JP2013098824A - 音響再生装置、音響再生システム、音響再生方法および映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 センサーから入力された視聴者位置情報と、予め記憶されたセンサーの位置と2以上のスピーカーの位置との距離から算出した各々の前記スピーカーの位置と視聴者の位置との距離の差分に基づいて、音響信号を制御してスピーカーへ出力するので、視聴者位置にかかわらず、音源を正面とした場合と同じ音響効果を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
しかし、TVを見る場合やミニコンポからの音を聞く場合など、視聴者は必ずしも2つのスピーカーの中央位置で視聴するとは限らない。このように、視聴者の位置(視聴者位置)が2つのスピーカーの中央位置から左右のいずれかにずれていた場合、視聴者は音源の正面で聴くような音響効果を得ることができない。
特許文献1に記載の音像制御装置では、音の再生環境がステレオスピーカーであるカラオケ装置において、マイクを持った歌唱者が舞台上で移動した時、歌唱者の舞台上における位置を実測して歌唱者の距離情報および方向情報を作成し、マイクで集音した音声に対して距離感と方向感を与えることで、中央位置にいる聴取者にとって違和感のない臨場感を実現している。
しかし、特許文献1では、歌唱者の歌を聴く視聴者の位置が、2つのピーカーの中央位置から左右のいずれかにずれていた場合、中央位置で聴いた場合のような音響効果が得られない課題があった。
図1は、この発明の実施の形態1における音響再生装置1の構成図である。
音響再生装置1には、音響信号を再生する機器(図示せず)から出力されるステレオ音声信号(音響信号)が左チャネル信号2aと右チャネル信号2bとして入力され、音像位置(聴感上のあたかもあると思われる音源の位置)の変更処理が行われた音響信号が左チャネル信号(図示せず)と右チャネル信号(図示せず)として出力される。
ここでは、音響再生装置1の入力信号および出力信号は、左チャネル信号2aと右チャネル信号2bの2チャネル信号の構成とするが、この構成に限定するものではなく、入力および出力するチャネル数を3以上のチャネルの構成にしてもよい。
視聴者位置距離情報4と視聴者位置方向情報5の説明は後述する。
映像表示システム11は、音響再生装置1が内蔵された映像表示装置12、この映像表示装置12の左の端部に内蔵され、図1の音響再生装置1の出力端子10aと接続される左スピーカー9a、この映像表示装置12の右の端部に内蔵され、音響再生装置1の出力端子10bと接続される右スピーカー9b、この左スピーカー9aと右スピーカー9bとの中央13であって映像表示装置12の前面に設置されたセンサー14から構成されている。
センサー14は、カメラで撮像した画像を分析し、センサー14の位置からの視聴者位置15との距離と方向を推測し、距離Aと角度αを検出する。なお、この時、例えばカメラで撮像した画像から、人の顔を検知することで、動物や横を向いている人を除いて視聴者を特定し、視聴者位置15を検出してもよい。
このセンサー14で検出した距離Aが図1で説明した視聴者位置距離情報4であり、角度αが図1で説明した視聴者位置方向情報5である。
また、センサー14の前面の垂直方向を0度とした場合、視聴者が左方向或いは右方向30度の位置にいれば“30”、60度の位置にいれば“60”の数値情報が視聴者位置方向情報5として図1の音響再生装置1の視聴者位置分析部6に入力される。
センサー14の前面の垂直線上に、視聴者位置15から引いた垂直線との交点を交点16とし、センサー14と交点16との距離を距離B、視聴者位置15と交点16との距離を距離Cとする。
即ち、距離Bは、視聴者位置15の映像表示装置12の中央13(左右のスピーカー9の中央13であってセンサー14)からの映像表示装置12の前面に対して垂直方向の距離であり、距離Cは、視聴者位置15の映像表示装置12の中央13からの映像表示装置12の前面に対して水平方向の距離である。
即ち、距離Eは、左スピーカー9aと視聴者位置15との映像表示装置12に対して水平方向の距離であり、距離Fは、右スピーカー9bと視聴者位置15との映像表示装置12に対して水平方向の距離である。
ここでは、センサー14の位置をスピーカー9の中央13としているが、スピーカー9aおよびスピーカー9bからセンサー14までの距離が予めわかっていれば、センサー14の位置は、スピーカー9の中央13でなくてもよい。
他にも、複数のスピーカーを設置する場所で、スピーカー9と音響再生装置1とセンサー14を設置すれば、音響再生システムとして構成することもできる。
まず、音響再生装置1の動作の概略を説明する。
視聴者の位置を検出するセンサー14から検出された視聴者位置距離情報4と視聴者位置方向情報5が、入力端子3cおよび3d(入力部)から視聴者位置分析部6に入力され、視聴者の位置(視聴者位置15)を分析し、視聴者位置分析部6から出力された視聴者位置15と予め記憶されたスピーカー9の位置から音像位置決定部7(差分算出部)がスピーカー9と視聴者位置15との距離の差分を求め、その差分を解消する制御信号を音像位置制御部8に出力し、音像位置制御部8(制御部)は音響信号を再生する機器からの信号(音響信号)をその制御信号に基づいて制御し、スピーカー9に出力する出力端子10(出力部)に出力する。なお、視聴者位置分析部6と音像位置決定部7とをあわせて差分算出部としてもよい。
まず、視聴者位置分析部6の動作を説明する。
視聴者位置分析部6では、図2のセンサー14で検出し音響再生装置1に入力された視聴者位置距離情報4(距離A)と視聴者位置方向情報5(角度α)から、センサー14と図2の交点16の距離B(センサー14と視聴者位置15とのセンサー14の前面の垂直方向の距離)と、視聴者位置15と交点16との距離C(センサー14と視聴者位置15とのセンサー14の前面の水平方向の距離)を求める。
図3は、視聴者位置分析部6の動作手順を示す処理フローチャートである。
図3のS101、S102、S103、S104、S105、S106、S107は処理ブロックである。
次に、処理ブロックS102において、センサー14から視聴者位置角度情報5、即ち、角度αを取得する。
以上が視聴位置分析部6の動作説明である。
音像位置決定部7では、視聴者位置分析部6から受け取った距離B、距離E、距離Fを用いて、視聴者位置15から左スピーカー9aまでの距離Gと視聴者位置15から右スピーカー9bまでの距離Hをそれぞれ算出し、その差分値およびその差分値の絶対値を用いて、視聴者位置15で音像を定位する、即ち、視聴者位置15で音源を正面とした場合と同じ音響効果を得ることができるように、距離の差分を解消する処理を決める。
図4は、図2に示した映像表示システム11の構成図に、視聴者位置15から左スピーカー9aまでの距離G、視聴者位置15から右スピーカー9bまでの距離Hを追加して明示した図である。
次に、音像位置決定部7の動作について、図4および図5に示す処理フローチャートを用いて詳細に説明する。
図5のS201、S202、S203、S205、S206、S207は処理ブロック、S204、S206は条件分岐ブロックである。
例えば、視聴者位置15から左スピーカー9aまでの距離Gが100(cm)、視聴者位置15から右スピーカー9bまでの距離Hが150cmである場合は、差分値Iは“−50”、絶対値|I|は“50”となる。
ここでのNは、視聴者位置15から左右のスピーカー9までの距離差が少ないと判断する閾値を指す。その数値としては、例えば左右のスピーカー間隔の20%とし、左右のスピーカー間隔が100(cm)の場合は、Nは20(cm)と決めておく。
分岐ブロックS204において、判定結果が“絶対値|I|はNより小さい”であった場合は、処理ブロックS205に進む。
差分値Iは、視聴者位置15から左スピーカー9aまでの距離Gから、視聴者位置15から右スピーカー9bまでの距離Hを減算した結果である。よって、差分値Iが0より小さいことは、距離Gが距離Hよりも短いこととなり、視聴者位置15は、左スピーカー9aに近い場所に位置し、中央位置よりも左側にいることを意味する。
そして、視聴者に左右2つのスピーカーで鳴動する音源を与える場合において、視聴者位置15が2つのスピーカー9の中央位置から、例えば左にずれた場合、視聴者が聴く音像は、あたかも音源が右にずれたように感じる。
以上が音像位置決定部7の動作説明である。
音像位置制御部8は、入力端子3aから入力された左チャネル信号2aおよび入力端子3bから入力された右チャネル信号2bに対して、音像位置決定部7からの制御信号に基づいて処理を行った後、処理後の左チャネル信号と右チャネル信号を出力端子10aおよび出力端子10bに出力する。
音像位置制御部8において、視聴者位置15での音像を変更する処理は、あたかも音源が視聴者位置15の正面にある音像になるように制御する処理であれば何でも良い。
ここでは、その一例として、音の伝達特性を分析して得た伝達関数による処理について説明する。
まず、音源位置が異なることによって生じる伝達特性を分析して得られる伝達関数について述べる。
そして、音源位置L1は、マイク18の正面に位置する音源位置LR0の映像表示システム11をマイク18から映像表示システム11に向かって左側に移動した位置であり、音源位置L2は、音源位置L1よりも更に左側に移動した位置である。
伝達関数は、前述したように音源からマイク18に到達する音の伝達特性を分析して得られるものである。
ここで、各音源位置での左右の伝達関数の関係について、音源位置L1の場合を例に説明する。
図7は、実施の形態1における図1の音像位置制御部8の内部(音像位置制御部108)の構成図である。
図7において、音像位置制御部108は、入力端子3から入力される左チャネル信号2aおよび右チャネル信号2bを変更する処理である伝達関数HR1R、伝達関数HR2R、伝達関数HL1R、伝達関数HL2R、伝達関数HR1L、伝達関数HR2L、伝達関数HL1L、伝達関数HL2Lと、入力端子3から入力される左チャネル信号2aおよび右チャネル信号2bをこれらの伝達関数HR1R〜伝達関数HL2Lに切り替えて処理し、処理された左チャネル信号(図示せず)と右チャネル信号(図示せず)を出力端子10に出力するためのスイッチ108a、108b、108c、108dと、から構成されている。
音像位置制御部108は、音像位置決定部7からの制御信号に基づいて処理内容を変更する。
音像位置決定部7からの制御信号が、入力端子3aから入力された左チャネル信号2aおよび入力端子3bから入力された右チャネル信号2bを処理しない制御信号であった場合は、スイッチ108aとスイッチ108cを直接つなぎ、また、スイッチ108bとスイッチ108dを直接つないで、入力端子3aに入力された左チャネル信号および右チャネル信号が、出力端子10aおよび出力端子10bにそのまま出力されるようにする。
この実施の形態1によれば、センサー14から得た視聴者位置15の視聴者位置距離情報4および視聴者位置方向情報5、予め記憶されたセンサー14の位置とスピーカー9の位置との距離から、視聴者位置15とスピーカー9の位置との距離の差分を算出し、この差分または差分の絶対値に応じて、音響再生装置1に入力されたチャネル信号をこの差分を解消する伝達関数で処理することにより、音源が視聴者位置15の正面にある音像になるようにしたので、視聴者位置15がスピーカー9の中心位置の延長線上の位置から移動しても、音源を正面とした場合と同じ音響効果を得ることができる。
次に、実施の形態2について図8を用いて説明する。
実施の形態2では、実施の形態1で示した音響再生装置1の音像位置制御部8の内部構成が異なる構成について説明する。そのため、音響位置制御部8以外の音響再生装置1の構成は実施の形態1の構成を示す図1を用いて説明する。
音像位置制御部208は、音像位置決定部7から音源が視聴者位置15の正面にある音像になるように制御する制御信号に基づく処理の一例である。この処理は、音源が視聴者位置15の正面にある音像になるように制御する処理を、連続的に変更が可能な遅延量と利得値を用いて変更することによって行うものである。
音像位置制御部208は、音像位置決定部7からの制御信号に基づいて処理内容を変更する。
まず、音像位置決定部7からの制御信号が、入力端子3aから入力された左チャネル信号2aおよび入力端子3bから入力された右チャネル信号2bを処理しない制御信号であった場合は、遅延調整部L208eおよび遅延調整部R208fにおける遅延量を初期値、即ち遅延調整の無い状態に変更し、利得調整部208gおよび利得調整部R208pにおける利得値を初期値、即ち利得調整の無い状態に変更する。この変更により、音響再生装置1に入力される左チャネル信号2aおよび右チャネル信号2bを制御することなく、出力端子10aおよび出力端子10bから、そのままスピーカー9に出力されるようにする。
実施の形態2における音像位置制御部208によれば、音像位置決定部7で視聴者位置15とスピーカー9との距離の差分の絶対値を決定し、この差分に応じて、音像位置制御部8で左チャネル信号と右チャネル信号(音響信号)を連続的に遅延調整処理および利得調整処理することにより音源が視聴者位置15の正面にある音像になるようにしたので、視聴者位置15がスピーカー9の中心位置の延長線上の位置から移動しても、音源を正面とした場合と同じ音響効果を得ることができる。
Claims (10)
- 視聴者の位置を検出するセンサーから視聴者位置情報が入力される入力部と、
該入力部で入力した前記視聴者位置情報および予め記憶された前記センサーの位置と2以上のスピーカーの位置との距離に基づいて、各々の前記スピーカーの位置と前記視聴者の位置との距離の差分を算出する差分算出部と、
該差分算出部で算出した差分に基づいて音響信号を制御する制御部と、
該制御部で制御された音響信号を出力する出力部と、
を備えたことを特徴とする音響再生装置。 - 前記視聴者位置情報は、前記センサーの位置から前記視聴者の位置への距離と方向であることを特徴とする請求項1記載の音響再生装置。
- 前記方向とは、前記センサーの前面の垂直線と、前記センサーの位置と前記視聴者の位置とを結ぶ線と、のなす角度であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の音響再生装置。
- 2以上のスピーカーの位置からの距離が同じ位置で、制御される前の前記音響信号に基づく音像は、音源を正面とする音像と同じであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の音響再生装置。
- 前記差分算出部は、前記視聴者位置情報から、前記センサーの前面の垂直線上であり前記視聴者の位置からこの垂直線に直行する線の交点と前記センサーの位置との距離、および前記交点と前記視聴者の位置との距離、を算出し、各々の前記スピーカーの位置と前記視聴者の位置との距離の差分を算出することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の音響再生装置。
- 前記制御部は、前記差分を解消する伝達関数により前記音響信号を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の音響再生装置。
- 前記制御部は、前記差分によって生じる音の遅延量と該音の音圧差の比である利得値とを調整することにより前記音響信号を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の音響再生装置。
- 表示部、
該表示部の左右の両端に配置されたスピーカー、
前記表示部の前面に配置されたセンサー、
該センサーから、視聴者の位置を検出した視聴者位置情報が入力される入力部と、該入力部で入力した前記視聴者位置情報および予め記憶された前記センサーの位置と2以上のスピーカーの位置との距離に基づいて、各々の前記スピーカーの位置と前記視聴者の位置との距離の差分を算出する差分算出部と、該差分算出部で算出した差分に基づいて音響信号を制御する制御部と、該制御部で制御された音響信号を出力する出力部と、を有する音響再生装置、
を備えたことを特徴とする映像表示装置。 - 2以上のスピーカー、
視聴者の位置を検出するセンサー、
該センサーから、視聴者の位置を検出した視聴者位置情報が入力される入力部と、該入力部で入力した前記視聴者位置情報および予め記憶された前記センサーの位置と2以上のスピーカーの位置との距離に基づいて、各々の前記スピーカーの位置と前記視聴者の位置との距離の差分を算出する差分算出部と、該差分算出部で算出した差分に基づいて音響信号を制御する制御部と、該制御部で制御された音響信号を出力する出力部と、を有する音響再生装置、
を備えたことを特徴とする音響再生システム。 - 音響再生装置による音響信号を制御する方法において、
前記音響再生装置の入力部で、視聴者の位置を検出するセンサーから視聴者位置情報が入力される入力ステップと、
前記音響再生装置の差分算出部で、前記入力ステップで入力した前記視聴者位置情報および予め記憶された前記センサーの位置と2以上のスピーカーの位置との距離に基づいて、各々の前記スピーカーの位置と前記視聴者の位置との距離の差分を算出する差分算出ステップと、
前記音響再生装置の制御部で、前記差分算出ステップで算出した差分に基づいて音響信号を制御する制御ステップと、
前記音響再生装置の出力部で、前記制御ステップで制御された音響信号を出力する出力ステップと、
を備えたことを特徴とする音響再生方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101663987B1 (ko) * | 2016-05-03 | 2016-10-10 | 오방현 | 타겟각도정보를 이용한 수직형 스피커 세트의 출력제어장치 |
Citations (3)
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JPH0819099A (ja) * | 1994-06-30 | 1996-01-19 | Mitsubishi Electric Corp | 音響再生装置 |
JP2007150890A (ja) * | 2005-11-29 | 2007-06-14 | Sharp Corp | 映像表示装置 |
JP2008072541A (ja) * | 2006-09-15 | 2008-03-27 | D & M Holdings Inc | オーディオ装置 |
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2011
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