JP2013086164A - 連続鋳造機のモールド湯面制御方法及び装置、該装置を備えた連続鋳造機 - Google Patents

連続鋳造機のモールド湯面制御方法及び装置、該装置を備えた連続鋳造機 Download PDF

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Abstract

【課題】種々の外乱に対しても効果のあるモールド湯面制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るモールド湯面レベル制御方法は、連続鋳造機におけるモールド内湯面レベルを計測し、湯面目標値として予め設定された湯面設定値と前記計測値との偏差に基づいてモールドの振動基準位置を変更し、該振動基準位置が湯面変動に追従するようにしたことを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続鋳造機のモールド湯面制御方法及び装置、該装置を備えた連続鋳造機に関するものである。
鋳型(モールド)内の湯面高さ(レベル)が大きく変動すると、モールドに接して凝固中の鋼に、溶鋼面上のパウダ等の不純物が巻き込まれる。不純物が巻き込まれると、鋼片表面に欠陥や傷を生じ、圧延時に銅板傷として露出することになり、品質や歩留まりに大きな影響を及ぼす。したがって、モールド内の湯面変動を抑制することが求められている。
このようなモールド内の湯面レベルを制御するものとして、例えば特許文献1に開示された「連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法」がある。
特許文献1に開示された「連続鋳造機モールド内湯面レベル制御方法」は、「連続鋳造機モールド内湯面レベルを計測し、該計測値の設定値に対する偏差をフィードバック制御器に入力し、該フィードバック制御器の制御出力によりアクチュエータを操作し、該アクチュエータの駆動出力によりタンディッシュに設けられ溶鋼給湯を行うスライディングノズルの開度を調節し、前記湯面レベルを制御する方法において、前記湯面レベル計測値の設定値に対する偏差から湯面レベル変動を生じる周期性外乱を推定し、該推定した周期性外乱による湯面レベル変動を打ち消す適応制御操作量を演算する推定・演算工程と、前記演算された適応制御操作量を、前記スライディングノズル開度変更のフィードフォワード量として、前記フィードバック制御器の制御出力に加算して前記アクチュエータを操作する操作工程とを有することを特徴とする。」(特許文献1の請求項1参照)というものである。
特開2000−322106号公報
従来提案されているモールド内湯面制御は、タンディッシュに設けられたスライディングノズルの開度を調整し、モールドに供給される湯量を調整することにより湯面レベルを一定に保つというものである。
このようなスライディングノズルの開度調整による制御の基本はPID制御であったが、外乱への応答性を高めるべく、上記特許文献1に代表されるように、種々の制御方式が提案されて、それなりの成果を得てきた。
しかしながら、外乱には、湯面波立ち、バルジング性湯面変動、スライディングノズルへの付着物によるスライディングノズル閉塞等に起因する湯面変動といった種々のものがある。
湯面波立ちとは、湯面の平均レベルは変わらないが、湯面の場所によって高さが変わる状態をいい、モールド振動によるもの(周波数:2〜3Hz)、浸漬ノズルの移動によって励起される定在波(周波数:0.6〜0.9Hz)がある。
バルジング性湯面変動、スライディングノズルへの付着物によるスライディングノズル閉塞等に起因する湯面変動は、湯面の平均レベルが変動するものであり、この意味で湯面波立ちとは異なっている。
バルジング性湯面変動は、凝固した薄い鋼の部分が、ロールの支持がない部分で、外側に膨らむ現象であるバルジングが周期的に発生することによって、湯面全体が上下動するものであり、その周波数は0.05〜0.15Hzである。
また、スライディングノズルへの付着物によるスライディングノズル閉塞等起因する湯面変動とは、例えばスライディングノズルが付着物によって閉塞することのよって、溶鋼のモールドへの供給量が減少することで湯面レベルが下がるような場合や、何らかの原因によって付着物がスライディングノズルから除去されることで、溶鋼の供給量が急激に増加して湯面レベルが急上昇するような場合である。
スライディングノズルの開度調整によって湯面レベルを一定に保つ制御が有効なのは、湯面の平均レベルが変動するような上記のバルジング性湯面変動、スライディングノズルへの付着物によるスライディングノズル閉塞等に起因する湯面変動に対してである。
しかし、湯面平均レベルが変動するような外乱の中にも、周期性を持つものもあれば、周期性を持たないものや周期が変化するものがあり、種々の制御理論をもってしてもスライディングノズルの開度調整のみでこれらの外乱を取り除くことはできず、モールド湯面を一定に保つということの根本的解決には至っていない。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、種々の外乱に対しても効果のあるモールド湯面制御方法及び装置、該装置を備えた連続鋳造機を提供することを目的としている。
上述したように、スライディングノズルの開度調整という方法のみでは種々の制御理論をもってしても外乱を取り除くことはできない。これは、スライディングノズルの開度調整の応答性が悪く種々の外乱に対応できないからである。
そこで、発明者は、モールド振動制御の応答速度が1Hz以上であり、スライディングノズルの応答速度に比べて圧倒的に速いことに着目し、モールド振動制御をモールド湯面制御に利用するという新たな方法を考えた。すなわち、モールドの振動基準位置(振動中心)を、変動する湯面レベルに追従させて、溶鋼とモールドの接触面(すなわち初期凝固位置)を一定に保たせることでスライディングノズルの開度調整のみでは対応できなかった外乱に対しても対応可能になるとの知見を得た。
つまり、従来は湯面レベル(地球上の固定点からの高さ)を一定にすることのみに着目していたものを「モールドと湯面との相対的レベル」を一定にするように発想転換したものである。
本発明はかかる新たな発想に基づいてなされたものであり、具体的には以下の構成からなるものである。
(1)本発明に係るモールド湯面レベル制御方法は、連続鋳造機におけるモールド内湯面レベルを計測し、湯面目標値として予め設定された湯面設定値と前記計測値との偏差に基づいてモールドの振動基準位置を変更し、該振動基準位置が湯面変動に追従するようにしたことを特徴とするものである。
なお、本明細書において、モールド湯面レベル制御とは、モールドの位置制御や湯面レベル(地球上の固定点からの高さ)を制御することでモールドと湯面との相対レベルを制御することを意味する。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記計測値の設定値に対する偏差に基づいてスライディングノズルの開度を調節し前記湯面レベルを制御することを特徴とするものである。
(3)本発明に係るモールド湯面レベル制御装置は、連続鋳造機におけるモールドの振動を制御するモールド振動制御器と、モールド内湯面レベルを計測する湯面レベル計とを有し、
前記モールド振動制御器は、前記湯面レベル計の計測値を入力して、該入力値に基づいて前記モールドの振動基準位置を調整することを特徴とするものである。
(4)また、上記(3)に記載のものにおいて、前記湯面レベル計の計測値を入力して、スライディングノズルの開度を調節するスライディングノズル開度調整装置を備えたことを特徴とするものである。
(5)本発明に係る連続鋳造機は、上記(3)又は(4)に記載のモールド湯面レベル制御装置を備えてなることを特徴とするものである。
本発明に係るモールド湯面レベル制御方法は、連続鋳造機におけるモールド内湯面レベルを計測し、湯面目標値として予め設定された湯面設定値と前記計測値との偏差に基づいてモールドの振動基準位置を変更し、該振動基準位置が湯面変動に追従するようにしたので、溶鋼とモールドの接触面(すなわち初期凝固位置)を一定に保たせることができ、これによって湯面の絶対レベル変動を防止したのと同等の効果、すなわち湯面変動による溶鋼面上のパウダ等の不純物の巻き込みを防止し、鋼片表面への欠陥や傷の発生を防止することができる。
本発明の実施の形態に係るモールド湯面レベル制御装置の説明図である。 図1に記載のモールド湯面レベル制御装置のモールド振動制御器から出力されるモールド位置制御信号を表した図である。 モールド内のメニスカス近傍の溶鋼表面の状態を説明する説明図である(鉄鋼便覧4版より引用)。 モールドの高さ方向に沿った温度分布を示した図である(鉄鋼便覧4版より引用)。 図1に記載のモールド湯面レベル制御装置の制御方法を説明する説明図である。 本発明の効果を確認した実施例の結果示したグラフである。
本実施の形態に係るモールド湯面レベル制御方法及び装置の説明の前に、これらに関連する連続鋳造機を構成する主な装置を図1に基づいて説明する。
図1において、1はタンディッシュ、3はモールド、5はタンディッシュ内の溶鋼をモールドに注入する浸漬ノズル、7は浸漬ノズルとタンディッシュとの間に設けられて浸漬ノズルに供給する溶鋼量を調整するスライディングノズルである。
スライディングノズル7には、スライディングノズル7の開閉を行うスライディングノズル用油圧シリンダ19が設けられている。スライディングノズル用油圧シリンダ19は、湯面レベル計16の計測値によって湯面レベル制御器17が第2サーボ弁21を制御することでその開度が調整される。
次に、本発明の一実施の形態に係るモールド湯面レベル制御装置を、図1に基づいて説明する。
本発明におけるモールド湯面レベル制御装置10は、連続鋳造機におけるモールド3の振動を制御するモールド振動制御器11と、モールド3内の湯面レベルを計測する湯面レベル計16とを有し、モールド振動制御器11に湯面レベル計16の計測値を入力して、該入力値に基づいてモールド3の振動基準位置を調整することを特徴とするものである。
以下、本実施の形態の特徴であるモールド振動制御器の構成を詳細に説明する。
モールド振動制御器11は連続鋳造機におけるモールド3の振動を制御する装置である。モールド振動制御器11は、モールド位置制御用シリンダ9を駆動する第1サーボ弁15を制御することで、モールド位置制御用シリンダ9の連続的な位置制御を高速に行う。
モールド振動制御器11が上記の制御を行うために必要となるモールド3の実際の位置は、モールド位置レベル計13によって取得され、モールド振動制御器11にフィードバックされる。
モールド振動制御器11には、基準位置を中心とした所定の振幅と周期を有する振動(オシレーション)のための基準波形信号と湯面レベル計16の測定値と湯面設定値(目標値)との偏差が入力され、該偏差に基づいて前記基準位置を補正した合成制御信号を生成する。
図2にこの合成制御信号の一例を示す。図2の各グラフにおいては横軸が時間、縦軸が振幅を示している。図2(a)はオシレーションのための基準波形信号である。また、図2(b)は湯面レベル計16の測定値と湯面の設定値(目標値)との偏差であり、すなわちモールド3の振動基準位置を補正する基準位置補正信号である。そして、図2(c)が基準波形信号と基準位置補正信号を合成した合成制御信号であり、この合成制御信号がモールド位置制御信号として第1サーボ弁15に出力される。
モールド振動制御器11が第1サーボ弁15をモールド位置制御信号に基づいて制御することで、モールド3はその振動基準位置を湯面変動に追従して変更すると共にオシレーションするように位置制御される。
モールド振動制御器11において合成制御信号を生成するためには、合成制御信号の設定置((Set Variable)以下「SV値」という)を、湯面測定値と湯面設定値の偏差で修正した値とすればよい。この関係を式(1)に示す。
Y=f(fo,t)+ΔH ・・・(1)
ここで、Y:SV値
f(a,b):a、bを変数とする関数
fo:モールド振動の周波数(Hz)
t:時間
ΔH:湯面の測定値と設定値の偏差
湯面変動にモールド3を追従させることは、モールド基準系から見ると、メニスカスとモールド3との相対位置が変動しないようにすることを意味している。そして、メニスカスとモールド3との相対位置を変動させないことは、初期凝固位置がモールドに対して変動しないことを意味している。この初期凝固位置が相対的に変動しないことは、安定的な初期凝固部を維持してパウダを安定供給するために重要な意義を有する。以下、この点を、図3と図4に基づいて詳細に説明する。
パウダは、図3に示すように、溶鋼23上に粉末層25、半溶融層27、溶融層29となって存在する。また、初期凝固部は、図3に示すように、スラグリム31、パウダ固着層33、パウダ流動層35、凝固シェル37等を含めて複雑な状態を形成している。この状態が安定に維持されることで、溶鋼とモールド3の界面に安定的に溶融層29のパウダを供給することができる。しかし、湯面変動が起きれば、このような安定した状態(相対的位置関係)が崩れ、パウダの供給不足や過剰供給、スラグの溶鋼への巻込みを誘発し、また、溶鋼の接触するモールド温度が急変し、凝固状況も大きく変動することになる。
実際、モールド3の温度分布は、図4に示すように、安定状態においても湯面近傍で急激に変化する。したがって、通常の振動範囲以上に初期凝固位置がずれれば、溶鋼の接触するモールド3の温度が急変するため、凝固状況も大きく変動し、安定的な初期凝固部を維持することができなくなる。逆に、モールド3と湯面の相対位置を変動させないことが安定的な初期凝固状態を維持することになる。つまり、湯面変動にモールド3の基準位置を追従させることによって初期凝固位置を変動させないことで、初期凝固部の安定状態を維持でき、かつ溶鋼とモールド3の界面に安定的にパウダを供給することができる。
上記のように、湯面変動にモールド3の基準位置を追従させることによって安定的な初期凝固を維持したり、パウダ安定供給を実現できるという大きな効果がある。しかし、湯面変動にモールドを追従させることは、モールド基準系から見ると、鋳片引抜き速度のみが(モールド位置変更速度に応じて)変化することを意味し、鋳片引抜き速度への影響が懸念される。そこで、以下においては、モールド基準位置の変更の引抜き速度への影響について検討を行った。
モールド基準位置の変更の引抜き速度への影響の検討方法として、オシレーションによる振動もモールド基準系から見ると、鋳片引抜き速度の変化となることから、これと比較することとした。
まず、オシレーションの振動速度を求めた。オシレーションは正弦波を想定した。正弦波振動の振動速度は式(2)で求まる。ここで、Vは振動速度、rは片振幅、fは振動数を表す。
V=r×2π×f ・・・(2)
式(2)に基づいて、オシレーションの振動速度は式(3)として求めることができる。
Vo=ro×2π×fo=100mm/s=6mpm ・・・(3)
ここで、Vo:オシレーションの振動速度
ro:オシレーションの片振幅
fo:オシレーションの振動数
また、fo=4(Hz)、ro=4(mm)とした。
振動しているモールド基準系から見れば、上記のVo=6mpm速度で、相対的引抜き速度が変動することを意味する。
次に、湯面変動の例としてバルジング性湯面変動を例に挙げ、この湯面変動にモールド基準位置を追従させる振動速度を求めた。
この場合、モールド基準位置の振動速度は、バルジング性湯面変動の湯面変動速度と同じであるところ、バルジングによる湯面変動速度は式(2)に基づいて、式(4)から求めた。
Vb=rb×2π×fb=3.1mm/s=0.19mpm・・・(4)
ここで、Vb:バルジングによる湯面変動速度
rb:バルジングによる湯面変動片振幅
fb:バルジング周波数
また、fb=0.1(Hz)、rb=5(mm)とした。
式(3)と式(4)に示されるように、オシレーションの振動速度は、バルジング性湯面変動よりも桁違いに早い速度であることがわかる。したがって、オシレーションによる鋳造速度への影響よりも、バルジング性湯面変動にモールドを追従させた場合の影響は小さく、ほとんど無視できる程度である。
次に、上記のように構成された本実施の形態の連続鋳造機で行っている制御の流れを図5に基づいて説明する。図5は制御の流れを、矢印を交えて図示化したものである。
本実施の形態の連続鋳造機で行っているモールド湯面レベル制御方法は、モールド振動制御とスライディングノズル制御の2つに大別することができる。
モールド振動制御は、連続鋳造機におけるモールド3内湯面レベルを計測し、該計測値の設定値に対する偏差に基づいてモールド3の振動基準位置を変更し、該振動基準位置が湯面変動に追従するようにしている。以下、具体的に説明する。
モールド振動制御器11にはあらかじめオシレーションさせるための振動基準位置を中心とした基本的な振動波形が設定されている(図2(a)参照)。モールド3を湯面変動に追従させるために、まず、湯面レベル計16から取得した湯面の測定値と湯面設定値の偏差(図2(b)参照)に基づいて、前記の振動基準位置を補正する。この補正された振動基準位置を中心に振動波形が合成されてモールド位置の指示値となる(SV値)(図2(c)参照)。
次に、このSV値に対して、モールド位置レベル計13からフィードバックされた実際のモールド位置(PV値)を比較し、誤差分を第1サーボ弁15で修正することで、モールド位置制御用シリンダ9を稼働させてモールド位置を所定の位置に制御することで、湯面に対して定常的なオシレーションを維持する。
次にスライディングノズル制御の流れについて説明する。スライディングノズル制御は、湯面レベル計16による湯面測定値と湯面設定置の偏差に基づいてスライディングノズル7の開度を調節し前記湯面レベルを制御するものである。以下、具体的に説明する。
湯面レベル制御器17には、あらかじめ湯面設定値(SV値)が設定されている。この湯面設定値と、湯面レベル計16からフィードバックされた実際の湯面レベル(PV値)に基づいて偏差を計算する。湯面レベル制御器17は、この偏差に基づいて第2サーボ弁21が制御され、第2サーボ弁21によってスライディングノズル7の開度が調整される。スライディングノズル7の開度調製によってモールド3への溶鋼注入量が制御され、湯面レベル制御が行われ、さらにフィードバックされる。
以上のように、本実施の形態においては、モールド3が湯面レベルに追従しながらオシレーションを行うと共にスライディングノズルによる湯面レベル制御が行われ、両方の制御が連携し合ってモールド位置と湯面レベルとの相対的一致を実現している。
これによって、メニスカスとモールド3との相対位置が変動せず、モールド3における初期凝固位置を維持することができ、安定的な初期凝固部を維持して、パウダの供給不足や過剰供給、またスラグの溶鋼への巻込みを防止して、パウダの安定供給を実現できるという効果を奏している。
また、本実施の形態におけるモールド湯面制御装置を実現するには、既存のモールド振動制御器のSV値作成ロジックを変更するだけでよく、既存のモールド振動制御器や、モールド3をオシレーションさせるためのアクチュエータ、湯面レベル計16等はそのまま使用することができる。このため、装置のコストを低減できるという効果もある。
なお、上記の本実施の形態においては、オシレーションを行う装置として、油圧を用いたモールド位置制御用シリンダ9を例に挙げたが、本発明が適用できるオシレーション装置は上記のものに限られるものではなく、上記のように油圧を利用した油圧シリンダによるものでなくとも、オシレーションを与えられるようなものであれば、例えば電動シリンダや、レバー式振動装置を用いたものであってもよい。
なお、本実施の形態において湯面レベル制御の対象としているのは、湯面の平均レベルが変動するような上記のバルジング性湯面変動、スライディングノズルへの付着物によるスライディングノズル閉塞等に起因する湯面変動等である。
そのため、湯面の平均レベルは変わらないが、湯面の場所によって高さが変わる湯面波立ちは、本実施の形態の制御においては制御上の悪影響を及ぼす外乱信号として残る危険がある。
そこで、湯面レベル計16に高周波フィルターを設置し、例えば1Hz程度以上の振動を除去することにより、当該外乱信号を取り除くようにしてもよい。
また、この高周波フィルターは湯面レベル計16ではなく、外乱信号を除去できるように設置できればどこでもよく、モールド振動制御器11内に設置してもよいし、または第1サーボ弁15へのモールド位置制御信号出力後に外乱信号を除去するように別途設置してもよい。
また、物理的に直接湯面変動を抑えるようにダンパーを設置してもよい。
本発明を適用して、連続鋳造機のモールド湯面制御を行ったのでその結果を図6に示す。図6のグラフは、横軸に湯面制御の手法、縦軸に欠陥指数を表している。
図6(a)、図6(b)は従来手法のみで湯面制御を行った場合、図6(a)はPID湯面制御のみで湯面制御を行った場合、図6(b)はH湯面制御のみで湯面制御を行った場合をそれぞれ示している。
また、図6(c)はPID湯面制御と本発明のモールド振動制御を併用して湯面制御を行った場合、図6(d)はH湯面制御と本発明のモールド振動制御を併用して湯面制御を行った場合をそれぞれ示している。
図6(a)〜図6(d)における欠陥指数は図6(a)を基準として示している。
図6(a)と図6(c)、図6(b)と図6(d)をそれぞれ比較すると、本発明を適用することによって、同様の手法の制御を行う従来例に比較して欠陥が半分以下になることが分かる。
このように、本発明はPID湯面制御及びH湯面制御のいずれの制御方法に対しても適用可能であり、欠陥防止の効果が高いことが明らかになった。
1 タンディッシュ
3 モールド
5 浸漬ノズル
7 スライディングノズル
9 モールド位置制御用シリンダ
10 モールド湯面レベル制御装置
11 モールド振動制御器
13 モールド位置レベル計
15 第1サーボ弁
16 湯面レベル計
17 湯面レベル制御器
19 スライディングノズル用油圧シリンダ
21 第2サーボ弁
23 溶鋼
25 粉末層
27 半溶融層
29 溶融層
31 スラグリム
33 パウダ固着層
35 パウダ流動層
37 凝固シェル

Claims (5)

  1. 連続鋳造機におけるモールド内湯面レベルを計測し、湯面目標値として予め設定された湯面設定値と前記計測値との偏差に基づいてモールドの振動基準位置を変更し、該振動基準位置が湯面変動に追従するようにしたことを特徴とするモールド湯面レベル制御方法。
  2. 前記計測値の設定値に対する偏差に基づいてスライディングノズルの開度を調節し前記湯面レベルを制御することを特徴とする請求項1記載のモールド湯面レベル制御方法。
  3. 連続鋳造機におけるモールドの振動を制御するモールド振動制御器と、モールド内湯面レベルを計測する湯面レベル計とを有し、
    前記モールド振動制御器は、前記湯面レベル計の計測値を入力して、該入力値に基づいて前記モールドの振動基準位置を調整することを特徴とするモールド湯面レベル制御装置。
  4. 前記湯面レベル計の計測値を入力して、スライディングノズルの開度を調節するスライディングノズル開度調整装置を備えたことを特徴とする請求項3記載のモールド湯面レベル制御装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載のモールド湯面レベル制御装置を備えてなることを特徴とする連続鋳造機。
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