JP2013096830A - 粉体センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来と比較して振動や衝撃が印加された際の誤判定を減らす又は無くすことの可能な粉体センサを提供する。
【解決手段】発振回路10は、少なくとも圧電素子5の共振周波数Fr又はその近傍の周波数の出力信号Vdrvを抵抗R1を介して圧電素子5に印加する。発振回路10は、また、分周過程で発生する高次のパルス信号を、圧電素子5への出力信号Vdrvとともに基準信号発生回路20に供給する。基準信号発生回路20は、入力された信号を用いた論理演算により、圧電素子5への出力信号Vdrvに対して位相が所定角度だけずれた基準信号Vbを発生する。フィルタ回路30は、圧電素子5の端子電圧Vpが入力され、フィルタ後信号Vfを出力する。フィルタ回路30は圧電素子5の共振周波数を通過帯域に含む。位相比較判定回路40は、基準信号Vbの位相とフィルタ後信号Vfの位相とを比較し、比較結果に基づいてトナーボックス内のトナーの有無を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機のトナー等の粉体を検出する粉体センサに関する。
例えば複写機に用いられているトナーは、複写枚数が増加するほどその量が消費されるので、常にその残量を検知して適当量に減った場合は新たに補給してやらねばならない。このような目的で粉体の有無を検知する粉体センサが知られている。
下記特許文献1の粉体センサは、粉体センサ素子(2端子の圧電素子)の入力側に抵抗を介して掃引発振回路を接続し、粉体センサ素子の端子電圧と掃引発振回路の駆動パルス信号との位相比較を位相比較部で行い、この比較結果を位相弁別部で弁別して粉体の有無を検知する。具体的には、検知した位相差を、予め設定した45゜のしきい値を基に例えば80゜乃至90゜の場合はレベル0に、また0゜乃至10゜の場合はレベル1にレジスタにラッチし、粉体の有無に応じて検知信号をデジタル信号として出力する。
特開平3−37592号公報
通常の環境下では、従来の検出方法で問題は発生しない。しかし、特殊な環境下、例えば複写機の組み立て若しくは調整その他の要因で大きな振動や衝撃が印加されたとき、従来の検出方法では粉体センサ素子の端子電圧の位相に一時的なずれが生じ、ずれ具合次第では粉体が有るにも関わらず粉体無しと誤判定することがある。また、複写機などのOA機器の小型化に伴い、紙送りの際にモーターより発せられる振動の影響を粉体センサ素子が受けやすくなっており、上記の誤判定の原因となっている。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、従来と比較して振動や衝撃が印加された際の誤判定を減らす又は無くすことの可能な粉体センサを提供することにある。
本発明のある態様は、粉体センサである。この粉体センサは、
圧電素子と、
少なくとも前記圧電素子の共振周波数又はその近傍の周波数の出力信号を前記圧電素子に印加する発振回路と、
前記圧電素子の端子電圧が入力され、前記圧電素子の共振周波数を通過帯域に含むフィルタ回路と、
前記発振回路の出力信号に対して位相が所定角度だけずれた基準信号を発生する基準信号発生回路と、
前記フィルタ回路を通過した前記圧電素子の端子電圧の位相と前記基準信号の位相とを比較する位相比較回路とを備える。
前記発振回路は、前記圧電素子の共振周波数を含む周波数範囲で出力信号の周波数を掃引する掃引発振回路であってもよい。
前記基準信号発生回路は、前記圧電素子に印加される前記発振回路の出力信号と、当該出力信号の周波数よりも高い周波数の少なくとも1つのパルス信号との論理演算により、前記基準信号を発生してもよい。
前記発振回路は、高周波発振器と、前記高周波発振器の出力信号が入力される分周器とを有し、前記分周器の出力信号を前記圧電素子に印加するとともに、当該出力信号の周波数よりも高い周波数の少なくとも1つの前記パルス信号を前記分周器から前記基準信号発生回路に供給してもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、フィルタ回路を通過した圧電素子の端子電圧の位相と、発振回路の出力信号に対して位相が所定角度だけずれた基準信号の位相とを比較する構成のため、従来と比較して振動や衝撃が印加された際の誤判定を減らす又は無くすことが可能となる。
本発明の実施の形態に係るトナーセンサのブロック図。 図1に示す圧電素子5の入力信号の周波数に対する位相遅れ特性図。 図1に示す発振回路10及び基準信号発生回路20の例示的な回路図。 図3の回路図のタイムチャート。 図1に示すフィルタ回路30の例示的な回路図である。 前記フィルタ回路30の出力電圧の、入力電圧に対する通過帯域の周波数特性図。 図1に示すトナーセンサのタイムチャート。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係る粉体センサとしてのトナーセンサのブロック図である。このトナーセンサは、圧電素子5と、発振回路10と、基準信号発生回路20と、フィルタ回路30と、位相比較判定回路40とを備える。
トナーボックスに取り付けられた圧電素子5は、入力信号の周波数とトナー残量によって当該入力信号に対する位相の遅れが変化するものであり、入力信号の周波数に対する位相遅れ特性は図2に示すとおりである。
すなわち、圧電素子5は、共振周波数Frの入力信号に対しては、共振周波数Fr付近ではL分とC分のエネルギーのやり取りが効率よく行われ共振状態になる為位相ずれが発生しない一方、入力信号の周波数が共振周波数Frから離れるにつれて静電容量としての性質が大きくなって位相遅れが大きくなる。また、圧電素子5は、トナーボックス内のトナー残量が多いほど振動が阻害され、共振周波数Fr又はその近傍の周波数の入力信号に対しても静電容量としての性質が大きくなる。一方、圧電素子5は、トナーボックス内のトナー残量が無くなってくると、共振周波数Fr又はその近傍の周波数の入力信号に対して位相遅れが著しく減じてくる。
発振回路10は、少なくとも圧電素子5の共振周波数Fr又はその近傍の周波数の出力信号Vdrv(電圧信号)を抵抗R1(制限抵抗)を介して圧電素子5に印加する。発振回路10は、好ましくは、出力信号Vdrvの周波数を、圧電素子5の共振周波数Frを含む周波数範囲で掃引する。掃引は、トナーボックスに取り付けた状態での圧電素子5の共振周波数が正確に特定できない場合に有効である。
発振回路10は、また、後述のように分周器を有し、分周過程で発生する高次のパルス信号(圧電素子5への出力信号Vdrvの2倍、4倍の周波数のパルス信号)を、圧電素子5への出力信号Vdrvとともに基準信号発生回路20に供給する。基準信号発生回路20は、入力された信号を用いた論理演算により、圧電素子5への出力信号Vdrvに対して位相が所定角度だけずれた基準信号Vbを発生する。圧電素子5への出力信号Vdrvに対する基準信号Vbの位相ずれ量は、フィルタ回路30の入出力間の位相ずれ量に応じて適宜設定すればよい。フィルタ回路30は、圧電素子5の端子電圧Vpが入力され、フィルタ後信号Vfを出力する。フィルタ回路30は、圧電素子5の共振周波数を通過帯域に含む。位相比較判定回路40は、基準信号Vbの位相とフィルタ後信号Vfの位相とを比較し、比較結果に基づいてトナーボックス内のトナーの有無を判定する。判定方法は従来と同じでよい。すなわち、基準信号Vbに対するフィルタ後信号Vfの位相差(位相遅れ)が所定角度(例えば45°)以内であればトナー無しと判定し、所定角度を超えればトナー有りと判定する。
図3は、図1に示す発振回路10及び基準信号発生回路20の例示的な回路図である。図4は、図3の回路図のタイムチャートである。発振回路10は、高周波発振器11と、D型フリップフロップ12〜14とを備える。D型フリップフロップ12〜14は、高周波発振器11の出力信号Sourの周期を8倍に分周する3段分周器の例示である。分周の過程で、高周波発振器11の出力信号Sourの周期を2倍、4倍にした信号Q0,Q1がD型フリップフロップ12,13から発生する。なお、3段分周後の出力信号(D型フリップフロップ14の出力信号Q2)は、圧電素子5への出力信号Vdrvでもある。基準信号発生回路20は、高周波発振器11の出力信号Sour及びD型フリップフロップ12〜14の出力信号Q0〜Q2を入力とするNANDゲートである。基準信号発生回路20は、高周波発振器11の出力信号Sour及びD型フリップフロップ12〜14の出力信号Q0〜Q2が全てハイレベルであることを条件にローレベルとなる(当該条件が満たされないときはハイレベルとなる)基準信号Vbを発生する。基準信号Vbは、周波数がD型フリップフロップ14の出力信号Q2(Vdrv)と同一で、位相(立ち上がりエッジのタイミング)がD型フリップフロップ14の出力信号Q2(Vdrv)に対して22.5°(1/16周期)進んでいる。
図5は、図1に示すフィルタ回路30の例示的な回路図である。図6は、前記フィルタ回路30の出力電圧の、入力電圧に対する通過帯域の周波数特性図である。フィルタ回路30は、オペアンプ33を用いた帯域通過(バンドパス)型のアクティブフィルタであり、オペアンプ33の非反転入力端子に圧電素子5の端子電圧Vpが入力され、オペアンプ33の反転入力端子と固定電圧端子(例えば接地端子)との間にキャパシタC1と抵抗R1とが直列に接続され、オペアンプ33の出力端子と反転入力端子との間にキャパシタC2と抵抗R2とが並列に接続されている。フィルタ回路30は、トナーボックスに取り付けた状態での圧電素子5の共振周波数範囲(共振することのある周波数範囲)内の周波数の入力信号に対する利得が、当該共振周波数範囲以外の周波数の入力信号に対する利得よりも大きくなるように構成される。なお、減衰特性をより急峻にしたい場合には、CRフィルタを更に追加する等して減衰特性を-12db/oct、-18db/octとしてもよい(図示は-6db/octの例)。
図7(A)〜(I)は、図1に示すトナーセンサのタイムチャートである。図7(A)は、掃引数11ビット(発振周波数が211通り)の場合の発振回路10の発振周波数の変化を示す。図7(B)は、発振回路10の出力信号Vdrvの波形図である。図7(C)〜(I)では、図7(A),(B)の時間軸の一部を抽出し拡大して示している。
図7(C)は、トナーボックス内にトナーが有り、かつ外部からの振動や衝撃に起因する変動(以下「衝撃波」とも表記)が無い場合における、圧電素子5の端子電圧Vpの波形図である。図7(D)は、発振回路10の出力信号Vdrvの波形図である。図7(C),(D)の比較から明らかなように、トナーが有る場合は、衝撃波が無ければ、共振周波数付近においても発振回路10の出力信号Vdrvに対して圧電素子5の端子電圧Vpの位相遅れが発生する。
図7(E)は、発振回路10の出力信号Vdrvを印加せずに外部からの振動や衝撃を加えた場合の圧電素子5の端子電圧Vpの波形図(衝撃波のみを抽出した波形図)である。このように、外部からの振動や衝撃があると圧電素子5は一時的なノイズ(衝撃波)を発生する。図7(F)は、トナーボックス内にトナーが有り、かつ衝撃波も存在する場合における圧電素子5の端子電圧Vpの波形図(図7(C),(E)の合成に相当)である。本図に示すように、衝撃波の影響次第では、圧電素子5の端子電圧Vpが発振回路10の出力信号Vdrvよりも先に立ち上がる。このため、フィルタ回路30を通さずに圧電素子5の端子電圧Vpの位相でトナー有無を判断する場合、衝撃波による圧電素子5の端子電圧Vpの位相進みのために、トナーが有るにも関わらずトナー無しと誤判定することがある。
図7(G)は、発振回路10の出力信号Vdrvを印加せずに外部からの振動や衝撃を加えた場合のフィルタ回路30の出力電圧(フィルタ後信号Vf)の波形図(衝撃波によるもののみを抽出した波形図)である。図7(H)は、トナーボックス内にトナーが有り、かつ衝撃波も存在する場合におけるフィルタ回路30の出力電圧(フィルタ後信号Vf)の波形図である。なお、図7(G),(H)において、フィルタ回路30を通すことによる位相変化は無視している(VpとVfを同位相で示している)。図7(I)は、発振回路10の出力信号Vdrvの波形図である(図7(D)の再掲)。図7(E),(G)の対比から明らかなように、フィルタ後信号Vfは、フィルタ前の信号(圧電素子5の端子電圧Vp)よりも衝撃波による振幅が小さくなる。このため、図7(H),(I)に示すように、フィルタ後信号Vfは、衝撃波があっても発振回路10の出力信号Vdrvに対する位相の変化(衝撃波に起因する位相の変化)がフィルタ前の信号(圧電素子5の端子電圧Vp)と比較して小さい。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) 圧電素子5の端子電圧Vpをフィルタ回路30に通したフィルタ後信号Vfの位相と、基準信号Vbの位相とを比較した結果に基づいてトナーボックス内のトナーの有無を位相比較判定回路40にて判定する構成であり、フィルタ後信号Vfは上述のとおり衝撃波があっても発振回路10の出力信号Vdrvに対する衝撃波に起因する位相の変化がフィルタ前の信号(圧電素子5の端子電圧Vp)と比較して小さいため、フィルタ回路30を通さずに圧電素子5の端子電圧Vpの位相でトナー有無を判断する場合と比較して、振動や衝撃が印加された際にトナーが有るにも関わらずトナー無しとする誤判定を減らす又は無くすことができる。また、振動や衝撃による誤判定防止機能を付したことで、振動の影響を受けやすくなる小型化にも有利である。
(2) フィルタ回路30を通すことにより圧電素子5の端子電圧Vpに位相変化が生じるものの、発振回路10から圧電素子5への出力信号Vdrvに対して位相が所定角度だけずれた基準信号Vbを基準信号発生回路20により発生し、基準信号Vbをフィルタ後信号Vfとの位相比較対象としているため、フィルタ回路30を通すことによる位相変化の影響を吸収することができる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
検出対象の粉体は、実施の形態で例示のトナーに限定されず任意である。
5 圧電素子
10 発振回路
11 高周波発振器
12〜14 D型フリップフロップ
20 基準信号発生回路
30 フィルタ回路
40 位相比較判定回路

Claims (4)

  1. 圧電素子と、
    少なくとも前記圧電素子の共振周波数又はその近傍の周波数の出力信号を前記圧電素子に印加する発振回路と、
    前記圧電素子の端子電圧が入力され、前記圧電素子の共振周波数を通過帯域に含むフィルタ回路と、
    前記発振回路の出力信号に対して位相が所定角度だけずれた基準信号を発生する基準信号発生回路と、
    前記フィルタ回路を通過した前記圧電素子の端子電圧の位相と前記基準信号の位相とを比較する位相比較回路とを備える、粉体センサ。
  2. 前記発振回路は、前記圧電素子の共振周波数を含む周波数範囲で出力信号の周波数を掃引する掃引発振回路である、請求項1に記載の粉体センサ。
  3. 前記基準信号発生回路は、前記圧電素子に印加される前記発振回路の出力信号と、当該出力信号の周波数よりも高い周波数の少なくとも1つのパルス信号との論理演算により、前記基準信号を発生する、請求項1又は2に記載の粉体センサ。
  4. 前記発振回路は、高周波発振器と、前記高周波発振器の出力信号が入力される分周器とを有し、前記分周器の出力信号を前記圧電素子に印加するとともに、当該出力信号の周波数よりも高い周波数の少なくとも1つの前記パルス信号を前記分周器から前記基準信号発生回路に供給する、請求項3に記載の粉体センサ。
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