JP2013099993A - 四輪駆動車の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】四輪駆動車の駆動装置の軽量化を図る。
【解決手段】四輪駆動車の駆動装置1において、フロントデファレンシャル50に配置されているファイナルギヤは大べベルギヤ43であり、出力軸22のエンジン10側の端部に配置され大べベルギヤ43の後部で噛み合う減速ギヤは小ベベルギヤ42であり、ピニオン軸62の前端部に配置された動力入力ギヤは、大べベルギヤ43の後部で噛み合うべベルピニオンギヤ63である。
【選択図】図1

Description

本発明は、四輪駆動車の駆動装置に関する。
例えば、特許文献1には、エンジンの車両幅方向端部にフロントデファレンシャル装置を内蔵した変速機を連結した四輪駆動車の駆動装置が開示されている。
この特許文献1に開示の構造(例えば特許文献1の図7、図8に示す構造)では、変速機のカウンタ軸(出力軸)に固定したリダクションギヤ(減速ギヤ)からフロントデファレンシャル装置に配置されるファイナルギヤに回転を伝達し、フロントデファレンシャル装置から、車両前後方向に延びるピニオン軸を介して後輪に駆動力を伝達している。
そして、特許文献1に開示の構造(例えば特許文献1の図7に示す構造)では、フロントデファレンシャル装置に配置された動力分配用のベベルギヤを介してピニオン軸に設けたベベルピニオンギヤに回転を伝達している。
特開平3−5244号公報
しかし、特許文献1のこのような構造では、ファイナルギヤに加えて比較的直径の大きい専用のベベルギヤをフロントデファレンシャル装置に配置する必要があり、駆動装置の部品点数が増加するとともに重量が増加する恐れがある。
また、特許文献1の構造(例えば特許文献1の図8に示す構造)では、ファイナルリングギヤと噛み合う中間ギヤに回転を伝達した後、この中間ギヤと同軸に配置されるベベルギヤを介してピニオン軸に設けたベベルピニオンギヤに回転を伝達している。
そのため、中間ギヤとベベルギヤと軸とが増加し、駆動装置の小型化が図れない恐れがある。
本発明の目的は、四輪駆動車の駆動装置の軽量化を図ることである。
前記課題を解決するために、(1)本発明の一態様では、エンジンに対して車幅方向に配置され、前記エンジンの動力が入力される入力軸、前記入力軸に対向して配置され入力された変速後の動力を駆動輪側に出力する出力軸、前記入力軸の動力を異なる変速比により変速して前記出力軸に伝達する複数の変速ギヤ列、及び前記出力軸における前記エンジン側の端部に配置された減速ギヤを備える変速機と、前記減速ギヤと噛み合うファイナルギヤが配置されこのファイナルギヤに入力される動力を前駆動輪が連結されている駆動軸に出力するフロントデファレンシャル装置と、前記フロントデファレンシャル装置の車両後方にその長手方向を車両前後方向に向けた状態で配置されかつ、その前端部に配置される動力入力ギヤに前記フロントデファレンシャル装置から動力が入力されるとともに後駆動輪側に該動力を伝達するピニオン軸とを備える四輪駆動車の駆動装置において、前記ファイナルギヤは、大べベルギヤであり、前記減速ギヤは、前記大べベルギヤの前部で噛み合う小べベルギヤであり、前記動力入力ギヤは、前記大べベルギヤの後部で噛み合うべベルピニオンギヤであることを特徴とする四輪駆動車の駆動装置を提供できる。
(2)本発明の一態様では、前記小べベルギヤは、歯面が前記エンジン側に向く。
(3)本発明の一態様では、前記変速機及び前記フロントデファレンシャル装置を収容するケース内に前記動力入力ギヤを収容するとともに前記ピニオン軸を支持する軸受を備える。
(1)の態様の発明によれば、フロントデファレンシャル装置に配置される大ベベルギヤに、出力軸に配置された小ベベルギヤとピニオン軸に配置されたベベルピニオンギヤとをそれぞれ直接噛み合わせたため、出力軸からピニオン軸に到る動力の伝達経路上の軸やギヤの数を削減でき駆動装置の軽量化が図れる。よって、本発明では、駆動装置の軽量化を図り、ギヤの噛み合い箇所の減少による走行抵抗の低減等によって四輪駆動車の燃料消費を低減させることができる。
(2)の態様の発明によれば、エンジン側に小ベベルギヤの歯面を向けた結果、変速機の後方に形成されている空間側に歯面が向く大べベルギヤにべベルピニオンギヤが噛み合うため、変速機の後方の空間にピニオン軸を配置できる。よって、本発明では、変速機の後方の空間を有効利用して駆動装置を小型化できる。
(3)の態様の発明によれば、ベベルピニオンギヤとピニオン軸を内蔵するトランスファケースを変速機ケースと別体に設けることもないため、駆動装置を小型化できる。
本実施形態の四輪駆動車の駆動装置の構成例を示す上面平面図である。 本実施形態の四輪駆動車の駆動装置の構成例を示す側面図である。 本実施形態の四輪駆動車の駆動装置の動作、作用等の説明に使用する図である。
本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態は、本発明を適用した四輪駆動車の駆動装置である。
(構成)
図1及び図2は、四輪駆動車の駆動装置1の構成例を示す図である。図1は上面平面図であり、図2は側面図である。
図1に示すように、四輪駆動車の駆動装置1は、エンジン10のクランク軸11と変速機20の入力軸21とが、クランク軸11と入力軸21との間に設けられているクラッチ12によって断続可能とされている。
クラッチ12は、例えば、クランク軸11の端部に連結されたフライホイールにプレッシャプレートを設け、フライホイール及びプレッシャプレート間にクラッチディスクを配設している。このクラッチ12は、不図示のクラッチ用アクチュエータ等によって操作され断続動作する。
変速機20は、エンジン10に対して車幅方向に配置され、クラッチ12を介してエンジン10の動力が入力される入力軸21と、この入力軸21に平行に配置され入力された変速後の動力を不図示の駆動輪に出力するための出力軸(カウンタ軸とも言う。)22とを有している。ここで、入力軸21は、入力端をクラッチ12のクラッチディスクに連結されている。
また、変速機20は、入力軸21の動力を異なる変速比により変速して出力軸22に伝達する複数の変速ギヤ列として、1速ギヤ列23、2速ギヤ列24、3速ギヤ列25、及び4速ギヤ列26を有している。この変速機20では、入力軸21の入力端側(エンジン10側)から、1速ギヤ列23、2速ギヤ列24、3速ギヤ列25、及び4速ギヤ列26の順番で配置されている。
1速ギヤ列23は、入力軸21に回転自在に支持された1速入力ギヤ31と、この1速入力ギヤ31に噛み合い出力軸22に固定された1速出力ギヤ32とからなる。また、2速ギヤ列24は、入力軸21に回転自在に支持された2速入力ギヤ33と、この2速入力ギヤ33に噛み合い出力軸22に固定された2速出力ギヤ34とからなる。また、3速ギヤ列25は、入力軸21に回転自在に支持された3速入力ギヤ35と、この3速入力ギヤ35に噛み合い出力軸22に固定された3速出力ギヤ36とからなる。また、4速ギヤ列26は、入力軸21に回転自在に支持された4速入力ギヤ37と、この4速入力ギヤ37に噛み合い出力軸22に固定された4速出力ギヤ38とからなる。そして、変速機20は、これらの変速ギヤ列23,24,25,26が同期装置等によって切り換えられる。
なお、変速機20のギヤ列は、このような構成に限定されず、公知の変速機のギヤ列の構成を採用しても良い。
また、変速機20は、出力軸22のエンジン10側又は1速出力ギヤ32側の端部に、該1速出力ギヤ32と軸受41との間に配置される減速ギヤとして小べベルギヤ42を有している。この小べベルギヤ42は、歯面が出力軸22のエンジン10側の端部に向いており、デファレンシャル装置(フロントデファレンシャル装置)50のギヤケース51に固定されているファイナルギヤである大べベルギヤ43と噛み合っている。ここでギヤケース51は軸受55,56によってケース2に回転自在に支持されている。
デファレンシャル装置50では、ギヤケース51内の図示しない差動ギヤ列に左右の駆動軸53,54の一端側が連結されている。そして、駆動軸53,54は、他端側が不図示の前駆動輪に連結されている。
このデファレンシャル装置50に設けられている大べベルギヤ43には、ピニオン軸62の前端部のベベルピニオンギヤ63が噛み合っている。ここで、ピニオン軸62は、軸受61によって回転自在に支持され、その長手方向を車両前後方向に向けた状態で配置され、他端がアウトプットフランジ64によって、後駆動輪に繋がるプロペラシャフト65に連結されている。
また、入力軸21、出力軸22、デファレンシャル装置50、及びピニオン軸62(又はプロペラシャフト65)を側方からみたときの位置関係は、図2に示すような関係になっている。このような位置関係において、例えば、出力軸22の小ベベルギヤ42、デファレンシャル装置50の大ベベルギヤ43、及びピニオン軸62のベベルピニオンギヤ63については、図2に示すように、それぞれの回転中心が同一の直線上に位置している。
また、図1に示すように、変速機20、デファレンシャル装置50、及びベベルピニオンギヤ63は、同一のケース2(デファレンシャル装置50等の収納部位の内側面一部が図1中で点線で示されるケース)に収容されている。このケース2には、出力軸22を支持する軸受41、ギヤケース51を支持する軸受55,56、及びピニオン軸62を支持する軸受61が取り付けられている。これにより、例えば、ケース2に内蔵された軸受61によってピニオン軸62が回転自在に支持されて、ケース2内に位置するようになったピニオン軸62の前端にベベルピニオンギヤ63が取り付けられている。
(動作、作用等)
次に、四輪駆動車の駆動装置1の動作、作用等を説明する。
四輪駆動車の駆動装置1では、入力軸21の動力を複数の変速ギヤ列23〜26が異なる変速比によって変速して出力軸22に伝達し、出力軸22からの動力を小ベベルギヤ42及び大ベベルギヤ43を介してデファレンシャル装置50に伝達し、デファレンシャル装置50が、入力された動力を駆動軸53,54を介して不図示の前駆動輪に伝達する。
そして、四輪駆動車の駆動装置1では、出力軸22からの動力を大ベベルギヤ43及びベベルピニオンギヤ63を介してピニオン軸62に伝達し、ピニオン軸62が、入力された動力をプロペラシャフト65を介して不図示の後駆動輪に伝達する。
次に、図3を参照して本発明の構成(実線)と比較例の構成(一点鎖線)との比較において本発明の効果を説明する。
例えば、比較例(一点鎖線)の構成は、出力軸の端部に平歯形状の減速ギヤ42aを設け、デファレンシャル装置のギヤケースに設けた平歯形状のファイナルギヤ43aがその減速ギヤと噛み合う構成となる。このような構成の場合、ピニオン軸の前端に取り付けられているベベルピニオンギヤは、ファイナルギヤに直接噛み合うことができない。そのため、比較例の構成は、図3に一点鎖線で示すように、デファレンシャル装置のギヤケースに連結されている中空状の駆動軸とベベルピニオンギヤとの間に複数のギヤ101,102を車両前後方向に並べて配置し、ベベルピニオンギヤに動力を伝達する構成となる。
このような比較例の構成と比較すると、本実施形態の四輪駆動車の駆動装置1は、デファレンシャル装置のギヤケースに連結されている中空状の駆動軸とベベルピニオンギヤとの間に複数のギヤ101,102を設ける必要がないため、軽量化されたものとなる。
また、本実施形態の四輪駆動車の駆動装置1は、大ベベルギヤ43とベベルピニオンギヤ63とが噛み合うため、車両前後方向の長さを短縮できる。
以上の実施形態の説明において、ベベルピニオンギヤ63は、例えば、動力入力ギヤを構成する。
また、本発明の実施形態を具体的に説明したが、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、請求項1により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
1 四輪駆動車の駆動装置、10 エンジン、20 変速機、21 入力軸、22 出力軸、23〜26 変速ギヤ列、42 小ベベルギヤ、43 大ベベルギヤ、50 デファレンシャル装置、62 ピニオン軸、63 べベルピニオンギヤ

Claims (3)

  1. エンジンに対して車幅方向に配置され、前記エンジンの動力が入力される入力軸、前記入力軸に対向して配置され入力された変速後の動力を駆動輪側に出力する出力軸、前記入力軸の動力を異なる変速比により変速して前記出力軸に伝達する複数の変速ギヤ列、及び前記出力軸における前記エンジン側の端部に配置された減速ギヤを備える変速機と、前記減速ギヤと噛み合うファイナルギヤが配置されこのファイナルギヤに入力される動力を前駆動輪が連結されている駆動軸に出力するフロントデファレンシャル装置と、前記フロントデファレンシャル装置の車両後方にその長手方向を車両前後方向に向けた状態で配置されかつ、その前端部に配置される動力入力ギヤに前記フロントデファレンシャル装置から動力が入力されるとともに後駆動輪側に該動力を伝達するピニオン軸とを備える四輪駆動車の駆動装置において、
    前記ファイナルギヤは、大べベルギヤであり、
    前記減速ギヤは、前記大べベルギヤの前部で噛み合う小べベルギヤであり、
    前記動力入力ギヤは、前記大べベルギヤの後部で噛み合うべベルピニオンギヤであることを特徴とする四輪駆動車の駆動装置。
  2. 前記小べベルギヤは、歯面が前記エンジン側に向くことを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車の駆動装置。
  3. 前記変速機及び前記フロントデファレンシャル装置を収容するケース内に前記動力入力ギヤを収容するとともに前記ピニオン軸を支持する軸受を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の四輪駆動車の駆動装置。
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