JP2013077676A - 電極構造体の製造方法、電極構造体およびコンデンサ - Google Patents

電極構造体の製造方法、電極構造体およびコンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】漏れ電流を抑制することができ電解質に接した場合の電気的な短絡が抑制され、高い静電容量を有する電極構造体とその製造方法、それを備えたコンデンサを提供する。
【解決手段】バルブ金属を含む誘電体前駆物質を含みバルブ金属含有粒子を予め含まない出発材料から第1被覆層と、バルブ金属含有粒子を予め含む出発材料から第2被覆層とをアルミニウム材の表面上に形成し、炭素を含まない還元性雰囲気中で加熱し、酸化して、電極構造体が製造される。電極構造体は、アルミニウム材の表面上にバルブ金属を含み導電性部分を有する第1被覆層と、バルブ金属を含み導電性部分を有する分散粒子を含む第2被覆層と、アルミニウム材と第1被覆層との間にアルミニウムと酸素を含む介在層とを備える。第1被覆層の表面の少なくとも一部が内部よりも酸化された誘電体を含み、第2被覆層の分散粒子の最外表面の少なくとも一部が内部よりも酸化された誘電体を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般的には電極構造体の製造方法に関し、特定的にはコンデンサ等の電極の材料として用いられる電極構造体の製造方法、電極構造体、および、その電極構造体を備えたコンデンサに関するものである。
たとえば、特開昭62−222512号公報(特許文献1)に記載されているように、高誘電率を有する誘電体材料は、コンデンサ、半導体素子、発光素子等の電子材料に広く用いられている。
コンデンサは二つの電極、すなわち陽極と陰極とを備えている。電解コンデンサの陽極材料としては、表面に絶縁酸化被膜を生成することが可能なアルミニウム、タンタル等の弁金属(バルブ金属ともいう)が用いられる。ここで、バルブ金属とは、陽極酸化により、酸化被膜で覆われる金属のことをいい、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等が挙げられる。陰極材料としては、電解液、無機半導体、有機導電性物質または金属薄膜のいずれかが用いられる。陰極材料が電解液の場合には、陰極端子として表面積を拡大したアルミニウム箔が使用されることが多い。
コンデンサの静電容量を増加させるために従来からいくつかの方法が提案されている。
たとえば、特開2004−259932号公報(特許文献2)には、陽極および陰極端子の表面積を拡大する方法として、アルミニウム箔の表面にPbを含む結晶性酸化物を均一に分布するように形成してエッチング時の表面溶解を抑制することによってエッチング後に拡大された表面積を得る方法が記載されている。
また、たとえば、特開2003−55796号公報(特許文献3)には、密着性が高く厚い皮膜を形成する方法として、アルミニウム基材の表面にチタン‐リン系複合酸化物皮膜を付着させる方法が記載されている。
さらに、たとえば、特開平10−182221号公報(特許文献4)には、容量性素子を構成するために用いられるものとして、誘電率の温度係数がより小さい物品が記載されている。
さらにまた、たとえば、特開平11−317331号公報(特許文献5)には、電解コンデンサのフォイル電極の表面積を増大させる方法として、約10-3トール〜約10-2トールの圧力を有する不活性雰囲気内に基材を配置するステップと、基材に表面構造体を与えるために、不活性雰囲気下で基材上にバルブ金属を蒸着させるステップとを含む方法が記載されている。しかしながら、蒸着によりバルブ金属を含む誘電体層を形成する方法では、高真空を保持する必要があるだけでなく、均一な厚さの誘電体層を工業的に形成することは困難である。
ところで、ゾルゲル法を用いると、蒸着法と比較して、バルブ金属を含む誘電体層を形成することが容易であり、均一な厚さの誘電体層を工業的に形成することができる。しかしながら、ゾルゲル法で得られる誘電体層は、誘電体前駆物質を加熱して誘電体層を形成する工程中でクラック等の欠陥が生じやすいので、表面積を大きくするために、誘電体層を厚くすると、基材であるアルミニウムとの密着性が弱くなる、所望の耐電圧が得られなくなる等の問題があった。
上記の問題を解決する方法として、たとえば、国際公開第02/062569号(特許文献6)には、基体上に酸化物層を有する構造体の製造方法が記載されている。この方法は、酸化物層用塗布液を調製する塗布液調製工程と、塗布液調製工程とは別に基体表面を前処理して前処理済基体を得る基体表面前処理工程と、前処理済基体に酸化物層用塗布液を塗布して塗布基体を得る塗布工程と、塗布基体を焼成して基体上に酸化物層を形成する焼成工程とを有し、基体表面前処理工程が、基体の表面を1次元または2次元的な規則構造を有する面とする第1の処理を含む。
しかしながら、この方法によっても、所望の耐電圧を維持した上で、密着性に優れ、高い静電容量が得られる電極構造体を得ることは困難であった。
そこで、基材であるアルミニウム材と誘電体層の密着性を改善するために、バルブ金属を含む誘電体前駆物質をアルミニウム材の表面上に形成した後、炭化水素雰囲気中で加熱することにより、アルミニウム材の表面上にバルブ金属を含む誘電体層と、アルミニウム材と誘電体層との間にアルミニウムと炭素を含む介在層とを形成することによって電極構造体を製造して、電極構造体においてアルミニウム材と誘電体層との密着性を高める方法が国際公開第2007/055121号(特許文献7)に記載されている。
特開昭62−222512号公報 特開2004−259932号公報 特開2003−55796号公報 特開平10−182221号公報 特開平11−317331号公報 国際公開第02/062569号 国際公開第2007/055121号
しかしながら、国際公開第2007/055121号(特許文献7)に記載の電極構造体の製造方法では、炭化水素雰囲気中で加熱することにより形成されるアルミニウムと炭素を含む介在層に起因して、漏れ電流が増加する、得られた電極構造体が電解質に接することにより電気的な短絡が発生する、という問題があった。国際公開第2007/055121号(特許文献7)に記載の方法で得られた電極構造体を特に固体電解コンデンサの陽極として利用した場合には、上記の電気的な短絡が顕著に見られた。
また、炭化水素雰囲気中で加熱することにより、バルブ金属を含む誘電体物質の粒子等の表面または全てが還元される。この還元された部位を通じて漏れ電流が増大する可能性がある。この問題を解消するために、電極構造体をさらに陽極酸化することにより、バルブ金属を含む誘電体物質の粒子等の表面に酸化被膜を形成することが考えられる。しかし、電極構造体をさらに陽極酸化しても、アルミニウムと炭素を含む介在層が形成された部位には酸化被膜が形成されず、アルミニウムと炭素を含む介在層が形成された部位が露出しないように過剰に陽極酸化してしまうと、容量が著しく低下する結果となる。そのため、高い静電容量を維持したまま、上記の電気的な短絡を防止することは困難であり、漏れ電流の抑制にも限界があった。
以上のことから、国際公開第2007/055121号(特許文献7)に記載の方法で得られる電極構造体は、コンデンサの陰極としての利用に限定され、陽極としての利用は事実上困難であった。
そこで、本発明の目的は、上述の問題点を解決することであり、漏れ電流を抑制することができ、高い静電容量を有し、電解質に接した場合の電気的な短絡が抑制され、コンデンサの陽極として利用が可能な電極構造体およびその製造方法、ならびにその電極構造体を備えたコンデンサを提供することである。
上記の課題を解決するための手段として、まず、本発明者らは、漏れ電流を抑制することができ、高い静電容量を有し、電解質に接した場合の電気的な短絡が抑制され、コンデンサの陽極としても利用が可能な電極構造体として、以下の構成を備えた電極構造体を発明した。
その電極構造体は、アルミニウム材と、アルミニウム材の表面上に形成された、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する被覆層と、アルミニウム材と被覆層との間に形成された、アルミニウムと酸素を含む介在層とを備える。
しかしながら、上記の電極構造体における被覆層がバルブ金属を含む粒子から構成されている場合には、被覆層が基材としてのアルミニウム材に接する界面付近では、被覆層が細かい上記粒子の集合から構成されているが、上記粒子によって覆われていないアルミニウム材の表面部分が複数の上記粒子の間で存在する。このため、上記の電極構造体を、コンデンサを構成する材料として用いた場合、上記粒子によって覆われていないアルミニウム材の表面部分がコンデンサの導電性液体物質に接触する。これにより、コンデンサの導電性液体物質に接触するアルミニウム材の箇所では電気が流れやすくなり、結果的に漏れ電流が大きくなり、漏れ電流の抑制効果が不十分となる。
また、上記の電極構造体において、基材としてのアルミニウム材と被覆層との界面から離れた箇所では、誘電体層としての被覆層が細かい上記粒子から構成されている場合には、上記粒子間の空隙が小さくなる。このため、導電性液体物質が被覆層内に浸入し難くなり、アミジン系電解液などの非水系の液体電解質を使用した場合と、モノマーを重合することによって形成される固体電解質を使用した場合には、アジピン酸アンモニウム水溶液などの水系の電解質を使用した場合と比較して、静電容量が低くなる(容量出現率が低下する)という問題を引き起こす場合がある。すなわち、用いる電解質の種類によっては、静電容量が低くなるという問題を引き起こす場合がある。
そこで、本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、バルブ金属を含む被覆層の構成と形成工程とを変更することによって、上記の目的を達成することができ、さらに上記の問題を解消することが可能な電極構造体を得ることができることを見出した。このような発明者の知見に基づいて本発明はなされたものである。
本発明に従った電極構造体の製造方法は、アルミニウム材の表面上に、バルブ金属を含む誘電体前駆物質を含み、かつ、バルブ金属含有粒子を予め含まない出発材料から第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、第1被覆層の上に、バルブ金属含有粒子を予め含む出発材料から第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を、炭素を含まない還元性雰囲気中で加熱する還元加熱工程と、還元加熱工程の後、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を酸化する酸化工程とを備える。
本発明の電極構造体の製造方法において、還元性雰囲気は、水素を含む雰囲気であることが好ましい。
本発明の電極構造体の製造方法において、還元加熱工程は、450℃以上660℃未満の温度範囲で行われることが好ましい。
本発明の電極構造体の製造方法において、酸化工程は、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱する酸化加熱工程を含むことが好ましい。
本発明の電極構造体の製造方法において、上記酸化加熱工程の代わりに、酸化工程は、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を陽極酸化する陽極酸化工程を含んでもよい。
本発明に従った電極構造体は、アルミニウム材と、アルミニウム材の表面上に形成された層であって、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する第1被覆層と、第1被覆層の上に形成された層であって、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子を含む第2被覆層と、アルミニウム材と第1被覆層との間に形成された層であって、アルミニウムと酸素を含む介在層とを備える。第1被覆層は、内部と、内部よりも外側に位置する表面とを含み、上記表面の少なくとも一部が、上記内部よりも酸化された誘電体を含む。さらに、第2被覆層の分散粒子は、内部と、内部よりも外側に位置する最外表面とを含み、上記最外表面の少なくとも一部が、上記内部よりも酸化された誘電体を含む。
本発明の電極構造体において、分散粒子の粒子径は、100nm以上であることが好ましい。
本発明の電極構造体において、介在層は、アルミニウム材の表面の少なくとも一部の領域に形成されていることが好ましい。
本発明の電極構造体において、介在層は、アルミニウム酸化物であることが好ましい。
本発明の電極構造体において、バルブ金属は、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、錫、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、および、ニオブからなる群より選ばれた一種以上であることが好ましい。
本発明の電極構造体において、第1被覆層の導電性部分が、導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有し、第2被覆層の導電性部分が、導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有し、かつ、分散粒子の少なくとも一部に存在することが好ましい。
本発明に従ったコンデンサは、上述の電極構造体を備える。
本発明によれば、漏れ電流を抑制することができ、高い静電容量を有し、電解質に接した場合の電気的な短絡が抑制され、耐電圧を有するので、コンデンサの陽極として利用が可能な電極構造体を得ることができる。特に、本発明によれば、非水系の液体電解質を使用した場合、および、モノマーを重合することによって形成される固体電解質を使用した場合でも、従来よりも高い静電容量を有する電極構造体を得ることができる。
実施例1で得られた電極構造体の中間製造物の断面を電界放射型走査電子顕微鏡によって観察した写真である。 参考例1で得られた電極構造体の中間製造物の断面を電界放射型走査電子顕微鏡によって観察した写真である。 実施例2および参考例2で得られた電極構造体に定電圧を流したときの電流値の変化を示す図である。
(電極構造体の製造方法)
本発明の電極構造体の製造方法は、アルミニウム材の表面上に、バルブ金属を含む誘電体前駆物質を含み、かつ、バルブ金属含有粒子を予め含まない出発材料から第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、第1被覆層の上に、バルブ金属含有粒子を予め含む出発材料から第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を、炭素を含まない還元性雰囲気中で加熱する還元加熱工程と、還元加熱工程の後、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を酸化する酸化工程とを備える。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
(第1被覆層形成工程)
本工程では、アルミニウム材の表面上に、バルブ金属を含む誘電体前駆物質を含み、かつ、バルブ金属含有粒子を予め含まない出発材料から第1被覆層を形成する。本工程で形成される第1被覆層は、後述の第2被覆層よりも緻密な層である。
基材としてのアルミニウム材の表面上に、バルブ金属を含む誘電体前駆物質からなる緻密な第1被覆層を形成する方法は特に限定されないが、ゾルゲル法が好適に採用される。たとえば、バルブ金属元素を含むアルコキシドの有機化合物または金属塩の加水分解および重縮合を利用して、誘電体前駆物質を含む溶液(ゾル)からゲル化させた塗布液を調製し、アルミニウム材の表面上に塗布すればよい。この際に用いられる塗布液としては、反応を抑制する錯体化等の安定化処理を施したものが望ましい。塗布の方法は特に限定されず、スピンコーティング法、バーコーティング法、フローコーティング法またはディップコーティング法が適宜採用される。塗布することによって形成された第1被覆層の厚みは、コーティング回数、塗布液の組成および濃度により制御することができる。塗布することによって形成された第1被覆層の厚みは特に限定されないが、1nm以上1μm以下であることが好ましい。このようにして得られた第1被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を、必要であれば乾燥する。
(第2被覆層形成工程)
本工程では、第1被覆層の上に、バルブ金属含有粒子を予め含む出発材料から第2被覆層を形成する。本工程で形成される第2被覆層は、前述の第1被覆層よりも密度が疎な層である。
第1被覆層の上に、バルブ金属含有粒子を予め含む出発原料から第2被覆層を形成する方法は特に限定されない。上記と同様に、ゾルゲル法が好適に採用されるが、出発原料が予めバルブ金属含有粒子を含むことを必須とする点で第2被覆層形成工程は第1被覆層形成工程とは異なる。たとえば、バルブ金属元素を含むアルコキシドの有機化合物または金属塩の加水分解および重縮合を利用して、100℃以下の熱を加えることによって、誘電体前駆物質としての酸化物前駆体粒子を含む溶液(ゾル)を調製した塗布液を作製し、第1被覆層の上に塗布すればよい。あるいは、バルブ金属元素を含むアルコキシドの有機化合物または金属塩の加水分解および重縮合を利用した誘電体前駆物質をバインダーとして用いて、その誘電体前駆物質を含む溶液中で、バルブ金属含有粒子をエマルジョン化させ、塗布液を調製し、第1被覆層の表面上に塗布すればよい。誘電体前駆物質をバインダーとして用いる際には、塗布液としては、反応を抑制する錯体化等の安定化処理を施したものが望ましい。また、バルブ金属含有粒子に対してバインダーとして機能する誘電体前駆物質の比率は特に限定されないが、バルブ金属含有粒子間の空隙を確保すること、および、密着性を確保することが両立できる範囲で設定することが好ましい。なお、バルブ金属含有粒子に対してバインダーとして機能する材料として誘電体前駆物質を含まない樹脂を用いて、樹脂とバルブ金属含有粒子を混合した塗布液を調製し、第1被覆層の表面上に塗布するという方法も採用できる。
第2被覆層を形成するための塗布の方法は特に限定されず、第1被覆層形成工程の場合と同様に、スピンコーティング法、バーコーティング法、フローコーティング法またはディップコーティング法が適宜採用される。塗布することによって形成された第2被覆層の厚みは、コーティング回数、塗布液の組成および濃度により制御することができる。このようにして得られた第2被覆層が第1被覆層の上に形成されたアルミニウム材を、必要であれば乾燥する。なお、バインダーとして誘電体前駆物質を含まない樹脂を使用する場合には、漏れ電流の増大の要因となる可能性があるため、第2被覆層の形成後に熱を加えて上記樹脂を分解させておくことが好ましい場合がある。このため、第2被覆層の形成しやすさの面を考慮すると、バルブ金属含有粒子と、バインダーとしてバルブ金属を含む誘電体前駆物質とを含む出発材料から第2被覆層を形成することがより好ましい。
(還元加熱工程)
本発明の製造方法においては、上記の第1被覆層形成工程および第2被覆層形成工程に続いて、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を、炭素を含まない還元性雰囲気中で加熱する還元加熱工程を行なう。なお、還元加熱工程は、各被覆層の還元を促進するために必要に応じて、上記の第1被覆層形成工程および第2被覆層形成工程の後、2回以上行なってもよい。
還元性雰囲気としては特に限定されず、第1被覆層および第2被覆層が表面に形成されたアルミニウム材が配置された空間に還元性物質が存在すればよく、還元性物質は液体、気体等のいずれの状態で用いてもよい。たとえば、還元性物質がガス状である場合には、第1被覆層および第2被覆層が表面に形成されたアルミニウム材の加熱処理が行なわれる密閉空間中に、還元性物質を単独で充填してもよく、または、還元性物質を不活性ガスとともに充填すればよい。また、還元性物質が液体である場合には、その密閉空間中で気化するように、還元性物質を単独で充填してもよく、または、還元性物質を不活性ガスとともに充填してもよい。
還元性物質としては、特に限定されず、水素、アンモニア、ヒドラジン、硫化水素等が挙げられ、その中でも水素が好適に利用される。不活性ガスとしては、特に限定されず、具体的には、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等が挙げられる。
加熱温度は、加熱対象物であるアルミニウム材の組成、第1被覆層および第2被覆層の組成、厚み等に応じて適宜設定すればよいが、通常は450℃以上660℃未満の範囲内が好ましく、530℃以上640℃以下の範囲内がより好ましい。加熱温度を450℃以上とすることにより、炭素を含まない還元性雰囲気中で加熱された、第1被覆層および第2被覆層の少なくとも一部が還元されることになる。ただし、本発明の製造方法において、450℃未満の温度で、第1被覆層および第2被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を加熱することを排除するものではなく、少なくとも300℃を超える温度で、第1被覆層および第2被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を加熱すればよい。加熱時間は、加熱温度等にもよるが、一般的には1時間以上100時間以下の範囲内であるのが好ましい。
この還元加熱工程を行なうことにより、アルミニウム材の表面上に、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する緻密な第1被覆層と、第1被覆層の上に形成された、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子を含み、第1被覆層よりも密度が疎な第2被覆層とが形成される。これらの導電性部分は、第1被覆層および第2被覆層の少なくとも一部が還元された部分である。なお、この還元加熱工程において第1被覆層はすべて還元されることが望ましい。アルミニウム材と第1被覆層との間には、アルミニウムと炭素を含む介在層が形成されず、アルミニウムと酸素を含む介在層が形成される。このようにして、アルミニウムと炭素を含む介在層が形成されず、緻密な層でアルミニウム材が被覆されており、第1被覆層で覆われていないアルミニウム材の表面部分がほとんど存在しないので、漏れ電流を抑制することができ、かつ、電解質に接した場合の電気的な短絡を抑制することが可能な電極構造体を得ることができる。また、第1被覆層および第2被覆層はいずれも導電性部分を有するので、導電性部分を有していない場合に比べて、高い静電容量を有する。
(酸化工程)
前述の還元加熱工程の後に、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を酸化する酸化工程を行なう。
(酸化加熱工程)
酸化工程を、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱する酸化加熱工程で行なってもよい。この酸化加熱工程において、酸化性雰囲気は、導電性部分を有する第1被覆層および第2被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を配置する空間に酸素が存在する雰囲気であればよく、酸素を単独で充填した雰囲気でもよく、または、酸素を非還元性ガスとともに充填した雰囲気でもよい。酸化性雰囲気は、酸素を2〜50体積%含む空間であることが好ましい。
加熱温度は、電極構造体に要求される耐電圧に応じて適宜設定すればよいが、通常は600℃以下の範囲内が好ましく、200℃以上400℃以下の範囲内であるのがより好ましい。加熱時間は、加熱温度等にもよるが、一般的には10秒以上50時間以下の範囲内であるのが好ましい。
この酸化加熱工程を行なうことにより、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する第1被覆層、および、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子を含む第2被覆層が形成され、第1被覆層および第2被覆層の少なくとも一部が還元された部位を有するとともに、第1被覆層の表面の少なくとも一部が第1被覆層の内部よりも酸化された誘電体を含み、さらに、第2被覆層を構成する分散粒子の最外表面の少なくとも一部が、分散粒子の内部よりも酸化された誘電体を有することになる。このようにして得られた電極構造体は耐電圧を有する。
(陽極酸化工程)
酸化工程を、第1被覆層および第2被覆層が形成されたアルミニウム材を陽極酸化する陽極酸化工程で行なってもよい。
この陽極酸化工程を行なうことにより、各被覆層を酸化すること、または、各被覆層に生じたクラック等の欠損部を補填することができる。陽極酸化工程は特に限定されないが、アジピン酸アンモニウム等の溶液中で、1V以上100V以下の電圧で行なえばよい。また、この陽極酸化工程を行なっても、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する第1被覆層、および、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子を含む第2被覆層が形成され、第1被覆層および第2被覆層の少なくとも一部が還元された部位を有するとともに、第1被覆層の表面の少なくとも一部が第1被覆層の内部よりも酸化された誘電体を含み、さらに、第2被覆層を構成する分散粒子の最外表面の少なくとも一部が、粒子の内部よりも酸化された誘電体を有することになる。このようにして得られた電極構造体も耐電圧を有する。
なお、本発明の製造方法によって得られた電極構造体は、コンデンサの陽極材料に適用することができる。
本発明の製造方法において用いられるアルミニウム材、バルブ金属については、以下で説明する。
(アルミニウム材)
本発明の一つの実施形態として、第1被覆層および第2被覆層が形成される基材としてのアルミニウム材は、特に限定されず、純アルミニウムまたはアルミニウム合金の箔を用いることができる。このようなアルミニウム材は、アルミニウム純度が「JIS H 2111」に記載された方法に準じて測定された値で98質量%以上のものが好ましい。本発明で用いられるアルミニウム材は、その組成として、鉛(Pb)、珪素(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、ガリウム(Ga)、ニッケル(Ni)およびホウ素(B)の少なくとも1種の合金元素を必要範囲内において添加したアルミニウム合金、または、上記の不可避的不純物元素の含有量を限定したアルミニウムも含む。アルミニウム材の厚みは、特に限定されないが、一般的には5μm以上200μm以下の範囲内とするのが好ましい。
上記のアルミニウム材は、公知の方法によって製造されるものを使用することができる。たとえば、上記の所定の組成を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金の溶湯を調製し、これを鋳造して得られた鋳塊を適切に均質化処理する。その後、この鋳塊に熱間圧延と冷間圧延を施すことにより、基材となるアルミニウム材を得ることができる。なお、上記の冷間圧延工程の途中で、150℃以上400℃以下の温度範囲内で中間焼鈍処理を施してもよい。
また、前述した第1被覆層形成工程および第2被覆層形成工程の前に、アルミニウム材に適宜前処理を施してもよい。
(第1被覆層)
本発明の電極構造体では、上述のように、アルミニウム材の表面上には、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する緻密な第1被覆層が形成されている。この緻密な第1被覆層の存在により、緻密な層でアルミニウム材が被覆されることとなり、第1被覆層で覆われていないアルミニウム材の表面部分がほとんど存在しないので、漏れ電流を抑制することができ、かつ、電解質に接した場合の電気的な短絡を抑制することが可能な電極構造体を得ることができる。なお、第1被覆層は、アルミニウム材と接する界面に、導電性を有する部分が存在するので、第1被覆層の上に形成される第2被覆層と電気的に繋がっている。すなわち、第1被覆層の上に形成される第2被覆層は、アルミニウム材との導通部分を有する。
なお、本発明の目的を達成できる範囲内であれば、第1被覆層がアルミニウム材の表面を完全に被覆していることまでは必要としないが、漏れ電流をより効果的に抑制するためには、アルミニウム材が第1被覆層で完全に被覆されていることが好ましい。
また、第1被覆層は緻密な層であるが、この緻密とは、粒子状物を全く含まないことを意味するものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内であれば、粒子状物が第1被覆層に含まれていてもよい。ただし、漏れ電流を抑制するためには、上記の粒子状物は微粒子であって、その粒径はナノオーダー、または、ナノオーダー以下のレベルのものであることが好ましい。
バルブ金属としては特に限定されず、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、錫、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびニオブ等が挙げられるが、特に、チタン、タンタル、ハフニウム、ジルコニウムまたはニオブが好適に使用される。
第1被覆層の厚みは、特に限定されないが、薄過ぎると、漏れ電流の抑制が難しくなり、厚過ぎると、還元加熱工程にて熱処理した際に還元され難くなり、その結果、第1被覆層中の導電性を有する部分の占める割合が減少し、アルミニウム材との導通が阻害されるおそれがある。さらには、第1被覆層の厚みが厚すぎると、亀裂が発生しやすく、密着性を保持できなくなる。このため、第1被覆層の厚みは、1nm以上1μm以下であることが好ましい。
なお、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する第1被覆層は、バルブ金属を含む導電性部分ですべての部分が構成されてもよく、あるいは、バルブ金属を含む誘電性部分と、バルブ金属を含む導電性部分とから構成されてもよい。
第1被覆層を構成する物質の具体例としては、バルブ金属を含むものであれば金属単体、酸化物、水酸化物、硫化物、窒化物等、どのようなものであってもよいが、前述のアルミニウム材の表面への第1被覆層の形成しやすさを考慮すれば、酸化物であることが好ましい。
バルブ金属を含む酸化物としては、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、錫、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびニオブ等の酸化物が挙げられる。
たとえば、バルブ金属を含む酸化物がチタンの酸化物であれば、Ti25、TiO2、Ti23、TiO等が挙げられる。これらの酸化チタンのうち、TiO、Ti23等のTin2n-1で表記される低次酸化チタン類は比較的良好な導電性を示すといわれている。したがって、還元加熱工程後に形成される第1被覆層がチタンの酸化物で構成される場合には、第1被覆層が還元されることにより、上述のような導電性を示す低次酸化チタン類が第1被覆層を構成するものと推察される。
第1被覆層は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分のみで構成されているのが好ましいが、本発明の目的を達成することを阻害しないのであれば、導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有するものを含んでいてもよい。
なお、導電性部分は、導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有する(導電性部分の酸化数は、導電性部分以外の部分の酸化数よりも低い(小さい値である))と推察される。このことから、第1被覆層は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分と、高い酸化数を有する高次酸化物からなる誘電性部分とから構成されていてもよく、第1被覆層は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分のみで構成されていてもよいといえる。
還元加熱工程後に酸化加熱工程または陽極酸化工程を行うと、第1被覆層の状態はさらに変化する。
具体的には、第2被覆層と接していない第1被覆層の最外表面となる(第2被覆層で覆われていない)箇所は、内部と、内部よりも外側に位置する最外表面とを含み、その最外表面が、内部よりも酸化された誘電体を有することになる。これにより、電極構造体は耐電圧を有する。
したがって、上述のチタンの酸化物を例にとると、還元加熱工程により、バルブ金属を含む誘電体前駆物質からなる第1被覆層の全てもしくは大半が還元されて、TiO、Ti23等のTin2n-1で表記される比較的良好な導電性を示す低次酸化チタン類に変化するが、その後の酸化加熱工程または陽極酸化工程により、第1被覆層が酸化され、第1被覆層の最外表面が第1被覆層の内部よりも酸化された状態(いいかえると酸化数が高次である状態)になり、最外表面は誘電体に変化していると推察される。このことから、第2被覆層と接していない第1被覆層の最外表面となる(第2被覆層で覆われていない)箇所は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分(内部)と、高い酸化数を有する高次酸化物からなる誘電性部分(最外表面)とから構成されているといえる。
なお、酸化数の違う酸化物が形成されていることは、たとえば、電極構造体のX線回折(XRD:X-ray diffraction)を行なうことにより確認できる。
(第2被覆層)
本発明の電極構造体においては、前述の第1被覆層の上に、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子を含む第2被覆層が形成されている。第2被覆層は導電性部分を有する分散粒子を含むので、高い静電容量を有する。
上記分散粒子に含まれるバルブ金属としては特に限定されず、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、錫、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびニオブ等が挙げられるが、特に、チタン、タンタル、ハフニウム、ジルコニウムまたはニオブが好適に使用される。
第2被覆層の厚みは、特に限定されないが、0.01μm以上100μm以下であることが好ましく、さらには0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。第2被覆層の厚みが上記の範囲内であれば、工業的生産性を考慮した上で、高い静電容量を確保できる。
上記分散粒子の形状、大きさは特に限定されないが、分散粒子の大きさ(粒子径)としては、導電性液体物質を浸入しやすくするため、100nm以上が好ましい。分散粒子の粒子径が100nm以上であれば、水系、非水系の電解質にかかわらず、種々の電解質を使用しても、静電容量の低下(容量出現率の低下)を抑制できる。なお、粒子径は走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscopy)により断面観察した写真から任意の粒子50個を選び出して粒子径を算出し、その平均値により求められる。粒子径は、工業的生産性等を考慮すれば、1μm以下であることが好ましい。
なお、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子は、バルブ金属を含む導電性部分ですべての部分が構成されてもよく、あるいは、バルブ金属を含む誘電性部分と、バルブ金属を含む導電性部分とから構成されてもよい。
また、分散粒子の導電性部分が、導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有し、かつ、当該粒子の少なくとも一部に存在することが好ましい。ここで、「一部」とは、複数個の粒子のうち、一つの粒子に着目した場合のその一つの粒子中の一部を意味する。一つの粒子の一部分が導電性を有していれば、その他の部分は導電性を有していなくてもよい。
具体的には、たとえば、上述のように還元加熱工程前の第1被覆層および第2被覆層は導電性を有していない。しかし、還元加熱工程を経ると、第1被覆層自体が還元されるとともに、第2被覆層を構成する分散粒子の少なくとも一部が還元されて、導電性部分を有する第1被覆層および第2被覆層が形成されることになる。この場合、導電性部分が、第1被覆層と第2被覆層との界面から第1被覆層とアルミニウム材との界面に繋がる第1被覆層の少なくとも一部と、第2被覆層を構成する分散粒子の少なくとも一部とに存在することになる。導電性部分が、第1被覆層の少なくとも一部と第2被覆層を構成する分散粒子の少なくとも一部とに存在することにより、導電性部分が分散粒子に存在しない場合に比べて、高い静電容量を有する。
バルブ金属を含む分散粒子を構成する物質は、バルブ金属を含むものであれば金属単体、酸化物、水酸化物、硫化物、窒化物等、どのようなものであってもよいが、前述のアルミニウム材の表面への被覆層の形成しやすさを考慮すれば、酸化物であることが好ましい。
バルブ金属を含む酸化物としては、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、錫、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウムおよびニオブ等の酸化物が挙げられる。
たとえば、バルブ金属を含む酸化物がチタンの酸化物であれば、Ti25、TiO2、Ti23、TiO等が挙げられる。これらの酸化チタンのうち、TiO、Ti23等のTin2n-1で表記される低次酸化チタン類は比較的良好な導電性を示すといわれている。したがって、還元加熱工程後に形成される第2被覆層が、チタンの酸化物を含む粒子で構成される場合には、第2被覆層を構成する分散粒子の少なくとも一部が還元されることにより、上述のような導電性を示す低次酸化チタン類が、第2被覆層を構成する分散粒子の少なくとも一部に存在するものと推察される。いいかえれば、導電性部分は、導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有する(導電性部分の酸化数は、導電性部分以外の部分の酸化数よりも低い(小さい値である))と推察される。このことから、第2被覆層を構成する分散粒子は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分と、高い酸化数を有する高次酸化物からなる誘電性部分とから構成されていてもよく、第2被覆層を構成する分散粒子は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分のみで構成されていてもよいといえる。
還元加熱工程後に酸化加熱工程または陽極酸化工程を行うと、第2被覆層を構成する分散粒子の状態はさらに変化する。
具体的には、分散粒子は、内部と、内部よりも外側に位置する最外表面とを含み、その最外表面の少なくとも一部が、内部よりも酸化された誘電体を有することになる。これにより、電極構造体は耐電圧を有する。
したがって、上述のチタンの酸化物を例にとると、還元加熱工程により、第2被覆層を構成する分散粒子の少なくとも一部が還元されて、TiO、Ti23等のTin2n-1で表記される比較的良好な導電性を示す低次酸化チタン類に変化するが、その後の酸化加熱工程または陽極酸化工程により、分散粒子が酸化され、分散粒子の最外表面の少なくとも一部が分散粒子の内部よりも酸化された状態(いいかえると酸化数が高次である状態)になり、最外表面の少なくとも一部は誘電体に変化していると推察される。このことから、第2被覆層を構成する分散粒子は、高い酸化数を有する高次酸化物からなる誘電性部分(内部)と、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分(中間部)と、高い酸化数を有する高次酸化物からなる誘電性部分(最外表面)とから構成されていてもよく、第2被覆層を構成する分散粒子は、低い酸化数を有する低次酸化物からなる導電性部分(内部)と、高い酸化数を有する高次酸化物からなる誘電性部分(最外表面)とから構成されていてもよいといえる。
なお、酸化数の違う酸化物が形成されていることは、たとえば、電極構造体のX線回折(XRD:X-ray diffraction)を行なうことにより確認できる。
(介在層)
本発明の電極構造体は、アルミニウム材と第1被覆層との間にアルミニウムと酸素を含む介在層とを備える。この介在層は、上述の還元加熱工程を経ることで形成される。この介在層が存在することにより、アルミニウム材と第1被覆層の密着性を高めるという効果を奏する。また、この介在層は、炭素を含まないので、漏れ電流が増大する原因にならず、電解質に接した場合に電気的に短絡する原因にもならない。
介在層は、アルミニウム材の表面の少なくとも一部の領域に形成されていることが好ましい。また、介在層はアルミニウム酸化物であることがより好ましい。
なお、通常、アルミニウム材の表面は、自然に形成されるアルミニウムの酸化被膜(自然酸化被膜)を有している。このことから、本発明の電極構造体の製造方法における各工程を実施する前のアルミニウム材の表面はアルミニウムの自然酸化被膜を有しているが、介在層を構成するアルミニウム酸化物は、上記の自然酸化被膜とは明らかに異なる態様を示す。具体的には、還元加熱工程を経ているので、通常のアルミニウム材の表面における酸化が抑制されると予想されるが、本発明の電極構造体では、アルミニウム材と第1被覆層との間にアルミニウムと酸素を含む介在層が、アルミニウム材の自然酸化被膜よりも厚く、局所的に形成されている。還元加熱工程を経ることにより介在層が形成される理由は定かではないが、おそらく、還元加熱工程において、第1被覆層および第2被覆層に含まれる酸素、または、還元加熱時の雰囲気中に残存する酸素がアルミニウム材に含まれるアルミニウムと反応して、アルミニウム材と導電性部分を有する第1被覆層との間にアルミニウムと酸素を含む介在層が形成されたものと推測される。
また、介在層の形状は特に限定されないが、たとえば、結晶核状のものがアルミニウム材と第1被覆層との間に分散している形態の介在層は、第1被覆層とアルミニウム材の界面での電気抵抗の上昇を抑制するという点で好ましい。
さらに、介在層の厚みも特に限定されないが、たとえば、10nm以上500nm以下の厚みを有する介在層は、電気抵抗の上昇を防ぐという点で好ましい。
(コンデンサ)
本発明の電極構造体は、コンデンサの電極材料として使用できる。コンデンサの種類は特に限定されないが、たとえば、固体電解コンデンサ、液体電解コンデンサ等が挙げられる。また、本発明の電極構造体は、コンデンサの陽極として利用できる。
以下の実施例1、2と参考例1、2に従って電極構造体を作製した。
(実施例1)
厚みが50μmで純度が99.3質量%のアルミニウム箔にバーコートによる水溶性チタン錯体の塗布を両面行い、バルブ金属を含む誘電体前駆物質からなる第1被覆層を形成した(第1被覆層形成工程)。次に、水溶性チタン錯体中に平均粒径250nmのチタニア粒子を5質量%分散させた塗布液を第1被覆層の上にバーコートによる塗布を両面行い、チタニア粒子を含む第2被覆層を形成した(第2被覆層形成工程)。この2段階の被覆層形成工程を経て、誘電体前駆物質を含む複層構造の被覆層を形成した。
上記水溶性チタン錯体はTi(n−OC494:1モル、C37OH:1モルの混合液をH22:2モル、H2O:10モルの混合液中に攪拌を行いながら、1時間かけて滴下を行い、錯体化することによって安定化処理を施した溶液を調製した。
上記第1被覆層形成の際のバーコートは、湿度が40%以下の環境下で、上記のアルミニウム箔に上記の水溶性チタン錯体を塗布後、空気中にて温度100℃で10分間加熱乾燥させ、第1被覆層の厚みが50nm前後になるようにした。
上記第2被覆層の塗布液は、セラミック容器とジルコニアボールを用いて、15時間のボールミリングによって、上記水溶性チタン錯体中にチタニア粒子を分散させて作製した。全重量中の水溶性チタン錯体の重量比率は20重量%とした。また、上記第2被覆層形成の際のバーコートは、上記の第1被覆層の上に上記の塗布液をコートし、空気中にて温度100℃で10分間加熱乾燥させ、第2被覆層の厚みが1μm程度になるようにした。
その後、2層構造の被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を、水素ガス雰囲気中にて、温度600℃で10時間保持した後、空気中にて温度300℃で10分間保持し、電極構造体を得た。
(実施例2)
実施例1の中間製造物として2層構造の被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を、水素ガス雰囲気中にて、温度600℃で10時間保持した後、電圧2Vで陽極酸化することにより、実施例2の電極構造体を得た。なお、陽極酸化条件は、温度が85℃の15質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中で、0.1mA/cm2の直流電流を流し、電圧が2Vに達した後10分間保持することにした。
(参考例1)
厚みが50μmで純度が99.3質量%のアルミニウム箔をチタンアルコキシド溶液に浸漬し、両面に厚みが0.15μmの誘電体前駆物質からなる被覆層を形成した。
チタンアルコキシド溶液の組成は、Ti(n−OC494:0.15モル、CH3COCH2COCH3:0.45モル、C25OH:18モル、H2O:0.3モルとした。湿度が40%以下の環境下で、上記のアルミニウム箔を上記のチタンアルコキシド溶液に3秒間浸漬した後、空気中にて温度100℃で10分間加熱乾燥させた。上記の浸漬処理と加熱処理を3回繰り返して、誘電体前駆物質からなる被覆層を形成した。
その後、誘電体前駆物質からなる被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を、水素ガス雰囲気中にて、温度600℃で10時間保持した後、空気中にて温度300℃で10分間保持し、電極構造体を得た。
(参考例2)
参考例1の中間製造物として誘電体前駆物質からなる被覆層が表面に形成されたアルミニウム材を電圧2Vで陽極酸化することにより、参考例2の電極構造体を得た。なお、陽極酸化条件は、温度が85℃の15質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中で、0.1mA/cm2の直流電流を流し、電圧が2Vに達した後10分間保持することにした。
まず、実施例1の中間製造物として2層構造の被覆層が表面に形成されたアルミニウム材と、参考例1の中間製造物として誘電体前駆物質からなる被覆層が表面に形成されたアルミニウム材とについて、その断面を次のようにして観察した。
[断面観察]
高分解能の電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM: field emission SEM)(日立ハイテクノロジーズ社製、型番S−4800)を用いて行った。
還元加熱工程前の被覆層が表面に形成されたアルミニウム材について、実施例1および参考例1の断面を電界放射型走査電子顕微鏡によってそれぞれ観察した二次電子像の写真を図1および図2に示す。
実施例1の断面である図1から、アルミニウム材の表面上に形成された被覆層中において、アルミニウム材界面では粒子状のものは確認できず、緻密な層である第1被覆層が存在し、その上に250nm程度の粒子を含む第2被覆層が存在していることがわかる。一方、参考例1の断面である図2からは、アルミニウム材の表面上に実施例1と同様に被覆層が形成されるが、実施例1と異なり、アルミニウム材界面ではバルブ金属を含む誘電体前駆物質である50nm未満の細かな粒子が均一に存在する。このように、図1と図2では断面構造の異なる中間製造物が得られた。
次に、実施例1と参考例1の電極構造体について、2種類の導電性液体物質を用いて測定した静電容量を次のようにして評価した。
[静電容量]
実施例1と参考例1の電極構造体について、EIAJ規格に定める電解コンデンサ用極低圧用化成箔の静電容量測定方法に基づき、静電容量の評価を行った結果と、この際の導電性液体物質である電解液として15質量%アジピン酸アンモニウム水溶液でなく、非水系のアミジン系電解液を用いて、静電容量の評価を行った結果とを表1に示す。
表1から、実施例1と参考例1において、電解液として、15質量%アジピン酸アンモニウム水溶液を用いると、静電容量は同程度の値を示すが、非水系のアミジン系電解液を用いると、参考例1では静電容量が大幅に低下し、実施例1では静電容量の低下が抑えられていることがわかる。
次に、実施例2と参考例2の電極構造体については、定電圧印加時の電流値により漏れ電流を次のようにして評価した。
[定電圧印加時の電流値]
実施例2と参考例2で作製した電極構造体の被覆層上の一部に被覆層の露出面積が1cm2となるようにマスキングを行った。サンドペーパーを用いて、この試料の端部において表層の被覆層を削り落としてアルミニウム材部を露出させた。このようにして作製された試験試料のアルミニウム材部に電気化学システム(北斗電工株式会社製 HZ−3000)の作用電極端子を接続し、厚みが150μmで純度が99.99質量%の高純度アルミニウム箔に参照電極と対極の端子とを接続して、温度が25℃の15質量%アジピン酸アンモニウム水溶液中で、2V、2.5V、3V、3.5Vの定電圧をそれぞれ、10秒ずつ流し、その際の電流値を測定した。
測定結果を図3に示す。図3に示すように、各電圧印加時の流れる電流値の立ち上がりが、すべての電圧において、参考例2よりも実施例2の方が低い値になっているが、特に、2V、2.5Vの低電圧印加で大幅に抑えられている。このことから、実施例2の方が参考例2よりも漏れ電流が抑制できていることがわかる。
以上に開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態と実施例ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものと意図される。
本発明によれば、漏れ電流を抑制できるとともに、非水系の電解質を使用した場合でも従来よりも高い静電容量を有する電極構造体を得ることができる。また、耐電圧を有するので、コンデンサの陽極として利用が可能な電極構造体を得ることができる。

Claims (12)

  1. アルミニウム材の表面上に、バルブ金属を含む誘電体前駆物質を含み、かつ、バルブ金属含有粒子を予め含まない出発材料から第1被覆層を形成する第1被覆層形成工程と、
    前記第1被覆層の上に、バルブ金属含有粒子を予め含む出発材料から第2被覆層を形成する第2被覆層形成工程と、
    前記第1被覆層および前記第2被覆層が形成された前記アルミニウム材を、炭素を含まない還元性雰囲気中で加熱する還元加熱工程と、
    前記還元加熱工程の後、前記第1被覆層および前記第2被覆層が形成された前記アルミニウム材を酸化する酸化工程と、
    を備えた、電極構造体の製造方法。
  2. 前記還元性雰囲気は、水素を含む雰囲気である、請求項1に記載の電極構造体の製造方法。
  3. 前記還元加熱工程は、450℃以上660℃未満の温度範囲で行われる、請求項1または請求項2に記載の電極構造体の製造方法。
  4. 前記酸化工程は、前記第1被覆層および前記第2被覆層が形成された前記アルミニウム材を酸化性雰囲気中で加熱する酸化加熱工程を含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電極構造体の製造方法。
  5. 前記酸化工程は、前記第1被覆層および前記第2被覆層が形成された前記アルミニウム材を陽極酸化する陽極酸化工程を含む、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の電極構造体の製造方法。
  6. アルミニウム材と、
    前記アルミニウム材の表面上に形成された層であって、バルブ金属を含み、かつ、導電性部分を有する第1被覆層と、
    前記第1被覆層の上に形成された層であって、バルブ金属を含みかつ導電性部分を有する分散粒子を含む第2被覆層と、
    前記アルミニウム材と前記第1被覆層との間に形成された層であって、アルミニウムと酸素を含む介在層と、を備え、
    前記第1被覆層は、内部と、内部よりも外側に位置する表面とを含み、前記表面の少なくとも一部が、前記内部よりも酸化された誘電体を含み、
    さらに、前記第2被覆層の前記分散粒子は、内部と、内部よりも外側に位置する最外表面とを含み、前記最外表面の少なくとも一部が、前記内部よりも酸化された誘電体を含む、電極構造体。
  7. 前記分散粒子の粒子径は、100nm以上である、請求項6に記載の電極構造体。
  8. 前記介在層は、前記アルミニウム材の表面の少なくとも一部の領域に形成されている、請求項6または請求項7に記載の電極構造体。
  9. 前記介在層は、アルミニウム酸化物である、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の電極構造体。
  10. 前記バルブ金属は、マグネシウム、トリウム、カドミウム、タングステン、錫、鉄、銀、シリコン、タンタル、チタン、ハフニウム、アルミニウム、ジルコニウム、および、ニオブからなる群より選ばれた一種以上である、請求項6から請求項9までのいずれか1項に記載の電極構造体。
  11. 前記第1被覆層の前記導電性部分が、前記導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有し、
    前記第2被覆層の前記導電性部分が、前記導電性部分以外の部分と異なる酸化数を有し、かつ、前記分散粒子の少なくとも一部に存在する、請求項6から請求項10までのいずれか1項に記載の電極構造体。
  12. 請求項6から請求項11までのいずれか1項に記載の電極構造体を備えた、コンデンサ。
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