JP2013096384A - 太陽熱発電方法及び設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽熱で蒸気を生成させ、この蒸気で発電を行う太陽熱発電システムにおいて、熱媒によるトラブルを生じにくく、且つ日照量の変動などに影響されず、発電用の蒸気を安定して生成することができる方法を提供する。
【解決手段】熱媒ガスgを、太陽熱で熱媒ガスgを加熱するレシーバー1と、レシーバー1を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱する通気性蓄熱体を備えた蓄熱炉2と、蓄熱炉2を経た熱媒ガスgと水との熱交換で蒸気を生成させる熱交換器3を有するガス循環系内で循環させ、この熱媒ガスgの循環中、レシーバー1で熱媒ガスgを加熱するとともに、熱媒ガスgを熱交換器3で水と熱交換させて蒸気を生成させ、この蒸気を用いて蒸気タービン発電機8で発電を行い、蓄熱炉2では、レシーバー1を経た熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにし、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの熱量変動を抑える。
【選択図】図1

Description

太陽光線の熱で蒸気を生成させ、この蒸気を用いて発電を行う太陽熱発電方法及び設備に関する。
従来、太陽熱発電システムとして、例えば特許文献1に示すようなものが知られている。この太陽熱発電システムでは、図7に示すように、太陽光をヘリオスタット群30で反射して、集光タワー32の上部に設置されたレシーバー31に集光し、このレシーバー31に循環する流体33を加熱気化して蒸気とする。この蒸気をタービン34に送り、発電機を駆動して電力を得るものである。タービン34を出た蒸気は、凝縮器35で冷却されて凝縮し、凝縮した流体は循環ポンプにより再びレシーバー31に送られる。
また、他の太陽熱発電システムとして、非特許文献1に示されるようなものが知られている。この太陽熱発電システムでは、図8に示すように、昼間は太陽光線をパラボラトラフ21で集光し、溶融塩を循環・加熱して熱回収する。加熱された溶融塩の一部は、2基の蓄熱タンク22に蓄えられる。また、残りの溶融塩は熱交換器23で水と熱交換し、蒸気を発生させて蒸気タービン及び発電機24を駆動して発電を行う。蒸気タービンを通過した蒸気は、凝縮機25で復水し、再び熱交換器23に循環する。一方、夜は、蓄熱タンク22に蓄えた高温の溶融塩を熱交換器23に循環させて蒸気を発生させ、上記と同様に発電を行う。
さらに、特許文献2には、集光集熱装置で蒸気を生成させ、この蒸気を蒸気タービンに送って発電するシステムにおいて、集光集熱装置と蒸気タービンを結ぶ蒸気配管の途中に、蒸気アキュムレータと溶融塩蓄熱槽とを組み合わせた蓄熱装置を設け、日射量の変化に伴う集熱条件の変動を、蒸気アキュムレータと溶融塩蓄熱槽により適宜吸収できるようにした太陽熱発電システムが示されている。
国際公開第2009/105689号 特開昭61−261678号公報
「The parabolic trough power plants Andasol 1 to 3」、Solar Millennium AG、2008年、p.12
特許文献1(図7)に示される太陽熱発電システムでは、ヘリオスタットで集光する太陽光が雲の通過などで遮られた場合、レシーバーの受光量(受熱量)が低下して蒸気発生量が少なくなり、発電停止に至るなど、運転が短時間の気象変化に大きく影響されるという問題がある。
また、非特許文献1(図8)に示される太陽熱発電システムでは、太陽エネルギーを、太陽熱で溶融塩を加熱し、蓄熱タンクに蓄える方法で回収している。この方法は、日照量の短時間変化の影響を受けず、かつ夜間でも蒸気を発生させて発電を行うことができる利点があるが、溶融塩の温度が250℃程度まで低下すると、溶融塩が凝固して配管内で詰まりを生じ、操業ができなくなるという問題がある。そのため、配管全体を電器ヒーターで保温するなどの対策を講じる必要があり、設備費と運転費の増大を招く。また、現在使用されている溶融塩は600℃程度の温度で不安定になるため、使用温度は実質的に450℃程度が上限となる。このため1000℃程度の高い集熱温度では使用できず、結果として発電効率を高くできない。
さらに、特許文献2に示される太陽熱発電システムでは、蓄熱手段として、蒸気アキュムレータと溶融塩蓄熱槽を組み合わせた蓄熱装置を用いているが、蒸気アキュムレータは耐圧容器であるため製造コストが高く、また、容量を大きくすることができず、熱損失も大きい欠点がある。また、溶融塩を使用するため、上述した非特許文献1の技術と同様の問題がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、太陽光線の熱で蒸気を生成させ、この蒸気を用いて発電を行う太陽熱発電システムにおいて、熱媒によるトラブルを生じにくく、しかも雲の通過などによる日照量の変動などに影響されず、発電用の蒸気を安定して生成することができ、これにより太陽熱を利用した発電を安定的に行うことができる方法及び設備を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]太陽光線の熱で蒸気を生成させ、この蒸気を用いて発電を行う太陽熱発電方法であって、熱媒ガスgを、集光装置により集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するレシーバー(1)と、該レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備えた蓄熱炉(2)と、該蓄熱炉(2)を経た熱媒ガスgと水との熱交換で蒸気を生成させる熱交換器(3)を有するガス循環系内で循環させ、この熱媒ガスgの循環中、レシーバー(1)に集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するとともに、熱媒ガスgを熱交換器(3)で水と熱交換させて蒸気を生成させ、この蒸気を用いて蒸気タービン発電機(8)で発電を行い、蓄熱炉(2)では、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにすることで、熱交換器(3)を通過する熱媒ガスgの熱量変動を抑えることを特徴とする太陽熱発電方法。
[2]上記[1]の太陽熱発電方法において、ガス循環系は、さらに、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備え、蓄熱炉(2)と並列に設けられる第2の蓄熱炉(2a)を有し、熱媒ガスgの一部をレシーバー(1)−蓄熱炉(2)−熱交換器(3)間で循環させるとともに、レシーバー(1)が所定の受光量を得ている場合には、熱媒ガスgの一部をレシーバー(1)−蓄熱炉(2a)間で循環させることで、熱媒ガスgの熱を蓄熱炉(2a)に蓄熱させ、レシーバー(1)の受光量が低下した場合には、レシーバー(1)−蓄熱炉(2a)間での熱媒ガスgの循環を止め、熱媒ガスgの一部を熱交換器(3)−蓄熱炉(2a)間で循環させることで、蓄熱炉(2a)に蓄えられた熱を熱媒ガスgに放熱させ、熱交換器(3)を通過する熱媒ガスgの熱量低下を抑えることを特徴とする太陽熱発電方法。
[3]上記[1]又は[2]の太陽熱発電方法において、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgを加熱装置(4)で加熱した後、蓄熱炉(2)に導入することを特徴とする太陽熱発電方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの太陽熱発電方法において、熱交換器(3)で生成した蒸気を加熱装置(5)で加熱した後、蒸気タービン発電機(8)に導入して発電を行うことを特徴とする太陽熱発電方法。
[5]太陽光線の熱で蒸気を生成させ、この蒸気を用いて発電を行う太陽熱発電設備であって、集光装置により集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するレシーバー(1)と、該レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備えた蓄熱炉(2)と、該蓄熱炉(2)を経た熱媒ガスgと水との熱交換で蒸気を生成させる熱交換器(3)と、熱媒ガスgをレシーバー(1)−蓄熱炉(2)−熱交換器(3)間で循環させるガス循環流路(6)と、熱媒ガスgをガス循環流路(6)内で循環させる循環ファン(7)と、熱交換器(3)で生成した蒸気を用いて発電を行う蒸気タービン発電機(8)を有し、蓄熱炉(2)において、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにしたことを特徴とする太陽熱発電設備。
[6]上記[5]の太陽熱発電設備において、さらに、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備え、蓄熱炉(2)と並列に設けられる第2の蓄熱炉(2a)を有し、ガス循環流路(6)は、レシーバー(1)を通過する熱媒ガスgの一部を蓄熱炉(2)と熱交換器(3)を経由することなくレシーバー(1)−蓄熱炉(2a)間で循環させることができるバイパス流路(6x)と、熱交換器(3)を通過する熱媒ガスgの一部をレシーバー(1)と蓄熱炉(2)を経由することなく熱交換器(3)−蓄熱炉(2a)間で循環させることができるバイパス流路(6y)と、両バイパス流路(6x),(6y)を選択的に用いるための開閉弁(9)を有することを特徴とする太陽熱発電設備。
[7]上記[6]の太陽熱発電設備において、蓄熱炉(2a)の一端側に接続される流路(64)は2つの分岐流路(640),(641)を有し、このうち分岐流路(640)がレシーバー(1)の熱媒ガス出側の流路(60)に接続され、分岐流路(641)が熱交換器(3)の熱媒ガス入側の流路(61)に接続され、蓄熱炉(2a)の他端側に接続される流路(65)は2つの分岐流路(650),(651)を有し、このうち分岐流路(650)がレシーバー(1)の熱媒ガス入側の流路(62)に接続され、分岐流路(651)が熱交換器(3)の熱媒ガス出側の流路(63)に接続され、各分岐流路(640),(641),(650),(651)には、それぞれ開閉弁(9)が設けられ、分岐流路(640)と分岐流路(650)がバイパス流路(6x)を構成し、分岐流路(641)と分岐流路(651)がバイパス流路(6y)を構成することを特徴とする太陽熱発電設備。
[8]上記[5]〜[7]のいずれかの太陽熱発電設備において、さらに、蓄熱炉(2)に導入される熱媒ガスgを加熱するための加熱装置(4)を有することを特徴とする太陽熱発電装置。
[9]上記[5]〜[8]のいずれかの太陽熱発電設備において、さらに、蒸気タービン発電機(8)に導入される蒸気を加熱するための加熱装置(5)を有することを特徴とする太陽熱発電装置。
本発明によれば、熱媒ガスで蓄熱・放熱を行う蓄熱炉を利用することにより、熱媒によるトラブルを生じにくく、しかも雲の通過などによる日照量の変動などに影響されず、発電用の蒸気を安定して生成することができ、これにより太陽熱を利用した発電を安定的に行うことができる。
本発明の第一の形態の太陽熱発電設備の一実施形態を示す全体フロー図 本発明の第二の形態の太陽熱発電設備の一実施形態を示す全体フロー図 図2の設備を用いた本発明の太陽熱発電方法の実施状況を示す説明図 図2の設備を用いた本発明の太陽熱発電方法の実施状況を示す説明図 本発明法における蒸気発生状況を模式的に示すもので、日射強度と熱交換器の蒸気出側で測定される蒸気温度の経時変化を示す図面 本発明法において、1日の日射強度と操業開始から終了までの蒸気温度(熱交換器の蒸気出側での蒸気温度)の経時変化を示す模式図 従来の太陽熱発電システムの一例を示す説明図 従来の太陽熱発電システムの他の例を示す説明図
まず、本発明の第一の形態の太陽熱発電方法及び設備について説明する。
図1は、その太陽熱発電設備の一実施形態の全体フロー図である。
この太陽熱発電設備は、集光装置Sにより集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するレシーバー1と、このレシーバー1を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備えた蓄熱炉2と、この蓄熱炉2を経た熱媒ガスgと水との熱交換で蒸気を生成させる熱交換器3と、熱媒ガスgをレシーバー1−蓄熱炉2−熱交換器3間で循環させるガス循環流路6と、熱媒ガスgをガス循環流路6内で循環させる循環ファン7と、熱交換器3で生成した蒸気を用いて発電を行う蒸気タービン発電機8を有する。熱媒ガスgの種類は任意であるが、通常は空気が用いられる。
前記集光装置Sは、1又は複数の鏡体を備え、この鏡体に太陽光線を反射させてレシーバー1に集光させるものであり、本実施形態では、鏡体と太陽光線をレシーバー方向に導くための鏡角度制御装置とを組み合わせたヘリオスタットで構成されている。通常、このヘリオスタットは数百台〜数千台設置され、太陽の位置が変化しても、常にレシーバー1に太陽光線が集まるように鏡角度が制御される。なお、集光装置Sとしては、ヘリオスタット以外に、例えば、パラボラトラフ、リニアフレネル、パラボラディッシュなどの各方式の装置を用いてもよい。
前記レシーバー1は、図示しないタワー(鉄骨などで構成されるタワー)の上部に取り付けられる。タワーの高さは任意であるが、通常50m〜100m程度であり、各レシーバー1が受ける光の量により高さが適切に設計される。タワーは複数本設置してもよい。レシーバー1の受光面には、例えば、ボイラーチューブのような伝熱管が密に並べられ、集光された太陽光線を受けて加熱される。伝熱管内は熱媒ガスgが流れており、伝熱管からの伝熱により熱媒ガスgが加熱(通常、約650℃程度まで加熱)される。1基のレシーバー1の受光面の大きさは任意であるが、通常、高さ・幅ともに数メートル〜十メートル程度、面積は数十平方メートル〜百平方メートル程度である。
前記蓄熱炉2(ホットストーブ)は、製鉄プロセスにおいて溶鉱炉羽口に高温空気を供給するために使用される熱風炉と同じく、内部に通気性蓄熱体を備えている。この通気性蓄熱体は、例えば、多数のガス通気孔が形成された耐火物(煉瓦)を積み上げることにより構成される。この通気性蓄熱体を高温の熱媒ガスgが通過することにより、熱媒ガスgの熱が通気性蓄熱体に蓄えられ(蓄熱)、一方、蓄熱された高温の通気性蓄熱体を低温の熱媒ガスgが通過することにより、通気性蓄熱体の熱で熱媒ガスgが加熱される(放熱)。通常、蓄熱炉2の外殻は鋼製の耐圧容器である。本実施形態では、蓄熱炉2は1基設けられているが、2基以上を直列に設けてもよい。各蓄熱炉2の大きさは任意であるが、通常、直径が数メートル〜十メートル程度、高さが数十メートル〜百メートル程度である。
この蓄熱炉2では、レシーバー1を経て導入される熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱される。
前記熱交換器3は、器内を通過する熱媒ガスgと水を熱交換させ、水から蒸気を生成させるものであり、この熱交換器3には、下記する循環流路10を通じて必要量且つ必要水質の水が供給される。
前記蒸気タービン発電機8と熱交換器3との間では、循環流路10により水及び蒸気を循環する。この循環流路10には、水を貯蔵するタンク11と、循環用ポンプ12と、蒸気タービン発電機8を出た蒸気を凝縮するための空冷式又は水冷式の凝縮器13が設けられている。前記循環用ポンプ12は、図示しない制御装置により、熱交換器3に対する送水量を調節できるようになっている。
また、本実施形態では、循環流路10に蒸気タービン発電機8に導入される蒸気を加熱するための加熱装置5が設けられている。この加熱装置5では熱源として燃料が用いられ、必要に応じて蒸気を加熱した後、蒸気タービン発電機8に導入する。
前記循環ファン7は、ガス循環流路6内で熱媒ガスgを循環させるものである。循環ファン7を設置する位置は任意であるが、本実施形態ではレシーバー1の上流側に設けられている。循環ファン7は、350℃程度の温度にも耐えられる耐熱性を有しており、図示しない制御装置により、送風量を調節できるようになっている。
また、本実施形態では、蓄熱炉2に導入される熱媒ガスgを加熱するための加熱装置4が、蓄熱炉2の熱媒ガス入側に設けられている。この加熱装置4では、熱源として燃料が用いられ、必要に応じて熱媒ガスgを加熱した後、蓄熱炉2に導入する。
本発明の第一の形態の太陽熱発電方法では、熱媒ガスgをガス循環流路6、すなわち、レシーバー1と蓄熱炉2と熱交換器3を有するガス循環系内で循環させ、この循環中、レシーバー1に集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するとともに、熱媒ガスgを熱交換器3で水と熱交換させて蒸気を生成させ、この蒸気を用いて蒸気タービン発電機8で発電を行う。そして、蓄熱炉2では、レシーバー1を経て蓄熱炉2に導入される熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにし、これにより、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの熱量変動が抑えられる。すなわち、レシーバー1が所定の受光量(受熱量)を得ており、このためレシーバー1を経て蓄熱炉2に導入される熱媒ガスgが余剰の熱量を有している時(=熱交換器3での熱交換に必要な温度よりも高いガス温度の時)には、熱媒ガスgの熱量の一部が蓄熱炉2に蓄熱され、残りの熱量を有する熱媒ガスgが熱交換器3に送られる。なお、蓄熱炉2の蓄熱が飽和した時には、熱媒ガスgはその熱量を維持したまま蓄熱炉2を通過し、熱交換器3に送られることは言うまでもない。一方、レシーバー1の受光量が低下し、レシーバー1を経て蓄熱炉2に導入される熱媒ガスgの熱量が不足する時(=熱交換器3での熱交換に必要な温度よりも低いガス温度の時)には、炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されて熱媒ガスgの熱量が高められ、この熱媒ガスgが熱交換器3に送られる。このように熱媒ガスgの熱量(温度)に応じて蓄熱炉2での蓄熱・放熱がなされるよう、蓄熱炉2(通気性蓄熱体)の蓄熱温度が決められる。
以上により、雲の通過などでレシーバー1の受光量が変動した場合でも、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの熱量変動が抑えられ、この結果、熱交換器3での蒸気の生成量や温度の変動が抑えられ、蒸気タービン発電機8での発電量を安定化することができる。
なお、日照不足などにより、上記のような蓄熱炉2の機能だけでは、必要な熱量(温度)を有する熱媒ガスgを熱交換器3に送れないような場合には、必要に応じて、熱媒ガスgを加熱装置4で加熱した後、蓄熱炉2に導入する。
また、熱交換器3で生成した蒸気の温度が不十分であるような場合には、必要に応じて、加熱装置5で蒸気を加熱した後、蒸気タービン発電機8に導入する。
次に、本発明の第二の形態の太陽熱発電方法及び設備について説明する。
図2は、その太陽熱発電設備の一実施形態の全体フロー図である。
この太陽熱発電設備は、図1に示した第一の形態の太陽熱発電設備において、さらに、蓄熱炉2と並列に第2の蓄熱炉2aを設けたものである。すなわち、レシーバー1、蓄熱炉2、熱交換器3、ガス循環流路6、蒸気タービン発電機8などの構成は図1と同様であるが、さらに、レシーバー1を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備え、蓄熱炉2と並列に設けられる第2の蓄熱炉2aを有している。この蓄熱炉2aの構造、機能などは蓄熱炉2と同様であるが、本実施形態では、蓄熱容量を蓄熱炉2よりも大きくしてある。これは、レシーバー1の受光量の少ない時間が比較的長く続く場合や日没後の発電に対応できるようにするためである。具体的には、蓄熱炉2aの蓄熱容量を蓄熱炉2の蓄熱容量の5〜10倍程度に設計する。これは、蓄熱炉2は、数分間〜10分間程度の太陽光量の低下に対応できるようにし、これに対して蓄熱炉2aは、1時間〜数時間程度にわたって熱を供給できるようにするためである。
また、熱媒ガスgの種類は任意であるが、通常は空気が用いられる。
ガス循環流路6は、レシーバー1を通過する熱媒ガスgの一部を蓄熱炉2と熱交換器3を経由することなくレシーバー1−蓄熱炉2a間で循環させることができるバイパス流路6xと、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの一部をレシーバー1と蓄熱炉2を経由することなく熱交換器3−蓄熱炉2a間で循環させることができるバイパス流路6yと、両バイパス流路6x,6yを選択的に切り換えて用いるための開閉弁9を有している。
具体的には、蓄熱炉2aの一端側に接続される流路64は2つの分岐流路640,641を有し、このうち分岐流路640がレシーバー1の熱媒ガス出側の流路60に接続されるとともに、分岐流路641が熱交換器3の熱媒ガス入側の流路61に接続されている。蓄熱炉2aの他端側に接続される流路65は2つの分岐流路650,651を有し、このうち分岐流路650がレシーバー1の熱媒ガス入側の流路62に接続されるとともに、分岐流路651が熱交換器3の熱媒ガス出側の流路63に接続されている。そして、分岐流路640と分岐流路650が前記バイパス流路6xを構成し、分岐流路641と分岐流路651が前記バイパス流路6yを構成している。各分岐流路640,641,650,651には、それぞれ開閉弁9a〜9dが設けられている。なお、以上の流路を構成する配管は、必要な保温構造を有する。
また、本実施形態では、バイパス流路6yを通じて熱媒ガスgの一部を熱交換器3−蓄熱炉2a間で循環させるための循環ファン7aが、熱交換器3の熱媒ガス出側(熱交換器3とガス循環流路6に対する分岐流路651の接続部間の位置)に設けられている。循環ファン7aも、350℃程度の温度にも耐えられる耐熱性を有しており、図示しない制御装置により、送風量を調節できるようになっている。
その他図面において、14は太陽光の日射強度を測定するための受光センサ、15は蓄熱炉2aの熱媒ガス出側の熱媒ガス温度を測定するための温度計、16は蓄熱炉2の熱媒ガス出側の熱媒ガス温度を測定するための温度計、17は熱交換器3の熱媒ガス入側の熱媒ガス温度を測定するための温度計である。また、18aは、ガス循環流路6に対する分岐流路651の接続部と分岐流路650の接続部間のガス循環流路に設けられる開閉弁(流量調整機能付き)であり、18bは、蓄熱炉2とガス循環流路6に対する分岐流路641の接続部間のガス循環流路に設けられる開閉弁である。
その他の構成は、図1の実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本発明の第二の形態の太陽熱発電方法でも、熱媒ガスgの一部をレシーバー1−蓄熱炉2−熱交換器3間で循環させ、この循環中、レシーバー1に集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するとともに、熱媒ガスgを熱交換器3で水と熱交換させて蒸気を生成させ、この蒸気を用いて蒸気タービン発電機8で発電を行う。そして、本発明の第一の形態(図1)と同様に、蓄熱炉2では、レシーバー1を経て蓄熱炉2に導入される熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにし、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの熱量変動が抑えられる。
一方、この太陽熱発電方法では、上記に加えてさらに、第二の蓄熱炉2aを用いた以下のような操業が行われる。すなわち、レシーバー1が所定の受光量(受熱量)を得ている場合には、熱媒ガスgの一部をレシーバー1−蓄熱炉2a間で循環させることで、熱媒ガスgの熱を蓄熱炉2aに蓄熱させ、レシーバー1の受光量が低下した場合には、レシーバー1−蓄熱炉2a間での熱媒ガスgの循環を止め、熱媒ガスgの一部を熱交換器3−蓄熱炉2a間で循環させることで、蓄熱炉2aに蓄えられた熱を熱媒ガスgに放熱させ、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの熱量低下を抑える。レシーバー1の受光量は受光センサ14で測定され、この測定結果に基づいて、図示しない制御装置により、上記のような熱媒ガスgの循環ルートの切り換えを行う。
その他、加熱装置4による熱媒ガスgの加熱、加熱装置5による蒸気の加熱などは、図1の実施形態と同様である。
以下、図2に示す実施形態の設備を用いる場合を例に、図3及び図4に基づき本発明法の一実施例を説明する。この実施例では、熱媒ガスgとして空気を用いる。なお、図3及び図4に示す開閉弁9a〜9dは、白抜きのものが開状態、黒く塗りつぶしたものが閉状態であることを示す。
図3は、通常の操業時、すなわちレシーバー1が所定の受光量(受熱量)を得ている場合の操業状態を示している。この操業時には、バイパス流路6x(流路640,650)の開閉弁9a,9cを開状態、バイパス流路6y(流路641,651)の開閉弁9b,9dを閉状態とし、循環ファン7,7aにより熱媒ガスgをガス循環流路6とバイパス流路6xで循環させる。
熱媒ガスgはレシーバー1において太陽熱で加熱される。集光装置Sにより太陽光線がレシーバー1の受光面に集光され、レシーバー1(受光面にある伝熱管)を通過する熱媒ガスgが加熱される。このときレシーバー受光面での集光倍率(ヘリオスタット鏡面積の合計÷レシーバー受光面積)は500〜1000倍程度である。また、受光面にある伝熱管の外面温度は700〜1000℃程度で、レシーバー出口における熱媒ガスgの温度は650〜700℃程度である。このとき、レシーバー受光面に届く太陽光線のエネルギーに対して、熱媒ガスgが加熱されて得るエネルギーの割合は75%以上になるようにレシーバー1が設計されている。
レシーバー1を出た650〜700℃の熱媒ガスgは、ガス循環流路6とバイパス流路6xに分岐して流れ、それぞれ蓄熱炉2と蓄熱炉2aを通過する。蓄熱炉2を通過する熱媒ガスgは、その熱の一部を蓄熱炉2に蓄熱する。すなわち、蓄熱炉2を通過する過程で炉内部の通気性蓄熱体を加熱して蓄熱炉2に熱を蓄える。このとき、蓄熱炉2内の温度(蓄熱温度)は約650℃程度で一定に保たれる。熱媒ガスgは600〜550℃程度の温度で蓄熱炉2を出て、熱交換器3に入り、この熱交換器3で水と熱交換して蒸気が生成する。熱媒ガスgは約250℃程度の温度で熱交換器3を出た後、循環ファン7,7aを経てレシーバー1に循環する。熱交換器3で生成した蒸気は、蒸気タービン発電機8に送られ発電が行われる。なお、熱交換器3ではタンク11から約50℃の水が供給され、約450℃の蒸気が生成し、蒸気タービン発電機8に送られる。
蓄熱炉2aを通過する熱媒ガスgも、その熱を蓄熱炉2aに蓄熱する。すなわち、蓄熱炉2aを通過する過程で炉内部の通気性蓄熱体を加熱して蓄熱炉2aに熱を蓄える。蓄熱炉2aを出た熱媒ガスgは、循環ファン7を経てレシーバー1に循環する。このとき、蓄熱炉2aの熱媒ガス出側の温度計15で測定された熱媒ガス温度が設定温度(例えば450℃)を超えると、図示されない制御装置が、蓄熱炉2aに十分に蓄熱されたと判断して、開閉弁9cを閉じる。熱媒ガス温度が設定温度(例えば450℃)よりも低くなると再び開閉弁9cを開く。このようにして、蓄熱炉2a内部の温度は、ほぼ一定(例えば、入側約650℃、出側450℃の温度勾配がある温度分布)に維持される。
なお、操業開始時は、設備を早急に立ち上げるために蓄熱炉2に対して熱媒ガスgを優先的に流すようにすることもでき、この場合には、一時的に開閉弁9aを閉じてバイパス流路6xを遮断する。
上記のプロセスにおいて、太陽光の日射強度が所定レベルを保っている間は、蒸気発生量も一定に保たれるが、雲の通過などにより太陽光の日射強度が一時的(例えば、数分未満)に減少した場合には、レシーバー1を出る熱媒ガスgの温度が一時的に低下する。しかしながら、蓄熱炉2は大きな蓄熱容量を有しているために、レシーバー1を出た熱媒ガスgの温度が650℃を下回った場合は、蓄熱炉2から熱媒ガスgに放熱がなされる(熱媒ガスgが蓄熱炉2を通過する過程で加熱される)ので温度が上昇し、熱交換器3を通過する熱媒ガスgが大きく温度低下することが抑制される。したがって、熱交換器3で蒸気が安定して生成され、蒸気タービン発電機8において発電が安定的に行われる。
しかしながら、太陽光の日射強度が低い状態がさらに長時間継続し、レシーバー1の受光量が低下した場合(例えば、雲の通過などにより太陽光の日射強度が数分以上に亘って減少した場合)には、レシーバー1を出る熱媒ガスgの温度がより低下することによって蓄熱炉2の蓄熱量が減少し、蓄熱炉2の熱媒ガス出側でも熱媒ガス温度が低下する。その場合には、図4に示すように、バイパス流路6x(流路640,650)の開閉弁9a,9cを閉状態として、レシーバー1−蓄熱炉2a間での熱媒ガスgの循環を止め、バイパス流路6y(流路641,651)の開閉弁9b,9dを開状態とし、循環ファン7の送風量を絞りつつ、熱媒ガスgの一部を熱交換器3−蓄熱炉2a間で循環させる。なお、この循環ルートでの熱媒ガスgの循環量は、循環ファン7と循環ファン7aの送風量の調整で制御することができる。以上により、蓄熱炉2aに蓄えられた熱を熱媒ガスgに放熱させ、蓄熱炉2aの熱を熱媒ガスgに補充することにより、熱交換器3を通過する熱媒ガスgの熱量低下を抑える。
具体的には、温度計16で測定される蓄熱炉2の熱媒ガス出側の熱媒ガス温度が設定値を下回った場合に、図4に示すように、開閉弁9a,9cを閉状態、開閉弁9b,9dを開状態とすることにより、バイパス流路6xによるレシーバー1−蓄熱炉2a間での熱媒ガスgの循環を止める一方で、バイパス流路6yによる循環ファン7a→蓄熱炉2a→熱交換器3のルートで熱媒ガスgを循環させ、蓄熱炉2aに蓄熱されていた熱を熱媒ガスgに放熱させる。このとき、熱交換器3の熱媒ガス入側の温度計17で測定される熱媒ガス温度が目標値まで上昇するように、開閉弁18aの開度を絞って流量調整を行い、蓄熱炉2aからの回収熱量を調整する。
また、操業開始時の立ち上げを早めたい場合、或いはレシーバー1の受光量が少ない場合などにおいて、レシーバー1から出る熱媒ガスgが一定温度以下の間は、蓄熱炉2の入側で加熱装置4により熱媒ガスgを加熱してもよい。
また、レシーバー1の受光量が少ない時間が比較的長く続き、熱交換器3を通過する熱媒ガスgが一定温度以下になった時には、加熱装置5で蒸気を加熱し、発電量を一定に保つようにしてもよい。
図5は、本発明法における蒸気発生状況を模式的に示したもので、日射強度と熱交換器3の蒸気出側の蒸気温度計19で測定される蒸気温度の経時変化を示している。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は日射強度(細い実線)、蓄熱炉2,2aを使用しない場合の熱交換器3の出側蒸気温度(破線)、蓄熱炉2のみを使用した場合の熱交換器3の出側蒸気温度(一点鎖線)、蓄熱炉2,2aを使用した場合の熱交換器3の出側蒸気温度(太い実線)を示している。なお、蓄熱炉2,2aを使用しない場合は、開閉弁9c,9d,18bを閉状態、開閉弁9a,9b,18aを開状態として、熱媒ガスgを循環させたものである。
図5に示されるように、日射強度が1〜2分の短時間に数百W/m低下した場合(図の(i)、(iii)の場合)には、蓄熱炉2のみの使用でも蒸気温度変化は10℃未満でわずかである。しかし、日射強度の低下が5分を超えて継続した場合、蓄熱炉2のみの使用では、蒸気温度変化が50℃を超えてしまう。これに対して、蓄熱炉2aも使用した場合には、蒸気温度変化を10℃未満に抑制できる。
図6は、本発明法において、1日の日射強度と操業開始から終了までの蒸気温度(熱交換器3の出側蒸気温度)の経時変化を示す模式図である。図において、(i)、(iii)が短時間の日射強度低下、(ii)は長時間の日射強度低下を示す。同図において、A部分は、蓄熱炉2の熱媒ガス入側において加熱装置4により熱媒ガスgを加熱したことによる温度上昇、B部分は蓄熱炉2による放熱効果、C部分は蓄熱炉2aによる放熱効果を示す。D部分は、日没後、蓄熱炉2aを用いて蒸気を発生させる場合の蒸気温度である。図6に示すように、本発明によれば、日没後であっても、蓄熱炉2aで蓄熱されていた熱を利用して発電を一定時間継続することができる。
1 レシーバー
2,2a 蓄熱炉
3 熱交換器
4 加熱装置
5 加熱装置
6 ガス循環流路
6x,6y バイパス流路
7,7a 循環ファン
8 蒸気タービン発電機
9,9a,9b,9c,9d 開閉弁
10 循環流路
11 タンク
12 循環用ポンプ
13 凝縮器
14 受光センサ
15,16,17 温度計
18a,18b 開閉弁
19 蒸気温度計
60,61,62,63,64,65 流路
640,641,650,651 分岐流路
S 集光装置

Claims (9)

  1. 太陽光線の熱で蒸気を生成させ、この蒸気を用いて発電を行う太陽熱発電方法であって、
    熱媒ガスgを、集光装置により集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するレシーバー(1)と、該レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備えた蓄熱炉(2)と、該蓄熱炉(2)を経た熱媒ガスgと水との熱交換で蒸気を生成させる熱交換器(3)を有するガス循環系内で循環させ、
    この熱媒ガスgの循環中、レシーバー(1)に集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するとともに、熱媒ガスgを熱交換器(3)で水と熱交換させて蒸気を生成させ、この蒸気を用いて蒸気タービン発電機(8)で発電を行い、
    蓄熱炉(2)では、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにすることで、熱交換器(3)を通過する熱媒ガスgの熱量変動を抑えることを特徴とする太陽熱発電方法。
  2. ガス循環系は、さらに、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備え、蓄熱炉(2)と並列に設けられる第2の蓄熱炉(2a)を有し、
    熱媒ガスgの一部をレシーバー(1)−蓄熱炉(2)−熱交換器(3)間で循環させるとともに、レシーバー(1)が所定の受光量を得ている場合には、熱媒ガスgの一部をレシーバー(1)−蓄熱炉(2a)間で循環させることで、熱媒ガスgの熱を蓄熱炉(2a)に蓄熱させ、レシーバー(1)の受光量が低下した場合には、レシーバー(1)−蓄熱炉(2a)間での熱媒ガスgの循環を止め、熱媒ガスgの一部を熱交換器(3)−蓄熱炉(2a)間で循環させることで、蓄熱炉(2a)に蓄えられた熱を熱媒ガスgに放熱させ、熱交換器(3)を通過する熱媒ガスgの熱量低下を抑えることを特徴とする請求項1に記載の太陽熱発電方法。
  3. レシーバー(1)を経た熱媒ガスgを加熱装置(4)で加熱した後、蓄熱炉(2)に導入することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽熱発電方法。
  4. 熱交換器(3)で生成した蒸気を加熱装置(5)で加熱した後、蒸気タービン発電機(8)に導入して発電を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽熱発電方法。
  5. 太陽光線の熱で蒸気を生成させ、この蒸気を用いて発電を行う太陽熱発電設備であって、
    集光装置により集光された太陽光線で熱媒ガスgを加熱するレシーバー(1)と、該レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備えた蓄熱炉(2)と、該蓄熱炉(2)を経た熱媒ガスgと水との熱交換で蒸気を生成させる熱交換器(3)と、熱媒ガスgをレシーバー(1)−蓄熱炉(2)−熱交換器(3)間で循環させるガス循環流路(6)と、熱媒ガスgをガス循環流路(6)内で循環させる循環ファン(7)と、熱交換器(3)で生成した蒸気を用いて発電を行う蒸気タービン発電機(8)を有し、
    蓄熱炉(2)において、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの温度に応じて、熱媒ガスgの熱の一部が蓄熱され又は炉に蓄えられた熱が熱媒ガスgに放熱されるようにしたことを特徴とする太陽熱発電設備。
  6. さらに、レシーバー(1)を経た熱媒ガスgの熱を蓄熱するための通気性蓄熱体を備え、蓄熱炉(2)と並列に設けられる第2の蓄熱炉(2a)を有し、ガス循環流路(6)は、レシーバー(1)を通過する熱媒ガスgの一部を蓄熱炉(2)と熱交換器(3)を経由することなくレシーバー(1)−蓄熱炉(2a)間で循環させることができるバイパス流路(6x)と、熱交換器(3)を通過する熱媒ガスgの一部をレシーバー(1)と蓄熱炉(2)を経由することなく熱交換器(3)−蓄熱炉(2a)間で循環させることができるバイパス流路(6y)と、両バイパス流路(6x),(6y)を選択的に用いるための開閉弁(9)を有することを特徴とする請求項5に記載の太陽熱発電設備。
  7. 蓄熱炉(2a)の一端側に接続される流路(64)は2つの分岐流路(640),(641)を有し、このうち分岐流路(640)がレシーバー(1)の熱媒ガス出側の流路(60)に接続され、分岐流路(641)が熱交換器(3)の熱媒ガス入側の流路(61)に接続され、
    蓄熱炉(2a)の他端側に接続される流路(65)は2つの分岐流路(650),(651)を有し、このうち分岐流路(650)がレシーバー(1)の熱媒ガス入側の流路(62)に接続され、分岐流路(651)が熱交換器(3)の熱媒ガス出側の流路(63)に接続され、
    各分岐流路(640),(641),(650),(651)には、それぞれ開閉弁(9)が設けられ、
    分岐流路(640)と分岐流路(650)がバイパス流路(6x)を構成し、分岐流路(641)と分岐流路(651)がバイパス流路(6y)を構成することを特徴とする請求項6に記載の太陽熱発電設備。
  8. さらに、蓄熱炉(2)に導入される熱媒ガスgを加熱するための加熱装置(4)を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の太陽熱発電装置。
  9. さらに、蒸気タービン発電機(8)に導入される蒸気を加熱するための加熱装置(5)を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の太陽熱発電装置。
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