JP2013082918A - セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ヨウ素との親和性が高く、透湿度が低いセルロースアシレートフィルム、それを使用した偏光板及び液晶表示装置の提供。
【解決手段】セルロースアシレートと、下記一般式(1)で表される化合物とを少なくとも含有することを特徴とするセルロースアシレートフィルムである。下記一般式(1)中、Rは、置換基を表し;mは、1〜3の整数を表し;nは、1〜3の整数を表す。Rは、一般式(2)で表される置換基が好ましく、一般式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し;Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;pは1〜3の整数を表す。
Figure 2013082918

【選択図】なし

Description

本発明は、ヨウ素の安定性を考慮したセルロースアシレートフィルム、それを用いた偏光板及び液晶表示装置に関する。
セルロースアシレートフィルムは、液晶表示装置の光学部材、例えば、光学補償フィルムの支持体、ヨウ素などを吸着配向させた偏光膜の保護フィルム等として、種々の液晶表示装置に利用されている。
近年、液晶表示装置の用途拡大につれ、テレビ等の大サイズかつ高品位用途が拡大してきており、偏光板および偏光板保護フィルムの品質に対する要求も一段と高まっている。特に、大サイズかつ高品位用途の液晶表示装置は、従来に比べて例えば電子看板用途など室外をはじめとして様々な環境下での使用も求められ、特に過酷な高温環境下での使用が求められている。このような観点から、近年、液晶表示装置に用いる偏光板には、様々な過酷な高温環境下での偏光子耐久性の改善、具体的には高温高湿下での偏光子の直交透過率変化を共に抑制することが強く望まれてきている。
かかる条件下での偏光子耐久性を改善するため、従来から偏光子への水の浸入を抑制すること、および偏光子のpHを調節することが有効であることが知られている。例えば、特許文献1では、セルロースエステル及び分子量が200〜1800のフタルイミドを含有する光学フィルムを偏光板の保護フィルムとして利用することが提案されている。また、特許文献2では、ヨウ素、架橋剤、耐水化剤を含有したポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸した後、pHが2〜5の酸処理用溶液で浸漬処理して得られる偏光フィルムを偏光板の保護フィルムとして利用することが提案されている。
しかしながら、特許文献1の光学フィルム及び特許文献2の偏光フィルムを長時間高温高湿下で使用すると、偏光子中のヨウ素が偏光子外部から流出してしまうことで偏光子の性能が経時的に劣化してしまい、偏光子の性能維持に関しては十分に満足できるものではなく、さらなる改善が求められていた。
特開2011−2634号公報 WO2006/095815号A1公報
本発明者らが上記課題を解決することを目的として鋭意研究したところ、偏光板保護フィルムにセルロースアシレートフィルムを用いる場合、該セルロースアシレートの酸加水分解の進行による透湿度上昇により、親水性高分子(例えばポリビニルアルコール)と二色性色素(例えばヨウ素)の錯体の安定化が低下し、高温高湿経時の直交透過率上昇の原因となることが分かった。
さらに、偏光板保護フィルム(セルロースアシレートフィルム)に特定の有機酸を添加することで、高温高湿経時下に徐々にpHが調節されるため、特許文献2に記載のような偏光子作製時に偏光子のpHを調節し、浸漬処理する方法に比べて更に直交透過率上昇が起こりにくいことを見出した。また、更なる検討を重ねた結果、水溶性の高い酸を用いてpHを調整した場合、該酸が偏光板保護フィルム層に移動し、該フィルムの酸加水分解を促進することを突き止めた。これに対し、本発明者らは適度の酸解離定数かつ水溶性が低い有機酸を用いることにより、偏光板保護フィルムの酸加水分解を抑制しつつ、高温高湿下では偏光子のpHを低下せしめることが可能となることを明らかにした。また、高温低湿経時における直交透過率上昇が起こりにくいことを見出すに至った。
本発明は、上記した問題を解決するためになされたものであり、透湿度が低く、ヨウ素の安定性が向上されるセルロースアシレートフィルム、それを使用した偏光板及び液晶表示装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は以下の通りである。
[1] セルロースアシレートと、下記一般式(1)で表される化合物とを少なくとも含有するセルロースアシレートフィルム:
Figure 2013082918
一般式(1)中、Rは置換基を表し;m、nはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。
[2] 前記一般式(1)中の前記Rが下記一般式(2)で表される置換基である[1]のセルロースアシレートフィルム:
Figure 2013082918
一般式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し;Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;pは1〜3の整数を表す。
[3] 前記一般式(1)中の前記Rが下記一般式(3)で表される置換基である[1]又は[2]のセルロースアシレートフィルム:
Figure 2013082918
一般式(3)中の各記号の定義は、一般式(2)中のそれぞれと同義である。
[4] 前記一般式(2)又は(3)中の前記R1及びR2のいずれかが水素原子である[2]又は[3]のセルロースアシレートフィルム。
[5] 前記一般式(2)又は(3)中の前記R1及びR2が水素原子、芳香族基、アルキル基から選択される[2]〜[4]のいずれかのセルロースアシレートフィルム。
[6] 前記一般式(3)中のR1及びR2の一方が水素原子であり、他方が芳香族基である[2]〜[5]のいずれかのセルロースアシレートフィルム。
[7] 前記一般式(3)中のR1及びR2の一方が水素原子であり、他方が2つ以上の芳香族基を含む[2]〜[6]のいずれかのセルロースアシレートフィルム。
[8] 前記芳香族基は、フェニル基である[5]〜[7]のいずれかのセルロースアシレートフィルム。
[9] 前記セルロースアシレートが下記式のアシル置換度を満足するセルロースアシレートである[1]〜[8]のいずれかのセルロースアシレートフィルム:
1.5≦A≦3.0
式中、Aはアシル基置換度を表す。
[10] 前記セルロースアシレートが下記式のアセチル置換度を満足するセルロースアシレートである[1]〜[9]のいずれかのセルロースアシレートフィルム:
2.0≦B≦3.0
式中、Bはアセチル基置換度を表す。
[11] 偏光子と、[1]〜[10]のいずれかのセルロースアシレートフィルムとを少なくとも有する偏光板。
[12] 液晶セルと[11]の偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置。
本発明によれば、ヨウ素との親和性が高く、透湿度が低いセルロースアシレートフィルム、それを使用した偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。
本発明のセルロースアシレートフィルムと偏光子との間に起きている現象の一例を模式的に示した図である。 液晶表示装置の内部構造を模式的に示した分解斜視図である。 共流延用ダイを用いて同時共流延により3層構造のセルロースアシレートフィルムを流涎するときの一例を示す概略図である。
以下、本発明について、実施の形態を挙げて詳細に説明する。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
1.セルロースアシレートフィルム
本発明は、セルロースアシレートと、下記一般式(1)で表される化合物とを含有するセルロースアシレートフィルムに関する。本発明は透湿度が低く、偏光子の保護フィルムの用途として適する。このような効果が得られることの詳細については定かではないが、図1に一例を示すような現象がセルロースアシレートフィルム20と偏光子10との間に起きていると考えられる。
イミノジ酢酸誘導体が添加されることでセルロースアシレートフィルムが疎水化し、水の浸入を防ぐ。また、イミノジ酢酸誘導体は、ヨウ素と親和性が高く、セルロースアシレートフィルム中から偏光子内部へ移動し、偏光子内でヨウ素錯体を安定化することでヨウ素が偏光子内部から流出してしまうことを防ぐと推定している。
また、有機酸であるイミノジ酢酸誘導体は疎水性を有するため、セルロースアシレート内部では水分子よりもセルロースアシレートとより相互作用として水素結合を形成しやすい。さらに、セルロースアシレートと多点で水素結合形成するため、イミノジ酢酸誘導体は水分子よりも大きな安定化エネルギーを有することが可能である。このため、水とセルロースアシレートとの相互作用が弱くなることで疎水性となる。疎水性になることで、セルロースアシレート内に水分が透過することを抑えられる。なお、特許文献2(WO2006/095815号A1公報)は、フィルムを酸性溶液に浸漬させているが、本発明は、イミノジ酢酸を含有させている点で特許文献2と技術的思想が異なる。
以下、本発明のセルロースアシレートフィルムに利用可能な材料について詳細に説明する。
1−1.一般式(1)で表される化合物(イミノジ酢酸誘導体)
本発明のセルロースアシレートフィルムには、一般式(1)で表される化合物(イミノジ酢酸誘導体)が含まれる。
Figure 2013082918
一般式(1)中、Rは置換基を表し;m、nはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。
m、nは、それぞれ独立に1〜3の整数を表し、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
Rは置換基を表す。Rの例としては、下記一般式(2)で表される置換基が挙げられる。
Figure 2013082918
一般式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し;Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し、pは1〜3の整数を表す。
1、R2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。置換基の例としては、特に制限はなく、アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルキル基(より好ましくは5〜20のアルキル基)、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル等)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、オレイル等)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルキニル基、例えば、エチニル、ブタジイニル、フェニルエチニル等)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等)、アリール基(芳香族基(好ましくは炭素原子数6〜26の芳香族基(フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、フルオレン))、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数2〜20のヘテロ環基、例えば、2−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、2−チアゾリル、2−オキサゾリル等)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜26のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20のアルコキシカルボニル基、例えば、エトキシカルボニル、2−エチルヘキシルオキシカルボニル等)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20のアミノ基、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、アニリノ等)、スルホンアミド基(好ましくは炭素原子数0〜20のスルホンアミド基、例えば、N,N−ジメチルスルホンアミド、N−フェニルスルホンアミド等)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルオキシ基、例えば、アセチルオキシ、ベンゾイルオキシ等)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20のカルバモイル基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20のアシルアミノ基、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、シアノ基、又はハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)であり、より好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基、シアノ基又はハロゲン原子であり、特に好ましくはアルキル基、アルケニル基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシルアミノ基又はシアノ基が挙げられる。R1及びR2は、水素原子、芳香族基、アルキル基が好ましく、水素原子、フェニル基がより好ましい。
1及びR2が芳香族基の場合、芳香族基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、アルキル基が好ましい。また、R1及びR2がアルキル基の場合、アルキル基は置換基を有していてもよく、該置換基としては芳香族基が好ましく、2つ以上の芳香族基を含むことが好ましい。2つ以上の芳香族基を含む一例は、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、フルオレニル基などが挙げられる。
1及びR2は、R1及びR2のいずれかが水素原子であることが好ましく、一例は、R1及びR2の一方が水素原子であり、他方が芳香族基である態様、R1及びR2の一方が水素原子であり、他方が2つ以上の芳香族基が置換している置換基(2つ以上の芳香族基を含む置換基)である態様が好ましい。
Yは、酸素原子又は硫黄原子を表し、酸素原子が好ましい。
pは、1〜3の整数を表し、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
一般式(2)で表される置換基の例には、下記一般式(3)で表される置換基が含まれる。
Figure 2013082918
一般式(3)中の各記号の定義は、一般式(2)中のそれぞれと同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に、一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2013082918
一般式(1)で表される化合物の添加量は特に限定されないが、セルロースアシレート100質量部に対して、0.1〜100質量部であることが好ましく、0.3〜50質量部であることがより好ましく、0.5〜30質量部であることが特に好ましい。
添加量が0.1質量部未満であると、効果的にフィルムの透湿度および含水率を抑制できなくなることがあり、100質量部を超えると、ヘイズが高くなることがある。
一般式(1)で表される化合物は、一般に、ニトリロ三酢酸に無水酢酸とアミン化合物を添加することによって合成することができ、具体的には、Australian Journal of Chemistry, 1982, vol.35, #11, p.2371-2375に記載されている方法で合成することができる。また、市販品を使用することもできる。
1−2.セルロースアシレート
本発明では、セルロースアシレートをフィルムの主成分として用いる。ここで本明細書では、「主成分」とは、原料となる成分が1種である態様ではその成分を、2種以上である態様では、最も質量分率の高い成分をいうものとする。セルロースアシレートの1種を用いてもよいし、2種以上を用いてもよい、セルロースアシレートのアシル置換基は、例えばアセチル基単独からなるセルロースアシレートであっても、複数のアシル置換基を有するセルロースアシレートを含む組成物を用いてもよい。
セルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートの原料のセルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)などがあり、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシレートでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。これらの原料セルロースについての詳細な記載は、例えば、丸澤、宇田著、「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
前記セルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートのアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。前記セルロースアシレートフィルムに用いられるセルロースアシレートは、炭素数2〜4のアシル基を置換基として有することが好ましい。2種類以上のアシル基を用いるときは、そのひとつがアセチル基であることが好ましく、炭素数2〜4のアシル基としてはプロピオニル基またはブチリル基が好ましい。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液が作製でき、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。さらに粘度が低く、ろ過性のよい溶液の作成が可能となる。
まず、本発明に好ましく用いられるセルロースアシレートについて詳細に記載する。セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基によりアシル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位に位置するセルロースの水酸基がアシル化している割合(各位における100%のアシル化は置換度1)の合計を意味する。
前記セルロースアシレートの総アシル置換度(A)は、1.5以上3以下(1.5≦A≦3.0)であることが好ましく、2.0以上2.97以下であることがより好ましく、2.5以上2.97未満であることがさらに好ましく、2.70以上2.95以下であることが特に好ましい。
前記セルロースアシレートの総アセチル置換度(B)は、2.0以上3以下(2.0≦B≦3.0)であることが好ましく、2.0以上2.97以下であることがより好ましく、2.5以上2.97未満であることがさらに好ましく、2.70以上2.95以下であることが特に好ましい。
前記セルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリル基でもよく特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、イソブタノイル基、tert−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、tert−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくはアセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基(アシル基が炭素原子数2〜4である場合)であり、より特に好ましくはアセチル基(セルロースアシレートが、セルロースアセテートである場合)である。
セルロースのアシル化において、アシル化剤としては、酸無水物や酸クロライドを用いた場合、反応溶媒である有機溶媒としては、有機酸、例えば、酢酸、メチレンクロライド等が使用される。
触媒としては、アシル化剤が酸無水物である場合には、硫酸のようなプロトン性触媒が好ましく用いられ、アシル化剤が酸クロライド(例えば、CH3CH2COCl)である場合には、塩基性化合物が用いられる。
最も一般的なセルロースの混合脂肪酸エステルの工業的合成方法は、セルロースをアセチル基および他のアシル基に対応する脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、吉草酸等)またはそれらの酸無水物を含む混合有機酸成分でアシル化する方法である。
前記セルロースアシレートは、例えば、特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
本発明のフィルムにおいては、全固形分中、セルロースアシレートを5〜99質量%含むことが透湿度の観点から好ましく、20〜99質量%含むことがより好ましく、50〜95質量%含むことが特に好ましい。
1−3.その他の添加剤
前記セルロースアシレートフィルム中には、重縮合ポリマー、レターデーション調整剤(レターデーション発現剤およびレターデーション低減剤);フタル酸エステル、リン酸エステルなどの可塑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;マット剤などの添加剤を加えることもできる。
(重縮合ポリマー)
前記セルロースアシレートフィルムは、重縮合ポリマーを含むことが、ヘイズ低減の観点から好ましい。
前記重縮合ポリマーとしては、セルロースアシレートフィルムの添加剤として通常の高分子量添加剤を広く採用することができる。添加剤の含量は、セルロース系樹脂に対して、1〜35質量%であることが好ましく、4〜30質量%であることがより好ましく10〜25質量%であることがさらに好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムに重縮合ポリマーとして用いられる高分子量添加剤は、その化合物中に繰り返し単位を有するものであり、数平均分子量が700〜10000のものが好ましい。高分子量添加剤は、溶液流延法において、溶媒の揮発速度を速める機能や、残留溶媒量を低減する機能も有する。さらに、機械的性質向上、柔軟性付与、耐吸水性付与、水分透過率低減等のフィルム改質の観点で、有用な効果を示す。
ここで、本発明に用いられる重縮合ポリマーである高分子量添加剤の数平均分子量は、より好ましくは数平均分子量700〜8000であり、さらに好ましくは数平均分子量700〜5000であり、特に好ましくは数平均分子量1000〜5000である。
以下、本発明に用いられる重縮合ポリマーである高分子量添加剤について、その具体例を挙げながら詳細に説明するが、重縮合ポリマーである高分子量添加剤がこれらのものに限定されるわけでないことは言うまでもない。
また、前記重縮合ポリマーは、非リン酸エステル系のエステル系化合物であることが好ましい。但し、前記「非リン酸エステル系のエステル系化合物」は、リン酸エステルを含まず、エステル系である、化合物を意味する。
重縮合ポリマーである高分子系添加剤としては、ポリエステル系ポリマー(脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー等)、ポリエステル系成分と他の成分の共重合体などが挙げられ、脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー(脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー等)とアクリル系ポリマーの共重合体およびポリエステル系ポリマー(脂肪族ポリエステル系ポリマー、芳香族ポリエステル系ポリマー等)とスチレン系ポリマーの共重合体が好ましく、少なくとも共重合成分の1つとして芳香族環を含有するポリエステル化合物であることがより好ましい。
前記脂肪族ポリエステル系ポリマーとしては、炭素数2〜20の脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、炭素数4〜20のアルキルエーテルジオールから選ばれる少なくとも1種類以上のジオールとの反応によって得られるものであり、かつ反応物の両末端は反応物のままでもよいが、さらにモノカルボン酸類やモノアルコール類またはフェノール類を反応させて、所謂末端の封止を実施してもよい。この末端封止は、特にフリーなカルボン酸類を含有させないために実施されることが、保存性などの点で有効である。本発明のポリエステル系ポリマーに使用されるジカルボン酸は、炭素数4〜20の脂肪族ジカルボン酸残基または炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸残基であることが好ましい。
本発明では、芳香族ポリエステル系ポリマーは前述のポリエステルに芳香族ジカルボン酸または芳香族ジオールのそれぞれの少なくとも一種類を組み合わせて用いられることが好ましいが、その組み合わせは特に限定されるものではなく、それぞれの成分を数種類組み合わせても問題ない。本発明においては、前述のように、特に末端がアルキル基あるいは芳香族基で封止された高分子量添加剤であることが好ましく、封止には前述の方法を使用することができる。
(レターデーション低減剤)
本発明ではレターデーション低減剤として、リン酸系であるエステル系の化合物や、セルロースアシレートフィルムの添加剤として公知の非リン酸エステル系の化合物以外の化合物を広く採用することができる。
高分子系レターデーション低減剤としては、リン酸系であるポリエステル系ポリマー、スチレン系ポリマーおよびアクリル系ポリマーおよびこれら等の共重合体から選択され、アクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマーが好ましい。また、スチレン系ポリマー、アクリル系ポリマーといった、負の固有複屈折を有するポリマーを少なくとも一種含まれることが好ましい。
非リン酸エステル系の化合物以外の化合物である低分子量レターデーション低減剤としては、以下を挙げることができる。これらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に劣化防止剤の混合などである。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はセルロースアシレート溶液(ドープ)作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。さらにまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。
非リン酸エステル系の化合物以外の化合物である低分子量レターデーション低減剤としては、特に限定されないが、詳細は特開2007−272177号公報の[0066]〜[0085]に記載されている。
特開2007−272177号公報の[0066]〜[0085]に一般式(1)として記載される化合物は、以下の方法にて作製することができる。
該公報一般式(1)の化合物は、スルホニルクロリド誘導体とアミン誘導体との縮合反応により得ることができる。
特開2007−272177号公報一般式(2)に記載の化合物は、縮合剤(例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)など)を用いた、カルボン酸類とアミン類との脱水縮合反応、またはカルボン酸クロリド誘導体とアミン誘導体との置換反応などにより得ることができる。
前記レターデーション低減剤は、Rth低減剤であることが好適なNzファクターを実現する観点からより好ましい。前記レターデーション低減剤のうち、Rth低減剤としては、アクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマー、特開2007−272177号公報の一般式(3)〜(7)の低分子化合物などを挙げることができ、その中でもアクリル系ポリマーおよびスチレン系ポリマーが好ましく、アクリル系ポリマーがより好ましい。
レターデーション低減剤は、セルロース系樹脂に対し、0.01〜30質量%の割合で添加することが好ましく、0.1〜20質量%の割合で添加することがより好ましく、0.1〜10質量%の割合で添加することが特に好ましい。
上記添加量を30質量%以下とすることにより、セルロース系樹脂との相溶性を向上させることができ、白化を抑制させることができる。2種類以上のレターデーション低減剤を用いる場合、その合計量が、上記範囲内であることが好ましい。
(レターデーション発現剤)
前記セルロースアシレートフィルムは、レターデーション値を発現するために、少なくとも1種のレターデーション発現剤を含有することが好ましい。前記レターデーション発現剤としては、特に制限はないが、棒状または円盤状化合物からなるものや、前記非リン酸エステル系の化合物のうちレターデーション発現性を示す化合物を挙げることができる。上記棒状または円盤状化合物としては、少なくとも二つの芳香族環を有する化合物をレターデーション発現剤として好ましく用いることができる。
棒状化合物からなるレターデーション発現剤の添加量は、セルロースアシレートを含むポリマー成分100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがさらに好ましい。前記レターデーション発現剤中に含まれる円盤状化合物が、前記セルロースアシレート100質量部に対して3質量部未満であることが好ましく、2質量部未満であることがより好ましく、1質量部未満であることが特に好ましい。
円盤状化合物はRthレターデーション発現性において棒状化合物よりも優れているため、特に大きなRthレターデーションを必要とする場合には好ましく使用される。2種類以上のレターデーション発現剤を併用してもよい。
レターデーション発現剤は、250〜400nmの波長領域に最大吸収を有することが好ましく、可視領域に実質的に吸収を有していないことが好ましい。
レターデーション発現剤の詳細は公開技報2001−1745の49頁に記載されている。
(可塑剤)
本発明に用いられる可塑剤としては、セルロースアシレートの可塑剤として知られる多くの化合物も有用に使用することができる。可塑剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステル、炭水化物誘導体等が用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェート(TCP)が含まれる。カルボン酸エステルとしては、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)が含まれる。その他のカルボン酸エステルの例には、オレイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれる。フタル酸エステル系可塑剤(DMP、DEP、DBP、DOP、DPP、DEHP)が好ましく用いられる。DEPおよびDPPが特に好ましい。
炭水化物誘導体としては、単糖あるいは2〜10個の単糖単位を含む炭水化物の誘導体(以下、炭水化物誘導体系可塑剤ともいう)が好ましい。
前記炭水化物誘導体系可塑剤の例には、マルトースオクタアセテート、セロビオースオクタアセテート、スクロースオクタアセテート、スクロースアセテートイソブチラート、キシローステトラプロピオネート、グルコースペンタプロピオネート、フルクトースペンタプロピオネート、マンノースペンタプロピオネート、ガラクトースペンタプロピオネート、マルトースオクタプロピオネート、セロビオースオクタプロピオネート、スクロースオクタプロピオネート、キシローステトラベンゾエート、グルコースペンタベンゾエート、フルクトースペンタベンゾエート、マンノースペンタベンゾエート、ガラクトースペンタベンゾエート、マルトースオクタベンゾエート、セロビオースオクタベンゾエート、スクロースオクタベンゾエート、キシリトールペンタベンゾエート、ソルビトールヘキサベンゾエートなどが挙げられる。ただし、本発明で用いることができる炭水化物誘導体系可塑剤は、これらに限定されるものではない。なお、これらの可塑剤は1種で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(酸化防止剤)
本発明においてはセルロースアシレート溶液に公知の酸化防止剤、例えば、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4、4'−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1、1'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2、2'−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2、5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤を添加することができる。さらに、トリス(4−メトキシ−3、5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2、4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤をすることが好ましい。酸化防止剤の添加量は、セルロース系樹脂100質量部に対して、0.05〜5.0質量部を添加することが好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明においてはセルロースアシレート溶液に、偏光板または液晶等の劣化防止の観点から、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良好な液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましく用いられる。本発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例としては、例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物の例としては、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイトなどが挙げられる。ベンゾトリアゾール系化合物の例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2、2−メチレンビス(4−(1、1、3、3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、(2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3、5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1、3、5−トリアジン、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、N、N'−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、1、3、5−トリメチル−2、4、6−トリス(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、(2(2'−ヒドロキシ−3'、5'−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2、6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3、5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。これらの紫外線防止剤の添加量は、光学フィルム全体中に質量割合で1ppm〜1.0%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
(マット剤)
前記セルロースアシレートフィルムは、フィルムすべり性、および安定製造の観点からマット剤を加えてもよい。前記マット剤は、無機化合物のマット剤であっても、有機化合物のマット剤であってもよい。
前記無機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、ケイ素を含む無機化合物(例えば、二酸化ケイ素、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムなど)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましく用いられる。前記二酸化ケイ素の微粒子としては、例えば、アエロジルR972、R974、R812、200、300、R202、OX50、TT600(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。前記酸化ジルコニウムの微粒子としては、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているものが使用できる。
前記有機化合物のマット剤の好ましい具体例としては、例えば、シリコーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましく、例えば、トスパール103、トスパール105、トスパール108、トスパール120、トスパール145、トスパール3120及びトスパール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名を有する市販品が使用できる。
これらのマット剤をセルロースアシレート溶液へ添加する場合は、特にその方法に限定されずいずれの方法でも所望のセルロースアシレート溶液を得ることができれば問題ない。例えば、セルロースアシレートと溶媒を混合する段階で添加物を含有させてもよいし、セルロースアシレートと溶媒で混合溶液を作製した後に、添加物を添加してもよい。更にはドープを流延する直前に添加混合してもよく、所謂直前添加方法でありその混合はスクリュー式混練をオンラインで設置して用いられる。具体的には、インラインミキサーのような静的混合機が好ましく、また、インラインミキサーとしては、例えば、スタチックミキサーSWJ(東レ静止型管内混合器Hi−Mixer)(東レエンジニアリング製)のようなものが好ましい。なお、インライン添加に関しては、濃度ムラ、粒子の凝集等をなくすために、特開2003−053752号公報には、セルロースアシレートフィルムの製造方法において、主原料ドープに異なる組成の添加液を混合する添加ノズル先端とインラインミキサーの始端部の距離Lが、主原料配管内径dの5倍以下とする事で、濃度ムラ、マット粒子等の凝集をなくす発明が記載されている。さらに好ましい態様として、主原料ドープと異なる組成の添加液供給ノズルの先端開口部とインラインミキサーの始端部との間の距離(L)が、供給ノズル先端開口部の内径(d)の10倍以下とし、インラインミキサーが、静的無攪拌型管内混合器または動的攪拌型管内混合器であることが記載されている。さらに具体的には、セルロースアシレートフィルム主原料ドープ/インライン添加液の流量比は、10/1〜500/1、好ましくは50/1〜200/1であることが開示されている。さらに、添加剤ブリードアウトが少なく、かつ層間の剥離現象もなく、しかも滑り性が良好で透明性に優れた位相差フィルムを目的とした発明の特開2003−014933号にも、添加剤を添加する方法として、溶解釜中に添加してもよいし、溶解釜〜共流延ダイまでの間で添加剤や添加剤を溶解または分散した溶液を、送液中のドープに添加してもよいが、後者の場合は混合性を高めるため、スタチックミキサー等の混合手段を設けることが好ましいことが記載されている。
前記セルロースアシレートフィルムにおいて、前記マット剤は、多量に添加しなければフィルムのヘイズが大きくならず、実際にLCDに使用した場合、コントラストの低下、輝点の発生等の不都合が生じにくい。また、少なすぎなければ上記のキシミ、耐擦傷性を実現することができる。これらの観点から0.05〜1.0質量%の割合で含めることが特に好ましい。
1−4.セルロースアシレートフィルムの構成と物性
(フィルムの層構造)
前記セルロースアシレートフィルムは、単層であっても、2層以上の積層体であってもよい。
前記セルロースアシレートフィルムが2層以上の積層体である場合は、2層構造または3層構造であることがより好ましく、3層構造であることが好ましい。3層構造の場合は、本発明のフィルムが溶液製膜で製造する際に前記金属支持体と接する層(以下、支持体面や、スキンB層とも言う)と、前記金属支持体とは逆側の空気界面の層(以下、空気面や、スキンA層とも言う)と、その間に挟まれた1層のコア層(以下、基層とも言う)を有することが好ましい。すなわち、本発明のフィルムはスキンB層/コア層/スキンA層の3層構造であることが好ましい。
なお、前記スキンA層とスキンB層を総称して、スキン層(または表層)とも言う。
前記セルロースアシレートフィルムは、各層中におけるセルロースアシレートのアシル基置換度は均一であっても、複数のセルロースアシレートを一つの層に混在させてもよいが、各層中におけるセルロースアシレートのアシル基置換度は全て一定であることが光学特性の調整の観点から好ましい。また、前記セルロースアシレートフィルムが3層構造であるとき、両面の表面層に含まれるセルロースアシレートは同じアシル置換度のセルロースアシレートを用いることが、製造コストの観点から好ましい。
(弾性率)
本発明のフィルムは実用上十分な弾性率を示す。弾性率の範囲は特に限定されないが、製造適性およびハンドリング性という観点から1.0GPa〜5.0GPaであることが好ましく、2.0GPa〜4.5GPaであることがより好ましい。
(光弾性係数)
本発明のフィルムの光弾性係数の絶対値は8.0×10-122/N以下が好ましい。より好ましくは6×10-122/N以下であり、さらに好ましくは5×10-122/N以下である。樹脂フィルムの光弾性係数を小さくすることにより、該樹脂フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下におけるムラ発生を抑制できる。光弾性係数は、特に断らない限り、以下の方法により測定し算出するものとする。光弾性率の下限値は特に限定されないが、0.1×10-122/N以上であることが実際的である。
フィルムを3.5cm×12cmに切り出し、荷重無し、250g、500g、1000g、1500gのそれぞれの荷重におけるReをエリプソメーター(M150[商品名]、日本分光(株))で測定し、応力に対するRe変化の直線の傾きから算出することにより光弾性係数を測定する。
(含水率)
樹脂フィルムの含水率は一定温湿度における平衡含水率を測定することにより評価することができる。平衡含水率は前記温湿度に24時間放置した後に、平衡に達した試料の水分量をカールフィッシャー法で測定し、水分量(g)を試料質量(g)で除して算出したものである。
本発明のフィルムの25℃相対湿度80%における含水率は5質量%以下であることが好ましく、4質量%以下がさらに好ましく、3質量%未満がさらに好ましい。フィルムの含水率を小さくすることにより、樹脂フィルムを偏光板保護フィルムとして液晶表示装置に組み込んだ際に、高温高湿下における液晶表示装置の表示ムラを発生しにくくすることができる。含水率の下限値は特に限定されないが、0.1質量%以上であることが実際的である。
(透湿度)
樹脂フィルムの透湿度は、JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じ、温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中、面積1m2の試料を24時間に通過する水蒸気の重量を測定することにより評価することができる。
本発明の樹脂フィルムの透湿度は、500〜2000g/m2・dayであることが好ましく、900〜1300g/m2・dayであることがより好ましく、1000〜1200g/m2・dayであることが特に好ましい。
(ヘイズ)
前記セルロースアシレートフィルムは、ヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。ヘイズを上記上限値以下とすることにより、フィルムの透明性がより高くなり、光学フィルムとしてより用いやすくなるという利点がある。ヘイズは、特に断らない限り、後記実施例で採用した方法により測定し算出するものとする。ヘイズの下限値は特に限定されないが、0.001%以上であることが実際的である。
(膜厚)
前記セルロースアシレートフィルムの平均膜厚が30〜100μmであることが好ましく、30〜80μmであることがより好ましく、30〜70μmであることがさらに好ましい。30μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、70μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすい。
また、前記セルロースアシレートフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、前記コア層の膜厚は30〜70μmであることが好ましく、30〜60μmであることがより好ましい。本発明のフィルムが3層以上の積層構造を有する場合、フィルム両面の表層(スキンA層およびスキンB層)の膜厚がともに0.5〜20μmであることがより好ましく、0.5〜10μmであることが特に好ましく、0.5〜3μmであることが特に好ましい。
(フィルム幅)
前記セルロースアシレートフィルムは、フィルム幅が700〜3000mmであることが好ましく、1000〜2800mmであることがより好ましく、1300〜2500mmであることが特に好ましい。
1−5.セルロースアシレートフィルムの製造方法
前記セルロースアシレートフィルムは、ソルベントキャスト法により製造されることが好ましい。ソルベントキャスト法を利用したセルロースアシレートフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同2,367,603号、同2,492,078号、同2,492,977号、同2,492,978号、同2,607,704号、同2,739,069号及び同2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の公報を参考にすることができる。また、前記セルロースアシレートフィルムは、延伸処理を施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参考にすることができる。
(流延方法)
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。またここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することにより、それぞれの公報に記載の内容と同様の効果が得られる。
・共流延
前記セルロースアシレートフィルムの形成においては共流延法、逐次流延法、塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延法を用いることが、安定製造および生産コスト低減の観点から特に好ましい。
共流延法および逐次流延法により製造する場合には、先ず、各層用のセルロースアセテート溶液(ドープ)を調製する。共流延法(重層同時流延)は、流延用支持体(バンドまたはドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でも良い)各々の流延用ドープを別のスリットなどから同時に押出す流延用ギーサからドープを押出して、各層同時に流延し、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。図3に、共流延ギーサ3を用い、流延用支持体4の上に表層用ドープ1とコア層用ドープ2を3層同時に押出して流延する状態を断面図で示した。
逐次流延法は、流延用支持体の上に先ず第1層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して、流延し、乾燥あるいは乾燥することなく、その上に第2層用の流延用ドープを流延用ギーサから押出して流延する要領で、必要なら第3層以上まで逐次ドープを流延・積層して、適当な時期に支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。塗布法は、一般的には、コア層のフィルムを溶液製膜法によりフィルムに成形し、表層に塗布する塗布液を調製し、適当な塗布機を用いて、片面ずつまたは両面同時にフィルムに塗布液を塗布・乾燥して積層構造のフィルムを成形する方法である。
前記セルロースアシレートフィルムを製造するのに使用される、エンドレスに走行する金属支持体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げされたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステンレスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。使用される加圧ダイは、金属支持体の上方に1基又は2基以上の設置でもよい。好ましくは1基又は2基である。2基以上設置する場合には、流延するドープ量をそれぞれのダイに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギアポンプからそれぞれの割合でダイにドープを送液してもよい。流延に用いられるドープ(樹脂溶液)の温度は−10〜55℃が好ましく、より好ましくは25〜50℃である。その場合、工程のすべての溶液温度が同一でもよく、又は工程の各所で異なっていてもよい。異なる場合は、流延直前で所望の温度であればよい。
また、前記金属支持体の材質については特に制限はないが、SUS製(例えば、SUS 316)であることがより好ましい。
(剥離)
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法は、前記ドープ膜を前記金属支持体から剥ぎ取る工程を含むことが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムの製造方法における剥離の方法については特に制限はなく、公知の方法を用いた場合に剥離性を改善することができる。
(延伸処理)
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法では、製膜された延伸する工程を含むことが好ましい。前記セルロースアシレートフィルムの延伸方向はフィルム搬送方向と搬送方向に直交する方向(横方向)のいずれでも好ましいが、フィルム搬送方向に直交する方向(横方向)であることが、後に続く該フィルムを用いた偏光板加工プロセスの観点から特に好ましい。
横方向に延伸する方法は、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号などの各公報に記載されている。長手方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラーの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりもフィルムの巻き取り速度の方を速くするとフィルムは延伸される。横方向の延伸の場合、フィルムの巾をテンターで保持しながら搬送して、テンターの巾を徐々に広げることによってもフィルムを延伸できる。フィルムの乾燥後に、延伸機を用いて延伸すること(好ましくはロング延伸機を用いる一軸延伸)もできる。
前記セルロースアシレートフィルムを偏光子の保護膜として使用する場合には、偏光板を斜めから見たときの光漏れを抑制するため、偏光子の透過軸と本発明の樹脂フィルムの面内の遅相軸を平行に配置する必要がある。連続的に製造されるロールフィルム状の偏光子の透過軸は、一般的に、ロールフィルムの幅方向に平行であるので、前記ロールフィルム状の偏光子とロールフィルム状の前記セルロースアシレートフィルムからなる保護膜を連続的に貼り合せるためには、ロールフィルム状の保護膜の面内遅相軸は、フィルムの幅方向に平行であることが必要となる。従って幅方向により多く延伸することが好ましい。また延伸処理は、製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。
横方向の延伸は5〜100%の延伸が好ましく、より好ましくは5〜80%、特に好ましくは5〜40%延伸を行う。また、延伸処理は製膜工程の途中で行ってもよいし、製膜して巻き取った原反を延伸処理してもよい。前者の場合には残留溶剤量を含んだ状態で延伸を行ってもよく、残留溶剤量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質量)×100%が0.05〜50%で好ましく延伸することができる。残留溶剤量が0.05〜5%の状態で5〜80%延伸を行うことが特に好ましい。
(乾燥)
前記セルロースアシレートフィルムの製造方法では、前記セルロースアシレートフィルムを乾燥する工程と、乾燥後の本発明の樹脂フィルムをTg−10℃以上の温度で延伸する工程とを含むことが、レターデーション発現性の観点から好ましい。
前記セルロースアシレートフィルムの製造に係わる、金属支持体上におけるドープの乾燥は、一般的には、金属支持体(ドラム又はベルト)の表面側、つまり金属支持体上にあるウェブの表面から熱風を当てる方法、ドラム又はベルトの裏面から熱風を当てる方法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドープ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によりドラム又はベルトを加熱し表面温度をコントロールする裏面液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好ましい。流延される前の金属支持体の表面温度は、ドープに用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよい。しかし乾燥を促進するためには、また金属支持体上での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設定することが好ましい。なお流延ドープを冷却して乾燥することなく剥ぎ取る場合はこの限りではない。
フィルム厚さの調整は、所望の厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節すればよい。
以上のようにして得られた、前記セルロースアシレートフィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
一般的に、大画面表示装置において、斜め方向のコントラストの低下及び色味付きが顕著となるので、前記セルロースアシレートフィルムは、特に大画面液晶表示装置に用いるのに適している。大画面用液晶表示装置用の光学補償フィルムとして用いる場合は、例えば、フィルム幅を1470mm以上として成形するのが好ましい。また、本発明の偏光板保護フィルムには、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様のフィルムのみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様のフィルムも含まれる。後者の態様の偏光板保護フィルムは、その状態で保管・搬送等され、実際に液晶表示装置に組み込む際や偏光子等と貼り合わされる際に、所望の大きさに切断されて用いられる。また、同様に長尺状に作製されたポリビニルアルコールフィルム等からなる偏光子等と、長尺状のまま貼り合わされた後に、実際に液晶表示装置に組み込む際に、所望の大きさに切断されて用いられる。ロール状に巻き上げられた光学補償フィルムの一態様としては、ロール長が2500m以上のロール状に巻き上げられた態様が挙げられる。
2.偏光板
本発明は、偏光子と、本発明のセルロースアシレートフィルムとを少なくとも有する偏光板にも関する。
本発明の偏光板は、偏光子と、該偏光子の片面又は両面に本発明のフィルムを有することが好ましい。偏光子には、ヨウ素系偏光子、二色性染料を用いる染料系偏光子やポリエン系偏光子がある。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。本発明のセルロースアシレートフィルムを偏光板保護膜として用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護膜処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムの偏光子への貼り合せ方は、偏光子の透過軸と本発明のセルロースアシレートフィルムの遅相軸が実質的に平行となるように貼り合せることが好ましい。本発明の液晶表示装置において、偏光板の透過軸と本発明のセルロースアシレートフィルムの遅相軸が、実質的に平行であることが好ましい。ここで、実質的に平行であるとは、本発明のセルロースアシレートフィルムの主屈折率nxの方向と偏光板の透過軸の方向とは、そのずれが5°以内であることをいい、1°以内、好ましくは0.5°以内であることが好ましい。ずれが1°より大きいと、偏光板クロスニコル下での偏光度性能が低下して光抜けが生じて好ましくない。
本発明の偏光板の態様は、液晶表示装置にそのまま組み込むことが可能な大きさに切断されたフィルム片の態様の偏光板のみならず、連続生産により、長尺状に作製され、ロール状に巻き上げられた態様(例えば、ロール長2500m以上や3900m以上の態様)の偏光板も含まれる。大画面液晶表示装置用とするためには、偏光板の幅は1470mm以上とすることが好ましい。本発明の偏光板の具体的な構成については、特に制限はなく公知の構成を採用できるが、例えば、特開2008−262161号公報の図6に記載の構成を採用することができる。
3.液晶表示装置
本発明は、液晶セルと、本発明の偏光板とを有する液晶表示装置にも関する。
本発明の液晶表示装置は液晶セルと該液晶セルの両側に配置された一対の偏光板を有する液晶表示装置であって、前記偏光板の少なくとも一方が本発明の偏光板であるIPS、OCBまたはVAモードの液晶表示装置であることが好ましい。典型的な液晶表示装置の内部構成を図2に示した。本発明の液晶表示装置の具体的な構成としては特に制限はなく公知の構成を採用できる。また、特開2008−262161号公報の図2に記載の構成も好ましく採用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これにより本発明が限定して解釈されるものではない。
(合成例1)
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた300mLの三ツ口フラスコにニトリロ三酢酸15g、ピリジン120mLをそれぞれ量り取り、50℃で15分攪拌した。次いで、無水酢酸9.6gを添加し、70℃で2時間攪拌した。この反応液を室温に戻し、トリフェニルメチルアミン(A−1)11.7gを滴下により加え、さらに100℃で2時間攪拌した。次いでピリジンを減圧留去した後、水を250mL加え、ジイソプロピルエーテルで抽出を行った(100mL×3)。水層を氷冷し、希塩酸を滴下した。pHが2前後になったところで、白色固体が析出した。得られた固体を吸引ろ過によりろ別し、水で3回洗浄を行い精製した。その後、得られた固体を100℃で6時間真空乾燥することにより目的のイミノジ酢酸誘導体(C−1:N−(カルボキシメチル)−N−[2−(トリフェニルメチルアミノ)−2−オキソエチルグリシン]を白色粉体として得た(21.3g)。
Figure 2013082918
(合成例2〜4)
合成例1において、トリフェニルメチルアミン(A−1)のかわりに、下記アミン(A−2〜A−7)へと変更したこと以外は合成例1と同様にして、イミノジ酢酸誘導体(C−2〜C−7)を得た。
Figure 2013082918
Figure 2013082918
(比較合成例1)
特開2011−2634号公報の段落番号[0049]〜[0051]の合成例に従って、下記例示化合物(CH−1)を得た。
Figure 2013082918
[実施例1・比較例1]
(1)セルロースアシレートフィルムの製膜
<セルロースアシレートの調製>
アセチル置換度2.87のセルロースアシレートを調製した。これは、触媒として硫酸(セルロース100質量部に対し7.8質量部)を添加し、アシル置換基の原料となるカルボン酸を添加し40℃でアシル化反応を行った。またアシル化後に40℃で熟成を行った。さらにこのセルロースアシレートの低分子量成分をアセトンで洗浄し除去した。
<表層用ドープの調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、セルロースアシレート溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアシレート溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
第一工業化学社製モノペット(登録商標)SB(可塑剤)
9.0質量部
イーストマン・ケミカル社製SAIB100(可塑剤) 3.0質量部

メチレンクロライド(第1溶媒) 353.9質量部
メタノール(第2溶媒) 89.6質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 4.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(マット剤溶液の調製)
下記の組成物を分散機に投入し、攪拌して各成分を溶解し、マット剤溶液を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
マット剤溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子(AEROSIL R972、
日本アエロジル(株)製) 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 69.3質量部
メタノール(第2溶媒) 17.5質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.9質量部
前記セルロースアシレート溶液 0.9質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
(紫外線吸収剤溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、紫外線吸収剤溶液3を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
紫外線吸収剤溶液の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記紫外線吸収剤C 20.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 61.0質量部
メタノール(第2溶媒) 15.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 0.8質量部
前記セルロースアシレート溶液 12.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
Figure 2013082918
上記マット剤溶液の1.3質量部と、紫外線吸収剤溶液の3.4質量部をそれぞれ濾過後にインラインミキサーを用いて混合し、さらにセルロースアシレート溶液を95.3質量部加えて、インラインミキサーを用いて混合し、表層用溶液を調製した。
<基層用ドープの調製>
(セルロースアシレート溶液の調製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して各成分を溶解し、基層用ドープを調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.87、重合度370のセルロースアセテート
100.0質量部
本発明の化合物(C−1) 4.0質量部
前記紫外線吸収剤C 2.0質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 297.7質量部
メタノール(第2溶媒) 75.4質量部
n−ブタノール(第3溶媒) 3.8質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
<流延>
ドラム流延装置を用い、前記調製したドープ(基層用ドープ)と、その両側に表層用ドープとを3層同時にステンレス製の流延支持体(支持体温度−9℃)に流延口から均一に流延した。各層のドープ中の残留溶媒量が略70質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をピンテンターで固定し、残留溶媒量が3〜5質量%の状態で、横方向に1.28倍延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、実施例のセルロースアシレートフィルム101を得た。得られたセルロースアシレートフィルム101の厚みは60μm、幅は1480mmであった。
上記フィルム101において、化合物(C−1)の代わりに、化合物の種類を表1に記載したとおりに変更した以外は同様にして、実施例102〜113および比較例c11〜c15の偏光板保護フィルムを製造した。各フィルムに対する下記項目に関する評価結果を表1に示す。
[実施例2・比較例2]
(2)偏光板の作製
〔偏光板保護フィルムの鹸化処理〕
作製した実施例1のフィルムを、2.3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に、55℃で3分間浸漬した。室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃で0.05mol/Lの硫酸を用いて中和した。再度、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。このようにして、実施例1の偏光板保護フィルムについて表面の鹸化処理を行った。なお、偏光子は前記[偏光板]の項で説明したような常用されているものを用いた。
〔偏光板の作製〕
延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて偏光子を作製した。
鹸化処理した実施例1のフィルム101を、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光子の片側に貼り付けた。市販のセルローストリアセテートフィルム(フジタックTD80UF、富士フイルム(株)製)に同様の鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、作製した実施例1の偏光板保護フィルムを貼り付けてある側とは反対側の偏光子の面に鹸化処理後のセルローストリアセテートフィルムを貼り付けた。
この際、偏光子の透過軸と作成した実施例1の偏光板保護フィルムの遅相軸とは直交するように配置した。また、偏光子の透過軸と市販のセルローストリアセテートフィルムの遅相軸についても、直交するように配置した。
このようにして実施例の偏光板201を作製した。
フィルム102〜113の偏光板保護フィルムおよび比較例のフィルムc11〜c15の偏光板保護フィルムについても、それぞれ上記と同様にして鹸化処理と偏光板の作製を行い、各実施例および比較例の偏光板202〜213、c21〜c25を作製した。
[評価]
(透湿度の測定)
JIS Z0208の透湿度試験(カップ法)に準じて、温度60℃、湿度95%RHの雰囲気中、面積1m2の試料を24時間に通過する水蒸気の重量を測定した。
A:透湿度が1300g/m2・day 未満である。
B:透湿度が1300〜1400g/m2・day である。
C:透湿度が1400g/m2・day を超える。
(偏光板耐久性の評価)
偏光板耐久性試験は偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のように行った。ガラスの上に偏光板を貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作製する。単板直交透過率測定ではこのサンプルのフィルムの側を光源に向けてセットして測定する。2つのサンプルをそれぞれ測定し、その平均値を本発明の偏光板の直交透過率とした。偏光板の直交透過率は、UV3100PC(島津製作所社製)を用いて380nm〜780nmの範囲で測定し、410nmにおける測定値を採用した。その後、80℃、相対湿度90%の環境下で168時間および336時間保存した後について同様の手法で直交透過率を測定した。経時前後の直交透過率の変化を求め、これを偏光板耐久性としてその結果を記載した。なお、調湿なしの環境下での相対湿度は、0%〜20%の範囲であった。
A:0.6%未満である。
B:0.6%以上0.8%未満である。
C:0.8%以上1.0%未満である。
D:1.0%以上である。
(ヨウ素染色量の評価)
<ヨウ素染色液の調整>
下記処方で染色液を調液し、攪拌して完溶した。
――――――――――――――――――――――――――――――
ヨウ素 0.32質量部
ヨウ化カリウム 4.86質量部
蒸留水 894.82質量部
――――――――――――――――――――――――――――――
<ヨウ素染色試験>
30mLのサンプル管に前記調液した染色液を8割程度入れ、60℃の恒温槽で保温する。18mm×60mmに裁断したフィルムサンプルをサンプル管の中にいれて蓋をする。30分後、フィルムを取り出して軽く水洗いして、水分を拭き取り風乾する。
<ヨウ素染色量の算出方法>
島津製作所製UV−3150を用いて、ヨウ素染色試験前後のフィルムの吸光度を測定し、以下の式よりフィルムヨウ素染色量を算出した。
ヨウ素染色量=(ヨウ素染色試験後の波長390nmにおけるフィルムの吸光度)−(ヨウ素染色試験前の波長390nmにおけるフィルムの吸光度)
A:0.1を超える。
B:0.05〜0.1である。
C:0.05未満である。
Figure 2013082918
上記表1の結果から、一般式(1)で表される化合物を含有する本発明の樹脂フィルム(実施例)は、透湿度が低く、またヨウ素染色量が高いことがわかり、経時での偏光子の劣化を効果的に抑制しうるものであることがわかった。これは一般式(1)で表される構造を有する化合物のアミド結合が多点での水素結合に効果的に寄与しているためである。また、イミノジ酢酸誘導体はセルロースアシレートよりもPVAとの親和性が高く、一部の有機酸が偏光子層内部へ移動することでヨウ素錯体が安定化させていると思われる。特に、イミノジ酢酸誘導体が芳香族環を含む場合はより偏光子層内部の疎水性を高めるため、実施例中101、102では特に優れた高温高湿下での直交透過率変化の抑制を行っていると考えられる。
比較例のフィルムはセルロースアシレート系のフィルムであるが、本発明の化合物を含有しない態様であり、本発明のフィルムと比較して、ヨウ素染色量、直交透過率変化が劣るものであった。フィルムc11は酸性化合物ではないためにヨウ素錯体を安定化する効果がない。フィルムc12や13は酸性化合物であるものの、本願実施例のように偏光子層への移動が起こらず偏光子層中の錯体を安定化することができていない。c14に関してはセルロースアシレートに添加剤を用いなかった例であるが、本発明のフィルムと比較して透湿度が高く、直交透過率変化が劣るものであった。
また、c15では、前述の特許文献2に従って作製したセルロースアシレートに添加剤をブレンドせずにヨウ素、架橋剤、耐水化剤を含有したポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸した後、pHが2〜5の酸処理用溶液で浸漬処理して得られる偏光フィルムであるが、これも本発明のフィルムと比較して直交透過率変化が劣るものであった。
[実施例3・比較例3]
〔液晶表示装置の作製〕
市販の液晶テレビ(SONY(株)のブラビアJ5000)の視認者側の偏光板をはがし、実施例1の偏光板保護フィルム101を用いた本発明の偏光板201を、実施例の偏光板保護フィルムが液晶セル側となるように(図2のフィルム31b)、粘着剤を介して貼り付けた。視認者側の偏光板の透過軸が上下方向に配置とした。このときの状態は図2に示した模式図のとおりであり、ここで作製した液晶表示装置は、図面下側から、光源26、導光板25、第1偏光板21A(偏光子32、偏光フィルム31a,31b)、配向膜と透明電極とを有するアレイ基板24、液晶層23、配向膜と透明電極とを有するカラーフィルタ基板22、偏光板21Bを具備する。そして、上記のとおり第2偏光板21Bの保護フィルム31bが本実施例・比較例のものに交換されている。このとき、保護フィルムの延伸方向と偏光板の偏光方向Rとが一致するように配置された。
また、その他の実施例の保護フィルム及び偏光板、比較例の偏光板保護フィルム及び偏光板を用いた以外は同様にして、実施例及び比較例の液晶表示装置302〜313、c31〜c35を作製した。
このようにして作製した液晶表示装置を60℃相対湿度90%の環境下に24時間放置した後に表示ムラを確認したところ、本発明の液晶表示装置は、各比較例の偏光板保護フィルムを使用した液晶表示装置に対して、ムラが生じない、もしくはムラの発生面積が小さく好ましかった。
1 表層用ドープ
2 コア層用ドープ
3 共流延ギーサ
4 流延用支持体
21A、21B 偏光板
22 カラーフィルタ基板
23 液晶層
24 アレイ基板
25 導光板
31a、31b セルロースアシレートフィルム(保護フィルム)
10、32 偏光子
20 セルロースアシレートフィルム

Claims (12)

  1. セルロースアシレートと、下記一般式(1)で表される化合物とを少なくとも含有するセルロースアシレートフィルム:
    Figure 2013082918
    一般式(1)中、Rは置換基を表し;m、nはそれぞれ独立に1〜3の整数を表す。
  2. 前記一般式(1)中の前記Rが下記一般式(2)で表される置換基である請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム:
    Figure 2013082918
    一般式(2)中、R1、R2はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表し;Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;pは1〜3の整数を表す。
  3. 前記一般式(1)中の前記Rが下記一般式(3)で表される置換基である請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルム:
    Figure 2013082918
    一般式(3)中の各記号の定義は、一般式(2)中のそれぞれと同義である。
  4. 前記一般式(2)又は(3)中の前記R1及びR2のいずれかが水素原子である請求項2又は3に記載のセルロースアシレートフィルム。
  5. 前記一般式(2)又は(3)中の前記R1及びR2が水素原子、芳香族基、アルキル基から選択される請求項2〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  6. 前記一般式(3)中のR1及びR2の一方が水素原子であり、他方が芳香族基である請求項2〜5のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  7. 前記一般式(3)中のR1及びR2の一方が水素原子であり、他方が2つ以上の芳香族基を含む請求項2〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  8. 前記芳香族基は、フェニル基である請求項5〜7のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
  9. 前記セルロースアシレートが下記式のアシル置換度を満足するセルロースアシレートである請求項1〜8のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム:
    1.5≦A≦3.0
    式中、Aはアシル基置換度を表す。
  10. 前記セルロースアシレートが下記式のアセチル置換度を満足するセルロースアシレートである請求項1〜9のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム:
    2.0≦B≦3.0
    式中、Bはアセチル基置換度を表す。
  11. 偏光子と、請求項1〜10のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムとを少なくとも有する偏光板。
  12. 液晶セルと請求項11に記載の偏光板とを少なくとも有する液晶表示装置。
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