JP2013080119A - 画像形成装置 - Google Patents

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Toshiaki Hiroi
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Abstract

【課題】放電生成物に起因する転写不良を低コストで解決する画像形成装置を提供する。
【解決手段】中間転写ベルト113上でトナー像を重ね合わせて記録シートに転写する画像形成装置において、中間転写ベルト113は、単一の材料からなっており、1次転写ローラー126、2次転写対向ローラー200及び従動ローラー205に張架されている。1次転写ローラー126や従動ローラー205は金属のみで構成されており、2次転写対向ローラー200は外周面がゴム材で被覆されている。2次転写対向ローラー200を被覆するゴム材は、中間転写ベルト113の抵抗値ρs[Ω/□]に対して、周方向の表面粗さRz[μm]が
Figure 2013080119

の範囲内にある。
【選択図】図2

Description

本発明は、画像形成装置に関し、特に、放電生成物に起因する転写不良を低コストで解決する技術に関する。
中間転写方式のフルカラー画像形成装置においては、色ごとのトナー像を形成する複数の感光体から順次、中間転写ベルト上にトナー像が重なり合うように静電転写した後(1次転写工程)、記録シートに静電転写する(2次転写工程)。
1次転写工程において、感光体から中間転写ベルトへトナー像を転写させる際に、中間転写ベルトの表面抵抗が低いと中間転写ベルトの表面上で電荷が拡散しやすいので、感光体上でトナーが周辺に飛び散って、粒状性(ドットの再現性)やハーフトーンの均一性が悪化する。
しかしながら、中間転写ベルトの表面抵抗が高いと、1次転写や2次転写で転写電圧を印加した際に、中間転写ベルトの内周面側で微小放電が発生する。この現象により、中間転写ベルトの内周面に放電生成物(NOx等)が付着すると、高湿時に放電生成物が吸湿して、中間転写ベルトの表面抵抗が急激に低下してしまう。
中間転写ベルトの表面抵抗が急激に低下することで、1次転写部で転写ローラーから感光体へ流れる電流の漏れが発生するため、転写不良(転写抜け)が発生してしまう。
上記現象を解決するため、中間転写ベルトの電気特性として、中間転写ベルト内周面の抵抗を外周面に対して下げることで、中間転写ベルト内周面の放電を抑制する構成や、中間転写ベルト内周面の抵抗を外周面に対して高くすることで、放電生成物による抵抗値の低下分を補う構成がある(特許文献1、2を参照)。
特開2009−269307号公報 特開平10−307491号公報
しかしながら、中間転写ベルトの内周面と外周面との間に電気抵抗の差を設けようとすると、中間転写ベルトの材料コストや製造コストが上がってしまうという問題が生じる。
本発明は、上述のような問題に鑑みて為されたものであって、放電生成物に起因する転写不良を低コストで解決する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る画像形成装置は、中間転写ベルト上でトナー像を重ね合わせて記録シートに転写する画像形成装置であって、外周面がゴム材で被覆されているか、または金属のみで構成され、中間転写ベルトを張架する複数のローラーを備え、中間転写ベルトは単一の材料によって構成されており、外周面がゴム材で被覆されているローラーが少なくとも1本用いられており、前記ゴム材は、中間転写ベルトの抵抗値ρs[Ω/□]に対して、周方向の表面粗さRz[μm]が
Figure 2013080119
の範囲内にあることを特徴とする。
このようにすれば、中間転写ベルトを張架するローラーを被覆するゴム材は、中間転写ベルトの抵抗値ρs[Ω/□]に対して、周方向の表面粗さRz[μm]が
Figure 2013080119
の範囲内にあるので、中間転写ベルトがローラーから滑ることなく、かつ、転写不良を防止することができる。また、前記ローラーによって中間転写ベルトに付着した放電生成物を除去するので、中間転写ベルトの外周面側と内周面側とで表面抵抗率を変える必要が無くなり、中間転写ベルトを単一の材料によって構成することができるので、画像形成装置を材料コストや製造コストを抑制することができる。
この場合において、前記複数のローラーのうち一つは、外周面がゴム材で被覆されているローラーであり、当該ローラーが2次転写対向ローラーと、中間転写ベルトを回転走行させる駆動ローラーと、を兼ねており、前記ローラーの外周面を被覆するゴム材の電気抵抗値を1×10[Ω]以下とするのが望ましく、前記ゴム材をエチレンプロピレンジエンゴムとすれば、更に好適である。
また、外周面がゴム材で被覆されているローラーは、中間転写ベルトを回転走行させる場合における中間転写ベルトとの間の摩擦係数の方が、中間転写ベルトを逆回転させる場合の当該摩擦係数よりも、大きくなるような表面形状のゴム材にて被覆されていれば、中間転写ベルトの内周面に付着した放電生成物をより効果的に除去することができる。
また、中間転写ベルトはポリフェニレンサルファイドに導電材を分散させたものであるのが望ましく、前記導電材をカーボンとすれば、中間転写ベルトに係るコストを更に安価にすることができる。
また、トナー像を形成する感光体を備え、前記金属のみで構成されているローラーが、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに静電転写する1次転写ローラーを兼ねており、1次転写ローラーは、SUSからなっていても良いし、更に、1次転写ローラー以外の従動ローラーがアルミニウムからなっていても良い。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。 中間転写部の構成の概略を示す断面図である。 中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率と耐久枚数との関係を示すグラフである。 互いに表面粗さが異なるゴム層を有する2つの2次転写対向ローラーを用いた場合における、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率の耐久に伴う変化を示すグラフである。 2次転写対向ローラーの表面粗さと中間転写ベルトの搬送性の関係を表すグラフである。 2次転写対向ローラーの表面粗さRzと転写不良や中間転写ベルトの滑りとの関係を示す表である。 転写不良が発生しない2次転写対向ローラーの表面粗さRzの下限と、中間転写ベルトの初期状態における表面抵抗率ρsとの関係を示すグラフである。 本発明の変形例に係る2次転写対向ローラー200の表面形状を模式的に示す断面図である。
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 画像形成装置の構成
まず、本実施の形態に係る画像形成装置の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置の主要な構成を示す図である。図1に示されるように、画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラー複合機(MFP: Multi Function Peripheral)であって、原稿読取部100、画像形成部110及び給紙部120を備えている。原稿読取部100は、原稿台トレイ101に載置された原稿を自動原稿搬送装置(ADF: Automatic Document Feeder)102にて搬送しながら、光学的に読み取って画像データを生成する。画像データは後述の制御部112に記憶される。
画像形成部110は作像部111Y〜111K、制御部112、中間転写ベルト113、2次転写ローラー対114、定着装置115、排紙ローラー対116、排紙トレイ117、クリーニングブレード118及びタイミングローラー対119を備えている。また、画像形成部110にはY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)各色のトナーを供給するトナーカートリッジ127Y〜127Kが装着されている。
作像部111Y〜111Kは、それぞれトナーカートリッジ127Y〜127Kからトナーの供給を受けて、制御部112の制御の下、YMCK各色のトナー像を形成する。本実施の形態においては、粒径が6.5[μm]の重合トナーを用いている。作像部111Yは、感光体ドラム121、帯電装置122、露光装置123、現像装置124及び清掃装置125を備えている。制御部112の制御の下、帯電装置122は感光体ドラム121の外周面を一様に帯電させる。露光装置123は画像データに応じて感光体ドラムの外周面を画像露光して、静電潜像を形成する。
現像装置124は、感光体ドラム121の外周面にトナーを供給して、静電潜像を現像(顕像化)する。1次転写ローラー126には、転写電圧が印加されており、静電吸着により、感光体ドラム121の外周面上のトナー像を中間転写ベルト113に静電転写(1次転写)する。その後、清掃装置125は、クリーニングブレードにて残留トナーを掻き取った後、除電ランプにて感光体ドラム121の外周面を除電する。
同様にして、作像部111M〜111KもまたMCK各色のトナー像を形成し、これらのトナー像は互いに重なり合うように中間転写ベルト113上に1次転写される。中間転写ベルト113は無端状の回転体であって、矢印A方向に回転走行し、1次転写されたトナー像を2次転写ローラー対114まで搬送する。
給紙部120は、それぞれ記録シートSを紙サイズ毎に格納する給紙カセット121を備え、画像形成部110に記録シートSを供給する。供給された記録シートSは、中間転写ベルト113がトナー像を搬送するのに並行して、1枚ずつ搬出され、タイミングローラー対119を経由して、2次転写ローラー対114まで搬送される。タイミングローラー対119は1対のローラーからなっており、記録シートSが2次転写ローラー対114に到達するタイミングを調整する。
2次転写ローラー対114は、2次転写電圧を印加されることによって電位差を有する1対のローラーからなっており、このローラー対は互いに圧接して転写ニップ部を形成している。この転写ニップ部において中間転写ベルト113上のトナー像が記録シートS上に静電転写(2次転写)される。トナー像を転写された記録シートSは、定着装置115へ搬送される。なお、2次転写後、中間転写ベルト113上に残った残留トナーは、更に矢印A方向に搬送された後、クリーニングブレード118によって掻き取られ、廃棄される。
定着装置115はトナー像を加熱、溶融して、記録シートSに圧着する。トナー像を融着された記録シートSは排紙ローラー対116によって排紙トレイ117上に排出される。なお、制御部112は、上記並びに不図示の操作パネルを含む画像形成装置1の動作を制御する。また、制御部112は、パソコン(PC: Personal Computer)など、他の装置との間で画像データを送受信したり、ジョブを受け付けたりもする。制御部112は、更に、ファクシミリ回線を通じて、ファクシミリデータの送受信も行う。
なお、中間転写ベルト113上の残留トナーを除去する際に、クリーニングブレード118に代えて、クリーニングブラシやクリーニングローラー等を用いても良い。
[2] 中間転写部の構成
次に、感光体ドラム121から中間転写ベルト113を経由して2次転写ローラー対114までトナー像を搬送する中間転写部の構成について説明する。
図2は中間転写部の構成の概略を示す断面図である。図2に示されるように、感光体ドラム121Y〜121Kの外周面上に形成されたYMCK各色のトナー像はそれぞれ1次転写ローラー126Y〜126Kによって中間転写ベルト113上に静電転写される。この場合において、感光体ドラム121Y〜121Kは何れも接地されており、また、1次転写ローラー126Y〜126Kには何れもプラス電位となるように、YMCKの各トナーの物性に応じた転写電圧が印加されている。
中間転写ベルト113は、膜厚が120[μm]、周長が750[mm]のシームレスベルト形状を有しており、1次転写ローラー126Y〜126K、2次転写対向ローラー200及び従動ローラー205に巻き掛けられ、張架されている。また、中間転写ベルト113は、ポリフェニレンサルファイド(PPS: Poly Phenylene Sulfide)に導電性フィラーとしてカーボンを分散させた材料からなっており、表面抵抗率ρsは3×1010[Ω/□]である。
2次転写ローラー対114は、2次転写対向ローラー200と2次転写ローラー201とからなっている。2次転写ローラ201には転写電圧が印加される一方、2次転写対向ローラー200は接地されており、これによって転写電界が発生する。この転写電界によって、2次転写ローラー対114は、ガイド部材202に導かれて進入する記録シートに、中間転写ベルトが担持するトナー像を静電転写(2次転写)する。トナー像を静電転写された記録シートは除電部材203によって除電され、分離爪204によって中間転写ベルト113から分離された後、トナー像を熱定着するために定着装置115へと搬送される。
2次転写対向ローラー200は、アルミニウム製のパイプの外周面をエチレン−プロピレン−ジエン(EPDM: Ethylene Propylene Diene Monomer)のゴム層で被覆したものである。エチレン−プロピレン−ジエンゴム層の体積抵抗率は10[Ω・cm]である。なお、2次転写対向ローラー200は、不図示の駆動源により回転駆動されており、これによって中間転写ベルト113が回転駆動される。
2次転写対向ローラー200を構成するエチレン−プロピレン−ジエンゴム層の外周面は研磨によって表面粗さが調整されており、本実施の形態においては、Rz10[μm]になっている。このようにすれば、2次転写対向ローラー200が中間転写ベルト113を回転駆動するたびに、中間転写ベルト113の内周面上に付着した放電生成物が削り取られるので、放電生成物に起因する転写不良を防止することができる。
[3] 中間転写ベルト113の表面抵抗率ρsと2次転写対向ローラー200の表面粗さRzとの関係
本発明の発明者は実験を通じて、放電生成物に起因する転写不良を防止するためには、中間転写ベルト113の表面抵抗率ρsと2次転写対向ローラー200の表面粗さRzとが一定の関係になければならないことを発見したので、その実験結果について説明する。
(1) 従来技術の問題点
まず、従来技術の問題点について説明する。
前述のように、粒状性やハーフトーンの均一性を実現するためには、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率を高くする必要がある。しかしながら、習慣転写ベルトの内周面の表面抵抗率を高くすると、1次転写工程における微小放電に起因する放電生成物が中間転写ベルトの内周面に付着して表面抵抗率が下がってしまう。
図3は、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率と耐久枚数との関係を示すグラフである。図3において、縦軸は中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率を表し、横軸は耐久枚数を表す。また、実線のグラフは表面抵抗率の初期値が約1.0×1011[Ω/□]である場合の表面抵抗率の遷移を表し、破線のグラフは表面抵抗率の初期値が約3.0×1010[Ω/□]である場合の表面抵抗率の遷移を表す。また、一点鎖線のグラフは表面抵抗率の初期値が約1.0×10[Ω/□]である場合の表面抵抗率の遷移を表している。
なお、1次転写ローラーに印加する1次転写電圧はOW(operation window。トナーを適切に1次転写できる転写電圧の範囲)の上限値を印加した。また、2次転写対向ローラーとしては、従来、一般的に用いられている表面粗さがRz3[μm]の表面ゴム層が設けられた金属製のローラーを用いた。
図3に示されるように、耐久枚数(トナー像を感光体ドラムから中間転写ベルトに1次転写した枚数)が多くなるにつれて、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率が低下する。また、表面抵抗率が高いほど微小放電が起こり易く、放電生成物が発生し易いので、表面抵抗率の低下が著しい。本実験においては、耐久枚数が100k枚(=10万枚)付近で表面抵抗率の高低が逆転し、表面抵抗率の初期値が高いものほど、以降の表面抵抗率が低くなっている。
すなわち、転写不良を防止するために、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率を高くすると、耐久と共に表面抵抗率が速やかに低下するので、転写不良の発生が避けられない。
(2) 2次転写対向ローラーの表面粗さと耐久性
次に、2次転写対向ローラーの表面粗さと転写不良に対する耐久性の関係について検証した。
図4は、互いに表面粗さが異なるゴム層を有する2つの2次転写対向ローラーを用いた場合における、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率の耐久に伴う変化を示すグラフである。図4においても、図3と同様に、縦軸は中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率を表し、横軸は耐久枚数を表す。また、実線のグラフは表面粗さがRz6[μm]の2次転写対向ローラーを用いた場合を示し、破線のグラフはRz1[μm]の2次転写対向ローラーを用いた場合を示す。何れのグラフにおいても、表面抵抗率の初期値は概ね1.5×1010[Ω/□]程度である。
図4に示されるように、何れのグラフにおいても耐久枚数の増加と共に、中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率は低下するものの、耐久枚数が200k枚(=20万枚)を超えた辺りから低下し難くなる。また、表面粗さが大きいほど中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率は低下し難い。2次転写対向ローラーの表面粗さがRz1[μm]である場合には耐久に伴って中間転写ベルトの表面抵抗率が2桁ほど低下するのに対して、2次転写対向ローラーの表面粗さがRz6[μm]である場合には中間転写ベルトの表面抵抗率は1桁も低下しない。
なお、上の実験においては併せて中間転写ベルトの外周面の表面抵抗率、並びに体積抵抗率も計測したが、何れの表面粗さの場合においても、耐久に伴う変化は1桁以内に収まっている。
更に、気温30℃、相対湿度85%RHの高温多湿の環境下において画像形成を実行したところ、表面粗さがRz1[μm]である場合には、耐久に伴って中間転写ベルトの内周面の表面抵抗率が1×10[Ω/□]程度まで低下したところで転写不良(転写抜け)が発生した。一方、表面粗さがRz6[μm]である場合には、耐久枚数に関わらず転写不良は発生しなかった。
以上のように、2次転写対向ローラーの表面粗さがある程度大きいと転写不良の発生を防止できることが分かった。これは、2次転写対向ローラーの表面粗さが大きいと、中間転写ベルトの内周面に付着した放電生成物を掻き取って、放電生成物に起因する転写不良を防止できることよると考えられる。
(3) 2次転写対向ローラーの表面粗さと中間転写ベルトの搬送性
次に、2次転写対向ローラーの表面粗さと中間転写ベルトの搬送性の関係について実験を行った。
上述のように、2次転写対向ローラーの表面粗さRzが大きいほど放電生成物に起因する転写不良を防止できることが期待される一方、2次転写対向ローラーと中間転写ベルトの接触面積が小さくなるので、両者の間で滑り(スリップ)が発生し、中間転写ベルトの搬送性が低下するおそれがある。
図5は、2次転写対向ローラーの表面粗さと中間転写ベルトの搬送性の関係を表すグラフである。2次転写対向ローラーと中間転写ベルトとの間の滑りを防止するためには、2次転写対向ローラーの外周面の静摩擦係数が0.8以上必要である。これに対して、図5に示されるように、2次転写対向ローラーの表面粗さRzが大きくなるにつれて、2次転写対向ローラーの外周面の静摩擦係数μは小さくなる。
そして、表面粗さRzが15[μm]を超えると、静止摩擦係数μが0.8を下回って、2次転写対向ローラーと中間転写ベルトとの間で滑りが発生する。したがって、2次転写対向ローラーの外周面の表面粗さRzは15[μm]以下であるのが望ましい。
(4) 2次転写対向ローラーの表面粗さRzの範囲
上述のように、放電生成物に起因する転写不良を防止するためには2次転写対向ローラーの表面粗さRzを大きくしなければならない一方、中間転写ベルトの滑りを防止するためには2次転写対向ローラーの表面粗さRzを小さくしなければならない。この相反する要請を満たす表面粗さRzの範囲を求めるために実験を行った。
本実験においては、初期状態において表面抵抗率ρsが1×1011[Ω/□]、3×1010[Ω/□]及び1×10[Ω/□]である3種類の中間転写ベルトについて、表面粗さが互いに異なる11種類の2次転写対向ローラーを用いて耐久試験を行い、画像ノイズや滑りの発生の有無を確認した。図6は、本実験の結果をまとめた表である。図6において、「転写不良」の欄において、「×」印は転写不良が発生したことを表し、「○」印は転写不良が発生しなかったことを表す。また、「搬送性」の欄において、「×」印は滑りが発生したことを表し、「○」印は滑りが発生しなかったことを表す。
図6に示されるように、中間転写ベルトの初期状態における表面抵抗率ρsが高いほど内周面に放電生成物が付着し易いので、転写不良を防止するためには、2次転写対向ローラーの表面粗さRzを大きくしなければならない。一方、中間転写ベルトの搬送性については、中間転写ベルトの初期状態における表面抵抗率ρsに関わらず2次転写対向ローラーの表面粗さRzの大きさによって発生の有無が決定される。
図7は、転写不良が発生しない2次転写対向ローラーの表面粗さRzの下限と、中間転写ベルトの初期状態における表面抵抗率ρsとの関係を示すグラフである。図7において、縦軸は2次転写対向ローラーの表面粗さRzを表し、横軸は中間転写ベルトの初期状態における表面抵抗率ρsを常用対数表示したものである。
図7に示されるように、転写不良が発生しない2次転写対向ローラーの表面粗さRzの下限yは、中間転写ベルトの初期状態における表面抵抗率ρsの常用対数xに正比例して、
Figure 2013080119
と表すことができる。一方、前述のように、2次転写対向ローラーの表面粗さRzが15[μm]を超えると中間転写ベルトの滑りが発生するので、表面粗さRzの望ましい範囲は、
Figure 2013080119
となる。このようにすれば、コストを抑えながら、転写不良と中間転写ベルトの滑りとを共に防止することができる。
[4] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては、特に言及しなかったが、2次転写対向ローラー200の表面粗さを調節する際に、ゴム層の表面を一定方向にのみ研磨すると、2次転写対向ローラー200の表面を鱗状に仕上げることができる。図8は、本変形例に係る2次転写対向ローラー200の表面形状を模式的に示す断面図である。図8に示されるように、鱗状に仕上げられた2次転写対向ローラー200の外周面が、2次転写対向ローラー200の回転方向下流に向かって凹凸をもつ形状になっていれば、中間転写ベルト113の内周面に付着した放電生成物をより効率的に除去することができる。
(2) 上記実施の形態においては、中間転写ベルト113がポリフェニレンサルファイドからなる場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、ポリフェニレンサルファイド以外の材料を用いても良い。例えば、ポリカーボネイト(PC: Polycarbonate)やポリイミド(PI: Polyimide)、ポリアミドイミド(PAI: Polyamide-imide)等の樹脂材料を用いても良い。
中間転写ベルト113の表面抵抗率が10〜1012[Ω/□]の範囲内にあれば良く、体積抵抗率が10〜1012[Ω・cm]の範囲内にあれば良い。また、分散させる導電性フィラーについても、カーボンには限定されず、イオン性の導電材料を用いても良い。更に、中間転写ベルト113の厚みも、50[μm]から500[μm]の範囲内であれば良く、上記実施の形態に示した厚みには限定されない。
(3) 上記実施の形態においては、2次転写対向ローラーを構成するエチレン−プロピレン−ジエンゴム層の体積抵抗率が10[Ω・cm]である場合を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、エチレン−プロピレン−ジエン層の体積抵抗率が10[Ω・cm]以下であれば本発明の効果を得ることができる。
(4) 上記実施の形態においては、2次転写対向ローラー200が備えるゴム層の表面粗さRzを調節することによって、転写不良と中間転写ベルト113の滑りを防止する場合について説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、中間転写ベルト113を張架する他のローラーに所定の表面粗さRzを有するゴム層を設けても良い。
例えば、2次転写対向ローラーを従動ローラーとすると共に、上記実施の形態における従動ローラー205の位置にゴム層を有する駆動ローラーを設けて、当該ゴム層の表面粗さRzを調節しても良い。このようにしても、本発明の効果は同じである。
(5) 上記実施の形態においては、タンデム型のカラー複合機を例にとって説明したが、本発明がこれに限定されないのは言うまでも無く、プリンタ装置や複写装置、ファクシミリ装置などの単機能機に本発明を適用しても、タンデム型のカラー機であれば、同様の効果を得ることができる。また、用いるトナーについてもYMCKの組み合わせに限定されないのは言うまでも無く、他の色のトナーを用いても良い。
本発明に係る画像形成装置は、放電生成物に起因する転写不良を低コストで解決する装置として有用である。
1………………………画像形成装置
110…………………画像形成部
111…………………作像部
113…………………中間転写ベルト
114…………………2次転写ローラー対
118…………………クリーニングブレード
121Y〜121K…感光体ドラム
126Y〜126K…1次転写ローラー
200…………………2次転写対向ローラー
201…………………2次転写ローラー
202…………………ガイド部材
203…………………除電部材
204…………………分離爪
205…………………従動ローラー

Claims (8)

  1. 中間転写ベルト上でトナー像を重ね合わせて記録シートに転写する画像形成装置であって、
    外周面がゴム材で被覆されているか、または金属のみで構成され、中間転写ベルトを張架する複数のローラーを備え、
    中間転写ベルトは単一の材料によって構成されており、
    外周面がゴム材で被覆されているローラーが少なくとも1本用いられており、
    前記ゴム材は、中間転写ベルトの抵抗値ρs[Ω/□]に対して、周方向の表面粗さRz[μm]が
    Figure 2013080119
    の範囲内にある
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数のローラーのうち一つは、外周面がゴム材で被覆されているローラーであり、当該ローラーが2次転写対向ローラーと、中間転写ベルトを回転走行させる駆動ローラーと、を兼ねており、
    前記ローラーの外周面を被覆するゴム材の電気抵抗値は、1×10[Ω]以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記ゴム材はエチレンプロピレンジエンゴムである
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 外周面がゴム材で被覆されているローラーは、中間転写ベルトを回転走行させる場合における中間転写ベルトとの間の摩擦係数の方が、中間転写ベルトを逆回転させる場合の当該摩擦係数よりも、大きくなるような表面形状のゴム材にて被覆されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  5. 中間転写ベルトはポリフェニレンサルファイドに導電材を分散させたものである
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 前記導電材はカーボンである
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. トナー像を形成する感光体を備え、
    前記金属のみで構成されているローラーが、感光体上のトナー像を中間転写ベルトに静電転写する1次転写ローラーを兼ねており、
    1次転写ローラーは、SUSからなっている
    ことを特徴とする請求項1から3、5及び6の何れかに記載の画像形成装置。
  8. 1次転写ローラー以外の従動ローラーがアルミニウムからなっている
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
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