JP2013089546A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】品質が一定で低コストなPDPを実現する。
【解決手段】上記の目的を達成するため、本発明のプラズマディスプレイパネルは、基板上に、透明電極および金属バス電極を形成した前面板と、前記前面板と対向配置した背面板とを備え、前記金属バス電極は第1電極層および第2電極層とで構成され、前記第1電極層は黒色顔料、およびガラス成分を含み、前記第2電極層は導電成分、およびガラス成分を含み、前記第1電極層のガラス成分の前記第1電極層における体積比率と、前記第2電極層のガラス成分の前記第2電極層における体積比率とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の粒径と、前記第2電極層のガラス成分の粒径とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の軟化点と、前記第2電極層のガラス成分の軟化点とが等しいことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】上記の目的を達成するため、本発明のプラズマディスプレイパネルは、基板上に、透明電極および金属バス電極を形成した前面板と、前記前面板と対向配置した背面板とを備え、前記金属バス電極は第1電極層および第2電極層とで構成され、前記第1電極層は黒色顔料、およびガラス成分を含み、前記第2電極層は導電成分、およびガラス成分を含み、前記第1電極層のガラス成分の前記第1電極層における体積比率と、前記第2電極層のガラス成分の前記第2電極層における体積比率とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の粒径と、前記第2電極層のガラス成分の粒径とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の軟化点と、前記第2電極層のガラス成分の軟化点とが等しいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、表示デバイスなどに用いるプラズマディスプレイパネルとその製造方法、その表示電極用ペーストに関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、65インチサイズのテレビなどが製品化されている。さらに近年は、従来のNTSC方式に比べて走査線数が2倍以上のハイディフィニションテレビへの適用が進んでいるとともに、低コスト化が求められている。
PDPは、基本的には前面板と背面板とで構成されている。前面板は、フロート法により製造された硼硅酸ナトリウム系ガラスのガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状の透明電極と金属バス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の主面上に形成されたストライプ状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成された隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。
前面板と背面板とはその電極形成面側を対向させて気密封着され、隔壁によって仕切られた放電空間にネオン(Ne)−キセノン(Xe)の放電ガスが53000Pa〜80000Paの圧力で封入されている。PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
表示電極としては、比抵抗が高いが透明で透過率の高い、セル内部からの蛍光体の発光を取り出しやすい透明導電膜と抵抗の低い金属バス電極からなり、金属バス電極には導電性を確保するための銀電極が用いられ、誘電体層としては酸化鉛を主成分とする低融点ガラスが用いられているが、近年の環境問題への配慮から誘電体層として鉛成分を含まない例が開示されている。また、そのバス電極を形成する際の結着ガラスとして酸化ビスマスを所定量含有させた例も開示されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、近年の薄型テレビの価格低下の市場要求を満たすためには、高品位でありながら低コストであることが必須である。誘電体側に抵抗を低くできる金属色の銀を多く含む層とし、表示面側に黒い層を形成してコントラストを向上させる構造で、黒さと抵抗を両立している。更に誘電体側の抵抗を低くする層には、軟化点の低いガラスを含むことで600℃付近の焼成温度でも融点が約962℃のAgをネッキングさせることができ、抵抗を下げる効果と、黒い層にもガラスの軟化点の低いガラスを含むことで基板への接着剤の役割を果たしており、さらに黒い層には銀を少なくすることで透明導電膜の侵食を少なくし、低抵抗と透明導電膜との接触抵抗上昇の抑制の両立が可能である。しかし、これらの電極特性を得るために各層の材料組成を考える必要があるが、各層の材料組成を別々で最適化した場合に、組合せて形成される電極の抵抗値がずれてしまうため、再度組成の調整が必要となる。また、各層のペースト材料は、ロット間でのガラスの粒径分布、量のばらつきがあり、一定の抵抗値に保つために、規格を狭めており、ペーストのコストアップの要因となっている。
本発明はこのような課題を鑑みなされたもので、低コストで安定した品質のPDPを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明のPDPは、基板上に、透明電極および金属バス電極を形成した前面板と、前記前面板と対向配置した背面板とを備え、前記金属バス電極は第1電極層および第2電極層とで構成され、前記第1電極層は黒色顔料、およびガラス成分を含み、前記第2電極層は導電成分、およびガラス成分を含み、前記第1電極層のガラス成分の前記第1電極層における体積比率と、前記第2電極層のガラス成分の前記第2電極層における体積比率とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の粒径と、前記第2電極層のガラス成分の粒径とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の軟化点と、前記第2電極層のガラス成分の軟化点とが等しいことを特徴とする。
本発明により、品質ばらつきが少なく、かつ低コストなPDPを提供することができる。
図1は本発明の実施の形態におけるPDPの構造を示す斜視図である。本発明の実施の形態におけるPDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図1に示すように、PDP1は前面ガラス基板3などよりなる前面板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面板10とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材によって気密封着されている。封着されたPDP1内部の放電空間16には、NeおよびXeなどの放電ガスが53000Pa〜80000Paの圧力で封入されている。
前面板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4および維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6と必要に応じて遮光層7が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層8が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウムなどからなる保護層9が形成されている。
また、背面板10の背面ガラス基板11上には、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層13が被覆している。さらに、アドレス電極12間の下地誘電体層13上には放電空間16を区切る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔壁14間の溝にアドレス電極12毎に、紫外線によって赤色、青色および緑色にそれぞれ発光する蛍光体層15が順次塗布して形成されている。走査電極4および維持電極5とアドレス電極12とが交差する位置に放電セルが形成され、表示電極6方向に並んだ赤色、緑色、青色の蛍光体層15を有する放電セルがカラー表示のための画素になる。
図2は、本発明の実施の形態におけるPDP1の前面板2の構成を示す断面図である。図2は図1と上下反転させて示している。図2に示すように、フロート法などにより製造された前面ガラス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6と遮光層7がパターン形成されている。走査電極4と維持電極5はそれぞれ透明電極4a、5aと、透明電極4a、5a上に形成された金属バス電極4b、5bとにより構成されている。金属バス電極4b、5bは透明電極4a、5aの長手方向に導電性と黒さを付与する目的として用いられ、抵抗は高いがより黒い層を表示面側に形成し、誘電体側に抵抗の低い銀(Ag)材料を主成分とする導電性材料の層を形成した二層構造が用いられている。
誘電体層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと遮光層7を覆って設けられる。
次に、PDP1の前面板2の製造方法について説明する。まず、前面ガラス基板3上に、走査電極4および維持電極5と遮光層7とを形成する。これらの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォトリソグラフィ法などを用いてパターニングして形成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスなどを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは銀(Ag)材料、黒色顔料、ガラスフリットを含むペーストを所望の温度で焼成して固化している。ここで、黒色顔料としてはMnO、Cu−Cr系やCu−Cr−Mn系の複合酸化物等が挙げられ、ガラスフリットとしては昨今の環境保全の観点からBi、又はZn系を利用することが好ましい。
また、遮光層7も同様に、黒色顔料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や黒色顔料を前面ガラス基板3の全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成することにより形成される。
金属バス電極4b、5bの具体的な形成手順は、以下に示す手順が一般的である。前面ガラス基板3上に黒色顔料を含んだペーストを印刷して乾燥させた後、フォトリソグラフィ法でパターニングして遮光層7を形成する。さらにその上に顔料と導電性粒子を含んだペーストを印刷して乾燥し形成する。その後フォトリソグラフィ法でパターニングして金属バス電極4b、5bを形成する。
次に、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペーストをダイコート法などにより塗布して誘電体ペースト層(誘電体ガラス層)を形成する。誘電体ペーストを塗布した後、所定の時間放置することによって塗布された誘電体ペーストの表面がレベリングされて平坦な表面になる。その後、誘電体ペースト層を焼成固化することにより、走査電極4、維持電極5および遮光層7を覆う誘電体層8が形成される。
この誘電体ペーストは粉末の誘電体ガラス、バインダおよび溶剤を含む塗料である。ここで、誘電体ガラスとしてはPbO−B2O3−SiO2系やBi2O3−B2O3−SiO2系、ZnO−B2O3−SiO2系等が挙げられる。
次に、誘電体層8上に酸化マグネシウム(MgO)からなる保護層9を真空蒸着法により形成する。以上の工程により、前面ガラス基板3上に所定の構成部材が形成されて前面板2が完成する。
一方、背面板10は次のようにして形成される。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材料を含むペーストをスクリーン印刷する方法や、金属膜を全面に形成した後、フォトリソグラフィ法を用いてパターニングする方法などによりアドレス電極12用の構成物となる材料層を形成し、それを所望の温度で焼成することによりアドレス電極12を形成する。次に、アドレス電極12が形成された背面ガラス基板11上にダイコート法などによりアドレス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗布して下地誘電体ペースト層を形成する。その後、下地誘電体ペースト層を焼成することにより下地誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペーストはガラス粉末などの誘電体材料とバインダおよび溶剤を含んだ塗料である。
次に、下地誘電体層13上に隔壁材料を含む隔壁材料用ペーストを塗布して隔壁ペースト層を形成し、所定の形状にパターニングした後、焼成することにより隔壁14を形成する。ここで、下地誘電体層13上に塗布した隔壁ペースト層をパターニングする方法としては、フォトリソグラフィ法やサンドブラスト法を用いることができる。次に、隣接する隔壁14間の下地誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材料を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成することにより蛍光体層15が形成される。以上の工程により、背面ガラス基板11上に所定の構成部材を有する背面板10が完成する。
このようにして所定の構成部材を備えた前面板2と背面板10とを走査電極4とアドレス電極12とが直交するように対向配置し、その周囲をガラスフリットで封着して放電空間16にネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを含む放電ガスを封入することによりPDP1が完成する。
次に、本実施の形態における前面板2の金属バス電極4b、5bについて説明する。本実施の形態では、前記金属バス電極は第1電極層および第2電極層とで構成され、前記第1電極層は黒色顔料、およびガラス成分を含み、前記第2電極層は導電成分、およびガラス成分を含み、前記第1電極層のガラス成分の前記第1電極層における体積比率と、前記第2電極層のガラス成分の前記第2電極層における体積比率とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の粒径と、前記第2電極層のガラス成分の粒径とが等しく、前記第1電極層のガラス成分の軟化点と、前記第2電極層のガラス成分の軟化点とが等しいことを特徴とする。
本実施の形態の金属バス電極4b、5bを、従来のPDPと比較しながら詳細に説明する。従来のPDPにおける前面板の電極構造としては、表示面側に黒さを得ることに特化した黒色顔料を含む層(第1電極層)をまず形成し、その後、別に電極の抵抗を下げることに特化した銀などの導電性成分を多く含む層(第2電極層)を前述する層の上に形成する手法が主流である。
この理由として、抵抗を下げることに特化した層の材料には、例えば銀(Ag)成分を用いた場合、本来600℃の焼成では焼結しないAg(融点962℃)粒子の間に軟化点が低いガラス(例えば軟化点500℃以下)を利用することで、ガラスを十分に溶かしてAgをガラス中に拡散させ、又はAg同士の接触、接着を助けることで抵抗の低下を実現していた。
また、表示面側に黒さを得る為に形成する層は、同時に基板との密着を得る為に利用するガラスと、透明電極膜と、抵抗を下げることに特化した層との電気的導通をとる(界面抵抗を下げる)ために、少量のAgもしくはAgを主とする化合物を含む。
しかし、このように各層において、それぞれ特有の電極特性を得るために各層の材料組成を考える必要があるが、各層の材料組成を別々で最適化した場合に、組合せて形成される電極の抵抗値がずれてしまうため、再度組成の調整が必要となる。
また、各層のペースト材料は、ロット間でのガラスの粒径分布、量のばらつきがあり、一定の抵抗値に保つために、使用しうる規格を狭くしており、電極を形成するペーストのコストアップの要因となっている。一方で昨今の大型テレビを取り巻く環境から、大幅な低コスト化が必須であり、短期間での材料開発と品質を維持、あるいは向上させながらの規格緩和による低コスト化、一つの材料で低抵抗と、透明導電膜の抵抗悪化の抑制を両立させることが必須となっている。
それに対して、本実施の形態においては、各層のある組成において、目的の抵抗値が得られた場合、そこから電極の色目、電極とガラス基板との密着性を調整するにあたって、各層のガラスの総量を一定にしておくことによって、抵抗値の特性は一定に維持することができ、各特性の調整のたびに抵抗値の調整をする必要が無くなり、材料開発期間が大幅に短縮される。
また、材料組成が決定した段階においても、使用するガラス材料の粒径ばらつきなどによる作製ペーストの特性ばらつきにより抵抗値のブレが生じるが、ガラス総量を合わせるように、作製ペーストのロットを組合せていくことで、より抵抗ばらつきの少ない高品位なPDPを得ることができる。さらに、バス電極の各層で使用するガラス成分の粒径と軟化点が同じであることで、よりこうした効果が得られる。
以上述べてきたように本発明のPDPおよびその製造方法、PDPの表示電極用ペーストによれば、大画面で高精細のPDPの低コスト化に有用である。
1 PDP
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a、5a 透明電極
4b、5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 遮光層
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
2 前面板
3 前面ガラス基板
4 走査電極
4a、5a 透明電極
4b、5b 金属バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7 遮光層
8 誘電体層
9 保護層
10 背面板
Claims (1)
- 基板上に、透明電極および金属バス電極を形成した前面板と、前記前面板と対向配置した背面板とを備え、
前記金属バス電極は第1電極層および第2電極層とで構成され、
前記第1電極層は黒色顔料、およびガラス成分を含み、前記第2電極層は導電成分、およびガラス成分を含み、
前記第1電極層のガラス成分の前記第1電極層における体積比率と、前記第2電極層のガラス成分の前記第2電極層における体積比率とが等しく、
前記第1電極層のガラス成分の粒径と、前記第2電極層のガラス成分の粒径とが等しく、
前記第1電極層のガラス成分の軟化点と、前記第2電極層のガラス成分の軟化点とが等しい、プラズマディスプレイパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011231383A JP2013089546A (ja) | 2011-10-21 | 2011-10-21 | プラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011231383A JP2013089546A (ja) | 2011-10-21 | 2011-10-21 | プラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013089546A true JP2013089546A (ja) | 2013-05-13 |
Family
ID=48533229
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011231383A Pending JP2013089546A (ja) | 2011-10-21 | 2011-10-21 | プラズマディスプレイパネル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2013089546A (ja) |
-
2011
- 2011-10-21 JP JP2011231383A patent/JP2013089546A/ja active Pending
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