JP2013084690A - 発光ダイオードパッケージ、およびバックライト装置 - Google Patents

発光ダイオードパッケージ、およびバックライト装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光利用効率が高く、高い光学的均一性を有するバックライト装置に対応可能であり、製造が簡単である発光ダイオードパッケージ等を実現する。
【解決手段】発光ダイオードパッケージ100は、側面5a〜5dによる、LED素子2から射出された光のγ−α断面における配光角と、側面5a〜5dによる、LED素子2から射出された光のγ−β断面における配光角とが異なっている。側面5a〜5dは曲側面である。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードパッケージ、および該発光ダイオードパッケージを備えたバックライト装置に関する。
近年、例えば液晶表示装置のバックライト装置として、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)素子を用いたものが開発されている。
また、最近、液晶表示装置においては、薄型化が一層進んでいる。
上記液晶表示装置においては、液晶パネルモジュールに合わせて、バックライト装置の薄型化および軽量化が求められている。そして、液晶パネルモジュールの上下および左右の側面に、LEDパッケージ等の光源モジュールを配する構成の、いわゆるエッジライト方式のバックライト装置が、該薄型化に貢献している。
ここで、上記エッジライト方式のバックライト装置は、光源モジュールおよびその他の光学系における光利用効率が必ずしも良好でない上、射出光の光学的均一性も必ずしも良好でない。従って、上記エッジライト方式のバックライト装置においては、該光利用効率および光学的均一性を改善する必要がある。
LEDパッケージおよび/またはLEDパッケージを備えたバックライト装置における、光利用効率および/または光学的均一性を改善する技術として、特許文献1〜4に開示された技術が挙げられる。該改善により、該バックライト装置を備えた液晶表示装置における画質の向上を図ることが可能である。
特許文献1には、薄型かつ軽量の構成に対応する高い光利用効率の光源モジュールであって、高い光学的均一性を有するバックライト装置に対応する構成が開示されている。
特許文献1に係る光源モジュールは、基板に、凸レンズを搭載する光源ユニットと、凹レンズを搭載する光源ユニットとを混載した構成である。
特許文献2には、放出光の指向角の特性を改善し、かつ放出光量を増加させることができるバックライト装置に用いられるLEDパッケージが開示されている。
特許文献3には、円弧型の窪みの底部にLED素子を実装したパッケージの構成が開示されている。
特許文献4には、輝度や色度の光学的な均一性を確保することが可能なパッケージの構成が開示されている。
特許文献2〜4に開示されているパッケージは、底面にLED素子が設けられており、側面が底面から広がりを持つように傾斜した構成である。
特開2010−20097号公報(2010年1月28日公開) 特開2009−239321号公報(2009年10月15日公開) 特開2008−98555号公報(2008年4月24日公開) 特開2010−62305号公報(2010年3月18日公開)
特許文献1に開示されている光源モジュールでは、凸レンズまたは凹レンズが搭載された光源ユニットが複数個必要となる。この結果、該光源モジュールにおいては、各光源ユニットの構成が複雑となるため、製造が困難となるという問題が発生する。
特許文献2〜4に開示されているパッケージの構成では、LED素子からの射出光が、LED素子の射出方向およびその近傍において低い光度となり、該射出光の配光特性が、該射出方向およびその近傍において不均一となり易いという問題が発生する。
加えて、特許文献3および4に開示されているパッケージは、その構成が複雑であり、製造が困難であり、製造コストが高くなるという問題が発生する。
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたものであり、その目的は、光利用効率が高く、高い光学的均一性を有するバックライト装置に対応可能であり、製造が簡単である発光ダイオードパッケージ、およびそれを備えたバックライト装置を提供することにある。
本発明の発光ダイオードパッケージは、上記の問題を解決するために、開口部が設けられたパッケージ筐体と、発光ダイオード素子とを備えている発光ダイオードパッケージであって、上記開口部は、上記発光ダイオード素子が設けられており、矩形である底面と、上記底面を構成する各辺に接する4つの側面とにより構成されており、上記4つの側面は、上記底面における対辺の一方の組を構成する各辺に接する2つの上記側面である第1側面対と、上記底面における対辺の他方の組を構成する各辺に接する2つの上記側面である第2側面対とから成り、上記4つの側面は、上記底面に垂直な上記開口部の断面が上記底面から離れる程に大きくなるように設けられており、上記第1側面対を構成する各側面、および上記第2側面対を構成する各側面のうち、少なくとも一方は、上記底面に対する傾斜角度が、上記底面から離れる程に大きくなるように設けられており、上記底面に垂直であって、上記第1側面対を構成する上記側面のいずれかに接する上記底面の辺と平行な第1の断面と、上記底面に垂直であって、上記第2側面対を構成する上記側面のいずれかに接する上記底面の辺と平行な第2の断面とで、上記発光ダイオード素子から射出された光の配光角が異なっていることを特徴としている。
上記の構成によれば、第1側面対を構成する各側面および/または第2側面対を構成する各側面は、底面に対する傾斜角度が、底面から離れる程に大きくなっている。以下、該傾斜角度が、底面から離れる程に大きくなっている側面を「曲側面」とも称する。換言すれば、曲側面は、パッケージ筐体の外側に凸となるように膨らんだ側面である。
曲側面においては、発光ダイオード素子の射出光の配光角を極めて狭くすることが可能である。また、配光角が極めて狭い該射出光は、側面による反射が非常に少なくなり、屈折率が異なる物質への入射時における界面反射が少なくなるため、高い光度とすることができ、光利用効率も高いと言える。
そして、曲側面を適用することにより、発光ダイオード素子から射出された光の第1の断面における配光角と、発光ダイオード素子から射出された光の第2の断面における配光角との、一方を広くし、他方を狭くする。これにより、発光ダイオード素子から射出された光の配光特性を、射出方向およびその近傍において高い光度とすることができるので、該射出方向およびその近傍において不均一となりにくくすることが可能となる。
また、本発明の発光ダイオードパッケージは、開口部を設け、開口部の底面に発光ダイオード素子を設けるだけの簡素な構成で実現可能であるため、製造が容易であり、製造コストの低下も期待できる。
また、本発明の発光ダイオードパッケージの、上記第1側面対を構成する各側面、および上記第2側面対を構成する各側面のうち、少なくとも一方は、複合放物面であるのが好ましい。
上記の構成によれば、複合放物面により、曲側面を実現する。これにより、発光ダイオード素子から射出された光の第1の断面における配光角と、発光ダイオード素子から射出された光の第2の断面における配光角とを異ならせることが容易となる。
ところで、特許文献1に開示されている光源モジュールは、バックライト装置の導光板から距離d(例えば、5mm)離間して配置することが好適とされている。これにより、該光源モジュールと該導光板との間で、屈折率がこれらと大きく異なる領域が発生し、この結果、屈折率が大きく異なる異種物質間での光の反射に起因して、バックライト装置における光利用効率が悪化する虞があるという問題が発生する。
そこで、本発明の発光ダイオードパッケージは、上記開口部が樹脂で封止されているのが好ましい。
上記の構成によれば、開口部を樹脂で封止することにより、発光ダイオードパッケージと導光板との間で、屈折率がこれらと大きく異なる領域を少なくすることができる。この結果、バックライト装置における光利用効率が悪化する虞を低減することが可能となる。
また、本発明の発光ダイオードパッケージは、上記底面が散乱面であるのが好ましい。
上記の構成によれば、底面を散乱面とすることにより、さらなる光利用効率の向上を図ることが可能となる。
また、本発明のバックライト装置は、本発明の発光ダイオードパッケージを備えているのが好ましい。
また、本発明のバックライト装置は、導光板と、上記発光ダイオードパッケージから光が入射され、上記導光板に向けて光を射出するように設けられた蛍光体層とを備えているのが好ましい。
発光ダイオードパッケージからの射出光は配光角が好適に制御されているため、上記の構成によれば、色度の制御が容易となる。また、バックライト装置の構造を簡易化することが可能となり、生産性が向上する。
以上のとおり、本発明の発光ダイオードパッケージは、開口部が設けられたパッケージ筐体と、発光ダイオード素子とを備えている発光ダイオードパッケージであって、上記開口部は、上記発光ダイオード素子が設けられており、矩形である底面と、上記底面を構成する各辺に接する4つの側面とにより構成されており、上記4つの側面は、上記底面における対辺の一方の組を構成する各辺に接する2つの上記側面である第1側面対と、上記底面における対辺の他方の組を構成する各辺に接する2つの上記側面である第2側面対とから成り、上記4つの側面は、上記底面に垂直な上記開口部の断面が上記底面から離れる程に大きくなるように設けられており、上記第1側面対を構成する各側面、および上記第2側面対を構成する各側面のうち、少なくとも一方は、上記底面に対する傾斜角度が、上記底面から離れる程に大きくなるように設けられており、上記底面に垂直であって、上記第1側面対を構成する上記側面のいずれかに接する上記底面の辺と平行な第1の断面と、上記底面に垂直であって、上記第2側面対を構成する上記側面のいずれかに接する上記底面の辺と平行な第2の断面とで、上記発光ダイオード素子から射出された光の配光角が異なっている。
従って、本発明は、光利用効率が高く、高い光学的均一性を有するバックライト装置に対応可能であり、製造が簡単であるという効果を奏する。
本発明の一実施例に係る発光ダイオードパッケージの構成を示す斜視図である。 底面の図1と異なる例を示す平面図である。 数式(1)〜(3)、およびこれらの数式における各変数の定義の一部を示す図である。 数式(1)〜(3)における各変数の定義を理解するための参照となる図である。 図5(a)〜(c)は、図1に示す例および従来構造における、側面の形状および配光特性を示した図である。 図6(a)および(b)は、図1に示す例および従来構造に係る各発光ダイオードパッケージにより、導光板への光の射出を実施した状態を示す図である。 図1に示す発光ダイオードパッケージのシミュレーションモデルを示す斜視図である。 図7に係るシミュレーションモデルの概略構成、およびこれらのシミュレーションモデルによるシミュレーション結果を示す図である。 図1に示す発光ダイオードパッケージを備えたバックライト装置のシミュレーションモデルを示す斜視図である。 図9に係るシミュレーションモデルの概略構成、およびこれらのシミュレーションモデルによるシミュレーション結果を示す図である。 図1に示す発光ダイオードパッケージを備えたバックライト装置の構成を示す平面図である。 図1に示す発光ダイオードパッケージにおいて、底面が正反射面である場合の特性と、底面がランバート散乱面である場合の特性とを比較する図である。
[実施例1]
〔発光ダイオードパッケージの構成〕
図1は、本実施例に係る発光ダイオードパッケージの構成を示す斜視図である。
なお、図1には、互いに垂直である、α方向、β方向、およびγ方向の3方向を図示している。α方向、β方向、およびγ方向の各々が示す方向については、追って具体的に説明する。
図1に示す発光ダイオードパッケージ100は、パッケージ筐体1、および2つのLED素子2を備えている。
パッケージ筐体1は、例えば樹脂または金属から成る、発光ダイオードパッケージ100の筐体である。パッケージ筐体1は、LED素子2の発光中、高温になることが予想されるので、耐熱性に優れた材料によって構成されているのが好ましい。
パッケージ筐体1は、直方体から構成されており、その1面である開口面1hに開口部3が設けられている。α方向は開口面1hの短手方向に沿った方向、β方向は開口面1hの長手方向に沿った方向、γ方向は開口面1hに垂直な方向であると言える。
LED素子(発光ダイオード素子)2は、例えば白色LEDであり、発光ダイオードパッケージ100の光源である。図1には、LED素子2を2つ用いた例を図示しているが、発光ダイオードパッケージ100におけるLED素子2の個数は、2つに限定されず、1つまたは3つ以上であってもよい。さらに、赤色、緑色、および青色の3種類のLED素子2を用いて、発光ダイオードパッケージ100の光源を構成してもよい。
開口部3は、γ方向において、開口面1hから、その対面に向かって開口しており、底部に相当する面である底面4、および側壁部分に相当する面である側面5により構成されている。
底面4は、開口面1hと平行または略平行に設けられている。すなわち、底面4は、概ね、α方向およびβ方向に平行または略平行な面であると言える。
底面4には、LED素子2が設けられている。複数のLED素子2は、例えば図1に示すβ方向、またはα方向に配列される。
また、底面4は矩形である。図1では、底面4の各辺、すなわち該矩形を構成する各辺を、辺4a〜4dとしている。
なお、底面4を矩形とする理由は、下記のとおりである。すなわち、底面4に垂直な方向であって、辺4aと平行な断面(γ−α断面:第1の断面および第2の断面の一方)と、底面4に垂直な方向であって、辺4bと平行な断面(γ−β断面:第1の断面および第2の断面の他方)とで、異なる配光角を実現するために、底面4が矩形であることが重要となるためである。
但し、底面4のかわりに、上記矩形の対辺の1組(ここでは辺4aおよび4c)を凸状に湾曲させて得られる形状である底面4´(図2参照)が用いられてもよい。
LED素子2を実装する工程を容易にする場合、底面4は平面であるのが好ましい。一方、底面4を、凹凸を有する粗い面(散乱面)とすることにより、光利用効率の向上を図ることが可能となる。底面4´においても同様である。但し、本願明細書における、底面4に垂直な方向、および底面4と平行な方向については、たとえ底面4に凹凸が形成されていても、該凹凸を無視した方向である(すなわち、底面4を平面と解釈する)ものとして、説明を行っている。
側面5は、底面4の各辺4a〜4dから、開口面1hまで延びる、4つの側面5a〜5dに分類することができる。
また、4つの側面5a〜5dは、底面4における対辺の一方の組である辺4aおよび4cのそれぞれに接する側面5aおよび5cと、該対辺の他方の組である辺4bおよび4dのそれぞれに接する側面5bおよび5dとに分類することができる。側面5aおよび5cから成る対、ならびに側面5bおよび5dから成る対の、一方が第1側面対であり、他方が第2側面対である。
側面5a〜5dはいずれも、底面4に垂直な開口部3の断面が、底面4から離れる程に大きくなるように設けられている。
換言すれば、側面5aおよび5cはいずれも、底面4から離れる程に、開口部3の幅が少なくともβ方向に広くなるように設けられている。同様に、側面5bおよび5dはいずれも、底面4から離れる程に、開口部3の幅が少なくともα方向に広くなるように設けられている。
以下、底面4に垂直な開口部3の断面が、底面4から離れる程に大きくなるような側面5a〜5dの形状を「開口が広がる形状」とも称する。
側面5a〜5dが、開口が広がる形状であることにより、LED素子2から射出される光が、側面5a〜5dで反射されることを低減することができる。これにより、発光ダイオードパッケージ100においては、LED素子2から射出される光に対する、光利用効率の低下を抑制することができる。
なお、側面5aおよび5cを、開口が広がる形状にすることにより、LED素子2から射出された光の、底面4に垂直かつ辺4bと平行な断面(γ−β断面)における配光角が広くなる。また、側面5bおよび5dを、開口が広がる形状にすることにより、LED素子2から射出された光の、底面4に垂直かつ辺4aと平行な断面(γ−α断面)における配光角が広くなる。但し、これらの場合、配光角が広くなる該断面において、LED素子2から射出された光の射出方向(すなわち、LED素子2を基準としたγ方向)およびその近傍における光度が低くなる。このことが、発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置における光学的均一性を損なう要因となっていた。
そこで、発光ダイオードパッケージ100では、側面5a〜5dを、パッケージ筐体1の外側に凸となるように膨らんだ曲側面とした。
つまり、側面5a〜5dはいずれも、底面4に対する傾斜角度(但し、0°≦傾斜角度≦90°)が、底面4から離れる程に大きくなるように設けられている。
曲側面である側面5a〜5dにおいては、上記γ−α断面またはγ−β断面における、LED素子2の射出光の配光角を極めて狭くすることが可能である。該配光角が極めて狭い射出光は、側面5a〜5dによる反射が非常に少なくなり、屈折率が異なる物質への入射時における界面反射が少なくなるため、高い光度とすることができ、光利用効率も高いと言える。
曲側面を適用することで、LED素子2から射出された光の、上記γ−β断面における配光角と、LED素子2から射出された光の、上記γ−α断面における配光角との、一方を広くし、他方を狭くする。これにより、LED素子2から射出された光の配光特性を、射出方向において高い光度とすることができるので、該射出方向において不均一となりにくくすることが可能となる。
なお、発光ダイオードパッケージ100では、側面5aおよび5cから成る対と、側面5bおよび5dから成る対との両方が曲側面となっているが、これらの対のいずれか一方のみが曲側面となっている構成であってもよい。
すなわち、γ−α断面およびγ−β断面の各々においては、平行に設けられた側面5の形状だけではなく、垂直に交わるように設けられた側面5の形状も、配光特性に対して影響を及ぼす。また、側面5の寸法等の条件が合えば、上記側面5aおよび5cから成る対と、側面5bおよび5dから成る対とのいずれか1対を曲側面にするだけで、γ−α断面とγ−β断面とで異なる配光特性を実現できることもある。エッジライト方式のバックライト装置の光源として、発光ダイオードパッケージ100を用いる場合、該バックライト装置の面内方向(該バックライト装置の導光板に平行な面の面内方向)に、光が広がるほうが好ましい。
側面5a〜5cのいずれもが曲側面でない場合、LED素子2の射出光の配光角を極めて狭くすることが困難である。
また、発光ダイオードパッケージ100は、開口部3を設け、開口部3の底面4にLED素子2を設けるだけの簡素な構成で実現可能であるため、製造が容易であり、製造コストの低下も期待できる。
〔複合放物面〕
曲側面である各側面5a〜5dは、複合放物面であるのが好ましい。
ここで、複合放物面とは、一般的には、複数の放物面が合わされた形状の面である。特に、本実施例に係る複合放物面は、図3に示す数式(1)〜(5)を満足する面である。
但し、数式(2)に、図3に示す変数α、変数β、および変数γを代入したのが数式(3)であり、数式(3)から後述する座標rを求めるのが数式(4)であるので、数式(2)〜(4)のいずれかを満足させれば、自ずと数式(2)〜(4)の全てを満足することになる。
また、図3におけるパッケージとは、発光ダイオードパッケージ100を意味するものとする。また、パッケージ内部の屈折率とは、該パッケージの内部(すなわち、開口部3)に樹脂等が充填されている場合、該充填されている物質の屈折率となり、充填されていない場合、空気の屈折率となる。パッケージ外部の屈折率についても同様である。
図3に示していない、数式(1)〜(5)における各変数の定義は以下のとおりである。
但し、下記定義において「側面5x」とは、複合放物面を構成する対象となる、側面5の任意の1面を意味するものとする。また、下記定義において「辺4x」とは、底面4における、側面5xが接している辺を意味するものとする。
r:底面4の中心を基準とした、辺4xと平行な方向における座標。
z:底面4の中心を基準とした、辺4xに垂直な方向における座標。
Lmax:θおよびaによってとり得る、Lの最大値。
なお、図3のパッケージ高さ寸法Lは、辺4xに垂直な方向における側面5xの長さということもできる。
数式(1)〜(5)における各変数の定義については、図3に加え、図4を併せて参考にされたい。
〔側面の形状および配光特性〕
図5(a)〜(c)は、本実施例および従来構造における、側面の形状および配光特性を示した図である。
図5(a)に示す側面の形状および配光特性は、本実施例の発光ダイオードパッケージ100(曲側面である側面5と同じ側面51)のものである。図5(b)に示す側面の形状および配光特性は、従来構造の発光ダイオードパッケージ(曲側面でなく、開口が広がる形状である側面52)のものである。図5(c)に示す側面の形状および配光特性は、従来構造の発光ダイオードパッケージ(曲側面でなく、底面に垂直な開口部の断面が、底面からの距離に関わらず一定の大きさである形状である側面53)のものである。
図5(a)の配光特性では、互いに垂直な2方向(γ−α断面およびγ−β断面)における配光特性を、それぞれ実線および点線で示している。図5(a)に示す配光特性は、互いに垂直な2つの配光の方向(すなわち、第1の断面および第2の断面)において、配光角が顕著に異なっていることを示している。
一方、図5(b)および(c)に示す配光特性は、互いに垂直な2つの配光の方向において、配光角がほぼ同じであることを示している。
図6(a)および(b)は、本実施例および従来構造に係る各発光ダイオードパッケージにより、導光板への光の射出を実施した状態を示す図である。
図6(a)には、図5(a)に示す側面51の構造を有する発光ダイオードパッケージ100により、導光板60への光の射出を実施した状態を示している。
図6(b)には、図5(b)に示す側面52の構造を有する発光ダイオードパッケージ200により、導光板60への光の射出を実施した状態を示している。
図6(b)の射出状態と比較すると、図6(a)の射出状態においては、導光板60内での輝度ムラ61が発生している範囲が狭い。
本実施例に係る配光特性(図5(a)の点線)と従来構造の配光特性とは、配光角の広さに関しては同程度であり、本実施例に係る配光特性(図5(a)の実線)は、それらより狭い配光角度である。
また、図5(b)に示す側面52を有するパッケージは、配光角0°(射出方向)およびその近傍の光の光度が低くなる構造となる場合がある。これが光の輝度ムラ61の要因となる。
本発明では射出方向に狭い配光角を示すことから、これを効率よく左右に分散することで輝度ムラ領域の低減が期待できる。
特に、図6(a)および(b)のそれぞれについて、導光板60に射出光が入射する位置の、導光板60の面に垂直な断面を見ると、輝度ムラ61の差が顕著である。
上記断面における、発光ダイオードパッケージ100の射出光の形状と、発光ダイオードパッケージ200の射出光の形状とは、下記の点で異なっている。
すなわち、発光ダイオードパッケージ100の射出光は、上記断面を縦断するように、その光度が高くなっている。一方、発光ダイオードパッケージ200の射出光は、上記断面において小さな円形に、その光度が高くなっている。
[実施例2〜4]
図5(a)に示す側面51を有する発光ダイオードパッケージ100と、図5(b)に示す側面52を有する発光ダイオードパッケージ200と、図5(c)に示す側面53を有する発光ダイオードパッケージ(発光ダイオードパッケージ300と称する)とを比較した。
図7は、発光ダイオードパッケージ100のシミュレーションモデルを示す斜視図である。
発光ダイオードパッケージ100のシミュレーションモデル70において、LED素子2は、パッケージに2個配置した。各LED素子2は、波長460nmの光を全方位に対して同じ確率で0.1mW射出する。解析本数は、1つのLED素子2あたり100万本であり、ここでは計200万本である。この条件のもと、φ200mmの球形状のディテクタ73によって、放射束および配光特性を検出する。図5(a)における点線および実線の配光特性に対応する2方位を、それぞれ「0deg」および「90deg」と示している。
また、開口部3を、屈折率Nd=1.57の封止樹脂6により封止している。
発光ダイオードパッケージ100と導光板60とを離間することにより、これらの間で、屈折率がこれらと大きく異なる領域が発生する。この結果、屈折率が大きく異なる異種物質間での光の反射に起因して、バックライト装置における光利用効率が悪化する虞があるという問題が発生する。
開口部3を封止樹脂6により封止することで、発光ダイオードパッケージ100と導光板60との間で、屈折率がこれらと大きく異なる領域を少なくすることができる。この結果、バックライト装置における光利用効率が悪化する虞を低減することが可能となる。
なお、当然ながら、図1に示す発光ダイオードパッケージ100の開口部3を、封止樹脂6により封止してもよい。これにより、発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置において、光利用効率が悪化する虞を低減することが可能となる。
図7には、発光ダイオードパッケージ100のシミュレーションモデル70のみを示したが、発光ダイオードパッケージ200および300についても、同様のシミュレーションモデルを適用する。発光ダイオードパッケージ200のシミュレーションモデルをシミュレーションモデル71とし、発光ダイオードパッケージ300のシミュレーションモデルをシミュレーションモデル72とする。
図8は、シミュレーションモデル70〜72の概略構成、およびシミュレーションモデル70〜72によるシミュレーション結果を示す図である。
図8中「実施例2」は、発光ダイオードパッケージ100のシミュレーションモデル70の概略構成、およびシミュレーションモデル70によるシミュレーション結果を示している。
図8中「実施例3」は、発光ダイオードパッケージ200のシミュレーションモデル71の概略構成、およびシミュレーションモデル71によるシミュレーション結果を示している。
図8中「実施例4」は、発光ダイオードパッケージ300のシミュレーションモデル72の概略構成、およびシミュレーションモデル72によるシミュレーション結果を示している。
実施例2は、本発明の一実施の形態であり、実施例3および4は、その比較例であると言える。
図8の配光特性において、0degは配光特性のグラフにおける薄い色のプロファイル、90degは同濃い色のプロファイルである。
図8の配光特性のグラフでは、半円を構成する円(図示しない)の中心から、半円の弧へと向かう方向が、光の強度比(単位:無)を示している。また、図8の配光特性のグラフにおける、半円の弧は、角度(−90°〜90°)を示している。
図8に示す「効率」とは、光利用効率を意味する。
シミュレーションモデル71および72による配光特性に対して、シミュレーションモデル70による配光特性は、0deg方向に広く、90deg方向に狭い配光特性を示している。90deg方向に狭い配光特性によって、発光ダイオードパッケージ100からの射出光に対する光利用効率は向上する。これは、光射出面への入射角度が臨界角(反射してしまい、面を通過しない角度)以下となることによる。同様の理由で、導光板60への入光効率も高くなり、バックライト装置としての高光利用効率化を実現することが可能となる。
[実施例5〜7]
図5(a)に示す側面51を有する発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置と、図5(b)に示す側面52を有する発光ダイオードパッケージ200を備えたバックライト装置と、図5(c)に示す側面53を有する発光ダイオードパッケージ300を備えたバックライト装置とを比較した。
図9は、発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置のシミュレーションモデルを示す斜視図である。
発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置のシミュレーションモデル90における発光ダイオードパッケージ100は、シミュレーションモデル70と同じ構成のものを適用した。
導光板93は、アクリルから成る、屈折率Nd=1.49のものであり、35本の導光板溝94が設けられたものである。部材番号95の部材は、反射板である。
発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置の具体的な構成については後述する。
また、シミュレーションモデル90から射出されることになる光を、検出面96にて検出する。
図9には、発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置のシミュレーションモデル90のみを示したが、発光ダイオードパッケージ200および300についても、同様のシミュレーションモデルを適用する。発光ダイオードパッケージ200を備えたバックライト装置のシミュレーションモデルをシミュレーションモデル91とし、発光ダイオードパッケージ300を備えたバックライト装置のシミュレーションモデルをシミュレーションモデル92とする。
図10は、シミュレーションモデル90〜92の概略構成、およびシミュレーションモデル90〜92によるシミュレーション結果を示す図である。
図10中「実施例5」は、発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置のシミュレーションモデル90の概略構成、およびシミュレーションモデル90によるシミュレーション結果を示している。
図10中「実施例6」は、発光ダイオードパッケージ200を備えたバックライト装置のシミュレーションモデル91の概略構成、およびシミュレーションモデル91によるシミュレーション結果を示している。
図10中「実施例7」は、発光ダイオードパッケージ300を備えたバックライト装置のシミュレーションモデル92の概略構成、およびシミュレーションモデル92によるシミュレーション結果を示している。
実施例5は、本発明の一実施の形態であり、実施例6および7は、その比較例であると言える。
図10中、「E−004」「E−005」「E+000」の表記は、それぞれ、直前の数字の、−4乗、−5乗、0乗を示している。
図10に示す「効率」とは、光利用効率を意味する。
シミュレーションモデル91および92と比較して、シミュレーションモデル90は、全体的に照度が高いことが分かる。また、シミュレーションモデル91と比較して、シミュレーションモデル90は、射出光において、高い均一性が得られている。
[実施例8]
図11は、発光ダイオードパッケージ100を備えたバックライト装置の構成を示す平面図である。
図11に示すバックライト装置110は、4つの発光ダイオードパッケージ100、導光板93、蛍光体層111、および導光板93の背面に設けられた反射板95(図9参照)を備えている。
さらに、図11には、発光ダイオードパッケージ100の開口部3が、封止樹脂6により封止されている例を示した。
図11には、発光ダイオードパッケージ100を4つ用いた例を図示しているが、バックライト装置110における発光ダイオードパッケージ100の個数は、4つに限定されず、3つ以下または5つ以上であってもよい。
発光ダイオードパッケージ100は、蛍光体層111を介して、導光板93に光を射出するように構成されている。
蛍光体層111には、発光ダイオードパッケージ100からの射出光が入射される。蛍光体層111は、入射された該射出光における1次光の一部を吸収して、該1次光と異なる波長の光である2次光を発するものである。蛍光体層111からの射出光は、導光板93に入射される。
導光板93は、V字の溝である導光板溝94(図9参照)を備えた、凹凸加工が施された板である。V字の導光板溝94は、ドット状の開口等の、他の凹凸形状に置換されてもよい。導光板93は、蛍光体層111を介して入射された、発光ダイオードパッケージ100からの光を拡散させることにより、導光板93の正面から均一な光を出射する。
反射板95は、導光板93の背面から出射する一部の光を反射させて、導光板93の正面に集めるために使用されるものである。
発光ダイオードパッケージ100を用いて発光ダイオードパッケージを構成することにより、発光ダイオードパッケージ100の光利用効率が高く、高い光学的均一性を有するバックライト装置110を実現することができる。
また、封止樹脂6を用いない場合、発光ダイオードパッケージ100は、開口部3を設け、底面4にLED素子2を設けるだけの簡素な構成で実現可能であるため、製造が容易であり、製造コストの低下も期待できる。
また、開口部3を封止樹脂6で封止することにより、発光ダイオードパッケージ100と導光板93との間での、屈折率のバラつきを抑制し、この結果、バックライト装置110における光利用効率が悪化する虞を低減することが可能となる。
なお、バックライト装置110において、蛍光体層111は省略されてもよい。この場合、発光ダイオードパッケージ100からの射出光が、直接、導光板93に入射されることとなる。
一方、発光ダイオードパッケージ100からの射出光は配光角が好適に制御されているため、蛍光体層111を設けることにより、色度の制御が容易となる。また、バックライト装置110の構造を簡易化することが可能となり、生産性が向上する。
バックライト装置110は、液晶パネルモジュールの上下および左右の側面に、発光ダイオードパッケージ100を配する構成の、エッジライト方式のバックライト装置に好適に用いることができる。
[実施例9]
図12は、発光ダイオードパッケージ100において、底面4が正反射面(正反射を呈する平面)である場合の特性と、底面4がランバート散乱面(散乱面)である場合の特性とを比較する図である。
ここで、ランバート散乱面とは、底面4に入射する光がランバート反射を呈するように構成された平面を意味する。
図12は、底面4がランバート散乱面である発光ダイオードパッケージ100の特性(図12左側)を、底面4が正反射面である発光ダイオードパッケージ100の特性(図12右側)と共に、図8と同様の要領により示したものである。
底面4をランバート散乱面とすることにより、発光ダイオードパッケージ100の光利用効率が向上し、かつ、0deg方向に広く、90deg方向に狭い配光特性が維持されることが分かる。
このように、底面4をランバート散乱面等の散乱面とすることにより、さらなる光利用効率の向上を図ることが可能となる。
[付記事項]
本発明は、矩形断面と2対の曲面によって一方は狭く、他方は広い配広角となる様な配広角に異方性を有したLEDパッケージ構造であってもよい。この構造は、光射出角度の制御による光取り出し効率の向上が期待でき、特に面光源としての利用に有効である。
本発明は、上記LEDパッケージ構造において、曲面に複合放物面を適用してもよい。この構造は、異配光性(配広角の異方性)を容易に実現することが可能である。
本発明は、上記LEDパッケージ構造において、実装空間凹部を樹脂封止してもよい。この構造は、屈折率差減による光利用効率の向上が期待できる。
本発明は、上記LEDパッケージを用いたエッジライト方式の液晶表示装置用バックライトであってもよい。この構造は、異方配光による輝度ムラ領域の低減、狭縁、小型化、光利用効率の向上が期待できる。
本発明は、導光板への光射出面に蛍光体層を設けて任意の色を得るバックライト表示装置であってもよい。射出光は配光制御されている為、この構造は、容易な色度設計、管理を可能とする。また、この構造は、構造の簡易化による生産性の向上が期待できる。
本発明は、特に、中小型液晶表示装置用のバックライトに適用することで効果が大きい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、発光ダイオードパッケージ、および該発光ダイオードパッケージを備えたエッジライト方式のバックライト装置に利用することができる。
1 パッケージ筐体
2 LED素子(発光ダイオード素子)
3 開口部
4 底面
5a〜5d 側面
6 封止樹脂(樹脂)
93 導光板
100 発光ダイオードパッケージ
110 バックライト装置
111 蛍光体層

Claims (6)

  1. 開口部が設けられたパッケージ筐体と、発光ダイオード素子とを備えている発光ダイオードパッケージであって、
    上記開口部は、
    上記発光ダイオード素子が設けられており、矩形である底面と、
    上記底面を構成する各辺に接する4つの側面とにより構成されており、
    上記4つの側面は、
    上記底面における対辺の一方の組を構成する各辺に接する2つの上記側面である第1側面対と、
    上記底面における対辺の他方の組を構成する各辺に接する2つの上記側面である第2側面対とから成り、
    上記4つの側面は、上記底面に垂直な上記開口部の断面が上記底面から離れる程に大きくなるように設けられており、
    上記第1側面対を構成する各側面、および上記第2側面対を構成する各側面のうち、少なくとも一方は、上記底面に対する傾斜角度が、上記底面から離れる程に大きくなるように設けられており、
    上記底面に垂直であって、上記第1側面対を構成する上記側面のいずれかに接する上記底面の辺と平行な第1の断面と、上記底面に垂直であって、上記第2側面対を構成する上記側面のいずれかに接する上記底面の辺と平行な第2の断面とで、上記発光ダイオード素子から射出された光の配光角が異なっていることを特徴とする発光ダイオードパッケージ。
  2. 上記第1側面対を構成する各側面、および上記第2側面対を構成する各側面のうち、少なくとも一方は、複合放物面であることを特徴とする請求項1に記載の発光ダイオードパッケージ。
  3. 上記開口部が樹脂で封止されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発光ダイオードパッケージ。
  4. 上記底面が散乱面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光ダイオードパッケージ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光ダイオードパッケージを備えていることを特徴とするバックライト装置。
  6. 導光板と、
    上記発光ダイオードパッケージから光が入射され、上記導光板に向けて光を射出するように設けられた蛍光体層とを備えていることを特徴とする請求項5に記載のバックライト装置。
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