JP2013087976A - 空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 空気調和装置10では、制御部70が、冷房運転において、空気を第1吸着熱交換器19または第2吸着熱交換器23で潜熱処理し、その空気を主熱交換器15で顕熱処理することができる。主熱交換器15では顕熱処理だけが行なわれるので、制御部70は主熱交換器15内での冷媒の蒸発温度を上げることができ、その結果、成績係数が向上する。
【選択図】図1
Description
(1)空気調和装置10の概要
(1−1)全体構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置10の構成図である。また、図2は、空気調和装置10の風路構成を示すブロック図である。図1及び図2において、空気調和装置10は、電気自動車用のエアコンであって、冷媒回路40と、排気ファン50と、吸気ファン60と、制御部70と、風路80とを備えている。
冷媒回路40では、圧縮機11、第1四路切換弁13、主熱交換器15、第1膨張弁17、第2四路切換弁18、第1吸着熱交換器19、第2膨張弁21、及び第2吸着熱交換器23が環状に繋がっている。
排気ファン50は、風路80内の車外排出口近傍に配置され、回転することによって車内吸気口から車外排気口に向う空気流、若しくは、外気取込口から車外排気口に向う空気流を発生させる。
吸気ファン60は、風路80内の車内吹出口近傍に配置され、回転することによって車内吸気口から車内吹出口に向う空気流、若しくは、外気取込口から車内吹出口に向う空気流を発生させる。
制御部70は、第1四路切換弁13および第2四路切換弁18の切換方向、第1膨張弁17および第2膨張弁21の弁開度、圧縮機11、排気ファン50、及び吸気ファン60の回転数を制御して、冷媒回路40を循環する冷媒の流れや、主熱交換器15、第1吸着熱交換器19、及び第2吸着熱交換器23の熱交換量や、風路80内の各ダンパの切換方向を制御する。
図2に示すように、風路80は、室内吸気口80a、外気取込口80b、室内供給口80c、および室外排気口80dを有している。
(2−1)圧縮機11、及び四路切換弁13
圧縮機11は、ガス冷媒を吸入して圧縮する。四路切換弁13は、冷房運転および暖房運転のいずれかの運転から、暖房除湿運転およびデフロスト運転のいずれかの運転へ切り換えるとき、或いは、暖房除湿運転およびデフロスト運転のいずれかの運転から、冷房運転および暖房運転のいずれかの運転へ切り換えるとき、冷媒の流れの方向を切り換える。冷房運転および暖房運転のいずれかの運転時、四路切換弁13は、圧縮機11の吐出側と第2四路切換弁18とを接続するとともに圧縮機11の吸入側と主熱交換器15のガス側とを接続する。つまり、図1の四路切換弁13内の実線で示された状態である。
主熱交換器15は、積層型熱交換器であって、空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮(超臨界冷媒の場合は放熱)又は蒸発させることができる。積層型熱交換器については多くの文献が存在するので、ここでは説明を省略する。なお、主熱交換器15は積層型熱交換器に限定されるものではなく、他の熱交換器であってもよい。
第1膨張弁17は、開度可変式の電動膨張弁であり、第2四路切換弁18と主熱交換器15との間に接続されている。第1膨張弁17は、運転モードによって、冷媒圧力を主熱交換器15で蒸発可能な圧力まで減圧することもあれば、第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23で蒸発可能な圧力まで減圧することもある。
第2四路切換弁18は、運転モードによって、第1四路切換弁13若しくは主熱交換器15から送られてくる冷媒を、第1吸着熱交換器19に流す方向および第2吸着熱交換器23に流す方向のいずれか一方に切り換える。
第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23は、積層型熱交換器であって、空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮(超臨界冷媒の場合は放熱)又は蒸発させることができる。第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23では、各伝熱フィンの表面に吸着剤が担持されており、伝熱フィンの間を通過する空気が伝熱フィンに担持された吸着剤と接触する。この吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水蒸気を吸着できるものが用いられる。第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23は、調湿用部材を構成している。
第2膨張弁21は、開度可変式の電動膨張弁であり、第1吸着熱交換器19と第2吸着熱交換器23との間に接続されている。第2膨張弁21が全開のとき、第1吸着熱交換器19と第2吸着熱交換器23とは共に、蒸発器および凝縮器のいずれか一方になる。また、第2膨張弁21が開度を絞っているとき、第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23のいずれか一方が蒸発器となり、他方が凝縮器となる。
先ず、説明の便宜上、図2において、車内に供給するために車内吸気口または外気取込口から取り入れられた空気を給気とよび、最終的に車外へ排出されるために外気取込口から取り入れられた空気を外気とよぶ。
第1風路81では、入口に第1ダンパ91が、途中に第1吸着熱交換器19が、出口に第4ダンパ94が配置されている。
第2風路82では、入口に第2ダンパ92が、途中に第2吸着熱交換器23が、出口に第5ダンパ95が配置されている。
第3風路83では、入口に第3ダンパ93が、途中に第3風路開閉ダンパ98及び主熱交換器15が、出口に給排切換ダンパ100が配置されている。
空気調和装置の動作を、図1、図2、図3、図4及び図5を参照しながら説明する。図3は、空気調和装置10の風路配置図である。図4は、各運転モードにおける各熱交換器および各ダンパの働きを示す機能表である。ここで、各熱交換器および各ダンパの働きを示すとは、主熱交換器15、第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23それぞれが蒸発器および凝縮器のいずれの機能を果たしているのか、各ダンパが空気をどの方向に流すのかを示すことである。
図1において、第1冷房運転時、四路切換弁13は、圧縮機11の吐出側と第2四路切換弁18とを接続するとともに圧縮機11の吸入側と主熱交換器15のガス側とを接続する(図1実線)。第2四路切換弁18は、冷媒を第2吸着熱交換器23側へ流せる状態に切り換えられている(図1実線)。また、第1膨張弁17は全開であり、第2膨張弁21は冷媒を第1吸着熱交換器19及び主熱交換器15で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、第2吸着熱交換器23が冷媒の凝縮器として機能し、第1吸着熱交換器19及び主熱交換器15が冷媒の蒸発器として機能する。
第1吸着熱交換器19で水分を吸着し、第2吸着熱交換器23で水分を放出する形態が継続されると、第1吸着熱交換器19の吸着剤が吸着された水分で飽和するので、定期的に第1吸着熱交換器19の吸着剤から水分を放出させておく必要がある。この空調調和装置10では、第1吸着熱交換器19が蒸発器として機能し第2吸着熱交換器23が凝縮器として機能する第1冷房運転モードが、定期的に、第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能し第2吸着熱交換器23が蒸発器として機能する第2冷房運転モードに切り替わる。
第1冷房運転モードおよび第2冷房運転モードでは、第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23のいずれか一方で潜熱処理を行い、主熱交換器15で顕熱処理を行っていたが、空調負荷が大きいときなどは、主熱交換器15で潜熱処理と顕熱処理とを行うのが好ましい。つまり、第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23を凝縮器として、主熱交換器15を蒸発器として機能させる。
図1において、四路切換弁13は、圧縮機11の吐出側と第2四路切換弁18とを接続するとともに圧縮機11の吸入側と主熱交換器15のガス側とを接続する(図1実線)。第2四路切換弁18は、冷媒を第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23のいずれかへ流せる状態に切り換えられている。また、第2膨張弁21は全開であり、第1膨張弁17は冷媒を主熱交換器15で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23が冷媒の凝縮器として機能し、主熱交換器15が冷媒の蒸発器として機能する。
図1において、第1暖房除湿運転時、四路切換弁13は、圧縮機11の吐出側と主熱交換器15のガス側とを接続するとともに圧縮機11の吸入側と第2四路切換弁18とを接続する(図1点線)。第2四路切換弁18は、冷媒を第2吸着熱交換器23側へ流せる状態に切り換えられている(図1点線)。また、第1膨張弁17は全開であり、第2膨張弁21は冷媒を第1吸着熱交換器19で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、第2吸着熱交換器23及び主熱交換器15が冷媒の凝縮器として機能し、第1吸着熱交換器19が冷媒の蒸発器として機能する。
第1吸着熱交換器19で水分を吸着し、第2吸着熱交換器23で水分を放出する形態が継続されると、第1吸着熱交換器19の吸着剤が吸着された水分で飽和するので、定期的に第1吸着熱交換器19の吸着剤から水分を放出させておく必要がある。この空調調和装置10では、第1吸着熱交換器19が蒸発器として機能し第2吸着熱交換器23が凝縮器として機能する第1暖房除湿運転モードが、定期的に、第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能し第2吸着熱交換器23が蒸発器として機能する第2暖房除湿運転モードに切り替わる。
制御部70は、通常暖房運転時に主熱交換器15への着霜を検知したとき、または着霜を推定したとき、デフロスト運転を行う。デフロスト運転時、四路切換弁13は、圧縮機11の吐出側と主熱交換器15のガス側とを接続するとともに圧縮機11の吸入側と第2四路切換弁18とを接続する(図1点線)。第2四路切換弁18は、冷媒を第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23のいずれかへ流せる状態に切り換えられている。また、第2膨張弁21は全開であり、第1膨張弁17は冷媒を第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、主熱交換器15が冷媒の凝縮器として機能し、第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能する。
図1において、第1暖房加湿運転時、四路切換弁13は、圧縮機11の吐出側と主熱交換器15のガス側とを接続するとともに圧縮機11の吸入側と第2四路切換弁18とを接続する(図1点線)。第2四路切換弁18は、冷媒を第1吸着熱交換器19側へ流せる状態に切り換えられている(図1実線)。また、第1膨張弁17は全開であり、第2膨張弁21は冷媒を第2吸着熱交換器23で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、主熱交換器15及び第1吸着熱交換器19が冷媒の凝縮器として機能し、第2吸着熱交換器23が冷媒の蒸発器として機能する。
第2吸着熱交換器23で水分を吸着し、第1吸着熱交換器19で水分を放出する形態が継続されると、第2吸着熱交換器23の吸着剤が吸着された水分で飽和するので、定期的に第2吸着熱交換器23の吸着剤から水分を放出させておく必要がある。この空調調和装置10では、第2吸着熱交換器23が蒸発器として機能し第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能する第1暖房加湿運転モードが、定期的に、第2吸着熱交換器23が凝縮器として機能し第1吸着熱交換器19が蒸発器として機能する第2暖房加湿運転モードに切り替わる。
(5−1)
空気調和装置10では、制御部70が、冷房運転において、空気を第1吸着熱交換器19または第2吸着熱交換器23で潜熱処理し、その空気を主熱交換器15で顕熱処理することができる。主熱交換器15では顕熱処理だけが行なわれるので、制御部70は主熱交換器15内での冷媒の蒸発温度を上げることができ、その結果、成績係数が向上する。
空気調和装置10では、主熱交換器15を通った空気を室外および室内のいずれに向わせるかは、運転モードによって異なる。それゆえ、冷媒回路40と風路80とを一ユニット化した空気調和装置に適しており、車載用に有用である。
空気調和装置10では、主排出路101、主供給路103、第1排出路113、第1供給路115、第2排出路213および第2供給路215それぞれは、互いに完全に独立した通路ではなく、共通の空気流路と複数のダンパによって形成されるので、空気流路の大型化を抑制することができる。
空気調和装置10では、制御部70が、冷房運転時、第1冷房運転、第2冷房運転および第3冷房運転のいずれか一つを選択する。第1冷房運転および第2冷房運転は、空気の潜熱処理を第1吸着熱交換器19または第2吸着熱交換器23で行い、空気の顕熱処理を主熱交換器15で行なう運転である。第3冷房運転は、空気の潜熱処理および顕熱処理を主熱交換器15で行なう運転である。ユーザーは、省エネ運転させたいときは第1冷房運転または第2冷房運転を選択し、能力を上げたいときは第3冷房運転を選択すればよいので、ユーザーにとって使い勝手がよい。
空気調和装置10では、制御部70が、暖房運転時、通常暖房運転、暖房除湿運転、および暖房加湿運転のいずれかを選択する。通常暖房運転とは、空気への加熱を第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23で行なう運転である。暖房除湿運転とは、空気の除湿を第1吸着熱交換器19または第2吸着熱交換器23で行い、空気への加湿を主熱交換器15で行なう運転である。暖房加湿運転とは、空気への加湿を第1吸着熱交換器19または第2吸着熱交換器23で行い、空気への加熱を主熱交換器15で行なう運転である。さらに、制御部70は、通常暖房運転時に室外排出モードを選択し、主熱交換器15を通った空気を室外へ向わせる。さらに、制御部70は、暖房除湿運転及び暖房加湿運転時に室内供給モードを選択、主熱交換器15を通った空気を室内へ向わせる。ユーザーは、通常暖房運転、暖房除湿運転及び暖房加湿運転から適当な暖房運転を選択できるので、ユーザーにとって使い勝手がよい。さらに、暖房加湿運転であっても加湿用の貯水タンクを必要としないので、給水作業が不要となり、かつ装置の小型化が図れる。
冒頭で記載したとおり、第1実施形態に係る空気調和装置は電気自動車用のエアコンである。電気自動車用のエアコンでは、走行モータ、モータインバータおよび車載バッテリを冷却する必要がある。
図6は、第1変形例に係る空気調和装置10の構成図である。図6において、第1実施形態と第1変形例との主な違いは、第1変形例の冷媒回路40が駆動部冷却用冷媒路47を有している点、および圧縮機11が圧縮工程途中にガス冷媒を導入するインジェクション・ポートEPを有している点である。
図7は、第2変形例に係る空気調和装置10の構成図である。図7において、第1変形例と第2変形例との主な違いは、冷媒回路40がバッテリ温調用冷媒路42をさらに有している点である。
(1)空気調和装置110の概要
(1−1)全体構成
図8は、本発明の一実施形態に係る空気調和装置110の構成図である。また、図9は空気調和装置110の風路構成図である。図8において、空気調和装置100は、電気自動車用のエアコンであって、冷媒回路140と、排気ファンと、吸気ファンと、制御部170と、風路180とを備えている。排気ファンおよび吸気ファンは、第1実施形態と同じであるので、図示せず、説明も省略する。
冷媒回路140では、圧縮機11、第1主熱交換機15、第2主熱交換器16、第1膨張弁17、四路切換弁18、第1吸着熱交換器19、第2膨張弁21、及び第2吸着熱交換器23が環状に繋がっている。
制御部170は、第1膨張弁17の弁開度、圧縮機11、排気ファン、及び吸気ファンの回転数を制御して、冷媒回路140を循環する冷媒の流れや、主熱交換器15、第1吸着熱交換器19、及び第2吸着熱交換器23の熱交換量や、風路180内の各ダンパの切換方向を制御する。
図9において、風路180は、室内吸気口80a、外気取込口80b、室内供給口80c、および室外排気口80dを有している。
(2−1)圧縮機11
圧縮機11は、ガス冷媒を吸入して圧縮する。
主凝縮器15及び主蒸発器16は、積層型熱交換器であって、空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮(超臨界冷媒の場合は放熱)又は蒸発させることができる。積層型熱交換器については多くの文献が存在するので、ここでは説明を省略する。なお、主凝縮器15及び主蒸発器16は積層型熱交換器に限定されるものではなく、他の熱交換器であってもよい。
第1膨張弁17は、開度可変式の電動膨張弁であり、四路切換弁18と主蒸発器16との間に接続されている。第1膨張弁17は、運転モードによって、冷媒圧力を主蒸発器16で蒸発可能な圧力まで減圧する。
四路切換弁18は、運転モードによって、主凝縮器15から送られてくる冷媒を、第1吸着熱交換器19に流す方向および第2吸着熱交換器23に流す方向のいずれか一方に切り換える。
第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23は、積層型熱交換器であって、空気との熱交換によって内部を流れる冷媒を凝縮(超臨界冷媒の場合は放熱)又は蒸発させることができる。第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23では、各伝熱フィンの表面に吸着剤が担持されており、伝熱フィンの間を通過する空気が伝熱フィンに担持された吸着剤と接触する。この吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水蒸気を吸着できるものが用いられる。第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23は、調湿用部材を構成している。
第2膨張弁21は、開度可変式の電動膨張弁であり、第1吸着熱交換器19と第2吸着熱交換器23との間に接続されている。第2膨張弁21が全開のとき、第1吸着熱交換器19と第2吸着熱交換器23とは共に、蒸発器および凝縮器のいずれか一方になる。また、第2膨張弁21が開度を絞っているとき、第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23のいずれか一方が蒸発器となり、他方が凝縮器となる。
先ず、説明の便宜上、車内に供給するために車内吸気口または外気取込口から取り入れられた空気を給気とよび、最終的に車外へ排出されるために外気取込口から取り入れられた空気を外気とよぶ。
第1風路81では、入口に第1ダンパ91が、途中に第1吸着熱交換器19が、出口に第4ダンパ94が配置されている。
第2風路82では、入口に第2ダンパ92が、途中に第2吸着熱交換器23が、出口に第5ダンパ95が配置されている。
第3風路83では、入口に第3ダンパ93が、途中に第3風路開閉ダンパ98が配置されている。第3風路83の入口は室内吸気口80aおよび外気取込口80bとダクトで繋がっており、第3ダンパ93が室内吸気口80a側ダクトを閉じたとき外気が主熱交換器15に向って流れる。他方、第3ダンパ93が外気取込口80b側ダクトを閉じたとき給気が主蒸発器16に向って流れる。第3風路83の出口は蒸発器風路822に繋がっている。
給排切換弁200は、四路切換弁である。図9に示すように、実線で示された状態(第1状態とよぶ)のとき、凝縮器風路811と室外排出路201とを接続するとともに蒸発器風路822と室内供給路203とを接続する。
空気調和装置の動作を、図8、図9、図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、各運転モードにおける各熱交換器および各ダンパの働きを示す機能表である。ここで、各熱交換器および各ダンパの働きを示すとは、主凝縮器15、主蒸発器16、第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23それぞれが蒸発器および凝縮器のいずれの機能を果たしているのか、各ダンパが空気をどの方向に流すのかを示すことである。
図8において、第1冷房運転時、四路切換弁18は、冷媒を第2吸着熱交換器23側へ流せる状態に切り換えられている(図1実線)。また、第1膨張弁17は全開であり、第2膨張弁21は冷媒を第1吸着熱交換器19及び主蒸発器16で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、主凝縮器15及び第2吸着熱交換器23が冷媒の凝縮器として機能し、第1吸着熱交換器19及び主蒸発器16が冷媒の蒸発器として機能する。
第1吸着熱交換器19で水分を吸着し、第2吸着熱交換器23で水分を放出する形態が継続されると、第1吸着熱交換器19の吸着剤が吸着された水分で飽和するので、定期的に第1吸着熱交換器19の吸着剤から水分を放出させておく必要がある。この空調調和装置110では、第1吸着熱交換器19が蒸発器として機能し第2吸着熱交換器23が凝縮器として機能する第1冷房運転モードが、定期的に、第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能し第2吸着熱交換器23が蒸発器として機能する第2冷房運転モードに切り替わる。
第1冷房運転モードおよび第2冷房運転モードでは、第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23のいずれか一方で潜熱処理を行い、主蒸発器16で顕熱処理を行っていたが、空調負荷が大きいときなどは、主蒸発器16で潜熱処理と顕熱処理とを行うのが好ましい。つまり、第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23を凝縮器として、主蒸発器16を蒸発器として機能させる。
図8において、暖房運転時、四路切換弁18は、冷媒を第1吸着熱交換器19及び第2吸着熱交換器23のいずれかへ流せる状態に切り換えられている。また、第2膨張弁21は全開であり、第1膨張弁17は冷媒を主蒸発器16で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、主凝縮器15、第1吸着熱交換器19および第2吸着熱交換器23が冷媒の凝縮器として機能し、主蒸発器16が冷媒の蒸発器として機能する。
図8において、第1暖房除湿運転時、四路切換弁18は、冷媒を第2吸着熱交換器23側へ流せる状態に切り換えられている(図8実線)。また、第1膨張弁17は全開であり、第2膨張弁21は冷媒を第1吸着熱交換器19で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、主凝縮器15及び第2吸着熱交換器23が冷媒の凝縮器として機能し、第1吸着熱交換器19及び主蒸発器16が冷媒の蒸発器として機能する。
第1吸着熱交換器19で水分を吸着し、第2吸着熱交換器23で水分を放出する形態が継続されると、第1吸着熱交換器19の吸着剤が吸着された水分で飽和するので、定期的に第1吸着熱交換器19の吸着剤から水分を放出させておく必要がある。この空調調和装置110では、第1吸着熱交換器19が蒸発器として機能し第2吸着熱交換器23が凝縮器として機能する第1暖房除湿運転モードが、定期的に、第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能し第2吸着熱交換器23が蒸発器として機能する第2暖房除湿運転モードに切り替わる。
制御部170は、通常暖房運転時に主蒸発器16への着霜を検知したとき、または着霜を推定したとき、排気ファン及び吸気ファンを停止して通常暖房運転時と同じ冷媒循環サイクルのまま運転を行う、デフロスト運転を行う。このとき、第1膨張弁17及び第2膨張弁21はともに全開となり、いわゆる正サイクルデフロストを構成する。
図8において、四路切換弁18は、冷媒を第1吸着熱交換器19側へ流せる状態に切り換えられている(図8点線)。また、第1膨張弁17は全開であり、第2膨張弁21は冷媒を第2吸着熱交換器23で蒸発可能な圧力まで減圧する。その結果、主凝縮器15及び第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能し、第2吸着熱交換器23及び主蒸発器16が蒸発器として機能する。
第2吸着熱交換器23で水分を吸着し、第1吸着熱交換器19で水分を放出する形態が継続されると、第2吸着熱交換器23の吸着剤が吸着された水分で飽和するので、定期的に第2吸着熱交換器23の吸着剤から水分を放出させておく必要がある。この空調調和装置110では、第2吸着熱交換器23が蒸発器として機能し第1吸着熱交換器19が凝縮器として機能する第1暖房加湿運転モードが、定期的に、第2吸着熱交換器23が凝縮器として機能し第1吸着熱交換器19が蒸発器として機能する第2暖房加湿運転モードに切り替わる。
第1実施形態と同様に第2実施形態に係る空気調和装置は電気自動車用のエアコンである。電気自動車用のエアコンでは、走行モータ、モータインバータおよび車載バッテリを冷却する必要がある。
図12は、第1変形例に係る空気調和装置110の構成図である。図12において、第2実施形態と第1変形例との違いは、第1変形例の冷媒回路140が駆動部冷却用冷媒路147を有している点、および圧縮機11が圧縮工程途中にガス冷媒を導入するインジェクション・ポートEPを有している点である。
図13は、第2変形例に係る空気調和装置110の構成図である。図13において、第1変形例と第2変形例との違いは、冷媒回路140がバッテリ温調用冷媒路42をさらに有している点である。
第2実施形態では、デフロスト運転時は排気ファン及び吸気ファンを止めるので、暖房が行われない。そこで、第3変形例では、デフロスト運転中も暖房が可能となる構成を提案する。
15 主熱交換器
19 第1吸着熱交換器
23 第2吸着熱交換器
70 制御部
81 第1風路
82 第2風路
94 第1ダンパ
95 第2ダンパ
96 共通ダンパ
100 主ダンパ
101 主排出路
103 主供給路
113 第1排出路
115 第1供給路
213 第2排出路
215 第2供給路
Claims (5)
- 主熱交換器(15)と、
前記主熱交換器(15)を通った空気を、室外および室内のいずれか一方へ向わせる主風路切換手段(V0)と、
空気中の水分を吸脱着できる吸着材を有し、前記水分を吸着する吸着器または吸着した水分を空気中に再生する再生器として機能して空気の調湿処理を行う、第1吸着熱交換器(19)および第2吸着熱交換器(23)と、
前記第1吸着熱交換器(19)を通った空気を、前記主熱交換器(15)、室外、および室内のいずれか一方へ向わせる第1風路切換手段(V4,V6)と、
前記第2吸着熱交換器(23)を通った空気を、前記主熱交換器(15)、室外、および室内のいずれか一方へ向わせる第2風路切換手段(V5,V6)と、
前記主風路切換手段(V0)、前記第1風路切換手段(V4,V6)、および前記第2風路切換手段(V5,V6)を制御する制御部(70)と、
を備える、
空気調和装置(10)。 - 前記制御部(70)は、
前記主熱交換器(15)を通った空気を室外へ向わせる室外排出モードと、
前記主熱交換器(15)を通った空気を室内へ向わせる室内供給モードと、
を選択可能であり、
さらに、前記制御部(70)は、
冷房運転、および調湿を伴う暖房運転のとき前記室内供給モードを選択し、
調湿を伴わない暖房運転のとき前記室外排出モードを選択する、
請求項1に記載の空気調和装置(10)。 - 前記主風路切換手段(V0)は、前記主熱交換器(15)を通った空気の進路を、室外に通じる主排出路(101)および室内に通じる主供給路(103)のいずれか一方に切り換えることができる主ダンパ(100)を含み、
前記第1風路切換手段(V4,V6)は、前記第1吸着熱交換器(19)から前記主熱交換器(15)に通じる第1風路(81)内に、前記第1吸着熱交換器(19)を通った空気の進路を、室外に通じる第1排出路(113)、および室内に通じる第1供給路(115)のいずれか一方に切り換えることができる第1ダンパ(94)及び共通ダンパ(96)を含み、
前記第2風路切換手段(V5,V6)は、前記第2吸着熱交換器(23)から前記主熱交換器(15)に通じる第2風路(82)内に、前記第2吸着熱交換器(23)を通った空気の進路を、室外に通じる第2排出路(213)、および室内に通じる第2供給路(215)のいずれか一方に切り換えることができる第2ダンパ(95)及び前記共通ダンパ(96)を含む、
請求項2に記載の空気調和装置(10)。 - 前記制御部(70)は、冷房運転時、
空気の潜熱処理を前記第1吸着熱交換器(19)または前記第2吸着熱交換器(23)で行い、前記空気の顕熱処理を前記主熱交換器(15)で行なう第1冷房運転、及び、
空気の潜熱処理および顕熱処理を前記主熱交換器(15)で行なう第2冷房運転、
のいずれか一方を選択する、
請求項2に記載の空気調和装置(10)。 - 前記制御部(70)は、暖房運転時、
空気への加熱を前記第1吸着熱交換器(19)および前記第2吸着熱交換器(23)で行なう通常暖房運転、
空気の除湿を前記第1吸着熱交換器(19)または前記第2吸着熱交換器(23)で行い、前記空気への加熱を前記主熱交換器(15)で行なう暖房除湿運転、及び、
空気への加湿を前記第1吸着熱交換器(19)または前記第2吸着熱交換器(23)で行い、前記空気への加熱を前記主熱交換器(15)で行なう暖房加湿運転、
のいずれかを選択し、
さらに、前記制御部(70)は、
通常暖房運転時に前記室外排出モードを選択し、
暖房除湿運転及び暖房加湿運転時に室内供給モードを選択する、
請求項2に記載の空気調和装置(10)。
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