JPWO2013061414A1 - 車両および車両の制御方法 - Google Patents

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Abstract

車両(100)は、走行駆動力を発生するモータジェネレータ(130)と、ECU(300)とを備える。ECU(300)は、ユーザからの要求パワーの変化が所定範囲内の場合に、モータジェネレータ(130)について、駆動力を発生させる第1の状態(加速走行)と、第1の状態よりも小さい駆動力とした第2の状態(慣性走行)とを切換えながら車両(100)を走行させる駆動力変更運転を実行する。そして、ECU(300)は、ユーザ要求パワーの大きさに応じて、駆動力変更運転における第2の状態の時間を可変に設定する。これによって、車両(100)のエネルギ効率を向上させる。

Description

本発明は、車両および車両の制御方法に関し、より特定的には、車両の慣性力を利用して走行する車両の走行制御に関する。
近年、環境に配慮した車両として、蓄電装置(たとえば二次電池やキャパシタなど)を搭載し、蓄電装置に蓄えられた電力から生じる駆動力を用いて走行する車両が注目されている。このような車両には、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車、燃料電池車などが含まれる。
そして、これらの車両において、さらなる環境負荷の削減のために、燃費,電費を低減することによってエネルギ効率を向上することが求められている。
特表2008−520485号公報(特許文献1)は、内燃機関とモータジェネレータとを備えたハイブリッド車両において、モータジェネレータが発電機モードの際に、車両電気系統の実消費電力よりも大きい高出力で動作するようにモータジェネレータを駆動する第1のインターバルと、モータジェネレータをスイッチオフする第2のインターバルとを交互に繰り返すように、モータジェネレータを制御する構成を開示する。
特表2008−520485号公報(特許文献1)によれば、モータジェネレータが発電機として動作する際に、第1のインターバルにおいては効率の高い動作点でモータジェネレータを駆動し、第2のインターバルにおいてはモータジェネレータが停止される。これによって、発電動作時に効率の低い状態でモータジェネレータの運転が継続されることが抑制されるので、発電動作における車両のエネルギ効率を向上することができる。
また、特開2009−190433号公報(特許文献2)は、少なくともエンジンを備える車両において、アクセルオフ後、目標上限車速と目標下限車速との間で、エンジンからの駆動力を伝達して加速する加速走行と駆動力を遮断して惰性で走行する惰性走行とを交互に繰り返す走行パターンを実行する構成が開示される。そして、特開2009−190433号公報(特許文献2)においては、車両が走行する路面の勾配と目標上限車速とから目標下限車速を決定し、車速差を可変とする構成がさらに開示される。
特表2008−520485号公報 特開2009−190433号公報 特開2007−187090号公報 特開2011−036008号公報 特開2002−227885号公報
しかしながら、上記の特表2008−520485号公報(特許文献1)においては、モータジェネレータで発電を行なう場合に、モータジェネレータの駆動と停止とを繰り返す構成であり、車両の走行のための駆動力を変化させるものではなかった。
特開2009−190433号公報(特許文献2)は、アクセルオフ後の走行を対象としたものであり、アクセルがオン状態でユーザから駆動力が要求されている場合の走行については考慮されていなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、駆動力を変動させて車両の慣性力を用いて走行が可能な車両において、車速を考慮して車両走行時のエネルギ効率を向上させることである。
本発明による車両は、車両の走行駆動力を発生する駆動源と、駆動源を制御するための制御装置とを備える。制御装置は、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、駆動源について、駆動力を発生させる第1の状態と、第1の状態よりも小さい駆動力とした第2の状態とを切換えながら車両を走行させる駆動力変更運転を実行する。制御装置は、要求駆動力の大きさに応じて、駆動力変更運転における第2の状態の時間を可変に設定する。
好ましくは、制御装置は、要求駆動力が大きいほど、1回当たりの第2の状態の時間を拡大するように制御する。
好ましくは、制御装置は、駆動力変更運転の実行中は、車両の速度が許容範囲内に維持されるように第1および第2の状態を切換える。そして、制御装置は、要求駆動力が大きいほど許容範囲を広く設定する。
好ましくは、制御装置は、車両の速度が許容範囲の下限値まで低下したことに応答して第1の状態へ切換え、車両の速度が許容範囲の上限値まで上昇したことに応答して第2の状態へ切換える。
好ましくは、制御装置は、第2の状態が予め定められた時間継続したことに応答して、第2の状態から第1の状態へ切換える。そして、制御装置は、要求駆動力が大きいほど、第2の状態の予め定められた時間を長く設定する。
好ましくは、制御装置は、車両の速度が、要求駆動力に基づいて定まる目標速度の上限値まで上昇したことに応答して、第1の状態から第2の状態へ切換える。
好ましくは、制御装置は、駆動力変更運転の実行中は、車両の速度が許容範囲内に維持されるように第1および第2の状態を切換える。そして、制御装置は、第1の状態が、第2の状態の実行時間から定まる所定の時間継続されたことに応答して第1の状態から第2の状態へ切換える。
好ましくは、第1の状態における駆動力は、車両の速度を維持することが可能な一定出力の基準駆動力よりも大きく設定される。第2の状態における駆動力は、基準駆動力よりも小さく設定される。
好ましくは、制御装置は、第2の状態においては、駆動源からの駆動力の発生を停止する。
好ましくは、車両は、第2の状態においては、主に車両の慣性力によって走行する。
好ましくは、車両は、車両の走行駆動力を発生する他の駆動源をさらに備える。
好ましくは、制御装置は、第1の状態における駆動源および他の駆動源の駆動力の和を、車両の速度を維持することが可能な一定出力の基準駆動力よりも大きく設定し、第2の状態における駆動源および他の駆動源の駆動力の和を、基準駆動力よりも小さく設定する。
好ましくは、制御装置は、他の駆動源について、駆動力を発生させる第3の状態と、第3の状態よりも小さい駆動力とする第4の状態とを切換える駆動力変更運転を実行する。
好ましくは、駆動源および他の駆動源の一方は回転電機であり、駆動源および他の駆動源の他方は内燃機関である。
好ましくは、駆動源および他の駆動源の双方は回転電機である。
好ましくは、駆動源は、回転電機または内燃機関のいずれかである。
本発明による車両の制御方法は、走行駆動力を発生する駆動源を有する車両の制御方法である。制御方法は、駆動源を所定のレベルの駆動力を発生させる第1の状態にするステップと、駆動源を第1の状態よりも小さい駆動力とする第2の状態にするステップと、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、第1および第2の状態を切換えながら車両を走行させる駆動力変更運転を実行するステップと、要求駆動力の大きさに応じて、駆動力変更運転における第2の状態の時間を可変に設定するステップとを備える。
本発明によれば、駆動力を変動させて車両の慣性力を用いて走行が可能な車両において、車速を考慮して車両走行時のエネルギ効率を向上させることができる。
実施の形態1に従う車両の全体ブロック図である。 実施の形態1における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態1において、ECUで実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。 実施の形態2において、ECUで実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2の変形例において、ECUで実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。 駆動源としてエンジンを用いた場合の実施の形態3において、ECUで実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。 実施の形態4に従うハイブリッド車両の全体ブロック図である。 実施の形態4における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。 2つのモータジェネレータを駆動源とする実施の形態5に従う車両の全体ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に従う車両100の全体ブロック図である。以下で詳細に説明されるように、車両100は、駆動源として回転電機を用いる電気自動車あるいは燃料電池車である。
図1を参照して、車両100は、蓄電装置110と、システムメインリレー(System Main Relay:SMR)115と、駆動装置であるPCU(Power Control Unit)120と、モータジェネレータ130と、動力伝達ギヤ140と、駆動輪150と、制御装置であるECU(Electronic Control Unit)300とを備える。PCU120は、コンバータ121と、インバータ122と、電圧センサ180,185と、コンデンサC1,C2とを含む。
蓄電装置110は、充放電可能に構成された電力貯蔵要素である。蓄電装置110は、たとえば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池または鉛蓄電池などの二次電池、あるいは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子を含んで構成される。
蓄電装置110は、電力線PL1およびNL1を介してPCU120に接続される。そして、蓄電装置110は、車両100の駆動力を発生させるための電力をPCU120に供給する。また、蓄電装置110は、モータジェネレータ130で発電された電力を蓄電する。蓄電装置110の出力はたとえば200V程度である。
蓄電装置110には、電圧センサ170および電流センサ175が設けられる。電圧センサ170は、蓄電装置110の電圧VBを検出し、その検出結果をECU300へ出力する。電流センサ175は、蓄電装置に入出力される電流IBを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
SMR115に含まれるリレーは、その一方端が蓄電装置110の正極端子および負極端子に接続され、他方端がPCU120に接続される電力線PL1,NL1に接続される。そして、SMR115は、ECU300からの制御信号SE1に基づいて、蓄電装置110とPCU120との間における電力の供給と遮断とを切換える。
コンバータ121は、ECU300からの制御信号PWCに基づいて、電力線PL1,NL1と電力線PL2,NL1との間で電圧変換を行なう。
インバータ122は、電力線PL2,NL1に接続される。インバータ122は、ECU300からの制御信号PWIに基づいて、コンバータ121から供給される直流電力を交流電力に変換し、モータジェネレータ130を駆動する。
コンデンサC1は、電力線PL1およびNL1の間に設けられ、電力線PL1およびNL1間の電圧変動を減少させる。また、コンデンサC2は、電力線PL2およびNL1の間に設けられ、電力線PL2およびNL1間の電圧変動を減少させる。
電圧センサ180および185は、それぞれコンデンサC1およびC2の両端にかかる電圧VLおよびVHを検出し、その検出値をECU300へ出力する。
モータジェネレータ130は交流回転電機であり、たとえば、永久磁石が埋設されたロータを備える永久磁石型同期電動機である。
モータジェネレータ130の出力トルクは、減速機や動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140を介して駆動輪150に伝達されて、車両100を走行させる。モータジェネレータ130は、車両100の回生制動動作時には、駆動輪150の回転によって発電することができる。そして、その発電電力は、PCU120によって蓄電装置110の充電電力に変換される。
車両100の速度(車速)を検出するために、速度センサ190が駆動輪150の近傍に設けられる。速度センサ190は、駆動輪150の回転速度に基づいて車速SPDを検出し、その検出値をECU300に出力する。また、速度センサとして、モータジェネレータ130の回転角を検出するための回転角センサ(図示せず)を用いてもよい。この場合には、ECU300は、モータジェネレータ130の回転角の時間的変化および減速比などに基づいて、間接的に車速SPDを演算する。
ECU300は、いずれも図1には図示しないがCPU(Central Processing Unit)、記憶装置および入出力バッファを含み、各センサ等からの信号の入力や各機器への制御信号の出力を行なうとともに、蓄電装置110および車両100の各機器の制御を行なう。なお、これらの制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU300は、PCU120、SMR115などを制御するための制御信号を生成して出力する。なお、図1においては、ECU300として1つの制御装置を設ける構成としているが、たとえば、PCU120用の制御装置や蓄電装置110用の制御装置などのように、機能ごとまたは制御対象機器ごとに個別の制御装置を設ける構成としてもよい。
ECU300は、蓄電装置110に備えられる電圧センサ170,電流センサ175からの電圧VBおよび電流IBの検出値に基づいて、蓄電装置110の充電状態SOC(State of Charge)を演算する。
ECU300は、ユーザによるアクセルペダル(図示せず)の操作に基づいて定められる要求トルクTRを、上位ECU(図示せず)から受ける。ECU300は、ユーザからの要求トルクTRに基づいて、コンバータ121およびインバータ122の制御信号PWC,PWIをそれぞれ生成し、モータジェネレータ130を駆動する。
また、ECU300は、ユーザにより設定されるモード信号MODを受ける。このモード信号MODは、以下に後述する慣性走行制御を実行するか否かを指示するための信号である。モード信号MODは、特定のスイッチや操作画面における設定などによって切換えられる。あるいは、特定の条件が成立したことに応答して、モード信号MODが自動的に設定されるようにしてもよい。
ECU300は、たとえば、モード信号MODがオンに設定されている場合には、慣性走行制御を行なうように動作し、モード信号MODがオフに設定されている場合には、慣性走行制御を行なわない通常の走行を行なうように動作する。
このような車両においては、モータジェネレータ130から駆動力が発生されると、蓄電装置の電力が消費される。蓄電装置110の容量は予め定められているので、蓄電装置に蓄えられた電力で、できるだけ長距離を走行するためには、走行中のエネルギ効率を向上させて電力消費を抑制することが必要となる。
車両の走行中には車両には慣性力がはたらいているため、走行中にモータジェネレータによる駆動力を、車速を維持するために必要な駆動力よりも低くした場合は、徐々に車速は低下するものの、しばらくの間は車両の慣性力を用いて走行(以下、「慣性走行」とも称する。)が継続される。
この慣性走行中は、モータジェネレータにより出力される駆動力が小さいので、蓄電装置からの電力消費が少なくなる。そのため、慣性走行を活用して走行を行なうことができれば、車両走行時のエネルギ効率を改善することが可能となり得る。
そこで、実施の形態1においては、図1に示した車両において、ユーザからの要求トルクがほぼ一定であり、それによって車速がほぼ一定に維持されるような走行がされている場合に、モータジェネレータからの駆動力が高出力状態である加速走行を行なう場合と、モータジェネレータの駆動力が低出力状態(駆動力がゼロの場合も含む)である慣性走行を行なう場合とを繰り返して走行する運転(以下、「駆動力変更運転」とも称する。)を行なう慣性走行制御を実行し、走行中におけるエネルギ効率の向上を図る。
ここで、一般的に、運転者が感じる車速変動の影響は、車速の大きさによって変化し得る。たとえば、市街地を走行しているような比較的低車速の場合(たとえば、30km/h)に5km/hの車速変動があったときと、高速道路を走行しているような比較的高車速の場合(たとえば、100km/h)に5km/hの車速変動があったときとを比べると、同じ変動量であったとしても、運転者は、低車速のほうがより大きな速度変化を感じやすい。言い換えれば、高車速の場合には、車速変動量が比較的大きくても、運転者に与える影響は低車速の場合よりも小さくなる。
そこで、実施の形態1においては、上記のような慣性走行制御を行なう場合に、加速走行と慣性走行とを切換えるために設けられる車速の許容範囲を、平均車速すなわちユーザからの要求パワーに応じて変化させる。このようにすることによって、特に車速が高い場合に、ユーザに与える車速変化に影響を極端に増加させることなく、慣性走行を実行する期間をさらに長くすることができる。これにより、駆動力の低出力状態の期間が長くなるので、さらにエネルギ効率を向上させることが可能になる。
図2は、実施の形態1における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。図2においては、横軸には時間が示され、縦軸には、車速SPD、モータジェネレータの出力、ユーザからの要求パワー、蓄電装置(バッテリ)の充放電電力、および蓄電装置のSOCが示される。なお、蓄電装置の充放電電力については、放電電力が正値で表わされ、充電電力が負値で表わされている。
図1および図2を参照して、まず、車両100が、平坦な道路を一定の車速V1で走行する場合(〜時刻t6)を考える。この場合、図2のように、ユーザから要求されるパワーは、ほぼ一定の値として与えられる。なお、「ユーザから要求されるパワーがほぼ一定の値である」とは、多少の変動はあるものの、ある所定時間内において、ユーザ要求パワーが予め定められた所定範囲内(たとえば、±3%)に維持される状態を意味する。
実施の形態1の慣性走行制御を適用しない場合においては、モータジェネレータ130の出力は、図2中の破線W12のように、ほぼ一定の大きさで連続して出力される。これにより、車速SPDはほぼ一定に維持される。
このとき、蓄電装置110からは、図2中の破線W14のように一定の電力が連続して出力されるために、蓄電装置110のSOCは、図2中の破線W16のように、直線的に減少する。
時刻t6においてユーザからの加速要求がありユーザ要求パワーが増加した場合には、加速後の車速V2となるようにモータジェネレータ130からPM4のモータ出力が出力される。そして、時刻t8以降は、車速V2を維持するようにモータ出力PM4が継続して出力される。
これに対して、実施の形態1の慣性走行制御を適用した場合には、基本的には、モータジェネレータ130を所定の駆動力で走行する加速走行と、加速走行時の駆動力よりも小さい駆動力で走行する慣性走行とが交互に繰り返される。なお、慣性走行時においては、モータジェネレータ130からの駆動力がゼロ、すなわちモータジェネレータ130が停止状態の場合も含まれる。図2においては、平坦路の場合の慣性走行時にはモータジェネレータ130を停止状態とする場合を例として説明する。
具体的には、時刻t1までは、実施の形態1の慣性走行制御が適用されていない状態であり、モータ出力PM1が連続的に出力されている。
時刻t1において、ユーザにより慣性走行制御の実行が指示されると、まずモータジェネレータ130が停止される(図2中の実線W11)。そうすると、モータジェネレータ130からの駆動力がなくなるので、図2中の実線W10のように、慣性力による走行が開始されて徐々に車速SPDが低下する。
このとき、蓄電装置110からの充放電電力がゼロとなるので、SOCの低下が抑制される。
そして、車速SPDが、目標とする車速V1に対して予め定められた許容範囲の下限値LL1(V1−Va)まで低下すると(図2中の時刻t2)、モータジェネレータ130の駆動が再開される。このときのモータ出力は、車速V1を維持するために必要とされる出力PM1よりも大きいPM2に設定される。これによって、車両100が加速する。このとき、駆動力発生中は、慣性走行を行なわない場合に比べるとSOCの減少量は大きくなるが、時刻t1からt2までの慣性走行により電力が消費されていないため、トータルのSOCは高い状態が維持される(図2中の実線W15)。
そして、車速SPDが車速V1に対して予め定められた上記の許容範囲の上限値UL1(V1+Va)まで上昇すると、再びモータジェネレータ130が停止され(図2中の時刻t3)、慣性走行が実行される。
その後、同様に、車速SPDが下限値LL1まで低下するとモータジェネレータ130が駆動され、さらに車速SPDが上限値UL1まで上昇するとモータジェネレータ130が停止される。
このような駆動力変更運転を繰り返すことによって、車速SPDは上記の許容範囲内(V1±Va)では変動するものの、平均速度をほぼV1に維持しながら、蓄電装置のSOCの減少を抑制することができる。その結果、全体としてエネルギ効率が向上され、蓄電装置に蓄えられた電力による走行可能距離を拡大することができる。
そして、時刻t6においてユーザからの加速要求がありユーザ要求パワーが増加した場合には、駆動力変更運転が中断され、加速後の車速V2となるようにモータジェネレータ130からPM4のモータ出力が出力される。
ユーザによる加速動作が終了し、車速SPDがV2(V2>V1)で一定になったことに応答して、モータジェネレータ130からの出力が再び停止され、車速V2を維持するように駆動力変更運転が再開される(図2中の時刻t8)。
このとき、加速走行と慣性走行とを切換える車速の許容範囲の上下限値UL2,LL2が車速V2(すなわち、ユーザ要求パワー)に応じて、車速V1のときよりも許容範囲が拡大するように設定される。具体的には、上限値UL2はV2+Vbに設定され、下限値LL2はV2−Vbに設定される(Va<Vb)。これによって、慣性走行1回あたりの実行時間がTM1からTM2へと延長されるので、慣性走行による電力消費の削減量が大きくなりエネルギ効率が向上する。
なお、図2においては、加速により車速が大きくなる場合を例として説明したが、ユーザによる減速要求があった場合には、減速要求中は、駆動力変更運転が中断されて、モータジェネレータ130が停止または低出力状態とされる。これによって、車両100が減速する。また、より迅速に減速することが必要な場合には、モータジェネレータ130を回生動作させて回生制動力を用いて減速するようにしてもよい。
そして、減速後は、減速前と比べて駆動力変更運転を行なう車速の許容範囲を狭く設定する。
図3は、実施の形態1において、ECU300で実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。図3および後述する図5,6,7に示されるフローチャート中の各ステップについては、ECU300に予め格納されたプログラムを所定周期で実行することによって実現される。あるいは、一部のステップについては、専用のハードウェア(電子回路)を構築して処理を実現することも可能である。
図1および図3を参照して、ECU300は、ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ユーザによって設定されるモード信号MODに基づいて、慣性走行制御が選択されているか否かを判定する。
モード信号MODがオフに設定されており、慣性走行制御が選択されていない場合(S100にてNO)は、以降の処理がスキップされ、ECU300は処理をメインルーチンに戻す。
モード信号MODがオンに設定されており、慣性走行制御が選択されている場合(S100にてYES)は、処理がS110に進められ、ECU300は、次に、要求トルクTRに基づいて、ユーザからの要求パワーがほぼ一定であるか否かを判定する。
ユーザ要求パワーがほぼ一定である場合(S110にてYES)は、処理がS120に進められて、ECU300は、駆動力変更運転を実行するように選択する。なお、図3には示されていないが、駆動力変更運転の開始直後は、図2に示されるように、まず、モータジェネレータ130が停止されて慣性走行が実行される。
そして、ECU300は、S130にて、現在のユーザ要求パワーに応じて、車速の許容範囲の上下限値UL,LLを設定する。
その後、ECU300は、S140にて、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇したか否かを判定する。
上記のように、駆動力変更運転の開始直後は、まずモータジェネレータ130が停止されて慣性走行が実行されるので、車速SPDは上限値ULよりも低く、かつ徐々に車速SPDは低下する。
すなわち、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇していないので(S140にてNO)、処理がS145に進められて、次に、ECU300は、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下したか否かを判定する。
車速SPDが速度許容範囲内で低下中(LL<SPD<UL)の場合、すなわち、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下していない場合(S145にてNO)は、処理がS154に進められ、ECU300は、現在のモータジェネレータ130の状態を保持し、慣性走行を継続する。その後、メインルーチンに処理が戻され、次回の制御周期において再びS100から処理が実行される。
慣性走行が継続されている間に、車速SPDが速度許容範囲の下限値LLまで低下した場合(SPD≦LL)(S145にてYES)は、処理がS152に進められ、ECU300は、モータジェネレータ130を高出力状態にして加速走行を実行する。これにより、車速SPDが上昇する。
この加速走行が実行されて速度許容範囲内で車速が上昇している間は、S140およびS145でNOが選択されて、ECU300は、S154にて、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULに到達するまで加速走行を継続する。
そして、車速SPDが速度許容範囲の上限値ULまで上昇すると(S140にてYES)、ECU300は加速走行から慣性走行に切換え、処理をS150に進めて、モータジェネレータ130を低出力状態にして慣性走行を実行する。
ユーザ要求パワーがほぼ一定に保持されている間は、車速SPDが速度許容範囲内に維持されるように、上記のような駆動力変更運転が実行される。
一方、加速または減速のために、ユーザからの要求パワーが変動した場合(S110にてNO)は、処理がS125に進められて、ECU300は、駆動力変更運転を中断する。
そして、ECU300は、ユーザ要求パワーによって加速が指示されている場合(S127にてYES)は、モータジェネレータ130を力行状態で駆動して、車両100を加速する(S156)。
一方、ユーザから減速が指示されている場合(S127にてNO)は、処理がS158に進められ、ECU300は、モータジェネレータ130を停止した慣性走行による減速を実行する。または、より迅速に減速することが必要な場合には、モータジェネレータ130を回生状態で駆動することによる回生制動を伴う減速を実行する。あるいは、慣性走行による減速と回生制動を伴う減速とを切換えながら減速するようにしてもよい。
その後、ユーザによる加速または減速動作が終了して、ユーザ要求パワーがほぼ一定である状態になると(S110にてYES)、駆動力変更運転が再開される。このとき、上述のように、S130にて、ECU300は、加速または減速によって変化したユーザ要求パワーに応じて車速の許容範囲の上下限値UL,LLを改めて設定し、その設定された上下限値UL,LLに従って、駆動力変更運転を実行する。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、ユーザからの要求パワーがほぼ一定である状態において、慣性走行と加速走行とが繰り返される駆動力変更運転が実行できる。そして、ユーザからの加速要求または減速要求により、異なる値の一定車速に変化した場合には、駆動力変更運転を実行するための車速の許容範囲がユーザ要求パワーに応じて可変に設定される。これによって、ユーザに与える車速変動の影響の悪化を抑制しつつ、車両走行時のエネルギ効率を向上させることができる。
[実施の形態2]
実施の形態1においては、ユーザ要求パワーに応じて駆動力変更運転を行なう車速の許容範囲の設定を変更する構成について説明した。
実施の形態2においては、車速の許容範囲の設定(上下限値)を変更することに代えて、慣性走行の実行時間をユーザ要求パワーに応じて可変とする構成について説明する。
図4は、実施の形態2における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。
図4においては、明示的には駆動力変更運転を行なう車速の許容範囲は設定されず、ユーザ要求パワーに応じて慣性走行時間ITが設定される。具体的には、図4に示されるように、ユーザ要求パワーに対応した車速がV1のときには、慣性走行時間はIT1に設定される。また、ユーザから加速要求がされて車速がV2(V1<V2)となった場合には、慣性走行時間はIT2(IT1<IT2)に設定される。そして、この慣性走行時間が経過したことに応じて、慣性走行から加速走行へと切換えられる。
また、加速走行から慣性走行への切換えについては、以下のような手法によって行なわれる。
低出力状態において設定されたモータジェネレータの駆動力から、低出力状態における減速度がわかるので、このように慣性走行時間ITが設定されると、その慣性走行時間中の車速の低下量ΔVが算出できる。そして、ユーザ要求パワーから定まる目標となる平均車速Vに、この低下量ΔVの1/2を加えることによって車速の上限値ULが決定される。そして、車速SPDがこの上限値ULまで上昇したことに応答して、加速走行から慣性走行へモータジェネレータの運転が切換えられる。
このように、慣性走行時間ITとそれによって定まる上限値ULとを用いて、駆動力変更運転が実行される。
図5は、実施の形態2において、ECU300で実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。図5は、実施の形態1の図3のフローチャートにおけるステップS130,S145がそれぞれS130A,S145Aに置き換えられ、さらにステップS146Aが追加されたものとなっている。図5において、図3と重複するステップの説明は繰り返さない。
図1および図5を参照して、ECU300は、ユーザにより慣性走行制御が選択され(S100にてYES)、ユーザ要求パワーがほぼ一定であると判定すると(S110にてYES)、S120にて駆動力変更運転の実行を開始する。そして、ECU300は、S130Aにて、ユーザ要求パワーに応じて、慣性走行の目標時間ITを設定するとともに、設定された慣性走行時間ITから車速上限値ULを設定する。
そして、車速SPDが上限値ULまで上昇していない場合(S140にてNO)は、処理がS145Aに進められて、ECU300は、現在慣性走行を実行中であるか否かを判定する。
慣性走行を実行中の場合(S145AにてYES)は、処理がS146Aに進められて、ECU300は次に慣性走行の実行時間が、S130Aで設定された目標時間ITを経過したか否かを判定する。
慣性走行実行時間が目標時間ITを経過していない場合(S146AにてNO)は、処理がS154に進められて、ECU300は現在のモータジェネレータ130の状態を保持して慣性走行を継続する。
一方、慣性走行実行時間が目標時間ITを経過した場合(S146AにてYES)は、ECU300は、慣性走行を終了し、S152にてモータジェネレータ130を高出力状態にして加速走行に切換える。
車速SPDが上限値ULに到達するまでは、S140およびS145AでNOが選択されて、ECU300は、モータジェネレータ130の状態を保持して加速走行を継続する。そして、車速SPDが上限値ULまで上昇すると(S140にてYES)、処理がS150に進められ、ECU300はモータジェネレータ130を低出力状態にして慣性走行に切換える。
以上のような処理に従って制御を行なうことによって、特にユーザ要求パワーが大きい場合には、慣性走行が実行される割合が増えるので、エネルギ効率を向上させることが可能となる。このような構成では、慣性走行と加速走行との切換えを時間で直接設定するので、ユーザのドライビングフィーリングに適合するように調整しやすいという利点がある。
(変形例)
上記においては、加速走行から慣性走行への切換えについては、慣性走行期間における車速の低下量の推定値から算出される上限値に基づいて行なう構成について説明した。
実施の形態2の変形例においては、加速走行から慣性走行への切換えを、加速走行の実行時間で設定する場合について説明する。
このような構成においては、加速走行および慣性走行の時間が調整できるので、さらにユーザのドライビングフィーリングに適合させやすくなるという利点がある。しかしながら、一方で、加速走行時のモータジェネレータの駆動力によっては車速が徐々に増加したりあるいは減少したりして、車速を一定に維持することができなくなるおそれがあるので、加速走行時のモータジェネレータの駆動力を適切に設定することが必要となる点に注意すべきである。
図6は、実施の形態2の変形例において、ECU300で実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。図6は、図5のフローチャートにおけるステップS130A,S140,S145A,S146Aに代えて、S130B,S131B,S132B,S133Bが加えられたものとなっている。図6において、図3および図5と重複するステップの説明は繰り返さない。
図1および図6を参照して、ECU300は、S120にて駆動力変更運転の実行を選択すると、次にS130Bにおいて、ユーザ要求パワーに応じて、加速走行の目標時間ATおよび慣性走行の目標時間ITを設定する。さらに、S130Bにおいては、ECU300は、加速走行期間中の車速SPDの増加量が慣性走行期間中の車速SPDの低下量と同じとなるように、加速走行時のモータジェネレータ130の駆動力を設定する。
その後、ECU300は、S131Bにて、車両100が現在加速走行を実行中であるか否かを判定する。
車両100が加速走行の実行中ではない場合、すなわち慣性走行を実行中の場合(S131BにてNO)は、処理がS133Bに進められて、ECU300は、慣性走行実行時間がS130Bで設定された目標時間ITを経過したか否かを判定する。
目標時間ITが経過していない場合(S133BにてNO)は、処理がS154に進められて、ECU300は、現在のモータジェネレータ130の状態を保持して慣性走行を継続する。一方、目標時間ITが経過した場合(S133BにてYES)は、処理がS152に進められて、ECU300は、慣性走行を終了し、S131Bで設定した駆動力で加速走行を実行する。
S131Bにて、車両100が加速走行を実行中である場合(S131BにてYES)は、処理がS132Bに進められ、ECU300は、加速走行実行時間がS131Bで設定された目標時間ATを経過したか否かを判定する。
目標時間ATが経過していない場合(S132BにてNO)は、処理がS154に進められて、ECU300は、現在のモータジェネレータ130の状態を保持して加速走行を継続する。一方、目標時間ATが経過した場合(S132BにてYES)は、処理がS150に進められて、ECU300は、加速走行を終了し、モータジェネレータ130を低出力状態にして慣性走行に切換える。
以上のような処理に従って制御をすることによって、ユーザ要求パワーに応じて慣性走行を行なう割合を多くして、走行時のエネルギ効率を向上することができる。
[実施の形態3]
実施の形態1,2は、モータジェネレータを駆動源とする電気自動車を例として説明したが、上述の駆動力変更制御は、駆動源として内燃機関であるエンジンを有する車両においても適用可能である。
図7は、駆動源としてエンジンを有する実施の形態3において、ECU300で実行される慣性走行制御処理を説明するためのフローチャートである。図7は、実施の形態1の図3のフローチャートにおけるステップS150,S152,S154,S156,S158が、それぞれS150A,S152A,S154A,S156A,S158Aに置き換えられたものとなっている。置き換えられた各ステップの処理は、駆動力がモータジェネレータに代えてエンジンで出力される点が異なっているのみであり、それ以外の処理内容は図3と同じである。そのため、処理内容の詳細な説明は繰り返さないが、概略的には、慣性走行制御が選択されており、ユーザ要求パワーが一定である場合には、車速が下限値まで低下するとエンジンが高出力状態にされて加速走行が実行され、車速が上限値まで上昇するとエンジンが低出力状態にされて慣性走行が実行される。その際、駆動力変更運転を実行するための車速の許容範囲がユーザ要求パワーに応じて変化される(S130)。
このように、駆動源としてエンジンを用いる車両において、ユーザに与える車速変動の影響が悪化することを抑制しつつ、慣性走行制御により燃費を改善することができる。
なお、駆動源がエンジンである実施の形態3においても、実施の形態2およびその変形例の構成を適用することが可能である。
また、慣性走行中においては、エンジンを停止してもよいし、たとえば、アイドリング状態のような低出力状態としてもよい。駆動源がエンジンの場合には、始動においてエンジンのクランキングが必要であるため、慣性走行のたびにエンジンを停止すると、始動に必要となるエネルギのためにかえってエネルギ効率が悪くなる場合がある。そのため、慣性走行においてもエンジンの運転を継続するほうが、毎回エンジンを始動するよりもエネルギ効率がよくなる場合には、慣性走行中に低出力状態でエンジンを継続して運転するようにしてもよい。
[実施の形態4]
実施の形態1〜3では、駆動源としてモータジェネレータあるいはエンジンが単独で設けられる場合における慣性走行制御について説明した。
実施の形態4においては、モータジェネレータに加えてエンジンを搭載したハイブリッド車両について慣性走行制御を適用する場合について説明する。
図8は、実施の形態4に従うハイブリッド車両100Aの全体ブロック図である。図8においては、図1におけるPCU120がPCU120Aに置き換えられ、駆動源として、モータジェネレータ130に代えて、モータジェネレータ130A,130Bおよびエンジン160が備えられる構成となっている。図8において、図1と重複する要素の説明は繰り返さない。
図8を参照して、PCU120Aは、コンバータ121と、インバータ122A,122Bと、コンデンサC1,C2と、電圧センサ180,185とを含む。
インバータ122A,122Bは、電力線PL2,NL1を介して、コンバータ121に並列に接続される。
インバータ122Aは、ECU300からの制御信号PWI1により制御され、コンバータ121からの直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ130A(以下、「MG1」とも称する。)を駆動する。また、インバータ122Aは、モータジェネレータ130Aで発電された交流電力を直流電力に変換し、コンバータ121を介して蓄電装置110を充電する。
インバータ122Bは、ECU300からの制御信号PWI2により制御され、コンバータ121からの直流電力を交流電力に変換して、モータジェネレータ130B(以下、「MG2」とも称する。)を駆動する。また、インバータ122Bは、モータジェネレータ130Bで発電された交流電力を直流電力に変換し、コンバータ121を介して蓄電装置110を充電する。
モータジェネレータ130A,130Bの各出力軸は、たとえばプラネタリギヤのような動力分割機構を含んで構成される動力伝達ギヤ140Aに結合される。そして、モータジェネレータ130A,130Bからの駆動力が駆動輪150に伝達される。
また、モータジェネレータ130A,130Bは、動力伝達ギヤ140Aを介して、エンジン160とも結合される。エンジン160は、ECU300からの制御信号DRVによって制御される。エンジン160から発生される駆動力は、動力伝達ギヤ140Aを介して駆動輪150およびモータジェネレータ130Aに伝達される。ECU300は、モータジェネレータ130A,130Bおよびエンジン160で発生される駆動力を協調的に制御して、車両を走行させる。
なお、実施の形態4においては、モータジェネレータ130Aは、エンジン160を始動する際のスタータモータとして用いられるとともに、エンジン160により駆動されて発電を行なう発電機として専ら用いられるものとする。また、モータジェネレータ130Bは、蓄電装置110からの電力を用いて駆動輪150を駆動するための電動機として専ら用いられるものとする。
また、図8においては、2台のモータジェネレータと1台のエンジンが備えられる構成の例が示されるが、モータジェネレータの数はこれに限定されず、たとえば、モータジェネレータが1台であってもよい。あるいは、2台より多くのモータジェネレータが備えられる場合であってもよい。
図9は、実施の形態4における慣性走行制御の概要を説明するためのタイムチャートである。図9においては、実施の形態1の図2におけるSOCの表示に代えて、エンジン160の出力が表示されている。そして、加速走行時に必要とされる駆動力が、モータジェネレータ130Bから出力される駆動力とエンジン160から出力される駆動力との和となるように、駆動力がモータジェネレータ130Bおよびエンジン160に分配される。
すなわち、加速走行時に、モータジェネレータ130Bから出力される駆動力とエンジン160から出力される駆動力との和が、車速SPDを維持するために必要となる駆動力よりも大きくなるように設定される。
なお、モータジェネレータ130Bおよびエンジン160の各々についての分配される駆動力の比率は、それぞれのエネルギ効率あるいは応答性等を考慮して適宜設定される。
また、図9においては、慣性走行時にエンジン160が停止されており、加速走行を開始する直前に毎回モータジェネレータ130A(MG1)によりクランキングされてエンジン160が始動されているが、これに代えて、慣性走行時はエンジン160の運転をアイドル状態で継続するようにしてもよい。慣性走行時にエンジン160を停止するか、あるいはアイドル運転とするかについては、アイドル運転を継続するために必要なエネルギとエンジン160の始動に要するエネルギを比較して決定される。
さらに、図8のようなハイブリッド車両100Aにおいては、蓄電装置110のSOCが低下した場合には、エンジン160によりモータジェネレータ130Aを駆動することによって発電動作を行なわせ、その発電電力を用いて蓄電装置110を充電するようにしてもよい。
このようなハイブリッド車両100Aにおいても、実施の形態1のように、駆動力変更運転を行なう際の車速の許容範囲を、ユーザ要求パワーに応じて可変とし、ユーザ要求パワーが大きくなるにつれてその許容範囲を拡大することで、エネルギ効率を向上することが可能となる。
なお、実施の形態4においても、実施の形態2およびその変形例の構成を採用し、車速の許容範囲を可変に設定することに代えて、慣性走行の実行時間をユーザ要求パワーに応じて変更するようにしてもよい。
[実施の形態5]
上記の実施の形態4においては、複数の駆動源としてエンジンとモータジェネレータとが備えられるハイブリッド車両を例として説明したが、本発明は、複数の駆動源として、たとえば、図10に示されるような、2つのモータジェネレータからの駆動力を用いて走行することが可能なツインモータ構成の電気自動車などの、他の構成を有する車両にも適用可能である。
図10の車両100Bは、図8の車両100Aにおいてエンジン160が装備されていない構成であり、車両100Bは、モータジェネレータ130A(MG1)およびモータジェネレータ130B(MG2)の両方の駆動力を用いて走行する。
この場合には、実施の形態4のように、モータジェネレータ130A(MG1)を用いて蓄電装置110を充電することはできないが、実施の形態4における図9において、エンジン160の駆動力をMG1で出力するように置き換えることで、駆動力変更運転を行なうことが可能である。
また、実施の形態4の図8の構成において、MG1についても発電機ではなく電動機として用い、MG1,MG2およびエンジン160の3つの駆動源で発生される駆動力を用いて走行する場合においても、本発明の適用が可能である。
なお、上述した実施の形態における図2,4,9のタイムチャートにおいては、慣性走行中の駆動力がゼロとなる場合を例として説明したが、たとえば、慣性走行中の減速度を調整するために、ゼロではない低い駆動力を出力するようにしたり、下り坂のような場合にはモータジェネレータを回生運転することで減速度を増加させたりするようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100,100A,100B 車両、110 蓄電装置、115 SMR、120 PCU、121 コンバータ、122,122A,122B インバータ、130,130A,130B モータジェネレータ、140,140A 動力伝達ギヤ、150 駆動輪、160 エンジン、170,180,185 電圧センサ、175 電流センサ、190 速度センサ、300 ECU、C1,C2 コンデンサ、PL1,PL2,NL1 電力線。

Claims (17)

  1. 車両であって、
    前記車両(100,100A,100B)の走行駆動力を発生する駆動源(130,130B,160)と、
    前記駆動源(130,130B,160)を制御するための制御装置(300)とを備え、
    前記制御装置(300)は、ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、前記駆動源(130,130B,160)について、駆動力を発生させる第1の状態と、前記第1の状態よりも小さい駆動力とした第2の状態とを切換えながら前記車両(100,100A,100B)を走行させる駆動力変更運転を実行し、
    前記制御装置(300)は、前記要求駆動力の大きさに応じて、前記駆動力変更運転における前記第2の状態の時間を可変に設定する、車両。
  2. 前記制御装置(300)は、前記要求駆動力が大きいほど、1回当たりの前記第2の状態の時間を拡大するように制御する、請求項1に記載の車両。
  3. 前記制御装置(300)は、前記駆動力変更運転の実行中は、前記車両(100,100A,100B)の速度が許容範囲内に維持されるように前記第1および第2の状態を切換え、
    前記制御装置(300)は、前記要求駆動力が大きいほど前記許容範囲を広く設定する、請求項2に記載の車両。
  4. 前記制御装置(300)は、前記車両(100,100A,100B)の速度が前記許容範囲の下限値まで低下したことに応答して前記第1の状態へ切換え、前記車両(100,100A,100B)の速度が前記許容範囲の上限値まで上昇したことに応答して前記第2の状態へ切換える、請求項3に記載の車両。
  5. 前記制御装置(300)は、前記第2の状態が予め定められた時間継続したことに応答して、前記第2の状態から前記第1の状態へ切換え、
    前記制御装置(300)は、前記要求駆動力が大きいほど、前記第2の状態の前記予め定められた時間を長く設定する、請求項2に記載の車両。
  6. 前記制御装置(300)は、前記車両(100,100A,100B)の速度が、前記要求駆動力に基づいて定まる目標速度の上限値まで上昇したことに応答して、前記第1の状態から前記第2の状態へ切換える、請求項5に記載の車両。
  7. 前記制御装置(300)は、前記駆動力変更運転の実行中は、前記車両(100,100A,100B)の速度が許容範囲内に維持されるように前記第1および第2の状態を切換え、
    前記制御装置(300)は、前記第1の状態が、前記第2の状態の実行時間から定まる所定の時間継続されたことに応答して前記第1の状態から前記第2の状態へ切換える、請求項6に記載の車両。
  8. 前記第1の状態における駆動力は、前記車両(100,100A,100B)の速度を維持することが可能な一定出力の基準駆動力よりも大きく設定され、
    前記第2の状態における駆動力は、前記基準駆動力よりも小さく設定される、請求項1に記載の車両。
  9. 前記制御装置(300)は、前記第2の状態においては、前記駆動源(130,130B,160)からの駆動力の発生を停止する、請求項8に記載の車両。
  10. 前記車両(100,100A,100B)は、前記第2の状態においては、主に前記車両(100,100A,100B)の慣性力によって走行する、請求項8に記載の車両。
  11. 前記車両(100A,100B)の走行駆動力を発生する他の駆動源(160,130A)をさらに備える、請求項1に記載の車両。
  12. 前記制御装置(300)は、前記第1の状態における前記駆動源(130B,160)および前記他の駆動源(160,130A)の駆動力の和を、前記車両(100,100A,100B)の速度を維持することが可能な一定出力の基準駆動力よりも大きく設定し、前記第2の状態における前記駆動源(130B,160)および前記他の駆動源(160,130A)の駆動力の和を、前記基準駆動力よりも小さく設定する、請求項11に記載の車両。
  13. 前記制御装置(300)は、前記他の駆動源(160,130A)について、駆動力を発生させる第3の状態と、前記第3の状態よりも小さい駆動力とする第4の状態とを切換える駆動力変更運転を実行する、請求項12に記載の車両。
  14. 前記駆動源および前記他の駆動源の一方は、回転電機(130B;160)であり、
    前記駆動源および前記他の駆動源の他方は、内燃機関(160;130B)である、請求項11に記載の車両。
  15. 前記駆動源および前記他の駆動源の双方は、回転電機(130A,130B)である、請求項11に記載の車両。
  16. 前記駆動源は、回転電機(130)または内燃機関(160)のいずれかである、請求項1に記載の車両。
  17. 走行駆動力を発生する駆動源(130,130B,160)を有する車両の制御方法であって、
    前記駆動源(130,130B,160)を、所定のレベルの駆動力を発生させる第1の状態にするステップと、
    前記駆動源(130,130B,160)を、前記第1の状態よりも小さい駆動力とする第2の状態にするステップと、
    ユーザからの要求駆動力の変化が所定範囲内の場合に、前記第1および第2の状態を切換えながら前記車両(100,100A,100B)を走行させる駆動力変更運転を実行するステップと、
    前記要求駆動力の大きさに応じて、前記駆動力変更運転における前記第2の状態の時間を可変に設定するステップとを備える、車両の制御方法。
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