JP2013081424A - 蛋白質を含む試料中の微生物の生菌測定方法 - Google Patents

蛋白質を含む試料中の微生物の生菌測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蛋白質を含む試料の微生物数の測定において、特に牛乳や豆乳などのエマルジョン構造を基本とする食品試料では界面活性剤等によりエマルジョンを可溶化して測定すると死菌としてのみしか測定できなかったが、蛋白質を含む試料の微生物を生菌として、迅速に、また簡易に測定する方法を提供する。
【解決手段】蛋白質を含む試料を等電点沈殿による除蛋白を行った上で微生物を含んだろ過精製液を回収し、蛍光試薬による生菌染色を行う。また必要により、事前に試料を培養増殖し、該培養後試料中の微生物を検知可能な菌数にまで増殖させた後、前記蛍光試薬による生菌染色を行う。これにより、従来法よりも簡易に蛋白質を含む試料中の微生物を生菌として測定できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、蛋白質を含む試料中に存在する微生物を生菌として迅速に検出し、又は微生物数を生菌として測定する方法に関する。また、その方法を用いた豆乳の製造方法に関する。
各種食品中の微生物の有無を、製品出荷前に迅速に確認することは食品衛生上、重要である。伝統的な微生物の測定方法としては寒天培地を用いた培養法がある(非特許文献1)。 しかし一般的に実施されている培養法では、検出するまでに20〜48時間の培養時間が必要という問題があった。
一方、生きた微生物を迅速かつ容易に計測する方法として、ルシフェラーゼ反応を利用した方法が知られている(非特許文献2)。この方法はホタルルシフェラーゼ反応を用いる方法であり、大腸菌群が持つβガラクトシダーゼを検出するルシフェールCT150(キッコーマン社製)等が市販されている。
また牛乳中の細菌数を蛍光染色法で自動計測する方法も提案されている(特許文献1及び非特許文献3)。
さらに豆乳や牛乳のエマルジョンを界面活性剤により可溶化し、試料中の細菌数を蛍光染色法で自動計測する方法も提案されている(特許文献2)。
特開2006−094848号公報 特開2010−193815号公報
日本薬学会編、「衛生試験法・注解 2010」、2010年版 第1刷、金原出版株式会社、p59〜60 「食品微生物の簡易迅速測定法はここまで変わった!」、株式会社サイエンスフォーラム、p145〜149(2002年11月30日) Milk Science, Vol.55,No.1, p.31-36(2006)
しかしながら、非特許文献2の方法の場合、豆乳や牛乳のような蛋白質が多い食品では、食品由来のブランクの発光量が上昇し、検出感度が悪い傾向にある。
また特許文献1及び非特許文献3の方法の場合も、単に蛍光染色法を適用するだけでは、牛乳などエマルジョン状態を基本とするサンプルや、濁りが多いサンプルの場合はブランクの数値が高くなり、感度が落ちるという問題点がある。
さらに、特許文献2の方法の場合、エマルジョン粒子を細分化あるいは溶解するための界面活性剤の使用により細菌が死滅するため、死菌としてしか測定できないという問題点もある。
このように、蛋白質を含む濁りが多い試料中の微生物を蛍光染色法で測定する場合、感度の低下や生菌として測定できない等の課題があり、微生物を生菌として感度良く測定することが困難な状況であると本発明者は認識する。
上述の点に鑑み、本発明の目的は、蛋白質を含む試料中の微生物の測定において、微生物を生菌として迅速に、また簡易に感度良く検出する方法、あるいは生菌としての微生物数を測定する方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討を行ったところ、蛋白質を含む試料を予め等電点沈殿による除蛋白を行った後に試料中の微生物を蛍光試薬による生菌染色することで、課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。さらに、試料中の微生物が少ない場合は試料中の微生物を培養増殖させる工程を上記方法に付加することによって、より測定感度を高めることができることを魅致した。
すなわち本発明は
(1)蛋白質を含む試料中の微生物数を蛍光染色法で測定する方法において、該試料に対して等電点沈殿による除蛋白を行った後に、該除蛋白試料中の微生物の生菌数を蛍光染色法で測定することを特徴とする微生物の生菌測定方法、
(2)蛋白質が酸沈殿性蛋白質を含むものである前記(1)記載の測定方法、
(3)微生物が大腸菌又は大腸菌群である、前記(1)記載の方法、
(4)試料中の微生物の生菌数が10の3乗CFU/ml未満である場合に、蛋白質を含む試料を培養増殖させる工程を加える、前記(1)記載の方法、
(5)蛋白質を含む飲食品の製造過程において、前記(1)〜(4)いずれか1項に記載の方法により微生物の生菌測定を経ることを特徴とする、蛋白質を含む飲食品の製造法、
に関するものである。
本発明の測定方法によれば、蛋白質を含む濁りの多い試料であっても、試料中の微生物を生菌として迅速に検出し、あるいは微生物数を生菌として測定することが可能となる。
本発明の微生物の生菌測定方法は、蛋白質を含む試料中の微生物数を蛍光染色法で測定する方法において、該試料に対して等電点沈殿による除蛋白を行った後に、該除蛋白試料中の微生物の生菌数を蛍光染色法で測定することを特徴とする。以下、本発明方法の実施形態について具体的に説明する。
(蛋白質を含む試料)
本発明の測定方法の対象となる試料は、蛋白質を含む試料である。例えば蛋白質を含む飲食品が例示され、試料の形態は特に限定されず、例えば液体状、ペースト状、半固体状又は固体状の試料のいずれでも適用することができる。液体状の試料の場合は殺菌処理した蒸留水で希釈して用いてもよく、固体状の試料の場合も殺菌処理した蒸留水に溶解または分散させ、適宜希釈したものを用いることができる。
試料中に含まれる蛋白質としては、等電点沈殿によって沈殿する、いわゆる「酸沈殿性蛋白質」を含むことが好ましい。酸沈殿性蛋白質としては、大豆、エンドウ、菜種、小麦、とうもろこし等の植物性材料に含まれる蛋白質や乳等の動物性材料に含まれる蛋白質が挙げられ、具体的には大豆等に含まれるグリシニン、β−コングリシニン、オレオシンや、乳等に含まれるカゼイン等が挙げられるが、酸沈殿性の性質を有する蛋白質であればその起源や種類は限定されない。
例えば蛋白質と脂質が会合しエマルジョン化した状態であること等により濁りの多い試料は、本発明において特に好適な測定対象として用いられる。このような試料の例としては、豆乳、粉末状植物性蛋白などの植物性蛋白製品や、牛乳、クリームなどの動物性蛋白製品、あるいはそれらの製造途中の中間製品等が挙げられる。
試料の濁りの程度としては、試料を直接蛍光染色法に適用するとブランク値が高くなり、測定感度が低下してしまうレベルの濁度である場合に好適である。より具体的には、分光光度計を用いて試料を通過した透過光の波長660nmにおける吸光度(OD660)の値を濁度とした場合に、濁度が0.2以上、さらには0.5以上、特に1以上である場合に好適である。なお、OD660の測定は、工業用水試験法(JIS-K0101)の「9.2 透過光濁度」において公定される方法を用いる。
(微生物)
本発明の測定方法において測定対象となる微生物は特に限定されず、一般細菌や大腸菌群の他、乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、大腸菌、ウェルシュ菌、サルモネラ菌等の特定の細菌や、酵母、カビなどである。
微生物の総数ではなく、特定の種類の微生物を選択的に測定したい場合は、各種微生物の選択培地の組成を参考に、非選択微生物の生育抑制物質を適宜選択し、試料に添加して選択増殖後に測定することができる。
例えば大腸菌群を選択的に測定したい場合は、大腸菌群以外の微生物の生育抑制物質を添加する。大腸菌群以外の微生物の生育抑制物質としては、大腸菌群に比べ大腸菌群以外の微生物の生育をより抑制するものであればよく、例えば胆汁末、胆汁酸塩、デオキシコール酸、デオキシコール酸塩(例えば、ナトリウム塩)、ラウリル硫酸塩(例えば、ナトリウム塩)、ブリリアントグリーン、クリスタルバイオレットまたはメチレンブルーが好ましく用いられる。これらは、いずれか1種を用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、特定の微生物のみを検出する試薬を用いても良い。特有の核酸配列に結合する蛍光標識プローブを利用したFISH法などが利用可能である。この場合は微生物の選択的な増殖は不要である。
(微生物の培養増殖)
本発明の測定方法に供する試料は必要により事前に培養し、増菌させてから測定に供することができる。この培養増殖工程は試料中の微生物の生菌数が少なく蛍光染色法において感度良く測定できない場合に本測定方法に加えるのが好適である。具体的には、試料中の微生物の生菌数が10の3乗CFU(Colony Forming Unitの略)/ml未満、さらには10の2乗CFU/ml未満のレベルである場合は該工程を本測定方法に加えるのが好ましい。本測定方法においてこの培養増殖工程を加える段階は、等電点沈殿による除蛋白を行う前、あるいは除蛋白の後とすることができる。なお、特定の微生物を選択的に測定する場合は、上述の通り目的の微生物に応じた生育抑制物質の共存下で試料を培養して、培養後試料を得る。
上記の培養増殖工程を加える場合の培養条件は、測定対象とする微生物の生育に適した条件とすることが好ましい。具体的には大腸菌群の場合、培養温度は35〜37℃が好ましい。培養時間は長いほど微生物の数が増え測定感度が向上する。一方で迅速に測定を行うことが求められる場合には測定感度が低下しないレベルでなるべく短い方が好ましい。例えば、試料の培養直前の初発菌数が約10CFU/mlの場合、培養時間を4時間以上とすれば、菌数を10の3乗CFU/ml以上とすることができる。菌数が10の3乗CFU/ml以上になると蛍光染色法による測定感度が向上し、より精密な測定結果を得ることができる。
上記培養増殖工程の追加は、大腸菌や大腸菌群のように生菌数の測定よりむしろ生菌の検出自体が目的となる場合に特に有効である。また生菌数の測定を目的とする場合には、特定の培養条件において標準試料を用いて培養前後の生菌数の相関を取る方法等によって、培養工程前の真の生菌数を予測することも可能である。
(等電点沈殿による除蛋白)
本発明の測定方法に供する試料に対し、上述の通り必要により培養後、等電点沈殿による除蛋白処理を行い、試料から測定を阻害する蛋白質成分を除去する。
具体的には試料に適当な酸を加え、試料のpHを蛋白質の等電点付近に調整するが、ここで用いる酸は特に制限されない。例えば、塩酸,硫酸,リン酸等の鉱酸や、クエン酸,リンゴ酸,酒石酸,乳酸,グルコン酸,フマル酸,コハク酸,酢酸,蓚酸などの有機酸を挙げることができ、2種以上の酸を混合して用いてもよい。好ましくはpH3〜6、より好ましくはpH4〜5に調整することで効率良く蛋白質を沈殿させることができる。このように、等電点付近のpH調整を行うことにより、微生物を死滅させることがなく、生菌の状態で微生物を含む除蛋白試料を回収することができる。
等電点沈殿させた蛋白質成分の除去は微生物をろ過液に回収するのに適したフィルターでろ過するなどして行うことができる。好ましくは細孔径が5〜20μm、更に好ましくは10〜15μm程度のメンブレンフィルターを用いて蛋白質を除去し、微生物を含んだ試料液をろ過液として回収する。フィルターの細孔径は目的の微生物の大きさに応じて適したサイズのものを選択することができる。
得られた除蛋白後の試料は、濁度(OD660)が0.2未満、好ましくは0.1以下となることが適当である。
(蛍光染色法による微生物の生菌数測定)
本発明の測定方法は、前記除蛋白後の試料を用いて試料中の目的とする微生物を蛍光試薬による生菌染色法で測定する。ここでの生菌染色法は、例えば試料液を更にろ過して微生物を細孔径が0.2〜0.4μmのメンブレンフィルター上に捕捉し、フィルター上に捕集された微生物を蛍光染色試薬で染色し、顕微鏡等で観察することにより行うこができる。
本発明で生菌を染色する試薬として6-CFDA (6-carboxyfluorescein diacetate)が挙げられる。6-CFDA染色法の原理は以下の通りである。
6-CFDAは細胞内に浸透し、細胞内のエステラーゼにより蛍光性の6-carboxyfluoresceinに加水分解される。この6-carboxyfluoresceinは生細胞内に蓄積される。したがってエステラーゼ活性を持った生菌に青色励起光を照射した場合、6-carboxyfluorescein由来の緑色蛍光を発する。死細胞ではエステラーゼ活性を持たないため、6-CFDA は加水分解されず、蛍光性の6-carboxyfluoresceinは生じない。生菌染色のための試薬は6-CFDAに限らず、呼吸活性を指標とする試薬等の他の様々な試薬を選択することができる。また、フィルター上に捕集された微生物を数時間培養することでマイクロコロニーを形成させた後に蛍光染色を行ってもよい。
微生物の計測はフィルター上に捕集された微生物を蛍光顕微鏡で観察することでされるが、微生物自動計測装置、すなわち光源、光源から発せられた励起光波長を取り出す分光フィルター、励起光によって励起された微生物が有する蛍光のみを取り出す蛍光分光フィルター、受光部、光電変換素子、微生物判断手段・判断方法をプログラミングされたマイコン等で構成される装置により自動計測・解析が可能であり、光洋産業株式会社製「バイオプローラ」が好適に例示される。
以上の通り、本発明の測定方法の適用により、従来にない簡易な操作で、従来よりも短時間で蛋白質を含む試料中の微生物の生菌の有無の判定(検出)や生菌数の測定ができるようになった。したがって本方法は例えば牛乳や豆乳など、比較的賞味期限が短いために製造後できるだけ速やかに出荷する必要がある製品の微生物検査に特に有用である。
さらに、本発明の上記測定方法を利用した牛乳や豆乳等の蛋白質を含む飲食品の製造法を提供する。すなわち、上記測定方法を蛋白質を含む飲食品の製造過程において導入することができ、該製造過程においてサンプリングした試料を上記測定方法で微生物の生菌測定を経て、生菌の有無あるいは生菌数を品質管理指標とした該飲食品を製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様をより具体的に説明する。
■実施例1(豆乳における大腸菌の検出)
豆乳に大腸菌を接種し、本方法により大腸菌を検出することが可能であるかを調べた。なお、豆乳は濁度(OD660)が1を超えるものである。
豆乳(不二製油(株)製、固形分10重量%、蛋白質5重量%)400mlに、生育抑制物質としてデオキシコール酸を1g/L、ブリリアントグリーンを13.3mg/Lとなるように加え混合した。当該混合液に大腸菌であるエシェリチア・コリ(Escherichia coli NBRC3301)を10CFU/mlになるように添加して、37℃で培養し、経時的に培養液をサンプリングした。サンプリングした試料40mlに濃塩酸100μlを添加し、混合攪拌した。45℃で10分間保持した後に等電点沈殿した蛋白質成分を細孔径10μmのメンブレンフィルター(アクロディスク・バーサポアメンブレン:ポール社)を用いてろ過除去した。
ろ過液1mlを専用ろ過ファネル(FJ−VKF03キット:光洋産業株式会社製)で更に吸引ろ過し、フィルター上に大腸菌を捕捉した。さらに1mlの生理食塩水を用いてフィルター洗浄(吸引ろ過)を行なった。次に、蛍光染色試薬(6-CFDA:シグマアルドリッチ社 150μg/ml)を100μlフィルター上に添加し、3分間放置後、吸引ろ過を行い、さらに蒸留水200μlでフィルター洗浄(吸引ろ過)した。そしてこのフィルター上の微生物を光洋産業(株)製「バイオプローラ」で生菌数として測定し、生菌の検出の有無を評価した。
その結果、培養4時間で生菌数は10の3乗CFU/mlまで上昇が確認され、エシェリチア・コリが生菌として検出された。
■実施例2(豆乳における大腸菌群の検出)
豆乳に大腸菌以外の大腸菌群を接種し、本方法により大腸菌群を検出することが可能であるかを調べた。
実施例1と同様にして、大腸菌の代わりに大腸菌群であるクレブシエラ・ニューモニア(Klebsiella pneumonia NBRC 14950)を生理活性物質を加えた豆乳に添加して培養し、経時的に培養液をサンプリングし、得られた試料を等電点沈殿によって除蛋白した後、試料中の微生物の生菌数を測定し、生菌の検出の有無を評価した。
その結果、培養6時間で生菌数は10の3乗CFU/mlまで上昇が確認され、クレブシエラ・ニューモニアが生菌として検出された。
■実施例3(豆乳における大腸菌の検出2)
市販の大腸菌群用選択培地であるBGLB培地(日本製薬(株)製)80gを水1Lに溶解して、100℃、10分間滅菌したものを調製した。実施例1と同じ豆乳200mlに、上記液体培地を200ml混合した(混合液中の各最終濃度は、胆汁末1重量%、ブリリアントグリーン6.6ppm)。当該混合液に大腸菌であるエシェリチア・コリ(Escherichia coli NBRC3301)を10CFU/mlになるように添加した。以下実施例1と同様にして培養し、経時的に培養液をサンプリングし、得られた試料を等電点沈殿によって除蛋白した後、試料中の微生物の生菌数を測定し、生菌の検出の有無を評価した。
その結果、培養4時間で細菌数の上昇が確認され、エシェリチア・コリが生菌として検出された。
■実施例4(牛乳における大腸菌の検出)
牛乳に大腸菌を接種し、本方法により大腸菌を検出することが可能であるかを調べた。なお、牛乳も濁度(OD660)が1を超えるものである。
実施例1と同様にして、豆乳の代わりに無脂肪乳(高梨乳業(株)製、固形分10重量%、蛋白質4重量%)200mlを用いて培養し、経時的に培養液をサンプリングし、得られた試料を等電点沈殿によって除蛋白した後、試料中の微生物の生菌数を測定し、生菌の検出の有無を評価した。
その結果、牛乳においても培養4時間で細菌数の上昇が確認され、エシェリチア・コリが生菌として検出された。
■実施例5(粉末状分離大豆蛋白製品における大腸菌の検出)
粉末状分離大豆たん白製品の水溶液に大腸菌を接種し、本方法により大腸菌を検出することが可能であるかを調べた。なお、本水溶液も濁度(OD660)が1を超えるものである。
実施例1と同様にして、豆乳の代わりに粉末状分離大豆蛋白製品(不二製油(株)製、固形分95重量%、蛋白質86重量%)の10%水溶液200mlを用いて培養し、経時的に培養液をサンプリングし、得られた試料を等電点沈殿によって除蛋白した後、試料中の微生物の生菌数を測定し、生菌の検出の有無を評価した。
その結果、粉末状分離大豆たん白製品の水溶液においても培養4時間で細菌数の上昇が確認され、エシェリチア・コリが生菌として検出された。
■比較例1(従来法による豆乳における大腸菌の検出)
実施例3と同様にして、生理活性抑制物質を含む豆乳とBGLB培地との混合液にエシェリチア・コリを添加して培養し、経時的に培養液をサンプリングした。
サンプリングした試料1mlにキレート剤(ヘキサメタリン酸1重量%水溶液)100μlを添加し、よく混合攪拌した。次にこの混合溶液から100μlを採取し、界面活性剤(川研ファインケミカル(株)製アミゾール0.5重量%溶液)800μl添加し混合した後、引き続き酵素液(Sigma社Protease from Bacillus licheniformis P4860を蒸留水で10倍希釈したもの)1mlを加え、55℃、5分間処理した。
この処理液全量を専用ろ過ファネル(FJ−VKF03キット:光洋産業株式会社製)で吸引ろ過した。さらに3mlの生理食塩水を用いてフィルター洗浄(吸引ろ過)を行なった。以下、実施例1と同様に蛍光染色し、試料中の微生物の生菌数を測定し、生菌の検出の有無を評価した。
その結果、培養を4時間〜8時間行っても細菌数の上昇を確認することはできず、エシェリチア・コリが生菌として検出することができなかった。この原因は、界面活性剤や酵素液の処理によりエシェリチア・コリが死滅してしまったためと考えられる。
本発明により、蛋白質を含む試料中の微生物の生菌測定が従来の技術では長時間を要するなどの問題があったことに対し、迅速にまた簡易に感度良く測定することができるようになり、特に食品業界において腐敗、食中毒等の問題を引き起こす微生物の生菌数測定に係る品質管理の簡略化に大きく寄与するものである。

Claims (5)

  1. 蛋白質を含む試料中の微生物数を蛍光染色法で測定する方法において、該試料に対して等電点沈殿による除蛋白を行った後に、該除蛋白試料中の微生物の生菌数を蛍光染色法で測定することを特徴とする微生物の生菌測定方法。
  2. 蛋白質が酸沈殿性蛋白質を含むものである請求項1記載の測定方法。
  3. 微生物が大腸菌又は大腸菌群である、請求項1記載の方法。
  4. 試料中の微生物の生菌数が10の3乗CFU/ml未満である場合に、蛋白質を含む試料を培養増殖させる工程を加える、請求項1記載の方法。
  5. 蛋白質を含む飲食品の製造過程において、請求項1〜4いずれか1項に記載の方法により微生物の生菌測定を経ることを特徴とする、蛋白質を含む飲食品の製造法。
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