以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。図1は本発明の第一実施例におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図である。
パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の外枠6と、遊技盤3を支持した形で外枠6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカ(図示せず)を有する放音装置12が夫々に配設されている。そして、前扉7の上部における両放音装置12,12の間には、演出用照明装置8が配設されている。なお、外枠6及び前扉7等により遊技機本体である遊技機枠1aが構成されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を外枠6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、不図示の発射装置によって打ち出された遊技球を遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及び返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央部左方には、該皿ユニット16上の遊技球を球発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央部下方には、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。また、皿ユニット16の中央上方には、遊技参加ボタンとして機能する押しボタン装置50が配設されている。
また、前扉7における皿ユニット16の右側下方には、上記球発射装置を操作して遊技球を遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、台座部15と灰皿21とが配設されている。
遊技領域3aの中央部分には、ステージSを有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の下部左右には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド(始動口ソレノイド27c)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を(図1中ではアタッカー5により閉じられた大入賞口5aに)入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回(つまり、15ラウンド)繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の四方に風車31が夫々配設されており、ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、スルーゲート32が配設されている。このスルーゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための普通図柄抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおけるスルーゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、センター飾り23のステージSから零れた遊技球や、発射されてからステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、その中央部に、遊技盤3側に固定された画像表示装置35を露出する開口36を有し、左上部にワープ導入口37を有し、開口36の下側に上記ステージSを有し、該ステージSの下側に、ステージS上で転動して該ステージSの所定位置の落下孔(図示せず)に落下した遊技球を始動チャッカー27に向け放出する放出口49を有している。ワープ導入口37に対向するように、一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、ステージSを介して入球させ又はステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図2を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
すなわち、図2に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、演出表示制御部280、主制御部200、及び払出制御部230がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板42が取り付けられており、この外部端子板42の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御部250がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施の形態における押しボタン装置50の主要部の構造と作用を図3〜図10に基づいて説明する。図3は、押しボタン装置50の被押圧部材51、弾性支持部材61、及び押しボタン基板71を抜き出して示すものである。図3に示すように、押しボタン装置50の被押圧部材51、弾性支持部材61、及び押しボタン基板71は互いに積層されており、被押圧部材51と押しボタン基板71との間に弾性支持部材61が介装されている。
これらのうち、被押圧部材51は、十字キー52と決定キー53とを有しており、十字キー52の中央部に決定キー53が内装されている。十字キー52は、八角形の板状のベース部54と、被操作部55とを有しており、ベース部54と被操作部55とは互いに結合されている。
被操作部55は、例えば2cm程度の厚みのブロック部55aと、ブロック部55aの基端側で張り出した八角形状のフランジ部55bとを有しており、フランジ部55bの外形寸法はベース部54と同程度に設定されている。そして、被操作部55は、フランジ部55bをベース部54に、端面を略面一に揃えた状態で重ね合わせ、図4に示すように、ベース部54の外周縁部に略等間隔で配置された四本のビス54a,…を介して、ベース部54と被操作部55とを連結している。なお、本実施例では、ブロック部55aとブロフランジ部55bとが一体に成形されているが、別体として連結する構造を採用してもよい。
ブロック部55aは、先端部55cをパチンコ機1の外側に向けて配置されており、ブロック部55aの先端部55cは、パチンコ機1の外観意匠の一部を構成している。また、先端部55cの表面はダイヤカット状に成形されており、十字状に互いに90度離間した四つの被操作面55d,…が、凹凸によって区画形成されているとともに、外側に張り出している。
図4に示すように、ベース部54の裏面には、互いに四本ずつの押圧用ピン56,…と、ストッパ57,…とが、ベース部54に対して略垂直に突設されている。押圧用ピン56,…とストッパ57,…とは、何れも真円状の断面を有する棒状に成形されており、その先端は軸線方向に対して略垂直な面となっている。また、これらのうち押圧用ピン56,…は、図5に示すように、ベース部54の八角形の一つおきの辺の略中央部に近付けて配置されており、互いに同心円上に位置している。そして、押圧用ピン56,…は、被操作部55の各被操作面55d,…に対応しており、対応する被操作面55d,…の略真裏に存在している。
ストッパ57,…は、押圧用ピン56,…と同心的に配置されるとともに、押圧用ピン56,…よりも幾分径の小さい同心円上に位置している。さらに、各ストッパ57,…の配置の位相は、押圧用ピン56,…に対して、略45度ずれている。また、各ストッパ57,…は、隣り合った二つのストッパ57,57が、双方から略等距離にある押圧用ピン56と組となって三角形の頂点を構成する位置関係を有している。そして、各ストッパ57,…のベース部54からの突出量は、押圧用ピン56,…に対して幾分(例えば1〜3mm程度)大きく設定されている。
なお、本実施例においては、押圧用ピン56,…及びストッパ57,…の径寸法は略等しく設定されているが、互いに異ならせてもよい。例えば、押圧用ピン56,…の径寸法をストッパ57,…の径寸法よりも大とする態様や、その逆に、ストッパ57,…の径寸法を押圧用ピン56,…の径寸法よりも大とする態様が考えられる。
図3〜図5に示すように、上記決定キー53は、十字キー52の中央部に位置しており、段付きの丸棒状に成形されている。さらに、決定キー53は、先端部53a及び基端部53bを十字キー53から露出させており、軸心方向に沿って進退が可能である。すなわち、決定キー53は、操作されていない通常時には先端部53aが、十字キー52の先端部55cから幾分(例えば1〜3mm程度)突出しているが、押圧操作された場合には、先端部53aが、十字キー52の先端部55cに対して略面一の状態、或いは幾分没入した状態となる。
また、決定キー53の基端部53bの径寸法は、押圧用ピン56,…及びストッパ57,…の何れに対しても大となっている。さらに、決定キー53の突出量は、通常は押圧用ピン56,…よりも幾分小さい程度となっているが、決定キー53の押圧操作に伴って増加し、押圧用ピン56,…に比べて同程度若しくは大となる。
上記弾性支持部材61は、シリコンゴム等の材質からなる白色半透明のもので、図3,図4、図6、及び図8〜図10に示すように、八角形の板状に成形された本体部61aと、八角形の一辺おきに形成された四つの垂壁部61b,…とを有している。また、本体部61aの、上記被押圧部材51と向かい合う面には、四つの十字キー用隆起部62,…が略等間隔で配置されており、これらの十字キー用隆起部62,…は、押圧用ピン56,…と対応した位置関係にある。さらに、各十字キー用隆起部62,…の中央部には、決定キー用隆起部63が配置されており、この決定キー用隆起部63は、決定キー53と対応する位置関係にある。
十字キー用隆起部62,…と、決定キー用隆起部63とは、互いに筒状の類似した構造を有しており、各々の先端部には、図8中に示すように、支持用凹陥部62a,…,63aが、開口している。そして、十字キー用隆起部62,…の支持用凹陥部62a,…には、十字キー52の押圧用ピン56,…が挿入されており、決定キー用隆起部63の支持用凹陥部63aには、決定キー53の基端部53bが挿入されている。
そして、弾性支持部材61は、各支持用凹陥部62a,…,63aに十字キー52の押圧用ピン56,…や決定キー53の基端部53bを受け入れた状態で、被押圧部材51を下方から支持している。さらに、このような支持状態において、弾性支持部材61の本体部61aと、被押圧部材51のストッパ57,…とは幾分(例えば1〜3mm程度)離間している。
本体部62の、上記被押圧部材51を支持した側とは逆側の面において、十字キー用隆起部62,…及び決定キー用隆起部63に対応する部位には、電極用凹陥部62b,…,63bが開口している。これらの電極用凹陥部62b,…,63bは、開放端から奥へ行くほど内周面が狭まるテーパー状に成形されており、この電極用凹陥部62b,…,63bの底部には、導電性の材質からなる電極層62c,…,63cが形成されている。
つまり、電極保持部材61においては、支持用凹陥部62a,…,63aと電極用凹陥部62b,…,63bとを隔壁62d,…,63dで仕切った筒状の可撓部62e,…,63eが形成されており、被押圧部材51の支持は、この可撓部62e,…,63eを介して行われている。
また、図4中に示すように、弾性支持部材61には、四つずつの位置決め用凸部64,…、及び矩形凹陥部65,…が設けられている。これらのうち位置決め用凸部64,…は、上記垂壁部61b,…の裏面側近傍に位置している。また、矩形凹陥部65,…は、十字キー52に対応した電極用凹陥部62b,…と、決定キー53に対応した電極用凹陥部63bとの間に配置されている。矩形凹陥部65,…は、後述する上記押しボタン基板71に実装されたチップ型LED72,…を収容するためのものであり、本体部61aの反対側の面に(表面)に矩形隆起部66を突設することにより、十分な寸法と容積が確保されている。なお、図8及び図10においては、矩形隆起部66,…の図示は省略されている。
押しボタン基板71は、ガラス布やエポキシ樹脂等の材質からなる基板本体71aの一方の面に、図7に示すように、四か所とその中央に配置された基板側電極部71b,…,71cが形成されており、これらの基板側電極部71b,…,71cは、弾性支持部材61に設けられた電極層62c,…,63cと対応する位置関係にある。また、中央に配置された基板側電極部71cと周囲の基板側電極部71b,…の各々との間には、四つのチップ型LED72,…が実装されている。さらに、周囲の基板側電極部71b,…の間の部位には四つの真円状の位置決め孔73が設けられており、これらの位置決め孔73,…は、弾性支持部材61の位置決め用凸部64,…と対応する位置関係にある。
そして、押しボタン基板71に弾性支持部材61が重ねられる際には、位置決め孔73,…に位置決め用凸部64,…が進入して弾性支持部材61の位置決めが行われるとともに、チップ型LED72,…が矩形凹陥部65,…に収容される。そして、基板側電極部71b,…,71cが、弾性支持部材61に形成された電極層62c,…,63cと所定の大きさの間隙を介して向かい合う。
また、図4に示すように、押しボタン基板71の裏面側には、コネクタ75が実装されるとともに、配線パターン76が描かれている。
上述のように、被押圧部材51、弾性支持部材61、及び押しボタン基板71によって、押しボタン装置50の主要部が構成されているが、この主要部はケーシング(図8及び図10中の符号80を参照)に収容され、パチンコ機1の皿ユニット16に装着される。すなわち、押しボタン装置50が皿ユニット16に装着される際には、ケーシング80を介して上記主要部が固定される。そして、被押圧部材51は、弾性支持部材61により支持された状態で、ケーシング80に対し所定の範囲のストロークをもって変位が可能となっている。
次に、上述の押しボタン装置50の作用について説明する。まず、図8に示す非操作の状態から、図10に矢印Bで示すように、上記十字キー52の所定方向(図中の右方向)を選択する押圧操作が行われた場合について説明する。
十字キー52の先端部55cの、決定キー53から偏倚した部位が押しボタン基板71の側に押されると、初動時には被押圧部材51が、十字キー用隆起部62,…と決定キー用隆起部63とにより支持されながら傾倒する。さらに、被押圧部材51は、決定キー53の基端部53bを、決定キー用隆起部63によって支持されながら、上記基端部53bを支点として押圧操作された方向に低くなるように傾倒する。
この際、弾性支持部材61は、可撓性を有しているので、決定キー用隆起部63を弾性変形させながら決定キー53の基端部53bの動きに追従し、被押圧部材51の上記基端部53bを支点とした動きを支える。また、押圧操作された方向に対応する押圧用ピン56は、支持用凹陥部62a内において、隔壁62dに接近するよう変位する。
さらに、被押圧部材51の傾倒が進むと、押圧用ピン56に隣接した二本のストッパ57,57が弾性支持部材61の本体部61aに接近して到達し、本体部61aを圧迫する。さらに、二本のストッパ57,57を支点として被押圧部材51の傾倒が進み、四つの十字キー用隆起部62,…と、一つの決定キー用隆起部63による被押圧部材51の拘束を維持したまま、ストッパ57,57を含めた被押圧部材51の支持が行われる。そして、決定キー53の基端部53bには、二本のストッパ57,57(を結んだ線)を支点として、それまでとは逆もモーメントが作用するようになり、ストッパ57,57と押圧用ピン56との三点による支持の割合が増加する。
また、二本のストッパ57,57が弾性支持部材61に接触した後には、弾性支持部材61の本体部61aが圧迫され、本体部61aに二点のスポットが弾性的に形成される。また、下降する押圧用ピン56が、対応する可撓部62eの隔壁62dに接近し、更には隔壁62dを押して弾性変形させ、隔壁62dの裏側に位置する電極層62cを、対向する基板側電極部71bに接触させる。これにより、十字キー52の押圧操作に応じた方向が導通してON状態となる。
ここで、図10においては、押圧された方向に対応する十字キー用隆起部62(及び可撓部62e)が樽状に拡径した状態を示しているが、押圧された際の位置、方向、力加減等の諸条件によっては、全体として円弧状に湾曲する場合等もある。
一方、図示しないが、決定キー53が押圧操作された場合には、決定キー53が軸方向に変位し、決定キー53の基端部53bが、決定キー用隆起部63の隔壁63dに接近し、更には隔壁63dを押して、十字キー52の場合と同様に、隔壁63dの裏側に位置する電極層63cを対向する基板側電極部71cに接触させる。この際、被押圧部材51は、四つの十字キー用隆起部62,…と、一つの決定キー用隆起部63により支持されており、被押圧部材51は、軸方向(鉛直方向)及び水平方向に拘束されている。これにより、決定キー53の押圧操作に応じた方向が導通してON状態となる。
さらに、十字キー52への押圧を止めた場合には、可撓部62e,…,63eがその弾性復元力により元の形状を回復し、被押圧部材51が水平な状態に復帰する。
以上説明したような押しボタン装置50によれば、被押圧部材51を弾性支持部材61により弾性的に拘束しているので、被押圧部材51を適度な剛性、柔軟性、及び反発力をもって安定した状態で支持できるとともに、被押圧部材51が不安定な向きに傾くことを防止できる。そして、入力にばらつきがなく、操作感に優れた押しボタン装置50を提供することが可能になる。
すなわち、例えば十字キー52が遊技者の意に反して所望の方向からずれた方向に押圧操作された場合であっても、弾性支持部材61により被押圧部材51が拘束されているので、隣の方向に被押圧部材51が流れて所謂斜め押しが生じることを防止できる。
さらに、ストッパ57,…が併用されているので、弾性支持部材61の可撓部62e,…,63eが倒れて座屈したような場合であっても、二本のストッパ57,57により、対応する押圧用ピン56の近傍に支点を形成でき、この支点によって、遊技者の所望の方向への傾倒をガイドすることができる。そして、二本のストッパ57,57が弾性支持部材61に接して機能し始めた後には、十字キー52の変位方向が明確に定まり、被押圧部材51の操作性が一層向上する。
また、決定キー53が操作される場合に、遊技者の手のひらや拳などによって、比較的広い面積に対して押圧操作が行われたとしても、筒状の可撓部62e,…,63eによって十字キー52の没入や傾倒が規制され、十字キー52の変位は最小限に抑えることができる。したがって、決定キー53の選択性を高めることができ、十字キー52が追従して遊技者の望まない方向の入力(誤入力)が発生してしまうことを防止できる。そして、誤入力を防止できることにより、遊技者による押圧操作が無効となる回数を低減でき、押しボタン装置50の耐久性を向上することが可能となる。
なお、本実施例において、被操作時の被押圧部材51の支持は、五つの可撓部62e,…,63eにより行われているが、可撓部の数を幾つとするかは、それぞれの可撓部の太さや肉厚、或いは材質の特性等の要因によって決定できる。したがって、例えば、決定キー53用の可撓部63eの直径や肉厚等を増やし、可撓部63eの剛性を高めることにより、決定キー53用の可撓部63eのみで被押圧部材51を支持し、他の可撓部62eを省略することも可能である。このような構成を採用する場合には、周囲のチップ型LED72,…を省略したり、一層小型化したり、より外側に配置したりすることにより、決定キー53用の可撓部63eの大径化が容易になる。また、十字キー52用の可撓部62eを省略することにより、チップ型LED72,…の配置の自由度も高まる。
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置について、図11に基づいて説明する。図11は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図11に示すように、電子制御装置は、主制御部200と、その主制御部200に接続された副制御部230、260、280とを含んで構成されている。副制御部は、払出制御部(賞球制御部)230、演出制御部260及び演出表示制御部280から構成される。主制御部200は主制御基板200aを備え、副制御部230、260及び280は周辺制御基板として払出制御基板230a、演出制御基板260a及び演出表示制御基板280aをそれぞれ備えている。これらの各制御基板や、その他の基板(電源基板、中継基板、駆動基板、装飾基板、アンプ基板など)は、パチンコ機1の裏面側に配置される。
各制御部200、230、260、280には、(上記電源ユニット41を介して)図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリセット信号が各制御部200、230、260、280に送信される。なお、本実施例のパチンコ機1は、電源断時に主制御部200及び払出制御部230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御部200及び払出制御部230のRAMデータが保持される。
主制御部200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御部230、260、280に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御部230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御部200を構成する主制御基板200aのCPU200bは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御部200は、CPU200bが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定(大当たり抽選)を行う当否判定手段を構成している。また、主制御部200のCPU200bは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから特定の変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御部200のCPU200bの制御周期は2msに設定されている。
主制御部200には、盤面入力中継部201と盤面出力中継部202とを有する遊技盤接続基板203が接続されている。盤面入力中継部201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ32s、始動口入球検知スイッチ27s、大入賞口入球検知スイッチ5sが接続されており、これらの信号が主制御部200に入力するように構成されている。盤面出力中継部202には、特別図柄表示装置51、始動口ソレノイド27c、大入賞口ソレノイド5cが接続されており、主制御部200からの制御信号が出力される。
払出制御部230を構成する払出制御基板230aは、主制御部200のCPU200bと同様の構成を有するCPU230bを備えている。払出制御部230には、発射制御部250、CRユニット38等が接続されている。主制御部200から払出制御部230には、賞球払出を指示する賞球指示コマンド、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
払出制御基板230aのCPU230bは、主制御部200からの賞球指示コマンドを受信すると、そのコマンドが示す賞球数に基づいて、パチンコ機1の裏面側に設けられた遊技球払出装置(賞球装置46)の払出モータを回転駆動することにより、指定された賞球数分の遊技球の払い出し(賞球払出)を行う。この遊技球の払い出し(賞球払出)は、パチンコ機1の裏面側上部に設けられ賞球タンク43に貯留された遊技球を、遊技球レールを介して遊技球払出装置(賞球装置46)に供給し、その供給された遊技球を遊技球払出装置(賞球装置46)の払出モータの回転駆動により排出することで行われる。
演出制御部260は、遊技の進行に伴って実行される各種演出を制御する演出制御手段(進行管理用制御手段)を構成しており、演出制御基板260aにはCPU260bや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御部200に接続されている。演出制御部260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音の制御、及び画像表示装置35による図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御部200から演出制御部260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御部200から演出表示制御部280には、演出制御部260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。演出制御部260から演出表示制御部280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
演出制御部260には、演出表示制御部280が接続されている。演出表示制御基板280aには、CPU280b、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいて演出制御基板260に接続されている。演出表示制御部280には画像表示装置35(演出表示装置)が接続されている。演出表示制御部280は、CPU280bがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして画像表示装置35の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御部280のROMには、画像表示装置35で表示される演出用図柄の画像データ(前述した変動演出に関する画像データなど)が複数格納されている。
演出制御部260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262(上記演出用照明装置8,11を構成する)が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、演出制御部260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10d(上記放音装置12を構成する)が接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、演出制御部260には、押しボタン基板71が接続されている。
演出制御部260は、主制御部200や演出操作検出センサ104からの各種指令(変動パターン指定コマンドの受信、演出ボタン操作信号の入力など)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、画像表示装置35での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
上記電源ユニット41には、交流(AC)24Vの電源が接続されている。また、電源ユニット41には、直流(DC)32V、DC12V、DC5V等の電源信号を生成する電源基板(図示しない)が備えられており、この電源基板により生成された電源信号は、主制御部200、払出制御部230、演出制御部260、演出表示制御部280などに供給される。
次に、本パチンコ機1における基本的なゲーム性について説明する。すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
遊技領域3aに打ち出された遊技球の一部がワープ導入口37に入球すると、その遊技球はステージS上に放出された後、該ステージSの傾斜に沿って転動し、或るものはそのまま遊技領域3aに落下し、或るものは放出口49から始動チャッカー27に向けて放出され、高い入賞確率(略100%)で該始動チャッカー27に入賞する。
ところで、始動チャッカー27に入賞した場合、その時点での保留球数が所定数未満であれば、乱数カウンタを用いた大当たり抽選が行われるが、該抽選で当選した場合、更に、大当たりの種別に対応する変動パターンが決定される。これにより、画像表示装置35に表示される当たり図柄がセットされる。一方、大当たり抽選で外れた場合には、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定され、画像表示装置35に表示される外れ図柄がセットされる。
そして、画像表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号に基づき、該画像表示装置35が駆動され、大当たり抽選結果に関する内容等が演出表示される。画像表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、アタッカー5が開放され、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定ラウンド数だけ繰り返される。この大当たり遊技(特別遊技)により、アタッカー5(詳しくは、アタッカー5により閉じられていた大入賞口5a)に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が、球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる。
また、本実施例においては、画像表示装置35での図柄表示の他に、上記特別図柄表示装置51での特別図柄表示が行われている。すなわち、主制御部200で行われる大当たり抽選や小当たり抽選の結果を直接的に報知するための特別図柄の変動停止表示は、特別図柄表示装置51で行われ、特別図柄の表示を基準として演出を付加した演出図柄の変動停止表示が、上記画像表示装置35で行われる。
そして、大当たりの抽選結果の報知は、特別図柄表示装置51及び画像表示装置35の双方を用いて行われる。また、小当たりの報知や、高確率状態やその他の遊技者にとって通常よりも有利な状態にあることの報知等は、全く或いは一定の期間、画像表示装置35では行われない場合があるように、演出制御が行われる。
また、通常時は押しボタン装置50の操作が無効となっているが、ボタン演出中は押しボタン装置50の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。また、ボタン操作有効期間中は、押しボタン装置50の操作が有効となっている旨を遊技者に報知し、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すボタン操作促進演出が行われる。このボタン操作促進演出は、例えば画像表示装置35の表示領域で押しボタン装置50の図柄を表示することにより実施できる。
本実施例では、ボタン演出が開始されて画像表示装置35の画面上に複数の情報画像が選択肢として表示される場合があり、この場合には、押しボタン装置50が有効となる。そして、遊技者が押しボタン装置50の十字キー52を操作し、画面上に表示されたカーソルを移動させて、所望の選択肢にカーソルを合わせる。さらに、所望の選択肢にカーソルがあった状態で決定キー53を押圧操作することで、当該選択肢が選択される。この選択肢としては、演出モード、演出上の登場人物、クイズの出題への回答などがある。
また、本実施例では、押しボタン装置50の別の用途として、演出上の登場人物の進行方向を遊技者が決定するものがある。すなわち、画面上に登場人物と周辺の風景が表示され、遊技者が十字キー52によって指定した方向に登場人物が走る等の動作を行う。そして、登場人物が在る建屋の前に到達したときに決定キー53を操作することで、その建屋に進入する様子が表示される。この場合には、登場人物の進行方向を示す情報画像(矢印や通路の画像など)が選択肢となる。
さらに、本実施例では、十字キー52で登場人物を移動させるとともに、他の登場人物と出会った場合に、決定キー53を繰り返し押圧して連打し、登場人物同士を戦わせる演出も設定されている。さらに、相手を追いかけながら攻撃するような場合には、十字キー52と決定キー53の双方を織り交ぜた操作が行われる。そして、この場合には、技の種類、打撃技を加える位置等が選択肢となる。
なお、一つの演出において必ずしも十字キー52と決定キー53との双方を用いる必要はなく、例えば画像表示装置35の画面上に「ボタンを押せ」等のメッセージを表示し、遊技者がメッセージ通りに例えば決定キー53を押した場合には、登場人物が現在の遊技モードを暗示するようなセリフを発する演出も行われている。
また、近年、遊技者とサービス提供事業者がインターネット等の公衆通信回線を通じて双方向にデータを送受信し、大当たりを獲得した遊技者等に対し、サービス提供事業者から携帯通信端末の待ち受け画像を提供したり、パチンコ機1における演出内容を異ならせたりするサービスが存在するが、本実施例のパチンコ機1は、後述するように、このようなサービスにも対応している。
また、これら以外にも、演出図柄の変動表示中(図柄変動演出の実行中)に、確変昇格演出(パチンコ機1の状態が高確率な状態に変化したことを、演出表示を伴い所定時間をかけて報知するような演出)において、押しボタン装置50を用いるボタン演出が行われる。ボタン演出としては、例えば演出図柄の変動表示過程で行われるリーチ演出中に、押しボタン装置50の操作により、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行う演出等が挙げられる。
そして、これらの演出やサービスに関係して行われる押しボタン装置50の操作は、単発的なものだけでなく、連続して誤りのない的確な選択を行いながら十字キー52や決定キー53を操作しなければならないものも含まれる。そして、本実施例の押しボタン装置50は、誤入力を生じ難い構成のものであるので、このような押圧操作を断続的に繰返し行うような操作態様により適している。また、選択に制限時間を設け、制限時間内での正確な入力を求めることにより、押しボタン装置50を一層有効に活用することができる。
次に、本実施例のパチンコ機1の基本的な制御内容をフローチャートに基づいて説明する。図12は、主制御部200のCPU200bが、CPU200bに内蔵されるROMあるいは主制御基板200aに搭載されるROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図12に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリセットされる毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリセットが発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。
電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
普通図柄遊技処理S300では、まず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄表示装置40にて普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次に、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる(始動チャッカー27を開放状態とする)。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の変動表示および停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、始動チャッカー27を作動させる処理を行う。始動チャッカー27が作動すると、一対の翼片部が左右に開動作して、始動チャッカー27が開放状態となる。
普通電動役物遊技処理S400では、始動チャッカー27を開放状態に維持する開放時間が経過したか否かを判定し、開放時間が経過していない場合には、始動チャッカー27に規定入賞数の入賞があったか否かを判定する。開放状態にある始動チャッカー27に規定入賞数の入賞があったと判定されるか、開放状態にある始動チャッカー27の開放時間が経過していると判定された場合には、一対の翼片部が閉動作して、始動チャッカー27は通常状態(閉鎖状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図13〜図15のフローチャートに基づいて説明する。図13に示すように、まず、始動チャッカー27の始動口に入賞したか否かを判定し(S501)、始動口に入賞していないと判定された場合には(S501:NO)、S505の処理に移行する。一方、始動口に入賞したと判定された場合には(S501:YES)、特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S502)。この結果、特別図柄保留数が4未満でないと判定された場合には(S502:NO)、S505の処理に移行する。一方、特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄用乱数を取得して記憶する(S503)。特別図柄用乱数は、特別図柄当否判定用乱数、特別図柄の当り図柄決定用乱数(特別図柄決定用乱数)、リーチ乱数などからなる。これにより、特別図柄保留数が1増加する。
次に、大当たり遊技中であるか否かを判定する(S505)。この結果、大当たり遊技中であると判定された場合には(S505:YES)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、大当たり遊技中でないと判定された場合には(S505:NO)、特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S506)。この結果、特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、後述のS510の処理に移行し、特別図柄が変動中でないと判定された場合には(S506:NO)、特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S507)。この結果、特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S507:YES)、後述のS514の処理に移行し、特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S507:NO)、特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S508)。
この結果、特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S508:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S508:NO)、特別図柄変動表示処理を行う(S509)。ここで、特別図柄変動表示処理を図15のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御部200のRAMの所定領域(保留記憶領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数(始動口への遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S509a)、特別図柄当否判定を行う(S509b)。特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当たりとなる確率を通常よりも高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常遊技中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当たりとなる確率を低くした通常の状態(通常確率状態)で当否判定を行う。
次に、当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S509c)。この結果、大当たりであると判定された場合には(S509c:YES)、大当たり変動パターンテーブルをセットし(S509d)、変動パターン決定乱数を取得し、主制御部200のRAMの所定領域に記憶されている当り図柄決定用乱数(始動口への遊技球入球時に取得された特別図柄決定用乱数)を読み出す(S509e)。
一方、外れであると判定された場合には(S509c:NO)、リーチ演出を伴う外れである否かを判定する(S509f)。この結果、リーチ演出を伴う外れである場合には(S509f:YES)、リーチあり外れ変動パターンテーブルをセットし(S509g)、リーチ演出を伴わないリーチ外れである場合には(S509f:NO)、リーチなし外れ変動パターンテーブルをセットする(S509h)。そして、変動パターン決定乱数と外れ図柄決定乱数を取得する(S509i)。
次に、特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S509j)。特別図柄の変動パターンは、S509eまたはS509iで取得した変動パターン決定乱数を用いて、S509d、S509g、S509hの何れかの処理でセットした変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。特別図柄の停止図柄は、S509eで読み出した当り図柄決定乱数またはS509iで取得した外れ図柄決定乱数を用いて特別図柄の停止図柄を確変大当たり図柄、通常大当たり図柄、外れ図柄の何れかに決定する。
次に、S509jで決定された停止図柄および変動パターンに従って、特別図柄表示装置51で特別図柄の変動表示を開始し(S509k)、演出制御部260に特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドを送信する(S509l)。特別図柄の変動パターン指定コマンドは、S509jで設定された特別図柄の変動パターンを指定するコマンドであり、特別図柄の停止情報指定コマンドは、特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
次に、特別図柄保留数を1減算し(S509m)、この1減算を示す特別図柄保留数コマンドを演出制御部260に送信する(S509n)。
次に、図13に戻り、上記S506で特別図柄が変動中であると判定された場合には(S506:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(図14のS510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動を停止し(S511)、図柄停止コマンドを演出制御部260に送信し(S512)、特別図柄の停止図柄表示時間を設定する(S513)。図柄停止コマンドを受け取った演出制御部260は、画像表示装置35における演出図柄の変動表示を停止させる。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S514:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S514:YES)、特別図柄の停止図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する(S515)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当たり図柄であると判定された場合には(S515:YES)、大当たり遊技(特別遊技)フラグをONにセットする(S516)。これにより、大当たり遊技(特別遊技)が開始する。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S517)、確変フラグがONであると判定された場合は(S517:YES)、確変フラグをOFFにセットし(S518)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S519)、開放延長フラグをOFFにセットする(S520)。これにより、大当たり遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S517:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S521)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S521:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S521:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S519)、開放延長フラグをOFFにセットする(S520)。これにより、大当たり遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
上記S515の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当たり図柄でない(外れ図柄である)と判定された場合には(S515:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S522)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S522:NO)、そのまま特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S522:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S523)、変動回数が予め設定された変動回数(本例では100回)に到達したか否かを判定する(S524)。
この結果、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達していないと判定された場合には(S524:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達したと判定された場合には(S524:YES)、変動短縮フラグをOFFにセットし(S525)、開放延長フラグをOFFにセットする(S526)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図16のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当たり遊技中であるか否かを判定し(S601)、大当たり遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、大当たり遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口5aが開放中であるか否かを判定する(S602)。この結果、大入賞口5aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口5aの開放時間が経過したか否かを判定する(S603)。この結果、大入賞口5aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口5aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口5aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口5aに最大入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口5aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口5aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口5aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当たり遊技のラウンド数が所定の最高継続ラウンド数(本実施例では15ラウンド)に達したか否かを判定する(S606)。この結果、大当たり遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口5aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口5aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口5aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口5aを開放させる(S608)。
上記S606で、大当たり遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していると判定された場合には(S606:YES)、大当たり遊技フラグをOFFに設定して大当たり遊技を終了する(S609)。そして、今回の大当たり遊技の開始契機となった特別図柄当否判定の結果(停止表示された大当たり図柄の種類)が確変大当たりか否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当たりである(停止表示された大当たり図柄が確変大当たり図柄である)と判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONにセットし(S611)、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、確率変動機能、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
一方、S610の判定処理で特別図柄当否判定が確変大当たりでない(通常大当たりである)と判定された場合には(S610:NO)、変動短縮フラグをONにセットし(S612)、開放延長フラグをONにセットする(S613)。これにより、変動時間短縮機能、開放時間延長機能が作動開始する。
次に、演出制御部260が主体となって行う図柄変動演出処理について説明する。図17及び図18は、演出制御部260(演出制御基板260aのCPU260b)が、CPU260bに内蔵されるROMあるいは演出制御基板260aに搭載されるROMに格納されたプログラムに基づいて実行する図柄変動演出処理の流れを示すフローチャートであり、この処理は演出制御部260が実行する図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。
まず、図17に示すように、S509lの処理(図15参照)で主制御部200が送信する図柄変動開始時コマンド(特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンド)を受信したか否かを判定する(S700)。この結果、図柄変動開始時コマンドを受信していないと判定された場合には(S700:NO)、図柄変動開始時コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、図柄変動開始時コマンドを受信していると判定された場合には(S700:YES)、特別図柄当否判定の結果が大当たりであるか否かを判定する(S701)。特別図柄当否判定の結果が大当たりであるか否かは、停止情報指定コマンドで指定される特別図柄の停止図柄の種類に基づいて判断することができる。
この結果、特別図柄当否判定の結果が大当たりであると判定された場合には(S701:YES)、演出図柄の当たり演出パターンと当たり停止図柄を決定する(S702)。一方、特別図柄当否判定が外れであると判定された場合には(S701:NO)、演出図柄の外れ演出パターンと外れ停止図柄を決定する(S703)。なお、これらのS702またはS703の演出パターン決定処理で、振動演出を伴うボタン演出を含む演出パターンであるか否かを決定する構成とすることも可能である。
そして、S702またはS703で決定した演出パターンを示す演出パターン指定コマンドと演出図柄の停止図柄を示す停止図柄指定コマンドを演出表示制御部280に送信する(S704)。演出表示制御部280は、演出パターン指定コマンドと停止図柄指定コマンドに基づいて、画像表示装置35の表示領域で演出図柄の変動表示を開始する。ボタン演出を含む演出パターンの場合には、ボタン演出の開始タイミングとなったらボタン演出の開始画面を表示する。
次に、変動パターン指定コマンドで指定される演出パターンが押しボタン装置50を用いるボタン演出を伴うものであるか否かを判定する(S705)。この結果、ボタン演出を伴わないと判定された場合には(S705:NO)、S722の処理に移行する。一方、ボタン演出を伴うと判定された場合には(S705:YES)、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングであるか否か、つまりボタン操作有効化期間の開始時期が到来したか否かを判定する(S709)。この結果、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングでないと判定された場合には(S709:NO)、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングになるまで待機状態となる。一方、押しボタン装置50の操作を有効化するタイミングが到来したと判定された場合には(S709:YES)、押しボタン装置50の操作を有効化する(S710)。
この押しボタン装置50の操作有効化(ボタン操作有効期間の開始)に伴って、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すボタン操作促進演出を行う。ボタン操作促進演出では、例えば画像表示装置35の表示領域に押しボタン装置50の図柄を表示したり、押しボタン装置50に内蔵されたLED(72,…)を点灯又は点滅させたりすることで、遊技者に押しボタン装置50の操作を促すことができる。
さらに、十字キー52の傾倒方向とチップ型LED72,…の駆動との対応付けが行われており、例えば画像表示装置35に表示された演出の内容に応じ、十字キー52の遊技者に操作させたい方向に対応したチップ型LED72を選択駆動し、遊技者に十字キー52の操作方向をガイドする。
次に、図18に示すように、押しボタン装置50が操作されたか否か(演出操作検出センサ104の操作信号がONであるか否か)を判定する(S711)。この結果、押しボタン装置50が操作されていないと判定された場合には(S711:NO)、押しボタン装置50の操作を無効化するタイミングであるか否か(ボタン操作有効期間が経過したか否か)を判定する(S712)。この結果、押しボタン装置50の操作を無効化するタイミングでないと判定された場合には(S712:NO)、S711の判定処理に戻り、押しボタン装置50の操作を無効化するタイミングであると判定された場合には(S712:YES)、S721の処理(押しボタン装置50の操作無効化)に移行する。
次に、S711の判定処理で、押しボタン装置50が操作されたと判定された場合には(S711:YES)、ボタン演出指定コマンドを演出表示制御部280に送信する(S713)。演出表示制御部280は、画像表示装置35の表示領域でボタン演出を開始する。
次に、押しボタン装置50の操作が解除されたか否か(演出操作検出センサ104の操作信号がOFFであるか否か)を判定する(S717)。この結果、押しボタン装置50の操作が解除されていないと判定された場合には(S717:NO)、S717の判定処理に戻る。一方、押しボタン装置50の操作が解除されたと判定された場合には(S717:NO)、演出ボタン無効化の処理(S721)に移行する。
次に、S512の処理(図14参照)で主制御部200が送信する演出停止コマンドを受信したか否かを判定する(S722)。この結果、演出停止コマンドを受信していないと判定された場合には(S722:NO)、演出停止コマンドを受信するまで待機状態となる。一方、演出停止コマンドを受信していると判定された場合には(S722:YES)、演出停止コマンドを演出表示制御部280に送信する(S723)。これにより、演出表示制御部280は、演出図柄を用いた変動表示演出を終了する。
また、本実施例のパチンコ機1において、チップ型LED72,…を用いたり、押しボタン装置50に振動モータを組み合わせることによって、疑似連続予告における信頼度報知を行うことも可能である。この報知パターンにおいては、例えば一回の特別図柄の変動停止表示について、画像表示装置35において、複数の特別保留を跨いで連続した信頼度の高い各種予告が行われているように疑似的な連続予告(疑似連続予告)演出が実行される場合に、振動強度切換演出が関連付けられる。
すなわち、疑似連続予告演出中に、遊技者に対して押しボタン装置50を操作するよう促す演出表示(例えば「ボタンを押して下さい」等のメッセージ表示)が行われ、疑似的な各回の予告演出毎に、押しボタン装置50の状態を、発光色を段階的に変化したり、「振動なし」、「弱振動あり」、「強振動あり」の順に変化させたりする。この押しボタン装置50の状態の変化は、疑似連続予告の進行と大当たり信頼度等と対応付けられており、特定の発光色や「強振動あり」の状態となった場合には、大当たり信頼度等が高い状態となっている。
また、振動切換演出における他の報知パターンとして、ステップアップ予告報知パターンが設定されている。この報知パターンにおいては、例えばリーチ演出の内容が、装飾の度合や物語のストーリー展開等の面で、徐々に発展してステップアップしていく場合に、振動強度切換演出が関連付けられるものである。この場合においても、押しボタン装置50の状態は順次変化するが、この押しボタン装置50の状態の変化は、リーチ演出のステップアップの段階の変化に対応付けられている。
さらに、押しボタン装置50による他の報知パターンとして、確率状態報知が設定されている。本実施例において確率状態報知は、小当たり発生後や、大当たりの発生に伴う特別遊技の終了後に、そのときの大当たり確率状態が、高い状態(高確率状態)に変化したのか、或いは低い状態(通常確率状態)のままであるのかの区別を遊技者に報知するものである。また、本実施例においては、小当たり発生後や、大当たりの発生に伴う特別遊技の終了後に特定状態となり、この特定状態中には、画像表示装置35における図柄の変動表示時間が短くなる時短制御や、始動チャッカー27の開閉羽根の開放時間が長くなる開放延長制御が実行される。この時短制御及び開放延長制御は、同じ期間に双方が実行される場合や、何れか一方のみが実行される場合がある。
特定状態中において、画像表示装置35では確率状態報知が行われない場合がある。このため遊技者は、現在の確率状態が高確率であるのか通常確率であるのかを常に正確に把握できるわけではない。しかし、本実施例のパチンコ機においては、乱数抽選により、特定状態中に押しボタン装置50を用いて確率状態報知が行われる場合がある。
ラウンド昇格演出は、特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりまたは7ラウンド大当たりの場合に、演出図柄が7ラウンド大当たりに対応する図柄で停止表示して大当たり遊技が開始されたことを前提条件として行われる。特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりであっても、演出図柄が7ラウンド大当たりに対応する図柄で停止表示した後、ラウンド昇格演出で特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりであると報知された場合には、遊技者はあたかも特別図柄当否判定が7ラウンド大当たりから15ラウンド大当たりに昇格したような印象を受け、興趣が向上する。
あるいは、大当たり遊技中に、この大当たり遊技の終了後に確率変動機能が作動開始するか否かを報知する確変昇格演出を行う場合、この確変昇格演出でボタン演出を行い、確変昇格確定の場合に押しボタン装置を発光や点滅等させてもよい。確変昇格演出は、特別図柄当否判定の結果が確変大当たりまたは通常大当たりの場合に、演出図柄が通常大当たり図柄で停止表示して大当たり遊技が開始されたことを前提条件として行われる。特別図柄当否判定の結果が確変大当たりであっても、演出図柄が通常大当たり図柄で停止表示した後、確変昇格演出で特別図柄当否判定の結果が確変大当たりであると報知された場合には、遊技者はあたかも特別図柄当否判定が通常大当たりから確変大当たりに昇格したような印象を受け、興趣が向上する。
なお、上記の「ラウンド昇格演出」や「確変昇格演出」は、演出制御部260の制御により実行され、例えば画像表示装置35の画面表示を用いて行うことができる。確変昇格演出の具体的態様としては、例えば味方キャラクタと敵キャラクタの戦闘場面を表示し、味方キャラクタが勝利した場合に「ラウンド昇格」や「確変昇格」等と書かれた文字が現われる場面を表示することで、特別図柄当否判定の結果が15ラウンド大当たりであることや確変大当たりであることを示唆することができる。
図20〜図31は、本実施例のパチンコ機1と、例えば遊技者が所有している携帯電話等の携帯情報端末100と、遊技場外に設置されたサービス事業者のサーバーコンピュータ200とを用いて行われるサービスの一例を示している。本実施例において、パチンコ機1の演出制御部260は、以下の手段を備える。
先ず、演出制御部260は、遊技が行われていないとき、すなわち特別図柄が停止している状態において、押しボタン装置50の決定キー53が操作されたときに、画像表示装置35に、メニュー画面を表示するように制御する。図21は、メニュー画面の例を示す図である。図21の例では、メニューとして、「会員登録」、「パスワード入力」、「二次元コード表示」、「お気に入りペア設定」、及び「終了」の5つが設けられている。そして、演出制御部260は、これら5つの項目のうち、いずれか1が選択されたときは、さらにそのメニューに係る画面を画像表示装置35に画像表示するように制御する。
初めてパチンコ機1で遊技を行う場合には、遊技者は、会員登録を行う。図21のメニュー画面において「会員登録」が選択される(押しボタン装置50の十字キー52でカーソルを「会員登録」に配置するとともに、その位置でエンターキーが押される)と、演出制御部260は、図22に示すように、会員登録用の画面を画像表示するように制御する。この画面では、二次元コードを画像表示する(二次元コードを画像表示するためのデータは、予め演出制御部260に設けられている。)。
この二次元コードには、外部のサーバーコンピュータ200のウェブサイトのURL(ユニフォームリソースロケータ;ウェブページのアドレス)の情報が含まれている。そして、遊技者は、携帯通信端末100のカメラによってこの二次元コードを読み取る。これにより、携帯通信端末100のディスプレイ101には、サーバーコンピュータ200のURLが表示される。
そして、表示されたURLを指定すれば、携帯通信端末100からサーバーコンピュータ200のウェブサイトにアクセスすることができる。サーバーコンピュータ200は、上記のようにして携帯通信端末100からアクセスがあると、そのときに送信されてきたデータに基づいて、会員登録の要求があったと判断する。そして、サーバーコンピュータ200は、会員登録のページを表示するデータを携帯通信端末100に送信する。
図23は、携帯通信端末のディスプレイに表示される会員登録のページの例を示す図である。図23に示すように、会員ID(称呼)、パスワード等の入力項目が表示されるので、遊技者は、これらの必要項目を入力した後、登録ボタンを押す。これにより、入力された会員の情報がサーバーコンピュータ200に送信される。サーバーコンピュータ200は、この情報を受信すると、記憶装置内において、登録された会員専用の記憶領域を確保し、これらの情報をこの記憶領域に記憶する。
ここで、サーバーコンピュータ200は、入力された会員ID及びパスワードが、他の会員ID及びパスワードと照合して、(双方が同時に)一致しないか否かを判断する。既にその会員ID及びパスワードが存在する場合には、その会員ID及びパスワードは使用できないので、再度、異なる会員ID又はパスワードを入力して欲しい旨のデータを携帯通信端末100に送信する。また、サーバーコンピュータ200は、入力された会員IDが適切であるか否か、特に本実施形態では公序良俗に違反していないか否かを判断する。ここでは、サーバーコンピュータ200に、公序良俗に違反する文字列が予め登録(記憶)されており、入力された会員IDがこれらの文字列を含むか否かが判断され、公序良俗に違反すると判断したときは、サーバーコンピュータ200は、再度、異なる会員IDを入力して欲しい旨のデータを携帯通信端末100に送信する。
一方、入力された会員ID及びパスワードが、他の会員ID及びパスワードと重複せず、かつ会員IDが公序良俗に違反していないと判断されたときは、サーバーコンピュータ200は、この会員専用のパスワードを発行し、それを携帯通信端末100に送信する。ここで発行されるパスワードは、会員ID、この遊技者固有のURL、演出カスタマイズに係る情報(後述)、及び過去の遊技履歴(累積遊技回数等)を含むデータである。図24は、このときの携帯通信端末のディスプレイに表示される例を示す図である。このように、サーバーコンピュータ200は、携帯通信端末100のディスプレイに、発行されたパスワードと、会員登録が行われた旨、及び注意事項等を画像表示するように制御する。
次に、遊技者は、図22の表示画面において、「終了」をオンにする。この操作が行われると、演出制御部260は、再度、図21の画面を表示するように制御する。そして、遊技者は、このメニュー画面から「パスワード入力」を押しボタン装置50で選択する。この操作が行われると、演出制御部260は、図25に示すように、パスワード入力画面を画像表示するように制御する。そして、遊技者は、十字キー52と決定キー53とを使用して、サーバーコンピュータ200によって発行されたパスワードを入力する。
次いで、決定キー53を押すと、入力したパスワードがパチンコ遊技機1(演出制御部260)に読み取られる。また、「決定」が押されることで、演出制御部260は、再度、図21のメニュー画面に戻るように制御する。そして、遊技者により、この画面において「終了」が押されると、演出制御部260は、メニュー画面を終了し、遊技待機中のデモンストレーション画面を画像表示するように制御する。
一方、演出制御部260は、パスワードが入力されると、そのパスワードに基づいて、会員ID、遊技履歴、及び演出カスタマイズに係る情報を取得し、遊技中は、これらのデータを反映させるように制御する。演出制御部260は、入力されたパスワードから、会員ID、遊技履歴、演出カスタマイズに係る情報を特定するためのデータテーブルを有している。
本実施形態では、演出パターンの1つとして、画像表示装置35において特定の演出図柄の組み合わせが表示されて小当たりとなった場合に、大当たり信頼度の高い登場人物(キャラクタ)を告知する演出が設けられている。そして、この演出パターンが選択されると、登場人物を告知する場合に、会員IDを含んだ画像表示を行う。例えば、停止した演出図柄の組合せが「7」−「7」−「6」となって小当たりとなった場合に、「A(特定の登場人物の名前)を探せ!」等と画像表示する演出が予め設けられているとする。
この場合において、会員IDが「ヤマザキ」と登録されているときは、演出制御部260は、「ヤマザキ、A(特定の登場人物の名前)を探せ!」等のように画像表示を行うように制御する。すなわち、会員ID(称呼ないし名前)を、出力される演出の文字列に埋め込む制御を行う。
このような演出を出力することで、他のパチンコ機1との差別化を図ることができ、そのパチンコ機1がその遊技者専用のものであるかのような印象を与えることができる。
なお、上記の演出を行う場合において、「ヤマザキ、チャンスボタンを押せ!」等のように画像表示を行うこともできる。また、この他にも、最初は、「チャンスボタンを押せ!」という演出を画像表示し、遊技者によりチャンスボタン(本実施例では決定キー53)が押されたことを条件として、「ヤマザキ、A(特定の登場人物の名前)を探せ!」のような演出を出力することも可能である。
また、演出制御部260は、パスワードが入力されてからの遊技履歴(遊技情報)を所定のRAM等に記憶する。記憶する遊技履歴としては、トータルの遊技回数(スタート回数、ゲーム回数)や、特別遊技(大当たり)の実行回数等が挙げられる。
そして、遊技者は、遊技を終了するときは、遊技待機中(非遊技中)に、再度、決定キー53を操作して、図21に示したメニュー画面を画像表示装置35に画像表示する。
次に、遊技者は、決定キー53を用いて「二次元コード表示」の項目を選択する。この項目が選択されると、演出制御部260は、遊技の開始時に入力されたパスワード、パスワードが入力されてからの遊技履歴、及びこの遊技者固有のURLのデータを含む二次元コードを作成(生成)するように制御する。そして、演出制御部260は、作成した二次元コードを画像表示するように制御する。図26は、このときの画像表示例を示す図である。
次いで、遊技者は、画像表示された二次元コードを、携帯通信端末100のカメラで読み取る。これにより、携帯通信端末100には、読み取られた二次元コードに対応するURL(マイフォルダー、すなわちサーバーコンピュータに記憶された、その会員専用の記憶領域内のデータフォルダ)が表示される(図27)。
図27において、「マイフォルダー」のURLをオンすると、サーバーコンピュータ200にアクセスされ、サーバーコンピュータ200に記憶された、その会員固有のマイフォルダー内のデータ一覧が携帯通信端末に送信される。これにより、携帯通信端末100のディスプレイ101には、図28に示すようにマイフォルダー内の項目の情報が表示される。
図28において、遊技者が例えば「パスワード表示」を選択すると、それまでの会員の遊技履歴を反映した最新のパスワードが表示される(図29)。そして、ここで表示されたパスワードを、図21のメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、図25の画面に移行して入力すれば、前回の遊技履歴から遊技を開始することができる。すなわち、遊技者は、台を移動するときは、上述のようにして一旦、二次元コードを作成し、それに基づいて新たなパスワードを作成して、このパスワードを、次に遊技を行うパチンコ機1に入力することで、今までの遊技履歴を受け継いて遊技を行うことができる。
一方、演出制御部260は、図26の画面(二次元コード)を画像表示した後は、自動で、例えば20秒経過後に、この画面を終了して、初期画面(遊技待機画面)に戻るように制御する。したがって、遊技者は、図26に示す二次元コードを携帯通信端末100のカメラで読み取り、それをサーバーコンピュータに送信した後は、それ以後は特に何もせずに席を離れることができる。さらに、演出制御部260は、二次元コードを作成して画像表示した時、あるいは図26の画像表示の終了時に、それまでの遊技者に関する情報(RAMに記憶されている情報)を消去するように制御する。これにより、次にこの台で遊技を行う遊技者に対しては、それ以前の遊技者のデータが全く残らないので、プライバシー及びセキュリティ性が担保される。
また、演出制御部260は、例えば特別遊技の終了時に、抽選で、演出に登場するキャラクタのうち、いずれか一人の画像を選択して遊技者に付与するように制御する。付与された画像に係るデータは、遊技終了時に作成される二次元コードに含まれる。
そして、遊技者は、図28において、マイフォルダーの中から「特別遊技終了後イラスト」を選択すれば、図30に示すように、獲得したキャラクタのデータが一覧できる。図中、「?」は、まだ獲得していないキャラクタを示す。そして、獲得したキャラクタは、携帯通信端末の待受画面等に設定することも可能である。
さらにまた、図28のマイフォルダーの一覧において、「スタート、大当たり回数」を選択すると、図31に示すように、今までのゲーム回数や、大当たり当選回数が表示される。
このようなサービスに対応した本実施例のパチンコ機1によれば、遊技者は押しボタン装置50を介してサービスの提供を受けるのに必要な選択肢の選択や個人情報の入力を行うことができるので、例えば、パスワードのような一般に多数桁に及ぶ入力を、押しボタン装置50の構造的を原因による誤操作を生じることなく、円滑に行うことができる。したがって、遊技者が入力操作を行う必要のあるサービスを利用し易くなり、当該サービスを一層有効に活用できるようになる。また、押しボタン装置50によって多数桁のデータ入力を円滑に行えることから、パチンコ機1が遊技されていない状態の継続時間を短く抑えることができ、パチンコ機1の稼働の低下を防止することができる。
なお、上述のようなサービスにおいて、押しボタン装置50を用いて遊技者により選択される複数の画像情報による選択肢としては、例えば、図21に示されたメニュー画面の各メニュー項目、図25に示されたパスワード入力のためのアルファベットや数字などが挙げられる。
図19は、本願発明の第二実施例の要部を拡大して示している。本第二実施例においては、前述のボタン装置50の押圧用ピン56,…に代えて球面状の押圧突起91,…(一つのみ図示)が用いられている。この押圧突起91は、ベース部54に一体に成形されており、球面を弾性支持部材92の側に向けている。また、弾性支持部材92には、可撓部93が設けられているが、この可撓部93は先端を閉塞しており、第一実施例の可撓部62e(63e)に形成された支持用凹陥部63aを備えないものとなっている。そして、十字キー52が操作されて押圧突起91が可撓部93に接した際には、可撓部93は閉塞面93aによって押圧突起91の押圧力を受ける構成となっている。
すなわち、本第二実施例においては、第一実施例に比べて、可撓部93の変形を抑えており、このことによって、可撓部93の破損を防止している。そして、押圧する側を押圧突起91とすることにより、押圧する側の投影面積を拡大でき、可撓部93に加わる圧力を分散させることが可能となる。したがって、このことによっても可撓部93の破損を防止できる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。
上記実施例においては、弾性支持部材の材質にゴムを用いているが、同様な特性が得られればゴム材質に限定されるものではない。
また、上記実施例においては、十字キー52と決定キー53とを組み合わせたタイプの被押圧部材51が採用されているが、例えばタクトスイッチに本願発明の凸部や凹部、弾性支持部材等を適用することも可能である。
さらに、上記実施例においては、フォトセンサを用いずに入力を行うようにして押しボタン装置50の小型化を図っているが、大型化が許容される場合にはフォトセンサを採用し、被押圧部材の動きをフォトインタラプタにより検出するようにしてもよい。
また、上記各実施例では、遊技機としてパチンコ機1について説明したが、これに限らず、この他の遊技機。例えば、複数の回胴を所定の図柄の組合せが揃うように停止させ、遊技役の入賞が成立しているか否かによって遊技メダルが払い出されるという一連の遊技を行う回胴式遊技機(スロットマシン)にも適用可能である。