JP2013076389A - 遠心圧縮機、及び冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】冷媒を吸入し、圧縮する第2圧縮機構2bであって、翼125a、125bを有するインペラ121と、ケーシング122とを備える。ケーシング122には、インペラ121の回転により吸入される冷媒のメイン流路120と、インペラ121が配置された空間120bに吸い込まれた冷媒の一部を吸入側空間120aに戻す戻り流路124と、冷媒をメイン流路120とは別にケーシング122内に導入するインジェクション導入口123とが形成されている。インジェクション導入口123は、戻り流路124内に形成されている。
【選択図】図2
Description
図1は、本発明に係る遠心圧縮機の一例である二段遠心圧縮機2が採用された冷凍装置1の概略構成図である。冷凍装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルによって空調等を行なう装置である。冷凍装置1は、主として、二段遠心圧縮機2、熱源側熱交換器3、エコノマイザ回路7、膨張機構4、利用側熱交換器5を有しており、これらの機器が接続されることによって流体、即ち気体、液体、或いはこれらの混合である冷媒が循環する冷媒回路を構成している。図中の矢印は、当該回路内の冷媒の流れ方向を示している。ここでは、冷媒として二酸化炭素が使用されている。なお、冷媒回路は、主冷媒回路と、エコノマイザ回路7とによって構成されている。
二段遠心圧縮機2は、本実施形態では、第1圧縮機構2aと第2圧縮機構2bとが互いに直列に接続されて冷媒を段階的に圧縮するように構成されている。第1圧縮機構2aの吸入口(図1の点A)には、利用側熱交換器5から流れ出た冷媒を吸入できるように吸入管11aが接続されている。第1圧縮機構2aの吐出口と第2圧縮機構2bの吸入口(図1の点B)とは、中間連結流路11bによって接続されている。第2圧縮機構2bの吐出口には、吐出管11cが接続されており、第2圧縮機構2bにより圧縮された冷媒は、当該吐出管11cを介して熱源側熱交換器3に向けて吐出される。
熱源側熱交換器3は、二段遠心圧縮機2によって圧縮された高圧の冷媒の熱を放熱させる放熱器である。熱源側熱交換器3では、冷却源としての空気と、熱源側熱交換器3内を流れる冷媒との間で熱交換が行われる。なお、熱源側熱交換器3を通過する空気流れは、図示しないファンによって生成される。熱源側熱交換器3の一端には、第1高圧冷媒管12a及び吐出管11cを介して、二段遠心圧縮機2に接続されている。第1高圧冷媒管12aは、熱源側熱交換器3の入口と、吐出管11cとに接続される冷媒管である。熱源側熱交換器3の他端、即ち出口には、第2高圧冷媒管12bが接続されている。第2高圧冷媒管12bの先には、後述するエコノマイザ熱交換器6が接続されている。また、第2高圧冷媒管12bの途中には、エコノマイザ回路分岐管7aが接続されており、主冷媒回路から後述するエコノマイザ回路7に分岐している。
エコノマイザ回路7は、主に、前述のエコノマイザ回路分岐管7a、膨張弁7b、中間圧冷媒管7c、及びエコノマイザ熱交換器6から構成されている。
膨張機構4は、例えば、電動膨張弁であり、熱源側熱交換器3及びエコノマイザ熱交換器6において冷却された高圧の冷媒を、利用側熱交換器5に送る前に、冷凍サイクルにおける低圧付近まで減圧する減圧器として機能する。膨張機構4の一端は、第3高圧冷媒管12cを介して、エコノマイザ熱交換器6に接続されている。膨張機構4は、第1低圧冷媒管14aを介して、利用側熱交換器5に接続されている。
利用側熱交換器5は、膨張機構4によって減圧された低圧の冷媒を加熱して蒸発させる蒸発器である。利用側熱交換器5は、冷却対象としての空気と、利用側熱交換器5内を流れる冷媒との間で熱交換をさせる。なお、利用側熱交換器5を通過する空気流れは、図示しないファンによって生成される。利用側熱交換器5を通った冷媒は、第2低圧冷媒管14b、及び、吸入管11aを介して、二段遠心圧縮機2へ流れる。
図2は、二段遠心圧縮機2の概略断面図である。二段遠心圧縮機2は、前述のとおり互いに直列に接続された第1圧縮機構2a及び第2圧縮機構2bのほか、各圧縮機構に設けられた後述するインペラ111、121の回転軸101、および回転軸101を回転駆動する図示しないモータを主に有する。なお、図2においてインペラの回転中心をO、回転軸線をO−Oとし、回転軸線O−Oに沿う方向を軸方向又は前後方向とする。そして、図に示すとおり吸入側を前とし、その反対側を後とする。即ち、第1圧縮機構2aは、第2圧縮機構2bの前に位置し、第2圧縮機構2bは、第1圧縮機構2aの後に位置する。
インペラ121は、ケーシング122により覆われた空間内に配置されており、主として、ハブ121aと、ハブ121aの前面側でかつ径方向外側に配置された複数の主翼125a、及び主翼125aよりも小さい補助翼125bを有しており、ハブ121aの前後方向に延びる回転軸101を軸心として回転する。なお、主翼125aおよび補助翼125bをまとめて指す場合は、翼125a、125bと呼ぶことにする。
ケーシング122には、主として、メイン流路120、戻り流路124、及びインジェクション導入口123が形成されている。
図3は、図2の第2圧縮機構2bの部分を拡大した図である。メイン流路120は、中間連結流路11bの出口と接合する吸入口Bから第2圧縮機構2bへ吸入された冷媒が主に通る流路であり、インペラ121の吸入側にあるインフューザと呼ばれる吸入側空間120aからインペラ121が配置された空間(以下、インペラ配置空間120bとする)を通って、インペラ121の吐出側にあるデフューザと呼ばれる吐出側空間120cへと通じている。即ち、冷媒は、吸入側空間120aから図3の矢印D1方向へ流れ、インペラ配置空間120bを通過し、吐出側空間120cに向けて矢印D2方向へ流れる。吐出側空間120cの先には、冷媒を整流するためのスクロール室120dが設けられている。
戻り流路124は、インペラ配置空間120bに吸入された冷媒の一部を吸入側空間120aに戻す流路である。戻り流路124は、図2における前後方向に長く延びるように形成されており、その前後方向に沿った断面(縦断面)は、図2に示されているように略長方形の形状をしている。戻り流路124の入口124aは、インペラ配置空間120bに面するケーシング122の側壁に形成されている。具体的には、当該入口124aは、側壁のインペラ121の補助翼125bの頭(図2の破線)、即ち最も前方に位置する補助翼125bの端部、に対向する位置に形成されている。当該入口124aの位置は、略長方形をした戻り流路124の縦断面の後側の短辺S2近傍でもある。戻り流路124は、冷媒が当該入口124aからケーシング122の側壁内部を前に向けて、即ち吸入側空間120aを流れる冷媒とは逆の方向(図3の矢印D4方向)に流れるように形成され、その出口124bは、略長方形をした戻り流路124の縦断面の前側の短辺S1近傍からケーシング122の側壁の吸入側空間120aに面する部位に開口するように形成されている。
インジェクション導入口123は、第2高圧冷媒管12bの途中において主冷媒回路からエコノマイザ回路7へ分岐した冷媒が、インジェクション管22を介して、第2圧縮機構2bのケーシング122内へ導入される導入口である。インジェクション導入口123は、戻り流路124内に形成されている。したがって、冷媒は、インジェクション導入口123から戻り流路124に流入し、戻り流路124の出口124bから吸入側空間120aへ出る。つまり、エコノマイザ回路7へ分岐した冷媒は、中間連結流路11bからメイン流路120へ吸入される主冷媒回路の冷媒とは別にケーシング122内に導入される。
以下、第2圧縮機構2bにおける冷媒の流れについて説明する。
(4−1)
上記実施形態では、二段遠心圧縮機2の第2圧縮機構2bは、翼125a、125bを有するインペラ121と、ケーシング122とを備える。ケーシング122には、インペラ121の回転により吸入される冷媒のメイン流路120と、インペラ配置空間120bに吸い込まれた冷媒の一部を吸入側空間120aに戻す戻り流路124と、エコノマイザ回路7に分岐した中間圧の冷媒をメイン流路120とは別にケーシング122内に導入するインジェクション導入口123とが形成されている。インジェクション導入口123は、戻り流路124内に形成されている。
また、上記実施形態では、インジェクション導入口123は、戻り流路124内において、略長方形をした戻り流路124の縦断面の後側短辺S2に、前側短辺S1に対向するように形成されている。即ち、インジェクション導入口123から戻り流路124内に流れる冷媒が、図3の矢印D6で示すように、当該略長方形の前側短辺S1に向けて、角度をなるべく付けずにスムーズに流れるように形成されている。これにより、インジェクション導入口123からの冷媒の矢印D6方向への流れに当該流れ周辺の冷媒が吸い込まれ、戻り流路124内に負圧空間Vが形成されるようになっている。よって、より多くの冷媒が戻り流路124内へ吸い込まれ、冷媒の循環率が向上するようになっている。その結果、サージングの発生が抑制され、二段遠心圧縮機2の運転範囲を低流量域に拡大することが可能となっている。
また、上記実施形態では、インジェクション導入口123は、戻り流路124内において、戻り流路124の入口124a近傍に形成されている。これにより、戻り流路124の入口124a近傍に負圧空間Vが生成され、入口124aに冷媒が吸い込まれ易くなる。よって、冷媒の循環率を向上することができる。その結果、サージングの発生が抑制され、二段遠心圧縮機2の運転範囲を低流量域に拡大することが可能となっている。
また、上記実施形態では、サージングの発生が抑制され、運転範囲を低流量域に拡大することが可能な二段式遠心圧縮機2を備えた冷凍装置1を提供することが可能となっている。
(5−1)変形例1A
上記実施形態においては、冷凍装置1の冷媒回路は、冷房或いは冷却時の冷媒の流れを示しているが、他の実施形態においては、本発明に係る遠心圧縮機及び冷凍装置を暖房或いは加熱に適用しても良い。例えば、冷凍装置1を図4に示す冷凍装置300のように変形し、冷房及び暖房の両方が可能なようにしても良い。
上記実施形態においては、第1圧縮機構2aのケーシング112には、戻り流路が形成されていないが、他の実施形態においては、ケーシング112に戻り流路が形成されていてもよい。
2 二段遠心圧縮機
2a 第1圧縮機構(第1の遠心圧縮機)
2b 第2圧縮機構(第2の遠心圧縮機)
3、303 熱源側熱交換器(放熱器、蒸発器)
4、304 膨張機構(減圧器)
5、305 利用側熱交換器(蒸発器、放熱器)
120 メイン流路
120a 吸入側空間
120b インペラ配置空間
121 インペラ
122 ケーシング
123 インジェクション導入口
124 戻り流路
124a 入口
125a、125b 翼
V 負圧空間
Claims (4)
- 流体を吸入し、圧縮する遠心圧縮機(2b)であって、
翼を有するインペラ(121)と、
ケーシング(122)と、
を備え、
前記ケーシング(122)には、
前記インペラ(121)の回転によって吸入される前記流体の流路であるメイン流路(120)と、
前記インペラ(121)が配置される空間(120b)に吸入された前記冷媒の一部を前記インペラ(121)の吸入側空間(120a)に戻す戻り流路(124)と、
前記メイン流路(120)とは別に前記ケーシング(122)内に前記流体を導入するインジェクション導入口(123)と、
が形成され、
前記インジェクション導入口(123)が、前記戻り流路(124)内に形成された、
遠心圧縮機(2b)。 - 前記インジェクション導入口(123)は、前記戻り流路(124)内に負圧空間(V)が生成されるように形成された、
請求項1に記載の遠心圧縮機(2b)。 - 前記戻り流路(124)の入口(124a)は、前記インペラ(121)が配置される空間(120b)に面する前記ケーシング(122)の部位に形成され、
前記インジェクション導入口(123)は、前記戻り流路(124)の入口(124a)の近傍に形成された、
請求項2に記載の遠心圧縮機(2b)。 - 流体を吸入し、圧縮して吐出する第1の遠心圧縮機(2a)と、
前記第1の遠心圧縮機が吐出した前記流体を吸入し、さらに圧縮して吐出する請求項1〜3のいずれかに記載の遠心圧縮機である第2の遠心圧縮機(2b)と、
前記流体の熱を放熱するための放熱器と、
前記流体の圧力を下げる減圧器(4、304)と、
前記流体を加熱するための蒸発器と、
を備え、
前記流体の一部が前記インジェクション導入口(123)を介して前記第2の遠心圧縮機(2b)に導入される、
冷凍装置(1、300)。
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