以下、本発明に係る実施例について図を用いて説明する。
本実施例では、学習者用端末を利用可能にする初期設定処理の具体的な例について説明する。
図1は、本実施例に係る教育支援システムの構成の一例を示した図である。
図1に示すネットワーク2はインターネット・プロトコル等を使用するWAN(Wide Area Network)、LTE(Long Term Evolution)、HSPA(High Speed Packet Access)、及びWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の通信ネットワークであり、学習者用端末10、校内ネットワーク22、家庭内ネットワーク62、出版社サーバ43、行政サーバ53、塾サーバ73等を相互に接続し、情報を送受信する。
学習者用端末10は、情報を表示可能な表示手段、情報を入力可能な入力手段、他の装置や機器と通信可能な通信手段、及び情報の演算が可能な演算手段等を有した携帯型の情報端末であり、主として、児童、生徒その他の学習者が学習するために使用する。学習者用端末10はネットワーク2、校内ネットワーク22及び家庭内ネットワーク62に接続し、情報を送受信する。
指導者用端末20は前記学習者用端末10と同様の手段を有した携帯可能な情報端末であり、主として、教諭、教授、講師その他の学校の指導者が学校での教育のために使用する。指導者用端末20は、校内ネットワーク22に接続し、情報を送受信する。
電子黒板21は表示手段、入力手段、及び通信手段等を有し、学習者用端末10または指導者用端末20からの指示を受け付けて、校内ネットワーク22を介し、学習者用端末10または指導者用端末20より送信された情報を取得し、学習者及び指導者が参照可能なように表示する。
校内ネットワーク22は有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、LTE、及びWiMAX等の学校専用の通信ネットワークであり、ネットワーク2、学習者用端末10、指導者用端末20、電子黒板21、及び学校サーバ23を相互に接続し、情報を送受信する。
学校サーバ23は学校専用のサーバであり、校内ネットワーク22を介して、学習者用端末10、指導者用端末20、及び電子黒板21等に接続し、情報を送受信する。なお、学校サーバ23は、教科書データ、学習者用データ、及び指導者用データ等を記憶する。なお、学校サーバ23は、必ずしも学校内に設置されている必要はなく、データセンターなど学校外に設置されていても良い。この場合、業者による学校サーバ23の保守が容易となり得る。
出版社サーバ43は出版社の専用サーバであり、教科書データや参考書データ等を記憶し、ネットワーク2を介し、学習者用端末10と接続し、情報の送受信をする。例えば、出版者サーバ43は、学習者用端末10に教科書データを配信する。
行政サーバ53は行政専用のサーバであり、住民基本台帳ネットワークシステム等を有し、教育委員会の管理情報及び公開情報等が記憶され、ネットワーク2を介し、学習者用端末10、保護者用端末60、指導者用端末20及び指導者用端末70、学校サーバ23、出版社サーバ43、並びに塾サーバ73と接続し、情報を送受信する。
保護者用端末60は前記学習者用端末10と同様の手段を有した携帯型の情報端末であり、主として、学習者の親等の保護者が使用する。保護者用端末60は、家庭内ネットワーク62に接続し、情報を送受信する。
家庭内ネットワーク62は有線LAN、無線LAN、LTE、及びWiMAX等の家庭内専用の通信ネットワークであり、ネットワーク2、学習者用端末10、及び指導者用端末20を相互に接続し、情報を送受信する。
指導者用端末70は前記学習者用端末10と同様の手段を有した携帯型の情報端末であり、主として塾の指導者が塾での教育のために使用する。指導者用端末70は、塾サーバ73に接続し、情報を送受信する。塾サーバ73は塾専用のサーバであり、教科書データや学習進捗情報等を記憶する。
放送局25は、ブロードキャストに放送可能な放送設備であり、校内ネットワーク22に接続し、フルセグ放送、ワンセグ放送、またはマルチメディア放送等の信号を送受信する。
なお、図示していないが、指導者用端末20及び保護者用端末60はネットワーク2へ接続可能でもよい。また、図1の例では、指導者用端末20及び保護者用端末60はそれぞれ、校内ネットワーク22、家庭内ネットワーク62に接続する構成としたが、これに限定するものではなく、例えば、学習者用端末10と同様に、ネットワーク2へLTE、WiMAX等の無線通信手段で接続しても良い。また、学習者用端末10と指導者用端末20または指導者用端末70とは、各種ネットワークを介さずに、情報の送受信を直接行う手段を有してもよい。
また、本実施例の学習者用端末10、指導者用端末20、保護者用端末60、及び指導者用端末70は携帯型であるとしたが、これらは必ずしも携帯型である必要はなく、据え置き型であっても良い。
図2は、学習者用端末10の機能構成の一例を示す図である。
学習者用端末10は、表示部1001、入力部1002、電源供給部1003、記憶部1004、制御部1005、通信部1006、認証部1007、カメラ部1008、音声入力部1009、音声出力部1010、位置情報検出部1011、加速度センサ1012、放送波受信部1013、及びバス1014を備える。
表示部1001は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、及び電子ペーパー等のパネル並びにドライバ回路等から構成され、制御部1005の制御下にて任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。なお、表示部1001は、それぞれ異なる情報を表示可能な複数のパネルを有していても良い。
入力部1002は、キーボード、マウス、カーソルキー、及びテンキー等の一または複数を備え、ユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいた入力信号を制御部1005に入力する。なお、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によって入力信号を生成し、制御部1005に入力するようにしても良い。なお、タッチパネルのように、表示部1001と入力部1002とが一体となった構成であっても良い。
電源供給部1003は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、学習者用端末10の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。学習者用端末10がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
記憶部1004は、学習者用端末10に内蔵されるメモリ、または取り外し可能な外部メモリ等から構成され、各種の情報を記憶する。例えば、制御部1005が実行する動作制御用プログラムを記憶する。
制御部1005は、CPU(Central Processiong Unit)、MPU(Micro Processiong Unit)、及びDSP(Digital Signal Processor)等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、学習者用端末10全体の動作を制御する。
通信部1006は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET(登録商標)、LTE、HSPA(High Speed Packet Access)、EV−DO(Evolution Data Only)、及びWiMAX等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を送受信する。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。情報の送受信は、ネットワーク(図1の2、22、62)を介して行われても良いし、ネットワークを介さずに各機器間で直接行われても良い。通信部1006は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
認証部1007は、パスワード認証、指紋認証、指静脈認証、筆跡認証、顔認証、声紋認証、及び虹彩認証等の認証方式により、正規のユーザか否かを認証する。認証部1007は、認証方式に応じて、ユーザが認証用に入力した情報(パスワード、指紋データ、指静脈データ、筆跡データ、顔画像データ、声紋データ、または虹彩データ等)を取り込む機能を備える。認証方式によっては、入力部1002、カメラ1008、及び音声入力部1009から認証情報を入力できるようにしても良い。また、認証部1007は、正規ユーザの認証情報を事前に記憶しておくために、記憶部1004とは別に、耐タンパ性の高い記憶領域を持つことが望ましい。
カメラ部1008は、レンズ等の光学式部品を含む撮像デバイスと画像処理デバイス等を備えている。カメラ部1008は、制御部1005の制御の下、撮像を行い、静止画や動画等の画像データを取得する。
音声入力部1009は、マイク等を備え、通話時等に、音声信号を収集し、通信部1006に供給する。
音声出力部1010は、スピーカ、イヤホンジャック、及びDAC(Digital Analog Converter)等を備え、例えば、通信部1006から受信した音声信号にDA変換を施し、スピーカにより放音する。
位置情報検出部1011は、GPS(Global Positioning System)、IMES(Indoor Messaging System)、または無線LAN等により、学習者用端末10の現在位置を示す情報である(以下、位置情報)を取得する。
加速度センサ1012は、学習者用端末10の加速度に関する情報(以下、加速度情報)を取得する。取得した加速度情報から、学習者用端末10の状態(回転、落下、及び振動等)を検出できる。
放送波受信部1013は、アンテナ、チューナ、及びデコーダを備え、放送局25から送信された、フルセグ放送、ワンセグ放送、またはマルチメディア放送等の信号を受信し、復調し、デコードする。なお、受信された信号が暗号化されていれば、放送波受信部1013は、その復号に関する処理も行う。
バス1014は、各部が相互に信号を伝送するための伝送路である。
なお、学校の指導者用端末20、保護者用端末60、塾の指導者用端末70の機能構成は、学習者用端末10と同様である。
すなわち、指導者用端末20は、表示部2001、入力部2002、電源供給部2003、記憶部2004、制御部2005、通信部2006、認証部2007、カメラ部2008、音声入力部2009、音声出力部2010、位置情報検出部2011、加速度センサ2012、放送波受信部2013、及びバス2014を備える(図3参照)。これらは各々、表示部1001、入力部1002、電源供給部1003、記憶部1004、制御部1005、通信部1006、認証部1007、カメラ部1008、音声入力部1009、音声出力部1010、位置情報検出部1011、加速度センサ1012、放送波受信部1013、及びバス1014と同様の機能を備える。なお、例えば、位置情報検出部2011は、学習者用端末10ではなく指導者用端末20の位置情報を取得したり、加速度センサ2012は、学習者用端末10ではなく指導者用端末20の位置情報を取得したりする違いがあるのは言うまでもない。
保護者用端末60は、表示部6001、入力部6002、電源供給部6003、記憶部6004、制御部6005、通信部6006、認証部6007、カメラ部6008、音声入力部6009、音声出力部6010、位置情報検出部6011、加速度センサ6012、放送波受信部6013、及びバス6014を備える(図4参照)。これらは各々、表示部1001、入力部1002、電源供給部1003、記憶部1004、制御部1005、通信部1006、認証部1007、カメラ部1008、音声入力部1009、音声出力部1010、位置情報検出部1011、加速度センサ1012、放送波受信部1013、及びバス1014と同様の機能を備える。なお、例えば、位置情報検出部6011は、学習者用端末10ではなく保護者用端末60の位置情報を取得する違いがあるのは言うまでもない。
指導者用端末70は、表示部7001、入力部7002、電源供給部7003、記憶部7004、制御部7005、通信部7006、認証部7007、カメラ部7008、音声入力部7009、音声出力部7010、位置情報検出部7011、加速度センサ7012、放送波受信部7013、及びバス7014を備える(図5参照)。これらは各々、表示部1001、入力部1002、電源供給部1003、記憶部1004、制御部1005、通信部1006、認証部1007、カメラ部1008、音声入力部1009、音声出力部1010、位置情報検出部1011、加速度センサ1012、放送波受信部1013、及びバス1014と同様の機能を備える。
なお、以下において、学習者用端末10、指導者用端末20、保護者用端末60、及び指導者用端末70を区別する必要がない場合には、これらを単に端末と言う場合がある。
また、一の学習者用端末10と他の学習者用端末10とを区別する必要がある場合には、一方を学習者用端末10aとし、他方を学習者用端末10bとして表記する場合がある。これと同様に、一の指導者用端末20と他の指導者用端末20とを区別するときには、一方を指導者用端末20aとし、他方を指導者用端末20bとして表記し、一の学校サーバ23と他の学校サーバ23とを区別する必要がある場合には、一方を学校サーバ23aとし、他方を学校サーバ23bとして表記する場合がある。
図6は、学校サーバ23の機能構成の一例を示す図である。
学校サーバ23は、表示部2301、入力部2302、電源供給部2303、記憶部2304、制御部2305、通信部2306、認証部2307、及びバス2314を備える。
表示部2301は、液晶ディスプレイ等のパネルとドライバ回路等から構成され、制御部2305の制御下にて任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。主に、サーバ管理者向けの情報を表示する。なお、表示部2301は、学校サーバ23本体とは別の筐体であっても良い。
入力部2302は、キーボード、マウス、及びカーソルキー等の一または複数を備え、ユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいた入力信号を制御部2305に入力する。なお、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によって入力信号を生成し、制御部2305に入力するようにしても良い。なお、タッチパネルのように、表示部2301と入力部2302とが一体となった構成であっても良い。
電源供給部2303は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、学校サーバ23の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。学校サーバ23がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
記憶部2304は、学校サーバ23に内蔵されるメモリ、または取り外し可能な外部メモリ等から構成され、各種の情報を記憶する。例えば、制御部2305が実行する動作制御用プログラムを記憶する。
制御部2305は、CPU、MPU、DSP等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、学校サーバ23全体の動作を制御する。
通信部2306は、無線LAN等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を送受信する。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。情報の送受信は、基本的にはネットワーク(図1の2、22、62)を介して行われる。通信部2306は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
認証部2307は、パスワード認証、指紋認証、指静脈認証、筆跡認証、顔認証、声紋認証、及び虹彩認証等の認証方式により、正規のユーザか否かを認証する。認証部1007は、認証方式に応じて、ユーザが認証用に入力した情報(パスワード、指紋データ、指静脈データ、筆跡データ、顔画像データ、声紋データ、または虹彩データ等)を取り込む機能を備える。
なお、出版社サーバ43、行政サーバ53、及び塾サーバ73の機能構成は、学校サーバ23と同様である。
すなわち、出版社サーバ43は、表示部4301、入力部4302、電源供給部4303、記憶部4304、制御部4305、通信部4306、認証部4307、バス4314を備える(図7参照)。これらは各々、表示部2301、入力部2302、電源供給部2303、記憶部2304、制御部2305、通信部2306、認証部2307、及びバス2314と同様の機能を備える。
行政サーバ53は、表示部5301、入力部5302、電源供給部5303、記憶部5304、制御部5305、通信部5306、認証部4307、及びバス5314を備える(図8参照)。これらは各々、表示部2301、入力部2302、電源供給部2303、記憶部2304、制御部2305、通信部2306、認証部2307、バス2314と同様の機能を備える。
塾サーバ73は、表示部7301、入力部7302、電源供給部7303、記憶部7304、制御部7305、通信部7306、認証部7307、及びバス7314を備える(図9参照)。これらは各々、表示部2301、入力部2302、電源供給部2303、記憶部2304、制御部2305、通信部2306、認証部2307、及びバス2314と同様の機能を備える。
学校サーバ23の記憶部2304は、学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報を記憶する。これらの情報は、認証部2307によるアクセス権の確認が可能な情報を持つ。前記アクセス権とは、情報を利用する権限の有無またはその範囲を示し、例えばアクセス対象となる情報に、所定の端末またはサーバがその編集をすることができるか、または参照のみ可能かどうかを識別するため、アクセス権に関する情報が含まれているか、付加されている。
学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報の具体例を、図13に示す。
学校固有情報とは、具体的には学校の名称、住所、電話番号、及び校長名、並びに他と識別するための記号等の情報(以下、「ID」と言う場合がある)であって学校毎に付与される学校IDなどの学校固有の情報である。当該情報に基づくことにより、その学校を特定することが可能になる。なお、学校固有情報は、学校の略称や理事長名等であっても良い。また、単独ではその学校を特定するには足らない学校の情報、例えば、公立もしくは私立の別、または所属する教育委員会などの付加情報が付加されていても良い。
学年固有情報は、具体的には学年名及び学年主任名などの学年固有の情報である。当該情報に基づくことにより、その学年を特定することが可能になる。
学級固有情報は、具体的にはクラス名、時間割、推薦図書リスト、及び連絡簿などの学級固有の情報である。当該情報に基づくことにより、例えば、その学級を特定することが可能になったり、または、その学級固有の情報を利用することが可能になったりする。
図13は、1年1組に対応する時間割、推薦図書リスト、連絡簿、及び担任名を含む1年1組の学級固有情報を示しており、同様に他の学級固有情報を含んだ各学級の学級固有情報が記憶部2304により記憶されるものとする。
学習者基本情報とは具体的には、学習者の氏名、性別、生年月日、住所、及び緊急連絡先、並びに保護者の氏名など、学習者を特定し得る個人情報である。
学習者固有情報は、学習者ID、学習者ID用パスワード、成績情報、出欠情報、健康状態、学習履歴、読書履歴、教科書データ、参考書データ、及びノートデータなど、学習者固有の学習に関する個人情報である。主に、学習者または保護者が原始的に所有し、基本的に不変の情報である学習者基本情報と異なり、学習者固有情報は、指導者が日常的に更新する情報である。
前記学習者IDとは、学習者個人を識別可能なIDであり、例えば学籍番号などでも良い。
前記学習者ID用パスワードとは、前記学習者IDに対応するパスワードである。
前記成績情報とは、学習者の成績に関する情報であり、例えば、通知表作成に必要な学習成績、学習態度である。
前記出欠情報とは、学習者の授業への出欠に関する情報である。例えば、学習者が早退または遅刻をしたことを識別する情報が含まれていても良い。
前記健康状態とは、学習者の健康状態に関する情報であり、例えば、健康診断結果、傷病歴、及び血液型などである。
前記学習履歴とは、学習者の学習の履歴を示す情報で有り、例えば、学習した日時、学習した時間、並びに教科毎の進捗度、及び課題の達成度などである。
前記読書履歴とは、学習者が図書館の本を借りた履歴を示す情報であり、例えば、学習者が借りた本のタイトル、借りた日付、及びそのジャンルなどである。
前記教科書データとは、教科書を特定する情報または教科書の内容を含む電子的な情報であり(両者が含まれていても良い)、例えば、教科書のタイトル、目次、及びコンテンツデータなどである。
前記参考書データとは、参考書を特定する情報または参考書の内容を含む電子的な情報であり(両者が含まれていても良い)、例えば、参考書のタイトル、目次、及びコンテンツデータなどである。
前記ノートデータとは、学習者が作成した成果物を記録した電子的な情報またはこれを特定する情報であり(両者が含まれていても良い)、例えば、自作ドキュメントデータ、タイトル、指導者名、作成日時、及び作成場所のデータなどである。
本実施例では、学習者の氏名が「横浜 次郎」の学習者IDはid01に設定されており、id01に対応する学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、学習者固有情報を含んだ、学習者ID毎に、対応する学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報が記憶部2304により記憶される。
加えて、学校サーバ23の記憶部2304は、サーバ固有情報を記憶する。この情報は、認証部2307によるアクセス権の確認が可能な情報を持つ。前記サーバ固有情報の具体例を図14に示す。
サーバ固有情報とは具体的には、サーバID、通信部設定、制御部設定、及び通信状態などであり、各サーバ固有の設定及び状態を表す情報である。
前記サーバIDとは、校内ネットワーク22に接続された個々のサーバを識別可能なIDである。
前記通信部設定とは、学校サーバ23の通信部2306の設定に関する情報である。具体的には、校内ネットワーク22内での通信や校内ネットワーク22を介してネットワーク2との通信に必要な学校サーバ23のIPアドレス、DNS(Domain Name System)、ゲートウェイ、認証方式、プロキシ、及びファイアウォールの設定や、アクセス可能な学習者用端末10のIPアドレスやサブネットマスクなどの情報である。
前記制御部設定とは、学校サーバ23内の制御部2305の設定に関する情報である。具体的にはOS(Operating System)の設定や各部のドライバ、ハードウェア及びソフトウェアの設定並びに、学習者用端末10が学校サーバ23にアクセスするための学習者用端末10用のOSの設定や各部のドライバ、ハード、及びソフトウェアの設定などに関する情報である。
前記通信状態とは、学校サーバ23内の通信部2306の状態に関する情報であり、具体的には通信速度などである。
本実施例では、校内サーバ23のサーバIDはid31に設定されており、id31に対応するサーバ固有情報が記憶部2304により記憶される。
学習者用端末10の記憶部1004は、学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報を記憶する。これらの情報は、学校サーバ23と同様に、認証部1007がアクセス権を確認できる情報を持つ。
記憶部1004により記憶される学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報の具体例を、図15に示す。これらの情報は基本的には記憶部2304により記憶されている情報と同じであるため詳細な説明を省く。
本実施例では、学習者の氏名が「横浜 次郎」の学習者IDはid01に設定されており、id01に対応する学校固有情報、学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報が記憶部1004により記憶される。
加えて、記憶部1004は、端末固有情報を記憶する。この情報は、学校サーバ23と同様に、認証部1007がアクセス権を確認できる情報を持つ。前記端末固有情報の具体例を図16に示す。
端末固有情報とは具体的には、端末ID、通信部設定、制御部設定、通信状態、及び電源供給状態などであり、各端末固有の設定及び状態を表す情報である。
前記端末IDとは、個々の学習者用端末10を識別可能なIDである。
前記通信部設定とは、学習者用端末10の通信部1006の設定に関する情報である。具体的には、学校サーバ23のIPアドレス、DNS、ゲートウェイ、認証方式、プロキシ、及びファイアウォールの設定や、学習者用端末10のIPアドレスやサブネットマスク、などを含む情報であり、校内ネットワーク22との通信、校内ネットワーク22を介したネットワーク2との通信、家庭内ネットワーク62との通信、及び家庭内ネットワーク62を介したネットワーク2との通信を実施するための情報を含む。
前記制御部設定とは、学習者用端末10の制御部1005の設定に関する情報である。具体的には学習者用端末10が学校サーバ23にアクセスするための学習者用端末10用のOSの設定や各部のドライバ、ハードウェア、及びソフトウェアの設定などである。
前記通信状態とは、学習者用端末10の通信部1006の状態に関する情報であり、具体的には通信速度などである。
前記電源供給状態とは、学習者用端末10内の電源供給部1003の状態に関する情報であり、具体的にはAC電源接続の有無やバッテリ残量などである。
本実施例では、学習者用端末10の端末IDはid11に設定されており、id11に対応する端末固有情報が記憶部1004により記憶される。
図11は、配布前初期設定処理の一例を示す図である。
各学習者用端末10は、学習者に配布される前に、学校サーバ23の主導でまたはこれと協働して、必要な設定を行う。
まず、学習者用端末10は、電源が入れられると(S001)、ドライバを読み込み、OSを起動する(S002)。図1に示されるとおり、学校サーバ23と学習者用端末10は校内ネットワーク22に有線、または無線により接続されているが、これにより、学習者用端末10は初期化前端末として校内ネットワーク22により登録され、必要な通信のみ可能な状態となる。
次に、学校サーバ23は初期化要求を初期化前端末に送信する(S003)。学習者用端末10は初期化要求を受信すると、学習者用端末10の基本設定、管理者登録、及び基本ソフトウェアの設定が可能となる初期化モードに移行する。
次に、学習者用端末10を校内ネットワーク22の管理者が、リモートで設定変更可能になるように管理者登録を行う(S004)。
次に、基本設定が行われる(S005)。ここでは、図16に示される学習者用端末10の端末固有情報の設定を行うため、図14に示される通信部設定や制御部設定の内、学校サーバ23のアクセスに必要な設定を学習者用端末10に送信し、端末固有情報が設定される。
次に、基本ソフトウェアの送信と設定が行われる(S006)。
基本ソフトウェアの具体例は、ウィルス検出などが可能なセキュリティソフトウェア、不適切な発言や表示等を制限するフィルタリングソフトウェア、及び学校サーバ23と通信して学習に必要な情報を管理する管理ソフトウェアである。セキュリティソフトウェアに関しては、学校サーバ23から学習者用端末10へセキュリティソフトウェアを送信し、学習者用端末10はそのインストールを実行する。インストール後、学習者用端末10はセキュリティソフトウェアに必要な初期設定を行う。例えば、ウィルス検索用の定義情報の受信設定や検索日時の設定、ウィルス検出時の報告方法の設定等が行われる。
フィルタリングソフトウェアに関しては、学校サーバ23が学習者用端末10へフィルタリングソフトウェアを送信し、学習者用端末10はそのインストールを実行する。インストール後、学習者用端末10はフィルタリングソフトウェアに必要な初期設定を行う。例えば、制限を行う文言やドキュメント、インターネットサイトなどの設定が行われる。
管理ソフトウェアに関しては、学校サーバ23が学習者用端末10へ管理ソフトウェアを送信し、学習者用端末10はそのインストールを実行する。インストール後、学習者用端末10は管理ソフトウェアに必要な初期設定を行う。例えば、学習に必要なサービスを実施するために必要な情報として、学校固有情報、学級固有情報、及び学習者固有情報の設定が行われる。
前記設定は、予め学校サーバ23の記憶部2304により記憶されている前記学校固有情報、前記学年固有情報、前記学級固有情報、前記学習者基本情報、及び前記学習者固有情報が学習者用端末10へ送信され、行われる。
学習者用端末10は送信された各情報を記憶部1004に記憶する。
学習者用端末10の記憶部1004により記憶された各情報の具体例を図15に示す。例えば、初期化前端末である学習者用端末10が1年1組の学習者により使用される場合、図13の1年1組に対応する学級固有情報の内容が記憶部1004により記憶される。
例えば、初期化前端末である学習者用端末10の使用者が「横浜 次郎」であれば、学習者IDはid01なので、id01に対応する学習者固有情報の内容が記憶部1004により記憶される。正常に記憶されれば、図13に示される記憶部2304により記憶された学習者基本情報id01と図15に示される記憶部1004により記憶された端末内の学習者基本情報id01は同じ内容となる。すなわち、記憶部2304により記憶されたid01に対応する学習者基本情報内の学習者氏名のデータを示す「横浜 次郎」に対応する学習者基本情報と、記憶部1004により記憶された学習者基本情報内の学習者氏名のデータを示す「横浜 次郎」に対応する学習者基本情報は一致する。
同様に、学習者ID、学習者ID用パスワード、成績情報、出欠情報、健康状態、学習履歴、読書履歴が記憶部1004により記憶される。成績情報や健康状態は学校サーバ23と学習者用端末10とで厳密に一致している必要はない。例えば学校サーバ23により記憶されている成績情報が内申書や指導要録などの学校(すなわち、指導者)が管理するものであって、学習者に開示するのが不適当な情報を含む場合は、学校サーバ23は、これらの情報を除く成績情報を学習者用端末10に送信し、記憶部1004がこれを記憶するようにしても良い。
次に、学習用の教材送信と設定が行われる(S007)。具体的には前記学級固有情報に基づき、学校サーバ23は、教科書データ、ノートデータ、及び参考書データなどの教材に関するデータを学習者用端末10に送信し、学習者用端末10は、これを利用可能にする設定を実施する。
次に、諸注意事項の設定が行われる(S008)。具体的には学習サーバ23が、指導者が学習者に諸注意事項を学習者用端末10に送信し、学習者用端末10はこれを記憶する。なお諸注意事項とは、例えば学習者用端末10の使用及び保管方法のチュートリアル、入学時及び登下校時の注意点、並びに各ソフトウェアの使用許諾など、ユーザが注意すべき事項を意味する。なお、指導者が学習者に注意して欲しい事項のみが学習者用端末10に送信される必要はなく、保護者に向けた案内等が含まれていても良い。
次に、これまでの設定が正しく行えているかを確認する設定確認テストが行われる(S009)。具体的には、学校サーバ23が各種設定内容の送信を学習者用端末10に要求し、これを受けて、学習者用端末10は記憶している設定内容を学校サーバ23に送信する。そして、学習者用端末10より送信され、学校サーバ23が受信した設定内容を学校サーバ23が設定した内容と照合する。この照合の結果、両者が一致するならば初期化が完了としたものとして、手動または自動で学習者用端末10の電源をオフする(S010)。照合の結果、学校サーバ23により記憶されている設定内容と、学習者用端末10により記憶されている設定内容とが一致しない場合、学校サーバ23は、その旨を管理者等に報知する。そして、設定に問題がある学習者用端末10は初期不良品として処理される。具体的には、該当する学習者用端末10の学習者への配布は行わずに、ハードウェアの不良等のチェックをおこない、修復可能であるならば修復し、再度初期化を行う。
図12は、配布後初期設定処理の一例を示す図である。
学習者用端末10は、電源が入れられると(S021)、前記諸注意事項を表示する(S022)。
次に、学習者用端末10は、学校固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報を表示して学習者に間違いが無いか確認し、必要に応じて変更する(S023)。ここでは、パスワードを変更する処理を実施しても良い。学習者用端末10は、変更した内容は、学校サーバ23へ送信する。
次に、家庭内ネットワーク62の設定を行う(S024)。具体的には、端末固有情報の通信部設定に対し、家庭内ネットワーク62での通信に必要な通信部設定を行う。必要に応じてネットワーク2の接続に必要な設定に関しても行う。
以上で配布後初期設定処理は完了し、学習者用端末10は通常利用可能な状態になる。通常利用可能な状態とは、例えば、学習者が、校内ネットワーク22を介して授業に参加し、前記教科書データや前記ノートデータを閲覧するなど、学習者用端末10の全ての機能が利用可能な状態を言う。
以上により、学習者用端末10が学習者に配布される前に校内ネットワーク22内で利用する最適な設定を、確実に行うことができるため、初期不良を未然に防ぐことができる。また、学習者に適した教材が学習者用端末10に送信されるので、電子的な教科書や参考書等の円滑な導入が可能となる。
次に、本発明に係る実施例2について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図10は、電子黒板21の機能構成の一例を示す図である。
電子黒板21は、表示部2101、入力部2102、電源供給部2103、記憶部2104、制御部2105、通信部2106、カメラ部2108、音声入力部2109、音声出力部2110、放送波受信部2113、及びバス2114を備える。
表示部2101は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、及び電子ペーパー等のパネル並びにドライバ回路等から構成され、制御部2105の制御下にて、通信部2106を介して入力された任意の情報(例えば、文字、静止画、及び動画等)を表示する。なお、表示部2101は、プロジェクタと、プロジェクタからの出力を投影するスクリーンとから構成されても良い。
入力部2102は、電子ペンや指の接触により、ユーザが指し示した表示部2101上の位置を検出する指示位置センサを備える。例えば、感圧式タッチパネルに加えられた圧力の位置を検出する方法、電子ペンにコイルを内蔵し、電子ペンが動く時に発生する誘導電流によって、電子ペンの位置と動きを読み取る方法、並びに、赤外線イメージセンサ方式、赤外線スキャン方式(超音波伝達方式併用)、及び赤外線遮断検出方式等の方法がある。別途、キーボード、マウス、カーソルキー、及び各種操作ボタン等が備えられていても良い。いずれの場合も、ユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいた入力信号を制御部2105に入力する。なお、音声認識、画像認識、またはジェスチャ認識等によって入力信号を入力できるようにしても良い。
電源供給部2103は、バッテリ、ACアダプタ、及び充電回路等から構成され、電子黒板21の各部への電源供給や、バッテリへの充電を行う。電子黒板21がバッテリ駆動されているか、ACアダプタ駆動されているかといった状態確認や、バッテリの残量確認を行う。
記憶部2104は、電子黒板21に内蔵されるメモリ、取り外し可能な外部メモリ等から構成され、各種の情報を記憶する。例えば、制御部2105が実行する動作制御用プログラムを記憶する。
制御部2105は、CPU、MPU、及びDSP等から構成され、所定の動作制御用プログラムを実行するなどして、電子黒板21全体の動作を制御する。
通信部2106は、無線LAN、Bluetooth、赤外線通信、ICタグ機能、TransferJET、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)、LTE、HSPA、EV−DO、WiMAX等の無線通信機能、または、Ethernet(登録商標)等の有線通信機能を備え、各種の情報を送受信する。無線通信機能は、アンテナ、及び変復調回路等を含む。有線通信機能は、コネクタ、及び変復調回路等を含む。情報の送受信は、ネットワーク(図1の2、22、62)を介して行われても良いし、ネットワークを介さずに各機器間で直接行われても良い。通信部2106は、無線、もしくは、有線にて接続された機器から、画面データを受信し、表示部2101に渡す。通信部2106は、複数の通信方式に対応するよう構成されても良い。
カメラ部2108は、撮像デバイスと画像処理デバイス等を備えている。カメラ部2108は、制御部2105の制御の下、撮像を行い、静止画や動画の画像データを取得する。
音声入力部2109は、マイク等を備え、音声信号を収集し、記憶部2104に記憶(録音)する。
音声出力部2110は、スピーカ、イヤホンジャック、及びDAC等を備え、例えば、記憶部2104に記憶(録音)したデータにDA変換を施し、スピーカにより放音する。
放送波受信部2113は、アンテナ、チューナ、及びデコーダを備え、放送局25から送信された、フルセグ放送、ワンセグ放送、マルチメディア放送等の信号を、受信し、復調し、デコードする。なお、受信された信号が暗号化されていれば、その復号に関する処理も行う。
バス2114は、各部間が相互に信号を伝送する伝送路である。
図17〜図20は、通常学習処理の一例を示す図である。
まず、学習者は、登校後、例えば、自分の教室にて、学習者用端末10の電源を投入する操作を行うと(S200)、学習者用端末10は、校内ネットワーク22に接続し、学校サーバ23に対して、時間割情報要求を送信する(S201)。時間割情報要求とは、学校サーバ23に対する時間割情報(後述)の要求である。時間割情報要求は学習者IDを含むが、学習者IDの代わりに、学習者の時間割情報を特定し得る学習者氏名、またはクラス名であっても良い。
時間割情報要求を受信した学校サーバ23は、受信した学習者IDに対応する時間割情報を記憶部2304から読み出し、学習者用端末10に対して送信する(S202)。学習者用の時間割情報の一例を図21に示す。学習者用の時間割情報とは、学習者用端末10を使用する学習者が受けるべき授業の時間割に関する情報である。本実施例の時間割情報は、授業の開始時刻、終了時刻、教科名、担当の指導者名、当該授業で使用する教科書を特定するID、当該授業が教科書の何ページ目から始まるかを示す情報、当該授業で使用する参考書等を特定するID、及び当該授業で使用するサーバのアドレス情報(URL、フォルダ名等)を含む。他に、当該授業中に使用してはいけない教科書、参考書、その他の教材を示すID等を含んでも良い。時間割情報は、基本的には、学習者が属するクラスの、その日一日分の時間割(学校内活動のスケジュール情報)を含むが、一週間分の情報を含んだり、他のクラスの情報を含んだりしても良い。
なお、学習者用端末10の電源投入操作が学習者の登校後に行われるのではなく、電源が投入された状態の学習者用端末10を持って学習者が登校する場合も考えられる。その場合、学習者が手動で時間割情報の取得に必要な操作を行い、この操作を契機に、学習者用端末10が学校サーバ23に対して時間割情報要求を送信するようにすれば良い。もしくは、学習者用端末10が、校内ネットワーク22に接続したことを検知したことのみを契機に、学習者用端末10が学校サーバ23に対して、自動で時間割情報要求を送信するようにしても良い。これにより、ユーザの使い勝手が向上する。学習者用端末10が校内ネットワーク22に接続したことを検知するには、例えば、無線LANのような無線通信で接続する場合に、アクセスポイント(基地局)が送信するビーコン情報を読み取り、それに含まれる情報が所定の値であることを認識し、そのアクセスポイントに対して認証処理等を行い、正しく待受状態または帰属状態になった時に、校内ネットワーク22に接続したと見なす方法が考えられる。
指導者用端末20についてもこれと同様であり、指導者が登校後、例えば、職員室にて、指導者用端末20の電源投入操作を行うと(S210)、指導者用端末20は、校内ネットワーク22に接続し、学校サーバ23に対して、時間割情報要求を送信する(S211)。時間割情報要求は指導者IDを含むが、指導者IDの代わりに、指導者の時間割情報を特定し得る指導者氏名、または担当クラス名を含んでも良い。
時間割情報要求を受信した学校サーバ23は、受信した指導者IDに対応する時間割情報を記憶部2304から読み出し、指導者用端末20に対して送信する(S212)。指導者用の時間割情報の一例を図22に示す。指導者用の時間割情報とは、指導者用端末20を使用する指導者が実施すべき授業の開始時刻、終了時刻、教科名、担当する学級名、当該授業で使用する教科書を特定するID、当該授業が教科書の何ページ目から始まるかを示す情報、当該授業で使用する参考書等を特定するID、及び当該授業で使用するサーバのアドレス情報(URL、フォルダ名等)を含む。他に、当該授業中に使用してはいけない教科書、参考書、その他の教材を示すID等を含んでも良い。時間割情報は、基本的には、指導者がその日一日に担当するクラス、教科、時間のリストを含むが、一週間分の情報を含んだり、クラス毎の情報を含んだり、他の指導者の情報を含んだりしても良い。電源を投入した状態で登校した場合における時間割情報の取得方法についても、学習者用端末10におけるものと同様である。
なお、学校サーバ23により送信された時間割情報は、学習者用端末10の記憶部1004または指導者用端末20の記憶部2004により更新可能なように記憶される。
学習者用端末10は、S202にて受信した時間割情報に基づき、授業開始時刻になった場合、もしくは、授業開始時刻より所定時間前になった場合に、自動で、所定の教科の授業モードへ移行する(S203)。学習者用端末10の授業モードとは、学習者がこれを使用して授業を受けるのに必要な処理を実行可能な状態を意味し、例えば、その授業の教科書データ、ノートデータ、参考書データ等を開く(すなわち、制御部1005が記憶部1004から読み出し、表示部1001が表示する)、その授業に関係のないデータを開けないようにする、電池の残容量を確認する、学習者用端末10の状態が正常であるかを確認する等の処理を行うことが可能な状態を言う。学習者用端末10は、先に取得した時間割情報と連動し、自動的に次の授業の準備を行うので、ユーザにとって利便性が良い。
なお、学習者用端末10の授業モードへの移行は、学習者による操作に基づいて実施されても良い。この場合、例えば、授業開始時刻の所定時間前の時期よりも早い時期から予習を行いたいという意志を持つ学習者の要求に応えることができる。
その後、学習者用端末10は、学習者に対してログイン操作を行うように促し、学習者がログイン操作を行うと(S204)、学習者用端末10は、学校サーバ23に対して、認証情報を送信する(S205)。ここでいう認証情報は、本人確認を行うために入力される情報を意味し、学習者IDと学習者ID用パスワードであったり、学習者の認証用の生体情報(指紋、指静脈、または声紋等)であったりする。学校サーバ23は、受信した認証情報が学習者固有情報と比較し、本人確認ができた場合、学習者用端末10に対して、ログイン許可を通知し(S206)、学習者用端末10の学校サーバ23へのログインが完了する。そして、学校サーバ23の記憶部2004により、当該学習者が当該授業に出席することを示す出欠情報が記録される(S207)。
出欠情報の一例を図23に示す。本実施例の出欠情報は、学習者を特定するID、学習者名、各授業への出欠状況(出席したか、欠席したか、授業開始前かを示す情報)を含む。学校サーバ23は、学習者のログインが正常に完了したことを認識した場合、当該授業への出欠状況を示す情報を、「授業開始前」から「出席」に更新する。学校サーバ23は、授業開始時刻を過ぎても、学習者の本人確認の終了を認識できなかったり、学習者によりログイン操作が行われず、その旨を学習者用端末10が通知してきたりした場合、学習サーバ23は「授業開始前」から「欠席」に出欠情報を更新する。
学習者が試したにもかかわらず、学習者用端末10が学校サーバ23にログインできなかった場合は、ログイン処理を学習者にやり直すように促したり、ログインに失敗したことを示す表示を行ったりする。なお、S207で記録する情報は、他に、宿題の提出状況や、学習者用端末10の状態(電池の残容量やウィルスチェックの結果等)を含んでも良い。この場合、S205にて、これらの情報は認証情報と合わせて送信されるようにすれば良い。
学習者用端末10は、ログイン許可の通知を受信したら、学校サーバ23に対して、当該授業に必要なデータのダウンロード要求を発行する(S208)。授業に必要なデータとは、指導者が当該授業用に用意したメモや、学習者自身が学校サーバ23に保存したノートデータのことである。ダウンロード要求を受信した学校サーバ23は、要求されたデータを、学習者用端末10に対して送信する(S209)。
一方、指導者用端末20も、S212にて受信した時間割情報に基づき、授業開始時刻になった場合、もしくは、授業開始時刻より所定時間前になった場合に、自動で、所定の教科の授業モードへ移行する(S213)。指導者用端末20の授業モードとは、指導者がこれを使用して授業をするのに必要な処理を実行可能な状態を意味し、例えば、その時間に担当するクラスの学習者のリストを学校サーバ23からダウンロードする、その時間に担当するクラスの機材(無線通信用アクセスポイント、及び電子黒板等)に関する設定情報をダウンロードする等の処理を行うことが可能な状態を言う。指導者用端末20は、先に取得した時間割情報と連動し、自動的に次の授業の準備を行うので、ユーザにとって利便性が良い。
なお、指導者用端末20における授業モードへの移行は、学習者用端末10での授業モードへの移行と同様に、手動で、すなわち、指導者による操作に基づいて実施されても良い。
指導者が教室に行き、その教室内の電子黒板21の電源が投入されていれば(S216)、指導者が持つ指導者用端末20と電子黒板21はペアリング処理を行う(S217)。ここでのペアリング処理とは、電子黒板21に対して、指導者用端末20の画面を出力できるように設定することである。例えば、指導者用端末20と電子黒板21が無線接続される場合、指導者用端末20に周辺機器探索用データ(指導者用端末20のアドレス情報を含む)をブロードキャスト送信させ、それを受信した電子黒板21が応答データ(電子黒板21のアドレス情報を含む)を送信し、指導者用端末20がそれを受信することでペアリングする方法が考えられる。例えば、指導者用端末20と電子黒板21が有線接続される場合、ディスプレイケーブルにより物理的に接続することでペアリングする方法が考えられる。
その後、指導者用端末20は、学校サーバ23に対して、出欠情報確認要求を送信する(S214)と、学校サーバ23は、指導者用端末20に対して、出欠情報を送信する(S215)。学校サーバ23が、どの学習者の、どの授業の出欠情報を送信すべきかを判断できるように、出欠情報確認要求は、クラスや授業を示す情報、もしくは、学習者を示す情報を含む。また、S215で学校サーバ23が指導者用端末20に送信する情報は、他に、宿題の提出状況や、学習者用端末10の状態(電池の残容量やウィルスチェックの結果等)を含んでも良い。
さらに、指導者により所定の操作が行われ、指導者用端末20が画面出力指示を受け付けた場合には(S220)、S217にてペアリングされた電子黒板21に対して、指導者用端末20の画面データが送信され(S221)、電子黒板21の表示部2101はそのデータを表示する(S222)。S221の画面データの送信を単発で行うのではなく、指導者により所定の操作が行われ、指導者用端末20より画面出力停止指示が行われるまで、連続して送信し続けても良い。ここで言う画面データは、例えば、ビデオ入力信号やHDMI信号、もしくはそれに準ずるものである。他に、指導者用端末20により表示されている内容をキャプチャしたデータ(静止画データ)であっても良い。
なお、指導者用端末20と電子黒板21の各々の表示例を図24に示す。ここでは、指導者用端末20の画面に、教科書を開いた画面データ(画面データA;学習者に見せても良い画面データ)と、指導者用教材を開いた画面データ(画面データB;学習者に見せたくない画面データ)が表示されているとする。S220の画面出力指示が行われる前は、出力すべき画面データが入力されていないので、電子黒板21の画面には何も表示されない(図24(a))。S220で画面Aの画面出力指示が行われると、電子黒板21の画面に画面データAが表示される(図24(b))。
指導者用端末20が、教科書の所定のページを開くよう指示する操作を受け付けると(S223)、指導者用端末20は、クラス内の学習者用端末10に対して、指定ページ情報を一斉送信する(S224)。指定ページ情報は、教科書を特定する情報と、開くべきページ番号を示す情報を含む。指定ページ情報を受信した学習者用端末10は、指定された教科書の指定されたページを開く(S225)。指導者の操作で、学習者用端末10の表示部1001に指定の教科書のページを開かせることができるので、学習者が指導者の指示を聞き逃して戸惑うことがなくなる。
また、指導者用端末20が、クラス内の学習者用端末10の画面のモニタを開始する操作を受け付けると(S226)、指導者用端末20は、クラス内の学習者用端末10に対して、画面データ取得要求を送信する(S227)。この画面データ取得要求は、クラス内の全ての学習者用端末10に対して一斉に送信されても良いし、指導者用端末20が指定した学習者用端末10(1台または複数台)に対してだけ送信されても良い。なお、指導者用端末20が画面データ取得要求を複数の学習者用端末10に対して送信する場合、同時に送信するのではなく、タイミングをずらして送信することで、通信路(特に無線通信の場合)の輻輳を抑制することができる。
画面データ取得要求を受信した学習者用端末10は、指導者用端末20に対して、画面データを送信する(S228)。ここで言う画面データは、例えば、ビデオ入力信号やHDMI信号、もしくはそれに準ずるものである。他に、指導者用端末20が表示している内容をキャプチャしたデータ(静止画データ)であっても良い。学習者用端末10は、画面データを指導者用端末20に対し、定期的に送信したり、表示内容の更新があった時だけ送信したりすることで、複数の学習者用端末10のモニタを行う場合でも、通信路(特に無線通信の場合)の輻輳を抑制することができる。このように、指導者用端末20を使って、自由に学習者用端末10が表示している内容をモニタすることで、指導者は、各学習者が演習問題の解答が進んでいるか否か等を把握することができる。すなわち、指導者は、どの学習者の理解度が不足しているかをリアルタイムに把握することができ、より効果的な指導を行うことが可能となる。
また、指導者用端末20が、学習者用端末10により表示されている内容をモニタしている状態で、出力画面の選択操作を受け付け、出力画面切り替え操作を受け付けた場合には(S229)、S217にてペアリングされた電子黒板21に対して、指導者用端末20の画面データが送信され(S230)、電子黒板21は、指導者用端末20により表示されている学習者用端末10の表示内容を表示する(S231)。S230の画面データの送信を単発で行うのではなく、指導者により所定の操作が行われ、指導者用端末20により画面出力停止指示が行われるまで、連続して送信し続けても良い。
S228で学習者用端末10の画面データを受信した後の、指導者用端末20の表示例は図24(c)のようになる。教科書を開いた画面データ(画面データA)の他に、複数の学習者用端末10の画面データ(画面データB、C、D、E、F)を同時に表示できる。電子黒板21には、先に画面出力操作が行われた画面データAが表示されたままとなり、学習者用端末10の画面データは表示されない。S229にて、画面Cを表示するような出力画面切り替え操作が行われた場合、電子黒板21の画面に画面データCが表示される(図24(d))なお、S229にて、複数の画面データを出力するような操作を行った場合に、電子黒板21の画面に指定された複数の画面が表示されるようにしても良い。
このように、指導者の操作に基づいて、指導者が選択した学習者用端末10の表示内容が、クラス内の学習者が共通して見ることができる電子黒板21により表示されるようにしたので、学習者同士の議論を促す等の効果的な授業運営が可能となる。
また、指導者用端末20が、学習者用端末10に対して、電子黒板21への出力許可を与える操作を受け付けると(S240)、指導者用端末20は、電子黒板21に対して、モード切り替え要求を送信し(S241)、指定した学習者用端末10に対して、電子黒板21への出力許可データを送信する(S242)。モード切り替え要求は、出力許可を与えた学習者用端末10のアドレス情報や機器認証情報を含む。出力許可データは、電子黒板21のアドレス情報や機器認証情報を含む。
学習者用端末10が、電子黒板21への出力許可を与える操作を受け付けると(S243)、学習者用端末10は、出力許可データで指定された電子黒板21に対して、学習者用端末10の画面データが送信され(S244)、電子黒板21はそのデータを表示する(S245)。この際、学習者用端末10と電子黒板21との間で、前述の認証情報を使った本人確認を行っても良い。S244の画面データの送信を単発で行うのではなく、学習者用端末10が画面出力停止指示を受け付けるまで、連続して送信し続けても良い。ここで言う画面データは、例えば、ビデオ入力信号やHDMI信号、もしくはそれに準ずるものである。他に、学習者用端末10により表示されている内容をキャプチャしたデータ(静止画データ)であっても良い。
このように、学習者の操作に基づいて、学習者用端末10の表示内容を、クラス内の学習者が共通して見ることができる電子黒板21により表示されるようにしたので、学習者同士の議論を促す等の効果的な授業運営が可能となる
S241でモードが切り替えられた場合、電子黒板21には何も表示されなくなる(図25(e))。S243にて、出力操作を行った場合、電子黒板21の画面に、学習者用端末10の画面データ(画面データG)が表示される(図25(f))。
指導者用端末20が、学習者用端末10に対する電子黒板への出力許可を解除する操作を受け付けると(S246)、指導者用端末20は、電子黒板21に対して、モード切り替え要求を送信し(S247)、指定した学習者用端末10に対して、電子黒板への出力許可終了通知を送信する(S248)。モード切り替え要求は、出力許可を与えていた学習者用端末10のアドレス情報や、指導者用端末20のアドレス情報を含む。出力許可終了通知を受信した学習者用端末10は、画面データの送信を停止する(S249)。モード切り替え要求を受信した電子黒板21は、指導者用端末20から送信される画面データを表示する、もしくは、表示を行わない(S250)。すなわち、図24(c)、または、図25(e)の状態になる。
また、学習者は、授業中に自由に、学習者用端末10に、指導者への質問や意見を書き込むことができる(S251)。例えば、口頭で指導者に質問できなかった事項、授業の理解度を示す情報(「よく分かった」「ここが全然分からなかった」等)、または指導者が授業中に配信した課題への解答である。書き込まれた内容は、記入日時、記入者情報等と合わせて、学校サーバ23に送信され(S252)、学校サーバ23はそれをノートデータとして記憶する(S253)。学習者用端末10は、学習者が書き込みを行う毎にその内容を学校サーバ23に送信しても良いし、所定時間経過毎に学校サーバ23に送信するようにしても良い。
指導者が、適宜、ノートデータを確認するための操作を行うと(S254)、指導者用端末20は、学校サーバ23に対して、ノートデータ取得要求を送信し(S255)、学校サーバ23は、指導者用端末20に対して、ノートデータを送信する(S256)。
これにより、指導者は、各学習者の授業の理解度をリアルタイムに把握することができる。また、これが蓄積されることで、各学習者の学習履歴を把握することができる。
また、指導者、または、学習者は、授業中に電子黒板21に対して直接書き込みを行うことができる(S260)。指導者用端末20が、電子黒板21に書き込んだ内容を保存する操作を受け付けると(S261)、指導者用端末20は、電子黒板21に対して、データ保存要求を送信し(S262)、電子黒板21は、指導者用端末20に対して、電子黒板画面のキャプチャデータを送信する(S263)。なお、電子黒板21が、書き込まれた内容を保存するための操作を受け付けるようにしても良い。電子黒板画面のキャプチャデータを受信した指導者用端末20は、それを記録する(S264)。
指導者用端末20が、S264で保存した電子黒板画面のキャプチャデータを、学習者用端末10に転送する操作を受け付けると(S265)、指導者用端末20は、学習者用端末10に対して、電子黒板画面のキャプチャデータを送信し(S266)、それを受信した学習者用端末10は、それを記録する(S267)。
なお、指導者用端末20が電子黒板画面のキャプチャデータを記憶するのではなく、電子黒板21や、学校サーバ23がそれを記憶するようにしても良い。
これにより、授業中に電子黒板21に書き込まれた内容が各学習者の持つ学習者用端末10に配信されるようにしたので、学習者の復習に活用することができる。
学習者用端末10が、授業モードを終了する操作を受け付けると(S268)、学習者用端末10は、授業モードを終了し、また、学校サーバ23に対して、当該授業中に書き込んだノートデータを送信する(S269)。授業モードの終了は、時間割情報に基づいて、学習者用端末10が自動的に行われるようにしても良い。ただし、授業が延長している場合もあるので、授業モードの終了を学習者に促す表示を行い、授業モードの終了を停止する操作が所定時間内に行われなかった場合に、自動的に授業モードを終了するようにしても良い。これにより、学習者用端末10の使い勝手が向上する。
ノートデータを受信した学校サーバ23は、当該ノートデータを記録する(S270)。
次に、本発明に係る実施例3について説明する。具体的には、複数の学習者が学習者用端末10を用いて教えあい、学びあう協働学習の例を説明する。
本実施例では、複数人の学習者がグループを作り、1つの課題を分担して行う協働学習の例を説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。図26は協働学習設定処理の一例を示す図である。
指導者用端末20は指導者ID及び指導者ID用パスワードを入力し、校内ネットワーク22を介し、学校サーバ23へログインする(S460)。
指導者用端末20は、指導者が設定したグループ毎の人数、及びグループ数等の情報からなるグループ設定を学校サーバ23へ送信する(S461)。
学校サーバ23は指導者用端末20から送信されたグループ設定に基づき、グループを作成する(S462)。具体的には、学校サーバ23は、グループ毎に、名称や構成する学習者の氏名及び学習者IDを作成または特定する。
同じグループに属することになった学習者用端末10a及び10bは、学校サーバ23へ学習者ID及び学習者ID用パスワードを用いて個別にログインする(S463)。
指導者用端末20は指導者が設定した学習時間、難易度、学習内容、及び共通フォーマット等の課題情報を学校サーバ23へ送信する(S464)。ここで共通フォーマットとは同じフォント、同じ文字サイズ、同じ形式、様式、構成等のファイルフォーマットを指す。
学校サーバ23は学習者用端末10a及び10bに対し、学習者が所属するグループの名称、同じグループに属する各学習者の学習者固有情報、前記課題情報等を配信する(S465)。
学習者同士の話し合い等の結果、そのグループの代表となった学習者が持っている学習者用端末10aは、各学習者が分担する作業を指導者用端末20へ送信する(S466)。
以上により、複数人の学習者による協働学習を行うためのグループ作りを迅速に行うことができる。
次に、図27に協働学習処理の一例を示し、説明を行う。
学校サーバ23は指導者用端末20へグループ作成状況、作業分担状況、学習者毎のノートデータ、合成されたノートデータ等を送信する(S467)。
学習者用端末10を用いた学習者による学習作業が開始される(S468)。
学習者による学習作業終了後、学習者用端末10は学習者固有情報内にある共通フォーマットの自作ドキュメントデータを含むノートデータを学校サーバ23へ送信する(S469)。
ここで学習者固有情報内のノートデータである自作ドキュメントデータの一例を図29に示す。図29(a)が学習者用端末10aによって作成された自作ドキュメントデータである。図29(b)が学習者用端末10bによって作成された自作ドキュメントデータである。自作ドキュメントデータはタイトル、氏名、本文、図表からなるデータであり、学習者によって異なる。
学校サーバ23は各学習者によって送信された自作ドキュメントデータを合成し、グループドキュメントデータを作成する(S473)。グループドキュメントデータとは学習者のノートデータまたは自作ドキュメントデータを合成したものであり、協働学習の成果である。なお、グループドキュメントデータは、例えば該当グループに所属する学習者及び指導者にのみ読み書きのアクセス権が付与され、他者は編集できない。具体的には、学校サーバ23の記憶部2004によりグループドキュメントデータが記憶される際、その成果を挙げたグループに所属する学習者と指導者のみが読み書き可能とする情報が付加される。学校サーバ23は、この情報を参考にして、例えば、他のグループの学習者が使用する学習者用端末が学校サーバ23の記憶部2004により記憶されている情報を読み出そうと試みたときであっても、それを拒否するようにする。
学校サーバ23は学習者用端末10a及び10bへ合成したグループドキュメントデータを送信する(S474)。図30に合成したグループドキュメントデータの表示例を示す。図29(a)、図29(b)に示す自作ドキュメントデータが合成され、学習者氏名、グループ名、日付等が付加される。
学習者用端末10a及び10bまたはそのいずれかの学習者により、グループドキュメントデータが未完成と判断された場合(S475:No)、学習者によるノートデータの修正を待ち、実施する(S472)。完成と判断された場合(S475:Yes)、学校サーバ23及び指導者用端末20へグループドキュメントデータ、完成報告を送信し、学習者用端末10は指導者用端末20から指導者によって決定される合格可否を待つ。
次に、指導者によるグループドキュメントデータの合格可否が判断される(S476)。不合格の場合(S476:No)、学習者用端末10a及び10bへ修正指示を送信する。合格の場合(S476:Yes)、指導者用端末20は学習者用端末10a及び10bに合格通知を送信する(S477)。
以上により、学習者自らが複数の自作ドキュメントデータを合成し、グループドキュメントデータを作成する必要がなくなり、ユーザにとっての利便性が良い。
図28は、協働学習発表処理の一例を示す図である。
ここで学習者用端末10cは、学習者用端末10a及び学習者用端末10bと同じグループに属さない学習者用端末10であり、学校サーバ23にログイン、本人確認済みである。
指導者用端末20は学校サーバ23へ所望のグループのグループドキュメントデータを表示する旨を送信する(S478)。
学校サーバ23は指導者用端末20からの指示を受け、該当する自作ドキュメントデータを電子黒板21、プロジェクタ、またはプリンタ等の外部出力機器へ出力指示を出す(S479)。
学習者用端末10c及び指導者用端末20は評価、コメントを学校サーバ23へ送信する(S480及びS481)。
学校サーバ23はノートデータ、学習履歴等の学習者固有情報を保存し、学習者用端末10a及び10bへ保存内容を通知する(S483)。
本実施例では、複数の学習者が一つのグループを作り、各々の学習者用端末10を用いて、1つの課題に対して作業を分担し、協働学習することが出来る。また、共通フォーマットを使用することで、学習者の作成したノートデータを容易に合成することができる。
次に、本発明に係る実施例4について説明する。具体的には学校内において学習者が学習者用端末10を用いて、テストを受験し、その採点結果を取得する例を説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図31及び図32はテスト受験処理の一例を示す図である。
指導者用端末20は学校サーバ23へ指導者ID及び指導者用パスワードを用いてログインする(S400)。
学習者用端末10は学校サーバ23へ学習者ID及び学習者用パスワードを用いてログインする(S401)。
指導者用端末20はテストID、テスト所要時間設定、教科書閲覧制限、アプリ起動(計算機)等の制限、ウェブ検索可否設定、ウェブ検索範囲設定、途中退出可否設定、らくがき可否設定、学習者用端末エラー時設定、解答バックアップ設定等を行う(S402)。
指導者用端末20は、学習者用端末10及び学校サーバ23に対し、テストモード設定指示を送信する(S403)。
学習者用端末10は上記テストモード設定指示に含まれるテスト設定情報を解析する。テスト設定情報には、テストタイトル、テストID、テスト所要時間、教科書閲覧不可、アプリ起動不可、ウェブ検索不可等の制限情報を含む。
学校サーバ23はテストタイトル、テストID、課題、問題、解答欄テンプレート等から成るデータをもつ。
ここで、学習者用端末10が指導者用端末20からテストモード設定指示を受けた際に実施されるテストモード設定処理(S404)について図33を用いて詳細に説明する。
学習者用端末10は現在の設定状況を記憶部1004へ既存設定情報として保存する(S430)。
次にカメラ部1008の動作不可、音声出力部1010の動作不可、教科書閲覧不可、アプリ起動不可、及びウェブ検索不可等の各種設定を行う(S431)。
各種設定完了後、制御部1005は電源供給部1003のバッテリ残量を確認し(S432)、バッテリ残量から学習者用端末10の残り駆動時間を算出する(S433)。
指導者用端末20のテストモード設定指示内にあるテストの解答時間であるテスト時間と前記の駆動時間を比較する(S434)。
テスト時間が駆動時間を上回っている場合(S434:Yes)、制御部1005は異常フラグを立て、異常終了とする(S435)。
テスト時間が駆動時間を下回っている場合(S434:No)、制御部1005はテストモード設定を完了する(S436)。
次に学習者用端末10は設定完了通知を学校サーバ23へ送信し(S405)、学校サーバ23は異常フラグ(S435)の有無から学習者用端末10の異常を判断する(S406)。異常がある場合(S406:Yes)、学校サーバ23は、端末固有情報を指導者用端末20へ通知し、学習者用端末10の再起動、または指導者による代替端末への交換等の異常対応を行う(S407)。
異常のない場合(S406:No)、学校サーバ23はテストIDに該当するテストデータを学習者用端末10及び指導者用端末20へ配信する(S408)。なお、この時点では、テストの内容は表示されない。
学習者用端末10は、テストを受ける準備が整った学習者による所定の操作を受け付けたことに伴い、学習者がテストを受ける準備が完了した旨を学校サーバ23及び指導者用端末20へ通知する(S409)。
指導者用端末20は、指導者の操作に基づき、テストデータ、または各学習者の受験の準備状況等を表示する(S410)。指導者用端末20は、テスト開始可能と判断した指導者による所定の操作を受け付けると、学校サーバ23及び学習者用端末10へテスト開始指示を送信する(S411)。
学習者用端末10は指導者用端末20からのテスト開始指示を受け、テストデータ内の内容の表示を開始し、学習者IDを学校サーバ23へ送信する(S412)。
学校サーバ23はテスト開始指示を受け、タイマーを開始する(S413)。学習者用端末10によりテストの内容が表示され、学習者は、解答を行う。
学習者用端末10はテストの解答毎に学校サーバ23へ解答データを送信する(S417)。解答毎に解答データを送信することで、学習者用端末10がフリーズ等の異常が発生しても、学校サーバ23は、学習者の解答を保持することができる。これに限らず、時間毎に解答データを送信してもよく、各学習者用端末10で送信タイミングを変えることで、通信トラフィックを軽減することが可能になる。なお、学校サーバ23へ送信された解答データは、その修正を希望する学習者が後で修正可能なように学校サーバ23により保持される。
学校サーバ23は学習者用端末10の解答状況、例えば、問題解答時刻等の途中経過を集計し、指導者用端末20は随時、解答状況をモニタする(S418)。指導者用端末20を使って、自由に学習者用端末10の画面をモニタすることで、指導者は、各学習者がテストの解答がどこまで進んでいるか等を把握することができる。すなわち、指導者は、どの学習者の理解度が不足しているかをリアルタイムに把握することができ、より効果的な指導を行うことが可能となる。
学習者用端末10は、学習者の操作に基づいて、テスト解答終了操作を受け付けると(S419:Yes)、学校サーバ23へ解答データを送信し、指導者用端末20へ途中終了通知を送信する。
テスト解答終了操作がなされなかった場合(S419:No)、学校サーバ23はタイマー終了5分前に学習者用端末10へテスト終了5分前である旨を送信する(S420)。
学校サーバ23はタイマー終了時に、学習者用端末10へ解答強制終了を要求する(S421)。学習者用端末10は、この解答強制終了の要求を受信すると、例えば、学習者用端末10の表示部1001に「テスト時間終了」等の旨を表示させ、また、学習者による解答のための操作を受け付けないようにする。その後、学習者用端末10はテストモード設定を解除するテストモード解除処理を行う(S422)。
図34は、テストモード解除処理の一例を示す図である。
学習者用端末10はテストモード設定処理時に記憶部1004に記憶した端末の設定情報を呼び出す(S438)。そして、テストモード設定処理時の各種設定と同様の設定を行い(S439)、テストモード設定を解除する(S440)。
学習者用端末10はテストモード設定解除後、解答データを学校サーバ23へ送信する(S423)。
学校サーバ23は、予め記憶していた模範解答を参照し、各学習者用端末10により送信された解答データの採点を行う(S424)。
学校サーバ23は採点終了後、採点結果を該当する学習者用端末10へ通知し(S425)、学習者用端末10は採点結果を表示する(S426)。
学校サーバ23はテストの採点終了後、学級平均点、正答率等を算出し(S427)、指導者用端末20へテストの採点情報として通知する(S428)。
指導者用端末20は学級平均点、正答率等の学級固有情報を表示する(S429)。
なお、本実施例では制限情報により、音声出力不可、教科書閲覧不可としたがこれに限らない。例えば、教科書データの一部のみ閲覧許可または閲覧不可としてもよい。または、学習者別に設定してもよい。
また、S406にて学習者用端末10の異常診断を学校サーバ23で行うとしたが、これに限らない。例えば、学習者用端末10にて自己判断してもよい。
また、採点について、学校サーバ23が自動採点し、学習者用端末10へ送信するとしたが、これに限らない。例えば、学習者用端末10または指導者用端末20が自動採点するとしてもよいし、指導者の操作で採点開始するとしてもよい。学校サーバ23が採点を行うことにより、学習者用端末10または指導者用端末20の処理負荷を低減させることができる。一方、学習者用端末10で採点を行うことにより、ネットワーク外でも採点を行うことができる。指導者用端末20で採点を行うことにより、絵画等の判断の難しい課題の採点やコメント付加等を行うことができ、きめ細かな指導を行うことができる。
また、採点結果表示、テスト結果表示について、学校サーバ23が学習者用端末10へ通知するようにとしたが、これに限られない。例えば、指導者用端末20が指導者の操作により学習者用端末10へ通知するとしてもよい。これにより、意図しない情報を学習者へ公開することを防ぐことができる。
本実施例では、テスト受験時に指導者が意図しない不要な機能を制限するため、学習者の不正を防止することができる。また事前にバッテリ不具合等の端末の異常判断を実施することで、テストが中断される可能性を軽減することができる。また、学習者毎にタイマーを設けることによって、平等なテスト受験時間を得ることもできる。
次に、本発明に係る実施例5について説明する。本実施例では、学習者の成績を評価する処理の具体的な方法について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
本実施例の校内システムの一例を図35に示す。本実施例の校内ネットワーク22には、学級担任である指導者が使用者である学級担任指導者用端末20aと、特定の教科の指導を担当する教科担当指導者が使用する教科担当指導者用端末20bが接続され、その他は図1と同様である。尚、以下では、説明を簡単にするために、教科担当指導者用端末20bを一つとしているが、通常、教科及びこれを担当する教科担当指導者は複数存在するので、教科担当指導者用端末は複数ある。
図36は、成績処理の一例を示す図である。
各学習者用端末10、学級担任指導者用端末20aと教科担当指導者用端末20bは成績処理に必要な成績情報を学校サーバ23に登録する(S101)。
前記成績情報とは、例えば各教科のテスト成績を含む学習成績を評価する上での情報、学習態度を評価する上での情報、組織内での協調性を評価する上での情報等を含み、学習者の教科別成績および総合成績を評価するにあたり必要な情報である。
なお、成績情報が登録されるタイミングは成績情報の内容に依存し、例えば学習成績を評価する上で、具体的にはテスト成績を用いる場合は、例えばテスト実施後の採点結果が学習者用端末10内に記憶されるタイミングで登録すれば良い。学習態度を評価する上で、具体的には授業中の発言数を用いる場合は、学習者用端末10の音声入力部1009を用いて、発言数を計測し、授業終了時に計測結果を発言数として学校サーバ23に登録すれば良い。
その他、各教科の授業終了時に、教科担当指導者用端末20bが学習態度を登録しても良い。また、一日の授業終了時に学級担任指導者用端末20aが学習者の組織内での協調性を登録しても良い。または、学級内の他の学習者との通信量を通信部1006が計測し、日々の通信量と通信相手を通信状態として記憶部1004に記憶し、通信量と通信相手が多ければコミュニケーションが多く取れている考えられるため、組織内での協調性を評価する上での情報として登録しても良い。
次に、教科担当指導者用は、担当する教科の前記成績情報を確認し、教科担当指導者用端末20bを用いて、必要に応じて修正し、登録する(S102)。
次に、学校サーバ23は、教科別成績処理を行う(S103)。前記教科別成績処理とは、具体的には学年、または学級毎の各教科の成績を統計し、その教科での学習者の成績を教科別成績として作成する処理を含む。これは、各学習者の通知表に記入する成績を算出する処理とも言える。
次に、学校サーバ23は、学習者別成績処理を行う(S104)。前記学習者別成績処理とは、具体的には各教科別に算出された前記教科別成績と前記成績情報に基づき、総合成績として学習者に通知する通知表データを作成する。図37に通知表データの具体例を示す。前記通知表データは、学校固有情報や学年固有情報、学級固有情報、学習者基本情報、及び学習者固有情報を含み、例えば学校名、学級名、担任名、学習者ID、学習者氏名、各教科の成績、所見、出欠情報、保護者への連絡事項、及び保護者の承認を含む。前記所見とは、前記教科別成績と前記成績情報から、特筆すべき情報を抜き出し自動生成されるものである。例えば、前記成績情報から組織内での協調性を評価する上での前記通信状態を取得し、統計処理の結果、通信状態の偏差値が著しく良い場合は、「多くの友達とのやり取りがあり、人気者です。」などのように自動的に文章を生成する。その他、出欠情報から「欠席なしです。」などのように自動的に文章を生成する。
次に、学校サーバ23は、生成した前記通知表データを学級担当指導者用端末20aに送信する(S105)。
前記通知表データを受信した学級担当指導者用端末20aは、通知表処理を行う(S106)。前記通知表処理とは、具体的には通知表データを表示、並びに指導者による確認、及び所見の記載を含み、学級担当は必要に応じて通知表データの修正を行い、学校サーバ23に登録する(S107)。
学校サーバ23は、全校の学習者の通知表データから、全校成績処理を行う(S108)。具体的には、学校内に在籍する学習者の成績の学内統計データが算出される。前記学内統計データとは、具体的には出席率の校内平均や、全国共通の試験成績の学年別平均などの学校内に在籍する任意の学習者を母集団とする統計データである。
次に、学校サーバ23は通知表を学習者用端末10に送信する(S109)。次に、通知表を受信した学習者用端末10では、保護者による通知表承認を行う(S110)。前記通知表承認の方法は、例えば保護者のみが知るパスワードを入力することを契機として、実施される。また、前記承認時に保護者のみが閲覧することが可能な情報が表示されても良い。
次に、学習者用端末10は、承認結果を学校サーバ23へ送信する(S111)。前記承認結果とは、保護者が通知表の内容を確認し、承認したことを示す情報であり、例えば前記パスワードを入力した日付や、パスワード入力により保護者の電子署名を通知表に取り込み、学校サーバ23に送信されても良い。すなわち、前記通知表承認処理が正常に完了した旨が、学校サーバ23に送信されれば良い。
以上により、一連の成績処理を、教科担当、学級担任、保護者の負担が少なく、確実に実施することが可能となる。
また、前記教科別成績処理、学習者別成績処理、及び全校成績処理は、図36に示されるタイミングでなくとも、必要な成績情報が学校サーバ23に登録されていれば、任意のタイミングで実行可能である。
次に、本発明に係る実施例6について説明する。具体的には家庭内において学習者が学習者用端末10を用いて宿題を行う例を説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
また、本実施例ではノートデータ、教科書データ、及び参考書データ等は学校サーバ23内に記憶されているものとして説明する。
図38は、宿題学習処理の一例を示す図である。
学校サーバ23は行政機関が管理する行政サーバ53から、公開成績情報をダウンロードする(S500)。図39に公開成績情報の例を示す。公開成績情報とは、全国の又は特定の都道府県等の一部の地域内の学校サーバ23から送信された成績情報の集合であり、具体的には科目、課題達成度、順位、平均、及び実施率等から構成され、学習者は全国の順位や平均との比較やどれだけの学習者が学習したかを実施率によって知ることができるため、学習者の学習意欲の向上につながる。なお、公開成績情報は学年毎、学級毎にそれぞれ持ってもよい。また、公開成績情報は学習の達成度としたが、これに限らない。例えば、達成度ではなく、テストの得点としてもよい。なお、公開成績情報に学習者を特定し得るような個人情報が含まれている場合、公衆への公開の対象としないのが適当である。しかし、優秀成績者など、一部の学習者については、その氏名や変名等を公開の対象としても良い。この場合、学習者の学習意欲の向上に寄与できる場合がある。
次に指導者用端末20は、指導者の操作に基づいて、指導者ID及び指導者ID用パスワードを入力し、ネットワーク2、校内ネットワーク22を介し、学校サーバ23へログインする(S501)。
学習者用端末10は学習者の操作に基づいて、学習者ID及び学習者ID用パスワードを入力し、家庭内ネットワーク62、ネットワーク2、校内ネットワーク22を介し、学校サーバ23へログインする(S502)。
学校サーバ23は学習者IDに対応する学習者固有情報を学習者用端末10へ送信する(S503)。
学習者用端末10は学習者固有情報内の学習履歴を表示し、学習者は宿題情報を選択し、学校サーバ23へ通知する(S505)。
ここで宿題の選択について説明する。図40は、宿題リストの表示例を示す図である。この宿題リストは学習者用端末10の表示部1001により表示され、学習者毎に異なる情報で、氏名、学級順位、全国順位、各教科の達成度、最終学習日時、及びお知らせ等の情報が閲覧できる。例えば、お知らせには、学級単位の更新状況や新規宿題配信情報等が表示される。学習者が算数を選択すると、学習者用端末10の表示部1001には図41に示す表示になり、算数の宿題の項目、達成度が表示される。学習者が未達成項目を選択すると、対応する宿題が学校サーバ23から学習者用端末10の記憶部1004にダウンロードされ、宿題を学習可能となる。
学校サーバ23は対応する学習者固有情報内から必要な情報、例えばノートデータ、教科書データ、及び参考書データ等を学習者用端末10へ送信する(S506)。
学習者用端末10は学習者が学習中、解答する毎に学習サーバ23へバックアップのためデータを送信する(S507)。
学習者用端末10は、学習者による操作に基づき、学習者による学習が終了した旨及びその結果である解答データを学校サーバ23へ送信する(S508)。
学校サーバ23は解答データの採点を行う(S509)。
指導者用端末20は学習者固有情報と学級固有情報をモニタ可能で、指導者により入力された評価及びコメントを学校サーバ23へ送信する(S510)。
学校サーバ23は学習者固有情報及び公開成績情報を更新し、学習者用端末10へ送信する(S511)。
学習者用端末10の表示部1001は図42に示す表示になり、学習者は学級固有情報内の学級進捗状況や学習者固有情報内の学習履歴等を確認する(S512)。
なお、本実施例では家庭内での使用を例に挙げ、学習者用端末10は家庭内ネットワーク62、ネットワーク2を介し、学校サーバ23へアクセスしたが、これに限らない。例えば、図1に示すよう、LTEやWiMAX等の高速無線通信であるネットワーク2を介し、学校サーバ23へアクセスすることで、家庭内ネットワーク62に関わらず学習することが可能になる。また、本実施例では、学校サーバ23が採点を行ったが、これに限られない。例えば、学習者用端末10または指導者用端末20が採点処理をしてもよいし、保護者や指導者等が直接採点する方法でもよい。
また、宿題の例では各学校の学校サーバ23間で順位等を算出したが、個人で購入したテキストや塾独自のテキスト等は出版社サーバや塾サーバが管理してもよい。
本実施例では、学習者が学校以外の場所でも学校サーバ23にアクセスし学習が可能で、学級の達成度、全国平均との比較が出来るため、学習意欲向上につながる。また、学校サーバ23が採点処理を行うため、指導者の校務を軽減することができる。また、指導者はネットワーク2または校内ネットワーク22上で学級内の進捗状況、全国平均との比較等を把握出来るため、学習者に対し効率のよい指導を行うことができる。
次に、本発明に係る実施例7について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図43及び図44は、学習者情報更新処理の一例を示す図である。
年度の切り替え時期において、指導者は、学校サーバ23に対して、学習者の進級状況に応じた学習者に関する情報の更新を行う(S280)。例えば、学習者の所属学年情報、及び所属学級情報を書き換える。
この状態で、学習者用端末10が、学習者用端末10の更新開始処理を受け付けると(S281)、学習者用端末10は、学校サーバ23に対して、学習者情報取得要求を送信する(S282)。尚、更新開始処理とは、新たな学年や学級用の設定情報、教科書データ等のダウンロードを開始する処理であり、具体的には、「更新開始ボタン」を押下する処理である。学習者情報取得要求を受信した学校サーバ23は、学習者用端末10に対して、学習者情報を送信する(S283)。なお、学習者の所属学年や所属学級が変わらないときに、学習者情報取得要求は送信されないものとする。
学習者情報を受信した学習者用端末10は、学習者の所属学年情報、及び所属学級情報等が更新されたことを認識すると(S284)、学習者が属する学年の固有情報、及び学級の固有情報の取得を要求する(S285)。学年及び学級固有情報取得要求を受信した学校サーバ23は、学習者用端末10に対して、学年及び学級固有情報を送信する(S286)。学年及び学級固有情報は、例えば、新たなクラスの名簿情報、新たなクラスの時間割情報、新たなクラスに配置された周辺機器に関する情報(機器ID、機器名、及びアドレス情報等)、新たなクラスで使用する教科書その他の教材のリストがある。学年及び学級固有情報は、他に、学年毎のフォントデータ(学年毎に習得すべき漢字があり、それを考慮したフォントデータ)を含んでも良い。これを受信した学習者用端末10は、学習者用端末10内のフォントデータに反映させることができる。これにより、ユーザにとって利便性が向上する。
続けて、学習者用端末10は、受信した学年及び学級固有情報に基づき、教材データ取得要求を送信する(S287)。教材データ取得要求を受信した学校サーバ23は、学習者用端末10に対して、教材データを送信する(S288)。なお、学習サーバ23は、S283、S286、S288を同時に実行するようにしても良い。
学習者が転校する場合、学習者の保護者は、転入先の自治体に転入申請手続きを行い、転入申請手続きが行われたことが、行政サーバ53に記録される(S290)。この中には、転校する学習者のID、学年情報、転出元の学校を示す情報等が含まれる。転入申請手続きが行われたことが記録されると、行政サーバ53は、転出元の学校の学校サーバ23aに対して、転校者の在学確認要求を送信する(S291)。必要であれば、その前に、学校サーバ23aと行政サーバ53の間で認証処理を行う。転校者の転出元の学校がどこであるかは、転入申請手続きに含まれる情報を利用しても良いし、行政サーバ53が、学習者と、各学習者が通学する学校とを対応付けたデータベースを記憶、及び管理し、転校者の学習者IDから現在通学中の学校を割り出しても良い。転校者在学確認要求を受信した学校サーバ23aは、行政サーバ53に対して、転校者在学確認情報を送信する(S292)。
行政サーバ53は、受信した転校者在学確認情報により、転校者の現在の在学状況を確認することができたら、転入通知情報を作成する(S293)。転入通知情報には、転校者の氏名、性別、生年月日、住所、保護者氏名、及び緊急連絡先等の学習者基本情報が含まれる。行政サーバ53は、管理下にある学校のリストを持つ。学校リストには、学校名、代表者名、連絡先電話番号、連絡先アドレス、及び学習者総数等が含まれる。行政サーバ53は、学校リストの中から転校者の最適な転入先を選択し、その学校の学校サーバ23bに対して、作成した転入通知情報を送信する(S294)。必要であれば、その前に、学校サーバ23bと行政サーバ53の間で認証処理を行う。転入通知情報を受信した学校サーバ23bは、転校者アカウントを作成する(S295)。転校者アカウントには、学習者基本情報が関連付けられる。転校者アカウントを作成できたら、学校サーバ23bは、行政サーバ53に対して、転入受け入れ通知を送信する(S296)。
転入受け入れ通知を受信した行政サーバ53は、学校サーバ23aに対して、転校者情報転送要求を送信する(S297)。転校者情報転送要求には、転校者情報を転送する学校サーバ23bのアドレス情報、及び認証情報が含まれる。転校者情報転送要求を受信した学校サーバ23aは、転校者情報を作成する(S298)。転校者情報は、転校者の成績情報、健康情報、及び学習履歴等を含む。転校者情報を作成したら、学校サーバ23aは、学校サーバ23bに対して、転校者情報を送信する(S299)。転校者情報を受信した学校サーバ23bは、これを記録する(S300)。
以上により、転校の際に、転校者の保護者は、自治体(行政サーバ)での手続きだけを行えば良く、転出元の学校や、転入先の学校に行って手続きを行う必要がなくなり、ユーザにとって利便性が向上する。
次に、本発明に係る実施例8について説明する。本実施例では、学習者の学習状況を学級毎または学年毎にまとめて、学校の指導者に対して報告を実施する例について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図45は、図1に示した構成図において学習状況を各教科毎の指導者が分析結果を登録し、学級または学年毎に成績状況を報告する学習状況登録処理の一例を示した図である。
学習者各々の成績情報登録手続きは各学習者が所持する学習者用端末10を用いて以下のように実施する。ある学習者は学習者用端末10aを用いて、教科毎の学習履歴を学校サーバ23に登録する(S662、S663)。教科Aを担当する指導者は学習者の学習履歴を参照し、さらに学習者毎の学習状況の分析結果すなわち学習の進捗状況や理解度合い等を学校サーバ23に登録する(S664)。同様に教科Bを担当する指導者は、教科Bについて学習者毎の学習状況の分析結果を学校サーバ23に登録する(S665)。上記S662〜S665の一連の手続きを日々の授業で実施することにより、学習者の成績情報の登録を実施する(S661)。また別の学習者についても同様に成績情報の登録を実施する(S666)。
上記にて蓄積された成績情報を元に、学校サーバ23は定期的に例えば学期末もしくは毎月等、または任意の時点にて成績情報の報告を実施する。成績情報の報告は教科毎に実施し、学級毎に集計を行った結果を例えば教科Aであれば学級担任の指導者と、教科A担当の指導者に報告する(S667、S668)。また、教科Bについても集計結果を教科B担当の指導者と学級担任の指導者に報告する(S669、S670)。
また、学級毎に全教科について成績を集計した結果についても、学級担任の指導者、さらに上位の指導者たとえば学年主任や教頭に対して報告する(S671、S672)。さらに、学年全体について成績の集計を行った結果を上位の指導者に対して報告する(S673)。
これにより、学級毎または学年毎の学習状況について、担当の指導者の手を煩わせることなく学級担任の指導者やさらに上位の指導者に報告するため、成績情報の管理作業の効率を向上することが出来る。
次に、本発明に係る実施例9について説明する。本実施例では、学習者が学校内の施設を利用した場合にその利用履歴を学校サーバ23が管理する例について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図46は校内システムの一例を示す図である。本実施例の校内ネットワーク22には、図書室管理サーバ24が接続されている。図書室管理サーバ24は、学校内の図書室に所蔵されている書籍についての情報つまり書籍名や出版社名、発行日、図書の分類、及び記載内容に関する情報などを記録または管理しており、学習者等が、前記情報を利用して書籍の検索が可能なように構成されている。また所蔵している書籍についての貸出し履歴の管理を実施し、書籍の貸出しに際して貸し出した書籍名、借主、貸出日、及び貸出し期限等の情報の管理を実施する。
図47は、学校サーバ23が図書の貸出し履歴を登録し、指導者が学習履歴とともにこれを参照する図書貸出履歴登録処理の一例を示した図である。
学習者の操作に基づき、学習者用端末10は、教科毎の学習履歴を学校サーバ23に登録する(S691)。学校サーバ23は登録された学習履歴を元に、学習中の教科内容やそこに含まれるキーワード等から学習内容に関連した図書の検索を図書室管理サーバ24が実施する(S692)。図書室管理サーバ24は、検索の結果としてピックアップされた図書に関する情報を学習者用端末10に送信することにより、学習者に対して参考図書の推薦として通知する(S693)。推薦を受けた学習者が図書を借りた場合には(S694)、司書の操作等に基づいて、図書室管理サーバ24は、貸出しの対象となった図書の名称、貸出日時、貸出し期限、並びに図書を借りた学習者の氏名及び学習者IDなど、図書の貸出しに関する情報を図書貸出し履歴として記憶し、この情報を学校サーバ23に登録する(S695)。
図書室管理サーバ24は貸出し期限が近づくと、学習者用端末10にその旨を送信し、貸出し期限が近づいたことを借主の学習者に通知する(S696)。貸し出し期限を超過した場合には、図書室管理サーバ24は、期限超過したことを学習者用端末10及び指導者用端末20に送信し、その旨を借主の学習者と、監督責任を持つ指導者に対して通知する(S697、S698)。
指導者用端末20は学校サーバ23にアクセスし、登録されている図書貸出し履歴を表示することにより、指導者は、学習履歴とともに図書貸出し履歴を参照し、学習者の学習の取り組み状況を把握する(S699)。
本実施例では指導者が学習者の学習履歴とともに読書履歴を参照することができるため、より学習者の学習の取り組み状況についてより詳細に把握することが出来る。また、学習者は、図書室管理サーバ24により自分の学習履歴に応じた図書の推薦を受けることができ、自分に適した図書を容易に特定することができる。
次に、本発明に係る実施例10について説明する。本実施例では、学校の学習者が塾または予備校等(以下、単に「塾」)に通学する、または家庭教師に師事した際に、塾の講師、家庭教師その他の学校外の指導者(以下、「学校外指導者」と言う場合がある)が学習者の成績情報を学校側と共有する例について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図48は、学校外指導者である塾の指導者が学習者の成績情報を入手する成績情報入手処理の一例を示した図である。
まず、学習者が学校に入学または各年度もしくは各学期の開始時に、教諭等の学校の指導者の操作に基づいて、学校サーバ23は学習者毎の成績情報の格納領域を作成する(S601)。領域が作成されると、学校サーバ23は保護者用端末60に対し、登録が完了されたことを通知し、学習者の保護者に対してその旨を知らせる(S602)。また、保護者が、学習者の情報の配信先として保護者以外の第三者を登録できるように学校サーバ23が設定される。
学習者用端末10は、日々の学習履歴を学校サーバ23に送信し(S603)、学習履歴が学校サーバ23により蓄積される。指導者用端末20が学校サーバ23により記録された学習履歴を読み出すことにより、学校の指導者は各学習者の学習履歴を参照し(S604)、学習者の学習進捗状況や理解状況を知るとともに、各状況を分析し学習者の学習状況、例えば教科毎の得意ないし不得意とする項目やその度合いを分析し、この分析結果を学校サーバ23に送信する(S605)。この分析結果もまた学習者の成績情報として学校サーバ23により蓄積される。上記成績情報登録手続(S603〜S605)は成績情報登録手続きとして、日々の学習で随時行われる。
塾に通う学習者の保護者は、学習者の成績情報を塾の指導者に開示することを希望する場合、保護者用端末60を介して、学校サーバ23にアクセスし、成績情報の配信先として塾の指導者を登録する(S606)。これにより、保護者以外の登録された第三者に対しても学習者の成績情報の配信がなされるように設定される。また学校の指導者に対しては、上記のように第三者が登録されことが通知される(S607)。
学校の指導者は、保護者に対して学習者の学習状況の連絡を行う場合、例えば通知表を配布する場合には、指導者用端末20を介して、学習者の通知表データを学校サーバ23に登録する(S608)。学校サーバ23は保護者用端末60に対して登録された通知表データを送信する(S609)とともに、塾の指導者用端末70に対しても通知表データを送信し、塾の指導者に学習者の通知表を送る(S610)。なお、送信される通知表データは、保護者向けのものと保護者以外向けのものとで異なる内容としても良く、また同じ内容であってもかまわない。前者の場合、学校の指導者がそれぞれの送付先に向けて通知表データの内容を設定する。
また、学習者が塾を辞めた場合には、保護者は、保護者用端末60を介して、学校サーバ23に対して、成績情報の配信先として登録済みの塾の指導者を削除するよう通知する(S611)。この通知を受けた学校サーバ23は、成績情報の配信先を更新し、塾の指導者に対する学習者の成績情報の配信が停止される。また、学校の指導者に対しても登録が削除されたことが通知される(S612)。
本実施例では、学習者に関する情報を開示する対象の学校外指導者の登録は保護者が実施するため、保護者の関知しない他者に対して学習者の成績情報が開示される危険性を防止できる。また保護者向けの情報と、保護者以外の第三者に対して送付される情報を別々にすることで、保護者以外の者に対する不要な情報の開示を防ぐことが出来る。
なお、保護者が情報の開示対象として学校外指導者(すなわち、人)を登録する代わりに、またはこれに加えて、塾、予備校その他の機関を成績情報の開示対象として登録できるようにしても良い。
次に、本発明に係る実施例11について説明する。本実施例では、学校の学習者が塾もしくは予備校等に通学する、または家庭教師に師事した際に、学校外指導者が学校サーバ23にアクセスし、学習者の成績情報の参照を行う例について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図49は、学校外指導者である塾の指導者が学習者の成績情報を参照または学習状況を登録する成績情報参照処理の一例を示した図である。
まず、学習者が学校に入学または各年度もしくは各学期の開始時に、教諭等の学校の指導者の操作に基づいて、学校サーバ23は学習者毎の成績情報の格納領域を作成する(S631)。領域が作成されると、学校サーバ23は保護者用端末60に対し、アクセス権の登録が完了されたことを通知する(S632)。また、学校サーバ23は、保護者用端末70が学校サーバ23内のアクセス権を変更可能にする。これにより、保護者自身が、学習者の成績情報を参照し、または保護者が学習者の成績情報を第三者に開示することを許可することが可能となる。
学習者用端末10は、日々の学習履歴を学校サーバ23に送信し(S633)、学習履歴が学校サーバ23により蓄積される。指導者用端末20が学校サーバ23により記録された学習履歴を読み出すことにより、学校の指導者は各学習者の学習履歴を参照し(S634)、履歴データを参照することで学習者の学習進捗状況や理解状況を知るとともに、各状況を分析し学習者の学習状況、例えば教科毎の得意ないし不得意とする項目やその度合いを分析し、この分析結果を学校サーバ23に送信する(S635)。この分析結果もまた学習者の成績情報として学校サーバ23により蓄積される。上記成績情報登録手続(S633〜S635)は成績情報登録手続きとして、日々の学習で随時行われる。
学校サーバ23により蓄積される学習者の成績情報はアクセス権についての情報を有し、その詳細な情報毎にアクセス権が設定付与されている。図50は成績情報のアクセス権の一例を示す。同図は、塾の指導者に対して教科1及び教科2に関する成績情報の開示を許可した場合の例を示している。図50は、塾の指導者に対して開示が許可された状態を示しているが、当初は学校外指導者等の第三者に対してはすべての項目が開示できない状態が設定され、以降に述べる第三者開示手続きの後に、開示が可能となる。
塾の指導者の操作に基づき、指導者用端末70は学校サーバ23に対して、学習者の成績情報の開示依頼を送信する(S636)。例えば、学校が開設したインターネットのホームページ上で、学習者の識別情報、例えば氏名や学籍番号などを指定して塾の指導者が成績情報の開示を依頼できるように、学校サーバ23が構成されている。開示依頼を受け付けた学校サーバ23は、保護者用端末60に対して開示依頼の確認要求を送信する(S637)。保護者は成績情報の開示を依頼したのが学習者の通う塾の指導者であることを確認して塾の指導者に対して開示の可能となるように、成績情報のアクセス権を変更する(S638)。学校サーバ23は保護者の許可を得て塾の指導者に対して開示が許可されたことを指導者用端末70に通知する(S639)。また学校の指導者に対しても第三者に対して開示が許可されたことが通知される(S640)。以上の手続きを経て第三者すなわち塾の指導者に対しての開示手続きが行われる。
開示を許可された塾の指導者用端末70は、塾の指導者の操作に基づき、学校サーバ23に記録されている学習者の学習履歴を参照し(S641)、学習者の学習進捗状況や理解状況を知るとともに、塾での学習履歴または、学習状況の分析結果を学校サーバ23に送信し、学習者の成績情報として学校サーバ23により蓄積される(S642)。S641、S642における成績情報の参照や履歴の登録は日々の塾授業において随時行われる。また学校の指導者は学習者の成績情報を参照し、学習者の塾での学習状況を参照することが出来る(S643)。
また、学習者が塾を辞めた場合には、成績情報の開示の停止手続きを実施するため、保護者は学校サーバ23に対して、ステップS638で実施した開示許可を停止するようにアクセス権を変更する(S644)。開示停止がされた結果は塾の指導者用端末70に通知される(S645)。また学校の指導者用端末20にも同様に通知される(S646)。
本実施例では、塾の指導者からの開示依頼に対して保護者が許可を与えるため、誤って悪意の第三者に成績情報を開示する危険性が少なくなる。また塾の指導者が成績情報の参照だけでなく、塾での学習状況を学校サーバに登録可能であるため、学校の指導者がその情報を活用して学校での学習指導に活用することも可能である。
次に、本発明に係る実施例12について説明する。本実施例では、学習者用端末10aと学習者用端末10bとの間で情報を共有する例について説明する。より具体的には、専用の共有アプリケーションを実行し、一のグループに属する複数の学習者用端末10の間で、共通の写真データ等の情報を送受信し、情報を共有する例について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図51は、学習者用端末10aと学習者用端末10bが通信して写真を共有する写真共有処理の一例を示す図である。
まず、学習者用端末10aが写真共有アプリケーションを起動する(S900)。そして、学習者用端末10bも同様に写真共有アプリケーションを起動する(S901)。
学習者用端末10の表示部1001には、グループへの参加者の募集を開始するボタンが表示される。そして、学習者の操作により該ボタンが押下されると、学習者用端末10aは、写真を共有するためのグループへの参加を募集する処理を開始する(S902)。ここでは、例えば、写真を共有するグループを識別するグループ名などを学習者が入力する処理が含まれる。
そして、学習者用端末10aの通信部1006がブロードキャストにより、学習者用端末10bに向けて参加者を募集する信号を、不特定多数の学習者用端末10に送信する(S903)。ここでは、参加者を募集する旨のみならず、グループの作成者となる学習者用端末10aのニックネームや、グループ名、及び自分のIPアドレスなどといったグループ情報を同時に送信する。
なお、学習者用端末10bは、学習者用端末10aから参加を募集する信号を受信した後に、写真共有アプリケーションを起動してもよい。これにより、学習者用端末10bの学習者はわざわざ事前にアプリケーションを起動しておく手間が省けて、利便性が向上する。
この信号を受信した学習者用端末10bは、学習者用端末10aが写真共有グループの参加者を募集している状態であることを表示する(S904)。具体的には、学習者用端末10aから送信されたニックネームやグループ名を使って、「参加者を募集しています。参加しますか? はい・いいえ」といったメッセージを表示する。
これに対して、学習者が「はい」を押下し、学習者用端末10bは、グループに参加する旨を指示する応答操作を受け付けると(S905)、学習者用端末10aに対してグループへの参加を希望する応答通知信号を送信する(S906)。これを受けて学習者用端末10aと学習者用端末10bは認証処理を行い(S907)、学習者用端末10aと学習者用端末10bの間で通信を確立させる。ここでの認証処理とは、通信の接続相手を特定するための処理であり、例えば、双方で同一のパスワード情報を送信し、当該パスワードが一致することを確認することである。
その後、学習者用端末10aは、学習者により共有する写真が選択されると(S908)、その写真データを学習者用端末10bに送信する(S909)。この際、写真データのほかに、写真を表示する画面上の位置や写真のサイズを示す写真表示情報も同時に送信する。そして、学習者用端末10aは写真データのデコード処理を行い、写真表示情報に対応した位置と大きさで写真を表示部に表示する(S910)。なお、学習者用端末10aは、学習者により共有対象とする写真が選択された後、学習者により実際の送信を指示する操作が行われるのを待ってから、その写真データを学習者用端末10bに送信するようにしても良い。
また、写真データ及び写真表示情報を受信した学習者用端末10bも同様にして、写真データのデコード処理を行い表示部1001により表示される(S911)。正常に表示できた場合、学習者用端末10aは、学習者用端末10aに応答通知の信号を送信する(S912)。
以後、ステップS908からステップS912までと同様の処理(S913)を繰り返し行い、複数の写真を共有することができる。
なお、ここでは、学習者用端末10aから学習者用端末10bへ写真データを送信する例について説明したが、同様にして、学習者用端末10bから学習者用端末10aに写真データを送信できる。
また、送信する写真データは、予め学習者用端末10でリサイズしておいてもよい。これにより、写真データのデータ容量が小さくなるため、データの送受信にかかる通信処理の低減、及び写真データの表示処理が軽減できる。これにより、写真データの表示速度が早くなり、また、消費電力も低減できるためバッテリが長持ちする。よって、ユーザの利便性が向上する。
本実施例に係る学習者用端末10aと学習者用端末10bの各々の表示例を、図52に示す。
図52(a1)は、学習者用端末10aが学習者用端末10bに向けて参加者を募集している画面である。この時、学習者用端末10bにより表示される画面が図52(b1)である。ここで、学習者用端末10bの学習者がグループに参加するため「はい」を押下すると、図52(b2)の画面に遷移し、写真共有開始を待つ画面が表示される。一方、学習者用端末10aには、「参加者:Bさん」などと表示が更新され、学習者用端末10bの学習者から応答があったことを示す画面に遷移する(図52(a2))。この後、一定の時間が経過して参加者募集が締め切られると、写真共有画面に遷移する。そして、学習者用端末10a及び学習者用端末10bから送信された写真データがそれぞれの端末に表示される(図52(a3)、図52(b3))。
このようにして、学習者用端末10aのユーザと学習者用端末10bのユーザは同じ写真を共有して楽しむことができる。
なお、上記の例では写真データを共有する場合について説明したが、写真データだけに限定するものではない。写真データの代わりにまたはこれに加えて、テキスト、音楽、動画、及び音声など、学習者用端末10の表示部1001により表示可能なデータや音声出力部から出力できる形式のデータであれば何でもよい。テキストが共有できると、写真に対するコメントが共有でき、コミュニケーションをより一層楽しむことができ、ユーザの利便性が向上する。
なお、本実施例では学習者用端末10aと学習者用端末10bの2つの端末でデータを共有する場合について説明したが、端末は3つ以上でも良い。その場合、共有するデータを送信する処理(S909)を、グループに属している全ての端末に対してデータを送信する処理に変更すればよい。このように、多くの端末で写真を共有することで、様々な写真を見ることができ、コミュニケーションをより一層楽しむことができるため、ユーザの利便性が向上する。
次に、本発明に係る実施例13について説明する。本実施例では、学習者が、学習者用端末10を用いて、教科書や参考書などの教材を使用する例について説明する。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図53は、学校サーバ23が出版社サーバ43から教科書データ等の提供を受けて学習者用端末10に配布し、学習者用端末10がそれをインストールする教科書購入処理の一例を示す図である。
まず、学校サーバ23が出版社サーバ43に教科書データの購入要求を行う(S800)。購入要求には、教科書を一意に特定する教科書ID及びライセンス数などが含まれる。
出版社サーバ43は、受信した教科書IDに該当する教科書データを選択し、該教科書データとライセンスデータを学校サーバ23に送信する(S801)。ここで、ライセンスデータとは、学校サーバ23により配布された教科書データを学習者用端末10がインストールする際に必要となるプロダクトキーなどである。
次に、学校サーバ23は受信した教科書データのウィルスチェックを行い(S802)、ウィルスに感染していないことが確認できれば、記憶部に保存する。この際、教科書管理テーブルに必要事項を追記する。
教科書管理テーブルとは、教科書データに関する情報を管理するテーブルであり、その一例を図54に示す。
教科書管理テーブルには、例えば、教科書タイトル、教科書データとライセンスデータの保存場所、教科書データの購入元の出版社、及びライセンスの残りの数などが規定される。
次に、管理者等の操作に基づき、学校サーバ23は、CD−ROMなどのメディアへデータのバックアップを作成する(S803)。もしウィルスに感染していることが判明すれば、学校サーバ23はただちにデータを削除する。
そして、学校サーバ23は、出版社サーバ43に対して納品確認を行う(S804)。それを受けた出版社サーバ43は、学校サーバ23に対して代金請求を行う(S805)。
次に、学習者用端末10が学校サーバ23に対して教科書データの配布要求を行う(S806)。
これを受けて、学校サーバ23は学習者用端末10の認証を行い、当該学習者用端末10が学校で管理された端末であることが確認できた場合、学校サーバ23は教科書データを送信する(S807)。この際、学校サーバ23は教科書管理テーブルを確認し、配布要求があった教科書のライセンス残数が0でないことを確認する。もしライセンス残数が0であった場合は、学校サーバ23は、教科書データは送信せずにライセンス数が不足している旨を学習者用端末10に通知する。
そして、教科書データを受信した学習者用端末10は、教科書データのインストールを行う(S808)。インストールが正常に終了したら、学習者用端末10は、学校サーバ23にインストール完了通知を送信する(S809)。インストール完了通知を受信した学校サーバ23はライセンス管理を行う(S810)。具体的には、学校サーバ23は教科書管理テーブルにアクセスし、インストール完了通知を受けた教科書のライセンス残数を1減らす。
次に、出版社サーバ43が学校サーバ23にアクセスし、ライセンスの状況の確認を行うため、出版社サーバ43が学校サーバ23に対して、ライセンス管理情報要求を送信する(S811)。これを受けて学校サーバ23は、教科書管理テーブルのライセンス残数を出版社サーバ43に送信する(S812)。このようにして、出版社はいつでも学校に対して、教科書データのライセンスが不正に使用されていないことを確認できる。
次に、学習者が、参考書などのように学校の授業では必須でない教材を、出版サーバ43から提供を受ける参考書購入処理を、図55を用いて説明する。
まず、学習者の操作に基づき、学習者用端末10が出版社サーバ43にアクセスし、購入を希望する参考書データを選択し、出版社サーバ43に対して、当該参考書データの購入要求を送信する(S820)。
購入代金の決済をするには、クレジットカードの番号入力などが必要であり、学習者が例えば小学生の場合はクレジットカードを持っていない可能性がある。そこで、学習者の保護者に決済処理をしてもらうことで決済ができるようにする。
そのため、学習者用端末10は、出版社サーバ43に対して保護者アドレスを指定する(S821)。ここで、保護者アドレスとは、学習者の保護者に連絡するためのアドレスであり、例えば、保護者が使う携帯端末のメールアドレスである。
その後、出版社サーバ43は受信した保護者アドレスに対して、支払い方法の問い合わせを行う(S822)。問い合わせを受けた保護者用端末60は、例えばクレジットカード番号を入力するなどの保護者による操作に基づいて、支払い方法を指定する(S823)。そして、出版社サーバ43はクレジットカード番号が有効であることを確認して決済処理を行い、参考書データを学習者用端末10に送信する(S824)。その後、学習者用端末10は参考書データを記憶部1004に保存する(S825)。
なお、参考書データのライセンスを、出版社サーバ43が管理しておいてもよい。その場合、出版社サーバ43には、学習者用端末10を一意に識別できるIDと、購入した参考書データとの対応を記載したライセンス管理表を備えておく。
例えば、学習者用端末10にトラブルがありデータが全て消えてしまい、もう一度同じ参考書データを取得する場合、出版社サーバ43はライセンス管理表を参照して過去に一度購入した参考書データは無料で提供する。このように、一度購入した参考書データは、もう一度購入しなおす必要がなくなるため、ユーザの利便性が向上する。
さらに、出版社サーバ43が備えるライセンス管理表に、学習者が購入した参考書データとともに、該参考書データを保存可能な学習者用端末10のIDとして、複数登録できるようにしてもよい。これにより、もし学習者用端末10を紛失してしまった場合でも、別の学習者用端末10に再度参考書データを保存する際、同じ参考書データであれば無料で取得できるため、ユーザの利便性が向上する。
次に、本発明に係る実施例14について説明する。本実施例では、アクセス制限の例について説明する。アクセス制限をするとは、ユーザが許可なく対象となる情報を閲覧できないようにすることを意味する。
例えば、教科書には、問題の解答が記載されたページ(以下、解答ページ)を含んでいることから、学習者が宿題をやる前に解答ページを見られないように制限をかけることを指導者が望む場合がある。本実施例は、例えば、学習者が、所定のアクセスキーを有していれば解答ページを表示し、アクセスキーを有していない場合はそれを表示しないようにする例である。なお、本実施例は、必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する
本実施例のアクセス制限処理の一例を、図56を用いて説明する。
まず、指導者用端末20はアクセス制限解除の要求を学習者用端末10に送信する(S830)。この際、教科書データに対応づけられたアクセスキーを送信する。なお、アクセスキーは、学校サーバ23により生成される。アクセスキーを受信した学習者用端末10は、記憶部1004にアクセスキーを保存する(S831)。そして、学習者用端末10は、指導者用端末20にアクセスキーの保存が完了した旨を通知する(S832)。学習者は、当該アクセスキーを入力することにより、これまで参照することができなかった教科書の部分が学習者用端末10により表示されることとなる。
また、指導者用端末20は、学校サーバ23により記憶されたアクセス制限管理テーブルに対して、アクセス制限を解除したことを通知する(S833)。
ここで、アクセス制限管理テーブルの一例を、図57に記載する。アクセス制限管理テーブルとは、教科書データのアクセス制限の状態を管理するテーブルであり、教科書タイトル、アクセス制限の対象ページ、アクセス制限の状態、及びアクセスキーの保存場所などが記載される。
アクセス制限の解除通知を受信した学校サーバ23は、アクセス制限管理テーブルに対して、該当する教科書のアクセス制限ページのアクセス制限状態を「あり」から「なし」へと変更する(S834)。
このように、アクセス制限を指導者用端末20が実施することにより、学習者が正しく学習できるようになる。よって、指導者の利便性が向上する。
なお、指導者は、アクセス制限を再度実施したくなった場合には、指導者用端末20が学校サーバ23に対してアクセスキー制限変更要求を通知するように、指導者用端末20を操作する(S835)。このアクセスキー制限変更要求とは、現在有効なアクセスキーを無効にして、新たに有効となったアクセスキーを生成することを要求するものである。アクセスキー制限変更要求を受信した学校サーバ23は、現在有効なアクセスキーを無効にして、新たに有効となったアクセスキーを生成した上で、アクセス制限が再実施された旨の通知を学習者用端末10に送信する(S836)。アクセス制限が再実施されたことを通知された学習者用端末10は、学習者の操作に従って、アクセスキーの削除を行い(S837)、当該削除が完了した旨を学校サーバ23に送信する(S838)。そして、学校サーバは、学習者が既に無効となったアクセスキーを削除した旨を指導者用端末20に通知する(S839)。
次に、本発明に関わる実施例15について図58から図61を用いて説明する。本実施例は、学習者用端末10が備える近接通信部の省電力制御に関する。
近年、ユーザが持ち運び可能なモバイル機器では、NFC(Near Field Communication)やFeliCa(登録商標)等の近接通信規格に準拠したICチップが搭載され、非接触ICカードとしての機能を備えることで、電子マネーを用いた決済サービスや、モバイル機器の個人の証明書(例えば、社員証や免許証)としての利用など、様々なアプリケーションが実現・検討されている。
上記ICチップの搭載によって、モバイル機器は非接触ICカードとしてだけではなく、ICチップに格納される情報を読み書きするリーダライタとして動作することも可能となる。しかしながら、リーダライタとして動作する場合、電波を放射しながらICカードやICタグとの通信の開始を待つ動作(以下、「待ち動作」と言う場合がある)を続けると消費電力の増加につながる問題がある。消費電力の増加は、特にバッテリで動作するモバイル機器にとって望ましくない。よって、リーダライタとして動作しないときは、ICチップ等を含む近接通信部の動作を停止し、リーダライタとして動作する場合のみ近接通信部を動作させることで近接通信部の省電力化を図る技術が重要となる。以下実施例15から17では、近接通信部の省電力制御に関して述べる。
実施例15では、ICカードのリーダライタとして動作する近接通信部を備えた学習者用端末10において、学習者が学習者用端末10へログインしたかどうかに応じた、近接通信部の動作制御について説明する。なお、本実施例は必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図58は本実施例に係わる教育支援システムの構成の一例を示す図である。このうち、図1と同一の構成及び処理については、同じ番号を付し説明を省略する。
本実施例の教育支援システムは、学習者用ICカード10010、ICタグ10020、学習者認証情報10030を新たに含む。
学習者用ICカード10010は学習者に配布される非接触通信方式のICカードであり、学習者用端末10と近接通信を行って、学習者が学習者用端末10へログインする際などのユーザ認証処理の際に用いられる。ICタグ10020は非接触通信方式のICタグであり、学習者用端末10と近接通信を行う。ICタグ10020は図1に示す教育支援システム内の書籍、器具、備品その他の学校生活で使用される用具に貼付され、学習者端末10はICタグ10020に対して情報を読み書きする。尚、学習者用ICカード10010やICタグ10020は、ICチップを搭載することにより学習者用端末10と無線通信を行うことが可能な装置である電子タグの例示である。
学習者認証情報10030は、学習者が学習者用端末10にログインする際のユーザ認証処理にて使用される情報であり、校内ネットワーク22内に設置された学校サーバ23で保持・管理される。なお、学習者認証情報10030は、学習者用端末10の内部メモリや、ネットワーク2に設置されたサーバ(図示せず)等、学校サーバ23以外の場所にて保持・管理されていても良く、いずれの場合も本発明の適用範囲である。
図59は学習者用端末10の構成を示す図である。このうち、図2と同様の構成及び処理については、同じ番号を付し説明を省略する。学習者用端末10は、近接通信部1015を有し、記憶部1004にはログイン情報10040が保持され、制御部1005には近接通信制御部10050が備えられる。
近接通信部1015は、学習者用ICカード10010やICタグ10020と通信することができるように、少なくともICカードリーダ、又はICタグリーダ(以下、ICカードリーダとして記載)として動作することが可能であるものとする。近接通信部1015は、非接触ICカードの国際標準通信方式であるISO/IEC14443や、NFC、FeliCa、非接触ICタグの国際標準方式であるISO/IEC15693等の非接触の近接通信方式に準拠したモジュールであり、アンテナやICチップを含んで要る。ログイン情報10040は、学習者が学習者用端末10へログインしたかどうかを表す情報である。近接通信制御部10050は、近接通信部1015の動作制御を行い、ログイン判定部10051、ICカード検出部10052、ユーザ認証処理制御部10053、学習者データロード処理制御部10054から構成される。
ログイン判定部10051は記憶部1004に格納されるログイン情報10040を参照して、学習者が学習者用端末10へログインしているかどうかを判定する。本発明でのログインには、学習者ICカード10010を用いたユーザ認証を行うことで、学習者端末10を介し、当該学習者に対してのみ(但し、保護者や教員は例外)、アクセス権限が付与されたアプリケーションやコンテンツ等の様々な個人データにアクセスして操作できる状態にすること、及び、その状態にあることが含まれる。尚、ログインしている間に、一定時間経過して学習者用端末10の操作にロックがかかった場合においても、学習者ICカード10010を使用したロック解除が不要な場合は、ログインしているものとして扱う。一方で、ログインしている間に、一定時間経過した等の理由から学習者用端末10の操作にロックがかかり学習者ICカード10010を使用したロック解除が必要な場合は、ログインしていないものと定義する。ICカード検出部10052は、学習者用端末10と近接通信可能な範囲内にある学習者用ICカード10010を検出する。ユーザ認証処理制御部10053は、学習者が学習者端末10へログインする際のユーザ認証処理を制御する。学習者データロード処理制御部10054は、上記ログイン処理の過程で、校内の学習者共通のデータ、ないしは学習者個別のデータを必要に応じて学校サーバ23からロードする処理を制御する。
図60は学習者用ICカード10010の構成の一例を示す図である。学習者用ICカード10010は、制御部10011と、近接通信部10012と、記憶部10013を備え、記憶部10013には学習者認証情報100130が格納される。
制御部10011は、学習者用ICカード10010全体の制御を司り、マイクロプロセッサ等から構成される。近接通信部10012は学習者用ICカード10010がリーダ機能を備える学習者用端末10などの機器と近接通信を行うためのモジュールであり、ISO/IEC14443や、NFC、FeliCa、ISO/IEC15693等の非接触の近接通信方式に準拠したモジュールであるものとする。記憶部10013はEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性の半導体メモリから構成される。学習者認証情報100130は、学習者が学習者用端末10にログインする際に用いるユーザ認証情報であり、学習者毎に異なる情報である。なお、学習者認証情報100130は学習者個人を特定し認証する目的の元で、他のユースケースにおいて使用されても良い。更に図示してはいないが、記憶部10013には学習者の認証を行うために必要な暗号鍵などの秘密情報を併せて格納していても良い。なお、ICタグ10020は、本学習者用ICカード10010と同様の構成である。但し記憶部10013には学習者認証情報10030ではなく、学習者や指導者等のユーザに対して提供する情報や、提供すべき情報の格納先を示す情報が保持される。
図61は学習者用端末10と学習者用ICカード10010と学校サーバ23の動作を表し、学習者用端末10へ電源が投入された後の近接通信制御部10050の詳細な動作フローである。本動作フローは学習者用端末10の電源供給部1003に電源が投入されることで開始される(ステップS20100)。その後、学習者用端末10のログイン判定部10051はログイン情報10040を参照して、学習者が本学習者用端末10にログイン済みであるかどうかの判定を行う(ステップS20101)。ステップS20101において、学習者が本学習者用端末10に対し既にログイン済みであると判定された場合、ステップS20110以降に遷移し、学習者用端末10は本動作フローを終了する。これは、学習者用端末10にログイン済みである場合、学習者は学習者用ICカード10010を使ったログイン操作が不要となり、学習者用端末10の近接通信部1015を使用しなくても良いためである。
ステップS20101において、学習者が本学習者用端末10に対しログイン未済であると判定された場合、ステップS20102に遷移し、学習者用端末10の近接通信制御部10050は近接通信部1015の起動を行う(ステップS20102)。以降、学習者用端末10は、学習者からの学習者用ICカード10010を使ったログイン操作に備えることができる。
続いて、ステップS20103において、学習者用端末10のICカード検出部10052は、学習者用端末10と近接通信可能な範囲内にある学習者用ICカード10010の検出を行う。ステップS20103において、学習者用ICカード10010が検知されない場合は、ステップS20103の動作を繰り返す。ステップS20103において、学習者用ICカード10010を検知した場合、学習者用端末10のユーザ認証処理制御部10053は、近接通信部1015を介して学習者用ICカード10010と、認証処理に必要な情報のやり取りを行う(ステップS20104、ステップS20105)。その後、学習者用端末10は認証処理を行う(ステップS20106)。なお、ステップS20106の認証処理は、学校サーバ23等の学習者端末10以外の機器上で実施されても良く、認証処理がどの機器で実行された場合においても本発明の適用範囲である。
そして、学習者用端末10は、学習者共通、及び学習者固有のデータやアプリケーションを必要に応じて学校サーバ23よりロードする(ステップS20107、ステップS20108)。なお、本ロード処理はあっても無くても良く、どちらの場合であっても本発明の適用範囲である。
続いて、学習者用端末10のログイン判定部10051はログイン情報10040を参照し、学習者が学習者端末10にログインしたかどうかの判定を行う(ステップS20109)。ステップS20109において、学習者用端末10へのログイン処理が完了していないと判定された場合、ステップS20109の判定処理を再度実行する。一方、ステップS20109において、学習者用端末10へのログイン処理が完了したと判定された場合、学習者用端末10の近接通信制御部10050は近接通信部1015の動作の停止を行う。
本動作フローにより、学習者用端末10への電源投入後、必要なときだけ学習者用端末10の近接通信部1015を起動し、不要なときは起動しないように制御するため、近接通信部1015の待ち動作を減らすことができ、近接通信部1015の省電力化を図ることが可能となる。
なお、ステップS20102、ステップS20103において、近接通信部1015を起動した状態で長時間学習者用ICカード10010の検知が出来ないような状況に対応するため、ステップS20102の後、タイマt(tの時間は任意)を起動して定期的にカウントダウンを行い、タイマtが満了するまではステップS20103以降の処理を実行するが、タイマtが満了した場合は、学習者用ICカード10010が検知されなくても、ステップS20110に遷移するようにしても良い。このようにすることで、学習者用端末10の近接通信部1015について、より細かい省電力制御が可能となる。
以下、実施例16について、図62から図66を用いて説明する。
本実施例では、近接通信部を搭載した学習者用端末10を用いて、電子教材と連動しながらICタグに格納される情報を読み出すといったユースケースを想定し、その場合における近接通信部の省電力制御について述べる。
ユースケースの具体的を以下に説明する。例えば、理科の実験で使用する薬品や器具にICタグが貼付されているとする。学習者は理科の実験を進めるにあたり、電子教材に記載の実験手順を確認しながら、実験手順の所々で必要に応じてICタグが貼付されている薬品等のラベル面に学習者用端末を接近させて薬品の詳細を確認したり、ICタグが貼付されている実験器具に学習者用端末を接近させて、薬品や器具の使い方や使用上の注意点を確認することが可能となる。
本実施例では、電子教材を起動している際、学習者用端末10は電子教材のレンダリングの状況からICタグ情報の読取りが必要であるかどうかの検知を行うことで、読取りが必要なときだけ近接通信部を起動する、近接通信部の省電力制御について説明する。なお、本実施例は必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図62は本実施例に係わる学習者用端末10の構成の一例を示す図であり、図2と同様の構成及び処理については、同じ番号を付し説明を省略する。学習者用端末10は、近接通信部1015を有し、記憶部1004には近接通信起動条件情報10041が保持され、制御部1005には近接通信制御部10060を備えられる。
近接通信部1015は、実施例15のものと同様のため、説明を割愛する。近接通信起動条件情報10041は、図63及び図64で示すように、電子教材を一意に特定可能な電子教材IDと、近接通信部1015の起動条件とを関連付けた情報である。詳細については後述する。
電子教材IDは、電子教材を一意に特定出来ればID以外の表現でも良く、例えば電子教材のタイトルやそれを加工したものであっても良い。近接通信部1015の起動条件については、図63で電子教材のページ情報を、図64では電子教材掲載のキーワード情報を示しているが、近接通信部1015の起動条件を示す情報であれば、図63,図64以外のものであっても本発明の適用範囲である。なお、近接通信起動条件情報10041は学校サーバ23やネットワーク2に接続される他のサーバに格納されていても良く、いずれの場合も本発明の適用範囲である。なお、電子教材を一意に特定するための電子教材IDの一例を図65の(a)〜(c)に示す。
図65(a)に示す電子教材ID“10070”は、出版社ID“10071”と、教科種別ID“10072”と、教材種別ID“10073”と、教材コンテンツ固有ID“10074”とを含む。図65(b)に示す電子教材ID“10080”は少なくとも、出版社ID“10071”と、教科・教材種別ID“10081”と、教材コンテンツ固有ID“10074”とを含む。図65(c)に示す電子教材ID“10090”は少なくとも、出版社ID“10071”と、教材コンテンツ固有ID“10074”とを含む。出版社ID“10071”は、出版社を一意に特定可能なID情報である。教科種別ID“10072”は、教科の情報を示すID情報である。本ID情報により、「数学」、「理科」、「社会」等の教科を判別することができる。教材種別ID“10073”は、電子教材の種別を示すID情報である。本ID情報により、「教科書」、「資料集」、「問題集」、「辞書」等、電子教材の種別を判別することが出来る。教材コンテンツ固有ID“10074”は、教材コンテンツを一意に特定可能なID情報である。教科・教材種別ID“10071”は、教科の情報と電子教材の種別を示すID情報である。本ID情報により、「数学」、「理科」、「社会」等の教科と、「教科書」、「資料集」、「問題集」、「辞書」等の教材の種別を判別することが出来る。
近接通信制御部10060は、近接通信部1015の動作制御を行い、教材レンダリング検出部10061、教材レンダリング状態変化検出部10062、教材特定部10063、教材ページ移動検出部10064、近接通信起動要否判定部10065、ICタグ情報読取り完了検出部1066から構成される。教材レンダリング検出部10061は、電子教材コンテンツがレンダリングされているかどうかの判定を行う。レンダリング手段は、専用のアプリケーション、リーダ等が考えられる。
教材レンダリング状態変化検出部10062は、電子教材コンテンツのレンダリング実行や終了等、電子教材コンテンツの状態に何かしらの変化が生じたかどうかの判定を行う。教材レンダリング状態変化検出部10062では、電子教材コンテンツがレンダリングされている状態で、新たに別の電子教材コンテンツのレンダリングが開始されることの検出も行う。教材特定部10063は、レンダリングされている電子教材コンテンツの特定を行う。なお、複数の電子教材コンテンツがレンダリングされている場合は、全ての電子教材コンテンツの特定を行う。教材ページ移動検出部10064は、学習者の操作による電子教材コンテンツのページの移動があったかどうかの判定を行う。近接通信起動要否判定部10065は、近接通信起動条件情報10041を参照し、近接通信部1015の起動の要否の判定を行う。近接通信起動条件情報10041は、上述の通り、例えば図63、図64に記載のものを使用する。詳細の判定方法については、後述の動作フローにて説明する。ICタグ情報読取り完了検出部1057は、ICタグ10020より情報の読取りが完了したかどうかの判定を行う。
図66は学習者用端末10の近接通信制御部10060の動作を表すものであって、学習者による学習者用端末10へのログインが完了し、近接通信部1005の動作が停止した後(図61のステップS20110)の動作フローである。
本動作フローは、学習者による学習者用端末10へのログインが完了し、近接通信部1015の動作が停止した後に開始される。先ず、教材レンダリング検出部10061は電子教材コンテンツがレンダリングされているかどうかの判定を行う(ステップS20200)。ステップS20200において電子教材コンテンツがレンダリングされていないと判定された場合、ステップS20200に再び遷移する。一方、電子教材コンテンツがレンダリングされていると判定された場合、教材特定部10063はレンダリングされている電子教材コンテンツの特定を行う(ステップS20201)。その後、教材ページ移動検出部10064は、学習者の操作による電子教材コンテンツのページの移動や表示画面の更新があったかどうかの判定を行う(ステップS20203)。なお、1つのページを複数個に分割して表示するような場合では、1ページ単位で判定を行うのではなく、表示される単位で判定を行っても良い。即ち、レンダリングされている教材コンテンツに対して、何かしらのイベントが発行されたことをステップS20203では検出すれば良く、そのイベントが何であるかを限定しなくとも、本発明の適用範囲内である。
ステップS20203において、ページの移動が無いと判定された場合、ステップS20203に再び遷移する。一方、ページの移動が有ると判定された場合、近接通信起動要否判定部10065は、近接通信起動条件情報10041を参照し、近接通信部1015の起動の要否の判定を行う(ステップS20204)。近接通信起動条件情報10041は、上述の通り、例えば図63または図64に記載のものを使用する。図63に記載のものを使用する場合、ステップS20204において、具体的には電子教材コンテンツの現在のページ番号が、図63の近接通信部起動条件のいずれかのページ番号と合致するかどうかの判定を行う。一方、図64に記載のものを使用する場合は、ステップS20204において、電子教材コンテンツの現在のページに掲載されるいずれかのワードが、図64の近接通信部起動条件のいずれかのキーワードと合致するかどうかの判定を行う。ステップS20204において、ページ番号、もしくはキーワードと合致する場合、近接通信部1015を起動する必要があると判定する。一方で、ページ番号、もしくはキーワードと合致しない場合、近接通信部1015を起動する必要が無いと判定される
ステップS20204において、近接通信部1015を起動する必要が無いと判定した場合、ステップS20203に再び遷移する。一方、近接通信部1015を起動する必要があると判定した場合、近接通信制御部10050は近接通信部1015を起動する(ステップS20205)。そして、ICタグ情報読取り完了検出部10066は、ICタグ10020より情報の読取りが完了したかどうかの判定を行う(ステップS20206)。
ステップS20206において、情報の読取りが完了していないと判定された場合はステップS20206に再び遷移する。一方、情報の読取りが完了したと判定された場合、近接通信制御部10060は近接通信部1015の動作を停止する(ステップS20207)。その後、フローの開始部分に戻り、ステップS20200で始まる上述のフロー処理を繰り返し実行する。なお、上述のフロー処理と並行して、ステップS20202の処理が実行される。ステップS20202では、教材レンダリング状態変化検出部10062が新たな電子教材コンテンツのレンダリングや停止等、電子教材コンテンツの状態に変化が生じたかどうかの判定が行われる。ステップS20202において、電子教材コンテンツの状態に何かしらの変化が生じたと判定した場合は、ステップS20201に遷移して、教材特定部10063は開かれている電子教材コンテンツの特定を行う。なお、マルチタスク処理により、複数の電子教材コンテンツが同時に開かれている場合、ステップS20203以降の処理に関して、全ての電子教材コンテンツが対象となる。例えば、ステップS20203のページの移動判定も開かれている全ての電子教材コンテンツに対して行い、その内の2つ以上の電子教材コンテンツに対してページの移動があると判定された場合、以降のステップS20204からステップS20208の処理はページの移動があると判定された全ての電子教材コンテンツを対象として処理を実行する。
本動作フローにより、学習者が学習者用端末10へログインした後、必要なときだけ学習者用端末10の近接通信部1015を起動し、不要なときは起動を行わないように制御する。また、近接通信部1015が待ち動作を行っている場合であっても、情報の取得対象であるICタグ10020からの情報の読み取りが完了した後は、その待ち動作を停止する。従って、近接通信部1015の待ち動作を減らし、省電力化を図ることが可能となる。
また、ステップS20205において、近接通信部1015を起動した状態で、長時間ICタグの読取り処理が完了しないような状況に対応するため、ステップS20206の後、タイマt2(t2の時間は任意)を起動し、タイマt2が満了するまではステップS20103以降の処理を実行するが、タイマt2が満了した場合は、ICタグ情報の読み出し処理の完了を待たずにステップS20207に遷移して近接通信部1015の動作を停止するようにしても良い。このようにすることで、学習者用端末10の近接通信部1015について、より細かい省電力制御が可能となる。更に別の手段として、ステップS20205において、近接通信部1015を起動した状態で、教材ページ移動検出部10064が電子教材コンテンツのページ移動を検出した場合、学習者がICタグ情報の読み出し処理を行わずに電子教材を読み進めたと判断して近接通信部1015の動作を停止するようにしても良い。
なお、近接通信制御部10060は、図21に示す学習者用の時間割情報や、図22に示す指導者用の時間割情報を参照して、一日の授業数がNth以下(Nthは任意の整数値)であると判定された場合、学習者用端末10へ学習者がログインした後、学習者用端末10の近接通信部1015を常時動作するように制御しても良い。一方で、一日の授業数がNthより大きいと判定された場合、学習者用端末10へ学習者がログインした後、学習者用端末10の近接通信部1015の動作を停止して、本実施例で示すような動作制御を実施しても良い。これは授業数が少なければ、その間近接通信部1015を常時動作させたとしても、学習者が1日の間、学習者用端末10を使用可能であると考えたためである。
また、図21に示す学習者用の時間割情報や、図22に示す指導者用の時間割情報を参照して、授業の時間帯は学習者用端末10の近接通信部1015を常時動作させ、休み時間等の授業以外の時間帯はその動作を停止させるように制御しても良い。このように時間割情報と連携して、学習者用端末10の近接通信部1015を必要なときだけ起動し、不要なときはその起動をさせなかったり、その動作を停止するように制御することで、効率よく近接通信部1015の省電力化を図ることが可能となる。
更には、電源供給部1003に対して、電磁誘導や磁気共鳴方式等を用いた非接触型充電、又はUSBコネクタ、又はAC電源アダプタ等の手段により給電を受けている場合は、学習者が学習者用端末10へログイン完了後、学習者用端末10の近接通信部1015を常時動作するように制御しても良い。一方で電源供給部1003に対して給電を受けていない場合はその動作を停止するように制御しても良い。
また、学習者用端末10のバッテリの残容量を参照し、残容量値がRth以下(バッテリが満充電である場合を残容量=100と定義し、Rthは任意の整数値とする)であると判定された場合、学習者用端末10の近接通信部1015の動作を停止するようにしても良い。一方で、残容量値がRthより大きいと判定された場合、学習者用端末10の近接通信部1015を常時動作するようにしても良い。
このようにバッテリへの給電有無やバッテリ残容量と連携して、学習者用端末10における近接通信部1015の動作の要否を制御することで、近接通信部1015の使い勝手の向上と、省電力化を図ることが可能となる。
更に別の工夫として、条件に応じてステップS20205における近接通信部1015の起動するかどうかを決定するようにしても良い。条件とは、例えば端末位置情報や端末種別情報、ユーザ情報を表す。端末位置情報とは学習者用端末10が電子教材へアクセスしている場所を表す情報である。これは、学習者が校内で電子教材を参照している場合と、自宅や塾などの校外から電子教材を参照している場合とで、近接通信部1015の起動制御方法を変えるためである。実施例16の冒頭で説明した理科の実験を例にとった場合、校内以外の場所でICタグから情報を読み取ることはないため、校外では近接通信部1015の起動を実施しないといった場所に応じた制御が考えられる。端末種別情報とは、電子教材をレンダリングする端末の種別を表す情報である。電子教材をレンダリングする端末は、学習者用端末10と、指導者用端末20と、保護者用端末60がある。学習者用端末10と指導者用端末20によってレンダリングされた場合、近接通信部の起動を行うが、保護者用端末60によってレンダリングされた場合は、学習者の保護者もしくは学習者が、自宅の家庭内ネットワークからアクセスしていると予想され、自宅にてICタグから情報を読み取ることはないため、近接通信部の起動を実施しないといった、端末に応じた起動制御方法が考えられる。ユーザ情報とは、端末を使用しているユーザが誰であるかを表す情報である。端末を使用するユーザとしては、学習者、指導者、保護者が考えられるが、前述した端末種別情報と同じ観点で、学習者、指導者の場合は近接通信部の起動を行うが、保護者の場合は近接通信部の起動を行わないといった制御が考えられる。
なお、上述の条件によって、近接通信部起動スクリプトを実行するかどうかの判定を学校サーバ23内で実施しても良いし、学習者用端末10または指導者用端末20内で実施しても良い。
なお、位置情報は、例えば、位置情報検出部1011で検出される位置情報を参照するか、通信部1006にて管理されるアクセス先情報より判定を行う。端末種別の情報は、例えば、記憶部1004の不揮発領域に格納される端末固有のID情報(図示せず)より判定を行う。ユーザ情報は、認証部1007でのユーザ認証にて使用したユーザを識別するための情報を用いる。このように、端末の位置情報や端末種別の情報も加味して学習者用端末10における近接通信部1015の起動有無を制御することで、近接通信部1015の省電力化を図ることが可能となる。
次に、本発明に関わる実施例17について図67を用いて説明する。本実施例で想定する目的やユースケースは実施例16と同様であるため説明を省略する。但し、本実施例では実施例16と異なり、電子教材はweb記述言語で作成されたwebアプリケーションを想定しており、学習者用端末10ではなく学校サーバ23に格納されていることを前提とする。なお、本実施例は必要な範囲において、前述の各実施例と同一の構成、機能、及び要素等を有する。
図67は校内ネットワーク22を介して接続された学校サーバ22のサーバ構成と、学習者用端末10の端末構成を含むシステムの一例を示す図である。前述のものと同様の処理部については同じ番号を付し説明を省略する。なお、学習者用端末10に関しては、図1に記載のものと比べて処理部の一部の記載を省略している。
学校サーバ22は、電子教材アプリを格納する。電子教材アプリは例えば、htmlファイル10201と、参照ファイル10202から構成される。
htmlファイル10201はHTML5等のWeb技術言語に従って記載されており、本例では電子教材のページ毎にファイルを用意することを想定している。学習者用端末10に搭載された近接通信部1015の起動が必要な教材ページに相当するhtmlファイルの<body部>には近接通信部1015の起動を指示するための近接通信部起動スクリプトを記載する。また、<body部>では必要に応じて、静止画や動画といった参照ファイル10202を参照するようにしても良い。なお、参照ファイル10202は、htmlファイル10201とは異なる場所に格納されていても良い。
また、近接通信部起動スクリプトは、スクリプトが記載されるhtmlファイルをレンダリングした際に必ず実行されるのではなく、条件に応じて実行されるように記載されていても良い。条件とは、例えば端末位置情報、端末種別情報、ユーザ情報を表す。位置情報とは、学習者用端末10が電子教材へアクセスしている場所を表す情報である。これは、学習者が校内で電子教材をレンダリングしている場合と、自宅や塾などの校外から電子教材をレンダリングしている場合とで、近接通信部の起動制御方法を変えるためである。実施例16の冒頭で説明した理科の実験を例にとった場合、校内以外の場所でICタグから情報を読み取ることはないため、校外では近接通信部1015の起動を一切実施しないといった場所に応じた制御が考えられる。端末情報とは、電子教材をレンダリングする端末の種別を表す情報である。電子教材をレンダリングする端末は、学習者用端末10と、指導者用端末20と、保護者用端末60がある。学習者用端末10と指導者用端末20によってレンダリングされた場合、近接通信部の起動を行うが、保護者用端末60によってレンダリングされた場合は、学習者の保護者もしくは学習者が、自宅の家庭内ネットワークからアクセスしていると予想され、自宅にてICタグから情報を読み取ることはないため、近接通信部の起動を実施しないといった、端末に応じた起動制御方法が考えられる。ユーザ情報とは、端末を使用しているユーザが誰であるかを表す情報である。端末を使用するユーザとしては、学習者、指導者、保護者が考えられるが、前述した端末種別情報と同じ観点で、学習者、指導者の場合は近接通信部の起動を行うが、保護者の場合は近接通信部の起動を行わないといった制御が考えられる。
学習者用端末10は、近接通信部1015と電子教材レンダリング部1016とを有し、記憶部1004には教材アプリ参照パス10200が保持される。近接通信部1015は実施例15で上述のため説明を割愛する。尚、図示していないが、制御部1005は近接通信制御部10100を有し、近接通信制御部10100は、近接通信部1015の動作制御を行う。教材アプリ参照パス10200はサーバ上に格納された教材アプリケーションのパス(URL)を表す情報である。電子教材レンダリング部1016はHTMLファイル等をレンダリング可能なwebブラウザを指し、サーバ上に格納されたwebアプリ(電子教材アプリ)を一次的にダウンロードし、実行する。webアプリを実行中、上述の通り、htmlファイルの<body部>に近接通信部起動スクリプトの記載があれば、近接通信制御部10100を介して近接通信部1015の起動を行う。なお、近接通信制御部10100は、電子教材レンダリング部1016の中に存在していても良い。また、上述したように近接通信部起動スクリプトの実行に条件分岐があれば、端末位置情報や端末種別の情報を参照することで、近接通信部1015の起動有無を判定する。位置情報は、例えば位置情報検出部1011で検出される位置情報を参照するか、通信部1006にて管理されるアクセス先情報より判定を行う。端末種別の情報は記憶部1004の不揮発領域に格納される端末固有のID情報(図示せず)から判定を行う。
そして、端末位置情報が校内であると判定された場合は、近接通信部1015の起動を行い、郊外であると判定された場合は、近接通信部1015の起動を行わない。
または、端末種別情報が学習者用端末10及び指導者用端末20である場合は、近接通信部1015の起動を行い、保護者用端末60である場合は、近接通信部1015の起動を行わない。または、端末を使用するユーザが学習者及び指導者である場合は、近接通信部1015の起動を行い、保護者である場合は、近接通信部1015の起動を行わない。
なお、近接通信部1015の動作を停止する方法は、実施例16にて説明したものと同様であり、ICタグからの読み出し完了時、タイマ満了時にその動作の停止を行う。
以上、本動作フローにより、必要なときだけ学習者用端末10の近接通信部1015を起動し、不要なときは起動を行わないようにしたり、その動作を停止するように制御するため、近接通信部1015の省電力化を図ることが可能となる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した各実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明されたものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部または全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。なお、図68に示すように、各機能を実現するプログラム等をサーバ等に複製し、学習者用端末10、指導者用端末20および電子黒板21その他の端末、装置、機器等に有線または無線の通信回線等を介して提供するようにしても良い。この場合、ユーザは、端末等を操作して、サーバ等から必要なプログラム等をダウンロードし、端末等の記憶部にインストールさせることができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。