JP2013088223A - 光デバイス及び検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 伝播表面プラズモンと局在表面プラズモンとを併用しながら、ホットサイトとして機能する金属ナノ粒子の密度を高めることができる光デバイス及びそれを用いた検出装置を提供すること。
【解決手段】 光デバイス100は、基材101の導体表面102より突起して、第1方向Xに沿って第1周期で配列される第1突起群110と、導体表面及び第1突起群を覆う誘電体層120と、誘電体層120上にて金属ナノ粒子130Aが第1方向Xに沿って第1周期と異なる第2周期で配列されて成る第2突起群130とを有し、第1周期及び第2周期の一方をPx1とし、第1周期及び第2周期の他方をPx2とし、照射光の波長をλとしたとき、λ>Px1>Px2を満足し、かつ、0<Px1−Px2<Px1/2を満足する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光デバイス及び検出装置等に関する。
近年、医療診断や飲食物の検査等に用いられるセンサーの需要が増大しており、高感度かつ小型のセンサーの開発が求められている。このような要求に応えるために、電気化学的な手法をはじめ様々なタイプのセンサーが検討されている。これらの中で、集積化が可能であること、低コスト、測定環境を選ばないこと等の理由から、表面プラズモン共鳴(SPR: Surface Plasmon Resonance)を用いたセンサーに対する関心が高まっている。
例えば、特許文献1には、局在表面プラズモン共鳴(LSPR: Localized Surface Plasmon Resonance)を利用して、センサー感度を向上する手法が開示されている。
非特許文献1には、伝播表面プラズモン(PSP: Propagating Surface Plasmon)と局在表面プラズモン(LSP: Localized Surface Plasmon)とを併用して、センサー感度を向上する手法が開示されている。
特許文献1では、図1に示すように、透明基板10の表面に金属微粒子20を固定し、その透明基板10に対して入射光を照射し、金属微粒子20の吸光度を測定する。図2に示すように、金属微粒子20に標的物が付着している場合には、A1に示す吸光度スペクトルからA2に示す吸光度スペクトルに変化する。特許文献1の手法では、この吸光度の変化により、金属微粒子近傍の媒質の変化を検出し、標的物の吸着や堆積を検出する。
しかしながら、この手法では、金属微粒子の大きさや形状を均一に作製することや、金属微粒子を規則正しく配列することが困難である。金属微粒子のサイズや配列を制御できないと、プラズモン共鳴で生じる吸収や共鳴波長にもばらつきが生じる。そのため、図2に示すように、吸光度スペクトルの幅がブロードになり、ピーク強度が低下してしまう。そして、ピーク強度が低下すると、金属微粒子近傍の媒質の変化を検出する信号変化が小さくなり、センサー感度を向上させるにも限界が生じてしまう。そのため、吸光度スペクトルから物質を特定するような用途では、センサーの感度が不十分であった。
特開2000−356587号公報
「Experimental study of the interaction between localized and propagating surface plasmons」OPTICS LETTERS/Vol.34,No.3/February 1,2009
特許文献1に示した従来の表面増強ラマン散乱(SERS: Surface Enhanced Raman Scattering)センサーでは、共鳴ピークをひとつだけ利用するため、共鳴ピークの波長を励起波長あるいはラマン散乱波長のどちらかに合わせなければならない。この場合、どちらか一方の散乱過程における電場増強効果だけを利用することになり、高い電場増強効果は期待できない。
一方、非特許文献1には、図3に示すように、ガラス基板30上に100nm厚のAuフィルム40が接合され、Auフィルム40上に20nm厚のSiO層50が形成され、そのSiO層50上に直径100〜170nmの多数のAu円盤60が周期P=780nmで二次元配置されたセンサーが開示されている。
このセンサーにおいては、Auフィルム40とSiO層50との界面では伝播表面プラズモン(PSP: Propagating Surface Plasmon)が励起され、Au円盤60では局在表面プラズモン(LSP: Localized Surface Plasmon)が励起される。ここで、PSPは特定の波数を有し、この波数はAuフィルム40とSiO層50の界面における分散関係と励起波長から決まる。PSPの波数はAu円盤60の配列周期Pから決まり、その実部は2π/Pに等しい。例えば、励起波長を可視域に選んだ場合、Au円盤60の配列周期Pは780nmと比較的大きい。
その一方で、Au円盤60は大きな局所電場を有する部位(ホットサイトと呼ぶ)であり、センサーの感度を高めるには、ホットサイトの密度が高いことが求められる。しかし、PSPの波数を決めるAu円盤60の周期PはAu円盤直径の5〜10倍と大きく、そのためにホットサイトの密度は著しく低くなる。しかし、周期Pを小さく選ぶと、LSPとPSPの結合が弱くなり、大きな局在電場は得られない。また。周期Pを大きく確保しながらAu円盤60の外形を大きくすると、共鳴波長は長波長側(赤色側)にシフトして励起波長からずれてしまい、やはり大きな局在電場は期待できない。
すなわち、非特許文献1に開示された構造では、大きな局所電場を有するホットサイトを高い密度で形成することができず、したがって、感度の高いセンサーを実現することはできない。
本発明の幾つかの態様では、伝播表面プラズモンと局在表面プラズモンとを併用しながら、ホットサイトとして機能する金属ナノ粒子の密度を高めることができる光デバイス及びそれを用いた検出装置を提供することができる。
(1)本発明の一態様は、
基材の導体表面より突起して、第1方向に沿って第1周期で配列される第1突起群と、
前記導体表面及び前記第1突起群を覆う誘電体層と、
前記誘電体層上にて金属ナノ粒子が前記第1方向に沿って前記第1周期と異なる第2周期で配列されて成る第2突起群と、
を有し、
前記第1周期及び前記第2周期の一方をPx1とし、前記第1周期及び前記第2周期の他方をPx2とし、照射光の波長をλとしたとき、λ>Px1>Px2を満足し、かつ、0<Px1−Px2<Px1/2を満足する光デバイスに関する。
本発明の一態様によれば、第2突起群で励起される局在表面プラズモンLSPと、伝播表面プラズモンPSPとが係合されて、第2突起群をホットサイトとする強力な電場が形成されることが確認された。
局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPとの結合の強化は次の通りであると推定される。第1,第2周期の差により所要の周期Pを有するモアレ(干渉縞)が発現すると考えられる。第1突起群と誘電体との界面で生ずる伝播表面プラズモンPSPは、波数K0を持ったエバネッセント場に結合する。波数K0はモアレ周期Pxで決められ、2π/Pxとなる。このモアレの存在が局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの結合を強め、それにより大きな増強電場が現れるもの考えられる。第1方向でのモアレ周期Pxは、
Px=Px1*Px2/(Px1−Px2)…(1)
と表わされる。λ>Px1>Px2のもとで式(1)に基づくと、
Px1−Px2=Px1−[Px/(Px+Px1)]Px1
=Px1[1−Px/(Px+Px1)]
=Px1[1−1/(1+Px1/Px)]
となる。ここで、0<Px1<Pxであるから、
0<Px1−Px2<Px1/2…(2)
が成立する。
また、伝播表面プラズモンPSPの波数をK0とすると、式(1)から次の式(3)が成立し、
Px=2π/K0=Px1*Px2/(Px1−Px2)…(3)
となる。
この通り、非特許文献1のように伝播表面プラズモンPSPの波数がホットサイトとなる第2突起群の周期(Px1またはPx2の一方)のみによって決定されるのでなく、式(3)の通り第1,第2周期(Px1,Px2)の差と積によって求められることが分かる。従って、局在表面プラズモンLSPが励起される第2突起群の周期(Px1またはPx2の一方)を非特許文献1のように大きく設定する必要がなく、ホットサイトとなる第2突起群の密度を高めて、センサーの感度を高めることができる。
(2)本発明の一態様では、前記第2突起群の前記第2周期をPx2とし、前記第1突起群の前記第1周期をPx1とすることできる。
なお、第1,第2周期の差が僅かであれば、第2突起群の第2周期はPx1及びPx2の何れであってもホットサイドの密度を高めることができる。第2突起群の第2周期をPx2(<Px1)とすることで、ホットサイドの密度をより高めることができる。
(3)本発明の一態様では、前記第1周期及び前記第2周期の差及び積に基づいて前記第1方向にて周期Pxのモアレが形成され、モアレの周期Pxは、λ>Px>Px1>Px2を満足させることができる。
本発明の一態様では、伝播表面プラズモンPSPの波数を決めると考えられるもアレ周期Pを、非特許文献1のAu円盤60の周期Pと同様に例えば780nmと比較的大きく確保しても、ホットサイト(第2突起群)の密度が著しく低くなることはない。
(4)本発明の一態様では、前記第1突起群は、前記第1方向に沿って前記第1周期で配列され金属格子であり、前記第2突起群は、前記第1方向に沿って前記第2周期で配列され、かつ、前記第1方向と交差する第2方向でも周期的に配列された前記金属ナノ粒子から成る金属ナノ構造とすることができる。
こうすると、ホットサイトと成る金属ナノ粒子が二次元配列され、金属ナノ粒子の周囲に増強電場を形成して、センサー感度を高めることができる。
(5)本発明の一態様では、前記第1突起群は、前記第1方向に沿って前記第1周期で配列され、かつ、前記第1方向と交差する第2方向にて第3周期で配列された二次元金属格子であり、前記第2突起群は、前記第1方向に沿って前記第2周期で配列され、かつ、前記第2方向にて第4周期で配列された前記金属ナノ粒子から成る金属ナノ構造であり、前記第3周期及び前記第4周期の一方をPy1とし、前記第1周期及び前記第2周期の他方をPy2としたとき、λ>Py2>Py1を満足し、かつ、0<Py2−Py1<Py2/2を満足することができる。
第1,第2突起群が第1,第2方向にて周期的に配列されている場合には、第2方向でのモアレの周期Pyは、λ>Py>Py2>Py1を満足し、かつ、上述した式(1)〜式(3)は第2方向でも成立することを明確にしたものである。また、第1,第2突起群を二次元配列することで、照射光として円偏向の光を用いることができる。
(6)本発明の一態様では、前記第2突起群が形成される前記誘電体の表面は平坦面とすることができる。
つまり、誘電体表面を、第1突起群の凹凸パターンを反映させない平坦面とすることで、第1突起群の凹凸に拘わらず第2突起群を所定の周期にて配列形成することができる。
(7)本発明の他の態様は、
基材の導体表面より突起して、第1方向に沿って第1周期で配列される第1突起群と、
前記導体表面及び前記第1突起群を覆う誘電体層と、
前記誘電体層上にて金属ナノ粒子が前記第1方向に沿って前記第1周期と異なる第2周期で配列されて成る第2突起群と、
を有し、
前記第1周期と前記第2周期とによりモアレを発現させ、モアレによって局在表面プラズモと伝播表面プラズモンの結合を強める光デバイスに関する。
上述した通り、第1,第2周期の差により所要の周期Pを有するモアレ(干渉縞)が発現すると考えられる。第1突起群と誘電体との界面で生ずる伝播表面プラズモンは、波数K0を持ったエバネッセント場に結合する。波数K0はモアレ周期Pxで決められ、2π/Pxとなる。このモアレの存在が局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの結合を強め、それにより大きな増強電場が現れるもの考えられる。
(8)本発明のさらに他の態様は、
上述した光デバイスと、
光源と、
光検出部と、
を有し、
前記光デバイスの前記第2突起群に試料が導入され、
前記光デバイスは、前記光源からの前記波長λの光が照射されることで前記試料を反映した光を出射し、
前記光検出部は、前記光デバイスからの前記試料を反映した光を検出する検出装置に関する。この検出装置は、表面増強ラマン散乱を適用して高感度な検出が可能となる。
従来技術である局在表面プラズモンを用いたセンサーを示す図である。 図1に示すセンサーの吸光度スペクトルを示す特性図である。 従来技術である伝播表面プラズモンと局在表面プラズモンとを併用したセンサーを示す図である。 図4(A)は、ラマン散乱分光法の原理的な説明図であり、図4(B)は、ラマン散乱分光により取得されるラマンスペクトルの例である。 励起波長及びラマン散乱波長の近傍だけに強い2つの共鳴ピークを発生させるラマン散乱分光法を示す特性図である。 図6(A)は光デバイスの部分断面図であり、図6(B)は光デバイスの部分平面図である。 図7(A)は一次元格子構造の第1突起群を示す斜視図であり、図7(B)は二次元格子構造の第1突起群を示す斜視図である。 局在表面プラズモンと伝播表面プラズモンの分散曲線を示す特性図である。 光デバイスの実施例を示す断面図である。 図10(A)(B)は、X成分及びX成分について局所電場の大きさと光波長との関係を解析した特性図である。 図11(A)(B)は、X成分及びX成分について局所電場の分布を解析した特性図である。 図12(A)〜図12(D)は製造工程を示す図である。 図13(A)(B)はレジストパターン例を示す図である。 検出装置の概略図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。また、各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
1.検出原理
図4(A)に、ラマン散乱分光法の原理的な説明図を示す。図4(A)に示すように、単一波長の光Linを標的分子X(標的物)に照射すると、散乱光の中には、入射光Linの波長λinと異なる波長λ2のラマン散乱光Ramが発生する。このラマン散乱光Ramと入射光Linとのエネルギー差は、標的分子Xの振動準位や回転準位や電子準位のエネルギーに対応している。標的分子Xは、その構造に応じた特有の振動エネルギーをもつため、単一波長の光Linを用いることで、標的分子Xを特定できる。
例えば、入射光Linの振動エネルギーをV1とし、標的分子Xの振動エネルギーをV2とし、ラマン散乱光Ramの振動エネルギーをV3とすると、V3=V1−V2となる。すなわち、V3がV2に応じた振動エネルギーとなるため、ラマン散乱光Ramの波長λ2を測定することで、標的分子Xを特定できる。
なお、入射光Linの大部分は、標的分子Xに衝突した後においても衝突前と同じ大きさのエネルギーを有している。この弾性的な散乱光をレイリー散乱光Rayという。例えば、レイリー散乱光Rayの振動エネルギーをV4とすると、V4=V1である。すなわち、レイリー散乱光Rayの波長λ1は、λ1=λinである。
図4(B)に、ラマン散乱分光により取得されるラマンスペクトル(ラマンシフトとラマン散乱強度との関係)の例を示す。図4(B)に示すグラフの横軸は、ラマンシフトを示す。ラマンシフトとは、ラマン散乱光Ramの波数(振動数)と入射光Linの波数との差であり、標的分子Xの分子結合状態に特有の値をとる。
図4(B)に示すように、B1に示すラマン散乱光Ramの散乱強度(スペクトルピーク)と、B2に示すレイリー散乱光Rayの散乱強度を比較すると、ラマン散乱光Ramの方が微弱であることがわかる。このように、ラマン散乱分光法は、標的分子Xの識別能力には優れている一方、標的分子Xをセンシングする感度自体は低い測定手法である。そのため、本実施形態では、表面増強ラマン散乱による分光法を用いて、センサーの高感度化を図っている。
この表面増強ラマン散乱を応用した高感度な表面プラズモン共鳴センサーを実現するためには、局所電場の増強度(以下、増強度と適宜省略する)ができるだけ大きいことが望ましい。増強度αは、下式(1)で表される(M.Inoue, K.Ohtaka, J.Phys.Soc.Jpn., 52, 3853 (1983))。ここで、αrayは、励起波長(レイリー散乱波長と等しい)における増強度であり、αramは、ラマン散乱波長における増強度である。
α=αray×αram…(4)
上式(4)より、表面増強ラマン散乱過程における増強度を高めるには、励起過程における増強度とラマン散乱過程における増強度の両方を同時に高める必要がある。そのために本実施形態では、図5に示すように、励起波長及びラマン散乱波長の近傍だけに強い2つの共鳴ピークを発生させる。これにより、両散乱過程の相乗効果によって、局所電場の増強効果を飛躍的に高めることができる。
なお、本実施形態は上記原理に基づくことが好ましいが、必ずしも2つの共鳴ピークを発生させるものに限定されない。
2.光デバイス
図6(A)(B)に、本発明の一実施形態に係る表面プラズモン共鳴センサーチップ(光デバイス)100の構造を模式的に示した。図6(A)は断面図であり、いずれもセンサーチップ100の一部を示している。図7(A)(B)は、誘電体形成前の製造途中のセンサーチップの概略者視図である。
図6(A)(B)の構造は、例えば縦横に周期配列された金属ナノ粒子130Aを有する金属ナノ構造130(第2突起群)が誘電体層120を介して金属一次元周期格子の第1突起群110(図7(A)参照)または金属二次元周期格子の第1突起群110(第7図(B)参照)の表面へ重畳されている。
第1,第2突起群110,130の周期の間にはわずかな差を設けてあり、そのために大きな周期を有する一種のモアレ(干渉縞)が生じている。本構造では、モアレの周期を適当に選ぶことにより、局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの間の結合を強め、金属ナノ粒子130Aの近傍に現れる局所電場を大きく増強させることができる。
図6(A)に示すように、このセンサーチップ100は、基材(基板)101と、第1突起群110と、誘電体層120と、多数の金属ナノ粒子130Aから成る第2突起群(金属ナノ構造)130とを含む。
具体的には、基材101は、Ag(銀)やAu(金)等の金属表面(広義には導体表面)102を含み、例えば、四角形や円形の平板状に形成される。基材101は、例えばガラス基板上に金属薄膜を形成したものでも良い。第1突起群110は、図7(A)に示すように、基材101の導体表面102上の少なくとも第1方向Xにて、第1周期Px1にて一次元に配置され、例えば導体表面102と同じ金属(導体)により形成される。
より具体的には、第1突起群110の各突起は、突起の配列方向Xの断面形状が基材101の導体表面102から凸形状に形成される。凸形状は、矩形や台形、円弧等である。例えば、図7(A)に示すように、第1突起群110は、基材101に対する平面視において、第1方向Xに直交(交差)する第2方向Yに平行な縞状に形成される一次元格子構造とすることができる。この場合には、第1突起群110の突起間の溝と直交する方向に偏光方位を有する直線偏光ビームをSP波の励起光として用いることにより、電場増強度をさらに高めることが可能である。
図7(A)に示す第1突起群110に代えて、図7(B)に示すように、突起群110は、基材101に対する平面視において、第1方向Xにて第1周期Px1に配列されると共に、第2方向Yにて第3周期Py1にて配列される二次元格子構造とすることもできる。この場合には、円偏光ビームをSP波の励起光として用いることにより、電場増強度をさらに高めることが可能である。
導体表面102及び第1突起群110から成る金属格子上に、入射光を吸収しない例えばSiOから成る誘電体層120が段差被膜して形成される。誘電体層120の表面は平坦面に加工される。
さらに、大きさ及び高さのサイズがそれぞれ1〜数100nm、好ましくは10〜100nm、さらに好ましくは20〜60nmの多数の金属ナノ粒子130Aから成る金属ナノ構造(第2突起群)130が、誘電体層120を介して周期性を有する金属格子102,110の表面へ重畳されている。
図6(A)では金属ナノ構造130は第1方向Xにて第2周期Px2にて配置され、第2方向Yに第4周期Py2にて配列されている。ただし、第2突起群130は、第1突起群110と同じく第1方向Xにて第2周期Px2で配列されていれば、第2方向Yは非周期的でもよい。一定周期Px2(Py2)は、50−1000nm、さらに好ましくは500nm以下とすることで、ホットサイトの密度が高めることができる。なお、図6(A)では第1,第2突起群110,130の各々の右端の凸部の一が揃っているが、第1,第2突起群110,130で相対的位置に制約はない。
ここで、入射光の波長λよりも小さな周期で配列された金属ナノ粒子130Aに対して入射光を照射する場合、入射光の電場は、金属ナノ粒子130Aの表面に存在する自由電子に作用し、共鳴を引き起こす。これにより、自由電子による電気双極子が金属ナノ粒子130A内に励起され、入射光の電場よりも強い増強電場が形成される。これは、局在表面プラズモン共鳴(LSPR:Localized Surface Plasmon Resonance)とも呼ばれる。この現象は、入射光の波長よりも小さな1〜数100nmのサイズの金属ナノ粒子130Aの電気伝導体に特有の現象である。
3.局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの結合
本実施形態では、Px1>Px2としたとき、周期Px1と周期Px2との差が僅かであれば、第2突起群130の第2周期はPx1及びPx2の何れであってもホットサイドの密度を高めることができる。第2突起群の第2周期をPx2(<Px1)とすることで、ホットサイドの密度をより高めることができる。以下では、第1突起群110の第1方向Xでの周期が第1周期Px1であり、第2突起群130の第1方向Xでの周期が第2周期Px2(<Px1)として説明する。
局所表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPとの結合が強化される理由は次の通りであると推定される。第1,第2周期Px1,Px2の差により所要の周期Pxを有するモアレ(干渉縞)が発現すると考えられる。第1突起群110と誘電体層120との界面で生ずる伝播表面プラズモンPSPは波数K0を持ったエバネッセント場に結合する。波数K0はモアレ周期Pxで決められ、2π/Pxとなる。このモアレの存在が局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの結合を強めて、それにより大きな増強電場が現れるもの考えられる。第1方向Xでのモアレ周期Pxは、
Px=Px1*Px2/(Px1−Px2)…(1)
と表わされる。λ>Px1>Px2のもとで式(1)に基づくと、
Px1−Px2=Px1−[Px/(Px+Px1)]Px1
=Px1[1−Px/(Px+Px1)]
=Px1[1−1/(1+Px1/Px)]
となる。ここで、0<Px1<Pxであるから、
0<Px1−Px2<Px1/2…(2)
が成立する。
また、伝播表面プラズモンPSPの波数をK0とすると、式(1)から次の式(3)が成立し、
Px=2π/K0=Px1*Px2/(Px1−Px2)…(3)
となる。
この通り、非特許文献1のように伝播表面プラズモンPSPの波数がホットサイトとなる第2突起群130の第2周期Px2のみによって決定されるのでなく、式(3)の通り第1,第2周期Px1,Px2の差と積によって求められることが分かる。従って、局在表面プラズモンLSPが励起される第2突起群130の周期Px2を非特許文献1のように大きく設定する必要がなく、ホットサイトとなる第2突起群130の密度を高めて、センサーチップ100の感度を高めることができる。
なお、第1突起群110を図7(B)の構造とした場合には、上記式(1)〜(3)のPx,Px1,Px2をそれぞれPy(Y方向モアレ周期),Py1,Py2に置き換えることで、第2方向Yについても式(1)〜(3)とλ>Py>Py1>Py2とが成立する。
図8に、本センサーチップ100における局在表面プラズモンLSPならびに伝播表面プラズモンPSPの分散関係を示す。図8において、Aが伝播表面プラズモンPSPの分散曲線、Bが局在表面プラズモンLSPの分散曲線である。LSPとPSPが結合すると、AとBの交点ならびにその近傍では2本の分散曲線が離れ、CとDとがそれぞれに対応する分散曲線となる。励起波長をλとすると(図8では角周波数ω0に対応)、モアレ周期PがA,Bの交点あるいはその付近の条件であるときに(図3で、例えば、波数K0に対応)、伝播表面プラズモンPSPと局在表面プラズモンLSPが強く結合し、大きな局所電場が現れる。よって上述の式(3)を満足するように、Px1,Px2を決めればよい。ただし、Px<λである。式(3)とλ>Px>Px1>Px2とを同時に満足するPx1,Px2の組み合わせは複数あり、その中から最適な組み合わせを選択できる。
図8で波数K0から上方へのばした直線は分散曲線C,Dと交わり、これら2つの交点すなわち共鳴波長ω+、ω―において大きな局所電場が現れる。そこで、共鳴波長ω―が励起波長と合い、さらに共鳴波長ω+がラマン散乱波長と合うように、第2突起群130中の金属ナノ粒子130Aの周期Px2を決め、式(3)から第1突起群110の周期Px1を決めればよい。
4.具体的実施例と効果の検証
図9に、より具体的な実施例を示す。角柱形状を有するAgナノ粒子130Aが第1,第2方向X,Yにて第2周期Px2=第4周期Py2=120nmで並んでいる。このAgナノ粒子130Aの一辺の長さは80nm、高さは20nmである。他方、Au格子110は一次元であり、その第1周期Px1=100nm、高さは20nmである。Agナノ粒子130AはSiO層120を介してAu格子110の上に形成されている。SiO層の厚さは、厚い場所で40nm、薄い場所で20nmである。これらふたつの周期構造により発生するモアレの周期は式(1)から600nmとなる。なお、図9は、モアレ一周期分に相当する長さ部分の構造を示している。
図10(A)(B)に、時間領域差分法(FDTD:Finite Difference Time Domain method)解析により求めた局所電場の大きさと光波長の関係を示す。図10(A)は局所電場のX成分を示し、図10(B)は局所電場のZ成分である。図9に示す実施例の特性を実線で、比較のための従来(非特許文献1)の特性を破線で示してある。図10(A)(B)から、実施例の金属微細構造に現れる増強電場は、従来の金属微細構造に現れる増強電場と比べて、X成分についてはおよそ3倍、Z成分についてはおよそ4倍も大きいことがわかる。
図10(A)(B)では、本実施例の金属微細構造の特性には、双峰的な共鳴ピークが波長740nmと波長870nmにはっきりと現れている。このことは局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの間に強い結合が生じていることを示唆しており、この結合のゆえに従来の金属微細構造よりも格段に大きな増強電場が発現する。他方、従来の金属微細構造の特性には双峰的な共鳴ピークは認められない。この理由は、従来構造の周期が120nmと短く、局在表面プラズモンLSPと伝播表面プラズモンPSPの間に強い結合が生じる周期条件(およそ、600nm前後)から遠く離れているためである。
図11(A)(B)は、本実施例(図9参照)に生じる局所電場の分布の一例を示している。この分布は、FDTDで計算したものである。図11(A)(B)で、計算領域の横幅は600nmであり、モアレの一周期に等しい。このモアレの一周期の中に、角柱状のAgナノ粒子130Aが5つ、120nmの間隔で横に並んでいる。その下に、SiO層(誘電体層)120を介して、Au格子110が設けられている。このAu格子110の周期は100nmであり、したがって、図11(A)(B)には6周期分が示されている。この構造へ波長740nmの直線偏光(方位X方向)を上方から垂直に入射すると、大きな局所電場がAgナノ粒子130Aの近傍に現れる。図11(A)は局所電場のX成分を示しており、5つのAgナノ粒子130Aの間隙とその近くに大きな局所電場が生じている。図11(B)は局所電場のZ成分を示しており、5つのAgナノ粒子130Aの上部とその近くに大きな局所電場が生じている。なお、Agナノ粒子130Aの下部にも大きな局所電場が現れているが、センシングには使い難い。一周期あたりのホットサイト数は、非特許文献1の構造と比べて、二次元面内でおよそ5×5=25倍である。これらのホットサイト間で、増強電場の大きさは実用上十分に均一である。
表面プラズモン共鳴SPRを応用した高感度な表面プラズモン共鳴センサーを実現するには、局所電場の増強度ができるだけ大きいことが望ましい。先行技術文献J.Phys.Soc.Jpn.52, 3853(1983)に記述されているように、増強度αは以下の式(5)で与えられる。
α=(励起波長における増強度)×(ラマン散乱波長における増強度)…(5)
式(5)からわかるように、ラマン散乱における増強度を高めるには、励起過程における増強度と散乱過程における増強度の両方を同時に高める必要がある。したがって、センサーチップ100が励起波長および散乱波長の近傍に強い共鳴ピークをもてば、両過程の相乗効果により増強効果は飛躍的に高まることになる。
本実施例においては、図10(A)(B)に示したように、波長740nmと波長870nmに増強電場のピークが認められる(これらふたつの共鳴波長は、図8のω+、ω―にそれぞれ対応)。したがって、この金属微細構造をSPRセンサーとして使う場合には、励起波長を740nm付近に合わせ、散乱波長を870nm付近に合わせることが望ましい。こうすると、表面プラズモン共鳴SPRによる大きな電場増強効果が期待できる。式(5)に示した電場増強度の定義にしたがえば、少なくとも10倍の増強度が期待できる。励起波長と散乱波長の差(ラマンシフト)が小さい場合には、どちらか一方の共鳴ピークだけを使い、その近傍へ励起波長と散乱波長を合わせてもよい。
なお、励起波長と散乱波長をふたつの共鳴ピークと一致させるには、金属ナノ粒子130Aと金属格子110の構造パラメータを選び、そして、モアレ周期P(Px,Py)を決めればよい。散乱波長すなわちラマンシフト量は被検出分子により異なる。
5.製造方法
図12(A)〜図12(D)に、図9に示す実施例のセンサーチップ100の製造方法を示す。まず、図12(A)に示すように、フォトリソグラフィその他の方法で石英ガラス基板101の表面へ凹凸格子101Aを形成する。つぎに、図12(A)に示すように、凹凸格子101Aの表面へスパッタ法でAu膜110Aを厚さ100nmで成膜し、Au格子(第1突起群)110を形成する。つぎに、図12(B)に示すように、Au格子110の上にゾルゲル法によりSIO層(誘電体層)120を形成し、SIO層120の表面を平坦化する。さらに、図12(C)に示すように、平らにされたSIO層120の表面へインプリントその他の方法でレジストパターン121を形成する。レジストパターン121として、図13(A)にはドットパターンの例を、図13(B)には楕円パターンの例を示した。つぎに、図12(C)に示すように、レジストパターン121の上からAgを真空蒸着し、その後でレジストパターン121を除去すれば、図12(D)に示すようにAgナノ粒子130Aが二次元配列された金属ナノ構造(第2突起群)130が形成される(リフトオフ)。本実施例では、金属ナノ構造130の素材と金属格子構造110の素材は異なる金属であるが、同じ金属の組み合わせ(例えばAgとAg、AuとAu)を用いることも可能である。
6.検出装置
図14は、上述したセンサーチップ(光デバイス)100(図14では符号260)を備えた検出装置200の一例を示す模式図である。標的物質(図示せず)のA方向から検出装置200に搬入されてB方向に搬出される。励起光源210から出射されたレーザーはコリメータレンズで平行光にされ、偏光制御素子230を通過し、ダイクロイックミラー240によってセンサーチップ260の方向に導かれる。レーザーは対物レンズ250で集光され、センサーチップ260に入射する。このとき、センサーチップ260の表面(例えば、金属ナノ構造130が形成された面)には標的物質(図示せず)が配置されている。なお、ファン(図示せず)の駆動を制御することにより、標的物質は搬入口から搬送部内部に導入され、排出口から搬送部外部に排出されるようになっている。
センサーチップ260表面へレーザー光が入射すると、金属ナノ構造130の近傍には表面プラズモン共鳴SPRを介して極めて強い増強電場が生じる。増強電場に1〜数個の標的物質が浸入すると、そこからラマン散乱光が発生する。ラマン散乱光は、対物レンズ250を通過し、ダイクロイックミラー240によって光検出器280の方向に導かれ、集光レンズ270で集光され、光検出器(例えば、回折格子型分光器)280に入射する。そして、光検出器280によりスペクトル分解され、図4(B)に示されたようなスペクトル情報が得られる。この構成によれば、上述したセンサーチップ100を備えているため、センサー感度が向上され、ラマン散乱スペクトルから標的物質を特定することが可能となる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
100 光デバイス、101 基材、102 導体表面、110 第1突起群、120 誘電体層、130 第2突起群、130A 金属ナノ粒子、Px X方向モアレ周期、Px1 第1周期、Px2 第2周期、Py Y方向モアレ周期、Py1 第3周期、Py2 第4周期

Claims (8)

  1. 基材の導体表面より突起して、第1方向に沿って第1周期で配列される第1突起群と、
    前記導体表面及び前記第1突起群を覆う誘電体層と、
    前記誘電体層上にて金属ナノ粒子が前記第1方向に沿って前記第1周期と異なる第2周期で配列されて成る第2突起群と、
    を有し、
    前記第1周期及び前記第2周期の一方をPx1とし、前記第1周期及び前記第2周期の他方をPx2とし、照射光の波長をλとしたとき、λ>Px1>Px2を満足し、かつ、0<Px1−Px2<Px1/2を満足することを特徴とする光デバイス。
  2. 請求項1において、
    前記第2突起群の前記第2周期をPx2とし、前記第1突起群の前記第1周期をPx1)としたことを特徴とする光デバイス。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1周期及び前記第2周期の差及び積に基づいて前記第1方向にて周期Pxのモアレが形成され、モアレの周期Pは、λ>Px>Px1>Px2を満足することを特徴とする光デバイス。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1突起群は、前記第1方向に沿って前記第1周期で配列され金属格子であり、
    前記第2突起群は、前記第1方向に沿って前記第2周期で配列され、かつ、前記第1方向と交差する第2方向でも周期的に配列された前記金属ナノ粒子から成る金属ナノ構造であることを特徴とする光デバイス。
  5. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、
    前記第1突起群は、前記第1方向に沿って前記第1周期で配列され、かつ、前記第1方向と交差する第2方向にて第3周期で配列された二次元金属格子であり、
    前記第2突起群は、前記第1方向に沿って前記第2周期で配列され、かつ、前記第2方向にて第4周期で配列された前期金属ナノ粒子から成る金属ナノ構造であり、
    前記第3周期及び前記第4周期の一方をPy1とし、前記第1周期及び前記第2周期の他方をPy2としたとき、λ>Py2>Py1を満足し、かつ、0<Py2−Py1<Py2/2を満足することを特徴とする光デバイス。
  6. 請求項1乃至5のいずれかにおいて、
    前記第2突起群が形成される前記誘電体の表面は平坦面であることを特徴とする光デバイス。
  7. 基材の導体表面より突起して、第1方向に沿って第1周期で配列される第1突起群と、
    前記導体表面及び前記第1突起群を覆う誘電体層と、
    前記誘電体層上にて金属ナノ粒子が前記第1方向に沿って前記第1周期と異なる第2周期で配列されて成る第2突起群と、
    を有し、
    前記第1周期と前記第2周期とによりモアレを発現させ、モアレによって局在表面プラズモと伝播表面プラズモンPSPの結合を強めることを特徴とする光デバイス。
  8. 請求項1乃至7のいずれか記載の光デバイスと、
    光源と、
    光検出部と、
    を有し、
    前記光デバイスの前記第2突起群に試料が導入され、
    前記光デバイスは、前記光源からの前記波長λの光が照射されることで前記試料を反映した光を出射し、
    前記光検出部は、前記光デバイスからの前記試料を反映した光を検出することを特徴とする検出装置。
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