導体18Aを、レンズホルダー12に装着された駆動用コイル14の+Z側に、磁気ヨーク25Lの前側水平片25bの−Z側と空隙を隔てて対向するように配置している。
レンズ駆動装置20Lにおいて、レンズホルダー12が+Z側に最大移動した場合には、前側制動用導体18Aが磁気ヨーク25Lの前側水平片25bの−Z側に接近し、最終的には当接する。
磁気ヨーク25Lを設けた場合には、駆動用磁石15のレンズホルダー12側の面(磁極面)からの磁界は、前側水平片25bに導かれ前側水平片25bから外周側垂直片25aを通って駆動用磁石15のレンズホルダー12側とは反対側の面(磁極面)に戻る。前側制動用導体18Aは前側水平片25bの−Z側に前側水平片25bに対向するように設けられているので、前側制動用導体18Aに作用する磁界の大きさは、前側水平片25bと前側制動用導体18Aとの距離が大きい場合には極めて小さいが、前側制動用導体18Aが前側水平片25bに接近するにつれて急激に大きくなる。
したがって、接近の過程において、制前側制動用導体18Aに発生する渦電流の大きさも前側制動用導体18Aが前側水平片25bに接近するにつれて急激に大きくなるので、レンズホルダー12に作用する制動力も大きくなる。その結果、レンズホルダー12に設けられた前側制動用導体18Aが磁気ヨーク25Lの前側水平片25bに衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができるので、レンズホルダー12とケース23との衝突に起因するレンズ駆動装置20Lの動作音を大幅に低減できるとともに、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
なお、レンズホルダー12が浮上状態から通電が停止されて初期位置に戻るときには、実施の形態1と同様に、後側制動用導体18Bと後側制動用磁石17Bとにより、レンズホルダー12に制動力を与えて、レンズホルダー12が後側ケース23Bに衝突する際の衝撃強度を弱めるようにしている。
また、レンズ駆動装置20Lでは、断面L字状の磁気ヨーク25Lを設けて駆動用磁石15からの磁界を駆動用コイル14に有効に導くようにしているので、駆動効率を向上させることができる。
実施の形態3.
前記実施の形態2では、外周側垂直片25aと前側水平片25bとを備えた磁気ヨーク25Lと前側制動用導体18Aとを用いてレンズホルダー12に−Z方向の制動力を与える構成のレンズ駆動装置20Lについて説明したが、図6に示すように、外周側垂直片25aと、前側水平片25bと、前側水平片25bのレンズホルダー12側の端部から−Z側に突出する第3のヨークとしての内側垂直片25cとを備えた断面J字状の磁気ヨーク25Jを備えるとともに、前側制動用導体18Aを磁気ヨーク25Jの後端側に配置する構成のレンズ駆動装置20Jを用いても、同様の効果を得ることができる。
このとき、レンズホルダー12の−Z側の側面に、当該側面から径方向外側に突出するフランジ部12pを設け、フランジ部12pの+Z側と−Z側とにそれぞれ前側及び後側制動用導体18A,18Bを装着するとともに、フランジ部12pの径方向外側に+Z側に突出するコイル取付部12qを立設して駆動用コイル14を前記コイル取付部12qに取付ける。これにより、レンズホルダー12と駆動用コイル14との間に、磁気ヨーク25Jの内側垂直片25cを配置するための空隙が形成されるので、内側垂直片25cを駆動用コイル14のレンズホルダー12側に配置することができるとともに、内側垂直片25cの後端を、前側制動用導体18Aの+Z側の面と空隙を隔てて対向させることができる。
なお、この場合には、後側制動用導体18Bが、実施の形態1,2の場合よりも径方向外側に配置されるので、後側制動用磁石17Bは後側制動用導体18Bに対向するように図5の場合よりも径方向外側に取付けることが好ましい。
磁気ヨーク25Jを設けた場合には、駆動用磁石15のレンズホルダー12側の面(磁極面)からの磁界は、内側垂直片25cに導かれ前側水平片25b及び外周側垂直片25aを通って駆動用磁石15のレンズホルダー12側とは反対側の面(磁極面)に戻るので、前側制動用導体18Aと内側垂直片25cとの間の磁束密度は内側垂直片25cに近づくにつれて急激に高くなる。
すなわち、実施の形態2と同様に、前側制動用導体18Aに作用する駆動用磁石15からの磁界は、前側制動用導体18Aが内側垂直片25cに接近するにつれて急激に大きくなるので、レンズホルダー12に作用する制動力も前側制動用導体18Aが内側垂直片25cに接近するにつれて大きくなる。したがって、レンズホルダー12に設けられた前側制動用導体18Aが前側ケース23Aに設けられた磁気ヨーク25Jの内側垂直片25cに衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができるので、レンズホルダー12とケース23との衝突に起因するレンズ駆動装置20Jの動作音を大幅に低減できるとともに、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
なお、レンズホルダー12が浮上状態から通電が停止されて初期位置に戻るときには、実施の形態1と同様に、後側制動用導体18Bと後側制動用磁石17Bとにより、レンズホルダー12に制動力を与えて、レンズホルダー12が後側ケース23Bに衝突する際の衝撃強度を弱める。
また、本例では、駆動用コイル14の外周側に駆動用磁石15が配置され内周側に磁気ヨーク25Jの内側垂直片25cが配置された構成なので、駆動用コイル14に印加される駆動用コイル14に直交する方向の磁界成分が更に増加するので、レンズ駆動装置20Jの駆動効率を更に向上させることができる。
実施の形態4.
前記実施の形態2では、外周側垂直片25aと前側水平片25bとを備えた磁気ヨーク25Lを用いることで、前側制動用磁石17Aを省略した構成のレンズ駆動装置20Lについて説明したが、図7に示すように、外周側垂直片25aの−Z側の端部からレンズホルダー12側に突出する後側水平片25dを更に備えた磁気ヨーク25Uを用いるとともに、後側制動用導体18Bを、レンズホルダー12に装着された駆動用コイル14の−Z側に、磁気ヨーク25Uの後側水平片25dの+Z側と空隙を隔てて対向するように配置する構成のレンズ駆動装置20Uを用いれば、前側制動用磁石17Aだけでなく、後側制動用磁石17Bについても省略することができる。
このとき、後側水平片25dのレンズホルダー12側の端部を折り返して、後側水平片25dの後側制動用導体18Bに対向する部分の厚さを厚くした折り返し部25rを設けるようにすれば、駆動用磁石15からの磁束を磁気ヨーク25Uに収束し易くなるので、レンズホルダー12に作用する制動力を更に大きくすることができる。
また、本例では、駆動用磁石15と磁気ヨーク25Uの後側水平片25dとの間に前側スペーサー19Aを設けることで、折り返し部25rへの磁束を更に収束させるようにしている。
なお、符号19Bは、後側バネ部材16Bの外周部16aを固定するため、後側水平片25dと後側ケース23Bとの間に設けられた後側スペーサーである。
実施の形態5.
前記実施の形態3では、外周側垂直片25aと前側水平片25bと内側垂直片25cとを備えた磁気ヨーク25Jを用いることで、前側制動用磁石17Aを省略した構成のレンズ駆動装置20Jについて説明したが、図8に示すように、外周側垂直片25aの−Z側の端部からレンズホルダー12側に突出する後側水平片25dを更に備えた磁気ヨーク25Cを用いるとともに、後側制動用導体18Bを、レンズホルダー12に装着された駆動用コイル14の−Z側に、磁気ヨーク25Cの後側水平片25dの+Z側と空隙を隔てて対向するように配置する構成のレンズ駆動装置20Cを用いれば、実施の形態4と同様に、前側制動用磁石17Aだけでなく、後側制動用磁石17Bについても省略することができる。
このとき、前記前側スペーサー19Aに加えて磁気ヨーク25Cの外周側垂直片25aと後側水平片25dとの間に隙間を設ければ、駆動用磁石15からの磁界を更に収束し易くなるので、レンズホルダー12に作用する制動力を更に大きくすることができる。
実施の形態6.
前記実施の形態1〜5では、制動用磁石もしくは磁気ヨークから制動用導体に作用する磁界の変化によりレンズホルダー12に制動力を与える場合について説明したが、例えば、図9に示す構成のレンズ駆動装置30のように、駆動用磁石35から制動用導体38に作用する磁界の変化を利用してレンズホルダー12に制動力を与えることも可能である。
レンズ駆動装置30では、駆動用磁石35を+Z側に位置する前側駆動用磁石35Aと−Z側に位置する後側駆動用磁石35Bとから構成してそれぞれケース33の内周側に空隙を隔てて装着し、駆動用コイル34を、前側駆動用磁石35Aに空隙を隔てて対向するように配置された前側駆動用コイル34Aと後側駆動用磁石35Bに空隙を隔てて対向するように配置された後側駆動用コイル34Bとから構成してそれぞれレンズホルダー12の外周側に装着するとともに、前側駆動用コイル34Aと後側駆動用コイル34Bとの間に、レンズホルダー12の外周側から前側駆動用磁石35Aと後側駆動用磁石35Bとの間の空隙に突出する制動用導体38を設けている。
本例では、図10に示すように、前側及び後側駆動用コイル34A,34Bを、それぞれ被覆導線をZ軸周りに巻き回して形成するとともに、前側駆動用磁石35Aと後側駆動用磁石35Bとを、レンズホルダー12の中心軸であるZ軸を中心として等間隔(90°間隔)で配置される弧状の前側磁石351A〜354Aと、前側磁石351A〜354Aとは逆方向に着磁された弧状の後側磁石351B〜354Bとから構成している。
なお、前側駆動用磁石35Aと後側駆動用磁石35Bとを円環状としてもよい。
また、前側駆動用磁石35Aの着磁方向と後側駆動用磁石35Bの着磁方向とは同じであってもよいが、制動用導体38を通る磁束密度を高めるためには、本例のように、前側駆動用磁石35Aの着磁方向と後側駆動用磁石35Bの着磁方向とを異ならせるようにすることが好ましい。
次に、レンズ駆動装置30の動作について説明する。
ここでは、前側磁石351A〜354Aはレンズホルダー12側の面がN極となるように着磁され、後側磁石351B〜354Bはレンズホルダー12側の面がS極となるように着磁されている場合について説明する。
レンズホルダー12を被写体側である+Z側に駆動する場合には、図10に示すように、前側駆動用コイル34AにZ軸周り時計回りの電流Iaを流し、後側駆動用コイル34BにZ軸周り反時計回りの電流Ibを流す。
前側駆動用コイル34Aには、前側磁石351A〜354Aからレンズホルダー12へ向かう放射状の磁界が印加されているので、前側駆動用コイル34AにZ軸周り時計回りの電流Iaを流すと、駆動用コイル34には+Z側を向いたローレンツ力が発生する。
一方、後側駆動用コイル34Bには、後側磁石351B〜354Bからレンズホルダー12とは反対方向へ向かう放射状の磁界が印加されているので、後側駆動用コイル34BにZ軸周り反時計回りの電流Ibを流すと、駆動用コイル34Bにも+Z側を向いたローレンツ力が発生する。したがって、レンズホルダー12は、+Z側に移動してローレンツ力と前側及び後側バネ部材16A,16Bの復元力とが釣り合った位置まで移動する。
また、レンズホルダー12を−Z側に移動させようとする場合には、前側駆動用コイル34AにZ軸周り反時計回りの電流を流し、後側駆動用コイル34BにZ軸周り時計回りの電流を流せばよい。
レンズホルダー12が+Z側に最大移動した場合には、制動用導体38が後側ケース13Bの+Z側に取付けられている前側磁石351A〜354Aの−Zの側の面に接近し、最終的には当接する。
制動用導体38に作用する前側磁石351A〜354Aからの磁界は、制動用導体38が前側磁石351A〜354Aに接近するにつれて急激に大きくなるので、制動用導体38Aに生じる渦電流による反発力(−Z方向の力)も急激に大きくなる。この反発力がレンズホルダー12の+Z側への移動に対する制動力となるので、レンズホルダー12に作用する制動力は前側磁石351A〜354Aに接近するにつれて急激に大きくなる。したがって、レンズホルダー12が固定部材であるケース13に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができるので、レンズホルダー12とケース13との衝突に起因するレンズ駆動装置30の動作音を大幅に低減できる。また、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
レンズホルダー12が浮上状態から通電が停止されて初期位置に戻るときには、制動用導体38がケース13の−Z側に取付けられている後側磁石351B〜354Bの+Zの側の面に接近し、最終的には当接する。
この場合も、制動用導体38に作用する後側磁石351B〜354Bからの磁界は、制動用導体38が後側磁石351B〜354Bに接近するにつれて急激に大きくなるので、レンズホルダー12に作用する制動力(+Z方向の力)は後側磁石351B〜354Bに接近するにつれて大きくなる。したがって、レンズホルダー12が固定部材であるケース13に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができ、レンズホルダー12とケース13との衝突に起因するレンズ駆動装置30の動作音を大幅に低減することができる。
前記実施の形態6では、被覆導線をZ軸周りに巻き回して形成した前側及び後側駆動用コイル34A,35Bを備えたレンズ駆動装置30について説明したが、図11に示すような、被覆導線をX軸周りまたはY軸周りに巻き回して形成される駆動用コイル341〜344を備えたレンズ駆動装置30Zにおいても、駆動用コイル341〜344の巻回芯部に、前側駆動用磁石35Aと後側駆動用磁石35Bとの間の空隙に突出するように制動用導体381〜384を配置する構成とすれば、実施の形態6と同様に、レンズホルダー12が図示しないケース13に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができる。
なお、図11においては、ケース13及び前側及び後側バネ部材16A,16Bを省略しているが、レンズ駆動装置30Zのケース13及び前側及び後側バネ部材16A,16Bは、前記実施の形態6(図9)と同様である。
駆動用コイル341は、前側磁石351A及び後側磁石351Bに空隙を隔てて対向するように、レンズホルダー12の+X側の外周に配置され、駆動用コイル342は、前側磁石352A及び後側磁石352Bに空隙を隔てて対向するように、レンズホルダー12の−X側の外周に配置される。駆動用コイル343は、前側磁石353A及び後側磁石353Bに空隙を隔てて対向するように、レンズホルダー12の+Y側の外周に配置され、駆動用コイル344は、前側磁石354A及び後側磁石354Bに空隙を隔てて対向するように、レンズホルダー12の−Y側の外周に配置される。
また、駆動用コイル341〜344は、それぞれ、Z軸と直交する方向に延長しZ軸方向前方に位置する前側の辺34aと、辺34aに平行な方向に延長しZ軸方向後方に位置する後側の辺34bと、Z軸と平行な方向に延長する右側及び左側の辺34c,34dとを備え、各駆動用コイル341〜344の前側の辺34aが各前側磁石351A〜354Aに空隙を隔てて対向し、後側の辺34bが各後側磁石351A〜354Aに空隙を隔てて対向している。
次に、レンズ駆動装置30Zの動作について説明する。
なお、前側磁石351A〜354Aの着磁方向と後側磁石351B〜354Bの着磁方向とは実施の形態6の場合と同じとする。
レンズホルダー12を被写体側である+Z側に駆動する場合には、前側及び後側磁石351A,351Bに対向する駆動用コイル341にX軸周り反時計回りの電流を流し、前側及び後側磁石352A,352Bに対向する駆動用コイル342に前記電流と同じ大きさのX軸周り時計回りの電流を流す。
駆動用コイル341の前側の辺34aには、前側磁石351Aからレンズホルダー12へ向かう磁界が印加され、後側の辺34bには、後側磁石351Bからレンズホルダー12側とは反対側へ向かう磁界が印加されているので、駆動用コイル341にX軸周り反時計回りの電流を流すと、前側の辺34aにも後側の辺34bにも+Z側を向いたローレンツ力が発生する。一方、駆動用コイル342の前側の辺34aには、前側磁石352Aからレンズホルダー12へ向かう磁界が印加され、後側の辺34bには、後側磁石351Bからレンズホルダー12側とは反対側へ向かう磁界が印加されているので、駆動用コイル342にX軸周り時計回りの電流を流すと、前側の辺34aにも後側の辺34bにも+Z側を向いたローレンツ力が発生する。
なお、左右の辺34c,34dに作用する磁界は電流の向きに直交する成分が殆どないのでローレンツ力は発生しない。
したがって、レンズホルダー12は、+Z側に移動してローレンツ力と前側及び後側バネ部材16A,16Bの復元力とが釣り合った位置まで移動する。
なお、前側及び後側磁石353A,353Bに対向する駆動用コイル343にY軸周り反時計回りの電流を流し、前側及び後側磁石354A,354Bに対向する駆動用コイル344にY軸周り時計回りの電流を流しても、レンズホルダー12を被写体側である+Z側に駆動させることができる。
あるいは、駆動用コイル341にX軸周り反時計回りの電流を流し、駆動用コイル342にX軸周り時計回りの電流を流し、駆動用コイル343にY軸周り反時計回りの電流を流し、駆動用コイル344にY軸周り時計回りの電流を流してもレンズホルダー12を被写体側である+Z側に駆動することができる。
また、レンズホルダー12を−Z側に移動させようとする場合には、各駆動用コイル341〜344に逆方向の電流を流せばよい。
レンズホルダー12が+Z側に最大移動した場合には、レンズホルダー12の外周面に設けられた駆動用コイル341〜344の巻回芯部から突出する制動用導体381〜384がそれぞれ図示しない後側ケース13Bの+Z側に取付けられている前側磁石351A〜354Aの−Zの側の面に接近し、最終的には当接する。
実施の形態6と同様に、制動用導体381〜384に作用する前側磁石351A〜354Aからの磁界は、制動用導体381〜384が前側磁石351A〜354Aに接近するにつれて急激に大きくなるので、レンズホルダー12に作用する制動力は制動用導体381〜384が前側磁石351A〜354Aに接近するにつれて急激に大きくなる。したがって、レンズホルダー12が固定部材であるケース13に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができるので、レンズホルダー12とケース13との衝突に起因するレンズ駆動装置30Zの動作音を大幅に低減できるとともに、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
一方、レンズホルダー12が浮上状態から通電が停止されて初期位置に戻るときには、制動用導体381〜384がそれぞれ後側ケース13Bの−Z側に取付けられている後側磁石351B〜354Bの+Zの側の面に接近し、最終的には当接する。
この場合も、制動用導体381〜384に作用する後側磁石351B〜354Bからの磁界は、制動用導体381〜384が後側磁石351B〜354Bに接近するにつれて急激に大きくなるので、レンズホルダー12に作用する制動力(+Z方向の力)は制動用導体381〜384が後側磁石351B〜354Bに接近するにつれて大きくなる。したがって、レンズホルダー12が固定部材であるケース13に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができる。
実施の形態7.
前記実施の形態1〜6では、レンズホルダー12にZ軸方向の制動力を与えて可動部材であるレンズホルダー12が固定部材であるケース13(または、ケース23)に衝突する際の衝撃強度を弱める場合について説明したが、本発明は、例えば、図12(a),(b)に示すような可動枠42の手振れを抑制する手振れ抑制装置40において、可動枠42を急激に揺動させたときに可動枠42と固定枠43とが衝突する際の衝突音を低減する場合にも適用可能である。
手振れ抑制装置40は、内側にレンズ駆動装置などの可動部材41が装着される平面視正方形状の筒体から成る可動枠42と、可動枠42の外側に可動枠42を囲むように配置される平面視正方形状の筒体から成る固定枠43と、固定枠43の内周側側面431〜434にそれぞれ取付けられた駆動用コイル441〜444と、可動枠42の側面421〜424にそれぞれ駆動用コイル441〜444と空隙を隔てて対向するように取付けられた駆動用磁石451〜454と、可動枠42を固定枠43に揺動可能に懸架するバネ部材46と、バネ取付部材47と、駆動用コイル441〜444の巻回芯部のそれぞれに、駆動用磁石451〜454側に突出するように設けられた制動用導体481〜484とを備える。
図13にも示すように、可動枠42の側面421と固定枠43の内周側側面431とはそれぞれ+X側の側面で、可動枠42の側面422と固定枠43の内周側側面432とはそれぞれ−X側の側面である。また、可動枠42の側面423と固定枠43の内周側側面433とはそれぞれ+Y側の側面で、可動枠42の側面424と固定枠43の内周側側面434とはそれぞれ−Y側の側面である。
駆動用コイル441〜444は、Z軸と直交する方向に延長する前側及び後側の辺44a,44bと、Z軸と平行な方向に延長する左右の辺44r,44lとを備える。なお、左右は、駆動用磁石451〜454からそれぞれ互いに対向する駆動用コイル441〜444を見たときの方向である。
また、駆動用磁石451〜454は、駆動用コイル441〜444側の面が全てN極になるように着磁されている。
なお、本例では、バネ部材46を、可動部材41に設けられたバネ取付部材47と固定枠43との間に取付けたが、可動枠42の−Z側の端部と固定枠43との間に取付けてもよい。また、可動枠42を省略し、可動部材41を可動枠として使用してもよい。
次に、手振れ抑制装置40の動作について説明する。
駆動用コイル441の+Y側の辺である左側の辺44lには駆動用磁石451から+Y方向の磁界Hが作用し、−Y側の辺である右側の辺44rには−Y方向の磁界Hが作用しているので、駆動用コイル441にX軸周り時計回りの電流Iを流せば、駆動用コイル441は−X方向のローレンツ力Fが発生する。駆動用コイル441は、固定枠43に取付けられているので、可動枠42に取付けられている駆動用磁石451は+X方向を向いた反力F’を受ける。本例では、バネ部材46が−Z側のみに設けられているので、前記+X方向を向いた反力F’により、可動部材41はY軸周り右回りに揺動する。
したがって、可動部材41にY軸周り左回りの手振れが発生した場合には、駆動用コイル441にX軸周り時計回りの電流Iを流せば、前記手振れを抑制することができる。
逆に、駆動用コイル441にX軸周り反時計回りの電流を流せば、駆動用コイル441には+X方向のローレンツ力が発生し、駆動用磁石451は−X方向を向いた反力を受けるので、可動部材41はY軸周り左回りに揺動する。したがって、可動部材41にY軸周り右回りの手振れが発生した場合には、駆動用コイル441にX軸周り反時計回りの電流を流せば、前記手振れを抑制することができる。
一方、駆動用コイル442の+Y側の辺である右側の辺44rには駆動用磁石452から+Y方向の磁界Hが作用し、−Y側の辺である左側の辺44lには−Y方向の磁界Hが作用しているので、駆動用コイル442にX軸周り時計回りの電流Iを流せば、駆動用コイル442には−X方向のローレンツ力Fが発生し、駆動用磁石452は+X方向を向いた反力F’を受けるので、可動部材41をY軸周り右回りに揺動する。
したがって、可動部材41にY軸周り左回りの手振れが発生した場合には、駆動用コイル442にX軸周り時計回りの電流Iを流しても、前記手振れを抑制することができる。
また、可動部材41にY軸周り右回りの手振れが発生した場合には、駆動用コイル442にX軸周り反時計回りの電流を流しても、前記手振れを抑制することができる。
また、駆動用コイル441,442にそれぞれX軸周り時計回りの同じ大きさの電流Iを流せば、駆動用磁石451と駆動用磁石452とはともに+X方向を向いた反力F’を受けるので、可動部材41を+X方向に揺動させることができる。また、X軸周り時計回りの同じ大きさの電流を流せば可動部材41を−X方向に揺動させることができる。
したがって、可動部材41にX軸方向の手振れが発生した場合には、駆動用コイル441,422にそれぞれX軸周り時計回りもしくは反時計回りの電流を流せば、前記手振れを抑制することができる。
また、駆動用コイル443の+X側の辺である右側の辺44rには駆動用磁石453からの+X方向の磁界Hが作用し、−X側の辺である左側の辺44lには−X方向の磁界Hが作用しているので、駆動用コイル443にY軸周り時計回りの電流Iを流せば、駆動用コイル443には−Y方向のローレンツ力Fが発生し、駆動用磁石453は+Y方向を向いた反力F’を受ける。したがって、可動部材41をX軸周り左回りに揺動させることができる。
また、駆動用コイル444の+X側の辺である左側の辺44lには駆動用磁石454からの+X方向の磁界Hが作用し、右側の辺44rには−X方向の磁界Hが作用しているので、駆動用コイル444にY軸周り時計回りの電流Iを流せば、駆動用コイル444には−Y方向のローレンツ力Fが発生し、駆動用磁石454は+Y方向を向いた反力F’を受ける。したがって、可動部材41をX軸周り左回りに揺動させることができる。
逆に、駆動用コイル443にY軸周り反時計回りの電流を流せば、駆動用コイル443には+Y方向のローレンツ力が発生し、駆動用磁石453は−Y方向を向いた反力を受けるで、可動部材41をX軸周り右回りに揺動させることができ、駆動用コイル444にY軸周り反時計回りの電流を流せば、駆動用コイル444には+Y方向のローレンツ力が発生し、駆動用磁石453は−Y方向を向いた反力を受けるので、可動部材41をX軸周り右回りに揺動させることができる。
また、駆動用コイル443,444にそれぞれY軸周り時計回りの同じ大きさの電流を流せば可動部材41を+Y方向に揺動させることができ、Y軸周り反時計回りの同じ大きさの電流Iを流せば可動部材41を−Y方向に揺動させることができる。
可動部材41を+X側に大きく揺動させた場合、もしくは、Y軸周り右周りに揺動させた場合には、駆動用磁石451が駆動用コイル441の巻回芯部から突出する制動用導体481に接近し、最終的には当接する。
駆動用磁石451の+X側の面と制動用導体481の−X側の面とは空隙を隔てて対向しているので、制動用導体481に作用する駆動用磁石451からの磁界は、駆動用磁石451が制動用導体481に接近するにつれて急激に大きくなる。したがって、制動用導体481に生じる渦電流による反発力(+X方向の力)も急激に大きくなる。制動用導体481は固定枠43に設けられているので、この反発力が可動部材41を保持する可動枠42の+X側への移動に対する制動力(−X方向の力)となる。すなわち、可動枠42に作用する制動力は前側制動用磁石451が制動用導体481に接近するにつれて大きくなるので、可動枠42が固定枠43に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができる。したがって、可動枠42と固定枠43との衝突に起因する手振れ抑制装置40の動作音を大幅に低減できるとともに、衝突による構成部材の損傷も防ぐことができる。
可動部材41を−X側に大きく揺動させた場合、もしくは、Y軸周り左回りに揺動させた場合には、駆動用磁石452が制動用導体482に接近する。この場合も、前記制動用導体481と駆動用磁石451との関係と同様に、制動用導体482に作用する駆動用磁石452からの磁界は、駆動用磁石452が制動用導体482に接近するにつれて急激に大きくなるので、可動枠42に作用する制動力も前側制動用磁石452が制動用導体482に接近するにつれて大きくなる。したがって、可動枠42が固定枠43に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができる。
一方、可動部材41を+Y側に大きく揺動させた場合、もしくは、X軸周り左回りに揺動させた場合には、駆動用磁石453が制動用導体483に接近するので、前記の場合と同様に、可動枠42に作用する制動力は前側制動用磁石453が制動用導体483に接近するにつれて大きくなる。また、可動部材41を−Y側に大きく揺動させた場合、もしくは、X軸周り右回りに揺動させた場合には、駆動用磁石454が制動用導体484に接近するので、前記の場合と同様に、可動枠42に作用する制動力は前側制動用磁石453が制動用導体483に接近するにつれて大きくなる。
したがって、可動部材41をY軸方向に大きく揺動させた場合、もしくは、X軸周り揺動させた場合でも、可動枠42が固定枠43に衝突する際の衝撃強度を大幅に弱めることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
10 レンズ駆動装置、11 レンズ、12 レンズホルダー、13 ケース、
13A 前側ケース、13B 後側ケース、14 駆動用コイル、15 駆動用磁石、
151〜154 第1〜第4の磁石、16A,16B バネ部材、
17A,17B 制動用磁石、18A,18B 制動用導体、19 スペーサー。

Claims (6)

  1. 固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、
    制動用磁石と制動用導体とを備え、
    前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、
    前記制動用導体が、前記制動用磁石のZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方に前記制動用磁石に対向して配置され、
    前記制動用磁石と前記制動用導体のいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする電磁駆動装置。
  2. 固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、
    磁気ヨークと制動用導体とを備え、
    前記磁気ヨークが、前記駆動用磁石の前記駆動用コイル側とは反対側の面に沿って配設される第1のヨークと、前記第1のヨークのZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方からZ軸と直交する方向に突出する第2のヨークとを有し、
    前記制動用導体が、前記第2のヨークのZ軸前方またはZ軸後方に、前記第2のヨークに空隙を隔てて対向し、
    前記磁気ヨークと前記制動用導体のいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする電磁駆動装置。
  3. 固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、
    磁気ヨークと制動用導体とを備え、
    前記磁気ヨークが、前記駆動用磁石の前記駆動用コイル側とは反対側の面に沿って配設される第1のヨークと、前記第1のヨークのZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方または両方からZ軸と直交する方向に突出する第2のヨークと、前記第2のヨークからZ軸前方及びZ軸後方のいずれか一方に突出する第3のヨークとを有し、
    前記制動用導体が、前記第3のヨークの端部と空隙を隔てて対向し、
    前記磁気ヨークと前記制動用導体のいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする電磁駆動装置。
  4. 固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、
    前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、
    前記駆動用磁石が、Z軸前方及びZ軸後方に位置する前側磁石と後側磁石とを備え、
    前記駆動用コイルが、Z軸周りに巻き回されて前記前側磁石と前記後側磁石とにそれぞれ空隙を隔てて対向するように設けられた前側コイルと後側コイルとを備え、
    前記前側コイルと後側コイルとの間には、前記前側磁石と前記後側磁石との間に突出する制動用導体が設けられ、
    前記駆動用磁石と前記駆動用コイルのいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする電磁駆動装置。
  5. 固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、
    制動用導体を備え、
    前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、
    前記駆動用コイルが、Z軸に直交する軸周りに巻き回されてZ軸周りに均等な角度で配置される偶数個のコイルを備え、
    前記駆動用磁石が、前記複数個のコイルのZ軸前方に位置するコイル辺にそれぞれ対向する複数個の前側磁石、及び、前記複数個のコイルのZ軸後方に位置するコイル辺にそれぞれ対向する複数個の後側磁石のいずれか一方もしくは両方を備え、
    前記制動用導体が前記駆動用コイル側から前記前側磁石と前記後側磁石との間に突出し、
    前記駆動用磁石と前記駆動用コイルのいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする電磁駆動装置。
  6. 固定部材と、柱状もしくは筒状の可動部材と、前記可動部材を前記固定部材に揺動可能に懸架支持する懸架手段と、駆動用コイルと前記駆動用コイルに空隙を隔てて配設された駆動用磁石とを備え前記可動部材を前記固定部材に対して揺動させる電磁駆動手段とを備えた電磁駆動装置であって、
    前記可動部材の軸線方向をZ軸方向としたときに、
    前記駆動用磁石が、Z軸周りに均等な角度で配置される偶数個の磁石片を備え、
    前記駆動用コイルが、Z軸に直交する軸周りに巻き回されて前記複数個の磁石片にそれぞれ空隙を隔てて対向する複数個のコイルを備え、
    前記複数個のコイルの巻回芯部には、前記巻回芯部から突出して前記各磁石片に空隙を隔てて対向する制動用導体が設けられ、
    前記駆動用磁石と前記駆動用コイルのいずれか一方が前記固定部材に装着され、他方が前記可動部材に装着されることを特徴とする電磁駆動装置。
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