JP2013099185A - 車両および車両の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータジェネレータからの駆動力を用いて走行が可能な車両において、車両のイナーシャ変化を考慮して適切に車両走行時のエネルギ効率を向上させる。
【解決手段】車両100は、走行駆動力を発生するモータジェネレータ130と、ECU300と、車両100のイナーシャの変化を検出するためのイナーシャ検出部200とを備える。ECU300は、モータジェネレータ130について、所定の駆動力を発生する第1の状態(高出力状態)と、第1の状態よりも駆動力を小さくした第2の状態(低出力状態)とを切換えながら車両100を走行させる駆動力変更運転を実行する。ECU300は、駆動力変更運転を実行中に、イナーシャの変化に応じてモータジェネレータ130の駆動力をフィードバック制御により調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両および車両の制御方法に関し、より特定的には、車両の慣性力を利用して走行する車両の走行制御に関する。
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。
そして、これらの車両において、さらなる環境負荷の削減のために、燃費,電費を低減することによってエネルギ効率を向上することが求められている。
特表2008−520485号公報(特許文献1)は、内燃機関とモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両において、モータジェネレータが発電機モードの際に、車両電気系統の実消費電力よりも大きい高出力で動作するようにモータジェネレータを駆動する第1のインターバルと、モータジェネレータをスイッチオフする第2のインターバルとを交互に繰り返すように、モータジェネレータを制御する構成を開示する。
特表2008−520485号公報(特許文献1)によれば、モータジェネレータが発電機として動作する際に、第1のインターバルにおいては効率の高い動作点でモータジェネレータを駆動し、第2のインターバルにおいてはモータジェネレータが停止される。これによって、発電動作時に効率の低い状態でモータジェネレータの運転が継続されることが抑制されるので、発電動作における車両のエネルギ効率を向上することができる。
また、特開2010−6309号公報(特許文献2)は、内燃機関とモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両において、内燃機関の発生する駆動力を用いた走行と、内燃機関を停止した惰性状態での走行とを交互に繰り返す構成を開示する。これにより、内燃機関を高効率の動作点で駆動することができるので、燃費を向上させることができる。
特表2008−520485号公報 特開2010−6309号公報 特開2009−298232号公報 特開2007−187090号公報
しかしながら、上記の特表2008−520485号公報(特許文献1)においては、モータジェネレータで発電を行なう場合に、モータジェネレータの駆動と停止とを繰り返す構成であり、車両の走行のための駆動力を変化させるものではなかった。
また、特開2010−6309号公報(特許文献2)は、ハイブリッド車両において、内燃機関であるエンジンの駆動と停止とを繰り返して加速惰性走行制御を行なう構成を開示するものであり、モータジェネレータの運転については考慮されていなかった。
特開2010−6309号公報(特許文献2)のような加速惰性走行を行なう場合、車両が走行する路面の斜度変化などにより車両にかかるイナーシャが変化した場合、そのイナーシャの変化によって車両の加減速が影響される。そのため、車速を維持するためには、イナーシャ変化に対して駆動源の出力を制御することが必要となるが、特開2010−6309号公報(特許文献2)においては、車両のイナーシャ変化がある場合の具体的な制御については言及されていなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、少なくともモータジェネレータからの駆動力を用いて走行が可能な車両において、車両のイナーシャ変化を考慮して適切に車両走行時のエネルギ効率を向上させることである。
本発明による車両は、車両の走行駆動力を発生する回転電機と、回転電機を制御するための制御装置と、車両のイナーシャの変化を検出するための検出部とを備える。制御装置は、回転電機について、第1の駆動力を発生する第1の状態と、第1の状態よりも駆動力を小さくした第2の状態とを切換えながら車両を走行させる駆動力変更運転を実行する。そして、制御装置は、駆動力変更運転実行中に、イナーシャの変化に応じて回転電機の駆動力を調整する。
好ましくは、制御装置は、駆動力変更運転実行中のイナーシャが維持されるように、回転電機の駆動力をフィードバック制御により調整する。
好ましくは、制御装置は、イナーシャが増加する場合には回転電機の駆動力を低下させ、イナーシャが低下する場合には回転電機の駆動力を増加させる。
好ましくは、制御装置は、イナーシャが増加する場合は、第2の状態において回転電機を回生運転する。
好ましくは、制御装置は、駆動力変更運転実行中において、第1の状態における加速度の変動および第2の状態における減速度の変動の少なくとも一方が維持されるように、回転電機の駆動力を調整する。
好ましくは、制御装置は、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、駆動力変更運転を実行する。
好ましくは、制御装置は、駆動力変更運転の実行中は、車両の速度が許容範囲内に維持されるように、第1および第2の状態を切換える。
好ましくは、制御装置は、車両の速度が許容範囲の下限値まで低下したことに応答して第1の状態に切換え、車両の速度が許容範囲の上限値まで上昇したことに応答して第2の状態に切換える。
好ましくは、制御装置は、イナーシャの増加量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、上限値および下限値の少なくとも一方を増加させる。
好ましくは、制御装置は、イナーシャの低下量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、上限値および下限値の少なくとも一方を低下させる。
好ましくは、車両は、第2の状態においては主に車両の慣性力によって走行する。
好ましくは、車両は、車両の走行駆動力を発生する内燃機関をさらに備える。
好ましくは、制御装置は、第2の駆動力を発生する第3の状態と、第3の状態よりも小さい駆動力とする第4の状態とを切換えながら車両を走行させる駆動力変更運転を実行する。
本発明による車両の制御方法は、走行駆動力を発生する回転電機および車両のイナーシャの変化を検出するための検出部を有する車両についての制御方法である。制御方法は、回転電機が所定のレベルの駆動力を発生する第1の状態にするステップと、回転電機を第1の状態よりも駆動力を小さくした第2の状態にするステップと、第1および第2の状態を切換えながら車両を走行させる駆動力変更運転を実行するステップと、駆動力変更運転実行中に、イナーシャの変化に応じて回転電機の駆動力を調整するステップとを備える。
本発明によれば、少なくともモータジェネレータからの駆動力を用いて走行が可能な車両において、車両のイナーシャ変化を考慮して適切に車両走行時のエネルギ効率を向上させることができる。
実施の形態1に従う車両の全体ブロック図である。 実施の形態1において、ECUで実行される慣性走行制御を説明するための機能ブロック図である。 図2における出力演算部の詳細を説明するための図である。 イナーシャが増加する例として、下り坂を走行する場合の慣性走行制御を説明するためのタイムチャートである。 イナーシャが低下する例として、登り坂を走行する場合の慣性走行制御を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1において、ECUで実行される慣性走行制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に従うハイブリッド車両の全体ブロック図である。 実施の形態2における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に従う車両100の全体ブロック図である。以下で詳細に説明されるように、車両100は、駆動源として回転電機を用いる電気自動車あるいは燃料電池車である。
図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレー(System Main Relay:SMR)115と、駆動装置であるPCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130と、動力伝達ギヤ140と、駆動輪150と、イナーシャ検出部200と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)300とを備える。PCU120は、コンバータ121と、インバータ122と、電圧センサ180,185と、コンデンサC1,C2とを含む。
蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
蓄電装置110は、電力線PL1およびNL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
蓄電装置110には、電圧センサ170および電流センサ175が設けられる。電圧センサ170は、蓄電装置110の電圧VBを検出し、その検出結果をECU300へ出力する。電流センサ175は、蓄電装置に入出力される電流IBを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
SMR115に含まれるリレーは、その一方端が蓄電装置110の正極端子および負極端子に接続され、他方端がPCU120に接続される電力線PL1,NL1に接続される。そして、SMR115は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110とPCU120との間における電力の供給と遮断とを切換える。
コンバータ121は、ECU300からの制御信号PWCに基づいて、電力線PL1,NL1と電力線PL2,NL1との間で電圧変換を行なう。
インバータ122は、電力線PL2,NL1に接続される。インバータ122は、ECU300からの制御信号PWIに基づいて、コンバータ121から供給される直流電力を交流電力に変換し、モータジェネレータ130を駆動する。
コンデンサC1は、電力線PL1およびNL1の間に設けられ、電力線PL1およびNL1間の電圧変動を減少させる。また、コンデンサC2は、電力線PL2およびNL1の間に設けられ、電力線PL2およびNL1間の電圧変動を減少させる。
電圧センサ180および185は、それぞれコンデンサC1およびC2の両端にかかる電圧VLおよびVHを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
モータジェネレータ130は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機や動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪150の回転によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
車両100の速度(車速)を検出するために、速度センサ190が駆動輪150の近傍に設けられる。速度センサ190は、駆動輪150の回転速度に基づいて車速SPDを検出し、その検出値をECU300に出力する。また、速度センサとして、モータジェネレータ130の回転角を検出するための回転角センサ(図示せず)を用いてもよい。この場合には、ECU300は、モータジェネレータ130の回転角の時間的変化および減速比などに基づいて、間接的に車速SPDを演算する。
イナーシャ検出部200は、車両100のイナーシャに関する信号INTを検出する。イナーシャ検出部200としては、たとえば、傾斜センサやGセンサを用いることができる。あるいはサスペンションの伸縮の変化や、アクセル開度と車速との関係から算出した走行抵抗などを用いてイナーシャ変化を検出するようにしてもよい。そして、イナーシャ検出部200は、検出したイナーシャに関する信号INTをECU300へ出力する。
なお、本明細書においては、「イナーシャ」とは車両にかかる慣性力を意味するものとし、車速および車両の駆動力変化に起因するもののほかに、坂路走行時のような重力に起因するもの、あるいは、風圧や路面状況などの走行環境によって車両に作用する力に起因するものなどを含む。
ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、蓄電装置110および車両100の各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU300は、PCU120、SMR115などを制御するための制御信号を生成して出力する。なお、図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、PCU120用の制御装置や蓄電装置110用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
ECU300は、蓄電装置110に備えられる電圧センサ170,電流センサ175からの電圧VBおよび電流IBの検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC(State of Charge)を演算する。
ECU300は、ユーザによるアクセルペダル(図示せず)の操作に基づいて定められる要求トルクTRを、上位ECU(図示せず)から受ける。ECU300は、ユーザからの要求トルクTRに基づいて、コンバータ121およびインバータ122の制御信号PWC,PWIをそれぞれ生成し、モータジェネレータ130を駆動する。
また、ECU300は、ユーザにより設定されるモード信号MODを受ける。このモード信号MODは、以下に後述する慣性走行制御を実行するか否かを指示するための信号である。モード信号MODは、特定のスイッチや操作画面における設定などによって切換えられる。あるいは、特定の条件が成立したことに応答して、モード信号MODが自動的に設定されるようにしてもよい。
ECU300は、たとえば、モード信号MODがオンに設定されている場合には、慣性走行制御を行なうように動作し、モード信号MODがオフに設定されている場合には、慣性走行制御を行なわない通常の走行を行なうように動作する。
このような車両においては、モータジェネレータ130から駆動力が発生されると、蓄電装置の電力が消費される。蓄電装置110の容量は予め定められているので、蓄電装置に蓄えられた電力で、できるだけ長距離を走行するためには、走行中のエネルギ効率を向上させて電力消費を抑制することが必要となる。
車両の走行中には車両には慣性力がはたらいているため、走行中にモータジェネレータによる駆動力を、車速を維持するために必要な駆動力よりも低くした場合は、徐々に車速は低下するものの、しばらくの間は車両の慣性力を用いた走行(以下、「慣性走行」とも称する。)が継続される。
この慣性走行中は、モータジェネレータにより出力される駆動力が小さいので、蓄電装置からの電力消費が少なくなる。そのため、慣性走行を活用して走行を行なうことができれば、車両走行時のエネルギ効率を改善することが可能となり得る。
そこで、実施の形態1においては、図1に示した車両において、ユーザからの要求トルクがほぼ一定であり、それによって車速がほぼ一定に維持されるような走行がされている場合に、モータジェネレータからの駆動力が高出力状態である加速走行を行なう場合と、モータジェネレータの駆動力が低出力状態(駆動力がゼロの場合も含む)である慣性走行を行なう場合とを繰り返して走行する運転(以下、「駆動力変更運転」とも称する。)を行なう慣性走行制御を実行し、走行中におけるエネルギ効率の向上を図る。
ところで、このような慣性走行制御においては、上記のようにユーザ要求トルクがほぼ一定であるが、たとえば、車両100が平坦路から下り坂や登り坂へ移行して、重量の影響で車両のイナーシャが変化した場合には、ユーザ要求トルクが一定であっても、イナーシャの変化によって加減速度が変化してしまう。これによって、車速を所定の許容範囲内に維持できなくなる場合が生じ得る。
そのため、実施の形態1においては、モータジェネレータの駆動力変更運転を用いた慣性走行制御の実行の際に、車両のイナーシャをフィードバック制御することによって、イナーシャ変化の変化に応じて慣性走行制御における駆動力を調整する。これによって、車両のイナーシャが変化した場合であっても、慣性走行制御において車速を所定の許容範囲内に維持できるようにする。
図2は、実施の形態1において、ECU300で実行される慣性走行制御を説明するための機能ブロック図である。図2の機能ブロック図に記載された各機能ブロックは、ECU300によるハードウェア的あるいはソフトウェア的な処理によって実現される。
図1および図2を参照して、ECU300は、イナーシャ演算部310と、出力演算部320と、記憶部330と、駆動制御部340とを含む。
イナーシャ演算部310は、イナーシャ検出部200で検出されたイナーシャに関する信号INTを受ける。イナーシャ演算部310は、受信したイナーシャに関する信号INTの現在の値を、検出値Gdetとして設定する。
また、イナーシャ演算部310は、受信したイナーシャに関する信号INTに基づいて目標値Gsetを演算する。この目標値Gsetは、たとえば、ある特定の車速で平坦路を走行している場合に検出される信号INT(またはその平均値)を記憶したものであり、後述するフィードバック制御の際の基準値として用いられる。なお、この目標値Gsetは、上記に限られず、たとえば、実験的に予め定められた固定の基準値であってもよいし、車速がある期間一定に保たれているというような所定の条件が成立した場合にその都度設定される値であってもよい。
イナーシャ演算部310は、検出値Gdetおよび目標値Gsetを出力演算部320へ出力する。
記憶部330は、ユーザからの要求トルクTRを受け、実験等により予め定められて記憶されているマップや演算式を用いて、要求トルクTRに応じた基準パワーPbaseを設定する。そして、記憶部330は設定された基準パワーPbaseを出力演算部320へ出力する。
出力演算部320は、イナーシャ演算部310からの検出値Gdetおよび目標値Gsetを受ける。また、出力演算部320は、記憶部330からの基準パワーPbaseと、ユーザにより設定されるモード信号MODとを受ける。図3において後述するように、出力演算部320は、これらの情報を用いてフィードバック制御を行なって、イナーシャ変化を考慮して必要とされるトータル目標パワーPoutを演算する。そして、出力演算部320は、目標パワーPoutを駆動制御部340へ出力する。
駆動制御部340は、出力演算部320からの目標パワーPoutと、ユーザの操作により設定されるモード信号MODを受ける。駆動制御部340は、出力演算部320からの目標パワーPoutが達成されるように、コンバータ121およびインバータ122のそれぞれの制御信号PWC,PWIを演算する。そして、駆動制御部340は、これらの制御信号を用いて、コンバータ121およびインバータ122を駆動する。
このとき、駆動制御部340は、モード信号MODによって慣性走行制御の実行の要否を判定する。駆動制御部340は、慣性走行制御の実行が指示されている場合には、目標パワーPoutに基づいて、高出力状態と低出力状態とが切換えられるような制御信号を生成する。駆動制御部340は、慣性走行制御の実行が指示されていない場合には、目標要求パワーPoutが連続的に出力されるような制御信号を生成する。
次に、図3を用いて、図2における出力演算部320の詳細について説明する。図3は、出力演算部320の詳細な機能ブロック図である。
図2および図3を参照して、出力演算部320は、減算部321,324と、ゲイン乗算部322と、加算部323と、PID制御部325とを含む。
減算部321は、イナーシャ演算部310から受けた目標値Gsetから検出値Gdetを減算することによってイナーシャ変化ΔGを演算し、その演算結果をゲイン乗算部322に出力する。
ゲイン乗算部322は、ユーザにより設定されるモード信号MODと、減算部321からのイナーシャ変化ΔGとを受ける。ゲイン乗算部322は、イナーシャ変化ΔGとゲインKとを掛け合わせて、イナーシャの変化によるパワーの補正量Paddを演算する。
このとき、ゲイン乗算部322は、モード信号MODに基づいて慣性走行制御の実行の要否を判定し、慣性走行制御が実行されない場合には、ゲインKをゼロとして、補正量Paddがゼロとなるようにする。
加算部323は、記憶部330からの基準パワーPbaseとゲイン乗算部322からの補正量Paddを加算し、イナーシャ変化を考慮したパワーの目標値Prefを演算する。
減算部324は、目標値Prefから、駆動制御部340へ出力される目標パワーPoutを減算し、その偏差ΔPをPID制御部325へ出力する。PID制御部325は、この偏差ΔPをPID制御(あるいはPI制御)して目標パワーPoutを演算し、駆動制御部340へ演算結果を出力する。
このように、イナーシャの変化に対応して、フィードバック制御によりパワー(駆動力)を調整することによって、慣性走行制御の応答性を向上させることができる。
このような構成を有する車両100で実行される慣性走行制御の動作の例を図4および図5を用いて説明する。
図4は、イナーシャが増加する例として、下り坂を走行する場合の慣性走行制御を説明するためのタイムチャートである。図4においては、横軸には時間が示され、縦軸には、路面の斜度、車速SPD、モータジェネレータの出力、ユーザからの要求パワー、および蓄電装置のSOCが示される。
図1および図4を参照して、まず、車両100が、平坦な道路を一定の車速V1で走行している場合(〜時刻t8)を考える。この場合、図4のように、ユーザから要求されるパワーは、ほぼ一定の値として与えられる。なお、「ユーザから要求されるパワーがほぼ一定の値である」とは、多少の変動はあるものの、ある所定時間内において、ユーザ要求パワーが予め定められた所定範囲内(たとえば、±3%)に維持される状態を意味する。
実施の形態1の慣性走行制御を適用しない場合においては、モータジェネレータ130の出力は、図4中の破線W13のように、ほぼ一定の大きさで連続して出力される。これにより、車速SPDは、図4中の破線W11のように、ほぼ一定に維持される。
このとき、蓄電装置110からは、一定の電力が連続して出力されるために、蓄電装置110のSOCは、図4中の破線W15のように、直線的に減少する。
ところが、時刻t8において車両100が下り坂にさしかかると、車両100に作用する重力の影響によって車両進行方向に作用する駆動力が実質的に増加され、車両のイナーシャが増加する。これによって、図4中の破線W11のように、車速が上昇してしまい、車速を許容範囲内に維持することができなくなる場合が起こり得る。そうすると、先行車両との車間距離が徐々に短くなり、衝突などの原因になる可能性がある。
一方、実施の形態1の慣性走行制御を適用した場合には、基本的には、モータジェネレータ130を高出力状態とした加速走行と、モータジェネレータ130を低出力状態とした慣性走行とが交互に繰り返される。なお、低出力状態には、モータジェネレータ130を停止した状態、および、負の出力である状態すなわち回生運転を行なう場合も含まれる。
具体的には、時刻t1までは、実施の形態1の慣性走行制御が適用されていない状態であり、モータ出力PM0が連続的に出力されている。
時刻t1において、ユーザにより慣性走行制御の実行が指示されると、まずモータジェネレータ130が停止される(図4中の実線W12)。そうすると、モータジェネレータ130からの駆動力がなくなるので、図4中の実線W10のように、慣性力による走行が開始されて徐々に車速SPDが低下する。
このとき、蓄電装置110からの充放電電力がゼロとなるので、SOCの低下が抑制される。
そして、車速SPDが、目標とする車速V1に対して予め定められた許容範囲の下限値LLまで低下すると(図4中の時刻t2)、モータジェネレータ130の駆動が再開され高出力状態とされる。このときのモータ出力は、車速V1を維持するために必要とされる出力PM0よりも大きいPM1に設定される。これによって、車両100が加速する。このとき、駆動力発生中は、慣性走行を行なわない場合に比べるとSOCの減少量は大きくなるが、時刻t1からt2までの惰性走行により電力が消費されていないため、トータルのSOCは高い状態が維持される(図4中の実線W14)。
そして、車速SPDが予め定められた上記の許容範囲の上限値ULまで上昇すると、再びモータジェネレータ130が低出力状態に切換えられ(図4中の時刻t3)、慣性走行が実行される。
その後、同様に、車速SPDが下限値LLまで低下するとモータジェネレータ130が高出力状態に切換えられ、さらに車速SPDが上限値ULまで上昇するとモータジェネレータ130が低出力状態に切換えられる。
このような駆動力変更運転を繰り返すことによって、車速SPDは上記の許容範囲内では変動するものの、平均速度をほぼV1に維持しながら、蓄電装置のSOCの減少を抑制することができる。その結果、全体としてエネルギ効率が向上され、蓄電装置に蓄えられた電力による走行可能距離を拡大することができる。
そして、時刻t8において車両100が下り坂にさしかかりイナーシャが大きくなると、図3で説明したフィードバック制御によって、イナーシャの変化に対応して加速走行時のモータジェネレータ130の駆動力がPM2(<PM1)に低減される。このように、モータジェネレータ130の駆動力を低下することによって、車両に作用する重力に相当する駆動力が低減できるので、結果として車速の上昇を抑制することが可能となる。
また、低出力状態においては減速度が低下するので、図4の例に示されるように、イナーシャが増加した場合には、低出力状態においてモータジェネレータ130を回生運転することにより、減速度の低下を抑制することがより好ましい。
なお、モータジェネレータが加速走行を行なう際のモータ出力、および加速時間については、任意に設定可能である。たとえば、加速時間を所定の時間に設定し、その期間内に車速SPDを下限値LLから上限値ULまで増加できるようなモータ出力とするようにしてもよい。あるいは、加速に用いるモータ出力を所定の出力にして、加速時間については成り行きとするようにしてもよい。加速時間が短すぎると、大きなパワーが必要となるので、トルクショックが生じる可能性がある。逆にモータ出力が小さすぎると、加速時間、すなわちモータジェネレータの駆動時間が長くなり慣性走行が実施されにくくなる。したがって、加速時間と加速時のモータ出力は、ドライバビリティおよびエネルギ効率を勘案して適切に設定される。
また、イナーシャが増加した際のモータ出力の設定については、たとえば、平坦路を走行する場合の慣性走行時間TL1および加速走行時間TH1と、下り坂を走行する場合の慣性走行時間TL2および加速走行時間TH2とが同等となるようにすると、平坦路および下り坂を通して、ユーザに同じ加速感および減速感を与えることができるので好適である。
さらに、モータ出力は、イナーシャの大きさに応じて変化するようにすることが望ましく、イナーシャがさらに増加したような場合には、それに対応してモータ出力をさらに低下するようにしてもよい。図4においては、イナーシャの変化がステップ状に変化する場合を例として説明したが、イナーシャが連続的に増加するような場合には、それに対応して、高出力状態におけるモータ出力も連続的に低下(または減少)させるようにしてもよい。
なお、上記において、平坦路において駆動力変更運転により定常走行している場合に、加速走行および慣性走行の切換えによって生じるイナーシャ変化についてはフィードバック制御はなされないことに注意すべきである。より具体的には、フィードバック制御が行なわれるイナーシャ変化は、加速走行における加速度の変化、および慣性走行における減速度の変化によって判定する。
一方、図5は、イナーシャが低下する例として、登り坂を走行する場合の慣性走行制御を説明するためのタイムチャートである。
図1および図5を参照して、図4の場合と同様に、時刻t28までは、平坦路において、平均速度V1が維持されるように駆動力変更運転が実行される。
そして、時刻t28において車両100が平坦路から登り坂に移行し、イナーシャが低下すると、図3で説明したフィードバック制御によって、イナーシャの変化に対応して加速走行時のモータジェネレータ130の駆動力がPM2A(>PM1A)に増加される。このように、モータジェネレータ130の駆動力を増加することによって、イナーシャの低下による減速度の増加が防止できるので、結果として車速の低下を抑制することが可能となる。
また、低出力状態においても減速度が増加するので、図5の例に示されるように、イナーシャが低下した場合に、低出力状態においてモータジェネレータ130の駆動力を平坦路の場合よりも増加して運転することにより、減速度の増加を防止することがより好ましい。
なお、イナーシャが低下する場合にも、図4での説明と同様に、平坦路における慣性走行時間および加速走行時間と、登り坂における慣性走行時間および加速走行時間とを、それぞれ同等とすることが好適である。
実施の形態1の慣性走行制御においては、上述のように、ユーザからの要求パワーがほぼ一定である場合に、図4および図5で示したような駆動力変更運転が実行される。一方で、ユーザからの要求パワーが変動する加速時および減速時には、駆動力変更運転は実行されない。ユーザ要求パワーが増加する加速時においては、モータジェネレータ130から連続的に駆動力が出力されて車両を加速する。また、ユーザ要求パワーが減少する減速時においては、モータジェネレータ130からの駆動力が停止または低下されて、所望の車速まで減速される。
図6は、実施の形態1において、ECU300で実行される慣性走行制御処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図6に示されるフローチャート中の各ステップについては、ECU300に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図1および図6を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ユーザによって設定されるモード信号MODに基づいて、慣性走行制御が選択されているか否かを判定する。
モード信号MODがオフに設定されており、慣性走行制御が選択されていない場合(S100にてNO)は、以降の処理がスキップされ、ECU300は処理をメインルーチンに戻す。
モード信号MODがオンに設定されており、慣性走行制御が選択されている場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められ、ECU300は、次に、要求トルクTRに基づいて、ユーザからの要求パワーがほぼ一定であるか否かを判定する。
ユーザ要求パワーがほぼ一定である場合(S110にてYES)は、処理がS120に進められて、ECU300は、駆動力変更運転を実行するように選択する。なお、図3には示されていないが、駆動力変更運転の開始直後は、図4で説明したように、まず、モータジェネレータ130が停止されて慣性走行が実行される。
S130にて、ECU300は、図3で説明したようなフィードバック制御を用いて、イナーシャ変化に基づいて、高出力状態および低出力状態のモータジェネレータ130の駆動力を設定する。
そして、ECU300は、S140にて、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇したか否かを判定する。
上記のように、駆動力変更運転の開始直後は、まずモータジェネレータ130が停止されて慣性走行が実行されるので、車速SPDは上限値ULよりも低く、かつ徐々に車速SPDは低下する。
すなわち、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇していないので(S140にてNO)、処理がS145に進められて、次に、ECU300は、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下したか否かを判定する。
車速SPDが速度許容範囲内で低下中(LL<SPD<UL)の場合、すなわち、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下していない場合(S145にてNO)は、処理がS154に進められ、ECU300は、現在のモータジェネレータ130の状態を保持し、慣性走行を継続する。その後、メインルーチンに処理が戻され、次回の制御周期において再びS100から処理が実行される。
慣性走行が継続されている間に、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下した場合(SPD≦LL)(S145にてYES)は、処理がS152に進められ、ECU300は、S130で設定された駆動力に基づいてモータジェネレータ130を高出力で運転して加速走行を実行する。これにより、車速SPDが上昇する。
この加速走行が実行されて速度許容範囲内で車速が上昇している間は、S140およびS145でNOが選択されて、ECU300は、S154にて、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULに到達するまで加速走行を継続する。
なお、加速走行中に車両のイナーシャが変化した場合には、S130にて、イナーシャ変化に応じて駆動力のレベルが調整される。
そして、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇すると(S140にてYES)、処理がS150に進められて、ECU300は、モータジェネレータ130を低出力で運転して慣性走行を実行する。なお、この低出力運転については、図4および図5で説明したように、必要に応じて、モータジェネレータ130を回生運転としたり、あるいは停止状態としたりしてもよい。
ユーザ要求パワーがほぼ一定に保持されている間は、車速SPDが速度許容範囲内に維持されるように、上記のような駆動力変更運転が実行される。
一方、加速または減速のために、ユーザからの要求パワーが変動した場合(S110にてNO)は、処理がS125に進められて、ECU300は駆動力変更運転を中断する。
そして、ECU300は、ユーザ要求パワーによって加速が指示されている場合(S127にてYES)は、モータジェネレータ130を力行状態で駆動して、車両100を加速する(S156)。
一方、ユーザから減速が指示されている場合(S127にてNO)は、処理がS158に進められ、ECU300は、モータジェネレータ130を停止した慣性走行による減速、または、より迅速に減速することが必要な場合には、モータジェネレータ130を回生状態で駆動することによる回生制動を伴う減速を実行する。あるいは、慣性走行による減速と回生制動を伴う減速とを切換えながら減速するようにしてもよい。
その後、ユーザによる加速または減速動作が終了して、ユーザ要求パワーが再びほぼ一定である状態になると(S110にてYES)、駆動力変更運転が再開される。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、ユーザからの要求パワーがほぼ一定である状態において、慣性走行と加速走行とが繰り返される駆動力変更運転が実行できる。そして、車両のイナーシャが変化する場合には、イナーシャの変化に応じてモータジェネレータの駆動力が調整される。これによって、坂路等においてイナーシャの変化によって車速が所定の許容範囲内から逸脱してしまうことを抑制しつつ、車両走行時のエネルギ効率を向上させることができる。
なお、上記の説明においては、駆動力変更運転を実行中においては、イナーシャが変化しても平坦路と同程度の平均速度となるように制御する構成について説明した。しかしながら、たとえば、急な下り坂や急な登り坂を走行する場合には、ある程度の増速感や減速感が感じられたほうが、ドライバとしては自然に感じる場合がある。
そのため、上記の図においては示されていないが、イナーシャ変化の大きさが所定のしきい値を超過する場合には、車速の許容範囲の上限値および下限値の少なくとも一方を変化させて、駆動力変更運転中の車両の平均速度を増加あるいは低減するようにしてもよい。たとえば、急な下り坂のようにイナーシャの増加量が大きくなる場合には、平均車速が若干増加されるように車速の許容範囲が変更される。一方、急な登り坂のようにイナーシャの低下量が大きくなる場合には、平均車速が若干低下されるように車速の許容範囲が変更される。
[実施の形態2]
実施の形態1では、駆動源としてモータジェネレータ、あるいはエンジンが単独で設けられる場合における慣性走行制御について説明した。
実施の形態2においては、複数の駆動源からの駆動力を用いて走行する車両について慣性走行制御を適用する場合について説明する。
図7は、実施の形態2に従う車両100Aの全体ブロック図である。車両100Aは、モータジェネレータと内燃機関であるエンジンとを駆動源とするハイブリッド車両である。
図7においては、図1におけるPCU120がPCU120Aに置き換えられ、駆動源として、モータジェネレータ130に代えて、モータジェネレータ130A,130Bおよびエンジン160が備えられる構成となっている。図7において、図1と重複する要素の説明は繰り返さない。
図7を参照して、PCU120Aは、コンバータ121と、インバータ122A,122Bと、コンデンサC1,C2と、電圧センサ180,185とを含む。
インバータ122A,122Bは、電力線PL2,NL1を介して、コンバータ121に並列に接続される。
インバータ122Aは、ECU300からの制御信号PWI1により制御され、コンバータ121からの直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ130A(以下、「MG1」とも称する。)を駆動する。また、インバータ122Aは、モータジェネレータ130Aで発電された交流電力を直流電力に変換し、コンバータ121を介して蓄電装置110を充電する。
インバータ122Bは、ECU300からの制御信号PWI2により制御され、コンバータ121からの直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ130B(以下、「MG2」とも称する。)を駆動する。また、インバータ122Bは、モータジェネレータ130Bで発電された交流電力を直流電力に変換し、コンバータ121を介して蓄電装置110を充電する。
モータジェネレータ130A,130Bの各出力軸は、たとえばプラネタリギヤのような動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140Aに結合される。そして、モータジェネレータ130A,130Bからの駆動力が駆動輪150に伝達される。
また、モータジェネレータ130A,130Bは、動力伝達ギヤ140Aを介して、エンジン160とも結合される。エンジン160は、ECU300からの制御信号DRVによって制御される。エンジン160から発生される駆動力は、動力伝達ギヤ140Aを介して駆動輪150およびモータジェネレータ130A,130Bに伝達される。ECU300は、モータジェネレータ130A,130Bおよびエンジン160で発生される駆動力を協調的に制御して、車両を走行させる。
なお、実施の形態2においては、モータジェネレータ130Aは、エンジン160を始動する際のスタータモータとして用いられるとともに、エンジン160により駆動されて発電を行なう発電機として専ら用いられるものとする。また、モータジェネレータ130Bは、蓄電装置110からの電力を用いて駆動輪150を駆動するための電動機として専ら用いられるものとする。
また、図7においては、2台のモータジェネレータと1台のエンジンが備えられる構成の例が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、たとえば、モータジェネレータが1台であってもよい。あるいは、2台より多くのモータジェネレータが備えられる場合であってもよい。
このような構成では、実施の形態1の図2における機能ブロック図において、駆動制御部340は、コンバータおよびインバータの制御信号とともに、エンジンを駆動するための制御信号DRVも生成する。
図8は、実施の形態2における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。図8においては、理解を容易にするために、実施の形態1の図5と同様に、車両が登り坂を走行してイナーシャが低下する場合を例として説明するが、イナーシャが増加する場合にも適用可能である。
図2および図8を参照して、時刻t41から時刻t48までは、実施の形態1の図5における時刻t28までの動作と同様に、モータジェネレータ130B(MG2)からの駆動力により駆動力変更運転が実行される。
そして、時刻t48において、車両100Aが平坦路から登り坂に移行してイナーシャが低下すると、図3で説明したフィードバック制御によって、イナーシャの変化に対応して加速走行時の駆動力が増加される。このとき、エンジン160が駆動され、モータジェネレータ130Bからの駆動力とエンジン160からの駆動力とによって、必要とされる駆動力が出力される。
具体的には、図8において登り坂を走行している時刻t48以降においては、加速走行では、モータジェネレータ130Bからの駆動力PM2Bとエンジン160からの駆動力PE2Bとの和が、平坦路走行時のトータル駆動力よりも大きくなるように設定される。また、慣性走行では、モータジェネレータ130Bからの駆動力PMLBとエンジン160からの駆動力PELとの和が、平坦路走行時のトータル駆動力よりも小さくなるように設定される。
このとき、図5で説明したのと同様に、平坦路における加速走行時間および慣性走行時間と、登り坂における慣性走行時間および加速走行時間とがそれぞれ同等となるように、モータジェネレータ130Bおよびエンジン160の駆動力を設定することがより好ましい。
なお、図8においては、登り坂によるイナーシャの低下に伴って必要駆動力が増加した状態において、モータジェネレータとエンジンとを併用する場合を例として説明したが、平坦路走行時においてもモータジェネレータおよびエンジンを併用して走行するようにしてもよい。あるいは、いずれか一方の駆動力を一定レベルで連続運転させながら、他方の駆動力を駆動力変更運転させるようにしてもよい。
さらに、複数の駆動力を有する場合として、各々が駆動力を発生することが可能な2つモータジェネレータを用いるようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,100A 車両、110 蓄電装置、120 PCU、121 コンバータ、122,122A,122B インバータ、130,130A,130B モータジェネレータ、140,140A 動力伝達ギヤ、150 駆動輪、160 エンジン、170,180,185 電圧センサ、175 電流センサ、190 速度センサ、200 イナーシャ検出部、300 ECU、310 イナーシャ演算部、320 出力演算部、321,324 減算部、322 ゲイン乗算部、323 加算部、325 PID制御部、330 記憶部、340 駆動制御部、C1,C2 コンデンサ、PL1,PL2,NL1 電力線。

Claims (14)

  1. 車両であって、
    前記車両の走行駆動力を発生する回転電機と、
    前記回転電機を制御するための制御装置と、
    前記車両のイナーシャの変化を検出するための検出部とを備え、
    前記制御装置は、前記回転電機について、第1の駆動力を発生する第1の状態と、前記第1の状態よりも駆動力を小さくした第2の状態とを切換えながら前記車両を走行させる駆動力変更運転を実行し、
    前記制御装置は、駆動力変更運転実行中に、前記イナーシャの変化に応じて前記回転電機の駆動力を調整する、車両。
  2. 前記制御装置は、駆動力変更運転実行中の前記イナーシャが維持されるように、前記回転電機の駆動力をフィードバック制御により調整する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置は、前記イナーシャが増加する場合には前記回転電機の駆動力を低下させ、前記イナーシャが低下する場合には前記回転電機の駆動力を増加させる、請求項2に記載の車両。
  4. 前記制御装置は、前記イナーシャが増加する場合は、前記第2の状態において前記回転電機を回生運転する、請求項3に記載の車両。
  5. 前記制御装置は、駆動力変更運転実行中において、前記第1の状態における加速度の変動および前記第2の状態における減速度の変動の少なくとも一方が維持されるように、前記回転電機の駆動力を調整する、請求項2に記載の車両。
  6. 前記制御装置は、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、駆動力変更運転を実行する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両。
  7. 前記制御装置は、駆動力変更運転の実行中は、前記車両の速度が許容範囲内に維持されるように、前記第1および第2の状態を切換える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両。
  8. 前記制御装置は、前記車両の速度が前記許容範囲の下限値まで低下したことに応答して前記第1の状態に切換え、前記車両の速度が前記許容範囲の上限値まで上昇したことに応答して前記第2の状態に切換える、請求項7に記載の車両。
  9. 前記制御装置は、前記イナーシャの増加量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、前記上限値および前記下限値の少なくとも一方を増加させる、請求項8に記載の車両。
  10. 前記制御装置は、前記イナーシャの低下量が予め定められたしきい値よりも大きい場合には、前記上限値および前記下限値の少なくとも一方を低下させる、請求項8に記載の車両。
  11. 前記車両は、前記第2の状態においては、主に前記車両の慣性力によって走行する、請求項1に記載の車両。
  12. 前記車両は、
    前記車両の走行駆動力を発生する内燃機関をさらに備える、請求項1に記載の車両。
  13. 前記制御装置は、第2の駆動力を発生する第3の状態と、前記第3の状態よりも小さい駆動力とする第4の状態とを切換えながら前記車両を走行させる駆動力変更運転を実行する、請求項12に記載の車両。
  14. 車両の走行駆動力を発生する回転電機および前記車両のイナーシャの変化を検出するための検出部を有する車両の制御方法であって、
    前記回転電機を、所定のレベルの駆動力を発生させる第1の状態にするステップと、
    前記回転電機を、前記第1の状態よりも駆動力を小さくした第2の状態にするステップと、
    前記第1および第2の状態を切換えながら前記車両を走行させる駆動力変更運転を実行するステップと、
    駆動力変更運転実行中に、前記イナーシャの変化に応じて前記回転電機の駆動力を調整するステップとを備える、車両の制御方法。
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